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特許7554880空間評価システム及び空間評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】空間評価システム及び空間評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240912BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240912BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20240912BHJP
【FI】
G06T7/00 130
G06Q50/08
G06Q50/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023103548
(22)【出願日】2023-06-23
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】三原 邦彰
(72)【発明者】
【氏名】坂田 克彦
(72)【発明者】
【氏名】高砂 裕之
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-090557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06Q 50/08
G06Q 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の心理的効果を評価する空間評価システムであって、
前記空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、
前記空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、
前記緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び前記開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、前記空間の心理的効果を評価する評価手段と、
を備え
前記評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、
当該評価用の式は、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含む空間評価システム。
【請求項2】
空間の心理的効果を評価する空間評価システムであって、
前記空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、
前記空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、
前記緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び前記開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、前記空間の心理的効果を評価する評価手段と、
を備え
前記評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、
当該評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含む空間評価システム。
【請求項3】
前記開放感取得手段は、前記空間における鉛直方向の面の照度を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得する請求項1又は2に記載の空間評価システム。
【請求項4】
前記開放感取得手段は、前記空間における可視容積を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得する請求項1又は2に記載の空間評価システム。
【請求項5】
コンピュータを、空間の心理的効果を評価する空間評価システムとして動作させる空間評価プログラムであって、
当該コンピュータを、
前記空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、
前記空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、
前記緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び前記開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、前記空間の心理的効果を評価する評価手段と、
として機能させ
前記評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、
当該評価用の式は、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含む空間評価プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、空間の心理的効果を評価する空間評価システムとして動作させる空間評価プログラムであって、
当該コンピュータを、
前記空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、
前記空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、
前記緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び前記開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、前記空間の心理的効果を評価する評価手段と、
として機能させ
前記評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、
当該評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含む空間評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間の心理的効果を評価する空間評価システム及び空間評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居住環境の緑視率に基づいて、当該居住環境におけるリラックス効果を数値化することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5298386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物等の空間の疲労回復効果、生産性向上等の心理的効果を評価することは、例えば、空間の設計において重要である。しかしながら、狭い空間で緑視率だけが高くなると閉塞感が感じられるように、上記の従来技術のように緑視率を考慮するだけでは、必ずしも、空間の特徴と心理的効果との関係を適切に評価することができない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、適切に空間の心理的効果を評価することができる空間評価システム及び空間評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る空間評価システムは、空間の心理的効果を評価する空間評価システムであって、空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、空間の心理的効果を評価する評価手段と、を備える。
【0007】
本発明に係る空間評価システムでは、空間の緑視率及び開放感の両方が考慮されて、空間の心理的効果が評価される。従って、本発明に係る空間評価システムによれば、空間の心理的効果を適切に評価することができる。
【0008】
評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、当該評価用の式は、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含む。この構成によれば、空間の心理的効果を適切かつ確実に評価することができる。
【0009】
又は、評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、当該評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含む。この構成によれば、空間の心理的効果を適切かつ確実に評価することができる。
【0010】
開放感取得手段は、空間における鉛直方向の面の照度を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得することとしてもよい。この構成によれば、空間の心理的効果の評価に用いる開放感をより適切なものにすることでき、その結果、空間の心理的効果をより適切に評価することができる。
【0011】
開放感取得手段は、空間における可視容積を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得することとしてもよい。この構成によれば、空間の心理的効果の評価に用いる開放感をより適切なものにすることでき、その結果、空間の心理的効果をより適切に評価することができる。
【0012】
ところで、本発明は、上記のように空間評価システムの発明として記述できる他に、以下のように空間評価プログラムの発明としても記述することができる。これらはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0013】
即ち、本発明に係る空間評価プログラムは、コンピュータを、空間の心理的効果を評価する空間評価システムとして動作させる空間評価プログラムであって、当該コンピュータを、空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、空間の心理的効果を評価する評価手段と、として機能させる。評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、当該評価用の式は、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含む。又は、評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、当該評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空間の心理的効果を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る空間評価システムの機能構成を示す図である。
図2】緑視率の算出に用いられる画像の例である。
図3】緑視率及び開放感の算出における基準位置及び方向の例を示す図である。
図4】空間の心理的効果の評価のためのアンケート結果を示すグラフである。
図5】空間の心理的効果(疲労回復)の評価結果の例を示す表である。
図6】空間の心理的効果(熱意)の評価結果の例を示す表である。
図7】本発明の実施形態に係る空間評価システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る空間評価プログラムの構成を、記録媒体と共に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面と共に本発明に係る空間評価システム及び空間評価プログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1に本実施形態に係る空間評価システム10の機能構成を示す。空間評価システム10は、空間の心理的効果を評価するシステム(装置)である。評価対象となる空間は、人によって利用される空間であり、例えば、建物(住宅、オフィス又はショッピングモール等)内の空間、具体的には、部屋又は中庭(例えば、吹き抜け空間)等である。評価対象となる空間は、半屋外空間(建物外にあるものの建物内のような空間)であってもよい。評価対象となる空間は、評価に用いられる情報が取得できる空間であればよく、実際にある空間である必要はない。例えば、評価対象となる空間は、これから建築される建物の空間であってもよい。
【0018】
空間評価システム10は、評価対象である予め設定された特定の空間が、当該空間を利用する人(当該空間中にいる人)に与える心理的効果を評価する。例えば、空間評価システム10は、当該空間で休憩する人に当該空間が与える心理的効果を評価する。このように空間評価システム10は、空間印象の定量化を行う。
【0019】
空間評価システム10の評価対象となる心理的効果(空間印象度)は、例えば、覚醒、集中、ストレス、疲労回復(リフレッシュ)、生産性(知的生産性)又は熱意(enthusiastic)である。あるいは、空間評価システム10の評価対象は、温熱快適性、視覚快適性、聴覚快適性、だるさ、驚き、静穏、リラックス、緊張、喜び、悲しみ又は休憩空間としての好まれやすさでもよい。また、空間評価システム10の評価対象は、空間の心理的効果であれば上記以外ものであってもよい。
【0020】
後述するように空間評価システム10による評価には、空間特性である空間の開放感(spaciousness)が用いられる。従って、空間評価システム10の評価対象は、空間の開放感を除いた空間の心理的効果である。空間の開放感は、乾正雄・宮田紀元・渡辺圭子:開放感に関する研究・1:視環境における開放感の位置づけ,予備実験,日本建築学会論文報告集(192),pp.49-55,1972、乾正雄・宮田紀元・渡辺圭子:開放感に関する研究・2:人工空による模型実験,日本建築学会論文報告集(193),pp.51-57,1972、乾正雄・宮田紀元・渡辺圭子:開放感に関する研究・3:自然空による実験,現場実験,許容限度,日本建築学会論文報告集(194),pp.39-44,1972(非特許文献1~3)によって提案されたものである。開放感は、視環境の広々とした感じを表す心理量である。開放感は、人の感覚を指標化したものであり、無次元である。なお、開放感は、空間が広がり、広々とした状態を感じることができることであり、解放感(束縛されたものから解き放たれて、自由を感じられること。空間に係るものではない)とは異なる。
【0021】
空間評価システム10は、空間の心理的効果を数値として評価する。例えば、空間評価システム10は、数値が大きいほど心理的効果が大きい数値を算出する。空間評価システム10によって評価された空間の心理的効果は、例えば、空間の設計に用いられる。なお、空間評価システム10によって評価された空間の心理的効果は、それ以外の用途に用いられてもよい。また、空間評価システム10は、数値以外によって空間の心理的効果を数値として評価してもよい。
【0022】
空間評価システム10は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等のハードウェアを含むコンピュータであるPC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置等である。空間評価システム10の後述する各機能は、これらの構成要素がプログラム等により動作することによって発揮される。なお、空間評価システム10は、一つのコンピュータで実現されてもよいし、複数のコンピュータがネットワークにより互いに接続されて構成されるコンピュータシステムにより実現されていてもよい。
【0023】
引き続いて、本実施形態に係る空間評価システム10の機能を説明する。図1に示すように、空間評価システム10は、緑視率取得部11と、開放感取得部12と、評価部13とを備えて構成される。
【0024】
緑視率取得部11は、空間における緑視率(green coverage ratio)を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段である。緑視率は、空間の心理的効果の評価に用いられる。緑視率は、空間内にいる人の視野角内に見える緑(例えば、草木等の植物)の割合(例えば、パーセンテージ(%)の数値)である。緑視率は、例えば、視線の基準位置(視線に係る人の目の位置、視点)及び方向(例えば、方位)を決めた際の視野角(例えば、上下(縦)90度、左右(横)180度)内の画角に占める緑の面積割合である。緑視率取得部11は、例えば、以下のように緑視率情報を取得する。
【0025】
緑視率取得部11は、心理的効果の評価対象の空間について、緑視率の算出に用いる情報を取得して、取得した情報に基づいて緑視率を算出して緑視率情報を取得する。緑視率は、評価対象の空間内において予め設定された視線を基準として算出される。視線は、基準位置及び方向によって規定される。
【0026】
緑視率取得部11は、緑視率の算出に用いる情報として、予め設定された視線での評価対象の空間の画像(当該視線によって見える空間の画像)を取得して、画像から緑視率を算出する。例えば、緑視率取得部11は、外部から当該画像を入力して取得する。当該画像は、既存技術によって評価対象の空間をシミュレートして得られたものであってもよいし、評価対象の空間において撮像されて得られた画像であってもよい。図2に緑視率の算出に用いられる、緑の部分20aを含む画像20の例を示す。この画像は、評価対象の空間をシミュレートして得られたものであり、360度画像のうちの視野角(上下90度、左右180度)の部分の画像である。
【0027】
画像からの緑視率の算出は、例えば、既存技術(例えば、国土交通省国土技術政策研究所によって開発されたAI緑視率調査プログラム)によって行われればよい。上記のAI緑視率調査プログラムは、従来、人が行っていた写真から緑の範囲を塗りつぶす作業をAI(人工知能)の画像認識技術によって行うものである。このプログラムは、ディープラーニングによって樹木の姿かたち等の特徴を学習させて樹木を見分けている。
【0028】
緑視率は、空間内において、どの位置からどの方向を見るか、即ち、空間内の視線によって変わり得る。そこで、緑視率取得部11は、評価対象の空間内において複数の視線を基準として、それぞれの視線毎に緑視率を算出して、それら複数の緑視率から空間の心理的効果に用いる緑視率を算出してもよい。例えば、以下のように緑視率を算出してもよい。
【0029】
緑視率取得部11は、評価対象の空間を複数の領域に分割する。図3に示すように、評価対象の空間が4m×4mの面を有する空間である場合、緑視率取得部11は、評価対象の空間を2m×2mの4つの空間に分割する。緑視率取得部11は、分割後の空間の中央の位置を緑視率の算出に用いる視線の基準位置とし、また、当該基準位置から水平方向を8等分した8方向(8方位)を視線の方向とする。この場合、緑視率の算出に用いる視線の数は、4(位置)×8(方向)=32となる。緑視率取得部11は、それぞれの視線毎に緑視率を算出する。緑視率取得部11は、算出した視線毎の緑視率から、空間の心理的効果に用いる緑視率を算出する。例えば、緑視率取得部11は、算出した視線毎の緑視率の平均を、空間の心理的効果に用いる緑視率とする。
【0030】
上記のように緑視率を算出する場合、緑視率取得部11は、緑視率を算出する複数の視線をどのようにするか(例えば、どのように評価対象の空間を分割するか、どの方向の視線とするか)を予め記憶しておく。なお、複数の視線は、必ずしも上記のようにする必要はない。例えば、視線の基準位置は、評価対象の空間において通常、人が位置する位置としてもよい。また、視線の方向は、評価対象の空間の視線の基準位置において通常、人が向く方向としてもよい。
【0031】
なお、緑視率取得部11は、上記以外の方法で緑視率を算出して緑視率情報を取得してもよい。また、緑視率取得部11は、緑視率の算出以外の方法で緑視率情報を取得してもよい。例えば、緑視率取得部11は、外部から緑視率情報を入力して緑視率情報を取得してもよい。緑視率取得部11は、取得した緑視率情報を評価部13に出力する。
【0032】
開放感取得部12は、空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段である。開放感取得部12は、空間における鉛直方向の面の照度を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得してもよい。開放感取得部12は、空間における可視容積を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得してもよい。開放感情報は、例えば、開放感の強さを示す数値であり、数値が大きいほど開放感が強いことを示す。開放感取得部12は、例えば、以下のように開放感情報を取得する。
【0033】
開放感取得部12は、心理的効果の評価対象の空間について、開放感の算出に用いる情報を取得して、取得した情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得する。開放感の算出は、例えば、上記の非特許文献1~3に示される以下の式によって行うことができる。
=C・Lα・Rβ・Wγ
上記の式において、Sは、算出される開放感である。Lは、室内作業面平均照度[lx]である。Rは、室容積(心理的効果の評価対象の空間の容積)[m]である。Wは、窓(心理的効果の評価対象の空間に設けられた窓)の立体角投射率である。α,β,γ,Cは、予め設定されて開放感取得部12に記憶された定数である。
【0034】
開放感取得部12は、開放感の算出に用いる情報として、L,R,Wを取得してもよいし、L,R,Wを算出するための情報(例えば、心理的効果の評価対象の空間の構造に係る情報)を取得してL,R,Wを算出してもよい。開放感取得部12は、取得したL,R,Wと予め記憶した上記の式から開放感Sを算出する。例えば、開放感取得部12は、外部から開放感の算出に用いる情報を入力して取得する。L,R,Wの算出及びそれに用いる情報の取得は、既存技術によって行われればよい。
【0035】
上記の式を用いた開放感Sの算出において、Lを室内作業面平均照度ではなく、鉛直面照度[lx]としてもよい。鉛直面照度は、心理的効果の評価対象の空間において予め設定された水平方向の視線と垂直な面(鉛直方向の面)である鉛直面の照度である。視線に対する相対的な鉛直面の位置は、予め設定されて開放感取得部12に記憶される。鉛直面照度の算出は、予め設定された視線に対して定義される鉛直面を用いて既存技術によって行われればよい。
【0036】
上記の式を用いた開放感Sの算出において、Rを室面積ではなく、可視容積[m]としてもよい。可視容積は、心理的効果の評価対象の空間において予め設定された視線の視野角内で見ることができる範囲の容積である。空間内に什器及び緑等があると、それらの後ろが見えなくなり、見ることができる範囲が狭くなるため、可視容積が小さくなる。可視容積の算出は、予め設定された視線、空間の構造、及び空間内の物の情報等を用いて既存技術によって行われればよい。
【0037】
開放感Sの算出に、鉛直面照度、可視容積又はそれらの両方を用いることで、より実態に即した開放感を算出することができる。
【0038】
上記の鉛直面照度及び可視容積は、(緑視率と同様に)空間内の視線によって変わり得る。そこで、開放感取得部12は、鉛直面照度及び可視容積の少なくとも何れかを開放感の算出に用いる場合、評価対象の空間内において複数の視線を基準として、それぞれの視線毎に開放感を算出して、それら複数の開放感から空間の心理的効果に用いる開放感を算出してもよい。この場合、開放感取得部12は、上述した緑視率の算出と同様に複数の視線を設定して、視線毎に開放感を算出すればよい。開放感取得部12は、算出した視線毎の開放感から、空間の心理的効果に用いる開放感を算出する。例えば、開放感取得部12は、算出した視線毎の開放感の平均を、空間の心理的効果に用いる開放感とする。
【0039】
なお、開放感取得部12は、上記以外の方法で開放感を算出して開放感情報を取得してもよい。また、開放感取得部12は、開放感の算出以外の方法で開放感情報を取得してもよい。例えば、開放感取得部12は、外部から開放感情報を入力して開放感情報を取得してもよい。開放感取得部12は、取得した開放感情報を評価部13に出力する。
【0040】
評価部13は、緑視率取得部11によって取得された緑視率情報、及び開放感取得部12によって取得された開放感情報に基づいて、空間の心理的効果を評価する評価手段である。評価部13は、予め設定された評価用の式を用いて評価してもよい。当該評価用の式は、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含んでもよい。当該評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含んでもよい。評価部13は、例えば、以下のように空間の心理的効果を評価する。
【0041】
評価部13は、予め評価用の式を記憶しておき、記憶した評価用の式と緑視率及び開放感の数値とから、空間の心理的効果を評価する。評価用の式は、例えば、以下の式である。
Improvement ratio of Index=A+BG+CS+DG+EGS+FS
上記の式において、Improvement ratio of Indexは、算出される空間の心理的効果の評価値である。Gは、緑視率の数値である。Fは、開放感の数値である。A,B,C,D,E,Fは、予め設定されて開放感取得部12に記憶された定数である。
【0042】
上記の評価用の式のように、評価用の式には、緑視率の数値及び開放感の数値それぞれの二乗の項を含んでいてもよい。また、上記の評価用の式では、緑視率の数値及び開放感の数値の両方の二乗の項(DG,FS)を含んでいるが、何れか一方のみの二乗の項を含んでいてもよい。また、上記の評価用の式のように、評価用の式には、緑視率の数値と開放感の数値との積の項(EGS)を含んでいてもよい。また、評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値とを入力とするものであれば、上記以外の式であってもよい。
【0043】
評価用の式は、評価対象の心理的効果の種別(例えば、覚醒、集中及びストレス等の別)に応じたものとなる。例えば、上記の評価用の式では、定数であるA,B,C,D,E,Fの数値が、評価対象の心理的効果の種別毎のものとなる。また、定数であるA,B,C,D,E,Fの数値は、後述するように実験に基づく数値であってもよい。
【0044】
評価部13は、緑視率取得部11から緑視率情報を入力する。評価部13は、開放感取得部12から開放感情報を入力する。評価部13は、入力した緑視率情報によって示される緑視率の数値、及び入力した開放感情報によって示される開放感の数値を評価用の式に入力して、空間の心理的効果を示す数値を算出する。
【0045】
評価部13は、複数の空間それぞれについて、空間の心理的効果を示す数値を算出し、複数の空間の何れかを基準とした場合の数値(例えば、基準とした空間から空間の心理的効果を示す数値が何%改善しているかを示す数値)を算出してもよい。
【0046】
評価部13は、算出した数値を、空間の心理的効果の評価結果として出力する。例えば、評価部13は、評価結果を示す情報を、当該評価結果のユーザ等の端末に送信する。あるいは、評価部13は、空間評価システム10が備える表示装置に表示させる。また、評価部13は、評価結果を示す情報とあわせて評価に用いた緑視率及び開放感の数値もあわせて出力してもよい。ユーザは、出力された情報を参照することで空間の心理的効果の評価結果を把握することができる。評価結果を示す情報の出力は、上記以外の方法で行われてもよい。
【0047】
上記の評価用の式を含む、空間の心理的効果の評価は、本発明の発明者の以下に示す検討及び実験によって見出されたものである。まず、被験者90名を対象に、緑視率と開放感とが空間の心理的効果に及ぼす影響について実験を実施した。被験者は、緑視率0%、25%、60%、62%の何れかと、開放感56~234(上記の開放感情報によって示される開放感と同様のものであり、数字が大きい方がより開放的)の何れかとに変化させた6ケースの空間をVR(仮想現実)で体験する。具体的には、ケース1は緑視率0%、開放感57、ケース2は緑視率0%、開放感234、ケース3は緑視率25%、開放感56、ケース4は緑視率25%、開放感221、ケース5は緑視率62%、開放感89、ケース6は緑視率60%、開放感100である。
【0048】
実験の手順は、以下のものである。被験者は、実験の流れの説明を受けて、認知テストのトレーニングを実施する。認知テストは、言語能力及び判断能力等を測定するテストであり、既存のものである。その後、被験者は、2分間VRゴーグルをかぶって、VR空間で休憩する。なお、2分間の休憩は、就労中の小休止の効果を知るために設定したものである。休憩後すぐに被験者はVRゴーグルを外して、実空間で、VR空間で休憩した後の印象(心理的効果)のアンケートに答える。同様の手順を4回繰り返し、実験終了となる。VRで体験する空間はランダムで選択される。
【0049】
アンケートは、VR空間体験中の気分及びVR空間で休憩した後の主観的なパフォーマンス(例えば、覚醒、集中、ストレス、疲労回復、生産性)を5段階(0:まったくない~4:とても高い)で回答するものである。図4にアンケート結果のグラフを示す。各項目の6つのグラフ(横軸)は、VR空間の各ケース(上記のケース1(C1)~ケース6(C6))に対応する。縦軸は、複数の被験者のアンケートの回答の平均の値である。
【0050】
図4のグラフにおける縦軸の数値が大きいほど、被験者がVR空間の心理的効果を「高い」と評価している。例えば、疲労回復に着目すると、ケース1(緑視率0%、開放感57)が最も低く、ケース5(緑視率62%、開放感89)が最も高く評価されている。これは、緑視率が上昇するにつれて、疲労回復効果が高い傾向にあることを示している。図4に示した例では、開放感の効果が小さく見えるが、他の心理的効果(例えば、緊張)では開放感が大きく寄与しているものもある。
【0051】
ここで、基準ケースをケース1(緑視率0%、開放感57(低))とする。以下の式のようにそれ以外のケース2~6で得られたアンケートの結果の数値を、基準ケースであるケース1のアンケートの結果の数値で除して増減率の割合とする。
Improvement ratio of Index=(Values in Case 2 to 6/Values in Case 1)-1
【0052】
上記の式において、Values in Case 2 to 6は、ケース2~6で得られたアンケートの結果の平均の数値である。Values in Case 1は、ケース1で得られたアンケートの結果の平均の数値である。Improvement ratio of Indexは、アンケートの結果に対応する空間の心理的効果の評価値である。Improvement ratio of Indexは、空間の心理的効果の種別及びケース2~6それぞれの組み合わせ毎の数値である。1つのImprovement ratio of Indexを算出される際には、同一の心理的効果の種別及びケース2~6の何れかの数値が用いられる。空間の心理的効果の評価値を、上記のように増減率の割合としたのは、アンケートの結果そのままの数値(0:まったくない~4:とても高い)だと意味が理解しにくいためである。
【0053】
発明者による、アンケートの結果に対応する空間の心理的効果の評価値(Improvement ratio of Index)の分析の結果、空間の心理的効果の評価値は、緑視率及び開放感の両方の関連があることが見いだされた。また、空間の心理的効果の種別にもよるが、空間の心理的効果の評価値は、上述したように緑視率及び開放感の数値の二次式によって算出(評価)可能であることが見いだされた。また、上述した評価用の式は、発明者がアンケート結果に基づいていくつかの式の形を試した結果得られたものである。即ち、緑視率及び開放感の両方を用いて空間の心理的効果を評価すること、及び上述した評価用の式は、発明者の実験結果の分析によって見出されたものである。
【0054】
アンケートの結果の数値に対する重回帰分析(収束計算)によって、評価部13によって用いられる空間の心理的効果を評価するための式の係数A~Fが算出される。例えば、疲労回復の場合、A=-0.0008356,B=1.0855264,C=0.0003809,D=-1.0214131,E=0,F=0となった。図5及び図6の表に、当該式を用いて評価部13によって算出される空間の心理的効果の評価値の例を示す。ここで算出した評価値は、緑視率(0~62%)及び開放感(56~234)の数値を、実験を行った場合で変化させた場合のものである。図5の表は、疲労回復についての評価値の表である。図6の表は、熱意についての評価値の表である。
【0055】
図5に示す疲労回復の場合、緑視率及び開放感の数値が大きくなるほど、疲労回復の効果が大きくなっている。また、この場合、緑視率の影響が大きいことがわかる。図6に示す熱意の場合も、緑視率及び開放感の数値が大きくなるほど、疲労回復の効果が大きくなっている。また、この場合、開放感の影響が疲労回復に比べて大きいことがわかる。
【0056】
なお、上記の例では、評価部13によって算出される空間の心理的効果の評価値は、特定のケース(ケース1)を基準とした数値であったが、特定のケースを基準とした数値以外ものであってもよい。例えば、評価部13によって算出される空間の心理的効果の評価値は、絶対スケール、例えば、アンケートの結果の数値(0:まったくない~4:とても高い)に準じたものであってもよい。また、評価部13は、緑視率情報及び開放感情報を用いるものであれば、上記以外の方法で空間の心理的効果を評価してもよい。以上が、本実施形態に係る空間評価システム10の機能である。
【0057】
引き続いて、図7のフローチャートを用いて、本実施形態に係る空間評価システム10で実行される処理を説明する。本処理では、まず、評価に必要な情報が取得される(S01)。具体的には、緑視率取得部11によって、緑視率の算出に必要な情報が取得される。また、開放感取得部12によって、開放感の算出に必要な情報が取得される。なお、緑視率取得部11によって緑視率の算出以外の方法で緑視率情報が取得される場合、及び開放感取得部12によって開放感の算出以外の方法で開放感情報が取得される場合には、情報の取得は不要である。
【0058】
続いて、緑視率取得部11によって緑視率の算出が算出されて緑視率情報が取得される(S02)。なお、緑視率取得部11による緑視率情報の取得は、緑視率の算出以外の方法で行われてもよい。また、開放感取得部12によって開放感が算出されて開放感情報が取得される(S03)。なお、開放感取得部12による開放感情報の取得は、開放感の算出以外の方法で行われてもよい。また、緑視率取得部11による緑視率情報の取得(S02)及び開放感取得部12による開放感情報の取得(S03)は、互いに独立に行われ得るので、上記の順番で行われる必要はない。
【0059】
続いて、緑視率取得部11によって取得された緑視率情報、及び開放感取得部12によって取得された開放感情報に基づいて、評価部13によって空間の心理的効果が評価される(S04)。続いて、評価部13によって、評価された空間の心理的効果を示す情報が出力される(S05)。以上が、本実施形態に係る空間評価システム10で実行される処理である。
【0060】
本実施形態では、空間の緑視率及び開放感の両方が考慮されて、空間の心理的効果が評価される。従って、本実施形態によれば、空間の心理的効果を適切に評価することができる。
【0061】
人間の進化論の観点より、人は、都市に住み始めてからの時間は短く、十分に都市環境に適用できていないと考えられる。従って、本能的に周囲を見渡せること及び適度に隠れる場所があることは心理的な安心感に繋がると考えられている。本実施形態のように空間の開放感を用いることで、上記の観点から空間の心理的効果を適切に評価することができる。
【0062】
また、本実施形態のように、予め設定された評価用の式を用いて評価してもよい。当該評価用の式は、上述したように、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含むこととしてもよい。また、当該評価用の式は、上述したように、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含むこととしてもよい。これらの構成によれば、空間の心理的効果を適切かつ確実に評価することができる。例えば、本実施形態の評価用の式を用いることで、緑視率と開放感との複合的な効果が考慮されて、空間の心理的効果が評価される。但し、評価用の式は、上記以外ものであってもよい。また、評価用の式を用いる以外の方法で空間の心理的効果を評価してもよい。
【0063】
また、本実施形態のように、開放感の算出において、空間における鉛直方向の面の照度を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出してもよい。また、空間における可視容積を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出してもよい。これらの構成によれば、空間の心理的効果の評価に用いる開放感をより適切なものにすることでき、その結果、空間の心理的効果をより適切に評価することができる。但し、開放感の算出は、必ずしも上記のように行われる必要はない。また、上述したように開放感の算出以外の方法で、開放感取得部12による開放感情報の取得が行われてもよい。
【0064】
引き続いて、上述した一連の空間評価システム10による処理を実行させるための空間評価プログラムを説明する。図8に示すように、空間評価プログラム100は、コンピュータに挿入されてアクセスされる、あるいはコンピュータが備える、コンピュータ読み取り可能な記録媒体110に形成されたプログラム格納領域111内に格納される。記録媒体110は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【0065】
空間評価プログラム100は、緑視率取得モジュール101と、開放感取得モジュール102と、評価モジュール103とを備えて構成される。緑視率取得モジュール101と、開放感取得モジュール102と、評価モジュール103とを実行させることにより実現される機能は、上述した空間評価システム10の緑視率取得部11と、開放感取得部12と、評価部13との機能とそれぞれ同様である。
【0066】
なお、空間評価プログラム100は、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、空間評価プログラム100の各モジュールは、1つのコンピュータでなく、複数のコンピュータの何れかにインストールされてもよい。その場合、当該複数のコンピュータによるコンピュータシステムよって上述した一連の処理が行われる。
【0067】
本開示の空間評価システム及び空間評価プログラムは、以下の構成を有する。
[1] 空間の心理的効果を評価する空間評価システムであって、
前記空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、
前記空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、
前記緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び前記開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、前記空間の心理的効果を評価する評価手段と、
を備える空間評価システム。
[2] 前記評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、
当該評価用の式は、緑視率及び開放感の少なくとも何れかの数値の二乗の項を含む[1]に記載の空間評価システム。
[3] 前記評価手段は、予め設定された評価用の式を用いて評価し、
当該評価用の式は、緑視率の数値と開放感の数値との積の項を含む[1]又は[2]に記載の空間評価システム。
[4] 前記開放感取得手段は、前記空間における鉛直方向の面の照度を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得する[1]~[3]の何れかに記載の空間評価システム。
[5] 前記開放感取得手段は、前記空間における可視容積を示す情報を取得して、当該情報に基づいて開放感を算出して開放感情報を取得する[1]~[4]の何れかに記載の空間評価システム。
[6] コンピュータを、空間の心理的効果を評価する空間評価システムとして動作させる空間評価プログラムであって、
当該コンピュータを、
前記空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得手段と、
前記空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得手段と、
前記緑視率取得手段によって取得された緑視率情報、及び前記開放感取得手段によって取得された開放感情報に基づいて、前記空間の心理的効果を評価する評価手段と、
として機能させる空間評価プログラム。
【符号の説明】
【0068】
10…空間評価システム、11…緑視率取得部、12…開放感取得部、13…評価部、100…空間評価プログラム、101…緑視率取得モジュール、102…開放感取得モジュール、103…評価モジュール、110…記録媒体、111…プログラム格納領域。
【要約】
【課題】 適切に空間の心理的効果を評価する。
【解決手段】 空間評価システム10は、空間の心理的効果を評価するシステムであって、空間における緑視率を示す緑視率情報を取得する緑視率取得部11と、空間の開放感を示す開放感情報を取得する開放感取得部12と、緑視率取得部11によって取得された緑視率情報、及び開放感取得部12によって取得された開放感情報に基づいて、空間の心理的効果を評価する評価部13とを備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8