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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
F16K31/06 305L
F16K31/06 305M
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023526316
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2022070795
(87)【国際公開番号】W WO2022148444
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】202120054506.6
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110026492.1
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】兪 舟
(72)【発明者】
【氏名】馬,彦▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】林 元陽
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212080299(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108692081(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口(11)、出口(12)及び前記入口(11)と前記出口(12)の両方に連通した弁チャンバ(13)を有する弁座(10)と、
前記弁チャンバ(13)内に可動的に設けられ、内部にかしめチャンバ(21)が設けられている芯金(20)と、
前記かしめチャンバ(21)内に前記弁座(10)の軸方向に可動的に設けられた鋼球(30)と、
を含み、
前記弁座(10)の出口(12)に設けられ、内部に前記弁チャンバ(13)と連通した連通通路(41)が設けられている弁口座(40)を更に含み、前記弁口座(40)は、対向して設けられた接続端及び支持端を有し、前記支持端は前記弁チャンバ(13)内に設けられ、前記接続端は前記弁座(10)外まで突出し、前記接続端と前記支持端との間には、前記弁座(10)の出口(12)と当接して位置決めされるために用いられる第1の位置決め段差(42)が設けられていて、
前記第1の位置決め段差(42)は、互いに接続された第1の位置決め面(421)及び第2の位置決め面(422)を含み、前記弁座(10)の開口には、互いに接続された位置決め内壁及び位置決め側壁を有し、前記第1の位置決め面(421)と前記位置決め内壁とは密着して位置決めされ、前記第2の位置決め面(422)の少なくとも一部と前記位置決め側壁とは密着して位置決めされ、前記第2の位置決め面(422)は前記位置決め側壁より突出して設けられている、電磁弁。
【請求項2】
前記鋼球(30)は、前記かしめチャンバ(21)と当接された第1の当接位置及び第2の当接位置を有し、前記第1の当接位置と前記第2の当接位置との高低差はhであって、0.3mm≦h≦0.5mmである、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記かしめチャンバ(21)は、テーパ状のチャンバである、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記芯金(20)には、前記弁座(10)の径方向に伸び、前記かしめチャンバ(21)と連通した均衡化孔(22)が更に設けられている、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記第2の位置決め面(422)は、軸方向に接続して設けられた第1の係合環面(4221)及び第2の係合環面(4222)を含み、前記第1の係合環面(4221)と前記位置決め側壁とはインターフェアランスフィットされ、溶接材料が前記第2の係合環面(4222)と前記位置決め側壁との間の隙間内に入るように、前記第2の係合環面(4222)と前記位置決め側壁とは間隔をおいて設けられている、請求項に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記電磁弁は、前記弁口座(40)の接続端に接続された第1の接続パイプ(51)を更に含み、前記弁座(10)、前記弁口座(40)及び前記第1の接続パイプ(51)は同一の溶接ビードによって接続されている、請求項に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記弁口座(40)には、前記第1の位置決め段差(42)の前記接続端に近い一方側に設けられた第2の位置決め段差(43)が更に設けられており、
前記電磁弁は、前記第2の位置決め段差(43)に位置決め係合された第1の接続パイプ(51)を更に含む、請求項に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記第2の位置決め段差(43)は、第3の位置決め面(431)及び第4の位置決め面(432)を更に含み、前記第3の位置決め面(431)と前記第1の接続パイプ(51)の端部とは密着して位置決めされ、前記第4の位置決め面(432)の少なくとも一部と前記第1の接続パイプ(51)の内壁とはインターフェアランスフィットされている、請求項に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記弁座(10)に嵌合されたスリーブ(80)を更に含み、前記スリーブ(80)の肉厚はδ1であって、0.45mm≦δ1≦0.6mmである、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項10】
前記入口及び/又は前記出口に設けられた接続口管を更に含む、請求項に記載の電磁弁。
【請求項11】
前記接続口管の外径はdであって、d≦8mmである、請求項10に記載の電磁弁。
【請求項12】
前記接続口管は赤銅より製造され、前記接続口管の肉厚はδ2であって、1mm≦δ2≦1.25mmである、請求項11に記載の電磁弁。
【請求項13】
前記接続口管は鋼材料より製造され、前記接続口管の肉厚はδ2であって、0.5mm≦δ2≦1mmである、請求項11に記載の電磁弁。
【請求項14】
前記スリーブ(80)の一端は前記弁座(10)に溶接されている、請求項に記載の電磁弁。
【請求項15】
前記スリーブ(80)は前記弁座(10)に第1の溶接ビードを有し、前記第1の溶接ビードの溶接深さはδ3であって、δ3/δ1≧0.5である、請求項に記載の電磁弁。
【請求項16】
前記スリーブ(80)の他端に設けられた吸引子(60)を更に含む、請求項に記載の電磁弁。
【請求項17】
前記スリーブ(80)の他端は前記吸引子(60)に溶接されている、請求項16に記載の電磁弁。
【請求項18】
前記スリーブ(80)は前記吸引子(60)に第2の溶接ビードを有し、前記第2の溶接ビードの溶接深さはδ4であって、δ4/δ1≧0.5である、請求項17に記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月8日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202120054506.6であり、出願の名称が「電磁弁」である特許出願の優先権、及び2021年1月8日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202110026492.1であり、出願の名称が「電磁弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電磁弁の技術分野に関し、具体的には、電磁弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来技術における電磁弁は、一般的に、弁座、芯金部材、入口接続パイプ及び出口接続パイプを含み、弁座内には、入口、出口及び入口と出口の両方に連通した弁チャンバが設けられており、芯金部材は弁チャンバ内に可動的に設けられ、入口接続パイプは入口に設けられ、出口接続パイプは出口に設けられている。一般的に、芯金部材は芯金及び鋼球を含む。
【0004】
しかしながら、従来技術における電磁弁は、弁差圧が比較的小さいため、最低動作電圧を低減させるのに不利である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の主な目的は、従来技術における電磁弁の弁差圧が比較的小さいという技術課題を解決する電磁弁を提供することである。
【0006】
上述の目的を実現するために、本出願は、入口、出口及び入口と出口の両方に連通した弁チャンバを有する弁座と、弁チャンバ内に可動的に設けられ、内部にかしめチャンバが設けられている芯金と、かしめチャンバ内に弁座の軸方向に可動的に設けられた鋼球と、を含む電磁弁を提供する。
【0007】
更に、鋼球は、かしめチャンバと当接された第1の当接位置及び第2の当接位置を有し、第1の当接位置と第2の当接位置との高低差はhであって、0.3mm≦h≦0.5mmである。
【0008】
更に、かしめチャンバは、テーパ状のチャンバである。
【0009】
更に、芯金には、弁座の径方向に伸び、かしめチャンバと連通した均衡化孔も設けられている。
【0010】
更に、電磁弁は、弁座の出口に設けられ、内部に弁チャンバと連通した連通通路が設けられている弁口座を更に含み、弁口座は、対向して設けられた接続端及び支持端を有し、支持端は弁チャンバ内に設けられ、接続端は弁座外まで突出し、接続端と支持端との間には、弁座の出口と当接して位置決めされるために用いられる第1の位置決め段差が設けられている。
【0011】
更に、第1の位置決め段差は、互いに接続された第1の位置決め面及び第2の位置決め面を含み、弁座の開口には、互いに接続された位置決め内壁及び位置決め側壁を有し、第1の位置決め面と位置決め内壁とは密着して位置決めされ、第2の位置決め面の少なくとも一部と位置決め側壁とは密着して位置決めされ、第2の位置決め面は位置決め側壁より突出して設けられている。
【0012】
更に、第2の位置決め面は、軸方向に接続して設けられた第1の係合環面及び第2の係合環面を含み、第1の係合環面と位置決め側壁とはインターフェアランスフィットされ、溶接材料が第2の係合環面と位置決め側壁との間の隙間内に入るように、第2の係合環面と位置決め側壁とは間隔をおいて設けられている。
【0013】
更に、電磁弁は、弁口座の接続端に接続された第1の接続パイプを更に含み、弁座、弁口座及び第1の接続パイプは同一の溶接ビードによって接続されている。
【0014】
更に、弁口座には、第1の位置決め段差の接続端に近い一方側に設けられた第2の位置決め段差が更に設けられており、電磁弁は、第2の位置決め段差に位置決め係合された第1の接続パイプを更に含む。
【0015】
更に、第2の位置決め段差は、第3の位置決め面及び第4の位置決め面を更に含み、第3の位置決め面と第1の接続パイプの端部とは密着して位置決めされ、第4の位置決め面の少なくとも一部と第1の接続パイプの内壁とはインターフェアランスフィットされている。
【0016】
更に、電磁弁は、弁座に嵌合されたスリーブを更に含み、スリーブの肉厚はδであって、0.45mm≦δ≦0.6mmである。
【0017】
更に、電磁弁は、入口及び/又は出口に設けられた接続口管を更に含む。
【0018】
更に、接続口管の外径はdであって、d≦8mmである。
【0019】
更に、接続口管は赤銅より製造され、接続口管の肉厚はδであって、1mm≦δ≦1.25mmである。
【0020】
更に、接続口管は鋼材料より製造され、接続口管の肉厚はδであって、0.5mm≦δ≦1mmである。
【0021】
更に、スリーブの一端は弁座に溶接されている。
【0022】
更に、スリーブは弁座に第1の溶接ビードを有し、第1の溶接ビードの溶接深さはδであって、δ/δ≧0.5である。
【0023】
更に、電磁弁は、スリーブの他端に設けられた吸引子を更に含む。
【0024】
更に、スリーブの他端は吸引子に溶接されている。
【0025】
更に、スリーブは吸引子に第2の溶接ビードを有し、第2の溶接ビードの溶接深さはδであって、δ/δ≧0.5である。
【0026】
本出願の技術態様を適用すると、鋼球がかしめチャンバ内で軸方向に一定の距離差を有するように、鋼球をかしめチャンバ内に弁座の軸方向に可動的に設けることで、開弁差圧を大幅に増加させ、作業の信頼性を向上させ、最低動作電圧を低減させることができる。従って、本実施例により提供される技術態様によって、従来技術における電磁弁の弁差圧が比較的小さいという技術課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0028】
図1】本出願の実施例によって提供される電磁弁の構造模式図を示す。
図2図1におけるA箇所の拡大図を示す。
図3】本出願の実施例によって提供される鋼球が第1の当接位置にある場合の構造模式図を示す。
図4】本出願の実施例によって提供される鋼球が第2の当接位置にある場合の構造模式図を示す。
図5】本出願の実施例によって提供される鋼球が第1の当接位置及び第2の当接位置にある場合の高低差の構造模式図を示す。
図6】本出願の実施例によって提供される電磁弁の部分寸法の模式図を示す。
【0029】
ここで、上述の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁座、11 入口、12 出口、13 弁チャンバ、20 芯金、21 かしめチャンバ、22 均衡化孔、30 鋼球、40 弁口座、41 連通通路、42 第1の位置決め段差、421 第1の位置決め面、422 第2の位置決め面、4221 第1の係合環面、4222 第2の係合環面、43 第2の位置決め段差、431 第3の位置決め面、432 第4の位置決め面、51 第1の接続パイプ、52 第2の接続パイプ、60 吸引子、70 復元バネ、80 スリーブ、90 分磁リング。
【発明を実施するための形態】
【0030】
説明すべきこととして、矛盾がない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わされてもよい。以下、図面を参照して、実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0031】
図1から図6に示されるように、本出願の実施例1は、弁座10、芯金20、鋼球30、吸引子60、復元バネ70、スリーブ80及び分磁リング90を含み、弁座10は、入口11、出口12及び入口11と出口12の両方に連通した弁チャンバ13を有する電磁弁を提供している。芯金20は弁チャンバ13内に可動的に設けられ、芯金20の内部にはかしめチャンバ21が設けられている。鋼球30はかしめチャンバ21内に弁座10の軸方向に可動的に設けられ、鋼球30と弁座10とはかしめられている。
【0032】
本実施例により提供される電磁弁を用いると、鋼球30がかしめチャンバ21内で軸方向に一定の距離差を有するように、鋼球30をかしめチャンバ21内に弁座10の軸方向に可動的に設けることで、開弁差圧を大幅に増加させ、作業の信頼性を向上させ、最低動作電圧を低減させることができる。従って、本実施例により提供される技術態様によって、従来技術における電磁弁の弁差圧が比較的小さいという技術課題を解決することができる。
【0033】
本実施例において、鋼球30はかしめチャンバ21と当接された第1の当接位置及び第2の当接位置を有し、第1の当接位置と第2の当接位置との高低差はhであって、0.3mm≦h≦0.5mmである。第1の当接位置と第2の当接位置との高低差を上述の距離範囲内に設けることで、開弁差圧をより良好に増加しやすくなり、作業の信頼性をより良好に向上させ、動作電圧を低減させることが容易になる。
【0034】
具体的には、本実施例におけるかしめチャンバ21は、テーパ状のチャンバであって、鋼球30をかしめチャンバ21内で円滑に移動させることが容易になるとともに、生産・製造することも容易になる。
【0035】
本実施例において、芯金20には、弁座10の径方向に伸び、かしめチャンバ21と連通した均衡化孔22が更に設けられている。このような構造を用いて設けると、かしめチャンバ21内の液体が均衡化孔22内に容易に流れ込むようにすることができる。具体的には、本実施例における鋼球30とかしめチャンバ21の内壁との間には一定の隙間を有して、かしめチャンバ21内の液体が均衡化孔22内に円滑に流れ込むことが容易になる。具体的には、本実施例における鋼球30とかしめチャンバ21の内壁との間の隙間は0.1mm以上である。
【0036】
具体的には、本実施例における電磁弁は、弁座10の出口12に設けられ、内部に弁チャンバ13と連通した連通通路41が設けられている弁口座40を更に含む。弁口座40は、対向して設けられた接続端及び支持端を有し、支持端は弁チャンバ13内に設けられ、接続端は弁座10外まで突出し、接続端と支持端との間には、弁座10の出口12と当接して位置決めされるために用いられる第1の位置決め段差42が設けられている。このような構造を用いて設けると、弁座10及び弁口座40の2つの部品を設けることで、弁座10の加工難度を容易に低減させることができ、弁口座40を弁座10の出口12に取り付けるだけで済み、加工効率も向上させる。
【0037】
具体的には、弁口座40は逆テーパ状の構造を含み、弁口座40内には、弁チャンバ13と連通するために用いられる流通通路が設けられている。支持端は逆テーパ状の端部に位置している。
【0038】
本実施例において、第1の位置決め段差42は、互いに接続された第1の位置決め面421及び第2の位置決め面422を含み、弁座10の開口には、互いに接続された位置決め内壁及び位置決め側壁を有し、第1の位置決め面421と位置決め内壁とは密着して位置決めされ、第2の位置決め面422の少なくとも一部と位置決め側壁とは密着して位置決めされ、第2の位置決め面422は位置決め側壁より突出して設けられている。このような構造を用いて設けると、弁座10と弁口座40との位置決めが容易になり、設置の安定性を向上させる。同時に、「第2の位置決め面422は位置決め側壁より突出して設けられている」とは、即ち「第2の位置決め面422が弁座10の地面から露出して設けられるように、第2の位置決め面422の高さは位置決め側壁の高さより高い」ことであり、このようにすると取り付けも容易になる。
【0039】
具体的には、本実施例における第2の位置決め面422は、弁座10の軸方向に接続して設けられた第1の係合環面4221及び第2の係合環面4222を含み、第1の係合環面4221と位置決め側壁とはインターフェアランスフィットされ、溶接材料が第2の係合環面4222と位置決め側壁との間の隙間内に入るように、第2の係合環面4222と位置決め側壁とは間隔をおいて設けられている。このような構造を用いて設けると、容易に溶接を行うことができ、溶接の安定性を向上させる。
【0040】
本実施例において、電磁弁は、弁口座40の接続端に接続された第1の接続パイプ51を更に含み、弁座10、弁口座40及び第1の接続パイプ51は同一の溶接ビードによって接続されている。このような構造を用いて設けると、一体化溶接を行うことができ、溶接効率を保証し、接続の安定性を向上させ、CO2(二酸化炭素)システムの高圧力の要件を満たすことができる。
【0041】
具体的には、本実施例における弁口座40には、第1の位置決め段差42の接続端に近い一方側に設けられた第2の位置決め段差43が更に設けられており、電磁弁は、第2の位置決め段差43に位置決め係合された第1の接続パイプ51を更に含む。このような構造を用いて設けると、第1の接続パイプ51に対する接続及び位置決めが容易になり、第1の接続パイプ51の設置安定性を向上させる。
【0042】
本実施例において、第2の位置決め段差43は、第3の位置決め面431及び第4の位置決め面432を更に含み、第3の位置決め面431と第1の接続パイプ51の端部とは密着して位置決めされ、第4の位置決め面432の少なくとも一部と第1の接続パイプ51の内壁とはインターフェアランスフィットされている。具体的には、第4の位置決め面432は、弁座10の軸方向に接続して設けられた第3の係合環面及び第4の係合環面を含み、第3の係合環面と第1の接続パイプ51の内壁とはインターフェアランスフィットされ、第4の係合環面と第1の接続パイプ51の内壁とは間隔をおいて設けられ、このようにすると、組立ての安定性を保証できるだけでなく、組立てを行うのが容易になることも保証できる。
【0043】
本実施例において、電磁弁は、弁座10の入口11に接続された第2の接続パイプ52を更に含む。第1の接続パイプ51及び第2の接続パイプ52は、いずれも弁座10に溶接されている。第1の接続パイプ51は、拡径された後に弁座10に係合して溶接され、第2の接続パイプ52は、縮径された後に弁座10に係合して溶接される。
【0044】
本実施例において、電磁弁の弁座10の部材は、弁口座40、弁座10、入口接続パイプ(第2の接続パイプ52)、出口接続パイプ(第1の接続パイプ51)から構成され、ここで、弁口座40と弁座10の一部の係合面とはインターフェアランスフィットされ、同時に、一部の係合面はクリアランスフィットされて、溶接材料の流通が容易になるようにし、弁口座40、弁座10、出口接続パイプは、一体に溶接されて、1つの溶接ビード構造を共有する。弁口座40には、弁座10に制限係合された段差面(第1の位置決め段差42)が設けられており、弁口は弁口座40に設けられている。弁口座40は、弁座10に押圧装着された後に弁座10の底面から露出し、距離δ>0であり、弁口座40と出口接続パイプとはインターフェアランスフィットされ、同時に、一部はクリアランスフィットされて、溶接材料の流通が容易になるようにし、接続パイプと弁口座40との接触端面は弁座10の底面から露出し、距離δ>0である(図2に示される通り)。入口11のパイプは、縮径された後に弁座10に係合して溶接され、出口12のパイプは、拡径された後に弁口座40に係合して溶接される。芯金20の部材は芯金20及び鋼球30から構成され、鋼球30と芯金20とがかしめられてなり、かしめられた後、鋼球30と芯金20とは柔軟に移動可能であり、移動距離h=0.3~0.5である。
【0045】
具体的には、本実施例における電磁弁は、かしめチャンバ21内に移動可能に設けられた鋼球30を更に含み、スリーブ80は弁座10に嵌合され、スリーブ80の肉厚はδであって、0.45mm≦δ≦0.6mmである。
【0046】
本実施例により提供される電磁弁を用いると、鋼球30がかしめチャンバ21内で一定の距離差を有するように、鋼球30をかしめチャンバ21内に移動可能に設け、具体的には、鋼球30をかしめチャンバ21の軸方向に移動させることで、弁差圧を大幅に増加させ、作業の信頼性を向上させ、最低動作電圧を低減させることができる。スリーブ80の肉厚を上述の範囲内に設けることで、スリーブ80の構造強度を保証することができ、CO2(二酸化炭素)システムの使用条件を満たし、電磁弁の耐圧レベルを向上させる。従って、本出願により提供される電磁弁は、従来技術における電磁弁の耐圧レベルが不十分であるという技術課題を解決することができる。
【0047】
具体的には、本実施例における電磁弁は、入口及び/又は出口に設けられた接続口管を更に含む。接続口管によって他の接続管に接続することが容易になるように、入口及び出口にはいずれも接続口管が設けられていることが好ましい。具体的には、接続口管は、第1の接続パイプ51及び第2の接続パイプ52を含む。
【0048】
本実施例において、接続口管の外径はdであって、d≦8mmである。
【0049】
具体的には、本実施例における接続口管は赤銅より製造され、接続口管の外径が8mm以下である場合、接続口管の肉厚はδであって、1mm≦δ≦1.25mmであり、耐圧強度を保証する。
【0050】
具体的には、本実施例における接続口管は鋼材料より製造され、接続口管の外径が8mm以下である場合、接続口管の肉厚はδであって、0.5mm≦δ≦1mmであり、耐圧強度を保証する。
【0051】
本実施例において、スリーブ80の一端は弁座10に溶接されて、接続強度を保証する。
【0052】
具体的には、本実施例におけるスリーブ80は弁座10に第1の溶接ビードを有し、第1の溶接ビードの溶接深さはδであって、δ/δ≧0.5である。このような構造を用いて設けると、溶接強度を保証して、耐圧強度を確保することができる。
【0053】
本実施例において、電磁弁は、スリーブ80の他端に設けられた吸引子60を更に含む。
【0054】
具体的には、本実施例におけるスリーブ80の他端は吸引子60に溶接されて、接続強度を向上させる。
【0055】
本実施例において、スリーブ80は吸引子60に第2の溶接ビードを有し、第2の溶接ビードの溶接深さはδであって、δ/δ≧0.5である。このような構造を用いて設けると、溶接強度を保証して、耐圧強度を確保することができる。
【0056】
以上の記述から、本出願の上述の実施例は、開差圧を増加させ、動作の信頼性を向上させ、最低動作電圧を低減させる技術的効果を実現していることが分かる。
【0057】
留意すべきこととして、ここで使用される用語は、単に具体的な実施形態を記述するためのものであり、本出願による例示的な実施形態を制限することを意図していない。ここで使用されるように、文脈において別途に明瞭に明示していない限り、単数形式は複数形式も含むことを意図しており、更に、本明細書において「包含」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はこれらの組み合わせの存在を示すことも理解すべきである。
【0058】
別途の具体的な説明がない限り、これらの実施例で述べた部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を制限するものではない。同時に、記述の便宜上、図面に示された各部分の寸法は、実際の比例関係に従って描かれたものでないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及び設備に関して、詳細に論じないが、適切な場合において、記述した技術、方法及び設備は、許可された明細書の一部とみなされるべきである。ここに示し且つ論じた全ての例示において、いかなる具体的な値も単に例示的なものであり、制限的なものとして解釈されるべきではない。従って、例示的な実施例の他の例示は、異なる値を有してもよい。類似の符号及び文字は以下の図面において類似の要素を示すことに留意すべきであり、従って、1つの図面で一度いずれかの要素が定義されれば、続く図面においてはそれに対する更なる説明を必要としない。
【0059】
本出願の記述において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂部、底部」等の方位語で指示された方位又は位置関係は、通常、図示に基づく方位又は位置関係であって、単に本出願の記述の便宜上及び記述を簡略にするためのものにすぎず、相反する説明がされない場合に、これらの方位語は、指定された装置又は素子が特定の方位を有するか、あるいは特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示及び暗示するものではないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解されてはならず、方位語「内」、「外」は、各部材自体の輪郭に対する内、外を意味することを理解すべきである。
【0060】
記述の便宜上、ここでは、「~の上にある」、「~の上方にある」、「~上面にある」、「上面の」等のような空間的に相対的な用語が、図示された1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間的な位置関係を記述するために用いられてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に記述された方位に加えて、使用又は操作中のデバイスの異なる方位を包含することを意図するものとして理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスが倒置されると、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」デバイスと記述された後、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」と位置決めされる。従って、例示的な用語「~上方にある」は、「~上方にある」及び「~下方にある」の両方の方位を含んでもよい。このデバイスは、他の異なる方式で(90度回転又は他の方位で)位置決めされ、且つここで使用される空間的に相対的な記述は、それに応じて解釈されてもよい。
【0061】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは、単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上述の単語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解してはならない。
【0062】
上述したものは本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6