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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電磁誘導式ポテンショメータ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01D5/12 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023575479
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 CN2022112429
(87)【国際公開番号】W WO2023029959
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】202122094063.6
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519344408
【氏名又は名称】深▲せん▼市谷粒科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】于 紅勇
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-515320(JP,A)
【文献】特開2012-5260(JP,A)
【文献】特開平10-254567(JP,A)
【文献】実開平2-24390(JP,U)
【文献】特開2007-53103(JP,A)
【文献】特開2014-200128(JP,A)
【文献】特開2017-180681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01B 7/00-7/34
G06F 3/02-3/027、
3/033-3/039
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導式ポテンショメータであって、
ハウジング、ロータ、永久磁石及び磁気誘導モジュールを備え、
前記ハウジングは、第1キャビティが設けられ、前記ロータは、前記第1キャビティに収納され、前記ロータは、前記ハウジングに対して回動可能であり、前記ハウジングは、第2キャビティが設けられ、前記磁気誘導モジュールは、前記第2キャビティに収納され、前記ロータは、外部回動入力を受けるためのスルーホールが設けられ、前記ロータは、スナップフィットが設けられ、前記スナップフィットは、前記永久磁石を前記ロータに固定し、
前記ロータの前記ハウジングの内側に近接する面には、円弧突起が設けられていることを特徴とする電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項2】
前記スナップフィットは、2つあり、前記永久磁石の両側にそれぞれ設けられ、前記永久磁石の下方には、載置部が設けられ、2つの前記スナップフィットと載置部との間には、前記永久磁石の収容空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項3】
前記ハウジングは、ストローク溝が設けられ、前記ストローク溝は、2つの前記スナップフィットの頂部を収容することを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項4】
前記スルーホールは、長方形スルーホールであることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記第1キャビティの中部に円形スルーホールが設けられ、前記ロータの前記スルーホールの両側には、係合爪が設けられ、前記係合爪は、前記円形スルーホールの縁部に係合されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項6】
前記磁気誘導モジュールは、集積回路チップとしてパッケージ化されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記第2キャビティの底部に凹溝が設けられていることを特徴とする請求項に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項8】
前記ハウジングの両側には、側方係止具がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項9】
電磁誘導式ポテンショメータであって、
ハウジング、ロータ、永久磁石及び磁気誘導モジュールを備え、
前記ハウジングは、第1キャビティが設けられ、前記ロータは、前記第1キャビティに収納され、前記ロータは、前記ハウジングに対して回動可能であり、前記ハウジングは、第2キャビティが設けられ、前記磁気誘導モジュールは、前記第2キャビティに収納され、前記ロータは、外部回動入力を受けるためのスルーホールが設けられ、前記ロータは、スナップフィットが設けられ、前記スナップフィットは、前記永久磁石を前記ロータに固定し、前記スナップフィットは、2つあり、前記永久磁石の両側にそれぞれ設けられ、前記永久磁石の下方には、載置部が設けられ、2つの前記スナップフィットと載置部との間には、前記永久磁石の収容空間が形成され、前記ハウジングは、ストローク溝が設けられ、前記ストローク溝は、2つの前記スナップフィットの頂部を収容し、前記スルーホールは、長方形スルーホールであり、前記ハウジングは、前記第1キャビティの中部に円形スルーホールが設けられ、前記ロータの前記スルーホールの両側には、係合爪が設けられ、前記係合爪は、前記円形スルーホールの縁部に係合され、前記ロータの前記ハウジングの内側に近接する面には、円弧突起が設けられ、前記磁気誘導モジュールは、集積回路チップとしてパッケージ化され、前記ハウジングの両側には、側方係止具がそれぞれ設けられていることを特徴とする電磁誘導式ポテンショメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術分野に関し、特に電磁誘導式ポテンショメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ポテンショメータは、可変抵抗器の一種であり、通常、電気抵抗体と回動又は摺動システムによって構成され、即ち、1つの可動接点が電気抵抗体上で移動して一部の電圧出力を得る。従来のポテンショメータは、炭素膜又は抵抗線構造を用いることが多く、接点が炭素膜に接触して摩擦することでポテンショメータの異なる位置の検出を実施する必要がある。従来のポテンショメータの接触式構造には、以下の不足が存在する。(1)炭素膜が磨耗によって寿命が短く、生産誤差が大きい。(2)接点での摩擦により、位置が変動するときに接触干渉ノイズが発生し、スピーカ等の音量を調整して使用すると、調整時に、ザーザーという干渉音がする。
【0003】
電磁誘導式ポテンショメータは、上記不足を克服し、永久磁石を回動又は摺動部分ユニットとして使用し、且つリニアホールセンサを利用して永久磁石の位置をリアルタイムで検出する。電磁誘導式ポテンショメータが位置を調整するとき、接触がなく、磨耗がなく、調整時のノイズ干渉もない。出願番号がCN202110678873.8である中国特許は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータの解決策を提出した。
【0004】
従来の解決策では、永久磁石がロータに嵌設されているため、以下の不足が存在する。一、ポテンショメータの動作状態において、永久磁石は、ロータから脱落しやすく、デバイスの信頼性に影響を与える。二、ポテンショメータの生産テスト過程において、永久磁石に対する着脱は、不便である。
【0005】
そこで、上記問題を解決する新たな電磁誘導式ポテンショメータを提出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題を解決すべく、本発明は、スナップフィットの設置によって永久磁石をロータに安定的に取り付け、且つ着脱が便利である電磁誘導式ポテンショメータを提出する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の解決手段を講じる。
本発明は、電磁誘導式ポテンショメータを提出する。当該電磁誘導式ポテンショメータは、ハウジング、ロータ、永久磁石及び磁気誘導モジュールを備え、前記ハウジングは、第1キャビティが設けられ、前記ロータは、前記第1キャビティに収納され、前記ロータは、前記ハウジングに対して回動可能であり、前記ハウジングは、第2キャビティが設けられ、前記磁気誘導モジュールは、前記第2キャビティに収納され、前記ロータは、外部回動入力を受けるためのスルーホールが設けられ、前記ロータは、スナップフィットが設けられ、前記スナップフィットは、前記永久磁石を前記ロータに固定する。
【0008】
好ましくは、前記スナップフィットは、2つあり、前記永久磁石の両側にそれぞれ設けられ、前記永久磁石の下方には、載置部が設けられ、2つの前記スナップフィットと載置部との間には、前記永久磁石の収容空間が形成されている。
【0009】
好ましくは、前記ハウジングは、ストローク溝が設けられ、前記ストローク溝は、2つの前記スナップフィットの頂部を収容する。
【0010】
好ましくは、前記スルーホールは、長方形スルーホールである。
【0011】
好ましくは、前記ハウジングは、前記第1キャビティの中部に円形スルーホールが設けられ、前記ロータの前記スルーホールの両側には、係合爪が設けられ、前記係合爪は、前記円形スルーホールの縁部に係合されている。
【0012】
好ましくは、前記ロータの前記ハウジングの内側に近接する面には、円弧突起が設けられている。
【0013】
好ましくは、前記磁気誘導モジュールは、集積回路チップとしてパッケージ化されている。
【0014】
好ましくは、前記ハウジングは、前記第2キャビティの底部に凹溝が設けられている。
【0015】
好ましくは、前記ハウジングの両側には、側方係止具がそれぞれ設けられている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下の有利な作用効果を有する。
本発明の実施例では、スナップフィットの設置によって永久磁石をロータに安定的に取り付け、電磁誘導式ポテンショメータの動作時に永久磁石がロータから脱落することを回避し、電磁誘導式ポテンショメータの動作安定性を向上させるとともに、電磁誘導式ポテンショメータの生産及びテスト過程において永久磁石に対する着脱が一層便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例の全体構造模式図である。
図2】本発明の実施例の分解構造模式図である。
図3】本発明の実施例の別の分解構造模式図である。
図4】本発明の実施例の全体構造のA―A断面の断面図である。
図5】本発明の実施例の更に別の分解構造模式図である。
図6】本発明の実施例のハウジングの内部構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術案がより明瞭で完全に説明されるように、以下では、図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0019】
実施例
図1図6を参照し、本発明は、電磁誘導式ポテンショメータの実施例を提出する。当該電磁誘導式ポテンショメータは、ハウジング100、ロータ200、永久磁石300及び磁気誘導モジュール400を備える。ハウジング100は、ロータ200を収容する第1キャビティ101が設けられ、ロータ200は、第1キャビティ101に収納され、ロータ200は、ハウジング100に対して回動可能である。ハウジング100は、磁気誘導モジュール400を収容する第2キャビティ102が設けられ、磁気誘導モジュール400は、第2キャビティ102に収納されている。ロータ200は、外部回動入力を受けるためのスルーホール201が設けられている。ロータ200は、スナップフィット202が設けられ、スナップフィット202は、永久磁石300をロータ200に固定する。
【0020】
本発明の実施例において、外部部品の回動出力軸は、スルーホール201内に挿着され、外部部品の回動によってロータ200を回動させ、永久磁石300もロータ200とともに回動し、磁気誘導モジュール400は、永久磁石300の位置変化をセンシングして信号を出力し、当該出力信号は、外部部品の回動を反映可能である。1種の例示として、外部部品は、ジョイスティック機構又はノブであってもよい。
【0021】
本発明の実施例では、スナップフィット201の設置によって永久磁石300をロータに安定的に取り付け、電磁誘導式ポテンショメータの動作時に永久磁石300がロータから脱落することを回避し、電磁誘導式ポテンショメータの動作安定性を向上させるとともに、電磁誘導式ポテンショメータの生産及びテスト過程において永久磁石300に対する着脱が一層便利になる。
【0022】
1種の選択可能な実施例として、スナップフィット201は、2つあり、永久磁石300の両側にそれぞれ設けられ、永久磁石300の下方には、載置部203が設けられている。2つのスナップフィット201と載置部203との間には、永久磁石300の収容空間204が形成されている。
【0023】
1種の選択可能な実施例として、ハウジング100は、ストローク溝103が設けられ、ストローク溝103は、2つのスナップフィット201の頂部を収容する。ロータ200の回動時に、2つのスナップフィット201の頂部のストロークは、ストローク溝103内にある。
【0024】
1種の選択可能な実施例として、スルーホール201は、長方形スルーホールである。
【0025】
1種の選択可能な実施例として、ハウジング100は、第1キャビティ101の中部に円形スルーホール104が設けられ、ロータ200のスルーホール201の両側には、係合爪205が設けられ、係合爪205は、円形スルーホール104の縁部に係合されることにより、ロータ200がハウジング100の第1キャビティ101内に回動可能に収納されるとともに、ロータ200がハウジング100から脱落することを回避するようにする。
【0026】
1種の選択可能な実施例として、ロータ200のハウジング100の内側に近接する面には、円弧突起206が設けられている。円弧突起206の設置により、ポテンショメータの動作状態においてロータ200とハウジング100との摩擦を減少することができる。
【0027】
1種の選択可能な実施例として、磁気誘導モジュール400は、集積回路チップとしてパッケージ化されている。
【0028】
1種の選択可能な実施例として、ハウジング100は、第2キャビティ102の底部に凹溝105が設けられている。凹溝105は、集積回路チップとしてパッケージ化された磁気誘導モジュール400のピンを収納する。実際の応用において、集積回路チップとしてパッケージ化された磁気誘導モジュール400は、回路基板に溶接され、ハウジング100とロータ200と永久磁石300とによって構成された組立ブロックは、磁気誘導モジュール400の上方に固定されている。
【0029】
1種の応用例示として、ジョイスティック機構に応用されるとき、ハウジング100の両側には、側方係止具106がそれぞれ設けられている。ハウジング100は、側方係止具106を介してジョイスティック機構の側面に固定され、ジョイスティック機構の回動出力軸は、スルーホール201内に挿着され、集積回路チップとしてパッケージ化された磁気誘導モジュール400は、ハウジング100の下の回路基板に溶接されている。
【0030】
無論、本発明は、他の複数種の実施形態があり得る。当業者が本実施形態に基づいて進歩性に値する如何なる労働を掛けずになした他の実施形態は、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6