特許 7554888 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-11

(45)【発行日】2024-09-20

(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 50/10 20120101AFI20240912BHJP

   G06Q 10/1093 20230101ALI20240912BHJP

【ＦＩ】

G06Q50/10

G06Q10/1093

【請求項の数】 8

(21)【出願番号】P 2023129228

(22)【出願日】2023-08-08

【審査請求日】2023-08-08

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】519110124

【氏名又は名称】ＰａｙＰａｙ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100154852

【弁理士】

【氏名又は名称】酒井 太一

(74)【代理人】

【識別番号】100181124

【弁理士】

【氏名又は名称】沖田 壮男

(74)【代理人】

【識別番号】100194087

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 伸一

(72)【発明者】

【氏名】ヘクル ラデック

(72)【発明者】

【氏名】イバシチェンコ レオニド

(72)【発明者】

【氏名】スコラリス ニコラス

(72)【発明者】

【氏名】アリオル プラカシュ

(72)【発明者】

【氏名】エラヒ ラザ

【審査官】毛利 太郎

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１８－１８５５８５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１８８１１１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２２－０９０９０６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特表２０１６－５１０４７４（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００ － ９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者が設定する目標であって、前記利用者が所望する商品または役務の購入を目的とする目標の実現を支援する装置であって、
前記アプリケーションプログラムを介して、前記目標に関する設定情報として、前記商品または役務の購入に必要な金額を特定するための第１情報と、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングに関する第２情報と、前記利用者の経済状況に関する第３情報と、前記利用者の将来の計画に関する第４情報とを含む情報の入力を受け付け、入力された前記設定情報を目標管理情報として前記利用者ごとに管理する目標管理部と、
前記利用者が前記目標を実現するために行う活動を支援するための情報であって、前記目標の実現に必要な費用の貯蓄計画を含む支援情報を前記利用者の目標管理情報に基づいて生成して前記利用者のアプリケーションプログラムに提供する支援情報提供部と、
を備え、
前記目標管理部は、前記貯蓄計画に対する利用者の活動実績をもとに、前記貯蓄計画の達成度合いを求め、
前記支援情報提供部は、前記支援情報において、前記達成度合いに応じて前記目標をより高い目標に変更することを提案する、
情報処理装置。

【請求項2】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者が設定する目標であって、前記利用者が所望する商品または役務の購入を目的とする目標の実現を支援する装置であって、
前記アプリケーションプログラムを介して、前記目標に関する設定情報として、前記商品または役務の購入に必要な金額を特定するための第１情報と、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングに関する第２情報と、前記利用者の経済状況に関する第３情報と、前記利用者の将来の計画に関する第４情報とを含む情報の入力を受け付け、入力された前記設定情報を目標管理情報として前記利用者ごとに管理する目標管理部と、
前記利用者が前記目標を実現するために行う活動を支援するための情報であって、前記目標の実現に必要な費用の貯蓄計画を含む支援情報を前記利用者の目標管理情報に基づいて生成して前記利用者のアプリケーションプログラムに提供する支援情報提供部と、
を備え、
前記支援情報提供部は、自然文が入力されると学習済みの公開情報に基づいて回答するように学習されたチャットボットに、前記利用者の目標管理情報と、前記利用者の目標について前記支援情報の生成を指示する自然文とを入力することで、前記チャットボットから前記支援情報を取得して前記アプリケーションプログラムに提供する、
情報処理装置。

【請求項3】

前記目標管理部は、前記貯蓄計画に対する利用者の活動実績をもとに、前記貯蓄計画の達成度合いを求め、
前記支援情報提供部は、前記貯蓄計画の達成度合いを含む支援情報を提供する、
請求項１または２に記載の情報処理装置。

【請求項4】

前記目標管理部は、前記貯蓄計画に対する利用者の活動実績をもとに、現在の貯蓄ペースで前記貯蓄計画に係る貯蓄の完了タイミングを求め、前記完了タイミングが、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングまでの期間に含まれない場合、前記期間内で前記貯蓄を完了させるために取りうる前記貯蓄計画の変更内容を提案する情報を前記支援情報として提供する、
請求項３に記載の情報処理装置。

【請求項5】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者が設定する目標であって、前記利用者が所望する商品または役務の購入を目的とする目標の実現を支援するための情報処理装置が、
前記アプリケーションプログラムを介して、前記目標に関する設定情報として、前記商品または役務の購入に必要な金額を特定するための第１情報と、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングに関する第２情報と、前記利用者の経済状況に関する第３情報と、前記利用者の将来の計画に関する第４情報とを含む情報の入力を受け付け、入力された前記設定情報を目標管理情報として前記利用者ごとに管理する目標管理処理と、
前記利用者が前記目標を実現するために行う活動を支援するための情報であって、前記目標の実現に必要な費用の貯蓄計画を含む支援情報を前記利用者の目標管理情報に基づいて生成して前記利用者のアプリケーションプログラムに提供する支援情報提供処理と、
を実施する情報処理方法であって、
前記目標管理処理は、前記貯蓄計画に対する利用者の活動実績をもとに、前記貯蓄計画の達成度合いを求めることを含み、
前記支援情報提供処理は、前記支援情報において、前記達成度合いに応じて前記目標をより高い目標に変更することを提案することを含む、
情報処理方法。

【請求項6】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者が設定する目標であって、前記利用者が所望する商品または役務の購入を目的とする目標の実現を支援するための情報処理装置が、
前記アプリケーションプログラムを介して、前記目標に関する設定情報として、前記商品または役務の購入に必要な金額を特定するための第１情報と、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングに関する第２情報と、前記利用者の経済状況に関する第３情報と、前記利用者の将来の計画に関する第４情報とを含む情報の入力を受け付け、入力された前記設定情報を目標管理情報として前記利用者ごとに管理する目標管理処理と、
前記利用者が前記目標を実現するために行う活動を支援するための情報であって、前記目標の実現に必要な費用の貯蓄計画を含む支援情報を前記利用者の目標管理情報に基づいて生成して前記利用者のアプリケーションプログラムに提供する支援情報提供処理と、
を実施する情報処理方法であって、
前記支援情報提供処理は、自然文が入力されると学習済みの公開情報に基づいて回答するように学習されたチャットボットに、前記利用者の目標管理情報と、前記利用者の目標について前記支援情報の生成を指示する自然文とを入力することで、前記チャットボットから前記支援情報を取得して前記アプリケーションプログラムに提供することを含む、
情報処理方法。

【請求項7】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者が設定する目標であって、前記利用者が所望する商品または役務の購入を目的とする目標の実現を支援するための情報処理装置に、
前記アプリケーションプログラムを介して、前記目標に関する設定情報として、前記商品または役務の購入に必要な金額を特定するための第１情報と、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングに関する第２情報と、前記利用者の経済状況に関する第３情報と、前記利用者の将来の計画に関する第４情報とを含む情報の入力を受け付け、入力された前記設定情報を目標管理情報として前記利用者ごとに管理する目標管理処理と、
前記利用者が前記目標を実現するために行う活動を支援するための情報であって、前記目標の実現に必要な費用の貯蓄計画を含む支援情報を前記利用者の目標管理情報に基づいて生成して前記利用者のアプリケーションプログラムに提供する支援情報提供処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記目標管理処理は、前記貯蓄計画に対する利用者の活動実績をもとに、前記貯蓄計画の達成度合いを求めることを含み、
前記支援情報提供処理は、前記支援情報において、前記達成度合いに応じて前記目標をより高い目標に変更することを提案することを含む、
プログラム。

【請求項8】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者が設定する目標であって、前記利用者が所望する商品または役務の購入を目的とする目標の実現を支援するための情報処理装置に、
前記アプリケーションプログラムを介して、前記目標に関する設定情報として、前記商品または役務の購入に必要な金額を特定するための第１情報と、前記利用者が前記目標を実現したいタイミングに関する第２情報と、前記利用者の経済状況に関する第３情報と、前記利用者の将来の計画に関する第４情報とを含む情報の入力を受け付け、入力された前記設定情報を目標管理情報として前記利用者ごとに管理する目標管理処理と、
前記利用者が前記目標を実現するために行う活動を支援するための情報であって、前記目標の実現に必要な費用の貯蓄計画を含む支援情報を前記利用者の目標管理情報に基づいて生成して前記利用者のアプリケーションプログラムに提供する支援情報提供処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記支援情報提供処理は、自然文が入力されると学習済みの公開情報に基づいて回答するように学習されたチャットボットに、前記利用者の目標管理情報と、前記利用者の目標について前記支援情報の生成を指示する自然文とを入力することで、前記チャットボットから前記支援情報を取得して前記アプリケーションプログラムに提供することを含む、
プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと決済サーバとが協働することにより利用者に電子決済サービスを提供する技術が開発されている（例えば特許文献１参照）。このような電子決済サービスによれば、利用者は、電子決済口座（いわゆるウォレット）にチャージされた電子マネーの残高や、クレジットカード、後払い等の方法で支払いを行うことができる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０２３－０８７９３４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

従来の技術では、利用者が商品購入の際に支払いを行うための手段を利用者に提供することはできても、利用者が目標を実現するために必要な費用を貯蓄するための活動を支援することはできなかった。

【0005】

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者が目標を実現するために必要な費用を貯蓄するための活動を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様は、利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者の目標の実現に必要な活動を支援する装置であって、前記目標に関する情報の入力を受け付け、入力された前記情報を利用者ごとの目標管理情報として管理する目標管理部と、前記目標の実現を支援するための支援情報を前記利用者に提供する支援情報提供部と、を備え、前記目標管理情報には、少なくとも前記目標の実現に必要な費用の金額と、前記目標を実現するまでの期間と、前記利用者の経済状況を示す第１情報と、前記利用者の将来の計画に関する第２情報とが含まれるものであり、前記支援情報提供部は、前記目標管理情報に基づいて前記利用者に提示する前記支援情報を生成する、情報処理装置である。

【発明の効果】

【0007】

本発明の一態様によれば、利用者が目標を実現するために必要な費用を貯蓄するための活動を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。

【図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その１）である。

【図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その２）である。

【図4】第１実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。

【図5】利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。

【図6】加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。

【図7】目標の一覧画面の一例を示す図である。

【図8】目標の詳細画面の一例を示す図である。

【図9】アカウント管理画面の一例を示す図である。

【図10】ＡＩを用いて支援情報を作成する方法の一例を示す図である。

【図11】支援情報の一例として『夢』を実現するための計画の達成度合いを提示する例を示す図（その１）である。

【図12】支援情報の一例として『夢』を実現するための計画の達成度合いを提示する例を示す図（その２）である。

【図13】支援情報の一例として『夢』の実現に向けた計画の見直しに関する情報を提示する例を示す図。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照し、本発明の商品購入の実現に向けた利用者の経済的な計画を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」、「管理装置」「情報提供装置」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者（クラウドサーバの提供者）と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗（実店舗）であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店（ブランド）に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。以下、本発明の情報処理装置が上記決済サーバとして構成される場合について説明するが、情報処理装置は決済サーバとは別体の装置として構成されてもよい。

【0010】

［電子決済サービス］
図１は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ１００を中心として実現される。決済サーバ１００は、例えば、一以上の利用者端末装置１０、一以上の第１店舗端末装置５０、及び一以上の第２店舗端末装置７０のそれぞれとネットワークＮＷを介して通信する。ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、ＬＡＮ（Local Area Network）、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。

【0011】

利用者端末装置１０は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置１０は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等と称する。利用者端末装置１０では、ＣＰＵ等のプロセッサにより決済アプリ２０が実行されることで、決済サーバ１００と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ２０は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置１０にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。

【0012】

第１店舗端末装置５０は、例えば、店舗に設置される。第１店舗端末装置５０は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第１店舗端末装置５０は、いわゆるＰＯＳ（Point of Sale）装置を含み、ＰＯＳ装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像６０は、店舗に置かれ、ＱＲコード（登録商標）等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像６０は、店舗に置かれたディスプレイ（スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい）によって表示されてもよい。

【0013】

第２店舗端末装置７０は、加盟店の運営者によって使用される。第２店舗端末装置７０は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第２店舗端末装置７０では、加盟店向けインターフェース７２が動作する。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ１００に送信する。スマートフォンである第２店舗端末装置７０は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置１０が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。

【0014】

決済サーバ１００は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第１店舗端末装置５０は、ＰＯＳ装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、ＰＯＳ装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ１００に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第１店舗端末装置５０から決済情報が送信されるものとする。

【0015】

図２および図３は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン１とパターン２の二つが存在してよい。

【0016】

図２に示すパターン１（以下、ユーザスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０が起動した状態の利用者端末装置１０が、光学読取機能によって店舗コード画像６０をデコードする（Ｓ１）。店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）の情報が含まれている。この店舗ＵＲＬは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ１００において加盟店ＩＤや店舗ＩＤ等との対応付けがなされている（後述）。決済アプリ２０は、店舗ＵＲＬとアカウントＩＤを含む第１決済情報を決済サーバ１００に送信する（Ｓ２）。決済サーバ１００は、店舗ＵＲＬに対応する加盟店ＩＤ、店舗ＩＤから、店舗情報（後述）を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し（Ｓ３）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ４）。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置１０に入力する（Ｓ５）。そして、利用者端末装置１０は、少なくとも決済金額を含む第２決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ６）。決済サーバ１００は、受信した第２決済情報に基づいて電子決済を行う（Ｓ７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知（決済完了画面を表示するための情報）を決済アプリ２０に送信し（Ｓ８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ９）。なお、店舗コード画像６０が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第１決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ１００に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。

【0017】

図３に示すパターン２（以下、ストアスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０の起動時、決済アプリ２０において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング（例えば１分おき）になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ２０はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ１００に送信する（Ｓ１１）。決済サーバ１００はワンタイムコードを生成し（Ｓ１２）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ１３）。決済アプリ２０は、ワンタイムコードに基づいて生成した、ＱＲコードやバーコード等のコード画像を表示する（Ｓ１４）。利用者は利用者端末装置１０の表示面を第１店舗端末装置５０に翳し（提示し）、第１店舗端末装置５０は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する（Ｓ１５）。そして、第１店舗端末装置５０は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ等を含む決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ１６）。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ１００は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う（Ｓ１７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知を決済アプリ２０に送信し（Ｓ１８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ１９）。

【0018】

なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図２で説明した「アカウントＩＤ」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報（例えば電話番号）であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ２０は、利用者のアカウントＩＤに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ１００は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントＩＤに対応する利用者を特定する。

【0019】

［決済サーバ］
図４は、第１実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。決済サーバ１００は、例えば、通信部１１０と、決済コンテンツ提供部１２０と、決済処理部１３０と、情報管理部１４０と、目標管理部１５０と、支援情報提供部１６０と、記憶部１７０とを備える。通信部１１０および記憶部１７０以外の構成要素は、例えば、ＣＰＵなどのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）などのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ－ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。

【0020】

記憶部１７０は、ＨＤＤやフラッシュメモリ、ＲＡＭ（Random Access Memory）などである。記憶部１７０は、決済サーバ１００がネットワークを介してアクセス可能なＮＡＳ（Network Attached Storage）装置であってもよい。記憶部１７０には、利用者情報１７２、決済コンテンツ情報１７４、加盟店／店舗情報１７６などの情報が格納される。

【0021】

通信部１１０は、ネットワークＮＷに接続するための通信インターフェースである。通信部１１０は、例えばネットワークインターフェースカードである。

【0022】

決済コンテンツ提供部１２０は、例えば、Ｗｅｂサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報（コンテンツ）を利用者端末装置１０に提供する。決済コンテンツ提供部１２０は、決済コンテンツ情報１７４から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置１０に提供する。利用者端末装置１０は、決済アプリ２０によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ１００に送信する。

【0023】

決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部１３０は、利用者情報１７２を参照しながら決済処理を行う。

【0024】

図５は、利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。利用者情報１７２は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報１７２は、例えば、利用者ＵＲＬ、アカウントＩＤ、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ＩＤ、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者ＵＲＬは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントＩＤは、決済サーバ１００によって利用者に発行されるものであり、利用者ＩＤは、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）ＩＤである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日（アカウントを作成した日）である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス（電子決済口座）のことをアカウントと称する。

【0025】

チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者（銀行）のＡＴＭ（Automatic Teller Machine）からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報（口座番号、カード番号）である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳（日時、購買行動が行われた店舗の店舗ＩＤ、決済金額、決済方法など）を、決済ごとに示す情報である。

【0026】

図６は、加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。加盟店／店舗情報１７６は、例えば、店舗ＵＲＬに対して加盟店ＩＤと店舗ＩＤが対応付けられた第１テーブル１７６Ａと、加盟店ＩＤに対して加盟店名と売上金（前述）が対応付けられた第２テーブル１７６Ｂと、店舗ＩＤに対して店舗名が対応付けられた第３テーブル１７６Ｃとを含む。加盟店／店舗情報１７６には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。

【0027】

情報管理部１４０は、利用者端末装置１０や第２店舗端末装置７０から取得した情報に基づいて、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６を管理する。情報管理部１４０は、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。

【0028】

目標管理部１５０は、利用者が実現したい目標（以下『夢』ともいう。）を管理するための処理を行う。ここで、『夢』は、実現のために資金が必要となるものであればどのような目標であってもよい。すなわち、『夢』は、上記資金を調達する目的ということもできる。例えば、『夢』は、特定の商品を購入することであってもよいし、特定の活動を行うための費用を準備することであってもよい。

【0029】

より具体的には、目標管理部１５０は、『夢』の設定（例えば必要な資金額や目標が実現されるべき期限など）を受け付け、目標管理情報１７８として管理する。『夢』を設定するためのユーザインターフェースは、例えば決済アプリ２０によって提供される。また、目標管理部１５０は、『夢』の実現に向けた利用者の活動実績をもとに、現時点における『夢』の達成度合いや、現在の活動ペースで『夢』が実現されるタイミングなどを計算により求めてもよい。これらの情報も目標管理情報１７８の一部として管理されてよい。目標管理情報１７８は、後述の支援情報の一部として利用者に提供されてもよい。目標管理情報１７８は、利用者ごとに管理される。なお、目標管理部１５０は、現時点における『夢』の達成度合いや、現在の活動ペースで『夢』が実現されるタイミングなどを求めるために必要な情報（例えば、利用者が後述の支援情報をもとに選択／設定した貯蓄計画や、利用者が当該貯蓄計画をもとに活動した実績など）を適宜収集し、蓄積しているものとする。これらの情報も目標管理情報１７８に含まれて管理されてよい。

【0030】

支援情報提供部１６０は、目標管理部１５０が管理する『夢』の実現を支援するための情報（以下「支援情報」という。）を利用者に提供する。より具体的には、支援情報提供部１６０は、『夢』の実現に向けた経済的な計画を支援するための情報を支援情報として提供するものである。例えば、支援情報は、節約計画や貯蓄計画である。支援情報は、支出計画を含んでもよい。利用者に支援情報を提供するためのユーザインターフェースは、例えば決済アプリ２０によって提供される。

【0031】

以下、目標管理部１５０および支援情報提供部１６０が利用者に対して『夢』を実現するための支援機能を提供するサービスを「夢実現支援サービス」という。なお、夢実現支援サービスの機能は、必ずしも決済アプリ２０に実装される必要はなく、夢実現支援サービスの機能を提供するアプリケーションプログラムが、決済アプリ２０とは別に設けられもよい。また、夢実現支援サービスの機能を提供するアプリケーションプログラムは、決済アプリ２０において、いわゆるミニアプリとして構成されてもよい。

【0032】

［電子決済］
決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から決済情報が取得されると、利用者情報１７２を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部１３０は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部１３０は、例えば、利用者ＩＤに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。

【0033】

決済処理部１３０は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部１３０は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ２０に返信される。

【0034】

［目標（『夢』）の設定］
図７～図９は、『夢』の設定に関する画面の一例を示す図である。例えば、図７は、利用者に実現したい『夢』の設定操作を受け付ける画面の一例として目標設定画面ＩＭ１を示す。図７の例の目標設定画面ＩＭ１には、『夢』の選択肢として第１目標（自動車購入）ＤＭ１１と、第２目標（結婚費用の貯蓄）ＤＭ１２と、第３目標（マイホーム購入）ＤＭ１３と、第４目標（旅行費用の貯蓄）ＤＭ１４と、第５目標（大学学費の貯蓄）ＤＭ１５とが表示されている。利用者はいずれかの選択肢を選択することにより、選択した『夢』の詳細画面を表示させることができる。詳細画面は設定内容を表示するほか、設定内容の変更操作を受け付けるように構成されてもよい。また、目標設定画面ＩＭ１には、第１目標～第５目標以外の『夢』の設定操作を受け付けるボタンＢＴ１６が配置されている。

【0035】

図８は、目標の詳細画面の一例として第１目標の詳細画面ＩＭ２を示す。図８の例の詳細画面ＩＭ２には、目標を実現したい時期の入力操作を受け付ける入力インターフェースＩＦ２１と、購入したい自動車について、ブランドの入力操作を受け付ける入力インターフェースＩＦ２２と、中古車または新車の選択操作を受け付けるボタンインターフェースＩＦ２３（中古車：Fairly Used Car）およびＩＦ２４（新車：New Car）と、購入を予定している時期の入力操作を受け付けるユーザインターフェースＩＦ２５と、指定された条件での支援情報の提供を要求する操作を受け付けるボタンインターフェースＩＦ２６とが配置されている。利用者は、各種インターフェースＩＦ２１～ＩＦ２５により必要な情報の入力や選択を行ってボタンインターフェースＩＦ２６を操作することにより、第１目標の実現について指定された条件で分析された支援情報を表示させることができる。この際、決済サーバ１００は、ボタンインターフェースＩＦ２６が操作されたことに応じて、詳細画面ＩＭ２に入力された各種情報を決済アプリ２０から取得し、取得した情報をもとに支援情報を生成して決済アプリ２０に返信する。

【0036】

図９は、アカウント管理画面ＩＭ３の一例を示す図である。アカウント管理画面ＩＭ３は、利用者が夢実現支援サービスに対して自身の各種アカウント情報へのアクセス許可を設定するための画面である。図９は、夢実現支援サービスに対して利用者の銀行取引明細書へのアクセス許可を設定する画面の一例を示す。設定対象の銀行は、電子決済サービスに登録された銀行であってもよいし、それ以外の銀行であってもよい。図９の例のアカウント管理画面ＩＭ３には、例えば、アクセス対象の銀行口座を指定する操作を受け付ける入力インターフェースＩＦ３１と、銀行取引明細書の情報提供への同意／不同意を設定するスイッチインターフェースＩＦ３２とが配置されている。

【0037】

銀行取引明細書には利用者の経済状況がある程度反映されている。このため、銀行取引明細書に対してアクセス許可が設定されている場合、支援情報提供部１６０は、『夢』の実現計画に関し、利用者の経済状況が考慮された支援情報を提供することができる。同様に、利用者の経済状況が反映されている可能性がある情報として、経費口座（Expense accounts）の入出金明細情報や年金口座（Pension accounts）の入出金明細情報、電子メール（Email accounts）、クレジットカードやデビットカード（credit/debit cards）の利用明細などが挙げられる。これらの情報についても、銀行取引明細書と同様のアカウント管理画面が設けられ、アクセス許可の設定がなされてもよい。このように、支援情報提供部１６０は、利用者の経済状況が反映された各種情報（以下「利用者経済情報」という。）にアクセス可能である場合、支援情報作成のための入力情報に利用者経済情報を含めてもよい。このようにすることで、支援情報提供部１６０は、利用者の経済状況が考慮された実現計画（節約計画や貯蓄計画など）を支援情報として利用者に提供することができる。

【0038】

［支援情報の作成］
図１０は、支援情報提供部１６０がＡＩ（Artificial Intelligence）を用いて支援情報を作成する方法の一例を示す図である。支援情報を作成するためのＡＩ（以下「支援情報提供ＡＩ」という。）はルールベースで構築されたものであってもよいし、機械学習によって構築された学習済みモデルであってもよい。図１０は、利用者の将来の計画に関する情報ＤＩ１と、利用者の貯蓄に関する情報ＤＩ２と、利用者の経費口座に関する情報ＤＩ３と、利用者の個人情報ＤＩ４と、『夢』の実現に関して世間一般に公開されているデータＤＩ５と、インターネット上にある様々な情報を学習したチャットボット（例えばＣｈａｔ ＧＰＴなど）が『夢』の実現に関する質問に対して返答した情報ＤＩ６と、のうち１つ以上を入力データとする支援情報提供ＡＩのイメージを示すものである。ここで、各種入力データＤＩ１～ＤＩ４は、図７および図８で設定された『夢』の内容や図９で連携した各種アカウントの情報などに含まれているものとする。

【0039】

なお、支援情報提供ＡＩは、上述のチャットボットなどであってもよい。その場合、支援情報提供部１６０は、上述の入力情報ＤＩ１～ＤＩ５のうちいずれか一つ以上の入力情報とともに、『夢』を実現するための計画を支援情報提供ＡＩに質問し、その質問に対して返答された内容を支援情報として利用者に提供してもよい。

【0040】

図１１～図１４は支援情報の一例を示す図である。図１１および図１２は、支援情報として『夢』の実現に向けた計画の達成度合いを利用者に提示する例を示す。図１１の画面例は、『夢』の実現に向けた現在の活動状況によれば、当初想定された実現タイミングＴ１（例えば活動開始から５年後）よりも早いタイミングＴ２（例えば活動開始から２年２か月後）で『夢』が実現するという予想をグラフＧ１で表したものである。この例において、グラフＧ１の横軸は時間（タイミング）を表し、縦軸は『夢』の実現に向けた貯蓄額を表す。このように、『夢』の実現に向けた計画の達成度合いが視覚的に表示されることにより、利用者は自身の活動により『夢』の実現が着実に近づいていることを実感することができるので活動のモチベーションを維持／向上させることができる。

【0041】

さらに、図１１の例では、支援情報の一例として、『夢』のグレードアップを提案するおすすめ情報ＩＮＦ２が提供されている。また、おすすめ情報ＩＮＦ２と合わせて、夢の設定変更を受け付けるユーザインターフェースを表示させるためのボタンＢＴ３が提供されている。このような情報が支援情報として提供されることにより、利用者は現在の『夢』を実現する計画の達成度合いを踏まえて、より大きな『夢』にチャレンジするか否かを適切なタイミングで判断することができる。

【0042】

一方、図１２の画面例は、『夢』の実現に向けた現在の活動状況によれば、当初想定された実現タイミングＴ３（例えば活動開始から５年後）よりも遅いタイミング（例えば活動開始から７年２か月後）で『夢』が実現するという予想をグラフＧ２で表したものである。グラフＧ２の見方はグラフＧ１と同様である。さらに、図１２の例では、支援情報の一例として、『夢』の実現計画の見直しを提案するおすすめ情報ＩＮＦ３が提供されている。また、おすすめ情報ＩＮＦ３と合わせて、計画の見直しに関する支援情報を表示させるためのボタンＢＴ４が提供されている。このような情報が支援情報として提供されることにより、利用者は活動の見直しや実現計画の見直しを行うなどして『夢』の実現に向けて適切なアプローチをとることができる。

【0043】

なお、図１１および図１２は『夢』が「自動車の購入」である場合の例である。グラフＧ１およびＧ２において、ゴールのアイコンＣ１は当初予想された『夢』の実現タイミング（図の例ではタイミングＴ１およびＴ３）に応じた位置に表示されるものであり、自動車のアイコンＣ２は、現在の活動ペースで『夢』が実現するであろうと予想されるタイミング（図の例ではタイミングＴ２およびＴ４）に応じた位置に表示されるものである。グラフＧ１の表示によれば、利用者は目標とする自動車がゴールから近づいてきたことで『夢』の実現タイミングが早まろうとしていることを実感することができる。また、グラフＧ２の表示によれば、利用者は目標とする自動車がゴールから遠のいたことで『夢』の実現タイミングが遅くなろうとしており、『夢』を予定通りに実現したい場合には貯蓄のペースをより一層早くする必要があることを実感することができる。

【0044】

図１３は、支援情報として『夢』の実現に向けた計画の見直しに関する情報を利用者に提示する例を示す。図１３は、利用者に支援情報を提供する態様としてチャット機能を例示するものである。図１３の例において、画面右寄りに表示される発言は利用者の発言であり、画面左寄りに表示される発言は夢実現支援サービス機能（以下「支援機能」という。）の発言である。例えば、利用者はチャットインタフェースＩＦ２０にテキストを入力することで支援機能と会話することができる。図１３の例では、まず、支援機能が利用者に対して「利用者の更新後の給与では現在の『夢』を当初の予定通りに実現することができないこと」を伝え、「これからの６か月間において、月々の支出を見直す（すなわち減らす）必要があること」を利用者に提案する（Ｓ２１）。

【0045】

この提案に対して、例えば利用者は支援機能に対して「どのような選択肢があるか」を尋ねるとともに、見直しに際して「フットサルのための支出を減らしたくない」という条件を伝えている（Ｓ２２）。

【0046】

この要望に対して、支援機能は利用者が提示した条件をもとに、計画のオプションを選定して利用者に提示する（Ｓ２３）。このオプションの選定は、例えば上述の支援情報提供ＡＩに対して、利用者に関する更新情報（例えば給与情報）を与えることによって実現され得る。また、『夢』を実現し得る計画を複数提示するように支援情報提供ＡＩを構成される場合、支援情報提供部１６０は、利用者に対して複数のオプションを提示するように構成されてもよい。

【0047】

図１３の例では、支援機能は利用者に対して「自転車の購入に関して、中古自転車を購入することで６万円節約すること」（第１オプション）と、「北海道旅行を箱根両行に変更して１５万円節約すること」（第２オプション）とを検討することを利用者に提案するものである。例えば、支援情報提供ＡＩが上述のチャットボット機能を含む場合、支援情報提供部１６０は、利用者の『夢』の内容や経済状況、支出の優先度、個人情報などを入力して『夢』の実現計画をチャットボットに質問することでオプションを引き出すことができる。

【0048】

上記の例のほかにも「新しい家への引っ越しを６か月延期すること」や「〇月までに現在の車を売却すること」、「○〇スキルを習得して△△の仕事に応募すること」、「節約のために家で料理すること」、「収入増のために□□に投資すること」など、さまざまなオプションが提案され得る。また、これらのオプションの補足情報が支援情報として提示されてもよい。例えば、「節約のために家で料理すること」の提案に対して「家でできる簡単な料理レシピ１０選」といった補足情報が提示され得る。これらのオプションは、利用者に関する情報や世間一般に公開された情報に基づいてルールベースで決定されるものであってもよいし、インターネット上にある膨大な情報を学習した上述のチャットボットを用いて決定されてもよい。

【0049】

図１３の例において、利用者はＳ２３で提案された第１オプションおよび第２オプションに対して、「自転車購入を妥協することはできないので第２オプションを選択すること」を支援機能に回答している（Ｓ２４）。

【0050】

この回答に対して、図１３の例では、さらに支援機能が「自動車税を３万５千円削減するために現在所有している自動車を９月から前倒して７月に売却すること」を利用者に提案している。このように、利用者は、支援機能に対してオプション選定の条件を変更したり、追加の質問をしたりすることでいろいろなオプションを検討することができる。

【0051】

＜変形例＞
上記の実施形態では、支援情報として『夢』の実現に向けた計画の見直しに関する情報を利用者に提示する手段の一例としてチャットインタフェースＩＦ２０を示した（図１３）が、チャットインタフェースは、利用者による『夢』の設定を支援する手段として用いられてもよい。例えば、図７の目標設定画面ＩＭ１には、『夢』の設定支援手段としてのチャットインタフェースが配置されてもよい。例えば、利用者は、目標設定画面ＩＭ１において、選択したい『夢』の選択肢が提示されない場合、チャットインタフェースに自身が思い描く夢に関する情報を入力する。この場合、目標管理部１５０は、チャットインタフェースに対する入力情報や、当該入力情報に対してチャットインタフェースが回答した内容などをもとに詳細化した『夢』の詳細画面を自動生成して利用者に提示するように構成されてもよい。例えば、利用者が「〇年後に宇宙に行きたい」という『夢』をチャットインタフェースに入力したとする。この場合、目標管理部１５０は、その『夢』に関する質問（日程、出発地、帰国地（アメリカ、中国など）、搭乗するシャトル名など）を生成するとともに、その質問に対する回答の入力を受け付けるためのユーザインターフェース（例えば図８のＩＦ２１～ＩＦ２６など）を生成して決済アプリ２０に表示させてもよい。また、目標管理部１５０は、利用者が入力した『夢』の内容や、その『夢』に関する質問、その質問に対する利用者の回答内容などを支援情報提供ＡＩに入力し、支援情報提供ＡＩの回答内容をもとに、『夢』を詳細化するための選択肢を生成して目標設定画面ＩＭ１に表示させてもよい。

【0052】

以上説明した実施形態によれば、利用者が目標を実現するために必要な費用を貯蓄するための活動を支援することができる。

【0053】

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。

【符号の説明】

【0054】

１０ 利用者端末装置
２０ 決済アプリ
５０ 第１店舗端末装置
６０ 店舗コード画像
７０ 第２店舗端末装置
７２ 加盟店向けインターフェース
１００ 決済サーバ
１１０ 通信部
１２０ 決済コンテンツ提供部
１３０ 決済処理部
１４０ 情報管理部
１５０ 目標管理部
１６０ 支援情報提供部
１７０ 記憶部
１７２ 利用者情報
１７４ 決済コンテンツ情報
１７６ 加盟店／店舗情報
１７８ 目標管理情報

【要約】

【課題】利用者が目標を実現するために必要な費用を貯蓄するための活動を支援すること。
【解決手段】利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して、前記利用者の目標の実現に必要な活動を支援する装置であって、前記目標に関する情報の入力を受け付け、入力された前記情報を利用者ごとの目標管理情報として管理する目標管理部と、前記目標の実現を支援するための支援情報を前記利用者に提供する支援情報提供部と、を備え、前記目標管理情報には、少なくとも前記目標の実現に必要な費用の金額と、前記目標を実現するまでの期間と、前記利用者の経済状況を示す第１情報と、前記利用者の将来の計画に関する第２情報とが含まれるものであり、前記支援情報提供部は、前記目標管理情報に基づいて前記利用者に提示する前記支援情報を生成する、情報処理装置。
【選択図】図４

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】