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特許7554930旋回曲げ機械用のワークピースの操作装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】旋回曲げ機械用のワークピースの操作装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/04 20060101AFI20240912BHJP
   B21D 43/00 20060101ALI20240912BHJP
   B21D 43/10 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B21D5/04 J
B21D43/00 F
B21D43/10 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023528747
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 AT2021060432
(87)【国際公開番号】W WO2022099345
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】A50994/2020
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ スペツィアリ
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-079355(JP,A)
【文献】特開2019-171392(JP,A)
【文献】特開2001-269736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/04
B21D 43/00
B21D 43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回曲げ機械(2)用のワークピースの操作装置(3)であって、ワークピースの操作装置(3)は、
ベースフレーム(7)と、
操作装置キャリアガイド(13)によりY軸(14)方向で前記ベースフレーム(7)に対して相対的に移動可能に前記ベースフレーム(7)上に配置された操作装置キャリア(12)と、
操作アームガイド(16)によりZ軸(17)方向で前記操作装置キャリア(12)に対して移動可能に前記操作装置キャリア(12)上に配置された操作アーム(15)と、
前記操作アーム(15)に配置された第1回転ラム(19)であって、前記Z軸(17)に対して平行な回転軸(20)を中心に回転可能である第1回転ラム(19)と、
前記操作装置キャリア(12)に配置された第2回転ラム(21)であって、前記第2回転ラム(21)は前記回転軸(20)を中心に回転可能であり、前記第1回転ラム(19)と第2回転ラム(21)は、ワークピース(4)を前記第1回転ラム(19)と第2回転ラム(21)との間に締め付けることができるように、互いに対向して配置されている第2回転ラム(21)と、を有する、ワークピースの操作装置(3)であって、
前記ワークピースの操作装置(3)において、前記操作装置キャリア(12)はL字形に形成されて、前記Y軸(14)に沿って延びる第1脚部(22)と前記Z軸(17)に沿って延びる第2脚部(23)とを有し、前記操作アームガイド(16)は前記第2脚部(23)上に形成され、前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の距離(24)は1000mmより大きく、前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の前記距離(24)は、前記操作装置キャリア(12)の前記第1脚部(22)の長さ(46)の130%~70%あることを特徴とする、ワークピースの操作装置(3)。
【請求項2】
前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の前記距離(24)は、前記操作装置キャリア(12)の前記第1脚部(22)の長さ(46)の120%~80%あることを特徴とする、請求項1に記載のワークピースの操作装置(3)。
【請求項3】
前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の前記距離(24)は、1000mm~3000mm以下あることを特徴とする、請求項1又は2に記載のワークピースの操作装置(3)。
【請求項4】
前記操作装置キャリア(12)は、L字形に形成された第1側面板(25)と第2側面板(26)とを有しており、前記第1側面板(25)と前記第2側面板(26)は互いに距離(27)を置いて配置され、ウェブ(28)によって互いに連結されていることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
【請求項5】
別の操作装置キャリア(29)が形成されており、前記別の操作装置キャリア(29)は、別の操作装置キャリアガイド(30)により前記Y軸(14)方向で前記ベースフレーム(7)に対して相対的に移動可能になるように、前記ベースフレーム(7)上に配置され前記別の操作装置キャリア(29)上には、X軸方向で互いに離間して配置された複数の操作要素(31)が備えられており、前記操作要素(31)は前記Z軸(17)方向で前記別の操作装置キャリア(29)に対して相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
【請求項6】
前記操作装置キャリア(12)の前記第2脚部(23)上に第1ガイドレール(40)と第2ガイドレール(41)が配置されており、前記操作アームガイド(16)は、前記第1ガイドレール(40)に案内された第1ガイドキャリッジ(42)と第2ガイドキャリッジ(43)を含み、且つ、前記操作アームガイド(16)は、前記第2ガイドレール(41)に案内された第3ガイドキャリッジ(44)と第4ガイドキャリッジ(45)を含んでいる、ことを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
【請求項7】
前記操作装置キャリア(12)上に、前記第1回転ラム(19)を回動するためのトルクモータ(39)が形成されていることを特徴とする、請求項1から6のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
【請求項8】
ワークピース(4)を曲げるための加工システム(1)であって、前記加工システム(1)は、
旋回曲げ機械(2)と、
前記旋回曲げ機械(2)に前記ワークピース(4)を供給するためのワークピースの操作装置(3)と、を有し、
前記ワークピースの操作装置(3)は、請求項1から7のうちいずれか一項に従って形成されている、加工システム(1)。
【請求項9】
前記操作アーム(15)は、前記第1回転ラム(19)の領域に、前記旋回曲げ機械(2)に対応する空所部(37)を有することを特徴とする、請求項8に記載の加工システム(1)。
【請求項10】
前記旋回曲げ機械(2)は、下部機械テーブル(5)を有し、前記ベースフレーム(7)は第1長手方向端部(8)で前記下部機械テーブル(5)と連結されており、前記ベースフレーム(7)は前記第1長手方向端部(8)から離れた領域で床に支持するための支持足(11)を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の加工システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースの操作装置、及びワークピースの操作装置が装備された加工システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術である特許文献1~6から、様々な旋回曲げ機と、旋回曲げ機にワークピースを供給するためのワークピースの操作装置が知られている。
【0003】
先行技術から知られている旋回曲げ機械は、ワークピースの位置決めが不十分にしか行えないという問題がある。
[先行技術文献]
[特許文献1]特許第3794645号公報
[特許文献2]実開平06-528号公報
[特許文献3]米国特許第4242898号明細書
[特許文献4]特開平11-342425号公報
[特許文献5]米国特許第8185974号明細書
[特許文献6]国際公開第2007/125900号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、先行技術の問題を解決し、ワークピースをより高い精度で位置決めすることができる装置を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、請求項に記載された装置及び方法によって解決される。
【0006】
本発明は、旋回曲げ機械用のワークピースの操作装置に関し、ワークピースの操作装置は、
ベースフレームと、
操作装置キャリアであって、操作装置キャリアガイドによりY軸方向でベースフレームに対して相対的に移動可能にこのベースフレームに配置された操作装置キャリアと、
操作アームであって、操作アームガイドによりZ軸方向で操作装置キャリアに対して相対的に移動可能にこの操作装置キャリアに配置された操作アームと、
操作アームに配置された第1回転ラムであって、Z軸に対して平行な回転軸を中心に回転可能である第1回転ラムと、
操作装置キャリアに配置された第2回転ラムであって、第2回転ラムは回転軸を中心に回転可能であり、第1回転ラムと第2回転ラムは、ワークピースを第1回転ラムと第2回転ラムの間に締め付けることができるように、互いに対向して配置されている第2回転ラムと、を有し、
操作装置キャリアはL字形に形成されて、Y軸に沿って延びる第1脚部とZ軸に沿って延びる第2脚部とを有しており、操作アームガイドは第2脚部に形成されていて、操作アームガイドと第1回転ラムの回転軸との間の距離は1000mmより大きい。
【0007】
本発明によるワークピースの操作装置は、ワークピースの操作装置の構造を単純にすると同時に、ワークピースの高い位置決め精度を達成できるという長所がある。
【0008】
さらに、操作アームガイドと第1回転ラムの回転軸との間の距離が、第1脚部の長さの130%~70%、特に120%~80%、好適には110%~90%であると有用であり得る。特に、このような寸法比は、ワークピースの操作装置の極めて高い位置決め精度を達成することができるという驚くべき利点をもたらす。
【0009】
さらに、操作アームガイドと第1回転ラムの回転軸との間の距離が、1000mm~3000mm、特に1100mm~2500mm、好適には1300mm~2000mmであるようにすることができる。特に、このような寸法比は、ワークピースの操作装置の極めて高い位置決め精度を達成することができるという驚くべき利点をもたらす。
【0010】
そのほかに、操作装置キャリアは、L字形に形成された第1側面板と第2側面板とを有しており、第1側面板と第2側面板は互いに距離を置いて配置され、ウェブによって互いに連結されているようにすることができる。特に、操作装置キャリアをこのように形成すると、可能な限り低い重量で高いねじり剛性が得られて、ワークピースの操作装置の良好な位置決め精度が達成される。
【0011】
別の操作装置キャリアガイドによりY軸方向でベースフレームに対して相対的に移動可能にこのベースフレームに配置された別の操作装置キャリアが形成されているようにすることができる実施形態も有利である。ここで、別の操作装置キャリアは、X軸方向で互いに距離を置いて配置された複数の操作要素を含んでおり、これらの操作要素は、Z軸方向で別の操作装置キャリアに対して相対的に移動可能である。このことは、曲げられるワークピースが別の操作装置キャリアによって、よりフレキシブルに位置決めされ得るという利点をもたらす。特に、この場合、操作装置キャリアと別の操作装置キャリアが協働して、曲げられるワークピースを位置決めするために機能することが考えられる。
【0012】
別の発展形態によれば、操作装置キャリアの第2脚部に第1ガイドレールと第2ガイドレールが配置されており、操作アームガイドは、第1ガイドレールに案内された第1ガイドキャリッジと第2ガイドキャリッジを含み、且つ、操作アームガイドは、第2ガイドレールに案内された第3ガイドキャリッジと第4ガイドキャリッジを含むことが可能である。このようなガイド配置は、特にワークピースを高い位置決め精度で位置決めできるという利点をもたらす。さらに、この手段により、第1回転ラムと第2回転ラムによってワークピースに十分な締め付け力を加えることができるようになり、しかもワークピースの操作装置の変形、ひいては位置決め精度不足の原因をできるだけ抑制できる。
【0013】
さらに、操作装置キャリアに、第1回転ラムを回動するためのトルクモータが形成されていると有用であり得る。この手段により、ワークピースの姿勢を変えることができる。また、トルクモータを操作装置キャリアに配置し、若しくは第1回転ラムと協働することにより、ワークピースの操作装置の質量慣性をできるだけ抑制できる。
【0014】
本発明によれば、ワークピースを曲げるための加工システムが形成されている。この加工システムは、
旋回曲げ機械と、
旋回曲げ機械にワークピースを供給するためのワークピースの操作装置と、を有する。
【0015】
ワークピースの操作装置は、先行の請求項のいずれか一項に従って設計されている。
【0016】
本発明による加工システムは、ワークピースの高い位置決め精度を実現できるという利点を有する。
【0017】
さらに、操作アームは、第1回転ラムの領域に、旋回曲げ機械に対応する空所部を有するようにすることができる。これは、第1回転ラムを旋回曲げ機械にできるだけ近づけることができ、それによって非常に小さいワークピースの加工が可能になるという利点がある。この空所部により、操作アームは必要な領域で十分な安定性を有することができる。
【0018】
特別の実施形態によれば、旋回曲げ機械は、下部機械テーブルを有し、ベースフレームは第1長手方向端部で下部機械テーブルと連結されており、ベースフレームは第1長手方向端部から離れた領域で床に支持するための支持足を有することが可能である。特に、ワークピースの操作装置をこのように旋回曲げ機械に固定することにより、驚くべき位置決め精度が得られる。特に、この手段により、旋回曲げ機械の曲げ工程、及びそれに伴う力の付加若しくは旋回曲げ機械の変形が、ワークピースの位置決め精度不足の上昇につながらないことが達成される。
【0019】
本発明をより良く理解するために、以下の図を参照しながらより詳細に説明する。
【0020】
図は、それぞれ著しく簡略化された模式的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、加工システムの第1の実施形態例の斜視図である。
図2図2は、加工システムの第1の実施形態例の側面図である。
図3図3は、加工システムの第1の実施形態例の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ部材には同じ参照符号若しくは同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号若しくは同じ部材名称を有する同じ部材に準用できる。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明されている表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用される。
【0023】
図1は、加工システムの第1実施形態例を示す斜視図である。加工システム1は、旋回曲げ機械2を含むことができる。さらに、加工システム1は、ワークピースの操作装置3を含むことができる。そのほかに、加工システム1は、加工されるワークピースを操作するために用いるワークピースの操作装置3を含むことができる。
【0024】
旋回曲げ機械2は、見やすくするために図1では簡略化して示している。
【0025】
図1から分かるように、旋回曲げ機械は、下部機械テーブル5と上部機械テーブル6を含むことができる。機械テーブル5、6、特に機械テーブル内に形成された工具ホルダに、旋回曲げ工具を固定することができる。
【0026】
ワークピースの操作装置3は、ベースフレーム7を含んでいる。本実施形態例では、ベースフレーム7は第1長手方向端部8で下部機械テーブル5と連結している。特に、連結用フランジ9が形成されているようにすることができ、連結用フランジ9はネジなどの固定手段10によって下部機械テーブル5と連結されている。
【0027】
さらに、第1長手方向端部8から離れたベースフレーム7の領域に支持足11が形成されていて、ベースフレーム7が床、特に工場の床に支持されるようにすることができる。
【0028】
さらに、ワークピースの操作装置3は操作装置キャリア12を含むことができる。操作装置キャリア12は、操作装置キャリアガイド13によりY軸14方向でベースフレーム7に対して相対的に移動できるように当該ベースフレーム7に配置することができる。さらに、ワークピースの操作装置3は操作アーム15を含むことができ、操作アーム15は操作アームガイドによりZ軸17方向で操作装置キャリア12に対して相対的に移動できるように当該操作装置キャリア12に配置することができる。
【0029】
さらに、Z軸17とY軸14に対して直角にX軸18が配置されているようにすることができる。
【0030】
さらに、操作アーム15に配置された第1回転ラム19を形成することができる。第1回転ラム19は、回転軸20を中心に回転可能に操作アーム15に配置することができる。回転軸20はZ軸17に対して平行に位置するように形成することができる。
【0031】
さらに、操作装置キャリア12に配置できる第2回転ラム21を形成することができる。第2回転ラム21も同様に回転軸20を中心に回転可能に配置することができる。
【0032】
回転軸20は操作アームガイド16に対して距離24を置いて配置することができる。
【0033】
ワークピースの操作装置3の動作時に第1回転ラム19と第2回転ラム21が協働して、ワークピース4を第1回転ラム19と第2回転ラム21との間に締め付けることができる。両回転ラム19、21の回転運動によって、これら両回転ラム19、21の間に締め付けられたワークピース4を、回転若しくは位置合わせすることができる。さらに、操作装置キャリア12がY軸に沿って移動可能であることによって、回転ラム19、21の間に締め付けられたワークピース4をY軸に沿って移動させることができる。
【0034】
図1からさらに分かるように、操作装置キャリア12はL字形に形成されるようにすることができる。特に、操作装置キャリア12は、Y軸14に沿って延びることができる第1脚部22と、Z軸17に沿って延びることができる第2脚部23を有することができる。特に、第1脚部22と第2脚部23は互いに直角に配置されるようにすることができる。
【0035】
さらに、操作装置キャリア12は、第1側面板25と第2側面板26を有するようにすることができる。第1側面板25と第2側面板26は、同一構造で形成することができ、それぞれL字形の形状を有することができる。
【0036】
さらに、第1側面板25と第2側面板26は互いに距離27を置いて配置されているようにすることができる。さらに、第1側面板25と第2側面板26との間にはウェブ28を形成することができ、これにより第1側面板25と第2側面板26は、互いに対して位置決め若しくは支持されている。
【0037】
さらに、別の操作装置キャリア29が形成されるようにすることができ、これは第2操作装置キャリアガイド30によりY軸14方向でベースフレーム7に対して相対的に移動可能に当該ベースフレーム7に変位可能に配置されている。
【0038】
この別の操作装置キャリア29上には、ワークピース4の保持に用いることができる操作要素31を配置することができる。
【0039】
特に、操作要素31は電磁気的に設計され、ワークピース4を操作要素31により電磁気的に固定できるようにすることができる。代替的な実施形態では、操作要素31は吸引要素を備え、負圧を付加することによってワークピースを操作要素31に固定できるようにすることができる。
【0040】
特に、操作要素31がワークピース4の下方に配置されて、ワークピース4が操作要素31上に平らに載るようにすることができる。
【0041】
図1からさらに分かるように、操作装置キャリアガイド13が少なくとも1つのガイドレール32を有し、これに少なくとも1つのガイドキャリッジ33が案内されるようにすることができる。ガイドレール32は、ベースフレーム7に配置されている。さらに、ガイドレール32はY軸方向に延びているため、ガイドキャリッジ33はY軸14に沿って移動可能にベースフレーム7に配置されている。さらに、ガイドキャリッジ33が操作装置キャリア12に配置されるようにすることができる。図1から分かるように、ガイドレール32のうち2つのガイドレールはX軸18に対して互いに距離を置いて配置されるようにすることができる。これと同様に、操作装置キャリア12には複数のガイドキャリッジ33を形成することができ、これらも同様にY軸若しくはX軸に対して互いに距離を置いて配置されている。
【0042】
さらに、操作装置キャリア12をY軸14に沿って位置決めするために用いる調節機構34が形成されるようにすることができる。調節機構34は、駆動モータ35を有することができる。駆動モータ35は、例えば循環ボールスピンドルのような調節スピンドルと連結されることができる。さらに、別の操作装置キャリア29が別の調節機構36と連結され、これによりY軸14に沿って調節可能であることも考えられる。
【0043】
図2は、加工システム1の第1実施形態例の側面図であり、前の図1と同じ部分に対しては再び同じ参照符号若しくは部材名称が使用されている。不必要な繰返しを避けるために、それぞれ先の図における詳細な説明の参照を求め、若しくはこれに準拠する。
【0044】
図2に示すように、操作アーム15に空所部37が形成されるようにすることができる。空所部37は、上部機械テーブル6及び/又はその中で締め付けられている工具に対応するように形成されているので、操作アーム15は上部機械テーブル6に可能な限り接近することが可能であり、回転軸20と曲げ縁38との間でできるだけ小さい距離を達成できる。この手段により、加工システム1を用いてできるだけ小さいワークピース4を加工することができる。
【0045】
図2から分かるように、第2回転ラムを能動的に回動するために用いるトルクモータ39が形成されているようにすることが可能である。
【0046】
第2回転ラムを能動的に回動すると、ワークピース4を第1回転ラム19と第2回転ラム21との間に締め付けることができる。第1回転ラム19と第2回転ラム21との間で締め付けられたワークピース4が回動すると、第1回転ラム19はワークピース4との摩擦係合により同様に回動するか若しくはワークピース4によって引きずられる。第1回転ラム19と第2回転ラム21を同軸に配置することにより、第1回転ラム19と第2回転ラム21を一緒に回動することが可能になる。それにより第1回転ラム19は、回転軸20を中心に回動するために固有のトルクモータを必要としない。
【0047】
図2からさらに分かるように、回転軸20は操作アームガイド16から距離24だけ離して配置することができる。この場合、ガイドレールの中心は、操作アームガイド16に関する基準点と見なす。
【0048】
図2からさらに分かるように、操作装置キャリア12と別の操作装置キャリア29は個々に互いに独立してY軸14に沿って移動できる。それにより回転ラム19、21若しくは操作要素31は互いに独立してワークピース4を動かすことができる。さらに、この手段によりワークピース4を回転ラム19、21と操作要素31の間で受け渡すことができる。この手段により、ワークピース4は加工システム1内で、所望に回転させて、Y軸14に沿って位置決めして、曲げ工程を実施することができる
【0049】
操作装置キャリア12の第1脚部22は、長さ46を有している。操作装置キャリア12の第1脚部22の長さ46は、第2脚部23の旋回曲げ機械2に対面する側を起点として測定される。
【0050】
図3は、加工システム1を別の斜視図で示しており、先の図1及び図2と同じ部材に対しては再び同じ参照符号若しくは部材名称が使用されている。不必要な繰り返しを避けるために、先行する図1及び図2における詳細な説明の参照を求め、若しくはこれに準拠する。
【0051】
図3から分かるように、操作アームガイド16は、第1ガイドレール40と第2ガイドレールを有する。第1ガイドレール40と第2ガイドレール41は、操作装置キャリア12の第2脚部23に配置されている。さらに、第1ガイドキャリッジ42と第2ガイドキャリッジ43が形成されており、第1ガイドレール40で案内される。第1ガイドキャリッジ42と第2ガイドキャリッジ43はZ軸方向に互いに離間して操作アーム15上に配置される。さらに、第3ガイドキャリッジ44と第4ガイドキャリッジ45が形成されるようにすることができ、これらは第2ガイドレール41に動作可能に連結しており、同様に操作アーム15と連結されている。
【0052】
これらの実施形態例は可能な実施形態を示すものであり、この箇所で注記しておくと、本発明は特別に図示された実施形態に制限されるものではなく、むしろ個々の実施形態を互いに様々に組み合わせることも可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
【0053】
保護の範囲は請求項によって規定されている。しかしながら請求項を解釈するために詳細な説明と図面を援用する必要がある。図示及び説明された異なる実施形態例に記載された個々の特徴又は特徴の組み合せは、それ自体で独立した発明的解決をなすことができる。これらの独立した発明的解決の基礎にある課題は、本明細書から読み取ることができる。
【0054】
本発明の説明において値の範囲に関するすべての表示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1~10という表示には、下限1から上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7又は3.2~8.1又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0055】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、要素は一部縮尺通りではなく及び/又は拡大して及び/又は縮小して表現された。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
旋回曲げ機械(2)用のワークピースの操作装置(3)であって、ワークピースの操作装置(3)は、
ベースフレーム(7)と、
操作装置キャリアガイド(13)によりY軸(14)方向で前記ベースフレーム(7)に対して相対的に移動可能に前記ベースフレーム(7)上に配置された操作装置キャリア(12)と、
操作アームガイド(16)によりZ軸(17)方向で前記操作装置キャリア(12)に対して移動可能に前記操作装置キャリア(12)上に配置された操作アーム(15)と、
前記操作アーム(15)に配置された第1回転ラム(19)であって、前記Z軸(17)に対して平行な回転軸(20)を中心に回転可能である第1回転ラム(19)と、
前記操作装置キャリア(12)に配置された第2回転ラム(21)であって、前記回転軸(20)を中心に回転可能であり、前記第1回転ラム(19)と第2回転ラム(21)は、ワークピース(4)を前記第1回転ラム(19)と第2回転ラム(21)との間に締め付けることができるように、互いに対向して配置されている第2回転ラム(21)と、を有し、
前記操作装置キャリア(12)はL字形に形成されて、前記Y軸(14)に沿って延びる第1脚部(22)と前記Z軸(17)に沿って延びる第2脚部(23)とを有し、前記操作アームガイド(16)は前記第2脚部(23)上に形成され、前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の距離(24)は1000mmより大きい、ワークピースの操作装置(3)。
[態様2]
前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の前記距離(24)は、前記操作装置キャリア(12)の前記第1脚部(22)の長さ(46)の130%~70%、特に120%~80%、好適には110%~90%であることを特徴とする、請求項1に記載のワークピースの操作装置(3)。
[態様3]
前記操作アームガイド(16)と前記第1回転ラム(19)の前記回転軸(20)との間の前記距離(24)は、1000mm~3000mm以下、特に1100mm~2500mm、好適には1300mm~2000mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のワークピースの操作装置(3)。
[態様4]
前記操作装置キャリア(12)は、L字形に形成された第1側面板(25)と第2側面板(26)とを有しており、前記第1側面板(25)と前記第2側面板(26)は互いに距離(27)を置いて配置され、ウェブ(28)によって互いに連結されていることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
[態様5]
別の操作装置キャリアガイド(30)により前記Y軸(14)方向で前記ベースフレーム(7)に対して相対的に移動可能になるように、前記ベースフレーム(7)上に配置された別の操作装置キャリア(29)が形成されており、前記別の操作装置キャリア(29)は、X軸方向で互いに離間して配置された複数の操作要素(31)を含んでおり、前記操作要素(31)は前記Z軸(17)方向で前記別の操作装置キャリア(29)に対して相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
[態様6]
前記操作装置キャリア(12)の前記第2脚部(23)上に第1ガイドレール(40)と第2ガイドレール(41)が配置されており、前記操作アームガイド(16)は、前記第1ガイドレール(40)に案内された第1ガイドキャリッジ(42)と第2ガイドキャリッジ(43)を含み、且つ、前記操作アームガイド(16)は、前記第2ガイドレール(41)に案内された第3ガイドキャリッジ(44)と第4ガイドキャリッジ(45)を含んでいる、ことを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
[態様7]
前記操作装置キャリア(12)上に、前記第1回転ラム(19)を回動するためのトルクモータ(39)が形成されていることを特徴とする、請求項1から6のうちいずれか一項に記載のワークピースの操作装置(3)。
[態様8]
ワークピース(4)を曲げるための加工システム(1)であって、前記加工システム(1)は、
旋回曲げ機械(2)と、
前記旋回曲げ機械(2)に前記ワークピース(4)を供給するためのワークピースの操作装置(3)と、を有し、
前記ワークピースの操作装置(3)は、請求項1から7のうちいずれか一項に従って形成されている、加工システム(1)。
[態様9]
前記操作アーム(15)は、前記第1回転ラム(19)の領域に、前記旋回曲げ機械(2)に対応する空所部(37)を有することを特徴とする、請求項8に記載の加工システム(1)。
[態様10]
前記旋回曲げ機械(2)は、下部機械テーブル(5)を有し、前記ベースフレーム(7)は第1長手方向端部(8)で前記下部機械テーブル(5)と連結されており、前記ベースフレーム(7)は前記第1長手方向端部(8)から離れた領域で床に支持するための支持足(11)を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の加工システム(1)。
【符号の説明】
【0056】
1 加工システム
2 旋回曲げ機械
3 ワークピースの操作装置
4 ワークピース
5 下部機械テーブル
6 上部機械テーブル
7 ベースフレーム
8 第1長手方向端部
9 連結用フランジ
10 固定手段
11 支持足
12 操作装置キャリア
13 操作装置キャリアガイド
14 Y軸
15 操作アーム
16 操作アームガイド
17 Z軸
18 X軸
19 第1回転ラム
20 回転軸
21 第2回転ラム
22 第1脚部
23 第2脚部
24 操作アームガイドと回転軸の距離
25 第1側面板
26 第2側面板
27 第1側面板と第2側面板の距離
28 ウェブ
29 別の操作装置キャリア
30 さらに操作装置キャリアガイド
31 操作要素
32 ガイドレール
33 ガイドキャリッジ
34 調節機構
35 駆動モータ
36 別の調節機構
37 空所部
38 曲げ縁
39 トルクモータ
40 第1ガイドレール
41 第2ガイドレール
42 第1ガイドキャリッジ
43 第2ガイドキャリッジ
44 第3ガイドキャリッジ
45 第4ガイドキャリッジ
46 第1脚部の長さ
図1
図2
図3