(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】隣接セルに対する同期情報決定
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20240912BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20240912BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20240912BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20240912BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W48/16 110
H04W72/23
H04W84/06
(21)【出願番号】P 2023520047
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2021074469
(87)【国際公開番号】W WO2022069156
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-16
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】マノラキス,コンスタンティノス
(72)【発明者】
【氏名】ローリゼン,マッズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィガード,イェルン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-040102(JP,A)
【文献】MediaTek USA Inc.,Improving Cell Reselection using Next Cell Information in NTN[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1908857,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1908857.zip>,2019年08月15日
【文献】Xiaomi,Discussion on UL time and frequency synchronization for NTN[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006603,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006603.zip>,2020年08月07日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、
前記ネットワークノードデバイスに、ダウンリンクシグナリングを介して、前記決定された拡張同期情報を前記現在のセルに位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに送信させるステップとを実行する手段を備え
、
前記拡張同期情報は、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、および
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかを示すフレーム同期ステータスを備えることを特徴とするネットワークノードデバイス。
【請求項2】
前記拡張同期情報は
、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々および前記現在のセルの間のフレーム同期時間オフセット、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々および前記現在のセルの間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々および前記現在のセルにおける同期信号ブロック間の周波数オフセット、または
前記拡張同期情報がいつ有効かを示すタイムスタンプのうち少なくとも1つを
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワークノードデバイス。
【請求項3】
前記ダウンリンクシグナリングは、
物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、
物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、
無線リソース制御シグナリング、または
前記ネットワークノードデバイスおよび前記少なくとも1つのクライアントデバイスが、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリスデータシグナリングのうち少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のネットワークノードデバイス。
【請求項4】
前記ネットワークノードデバイスおよび前記少なくとも1つのクライアントデバイスは、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信し、前記空中/宇宙ノードは、前記拡張同期情報のための同期基準として利用されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のネットワークノードデバイス。
【請求項5】
前記手段は、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ネットワークノードデバイスの性能を引き起こすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のネットワークノードデバイス。
【請求項6】
ネットワークノードデバイスによって、前記ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、
前記ネットワークノードデバイスによって、ダウンリンクシグナリングを介して、前記現在のセルに位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに前記決定された拡張同期情報を送信するステップとを備え
、
前記拡張同期情報は、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、および
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかを示すフレーム同期ステータスを備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、
ダウンリンクシグナリングを介して、前記現在のセルに位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに前記決定された拡張同期情報を送信するステップとを前記ネットワークノードデバイスに少なくとも実行させるコンピュータプログラム
であって、
前記拡張同期情報は、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、および
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかを示すフレーム同期ステータスを備えることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
クライアントデバイスに、ダウンリンクシグナリングを介して、前記クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信させるステップと、
前記受信された拡張同期情報に基づいて、前記現在のセルに対する前記少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとを実行する手段を備え
、
前記拡張同期情報は、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、および
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかを示すフレーム同期ステータスを備えるクライアントデバイス。
【請求項9】
前記手段は、セル選択手順をトリガすることに応答して、前記決定された同期ステータスデータに基づいて前記少なくとも1つの隣接セルの少なくとも1つの加速された探索を実行するステップをさらに実行することを特徴とする請求項8に記載のクライアントデバイス。
【請求項10】
前記拡張同期情報は
、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々および前記現在のセルの間のフレーム同期時間オフセット、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々および前記現在のセルの間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々および前記現在のセルにおける同期信号ブロック間の周波数オフセット、または 前記拡張同期情報がいつ有効かを示すタイムスタンプのうち少なくとも1つを
さらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載のクライアントデバイス。
【請求項11】
前記ダウンリンクシグナリングは、
物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、
物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、
無線リソース制御シグナリング、または
前記クライアントデバイスおよび前記現在のセルにサービスするネットワークノードデバイスが、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリスデータシグナリングのうち少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のクライアントデバイス。
【請求項12】
前記同期ステータスデータは、
どの同期信号が前記少なくとも1つの隣接セルの各々によって利用されるかを示す第1の同期ステータスデータ、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかどうかを示す第2の同期ステータスデータ、または
同期信号が前記少なくとも1つの隣接セルの各々によって時間的にどこに送信されるかを示す第3の同期ステータスデータのうち少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のクライアントデバイス。
【請求項13】
前記手段は、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記クライアントデバイスの性能を引き起こすことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のクライアントデバイス。
【請求項14】
クライアントデバイスによって、ダウンリンクシグナリングを介して、前記クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信するステップと、
前記クライアントデバイスによって、前記受信された拡張同期情報に基づいて、前記現在のセルに対する前記少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとを備え
、
前記拡張同期情報は、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、および
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかを示すフレーム同期ステータスを備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
セル選択手順をトリガすることに応答して、前記クライアントデバイスによって、前記決定された同期ステータスデータに基づいて前記少なくとも1つの隣接セルの少なくとも1つに対して加速された探索を実行するステップをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信するステップと、
前記受信された拡張同期情報に基づいて前記現在のセルに対する前記少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとを前記クライアントデバイスに少なくとも実行させる命令を備え
、
前記拡張同期情報は、
前記少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、および
前記少なくとも1つの隣接セルの各々が前記現在のセルとフレーム同期しているかを示すフレーム同期ステータスを備えるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して通信ネットワークに関し、より具体的には、限定はしないが、隣接セルに関する同期情報決定に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ通信ネットワークにおいて、ユーザ機器(UE)がネットワークにアクセスし、基地局などのインフラストラクチャノードとのデータ通信リンクを確立するために時間同期が必要とされる。第5世代(5G)またはいわゆる新無線(NR:New Radio)ワイヤレスネットワークにおいて、ダウンリンク(DL)時間同期がUEの初期アクセス手順に含まれる。DL時間同期は、UEがネットワークによって送信されたプライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を検出することと、UEが物理ブロードキャストチャンネル(PBCH)を復号することとを備え得る。5G NRでは、PSS/SSSとPBCHとのペアは、同期信号ブロック(SSB)中でともに送信され得る。
【0003】
しかしながら、潜在的な(第1の)セルに向かう初期アクセス手順が失敗した場合、UEは、典型的には、他のPSS/SSSペアを検出および復号しようとすることによって、他の(第2の)セルに向かう初期アクセスを開始する。しかし、第1のセルに向かうその試み中に、その第1のセルからの1つまたは複数のSSBをすでに検出および復号していて、UEは、第1のセルによって使用される時間参照に関する情報をUEに提供している。同様に、UEはまた、UEが第1のセルにアクセスしようと試みる前に他の(第3の)セルに接続された場合、前の時間および/または周波数同期情報を有し得る。
【0004】
しかしながら、従来、UEは、第2のセルにアクセスしようと試みるときに、第1のセルからのSSB復号によって得られたタイミングを依然として利用できるか、または前の(第3の)サービングセルから得られたタイミングを依然として利用できるかは知らされていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の様々な例示的な実施形態に求められる保護の範囲は、独立請求項によって示される。独立請求項の範囲に入らない、本明細書に記載される例示的な実施形態および特徴が存在する場合、それらは、本発明の様々な例示的な実施形態を理解するのに有用な例と解釈されるべきである。
【0006】
ネットワークノードデバイスの例示的な実施形態は、ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、ネットワークノードデバイスに、決定された拡張同期情報をダウンリンクシグナリングを介して現在のセルに位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに送信させるステップとを実行する手段を備える。
【0007】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、少なくとも1つの隣接セルの各々が現在のセルとフレーム同期しているかどうかを示すフレーム同期ステータス、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム同期時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルおよび現在のセルの各々における同期信号ブロック間の周波数オフセットまたは拡張同期情報がいつ有効であるかを示すタイムスタンプのうち少なくとも1つを備える。
【0008】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、ダウンリンクシグナリングは、物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、無線リソース制御シグナリングまたはネットワークノードデバイスおよび少なくとも1つのクライアントデバイスが、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリス(ephemeris)データシグナリングのうちの少なくとも1つを備える。
【0009】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、ネットワークノードデバイスおよび少なくとも1つのクライアントデバイスは、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信し、空中/宇宙ノードは、拡張同期情報のための同期基準として利用される。
【0010】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ネットワークノードデバイスを実行させる。
【0011】
方法の例示的な実施形態は、ネットワークノードデバイスによって、ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、ネットワークノードデバイスによって、決定された拡張同期情報をダウンリンクシグナリングを介して現在のセル内に位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに送信するステップとを備える。
【0012】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、少なくとも1つの隣接セルの各々が現在のセルとフレーム同期しているかどうかを示すフレーム同期ステータス、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム同期時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルおよび現在のセルの各々における同期信号ブロック間の周波数オフセットまたは拡張同期情報がいつ有効であるかを示すタイムスタンプのうち少なくとも1つを備える。
【0013】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、ダウンリンクシグナリングは、物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、無線リソース制御シグナリングまたは、ネットワークノードデバイスおよび少なくとも1つのクライアントデバイスが、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリスデータシグナリングのうちの少なくとも1つを備える。
【0014】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、ネットワークノードデバイスおよび少なくとも1つのクライアントデバイスは、少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信し、空中/宇宙ノードは、拡張同期情報のための同期基準として利用される。
【0015】
コンピュータプログラムの例示的な実施形態は、少なくとも、ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、ダウンリンクシグナリングを介して、現在のセルに位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに、決定された拡張同期情報を送信するステップとをネットワークノードデバイスに実行させる。
【0016】
ネットワークノードデバイスの例示的な実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、少なくとも、ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定するステップと、ネットワークノードデバイスに、決定された拡張同期情報をダウンリンクシグナリングを介して現在のセルに位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに送信させるステップとをネットワークノードデバイスに実行させる。
【0017】
クライアントデバイスの例示的な実施形態は、クライアントデバイスに、ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信させるステップと、受信された拡張同期情報に基づいて、現在のセルに対する少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとを実行する手段を備える。
【0018】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、手段は、セル選択手順をトリガすることに応答して、決定された同期ステータスデータに基づいて、少なくとも1つの隣接セルのうちの少なくとも1つのための加速探索を実行するステップをさらに備える。
【0019】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、少なくとも1つの隣接セルの各々が現在のセルとフレーム同期しているかどうかを示すフレーム同期ステータス、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム同期時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルおよび現在のセルの各々における同期信号ブロック間の周波数オフセットまたは拡張同期情報がいつ有効であるかを示すタイムスタンプのうちの少なくとも1つを備える。
【0020】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、ダウンリンクシグナリングは、物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、無線リソース制御シグナリングまたはクライアントデバイスと現在のセルにサービスを提供するネットワークノードデバイスとが少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリスデータシグナリングのうちの少なくとも1つを備える。
【0021】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、クライアントデバイスおよび現在のセルにサービス提供するネットワークノードデバイスは、少なくとも部分的に、空中/宇宙ノード通信接続を介して通信し、空中/宇宙ノードは、拡張同期情報のための同期基準として利用される。
【0022】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、同期ステータスデータは、どの同期信号が少なくとも1つの隣接セルの各々によって利用されるかを示す第1の同期ステータスデータ、少なくとも1つの隣接セルの各々が現在のセルとフレーム同期されているかどうかを示す第2の同期ステータスデータまたは少なくとも1つの隣接セルの各々によって同期信号が時間的にどこで送信されているかを示す第3の同期ステータスデータのうちの少なくとも1つを備える。
【0023】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、クライアントデバイスを実行させる。
【0024】
方法の例示的な実施形態は、クライアントデバイスによって、ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信するステップと、クライアントデバイスによって、受信された拡張同期情報に基づいて、現在のセルに対する少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとを備える。
【0025】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、方法は、セル選択手順をトリガすることに応答して、クライアントデバイスによって、決定された同期ステータスデータに基づいて、少なくとも1つの隣接セルのうちの少なくとも1つの加速探索を実行するステップをさらに備える。
【0026】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セルの各々の物理セル識別、少なくとも1つの隣接セルの各々が現在のセルとフレーム同期しているかどうかを示すフレーム同期ステータス、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム同期時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルの各々と現在のセルとの間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、少なくとも1つの隣接セルおよび現在のセルの各々における同期信号ブロック間の周波数オフセットまたは拡張同期情報がいつ有効であるかを示すタイムスタンプのうちの少なくとも1つを備える。
【0027】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、ダウンリンクシグナリングは、物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、無線リソース制御シグナリングまたはクライアントデバイスと現在のセルにサービスを提供するネットワークノードデバイスとが少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリスデータシグナリングのうちの少なくとも1つを備える。
【0028】
例示的な実施形態において、上述の例示的実施形態の代わりに、またはそれに加えて、クライアントデバイスおよび現在のセルにサービス提供するネットワークノードデバイスは、少なくとも部分的に、空中/宇宙ノード通信接続を介して通信し、空中/宇宙ノードは、拡張同期情報のための同期基準として利用される。
【0029】
例示的な実施形態において、上述の例示的な実施形態の代わりに、またはそれに加えて、同期ステータスデータは、どの同期信号が少なくとも1つの隣接セルの各々によって利用されるかを示す第1の同期ステータスデータ、少なくとも1つの隣接セルの各々が現在のセルとフレーム同期されているかどうかを示す第2の同期ステータスデータまたは少なくとも1つの隣接セルの各々によって同期信号が時間的にどこで送信されているかを示す第3の同期ステータスデータのうちの少なくとも1つを備える。
【0030】
コンピュータプログラムの例示的な実施形態は、少なくとも、ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信するステップと、受信された拡張同期情報に基づいて、現在のセルに対する少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとをクライアントデバイスに実行させる命令を備える。
【0031】
クライアントデバイスの例示的な実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、クライアントデバイスに、ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信させるステップと、受信された拡張同期情報に基づいて、現在のセルに対する少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定するステップとをクライアントデバイスに実行させる。
【0032】
実施形態のさらなる理解を提供し、本明細書の一部を構成するために含まれる添付の図面は、実施形態を示し、説明とともに、実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、本明細書で説明される主題の例示的な実施形態であって、本開示の様々な実施形態を実施することができる例示的なシステムを示す。
【
図2A】
図2Aは、本明細書で説明される主題の例示的な実施形態であって、ネットワークノードデバイスを示す。
【
図2B】
図2Bは、本明細書で説明される主題の例示的な実施形態であって、クライアントデバイスを示す。
【
図3】
図3は、本明細書で説明される主題の例示的な実施形態であって、方法を示す。
【
図4】
図4は、本明細書で説明される主題の例示的な実施形態であって、他の方法を示す。
【0034】
添付の図面において、同様の参照番号は同様の部分を示すために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0035】
実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。添付の図面に関連して以下で提供される詳細な説明は、本実施例の説明として意図され、本実施例が構築または利用され得る唯一の形態を表すことを意図されない。説明は、実施例の機能と、実施例を構築し動作させるためのステップの順序とを説明する。しかしながら、同じまたは同等の機能および順序が、異なる実施例によって達成され得る。
【0036】
図1は、本開示の様々な実施形態が実施され得る例示的なシステム100を示す。少なくともいくつかの実施形態において、システム100は、第5世代(5G)新無線(NR)システムを備え得る。代替的/追加的に、システム100は、非地上ネットワーク(NTN)を備え得る。したがって、セルラネットワークのコンテキスト内でNTNの使用をサポートするために、5G NRなどの様々なネットワーク技術を可能にすることが望ましい場合がある。NTNは、5Gネットワークにおいて基地局またはgNBとして衛星を利用することによって、例えば、砂漠、島および外洋などの遠隔地域において、および/または災害状況などにおいて、シームレスなカバレッジを提供することができる。代替的/追加的に、システム100は、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT:NarrowBand Internet of Things)ベースのネットワークおよび/または拡張マシンタイプ通信(eMTC:enhanced Machine Type Communication)ベースのネットワークを備え得る。
【0037】
ネットワークノードデバイス200、クライアントデバイス210、現在のセル110、および隣接セル120を示すシステム100の例示的な表現が示されている。NTNを備える実施形態において、ネットワークノードデバイス200は、衛星に対応するか、衛星に含まれるか、または衛星を介してルーティングされ得る。
【0038】
本明細書において、「現在のセル」という用語は、クライアントデバイス210がデータ通信リンクを現在確立しているか、またはクライアントデバイス210が初期アクセス手順を開始したセルを指す。現在のセル110は、ネットワークノードデバイス200によってサービスされる。隣接セル120は、たとえば、ネットワークノードデバイス300によってサービスされ得る。
【0039】
クライアントデバイス210は、たとえば、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、または任意のハンドヘルドもしくはポータブルデバイスを含み得る。クライアントデバイス210は、ユーザ機器(UE)と呼ばれることもある。NTNを備える実施形態において、クライアントデバイス200は、たとえば、サービスリンクなどの空中/宇宙ノード通信接続を介してネットワークノードデバイス200と通信することができる。
【0040】
5G NRシステムを備える実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、クライアントデバイス200の初期アクセス手順は、ダウンリンク(DL)時間同期を備え得る。DL時間同期は、クライアントデバイス200がネットワークノードデバイス200によって送信されたプライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を検出することと、クライアントデバイス200が物理ブロードキャストチャンネル(PBCH)を復号することとを備え得る。5G NRにおいて、PSS/SSSとPBCHとのペアは、同期信号ブロック(SSB)中でともに送信され得る。最も強い受信されたPSSを検出した後、クライアントデバイス200は、シンボル同期を取得してもよく、SSSをさらに復号することができる。シーケンスペア(PSSおよびSSS)は、無線フレーム同期、周波数同期、ならびに対応するセル識別(ID)に関する情報をクライアントデバイス200に提供する。巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を介してPBCHの正しい復号を確認した後、初期同期は、クライアントデバイス200によって完了したと見なされ得る。
【0041】
従来、5G NR、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)などの規格に準拠するセルラ地上ネットワークは、典型的には、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を使用するときに非同期である。これは、隣接セルにおいて、基地局(gNB/eNBなど)が、それらのDL送信を時間的に整合させる必要がなく、またはグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)もしくはネットワーク時間プロトコル(NTP)によって提供される任意の共通の時間基準に従う必要がないことを意味する。隣接するgNB/eNB間の緩和された時間同期要件は、時分割複信(TDD)配置と比較してFDDの利点の1つである。しかしながら、FDDを使用するときでさえ、協調マルチポイントジョイント送信(JT CoMP)の協調ビームフォーミングなどの高度なマルチアンテナ処理技法を使用する場合、(基地局などの)インフラストラクチャノード間の時間同期が必要とされ得る。
【0042】
また、従来、NTN伝搬遅延は、異なる衛星の個々のフィーダ(feeder)およびサービングリンク遅延に起因して、異なり、時間とともに変化し得る。同時に、キャリア周波数オフセット(CFO)、位相雑音、および他の無線周波数(RF)障害は、衛星の個々のハードウェア構成要素に起因して異なり得る。異なる衛星の移動によって生成されるドップラーシフトもまた、時間とともに変化し、したがって、周波数同期不整合の追加の原因を生成し得る。さらに、NTNでは、異なるキャリア周波数が使用されるべきである場合、厳密な時間同期要件がないことがあるので、隣接セル間の同期要件が変化することがある。
【0043】
全体として、NTNでは、現在のセルのいくつかの隣接セルは、衛星基準点において同期され、いくつかは、同期され得ない。従来、隣接セルの同期ステータスについての正確な情報は、クライアントデバイスにとって完全には利用可能ではなかった。さらに、物理セルIDは、従来、衛星の物理衛星またはビームにマッピングされておらず、これは、例えば衛星エフェメリス(ephemeris)を介して衛星または衛星ビームを知るだけでは、隣接セルの同期ステータスに関する情報を提供しないことを意味する。
【0044】
上記に起因して、セルに取り付ける前に、クライアントデバイスは、従来、セルがその時間基準を導出するためにどのソースを使用するか(例えば、GNSS、ネットワークベースの同期など)を含む、セルの同期ステータスに関する情報を有していなかったことであって、フレームの開始(BOF:Beginning Of Frame)は、SSB/SSBブロックがフレーム内で送信されるとき、または隣接セルが任意の他の隣接セルに時間同期されるかどうかにかかわらず、時間内にある。
【0045】
開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかは、隣接セルに対する同期情報決定を可能にし得る。例えば、潜在的な(第1の)セルに向かう初期アクセス手順が失敗した場合、クライアントデバイスは、典型的には、他のPSS/SSSペアを検出および復号しようとすることによって、他の(第2の)セルに向かう初期アクセスを開始する。しかしながら、第1のセルに向かうその試み中に、クライアントデバイスは、その第1のセルからの1つまたは複数のSSBをすでに検出し復号していることがあり、第1のセルによって使用される時間基準に関する情報をクライアントデバイスに提供している。同様に、クライアントデバイスは、クライアントデバイスが第1のセルにアクセスしようと試みる前に他の(第3の)セルに接続されていた場合、前の時間および/または周波数同期情報を有し得る。しかしながら、従来、クライアントデバイスは、第2のセルにアクセスしようと試みるときに、第1のセルからのSSB復号によって得られたタイミングを依然として利用できるのか、それとも前の(第3の)サービングセルからのSSB復号によって得られたタイミングを依然として利用できるのかは知らされていない。第2のセルからのSSBをいつ予期するか、さらにこのSSBがどのPSSシーケンスを含むかを知ることによって、クライアントデバイスは、無線フレーム内の位置に関して、および検出すべきPSSシーケンスに関して探索空間を制限することができる。同時に、SSBが周波数においてどこで送信されるかを知ることは、クライアントデバイスが全受信帯域幅内で探索することを防ぎ得る。衛星モビリティによる遅延およびドップラーシフトの発展についての知識も、クライアントデバイスを助けることができる。したがって、利点は、全体的な同期手順の探索時間および計算の複雑さが著しく低減され得ることである。
【0046】
したがって、開示される例示的な実施形態の少なくともいくつかは、非地上ネットワークにおける他のセルを通じて隣接セルについての同期情報を提供することによって、クライアントデバイスをその同期手順において支援することを可能にし得る。
【0047】
図2Aは、例示的な実施形態による、ネットワークノードデバイス200のブロック図である。
【0048】
ネットワークノードデバイス200は、ネットワークノードデバイス200の性能を引き起こすための手段202、204を備える。手段202、204は、コンピュータプログラムコードを備える1つまたは複数のプロセッサ202および1つまたは複数のメモリ204を備えることができる。少なくとも1つのメモリ204およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ202を用いて、ネットワークノードデバイス200の性能を引き起こすように構成され得る。ネットワークノードデバイス200はまた、トランシーバ206などの他の要素を含み得る。
【0049】
ネットワークノードデバイス200は、1つのプロセッサ202のみを含むように示されているが、ネットワークノードデバイス200は、複数のプロセッサを含んでもよい。ある実施形態において、メモリ204は、オペレーティングシステムおよび/または様々なアプリケーションなどの命令を記憶することができる。さらに、メモリ204は、たとえば、開示される実施形態で使用される拡張同期情報の少なくともいくつかを記憶するために使用され得るストレージを含み得る。
【0050】
さらに、プロセッサ202は、記憶された命令を実行することができる。ある実施形態において、プロセッサ202は、マルチコアプロセッサ、シングルコアプロセッサ、または1つもしくは複数のマルチコアプロセッサと1つもしくは複数のシングルコアプロセッサとの組合せとして具体化され得る。例えば、プロセッサ202は、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、付随のDSPを伴うまたは伴わない処理回路、または、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータチップ等の集積回路を含む、種々の他の処理デバイス等の種々の処理デバイスのうちの1つまたは複数として具体化されてもよい。ある実施形態において、プロセッサ202は、ハードコードされた(hard-coded)機能を実行するように構成され得る。ある実施形態において、プロセッサ202は、ソフトウェア命令の実行者として具体化され、命令は、具体的には、命令が実行されると、本明細書で説明されるアルゴリズムおよび/または動作を実行するようにプロセッサ202を構成し得る。
【0051】
メモリ204は、1つまたは複数の揮発性メモリデバイス、1つまたは複数の不揮発性メモリデバイス、および/または1つまたは複数の揮発性メモリデバイスと不揮発性メモリデバイスとの組み合わせとして具体化されてもよい。例えば、メモリ204は、半導体メモリ(マスクROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、フラッシュROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)など)として実施され得る。
【0052】
ネットワークノードデバイス200は基地局であり得る。基地局は、例えば、第5世代基地局(gNB)、またはクライアントデバイスがワイヤレス送信を介してワイヤレスネットワークに接続するためのエアインタフェースを提供する任意のそのようなデバイスを含み得る。少なくともいくつかの実施形態において、基地局は、衛星における実装に好適であり得る。
【0053】
手段202、204は、ネットワークノードデバイス200によってサービスされる現在のセル110の少なくとも1つの隣接セル120に関する拡張同期情報の決定を実行するように構成される。
【0054】
例えば、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セル120の各々の物理セル識別(ID)を備え得る。クライアントデバイス210は、物理セルIDを使用して、どのPSSシーケンスおよびSSSシーケンスを探索するかを決定することができる。
【0055】
代替的/追加的に、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セル120の各々が現在のセル110(すなわち、拡張同期情報を提供するセル)とフレーム同期しているかどうかを示すフレーム同期ステータスを備え得る。例えば、フレーム同期ステータスを1ビットで表示してもよい。少なくとも1つの隣接セル120の各々は、物理セルID(PCI)などのセルIDに関連付けられ得る。
【0056】
代替的/追加的に、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セル120の各々と現在のセル110との間のフレーム同期時間オフセット(synch_offset)を備え得る。例えば、隣接セル120がフレーム同期の意味で現在のセル110と同期されていない場合、synch_offsetは、たとえばスロットまたはシンボルで測定されて提供され得る。
【0057】
代替的/追加的に、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セル120の各々と現在のセル110との間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット(SSB_offset)を備え得る。各々のセルがフレーム内の異なるロケーションにおいてSSB/SSBバーストを送信し得ることを考慮すると、2つのセルが同じ元の同期を使用し、フレーム同期されるが、依然としてそれらのSSB送信を時間的に整合させないことが起こり得る。例えば、その場合、現在セルと隣接セルとの間のSSB/SSBバーストオフセットを示すSSB_offsetを提供することができる。このメトリックは、例えばスロットまたはシンボルにおいて測定される、現在のセルと隣接セルとの間のフレーム内の第1のSSB(またはSSBバースト)ロケーションの差として定義され得る。SSBオフセット(フレーム内のフレームの開始(BOF)と第1のSSB(またはSSBバースト)ロケーションとの間の差として定義され得る)は、セルごとに(事前に)構成され得るので、相対SSBオフセットは、異なるセル間のBOFの差の代わりに、現在のセルによって提供され得る。非同期セルの場合、任意選択で単一の時間オフセットを示すことができ、synch_offsetとSSB_offsetの両方をキャプチャまたは組み合わせる。
【0058】
代替的/追加的に、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セル120および現在のセル110の各々における同期信号ブロック間の周波数オフセットを備え得る。例えば、現在のセル中のSSBと隣接セルとの間の周波数オフセットは、リソースブロックにおいて測定され得る。周波数オフセットは、異なる帯域幅部分(BWP)アクティブ化、異なるキャリアなどに起因し得る。SSBが同じ周波数ロケーションで送信される場合、周波数オフセットの値は、例えばゼロに設定され得る。
【0059】
代替的/追加的に、拡張同期情報は、拡張同期情報がいつ有効であるかを示すタイムスタンプを含むことができる。例えば、タイムスタンプ情報は、時間オフセット(synch_offsetおよび/またはSSB_offset)がいつ有効であるかをクライアントデバイスに示し得る。以下で議論されるような少なくともいくつかの実施形態において、セルが異なる衛星上にあり、エフェメリス(ephemeris)データがクライアントデバイスに利用可能である場合、クライアントデバイスは、時間オフセット(synch_offsetおよび/またはSSB_offset)、ならびに後の時点に対する(フィーダ(feeder)リンクおよびサービングリンクの両方からの)ドップラーシフトを計算することができる。タイムスタンプは、例えば、協調ユニバーサルタイム(UTC)などの周知の規格に従って与えられ得る。
【0060】
以下の表1は、ネットワークによってクライアントデバイスに提供される拡張同期情報の例を示す。この例では、Cell_ID#1は同期セルを表し、Cell_ID#2は非同期セルを表す。
【表1】
【0061】
この拡張同期情報をクライアントデバイスに提供することの利点は、以下のうちの少なくともいくつかを含む。
-クライアントデバイスは、PSS/SSSが物理セルIDに直接関連付けられるので、どの正確なPSS/SSSシーケンスを探索すべきかを知る。
-クライアントデバイスは、時間および周波数においてどこで特定のPSS/SSSおよびSSBを予想し、探索すべきかを知る。
-新しいセルにアクセスしようとする試みにおいて、クライアントデバイスは、新しいセルに容易に同期し、BOFを決定することができる。
-周波数領域において、SSBブロック間に周波数シフトがある場合、クライアントデバイスは、それを認識し、正しい周波数帯域/BWP内の対応するPSS/SSSを探索することができる。
-受信された同期情報に基づいて、およびエフェメリスデータとともに、クライアントデバイスは、時間オフセット(伝搬遅延変化によるおよび衛星ロケーションを知ることによる)および異なる衛星によってカバーされる隣接セルのための周波数オフセット(ドップラーシフト変化による)を予測できる。
-隣接セル測定を実行するための方法に対して、SSBに基づく基準信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)測定値など、クライアントデバイスは、時間および周波数におけるSSBロケーションに応じて測定値ウィンドウを位置決めできる。
【0062】
手段202、204はさらに、現在のセル110内に位置する少なくとも1つのクライアントデバイス210に、ダウンリンクシグナリングを介して、決定された拡張同期情報をネットワークノードデバイス200に送信させるようにさらに構成される。
【0063】
例えば、ダウンリンクシグナリングは、物理ブロードキャストチャンネル(PBCH)を介したブロードキャストシグナリングを備え得る。例えば、決定された拡張同期情報は、PBCHを介して、現在のセル110中のすべてのクライアントデバイス210にブロードキャストされ得る。この特徴は、拡張同期情報が早期に、すなわち、すでに単一のSSB検出の後に利用可能であることを可能にする。新しいセルからのSSBを検出することによって、クライアントデバイスは、そのセルに対する隣接セルの同期状態を直ちに知る。少なくともいくつかの実施形態において、拡張同期情報は、すべてのクライアントデバイスに利用可能にされ、すべてのPBCH送信に含まれ得る。
【0064】
代替的/追加的に、ダウンリンクシグナリングは、物理ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH)を介したシグナリングを備え得る。例えば、決定された拡張同期情報は、PDCCHを介してクライアントデバイスに提供されてもよく、PDCCHは次いで、クライアントデバイスによって復号され得る(これは、RRC_idle状態でも起こり得る)。追加の情報の送信は、たとえば、RSRPなどの事前に定義されたインジケータがあらかじめ定義されたしきい値を下回るとき、ネットワークに送信されるクライアントデバイス測定値によってトリガされ得る。この特徴は、拡張同期情報が、必要とされるときのみ、または再要求されるときにのみ、クライアントデバイスに送信されることを可能にする。
【0065】
代替的/追加的に、ダウンリンクシグナリングは、無線リソース制御(RRC)シグナリングを備え得る。例えば、決定された拡張同期情報は、RRCシグナリングに含まれてもよい。この特徴は、オーバーヘッドに関してより効率的である。拡張同期情報は、上記の他の2つの場合(PBCHおよびPDCCH)よりも後に提供されてもよく、例えば、クライアントデバイスが以前に隣接セルにおいてRRC_CONNECTED状態にあった場合、クライアントデバイスに利用可能にされ得る。
【0066】
代替的/追加的に、ダウンリンクシグナリングは、ネットワークノードデバイス200および少なくとも1つのクライアントデバイス210が少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するときのエフェメリスデータシグナリングを備え得る。本明細書では、空中/宇宙ノード通信接続は、衛星通信接続(例えば、低地球軌道(LEO)および/または静止(GEO)衛星を介するおよび/または高高度プラットフォーム局(HAPS)通信接続を備え得る。HAPS通信接続は、高高度擬似衛星通信接続としても知られている。
【0067】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、ネットワークノードデバイス200および少なくとも1つのクライアントデバイス210は、少なくとも部分的に、上述の空中/宇宙ノード通信接続を介して通信してもよく、空中/宇宙ノードは、拡張同期情報のための同期基準として利用されてもよい。例えば、異なる衛星を介してサービスされる2つのセルの2つのSSBの間のオフセットが取得された場合、クライアントデバイス210は、隣接セル内のSSBの場所を計算することができる。クライアントデバイス210は、例えば、クライアントデバイス210が衛星の位置(エフェメリスデータ)を知り、それ自体の位置を知り、タイムスタンプの時点におけるオフセットを知るときに、これを行うことができる。この知識に基づいて、クライアントデバイス210は、衛星への遅延がどのように進化したかを計算することができ、それによってSSBの位置を計算することができる。加えて、空中/宇宙ノードが拡張同期情報のための同期基準として利用されるとき、クライアントデバイス210は、フィーダリンク遅延変化を補償することが可能であり得る。
【0068】
例えば、決定された拡張同期情報は、エフェメリスデータに含まれ得る。5G NRにおいて、衛星エフェメリスデータは、衛星ID、衛星位置および/または衛星移動ベクトルを含むことができ、クライアントデバイスは衛星が任意の時点でどこにあるかを決定することを可能にする。衛星IDからPCIへのマッピングが行われる場合、例えば、2つの代替的な実施形態が使用されてもよい。
(a)エフェメリスデータのPCI-衛星IDマッピングとクライアントデバイスの位置とを使用し、クライアントデバイスは、隣接PCIを予測することができる。
(b)PCI-衛星IDマッピングに加えて、エフェメリスの一部としてのPCI間の同期を示す情報が存在してもよい。
【0069】
図2Bは、例示的な実施形態による、クライアントデバイス210のブロック図である。
【0070】
クライアントデバイス210は、クライアントデバイス210の性能を引き起こすための手段212、214を備える。手段212、214は、1つまたは複数のプロセッサ212とコンピュータプログラムコードを備える1つまたは複数のメモリ214とを備え得る。少なくとも1つのメモリ214およびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサ212を用いて、クライアントデバイス210の性能を引き起こすように構成され得る。クライアントデバイス210はまた、トランシーバ216などの他の要素を含み得る。
【0071】
クライアントデバイス210は、1つのプロセッサ212のみを含むように示されているが、クライアントデバイス210は、複数のプロセッサを含み得る。ある実施形態において、メモリ214は、オペレーティングシステムおよび/または様々なアプリケーションなどの命令を記憶することができる。さらに、メモリ214は、例えば、開示される実施形態で使用される拡張同期情報および/または同期ステータスデータの少なくともいくつかを記憶するために使用され得るストレージを含み得る。
【0072】
さらに、プロセッサ212は、記憶された命令を実行することができる。ある実施形態では、プロセッサ212は、マルチコアプロセッサ、シングルコアプロセッサ、または1つまたは複数のマルチコアプロセッサと1つまたは複数のシングルコアプロセッサとの組合せとして具体化され得る。例えば、プロセッサ212は、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、付随のDSPを伴うまたは伴わない処理回路、または、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータチップ等の集積回路を含む、種々の他の処理デバイス等の種々の処理デバイスのうちの1つまたは複数として具体化されてもよい。ある実施形態では、プロセッサ212は、ハードコードされた機能を実行するように構成され得る。ある実施形態では、プロセッサ212は、ソフトウェア命令の実行者として具体化され、命令は、命令が実行されると、具体的には、本明細書で説明されるアルゴリズムおよび/または動作を実行するようにプロセッサ212を構成し得る。
【0073】
メモリ214は、1つまたは複数の揮発性メモリデバイス、1つまたは複数の不揮発性メモリデバイスおよび/または1つまたは複数の揮発性メモリデバイスと不揮発性メモリデバイスとの組み合わせとして具体化されてもよい。例えば、メモリ214は、半導体メモリ(マスクROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、フラッシュROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)など(ランダムアクセスメモリ)など)として具体化され得る。
【0074】
クライアントデバイス210は、ユーザ機器(UE)などのエンドユーザエンティティによって直接使用され、ワイヤレスネットワークにおける通信が可能な様々なタイプのデバイスのいずれかであり得る。そのようなデバイスは、限定はしないが、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、モノのインターネット(IoT)デバイスなどを含む。
【0075】
手段212、214は、ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイス210が現在位置している現在のセル110の少なくとも1つの隣接セル120に関する拡張同期情報を受信するステップを実行させるように構成される。上述のように、拡張同期情報は、少なくとも1つの隣接セル120の各々の物理セル識別、少なくとも1つの隣接セル120の各々が現在のセル110とフレーム同期しているかどうかを示すフレーム同期ステータス、少なくとも1つの隣接セル120の各々と現在のセル110との間のフレーム同期時間オフセット、少なくとも1つの隣接セル120の各々と現在のセル110との間のフレーム内の同期信号ブロック時間オフセット、少なくとも1つの隣接セル120の各々および現在のセル110における同期信号ブロック間の周波数オフセットおよび/または拡張同期情報が有効であるときを示すタイムスタンプを備え得る。また上述のように、ダウンリンクシグナリングは、クライアントデバイス210および現在のセル110にサービスするネットワークノードデバイス200が少なくとも部分的に空中/宇宙ノード通信接続を介して通信するとき、物理ブロードキャストチャンネルを介したブロードキャストシグナリング、物理ダウンリンク制御チャンネルを介したシグナリング、無線リソース制御シグナリングおよび/またはエフェメリスデータシグナリングを備え得る。
【0076】
手段212、214は、受信された拡張同期情報に基づいて、現在のセル110に対する少なくとも1つの隣接セル120の同期ステータスデータを決定するステップを実行するようにさらに構成される。
【0077】
例えば、同期ステータスデータは、どの同期信号が少なくとも1つの隣接セル120の各々によって利用されるかを示す第1の同期ステータスデータを備え得る。
【0078】
代替的/追加的に、同期ステータスデータは、少なくとも1つの隣接セル120の各々が現在のセル110とフレーム同期されているかどうかを示す第2の同期ステータスデータを備え得る。
【0079】
代替的/追加的に、同期ステータスデータは、同期信号が時間的に少なくとも1つの隣接セル120の各々によってどこで送信されているかを示す第3の同期ステータスデータを備え得る。
【0080】
言い換えれば、隣接セルのIDに基づいて、クライアントデバイス210は、どのPSS/SSSが隣接セルによって利用されるか、隣接セルが現在のセルとフレーム同期されるかどうかおよび時間的にどこでPSS/SSSが隣接セルによって送信されているかのうち少なくともいくつかを知り得る。
【0081】
セル選択手順のトリガに応答して、手段212、214はさらに、決定された同期ステータスデータに基づいて、少なくとも1つの隣接セル120のうちの少なくとも1つのための加速探索を実行するように構成され得る。このコンテキストでは、セル選択手順はまた、セル再選択を備え得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態において、トリガされるセル(再)選択手順は、現在のセル110が失敗し、および/またはクライアントデバイス210が拡張同期情報を以前に受信した後に隣接セルの初期セル選択を再選択または実行しようと試みる初期アクセス手順を備え得る。例えば、隣接セル120が現在のセル110(または以前に接続された他のセル)と同じタイミングを使用するとき、および/または相対的なsynch_offsetおよびSSB_offsetがクライアントデバイス210に提供されるとき、クライアントデバイス210は、加速された方法でPSSを探索し、SSBを復号し、隣接セル120に取り付けることができる。
【0082】
クライアントデバイス210のさらなる特徴(拡張同期情報およびダウンリンクシグナリングに関連する特徴など)は、ネットワークノードデバイス200の機能およびパラメータから直接生じるので、ここでは繰り返さない。
【0083】
図3は、例示的な実施形態による、方法300の例示的なシグナリング図を示す。
【0084】
動作301において、ネットワークノードデバイスは、ネットワークノードデバイスによってサービスされる現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を決定する。
【0085】
動作302において、ネットワークノードデバイスは、決定された拡張同期情報を、ダウンリンクシグナリングを介して、現在のセル内に位置する少なくとも1つのクライアントデバイスに送信する。
【0086】
動作303において、クライアントデバイスは、ダウンリンクシグナリングを介して、クライアントデバイスが現在位置する現在のセルの少なくとも1つの隣接セルに関する拡張同期情報を受信する。
【0087】
動作304において、クライアントデバイスは、受信された拡張同期情報に基づいて、現在のセルに対する少なくとも1つの隣接セルの同期ステータスデータを決定する。
【0088】
オプションの動作305において、クライアントデバイスは、セル選択手順をトリガすることに応答して、決定された同期ステータスデータに基づいて、少なくとも1つの隣接セルのうちの少なくとも1つのための加速された探索を実行することを実行し得る。
【0089】
方法300は、
図2Aのネットワークノードデバイス200および
図2Bのクライアントデバイス210によって実行され得る。動作301~302は、例えば、少なくとも1つのプロセッサ202および少なくとも1つのメモリ204によって実行され得る。動作303~305は、例えば、少なくとも1つのプロセッサ212および少なくとも1つのメモリ214によって実行され得る。方法300のさらなる特徴は、ネットワークノードデバイス200およびクライアントデバイス210の機能およびパラメータから直接生じるので、ここでは繰り返さない。方法300は、コンピュータプログラムによって実行することができる。
【0090】
図4は、例示的な実施形態による方法400の例示的なフローチャートを示す。
図4の例は、クライアントデバイス210の観点であって、クライアントデバイス210のセルAへの初期アクセス(動作401~動作403)が失敗し(動作404)、クライアントデバイス210が動作405においてセルBにアクセスしようと試みるシナリオの例である。
図4の例において、拡張同期情報は、SSBのPBCHに含まれる。したがって、クライアントデバイス210は、セルAからのSSBを復号し(動作403)、したがって、隣接セルに関する同期情報を受信する。クライアントデバイス210はまた、他の隣接セルに以前に取り付けられた(または接続しようと試みられた)場合、そのような情報を有し得ることに留意されたい。セルBのIDに基づいて、クライアントデバイス210は、どのPSS/SSSがセルBによって利用されるか(動作407)、セルBがセルAとフレーム同期されるかどうか(動作406)、および時間的にどこでPSS/SSSがセルBによって送信されているか(動作407)を知る。セルBがセルA(または、クライアントデバイス210が以前に取り付けられた他のセル別のセル)と同じタイミングを使用する場合、または相対的なsynch_offsetおよびSSB_offsetがクライアントデバイス210に提供される場合(動作408)、クライアントデバイス210は、PSSを探索し(動作409)、SSBを復号し、セルBに取り付けることができる(動作410)。したがって、
図4の例では、左の円は、開示された特徴のうちの少なくともいくつかを使用するクライアントデバイス210が、SSB時間周波数ロケーションおよび/またはPSS/SSSシーケンスセルBを認識しており、したがって、右下の角における「PSS探索」手順と比較してより速くPSS検出を完了し得るシナリオを示す。
【0091】
開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかは、クライアントデバイス210が、複数のインフラストラクチャノード(例えば、gNB)を有するネットワークインフラストラクチャへのダウンリンク同期/初期アクセスのその手順を支援することを可能にする。クライアントデバイス210がネットワークインフラストラクチャにアクセスしようと試みるとき、より高速かつより良好な時間同期/初期アクセスプロセスを実行するために、ネットワークノードデバイス200によって以前に提供された追加の情報によって支援される。開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、クライアントデバイス210は、どの同期シーケンス(PSS/SSS)を探索すべきかを知っているが、これは、これらの同期シーケンスが物理セルIDに直接関連するからである(提供されてもいる)。開示される例示的な実施形態の少なくともいくつかにおいて、クライアントデバイス210は、どの隣接セルがフレーム同期されているかを知る。開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、クライアントデバイス210は、時間および周波数において、特定のPSS/SSSを予想し、探索すべき場所を知っている。開示される実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、クライアントデバイス210は、新しいセルにアクセスしようとして、新しいセルに同期し、フレーム開始を決定することができる。開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、エフェメリスデータと組み合わせて、クライアントデバイス210は、異なる衛星によって通信される隣接セルについての(伝搬遅延の変化および衛星の位置の知識による)時間オフセットおよび(ドップラーシフトの変化による)周波数オフセットを予測することができる。開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、クライアントデバイス210は、SSBに基づいてRSRP測定などの隣接セル測定を実行するために、提供されたSSBロケーションに応じて測定ウィンドウを位置決めすることができる。
【0092】
本明細書で説明する機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェア構成要素などの1つまたは複数のコンピュータプログラム製品構成要素によって実行され得る。ある実施形態によれば、ネットワークノードデバイス200および/またはクライアントデバイス210は、実行されると、説明される動作および機能の実施形態を実行するようにプログラムコードによって構成されるプロセッサを備え得る。代替として、または追加として、本明細書で説明する機能は、少なくとも部分的に、1つまたは複数のハードウェア論理構成要素によって実行され得る。例えば、限定はしないが、使用できるハードウェア論理構成要素の例示的なタイプは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム特有集積回路(ASIC)、プログラム特有規格製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、およびグラフィックス処理ユニット(GPU)を含む。
【0093】
本明細書で与えられる任意の範囲またはデバイス値は、求められる効果を失うことなく、拡張または変更され得る。また、いかなる実施形態も、明示的に許可されない限り、他の実施形態と組み合わせられてもよい。
【0094】
本主題は、構造的特徴および/または行為に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも、上記で説明される特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例として開示されており、他の同等の特徴および行為は、特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0095】
上述の利益および利点は、1つの実施形態に関連し得るか、またはいくつかの実施形態に関連し得ることが理解されるであろう。実施形態は、記載された問題のいずれかもしくは全てを解決するもの、または記載された利益および利点のいずれかもしくは全てを有するものに限定されない。「1つの(an)」項目への言及は、これらの項目の1つまたは複数を指し得ることがさらに理解されるであろう。
【0096】
本明細書に記載される方法のステップは、任意の好適な順序で、または適切な場合には同時に実行され得る。加えて、個々のブロックは、本明細書で説明される主題の思想および範囲から逸脱することなく、方法のうちのいずれかから削除されてもよい。上述の実施形態のいずれかの態様は、求められる効果を失うことなく、記載された他の実施形態のいずれかの態様と組み合わせて、さらなる実施形態を形成することができる。
【0097】
「備える(comprising)」は、本明細書では、識別された方法、ブロックまたは要素を除外することを意味するために使用されるが、そのようなブロックまたは要素は排他的なリストを含まず、方法または装置は追加のブロックまたは要素を含んでもよい。
【0098】
上述の説明は単なる例として与えられており、当業者によって様々な修正がなされ得ることが理解されるであろう。上述の仕様、例、およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。多様な実施形態が、ある程度詳細に、または1つまたは複数の個々の実施形態を参照して上述されたが、当業者は、本明細書の思想または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。