(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20240912BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20240912BHJP
H04B 17/15 20150101ALI20240912BHJP
H04B 17/29 20150101ALI20240912BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W88/08
H04B17/15
H04B17/29
(21)【出願番号】P 2023076687
(22)【出願日】2023-05-08
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0056988
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516157382
【氏名又は名称】イノワイアレス カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】クワク,ヨン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン シク
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-070140(JP,A)
【文献】特開2020-099008(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106358213(CN,A)
【文献】特表2016-500214(JP,A)
【文献】特開2020-032196(JP,A)
【文献】CATT,CR for TS 36.141: On sweep time for unwanted emission testing (Rel-15),3GPP TSG RAN WG4#103-e R4-2208234,フランス,3GPP,2022年04月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04B 17/15
H04B 17/29
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局信号を出力する基地局、各種基地局パラメータによって基地局信号を制御する基地局管制センター、基地局信号を受信して無線局試験を遂行する携帯型スペクトル分析装置、及びスペクトル分析装置と有線または無線通信するスマート端末機を含んでなる携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムにおいて、
携帯型スペクトル分析装置と有線または無線通信するUSB通信部およびWiFi通信部と、
スペクトル分析装置のデジタル処理部を通じて処理された後にUSB通信部またはWiFi通信部を通じて伝達された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を表示する表示部と、
無線局試験に必要な各種基地局パラメータを基地局パラメータ設定部と、
基地局パラメータ設定部を通じて設定された各種基地局パラメータを符号化する符号化部と、
符号化部を通じて符号化された各種基地局パラメータを移動通信網を通じて基地局管制センターに無線伝送する通信部を具備したスマート端末機と、
を含んでなることを特徴とする、携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システム。
【請求項2】
基地局およびスマート端末機と通信を遂行する通信部と、
無線局試験に必要な各種基地局パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部と、
通信部を通じてスマート端末機と無線通信して、伝達された基地局パラメータを解読し
た後に基地局パラメータ入力部に伝達するパラメータ解読部と、
基地局パラメータ入力部から伝達された基地局パラメータによって該当基地局を制御す
る基地局管制センターサーバーを具備した基地局管制センターと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項
1に記載の携帯型スペクトル分析装置を利用し
た無線局試験システム。
【請求項3】
基地局パラメータは、基地局情報および基地局信号の種類、中心周波数、および出力レ
ベル情報を含むことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の携帯型スペクトル分析装置を
利用した無線局試験システム。
【請求項4】
基地局情報は、PCI(Physical Cell Identity)またはセク
ターIDを含み、
基地局信号は、OCNS信号、E-TMまたはN-TM信号であることを特徴とする、
請求項
3に記載の携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システム。
【請求項5】
前記携帯型スペクトル分析装置は、
基地局の信号出力端からの基地局信号が入力される信号入力端と、
信号入力端を通じて入力された基地局信号に対してRF信号処理を実行するRF処理部と、
RF処理部を通じて変換された基底帯域の基地局信号に対してデジタル信号処理を実行するデジタル処理部と、
デジタル処理部を通じて処理された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を伝達するUSB通信部及びWiFi通信部と、
を具備する、請求項1に記載の携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムに関し、特に携帯型スペクトル分析装置で直接多様な基地局信号の送信を制御して、OTA(Over The Air)測定環境でさらに迅速および便利でありながらも速やかに各種無線局試験を遂行できるようにした、携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
広く知られている通り、4G LTEまたは5G NR(New Radio)では、基地局のデジタルデータ処理装置(DU:Digital Unit)を分離させて多くのDUを一つの場所に集めて管理し、基地局には無線信号処理装置(RU;Radio Unit)だけ設置した状態でDUとRUを連結するフロントホール(Fron人haul)として、例えばCPRI(Common Public Radio Interface)を使うクラウド無線接続網(C-RAN:Cloud Radio Access Network)を採択している。
【0003】
一方、既存の基地局ベンダー、通信事業者および韓国内の無線局の許可および竣工検査を担当するKCA(韓国放送通信電波振興院)等では、携帯型スペクトル分析装置を通じて各種無線局試験を遂行している。
【0004】
図1は、従来の携帯型スペクトル分析装置を通じての無線局試験方式を説明するための各装備のブロック構成図である。
図2は、従来の携帯型スペクトル分析装置を通じての無線局試験方式を説明するためのシステム構成図である。
【0005】
まず、
図1に図示した通り、基地局10は前述したDU11およびRU12、無線局試験に必要な各種基地局信号を出力する信号出力端13および基地局管制センター20のサーバーと通信を遂行する通信部14を含んでなり得る。
【0006】
次に、基地局管制センター20は、基地局管制センターの担当者から無線局試験に必要な各種基地局信号の種類、例えばOCNS(Orthogonal Channel Noise Simulator)信号、LTE試験モデルであるE-TM信号や5G NR試験モデルであるN-TM信号、中心周波数および出力レベルなどの無線局試験に必要な各種パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部23、基地局10と通信を実行する通信部21および基地局パラメータ入力部23を通じて入力された各種パラメータを、通信部21を通じて該当基地局10に伝達して制御する基地局管制センターサーバー22を含んでなり得る。
【0007】
次に、携帯型スペクトル分析装置30はシステムオペレーティングシステム(OS)、例えば、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステム34、基地局10の信号出力端13から基地局信号が入力される信号入力端31、信号入力端31を通じて入力された基地局信号に対してRF信号処理を実行するRF処理部32、RF処理部32を通じて変換された基底帯域の基地局信号に対してデジタル信号処理するデジタル処理部33、デジタル処理部33を通じて処理された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を表示する表示部35および前述した通り、無線局試験に必要な各種事項、例えば分析を望む基地局信号および中心周波数などを設定する自体パラメータ設定部36を含んでなり得る。
【0008】
前述した構成において、信号出力端13および信号入力端21はRFケーブルを通じて有線で連結されるかアンテナを通じて無線(OTA)で連結され得る。
【0009】
前述した通り、従来の携帯型スペクトル分析装置30を通じて無線局試験を実行する場合において、携帯型スペクトル分析装置30に基地局管制センター20と直接通信してこれを制御する機能が備えられていないため、多くの困難な点があった。
【0010】
具体的には、
図2に図示した通り、測定者がスペクトル分析装置30を携帯したままRU12のセル半径内に位置した状態で、各基地局ベンダーまたは通信事業者の基地局管制センター20の担当者に直接電話して、現場で必要とする信号の種類、例えばOCNS信号、E-TM信号やN-TM信号、中心周波数および出力レベルなどの信号分析に必要な各種パラメータを設定することを要請しなければならない。
【0011】
その後、基地局管制センターの担当者は、現場の測定者が要請した各種基地局パラメータを基地局管制センター20の基地局パラメータ入力部23を通じて設定した後、望む信号が正しく出力されたかを確認するために再び現場の測定者に電話で連絡する作業を繰り返して実行しなければならない。
【0012】
そして、この過程で、現場の測定者は、不可避に所望しない信号に対する測定をせざるを得なくなり、基地局管制センターの担当者の場合も現在のパラメータ設定を通じて基地局のRUでどのような出力が発生するかが分からないため、多くの試行錯誤と時間が所要する不便な点があった。
【0013】
一方、本発明に関連した先行技術は、下記に記載された通り、その殆どがスペクトル分析装置そのものを対象としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国公開特許第10-2009-0041282号公報(発明の名称:移動通信基地局の受信感度測定装置および方法)
【文献】韓国公開特許第10-2002-0078925号公報(発明の名称:スペクトル分析が可能な基地局テスト装置)
【文献】韓国公開特許第10-2001-0094679号公報(発明の名称:セルラー移動通信基地局の無線周波数特性自動測定装置および方法)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、携帯型スペクトル分析装置で直接多様な基地局信号の送信を制御して、OTA(Over The Air)測定環境でさらに迅速および便利でありながらも速やかに、を遂行できるようにした携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するための本発明の一特徴によると、基地局信号を出力する基地局、各種基地局パラメータによって基地局信号を制御する基地局管制センターおよび基地局信号を受信して無線局試験を実行する携帯型スペクトル分析装置を含んでなる携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムにおいて、基地局の信号出力端から基地局信号が入力される信号入力端と、信号入力端を通じて入力された基地局信号に対してRF信号処理を遂行するRF処理部と、RF処理部を通じて変換された基底帯域の基地局信号に対してデジタル信号処理を実行するデジタル処理部と、デジタル処理部を通じて処理された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を表示する表示部と、無線局試験に必要な各種基地局パラメータを設定する基地局パラメータ設定部と、基地局パラメータ設定部を通じて設定された各種パラメータを符号化する符号化部および符号化部を通じて符号化された各種基地局パラメータを移動通信網を通じて基地局管制センターに無線伝送する通信部を具備した携帯型スペクトル分析装置と、を含むことを特徴とする、携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムが提供される。
【0017】
前述した構成において、基地局およびスペクトル分析装置と通信を実行する通信部と、無線局試験に必要な各種基地局パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部と、通信部を通じてスペクトル分析装置と無線通信して、伝達された基地局パラメータを解読した後に基地局パラメータ入力部に伝達するパラメータ解読部および基地局パラメータ入力部から伝達された基地局パラメータによって該当基地局を制御する基地局管制センターサーバーを具備した基地局管制センターと、をさらに含む。
【0018】
基地局パラメータは、基地局情報および基地局信号の種類、中心周波数および出力レベル情報を含む。
【0019】
基地局情報は、PCI(Physical Cell Identity)またはセクターIDを含み、基地局信号は、OCNS信号、E-TMまたはN-TM信号である。
【0020】
本発明の第2特徴によると、基地局信号を出力する基地局、各種基地局パラメータによって基地局信号を制御する基地局管制センターおよび基地局信号を受信して無線局試験を実行する携帯型スペクトル分析装置を含んでなる携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムにおいて、基地局およびスペクトル分析装置と通信を実行する通信部と、無線局試験に必要な各種基地局パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部と、通信部を通じてスペクトル分析装置と無線通信して、伝達された基地局パラメータを解読した後に基地局パラメータ入力部に伝達するパラメータ解読部および基地局パラメータ入力部から伝達された基地局パラメータによって該当基地局を制御する基地局管制センターサーバーを具備した基地局管制センターと、を含むことを特徴とする、携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムが提供される。
【0021】
本発明の第3特徴によると、基地局信号を出力する基地局、各種基地局パラメータによって基地局信号を制御する基地局管制センター、基地局信号を受信して無線局試験を遂行する携帯型スペクトル分析装置およびスペクトル分析装置と有線または無線通信するスマート端末機を含んでなる携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムにおいて、携帯型スペクトル分析装置と有線または無線通信するUSB通信部およびWiFi(登録商標)通信部と、スペクトル分析装置のデジタル処理部を通じて処理された後にUSB通信部またはWiFi(登録商標)通信部を通じて伝達された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を表示する表示部;無線局試験に必要な各種基地局パラメータを基地局パラメータ設定部と、基地局パラメータ設定部を通じて設定された各種基地局パラメータを符号化する符号化部および符号化部を通じて符号化された各種基地局パラメータを移動通信網を通じて基地局管制センターに無線伝送する通信部を具備したスマート端末機と、を含んでなることを特徴とする携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムが提供される。
【0022】
前述した第3特徴において、基地局およびスマート端末機と通信を実行する通信部と、無線局試験に必要な各種基地局パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部と、通信部を通じてスマート端末機と無線通信して、伝達された基地局パラメータを解読した後に基地局パラメータ入力部に伝達するパラメータ解読部および基地局パラメータ入力部から伝達された基地局パラメータによって該当基地局を制御する基地局管制センターサーバーを具備した基地局管制センターと、をさらに含む。
【0023】
基地局パラメータは、基地局情報および基地局信号の種類、中心周波数および出力レベル情報を含む。
【0024】
基地局情報は、PCI(Physical Cell Identity)またはセクターIDを含み、基地局信号は、OCNS信号、E-TMまたはN-TM信号である。
【0025】
本発明の第4特徴によると、基地局信号を出力する基地局、各種基地局パラメータによって基地局信号を制御する基地局管制センター、基地局信号を受信して無線局試験を実行する携帯型スペクトル分析装置およびスペクトル分析装置と有線または無線通信するスマート端末機を含んでなる携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムにおいて、基地局およびスマート端末機と通信を実行する通信部と、無線局試験に必要な各種基地局パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部と、通信部を通じてスマート端末機と無線通信して、伝達された基地局パラメータを解読した後に基地局パラメータ入力部に伝達するパラメータ解読部および基地局パラメータ入力部から伝達された基地局パラメータによって該当基地局を制御する基地局管制センターサーバーと、を具備した基地局管制センターを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムによると、現場の測定者が一人で基地局信号をコントロールして各種無線局試験を実行できるため、測定の正確性が向上するだけでなく測定時間が短縮されることによって、その結果、費用を節減することができる。
【0027】
これに伴い、今後3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)測定標準に適用される5G無線局OTA測定および事業者の無線局または竣工局試験やアンテナアレイの増幅器の劣化などの維持保守試験などの無線網の運営に多いに役に立ち得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来の携帯型スペクトル分析装置を通じての無線局試験方式を説明するための各装備のブロック構成図である。
【
図2】従来の携帯型スペクトル分析装置を通じての無線局試験方式を説明するためのシステム構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムに含まれた各装備のブロック構成図である。
【
図4】
図3の実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験方式を説明するための図面である。
【
図5】本発明の他の実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムに含まれた各装備のブロック構成図である。
【
図6】
図5の実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を通じての無線局試験方式を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で使われる用語は、実施例を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。以上の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」等は、明細書作成の容易さのみを考慮して付与したものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0030】
本明細書に記載された「~部」、「~器」、「~子」、「~モジュール」等の用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはプロセッサ(Processor)、マイクロプロセッサ(Micro Processor)、マイクロコントローラ(Micro Controller)、CPU(central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのようなハードウェアやソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの結合で実現され得、少なくとも一つの機能や動作の処理に必要なデータを保存するメモリ(memory)と結合される形態で実現されてもよい。
【0031】
或る構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されるかまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、或る構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0032】
単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0033】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0034】
また、「または」という用語は、排他的論理和(exclusive OR)よりは包含的な論理和(inclusive OR)を意味する。
【0035】
以下では、添付した図面を参照して本発明の携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムの好ましい実施例について詳細に説明する。
【0036】
図3は、本発明の一実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムに含まれた各装備のブロック構成図であるところ、大きく基地局10、基地局管制センター20’および携帯型スペクトル分析装置30’を含んでなり得る。
【0037】
図3に図示した通り、基地局10は、前述したDU11およびRU12、無線局試験に必要な各種基地局信号を出力する信号出力端13および基地局管制センター20’サーバーと通信を遂行する通信部14を含んでなり得る。
【0038】
次に、携帯型スペクトル分析装置30’は、システムオペレーティングシステム(OS)、例えばアンドロイド(登録商標)オペレーティングシステム34、基地局10の信号出力端13から基地局信号が入力される信号入力端31、信号入力端31を通じて入力された基地局信号に対してRF信号処理を遂行するRF処理部32、RF処理部32を通じて変換された基底帯域の基地局信号に対してデジタル信号処理を遂行するデジタル処理部33、デジタル処理部33を通じて処理された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を表示する表示部35、無線局試験に必要な各種事項、例えば分析を望む基地局情報(PCIまたはセクターID)、基地局信号の種類および中心周波数などを設定する自体パラメータ設定部36、基地局情報(PCIまたはセクターIDなど)、各種基地局信号の種類、例えばOCNS信号、E-TMまたはN-TM信号、中心周波数および出力レベルなどの無線局試験に必要な各種パラメータの設定を受ける基地局パラメータ設定部37、基地局パラメータ設定部37を通じて設定された各種パラメータを符号化する符号化部38および符号化部38を通じて符号化された各種基地局パラメータを移動通信網、例えば4Gまたは5G通信網を通じて基地局管制センター20’に無線伝送する通信部(移動通信モデム)39を含んでなり得る。
【0039】
前述した構成において、基地局パラメータ設定部37は、タッチスクリーン方式のGUI(Graphic User Interface)で実現され得る。符号化部38は、各種基地局パラメータを、例えばHTMLやJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等で符号化して基地局管制センター20’の許可されたサーバーに接近できるAPI(Application Programming Interface)で実現され得る。
【0040】
次に、基地局管制センター20’は、基地局10およびスペクトル分析装置30’と通信、例えばインターネット通信を実行する通信部21、前述した基地局情報および基地局信号の種類、中心周波数および出力レベルなど無線局試験に必要な各種パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部23、通信部21を通じてスペクトル分析装置30’と無線通信して、伝達された各種基地局パラメータを解読した後に基地局パラメータ入力部23に伝達するパラメータ解読部24、および基地局パラメータ入力部23から伝達された各種基地局パラメータによって該当基地局を制御する基地局管制センターサーバー22を含んでなり得る。
【0041】
前述した構成において、信号出力端13および信号入力端21は、RFケーブルを通じて有線で連結(TAB:Tab Array Boundary)されるか、アンテナを通じて無線(OTA)で連結され得る。一方、基地局パラメータは従来同様に基地局パラメータ入力部23を通じて基地局管制センターの担当者によって手動で入力され得る。
【0042】
図4は、
図3の実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験方式を説明するための図面である。
図4に図示した通り、本発明の一実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を通じて無線局試験を実行するにおいて、基地局管制センター20’とスペクトル分析装置30’は、4Gまたは5G移動通信網を通じて連結され得、基地局10とスペクトル分析装置30’は、RFケーブルを通じて有線連結されるかまたはアンテナを通じて無線(OTA)連結され得る。基地局管制センター20’と基地局10、具体的には、DUセンター11はインターネットを通じて連結され得る。
【0043】
前述した構成において、例えば、現場の測定者がRU12の2番アンテナを選択して無線局試験を実行しようとする場合、携帯型スペクトル分析装置30’の基地局パラメータ設定部37を通じて2番アンテナを選択し、その他にも基地局信号の種類、中心周波数および出力レベルなどの基地局パラメータを設定すると、このように設定された各種基地局パラメータが符号化部38を通じて符号化された後に基地局管制センター20’に伝達される。
【0044】
その後、基地局管制センター20’では、スペクトル分析装置30’から伝達された基地局パラメータを、そのパラメータ解読部24を通じて解読した後に基地局パラメータ入力部23を通じて基地局管制センターサーバー22に伝達し、基地局管制センターサーバー22は、このように伝達された基地局パラメータを基地局のDUセンター11に伝達してRU12の2番アンテナが選択されるようにRU12の2番アンテナに連結された増幅器(Amp2)のみを動作させるか、TABポートを通じてスイッチを制御して2番アンテナ信号のみがRFケーブルを通じてスペクトル分析装置20’に伝達されるようにする。
【0045】
図5は、本発明の他の実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムに含まれた各装備のブロック構成図であるところ、基地局制御機能が、移動通信モデムが搭載された現場の測定者のスマートフォンやタブレットPC(以下「スマート端末機」という)に備えられた実施例を示している。
【0046】
図5に図示した通り、本実施例に係る基地局10は、前述したDU11およびRU12、無線局試験に必要な各種基地局信号を出力する信号出力端13および基地局管制センター20’サーバーと通信を実行する通信部14を含んでなり得る。
【0047】
次に、基地局管制センター20’は、基地局10およびスマート端末機40と通信、例えばインターネット通信を遂行する通信部21、前述した基地局情報および基地局信号の種類、中心周波数および出力レベルなどの無線局試験に必要な各種パラメータの設定を受ける基地局パラメータ入力部23、通信部21を通じてスマート端末機40と無線通信して伝達された各種基地局パラメータを解読した後に基地局パラメータ入力部23に伝達するパラメータ解読部24および基地局パラメータ入力部23から伝達された各種基地局パラメータによって該当基地局を制御する基地局管制センターサーバー22を含んでなり得る。
【0048】
次に、携帯型スペクトル分析装置30’’は、基地局10の信号出力端13から基地局信号が入力される信号入力端31、信号入力端31を通じて入力された基地局信号に対してRF信号処理を実行するRF処理部32、RF処理部32を通じて変換された基底帯域の基地局信号に対してデジタル信号処理を実行するデジタル処理部33およびスマート端末機40と有線および無線通信してデジタル信号処理結果を伝達するUSB通信部38およびWiFi(登録商標)通信部37を含んでなる。
【0049】
最後に、スマート端末機40は、システムオペレーティングシステム、例えばアンドロイド(登録商標)オペレーティングシステム44、携帯型スペクトル分析装置30’’と有線または無線通信するUSB通信部48およびWiFi(登録商標)通信部49、スペクトル分析装置30’’のデジタル処理部33を通じて処理された後に、USB通信部48またはWiFi(登録商標)通信部49を通じて伝達された基地局信号のスペクトルを含んだ各種分析内容を表示する表示部45、無線局試験に必要な各種事項、例えば分析を望む基地局情報(PCIまたはセクターID)、基地局信号の種類および中心周波数などを設定する自体パラメータ設定部46、基地局情報(PCIまたはセクターIDなど)、各種基地局信号の種類、例えばOCNS信号、E-TMまたはN-TM信号、中心周波数および出力レベルなどの無線局試験に必要な各種基地局パラメータの設定を受ける基地局パラメータ設定部47、基地局パラメータ設定部47を通じて設定された各種基地局パラメータを符号化する符号化部42、および符号化部42を通じて符号化された各種基地局パラメータを移動通信網、例えば4Gまたは5G通信網を通じて基地局管制センター20’に無線伝送する通信部(移動通信モデム)41を含んでなり得る。
【0050】
前述した構成において、基地局パラメータ設定部47は、タッチスクリーン方式のGUI(Graphic User Interface)で実現され得る。符号化部42は、各種基地局パラメータを、例えばHTMLでもJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等で符号化して基地局管制センター20’の許可されたサーバーに接近できるAPIで実現され得る。
【0051】
図6は、
図5の実施例に係る携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験方式を説明するための図面である。
図6に図示した通り、本発明によると、現場の測定者が基地局のRU12アンテナから出力される基地局信号を測定するために、本発明の携帯型スペクトル分析装置30’’、およびスマート端末機40を携帯したまま無線局試験が必要なRUアンテナ近所に移動した状態で、携帯型スペクトル分析装置30’’RU12のアンテナをRFケーブルを通じて有線連結するか、OTA測定のために受信アンテナを利用して基地局信号測定のための準備をする。
【0052】
この状態で、スマート端末機40に搭載された携帯型スペクトル分析装置駆動用アプリケーションプログラムを通じて、直接基地局管制センターサーバー22に接続して基地局情報、RUアンテナで出力される基地局信号、中心周波数、出力レベルなどの基地局パラメータを設定する。
【0053】
次に、現場の測定者は携帯型スペクトル分析装置30’’から伝達された、RUアンテナから出力される基地局信号がスマート端末機40を通じて設定した基地局パラメータと同一の信号であるかを確認した後に測定を開始する。
【0054】
以上、添付した図面を参照して本発明の携帯型スペクトル分析装置を利用した無線局試験システムの好ましい実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明の技術的思想の範疇内で多様な変形と変更が可能であろう。したがって、本発明の権利範囲は以下の請求の範囲の記載によって定められるべきである。