(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0217 20230101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q30/0217
(21)【出願番号】P 2023194512
(22)【出願日】2023-11-15
【審査請求日】2023-11-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)行為1 ▲1▼ 公然実施日 2023年7月11日 ▲2▼ 実施内容・場所 PayPay株式会社が提供する電子決済サービス ▲3▼ 公開者 PayPay株式会社
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正志
(72)【発明者】
【氏名】籔田 聡
(72)【発明者】
【氏名】甫出 香菜子
(72)【発明者】
【氏名】川口 真吾
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-187838(JP,A)
【文献】特許第7326511(JP,B1)
【文献】特開2023-050583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する取得部と、
前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特典情報は、前記電子決済サービスの加盟店において利用者が電子決済サービスを利用して電子決済を行った場合に、前記電子決済の前記商品等識別情報が利用されて特典の適用が判断される特定特典の情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する取得部と、
前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記商品等識別情報を利用することで特典を前記利用者に付与可能な特定特典を取得した後、
前記可否情報の同意を解除する意思を示す操作を前記利用者が行った場合、前記特定特典を利用できなくなることを示す情報と、利用できなく
なる前記特定特典とを対応付けた態様の画面を前記利用者の端末装置の表示部に表示させる、
情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記商品等識別情報を利用することで特典を前記利用者に付与可能な特定特典を取得した後、
前記可否情報の同意を解除する意思を示す操作を利用者が行った場合、前記特定特典の利用を制限し、
その後、再度、前記可否情報に同意する旨の意思を示す操作を前記利用者が行った場合、前記特定特典の利用の制限を解除して、前記特定特典の利用を可能にする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する取得部と、
前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記利用者が前記同意を行った後、特定特典を獲得した場合において、
前記利用者の操作に基づいて前記特定特典および獲得済の前記特定特典とは異なる特典とを第1態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させ、
その後、前記利用者が前記同意を解除した場合、前記利用者の操作に基づいて前記特定特典および獲得済の前記特定特典とは異なる特典とを第2態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させ、
前記第2態様は、前記第1態様とは異なる態様であって、前記特定特典と前記異なる特典とを利用者が区別可能であり、且つ前記特定特典の利用には前記同意が必要であることを示す態様であり、
前記特定特典は、前記商品等識別情報を利用することで特典を前記利用者に付与可能な特典であり、
前記特定特典とは異なる特典は、前記商品等識別情報を利用することなく前記特典を前記利用者に付与可能な特典である、
情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記利用者が獲得可能な特典を示す特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記利用者が獲得した特典を示す特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、
前記商品等識別情報の利用に同意していない場合に、前記利用者が前記特典を獲得するための画面を表示させたとき、特定特典と、前記特定特典とは異なる特典とを区別可能に前記利用者の端末装置の表示部に表示させ、
前記特定特典は、前記商品等識別情報を利用することで前記特典を前記利用者に付与可能な特典であり、
前記特定特典とは異なる特典は、前記商品等識別情報を利用することなく前記特典を前記利用者に付与可能な特典である、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、
前記商品等識別情報の利用に同意していない場合に、前記利用者が前記特典を獲得するための画面を表示させたとき、特定特典と前記特定特典の獲得には前記同意が必要であることを示す情報とを対応付けた情報を前記利用者の端末装置の表示部に表示させ、
前記特定特典は、前記商品等識別情報を利用することで特典を前記利用者に付与可能な特典である、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理部は、
前記商品等識別情報の利用に同意していない場合に、前記利用者が前記特典を獲得するための画面を表示させたとき、特定特典を前記利用者の端末装置の表示部に表示させ、
前記利用者が前記特定特典の獲得を指示した場合、前記同意を問い合わせる画面を前記表示部に表示させ、
前記問い合わせる画面において前記利用者が同意する旨の操作を行った場合、前記特定特典を前記利用者に付与し、
前記特定特典は、前記商品等識別情報を利用することで特典を前記利用者に付与可能な特典である、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理部は、前記利用者が前記同意を行った後、再度、前記利用者が前記特典を獲得するための画面を前記表示部に表示させた場合、前記特定特典を前記表示部に表示させ、
前記利用者は、前記同意する旨の操作を行うことなく、前記付与されていない前記特定特典を獲得可能である、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記処理部は、特定特典を利用して前記利用者が得られたメリットを示す情報を前記利用者の端末装置の表示部に表示させ、
前記特定特典は、前記商品等識別情報を利用することで特典を前記利用者に付与可能な特典である、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが、
電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得し、
前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる、
情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する処理と、
前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスを提供するサービス提供装置であって、前記電子決済サービスの利用者が使用する利用者端末装置に対し、前記利用者が利用可能なクーポン一覧を提供するクーポン一覧提供部と、前記クーポン一覧から所望のクーポンを獲得するためのクーポン獲得要求を前記利用者端末装置から受け付けた場合に、前記利用者端末装置の利用者の識別情報と、前記クーポン獲得要求により要求されたクーポンと、を対応づけた対応情報を記憶するクーポン提供部と、前記利用者に前記電子決済サービスを提供するための決済処理を実行する決済処理部と、を備えるサービス提供装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、特典に関するユーザビリティが低いことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、特典に関するユーザビリティを向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する取得部と、前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる処理部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、特典に関するユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図4】実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図7】特典情報178の内容の一例を示す図である。
【
図8】通常特典および特定特典について説明するための図である。
【
図9】特定特典の他の一例について説明するための図である。
【
図10】決済サーバ100が利用する情報について説明するための図(1)である。
【
図11】決済サーバ100が利用する情報について説明するための図(2)である。
【
図12】同意が得られていない場合の提供態様の一例を示す図である。
【
図13】同意が得られていない場合の提供態様の他の一例を示す図である。
【
図14】同意が得られている場合の提供態様の一例を示す図である。
【
図15】表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。
【
図16】同意を解除した場合のインターフェース画面について説明するための図である。
【
図17】情報処理1について説明するための図である。
【
図18】情報処理1について説明するための図である。
【
図19】メリットを示す情報を含むインターフェース画面IM31である。
【
図20】第2態様のインターフェース画面IM32を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「決済サーバ(情報処理装置)」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、中継サーバ200のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。中継サーバ200は、加盟店サーバ300とネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。なお、中継サーバ200は省略され、決済サーバ100と加盟店サーバ300とは直接または他の装置を介して通信してもよい。
【0011】
[利用者端末装置]
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
[第1店舗端末装置]
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
[第2店舗端末装置]
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10、第1店舗端末装置50、または加盟店サーバ300から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置を含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバ300を介して決済情報が決済サーバ100に送信される。例えば、中継サーバ200を介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとして説明する場合がある。
【0015】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者を識別するための識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、処理部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、SOC(System On Chip)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部140は「取得部」の一例である。処理部150、または決済処理部130と処理部150とを合わせた機能構成は「処理部」の一例である。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、特典情報178などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。上記のように、コンテンツ提供部120と、決済アプリ20とは協働して利用者端末装置10の表示部に電子決済サービスに係るコンテンツを表示させる。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0027】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0028】
情報管理部140は、電子決済サービスを利用する利用者によって設定される電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する。取得した情報は、特典情報178において管理される。特典情報178は、利用者情報172に統合される情報であってもよい。
【0029】
図4は、特典情報178の内容の一例を示す図である。特典情報178は、例えば、利用者を識別するための情報(例えばアカウントID)に対して、通常特典、特定特典、および商品等識別情報に対する同意の有無が対応付けられた情報である。情報管理部140は、利用者の決済アプリ20の操作に応じて、特典情報178の同意の項目に対して同意有または同意無の情報を対応付ける。これらの詳細については後述する。
【0030】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0031】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0032】
[処理部]
処理部150は、利用者に提供する特典に関する特典情報を、可否情報に応じた提供態様で利用者端末装置10の表示部に表示させる。特典とは、例えば、ポイントの付与や、割引、電子的スタンプカードに対する電子的スタンプの付与、商品等(商品、サービス、グッツ)の提供など利用者に対する還元である。以下、この処理の概要および詳細について説明する。
【0033】
[概要]
電子決済サービスでは、例えば、特定特典と、特定特典とは異なる特典とが利用される。特定特典とは異なる特典を、通常特典と称する。特定特典は、例えば、電子決済サービスサービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報を利用することで特典を利用者に付与可能な特典である。通常特典(特定特典とは異なる特典)は、例えば、商品等識別情報を利用することなく特典を利用者に付与可能な特典である。付与とは、処理部150が、特典情報178のアカウントIDに対して特典を対応付け、電子決済サービスにおいて利用可能(授受可能)とする処理である。
【0034】
図8は、通常特典および特定特典について説明するための図である。通常特典は、対象の店舗(加盟店)において利用者が電子決済サービスを利用して決済を行うと、決済総額に対して特典(クーポン)が適用される特典である。
図8の例では、例えば、決済に係る商品またはサービスである商品等に関わらず決済総額に対して10パーセントのポイントが利用者に付与される。付与されるとは、利用者のアカウントIDに対してポイントが対応付けられる処理である。
【0035】
特定特典は、対象の加盟店において利用者が電子決済サービスを利用して決済を行うと、特定商品(またはサービス)を特典付与の対象外として、特定商品以外の商品等の決済総額に対して特典(クーポン)が適用される特典である。
図8の例では、例えば、決済に係る商品A以外の商品等の決済総額に対して10パーセントのポイントが利用者に付与される。特定特典については、商品またはサービスを識別するための商品等識別情報が利用されて処理が行われる。
【0036】
電子決済サービスにおいて、利用者は、決済アプリ20を操作して特典を獲得する画面において、特典付与の権限を獲得する操作を行うことにより、特典付与の権限を獲得することができる。具体的には、クーポンを獲得する操作によりクーポンを獲得することができる。クーポンを獲得している場合、利用者は、電子決済サービスにおける決済時にクーポンを加盟店に提示することなく、加盟店で決済することでクーポンが自動適用されて、利用者は特典を得ることができる。なお、上記に代えて、クーポンを提示することで特典が付与されてもよい。
【0037】
図9は、特定特典の他の一例について説明するための図である。特定特典は、対象の加盟店において利用者が電子決済サービスを利用して決済を行うと、特定商品(またはサービス)の決済額に対して特典(クーポン)が適用される特典である。
図9の例では、決済に係る特定商品(〇〇バーガー)の決済総額に対して特典(クーポン)が適用される。特定特典については、商品またはサービスを識別するための商品等識別情報が利用されて処理が行われる。
【0038】
決済サーバ100は、商品等識別情報の利用の同意の有無に関わらず、通常特典を利用者に付与したり、利用を許可したりする。決済サーバ100は、商品等識別情報の利用に同意している場合に、特定特典を利用者に付与したり、利用を許可したりする。
【0039】
[商品等識別情報の利用に同意している場合に決済サーバが利用する情報]
図10は、決済サーバ100が利用する情報について説明するための図(1)である。加盟店サーバ300は、中継サーバ200を介して決済サーバ100に処理情報を送信する。決済サーバ100は、処理情報に含まれる決済情報を利用して決済を行い、処理情報に含まれる商品等情報を利用して特定特典を適用する処理を行う。商品等情報は、加盟店で決済された商品(またはサービス)および金額に関する情報であり、例えば、商品の金額や、商品のカテゴリ、商品の識別情報(商品等識別情報)などを含む。商品等識別情報は、例えばJANコードなどの商品を識別するための識別情報である。商品等識別情報の利用の同意が得られている場合、決済サーバ100は、商品等識別情報を利用して特定特典を利用者に適用する処理を行う。なお、決済サーバ100は、商品の識別情報が付与されていない商品の金額の情報を中継サーバ200から取得してもよい。
【0040】
上述した処理情報(または商品等情報)には、例えば、上記の情報の他に、決済に係る商品(またはサービス)の個数および1個あたりの価格の情報が含まれてもよい。決済サーバ100は、商品の個数と、1個あたりの商品の価格とに基づいて、決済の合計金額を導出する。また、上述した処理情報(または商品等情報)には、商品に対する値引き額を示す情報が含まれてもよい。この値引き額は、加盟店が任意に設定することができる。
【0041】
例えば、以下のような場面で、値引き額を示す情報が決済サーバ100に提供される。例えば、当該電子決済サービス以外で提供されている所定の特典が利用された場合、決済サーバ100に、値引き額が提供される。所定の特典とは、例えば、ビール券や、XX商品券である。例えば、加盟店で、決済額の合計に対してではなく、個別の商品に対して所定の特典が適用されて値引きがされた場合、決済サーバ100は、当該値引き額を示す情報と、値引きの対象の商品の情報を取得する。例えば、スーパーマーケットなどの加盟店でよく見られる、〇〇円引や、〇〇パーセントオフ、半額などの見切り品やおつとめ品に係る決済の場合(通常150円の商品が100円で決済されるような場合)、決済サーバ100は、値引き額を示す情報(例えば50円引きの情報)および値引き額に対応する商品の情報を取得する。上記のように、決済サーバ100は、商品(またはサービス)の価格と、商品(またはサービス)に対する値引き額を示す情報と、値引き対象の商品の情報とを取得した場合、値引き後の価格である決済額に対して電子決済サービスのポイントなどの特典を付与することができる。
【0042】
[商品等識別情報の利用に同意していない場合に決済サーバが利用する情報]
図11は、決済サーバ100が利用する情報について説明するための図(2)である。上述した
図10との相違点を中心に説明する。決済サーバ100は、処理情報に含まれる決済情報を利用して決済を行い、商品等情報を利用しない。商品等識別情報の利用の同意が得られていない場合、決済サーバ100は、少なくとも商品等識別情報を利用しない、或いは商品等情報を利用しない。このため、通常特典は利用者に適用されるが、特定特典は利用者に適用されない。
【0043】
上記のように、商品等情報の利用の同意の有無によって、決済サーバ100が利用する決済に関する情報が異なり、利用者に適用される特典の種別も異なることとなる。
【0044】
[クーポンを獲得する場面]
処理部150は、利用者が獲得可能な特典を示す特典情報を、商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報に応じた提供態様で利用者端末装置10の表示部に表示させる。例えば、同意が得られている場合と、同意が得られていない場合とで、異なるインターフェース画面が利用者に提供される。処理部150は、例えば、商品等識別情報の利用に同意していない場合に、利用者が特典を獲得するための画面を表示させたとき、特定特典と、特定特典とは異なる特典とを区別可能に利用者端末装置10の表示部に表示させてもよい。例えば、処理部150は、商品等識別情報の利用に同意していない場合に、利用者が特典を獲得するための画面を表示させたとき、特定特典と特定特典の獲得には同意が必要であることを示す情報とを対応付けた情報を利用者端末装置10の表示部に表示させてもよい。以下、この処理について例示する。
【0045】
図12は、上記の同意が得られていない場合の提供態様の一例を示す図である。利用者が、決済アプリ20が表示するホーム画面である。インターフェース画面IM1において、決済アプリ20を操作してクーポンに関するボタンを操作すると、インターフェース画面IM2が表示部に表示される。
【0046】
インターフェース画面IM2は、クーポンの一覧画面である。クーポン1、クーポン2は、通常特典(通常クーポン)であり、クーポン3は、特定特典(特典クーポン)である。クーポン1-3のそれぞれには、付与される特典の内容が対応付けられている。更に、クーポン3には、当該クーポンが特定クーポンであることを示す情報が対応付けられて、表示部に表示される。例えば、クーポン1、クーポン2、クーポン3のそれぞれには、クーポンを獲得するための獲得ボタンが対応付けられている。通常クーポンの獲得ボタンが操作されると、決済サーバ100は、同意を得られていなくても利用者に通常クーポンを付与する(
図14参照)。
【0047】
特定クーポンの獲得ボタンが操作されると、決済サーバ100は、同意を得られていないため、商品等識別情報の利用に同意するか否かを問い合わせるためのインターフェース画面IM3を表示部に表示させる。利用者が同意する操作を行った場合、決済サーバ100は、利用者に特定クーポンを付与して、特定クーポンを獲得したことを示すインターフェース画面IM4を表示部に表示させる。
【0048】
このように処理部150は、商品等識別情報の利用に同意していない場合に、利用者が特典を獲得するための画面を表示させたとき、特定特典を利用者端末装置10の表示部に表示させ、利用者が特定特典の獲得を指示した場合、同意を問い合わせる画面(インターフェース画面IM2)を表示部に表示させる。そして、処理部150は、同意を問い合わせる画面において利用者が同意する旨の操作を行った場合、特定特典を前記利用者に付与する。このように、利用者は、シームレスな処理で特定特典を獲得することができる。
【0049】
利用者の同意を事前に得られていない場合は、クーポン3に対して獲得ボタンに代えて(または加えて)同意ボタンが対応付けられもよい。同意ボタンは、商品等識別情報の利用に同意することを設定するためのボタンである。この同意ボタンが操作されると、商品等識別情報の利用に同意したとされてもよいし、インターフェース画面IM3が表示されてもよい。これらの場合、クーポン3が特定クーポンであることを示す情報は省略されてもよい。
【0050】
図13は、同意が得られていない場合の提供態様の他の一例を示す図である。
図12のインターフェース画面IM2に代えて、インターフェース画面IM2#が表示部に表示されてもよい。インターフェース画面IM2#には、クーポン3に対して、商品等識別情報の利用の同意が必要であることを示す情報が対応付けられている。同意が得られている場合は、商品等識別情報の利用の同意が必要であることを示す情報は表示されないが、同意が得られていない場合は、商品等識別情報の利用の同意が必要であることを示す情報が表示される。
【0051】
例えば、利用者の同意を事前に得られている場合、インターフェース画面IM2またはIM2#において、クーポン3が特定クーポンであることを示す情報は省略されてもよい。更に、クーポン3の獲得ボタンが操作された場合、インターフェース画面IM3の表示は省略される。
図14は、上記の同意が得られている場合の提供態様の一例を示す図である。同意が得られている場合、インターフェース画面IM2に代えて、インターフェース画面IM2##が表示部に表示される。インターフェース画面IM2##では、クーポン4-6のうち、クーポン6が特定クーポンであっても、これらが区別されずに表示される。これに代えて、同意がされているため特定クーポンであるクーポン6を獲得可能であることを示す情報が、インターフェースIM2##において表示されてもよいし、クーポン6に対応付けられていてもよい。
【0052】
なお、処理部150は、利用者が同意を行った後、再度、利用者が特典を獲得するための画面を表示部に表示させた場合、特定特典を表示部に表示させる。利用者は、同意する旨の操作を行うことなく、付与されていない特定特典を獲得可能である。すなわち、利用者は、一度同意を行えば、同意に関する操作を再度行うことなく特定特典を獲得できる。このように一度の同意は包括的な同意となる。ただし、一度同意を行っても利用者が所定の操作を決済アプリ20に対して行うことで同意を解除することができる。
【0053】
上記のように、決済サーバ100は、同意の有無に応じた態様のインターフェース画面を利用者に提供する。例えば、特定特典がよりお得であれば、利用者は、より積極的に特定特典を獲得しようとするモチベーションが向上し、商品等識別情報の利用に同意して、特定特典を獲得することが期待できる。このように、特典に関するユーザビリティを向上させることができる。
【0054】
[クーポンを獲得した後の場面]
処理部150は、利用者が獲得した特典を示す特典情報を、可否情報に応じた提供態様で利用者端末装置10の表示部に表示させる。処理部150は、例えば、利用者が特定特典を獲得した後、同意を維持している場合と、同意を解除した場合とで異なるインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0055】
(提供態様1)
図15は、表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。
図15のインターフェース画面は、利用者が獲得済のクーポンを確認するためのインターフェース画面である。このインターフェース画面は、利用者が決済アプリ20を操作することで利用者端末装置10の表示部に表示される。利用者が特定特典を獲得して、同意を維持している場合、処理部150は、表示部にインターフェース画面IM21を表示させる。インターフェース画面IM21は、特定特典であるクーポン3を含むインターフェース画面である。利用者が特定特典を獲得して、同意を解除した場合、処理部150は、表示部にインターフェース画面IM22を表示させる。インターフェース画面IM22は、特定特典であるクーポン3を含まないインターフェース画面である。このように、同意の有無に応じて、利用者が利用可能なクーポンが表示部に表示されるため、ユーザビリティが向上する。
【0056】
なお、インターフェース画面IM21において、クーポン3に対して、商品等識別情報の利用に同意しているため、クーポン3が利用可能であることが対応付けられていてもよいし、商品等識別情報の利用の同意を解除するとクーポン3が利用できなくなることを示す情報が対応付けられていてもよい。また、インターフェース画面IM22において、クーポン3が表示され、クーポン3に対して、商品等識別情報の利用に同意していないため利用ができないことを示す情報や、商品等識別情報の利用に同意することによってクーポン3が利用可能となることを示す情報などが対応付けられていてもよい。このように、同意の有無と特定特典の利用との関係を示す情報が利用者に提供されることによりユーザビリティが向上する。
【0057】
(提供態様2)
処理部150は、商品等識別情報を利用することで特典を利用者に付与可能な特定特典を取得した後、可否情報の同意を解除する意思を示す操作を利用者が行った場合、特定特典を利用できなくなることを示す情報と、利用できなく特定特典とを対応付けた態様の画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる。
【0058】
図16は、同意を解除した場合のインターフェース画面について説明するための図である。処理部150は、例えば、利用者が獲得済のクーポンを確認するためのインターフェース画面IM21を表示部に表示させ、利用者が同意の解除のための操作を行うと、インターフェース画面IM23を表示部に表示させる。インターフェース画面IM23は、商品等識別情報の利用の同意を解除するためのインターフェース画面である。インターフェース画面IM23において、利用者が同意を解除する操作を行うと、処理部150は、インターフェース画面IM24を表示部に表示させる。インターフェース画面IM24は、クーポン3が同意の解除によって利用できなくなることを示す情報を含み、利用できなくなるクーポン3が強調される態様で表示されたインターフェース画面である。利用者が、インターフェース画面IM24において、同意の解除を確定する操作を行った場合、同意が解除される。このように、「処理部150は、利用者が獲得した特典を示す特典情報を、可否情報に応じた提供態様(例えばインターフェース画面IM21、24)で利用者端末装置10の表示部に表示させる」。この場合、処理部150は、特典情報178の当該利用者に対応付けられた同意の有無を「同意有」から「同意無」に変更する。
【0059】
上記の態様に代えて、利用できなくなる特典情報の一覧や、獲得できなくなる特典情報の一覧、これらの一覧を表示させるためのボタンなどが表示されてもよい。
【0060】
上記のように、処理部150は、商品等識別情報を利用することで特典を利用者に付与可能な特定特典を取得した後、可否情報の同意を解除する意思を示す操作を利用者が行った場合、特定特典の利用を制限する。制限とは、上記のように特典情報178の情報を「同意無」に更新することや、特定特典を特典情報178から削除することである。その後、再度、可否情報に同意する旨の意思を示す操作を利用者が行った場合、特定特典の利用の制限を解除して、特定特典の利用を可能にする。例えば、処理部150は、上記のように特典情報178の情報を「同意無」から「同意有」に更新したり、削除された特定特典を再度特典情報178に対応付けたりすることで、特定特典を利用可能にする。
【0061】
(情報処理1)
以下、処理部150が実行する情報処理について説明する。
図17は、情報処理1について説明するための図である。「同意有」から「同意無」となった場合、処理部150は、特典情報178の同意の項目を「有」から「無」に変更し、更に、特典情報178の特定特典(特定クーポン)を削除する。決済処理部130が決済を行った際に、特典情報178の特定特典において、当該加盟店で利用可能な特定特典がある場合、処理部150が、特定特典を適用する。例えば、上記のように「同意無」である場合、特定特典が削除されるため、処理部150は、「同意無」の利用者に対しては、決済に応じて通常特典を適用する。この例において、再度、利用者が「同意有」とした場合、削除された特定特典は、再度利用者が獲得しないと、利用者に付与されなくてもよいし、獲得の履歴に基づいて特定特典が復活してもよい(再度獲得せずに利用者に付与されなくてもよい)。
【0062】
(情報処理2)
図18は、情報処理1について説明するための図である。「同意有」から「同意無」となった場合、処理部150は、特典情報178の同意の項目を「有」から「無」に変更するが、特典情報178の特定特典(特定クーポン)を削除しなくてもよい。決済処理部130は決済を行った際に、特典情報178の特定特典において、当該加盟店で利用可能な特定特典がある場合、処理部150が特定特典を適用する。例えば、上記のように「同意無」である場合、特定特典が付与されていても特定特典を利用せず、「同意有」である場合、付与されている特定特典を適用する。
【0063】
上記のように、処理部150は、決済処理部130と連携して利用者の同意の意思に応じて適切に商品等識別情報を利用して利用者に特典を付与することができる。
【0064】
(利用者に提供される他のインターフェース画面1)
処理部150は、特定特典を利用して利用者が得られたメリットを示す情報を利用者端末装置10の表示部に表示させてもよい。メリットとは、特定特典を利用して利用者が得られたポイントや、割引かれた金額、得られたサービスなど利用者にとっての価値である。
図19は、メリットを示す情報を含むインターフェース画面IM31である。インターフェース画面IM31は、例えば、合計獲得ポイントや、通常特典により得られたポイント、特定特典により得られたポイントなどを含む。このように、特定特典により得られたメリットが利用者に提供されるため、利用者は、特定特典を利用することのメリットをより感じることができる。
【0065】
(利用者に提供される他のインターフェース画面2)
処理部150は、利用者が同意を行った後、特定特典を獲得した場合において、利用者の操作に基づいて特定特典および獲得済の特定特典とは異なる特典とを第1態様で利用者端末装置10の表示部に表示させる。その後、利用者が同意を解除した場合、処理部150は、利用者の操作に基づいて特定特典および獲得済の特定特典とは異なる特典とを第2態様で利用者端末装置10の表示部に表示させる。第2態様は、第1態様とは異なる態様であって、特定特典と異なる特典とを利用者が区別可能であり、且つ特定特典の利用には同意が必要であることを示す態様である。
【0066】
図20は、第2態様のインターフェース画面IM32を示す図である。インターフェース画面IM32は、例えば、利用可能なクーポン(通常特典)と、同意を解除したことによって利用ができない特定特典とを含む。更に、インターフェース画面IM32は、(1)特定特典が同意を解除したため利用ができなくなったことを示す情報や、(2)所定の操作を行って同意画面を表示させて同意を行うことで特定特典が利用できるようななることを示す情報などが含まれる。なお、第1態様のインターフェース画面は、第2態様のインターフェース画面と異なる画面であればよく、例えば、上記の(1)および(2)が表示されていない態様のインターフェース画面や、特定特典と通常特典とが区別されていないインターフェース画面などである。
【0067】
このように、同意が解除された場合、処理部150は、利用できなくなった特定特典を利用者が識別可能に表示部に表示させたり、利用ができなくなった理由または利用を可能にする方法を利用者に提供したりすることにより、ユーザビリティを向上させることができる。
【0068】
また、決済サーバ100は、特定特典の詳細を表示する画面において、特定特典が適用される商品またはサービスや、特定特典が適用されない商品またはサービスなどを表示してもよい。これにより、利用者は、特定特典の詳細を確認することができる。
【0069】
上記の例では、ストアスキャン時の処理について説明したが、ユーザスキャンの場合においても、本実施形態の処理が適用されてもよい。例えば、ユーザスキャンにおいてスキャンされる画像(QRコードやバーコード)に店舗の識別情報の他、商品またはサービスの識別情報がエンコードされていてもよい。この場合、決済アプリ20は、商品またはサービスの識別情報を決済情報に含めて決済サーバ100に送信する。これにより、決済サーバ100は、ストアスキャンと同様に本実施形態の処理を行うことができる。
【0070】
以上説明した実施可能によれば、決済サーバ100は、電子決済サービスを利用する利用者によって設定される電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得し、利用者に提供する特典に関する特典情報を、可否情報に応じた提供態様で利用者の端末装置の表示部に表示させることにより、ユーザビリティを向上させることができる。
【0071】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
30 加盟店アプリ
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 処理部
178 特典情報
【要約】
【課題】特典に関するユーザビリティを向上させることができる。
【解決手段】電子決済サービスを利用する利用者によって設定される前記電子決済サービスを利用した決済に係る商品またはサービスを識別するための商品等識別情報の利用の同意の可否を示す可否情報を取得する取得部と、前記利用者に提供する特典に関する特典情報を、前記可否情報に応じた提供態様で前記利用者の端末装置の表示部に表示させる処理部と、を備える情報処理装置。
【選択図】
図1