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  • 特許-空気調和機の室内機 図1
  • 特許-空気調和機の室内機 図2
  • 特許-空気調和機の室内機 図3A
  • 特許-空気調和機の室内機 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0068 20190101AFI20240912BHJP
【FI】
F24F1/0068
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024525242
(86)(22)【出願日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2024002596
【審査請求日】2024-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 悦
(72)【発明者】
【氏名】粟野 真和
(72)【発明者】
【氏名】小栗 誠
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-115774(JP,A)
【文献】特開平5-180378(JP,A)
【文献】特開2022-170142(JP,A)
【文献】特開2022-29195(JP,A)
【文献】特開2001-133169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷房運転時に室内熱交換器の下流側に配置され、第1の材料で形成され内部に冷媒が流れる第1の管と、
冷房運転時に前記第1の管の下流側に配置され、前記第1の材料とは異なる第2の材料で形成され内部に冷媒が流れる第2の管と、
を備え、
前記第1の管は第1の接合側端部と前記第1の接合側端部に接続する第1の一般部を有し、
前記第2の管は前記第1の接合側端部に接続する第2の接合側端部と前記第2の接合側端部に接続する第2の一般部を有し、
前記第1の接合側端部の内側に前記第2の接合側端部が挿入され、
前記第1の一般部の肉厚は前記第2の一般部の肉厚より大きく、前記第1の一般部の内径は前記第2の一般部の外径より小さく、前記第2の一般部の内径は前記第1の一般部の外径より小さく、且つ、前記第1の一般部の外径と前記第2の一般部の外径との差は、前記第1の一般部の内径と前記第2の一般部の内径との差よりも大きい空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記室内熱交換器の伝熱管の外径と前記第1の一般部の外径との差は、前記伝熱管の内径と前記第1の一般部の内径との差よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記第1の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記第2の材料は、銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記第1の管と前記第2の管とは、共晶接合していることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記第1の一般部の内径は、前記第2の一般部の内径以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記第1の一般部の内径は、前記伝熱管の内径以下であることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記第1の一般部の外径は、前記第2の一般部の外径よりも大きく、前記第1の一般部の肉厚は、前記第2の一般部の肉厚よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
前記第1の一般部の外径は、前記伝熱管の外径よりも大きく、前記第1の一般部の肉厚は、前記伝熱管の肉厚よりも厚いことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機の冷媒回路には主に銅管が用いられてきた。しかし、近年においては冷媒回路の一部にアルミニウム管が用いられることがある。このような冷媒回路の銅管とアルミニウム管とは、接着剤にて接着され、或いは金属的に接合される。例えば、特許文献1には、銅管とアルミニウム管とが共晶接合された冷媒回路に使用する接合管が開示されている。この接合管によれば、接合時に生成した不要物が管内に排出されず、接合管の信頼性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-72820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の接合管(例えば、特許文献1参照)は、流れる冷媒によっていわゆる冷媒音を発生することがある。したがって、このような接合管を空気調和機の室内機に使用すると、発生した冷媒音によって室内での静穏性が害される。
【0005】
本発明の課題は、異種材料管の内径に隔たりによる冷媒音の発生を抑制することができる空気調和機の室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の空気調和機の室内機は、冷房運転時に室内熱交換器の下流側に配置され、第1の材料で形成され内部に冷媒が流れる第1の管と、冷房運転時に前記第1の管の下流側に配置され、前記第1の材料とは異なる第2の材料で形成され内部に冷媒が流れる第2の管と、を備え、前記第1の管は第1の接合側端部と前記第1の接合側端部に接続する第1の一般部を有し、前記第2の管は前記第1の接合側端部に接続する第2の接合側端部と前記第2の接合側端部に接続する第2の一般部を有し、前記第1の接合側端部の内側に前記第2の接合側端部が挿入され、前記第1の一般部の肉厚は前記第2の一般部の肉厚より大きく、前記第1の一般部の内径は前記第2の一般部の外径より小さく、前記第2の一般部の内径は前記第1の一般部の外径より小さく、且つ、前記第1の一般部の外径と前記第2の一般部の外径との差は、前記第1の一般部の内径と前記第2の一般部の内径との差よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気調和機の室内機によれば、異種材料管の内径に隔たりによる冷媒音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る室内機を有する空気調和機の構成説明図である。
図2図1に示した室内機の内部構造の部分拡大斜視図である。
図3A】本発明の実施形態に係る室内機を構成するガス配管の部分拡大斜視図である。
図3B図3AのIIIB-IIIB断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の空気調和機の室内機を実施するための形態(実施形態)について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは空気調和機の全体構成について説明した後に、室内機についてさらに詳しく説明する。
<空気調和機>
図1は、本発明の実施形態に係る室内機102を有する空気調和機100の構成説明図である。図2は、図1に示した室内機102の内部構造の部分拡大斜視図である。
図1に示すように、空気調和機100は、室外機101と室内機102とを備えている。
屋外に設置された室外機101は、冷媒と室外空気との間で熱交換を行う。室内の壁104に設置された室内機102は、冷媒と室内空気との間で熱交換を行う。
【0010】
冷房運転時の空気調和機100は、室内機102における室内熱交換器3の伝熱管8内に流す液冷媒(気液二相冷媒を含む)を、液配管20を介して室外機101から取り込む。このとき室内熱交換器3は、蒸発器として機能することで周囲の空気を冷却する。そして、室内熱交換器3の伝熱管8内で気化したガス冷媒は、ガス配管30を介して室外機101に送り出される。室外機101に送り出されたガス冷媒は、室外機101の図示しない圧縮機や凝縮器として機能する室外熱交換器を経由して液冷媒(気液二相冷媒を含む)となる。この液冷媒は、液配管20を介して再び室内機102に送り出される。
【0011】
また、暖房運転時の空気調和機100は、室外機101の図示しない四方弁が冷媒流路を切り替えることで、前記の圧縮機からの高温高圧のガス冷媒を、ガス配管30を介して室内機102に送り出す。このとき室内熱交換器3は、凝縮器として機能することで周囲の空気を加熱する。そして、室内熱交換器3の伝熱管8内で凝縮した液冷媒(気液二相冷媒を含む)は、液配管20を介して室外機101に送り出される。室外機101に送り出された液冷媒は、室外機101の図示しない凝縮器として機能する室外熱交換器及び圧縮機を経由して再び高温高圧のガス冷媒となって室内機102に送り出される。
【0012】
なお、本実施形態での室内熱交換器3は、所定の間隔を開けて複数積層されたフィン7と、伝熱管8とを備えている。この室内熱交換器3は、複数のフィン7をその積層方向に貫く複数の管体が折返し蛇行するように連結された伝熱管8を有するいわゆるフィンチューブ型の熱交換器である。また、室内熱交換器3は、フィン7と伝熱管8とが、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されたオールアルミニウム熱交換器である。
【0013】
本実施形態での室内熱交換器3は、送風機である貫流ファン2の前面部と上面部とを覆うように断面視で略コ字状に形成されている。そして、駆動した貫流ファン2が筐体1の上部に形成された吸込口4から筐体1内に吸い込んだ室内空気は、室内熱交換器3を通過して筐体1の前部に形成された吹出口5から室内に吹き出される。この際、室内空気は、室内熱交換器3が冷暖房運転のそれぞれに応じて冷却され又は加熱される。室内機102は、そのような調和空気を吹出口5から吹き出すこととなる。
【0014】
この空気調和機100において、室外機101と室内機102とを接続する液配管20は、室外機101側からフレアナット接続部11を介して延出する延長液配管20aと、この延長液配管20aの先端部からフレアナット接続部11を介してさらに室内機102側に延びる接続液配管20bとを備えている。
また、液配管20は、後記するように、接続液配管20bの先端部と、室内機102との間に介在する介在液配管20c(図2参照)をさらに備えている。
【0015】
図1に示すように、ガス配管30は、室外機101側からフレアナット接続部11を介して延出する延長ガス配管30aと、この延長ガス配管30aの先端部からフレアナット接続部11を介してさらに室内機102側に延びる接続ガス配管30bとを備えている。
また、ガス配管30は、後記するように、接続ガス配管30bの先端部と、室内機102との間に介在する介在ガス配管30c(図2参照)をさらに備えている。
【0016】
これら接続液配管20b(図1参照)及び介在液配管20c(図2参照)、並びに接続ガス配管30b(図1参照)及び介在ガス配管30c(図2参照)は、壁104(図1参照)に形成された孔部105(図1参照)を介して、室内に引き込まれている。
そして、図2に示すように、室内機102内で接続液配管20bと接続された介在液配管20cは、伝熱管8の一端側に接続されている。また、室内機102内で接続ガス配管30bと接続される介在ガス配管30cは、伝熱管8の他端側に接続されている。
なお、図2中、伝熱管8は、作図の便宜上、一部のみを隠れ線にて示している。
【0017】
以上のような延長液配管20a(図1参照)、接続液配管20b(図1参照)及び介在液配管20c(図2参照)からなる液配管20(図1及び図2参照)、並びに延長ガス配管30a(図1参照)、接続ガス配管30b(図1参照)及び介在ガス配管30c(図2参照)からなるガス配管30(図1及び図2参照)は、後記するように、一部がアルミニウム管で形成されるとともに、その一部を除いた残部が銅管で形成されている。
【0018】
<室内機>
次に、本実施形態の室内機102についてさらに詳しく説明する。
図1及び図2に示す液配管20を構成する配管のうち、延長液配管20a(図1参照)及び接続液配管20b(図1参照)は、銅管にて構成されている。
これに対して介在液配管20c(図2参照)は、アルミニウム管にて構成されている。
【0019】
また、図1及び図2に示すガス配管30を構成する配管のうち、延長ガス配管30a(図1参照)及び接続ガス配管30b(図1参照)は、銅管にて構成されている。
これに対して介在ガス配管30c(図2参照)は、アルミニウム管にて構成されている。
そして、このような介在ガス配管30cと接続ガス配管30bとを有するガス配管30は、前記のように、冷房運転時に室内熱交換器3の下流側に配置されることとなる。また、接続ガス配管30bは、前記のように、冷房運転時に介在ガス配管30cの下流側に配置されることとなる。
【0020】
すなわち、このような室内機102において、アルミニウム又はアルミニウム合金(第1の材料)で形成される介在ガス配管30c(図2参照)は、「第1の管」に相当する。また、銅又は銅合金(第2の材料)で形成される接続ガス配管30b(図1参照)は、「第2の管」を構成する。
なお、本実施形態での延長ガス配管30a(図1参照)と接続ガス配管30b(図1参照)とは、互いに同じ内径と外径と肉厚とを有する銅管で構成されている。
【0021】
図3Aは、本実施形態に係る室内機102(図2参照)を構成するガス配管30の部分拡大斜視図である。図3Bは、図3AのIIIB-IIIB断面図である。
図3A中、接続ガス配管30bとともにガス配管30を構成する延長ガス配管30a(図1参照)については、作図の便宜上、省略している。
図3Aに示すように、ガス配管30は、アルミニウム管からなる介在ガス配管30c(第1の管)と、銅管からなる接続ガス配管30b(第2の管)とを有している。
【0022】
このガス配管30においては、図3Bに示すように、介在ガス配管30c(第1の管)の接合側端部30c2の内側に、接続ガス配管30b(第2の管)の接合側端部30b2が挿入されている。そして、介在ガス配管30c(第1の管)の接合側端部30c2と、接続ガス配管30b(第2の管)の接合側端部30b2とは、共晶接合により接続されている。
【0023】
なお、接続ガス配管30b(第2の管)の接合側端部30b2は、接続ガス配管30b(第2の管)の一般部30b1と同じ外径になっている。
また、このガス配管30においては、図3Bに示すように、介在ガス配管30c(第1の管)の一般部30c1の外径D1と、接続ガス配管30b(第2の管)の一般部30b1の外径D2との差(Δ1=D1-D2)は、介在ガス配管30c(第1の管)の一般部30c1の内径D3と、接続ガス配管30b(第2の管)の一般部30b1の内径D4との差(Δ2=D3-D4)よりも大きくなるように設定されている(Δ1>Δ2)。
【0024】
なお、介在ガス配管30c(第1の管)の一般部30c1の外径D1は、後記する具体例を挙げて示したように、接続ガス配管30b(第2の管)の一般部30b1の外径D2よりも大きくなるように設定されている。
また、介在ガス配管30c(第1の管)の一般部30c1の肉厚T1は、接続ガス配管30b(第2の管)の一般部30b1の肉厚T2よりも厚くなるように設定されている(T1>T2)。
【0025】
そして、このようなガス配管30においては、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3は、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4以上であることが望ましい(D3≧D4)。
【0026】
以上のような介在ガス配管30c(第1の管)と接続ガス配管30b(第2の管)とにおけるそれぞれの管径及び肉厚の比較は、介在ガス配管30c(第1の管)と接続ガス配管30b(第2の管)との互いの接合部におけるそれぞれの管径及び肉厚を対象としない。また、図示は省略するが、介在ガス配管30c(第1の管)が、室内熱交換器3側で分岐して伝熱管8に接続される室内機102においては、分岐管の下流側で合流して1パスとなる介在ガス配管30c(第1の管)のみが、管径及び肉厚の比較対象となる。
【0027】
図2に戻って、伝熱管8と介在ガス配管30c(第1の管)との関係では、伝熱管8の一般部の外径をD5とし、伝熱管8の一般部の内径をD6とすると、伝熱管8の外径D5と介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1との差(Δ3=D1-D5)は、伝熱管8の内径D6と介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3との差(Δ4=D6-D3)よりも大きいことが望ましい(Δ3>Δ4)。
【0028】
また、伝熱管8の一般部の肉厚をT3とすると、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1は、伝熱管8の外径D5よりも大きく(D1>D5)、介在ガス配管30c(第1の管)の肉厚T1は、伝熱管8の肉厚T3よりも厚いことが望ましい(T1>T3)。
また、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3は、伝熱管8の内径D6以下であることが望ましい(D3≦D6)。
【0029】
以上のような介在ガス配管30c(第1の管)と伝熱管8とにおけるそれぞれの管径及び肉厚の比較は、介在ガス配管30c(第1の管)と伝熱管8との互いの接合部におけるそれぞれの管径及び肉厚を対象としない。
また、フィン7(図1参照)を貫きつつ折返し蛇行する伝熱管8(図1参照)が、その内径が一律でない複数の伝熱管8部分を連結して構成されている場合には、伝熱管8と介在ガス配管30c(第1の管)とが1パスで繋がっていることを条件に、それぞれの管径及び肉厚が比較される。
また、介在ガス配管30c(第1の管)の近傍で伝熱管8の内側に凹凸がある場合には、介在ガス配管30c(第1の管)の肉厚T1は、伝熱管8の肉厚が薄い部分(凹部)での肉厚T3と比較することとなる。
【0030】
そして、空気調和機100(図1参照)の冷媒回路に使用されるガス配管30及び伝熱管8は、前記の相関関係を満たすように、例えば、外径が6.35mm~12.7mm程度の管サイズのものから、介在ガス配管30c(第1の管)と、接続ガス配管30b(第2の管)と、延長ガス配管30aと、伝熱管8とが選択される。
【0031】
この際、図2に示した介在液配管20cと介在ガス配管30c(第1の管)とは、同じ内径及び外径を有するアルミニウム管を選択することもできるが、互いに異なるアルミニウム管を選択することもできる。
また、図1に示した接続液配管20b及び延長液配管20a、並びに接続ガス配管30b(第2の管)及び延長ガス配管30aについても、同じ内径及び外径を有する銅管を選択することができるし、互いに異なる銅管を選択することもできる。
【0032】
以下に図1及び図2に示した介在液配管20c、介在ガス配管30c(第1の管)、接続液配管20b、延長液配管20a、及び接続ガス配管30b(第2の管)の具体例を記載するが、これに限定されるものではない。
介在液配管20cとしては、外径7.00mm、内径5.20mm、肉厚0.90mmのアルミニウム管が挙げられる。
接続液配管20b及び延長液配管20aとしては、外径6.35mm、内径5.15mm、肉厚0.60mmの銅管が挙げられる。
【0033】
また、介在ガス配管30c(第1の管)としては、外径D1が8.00mmであり、内径D3が6.00mmであり、肉厚T1が1.00mmであるアルミニウム管が挙げられる。
接続ガス配管30b(第2の管)としては、外径D2が7.00mmであり、内径D4が5.60mmであり、肉厚T2が0.70mmである銅管が挙げられる。
伝熱管8としては、外径D5が7.37mmであり、内径D6が6.25mmであり、肉厚T3が0.56mmであるアルミニウム管が挙げられる。
【0034】
この室内機102における介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1と、接続ガス配管30b(第2の管)の外径D2との差Δ1は、1.00mmである。また、この室内機102における介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3と、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4との差Δ2は、0.40mmである。すなわち、外径の差Δ1は、内径の差Δ2よりも大きい(Δ1>Δ2)。
【0035】
また、このような室内機102においては、伝熱管8の外径D5と、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1との差(Δ3=D1-D5)は、0.63mmである。
そして、伝熱管8の内径D6と介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3との差(Δ4=D6-D3)は、0.25mmである。すなわち、外径の差Δ3は、内径の差Δ4よりも大きい(Δ3>Δ4)。
【0036】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3(6.00mm)は、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4(5.60mm)よりも大きい(D3>D4)。
【0037】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の肉厚T1(1.00mm)は、接続ガス配管30b(第2の管)の肉厚T2(0.70mm)よりも厚い(T1>T2)。また、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1(8.00mm)は、接続ガス配管30b(第2の管)の外径D2(7.00mm)よりも大きい(D1>D2)。
【0038】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1(8.00mm)は、伝熱管8の外径D5(7.37mm)よりも大きい(D1>D5)。
また、介在ガス配管30c(第1の管)の肉厚T1(1.00mm)は、伝熱管8の肉厚T3(0.56mm)よりも厚い(T1>T3)。
【0039】
<作用効果>
次に、本実施形態の室内機102の奏する作用効果について説明する。
一般に、冷媒回路に使用される銅管やアルミニウム管といった異種材料管同士の接合管(例えば、特許文献1参照)は、例えば熱伝導度、曲げ強度等の特性に応じて異種材料管のそれぞれの外径及び内径が異なっている。特に、銅管とアルミニウム管との接合管(例えば、特許文献1参照)は、管同士の突き合わせの接合が難しく、比較的に厚肉となるアルミニウム管の接続側端部に銅管の接続側端部が挿入されて接合されることとなる。しかしながら、このような接合管においては、異種材料管同士の接合部を境に、それぞれの異種材料管の内径に隔たりを生じる。そのため、従来の接合管を使用した空気調和機の室内機は、流れる冷媒によっていわゆる冷媒音を発生することがある。
【0040】
これに対して、本実施形態の空気調和機100の室内機102は、冷房運転時に室内熱交換器3の下流側に配置され、アルミニウム又はアルミニウム合金(第1の材料)で形成され内部に冷媒が流れる介在ガス配管30c(第1の管)と、冷房運転時に介在ガス配管30c(第1の管)の下流側に配置され、アルミニウム又はアルミニウム合金(第1の材料)とは異なる銅又は銅合金(第2の材料)で形成され内部に冷媒が流れる接続ガス配管30b(第2の管)と、を備え、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1と、接続ガス配管30b(第2の管)の外径D2との差(Δ1=D1-D2)は、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3と、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4との差(Δ2=D3-D4)よりも大きい(Δ1>Δ2)。
このような室内機102によれば、介在ガス配管30c(第1の管)の内径と、接続ガス配管30b(第2の管)の内径とを互いに近づけることができる。室内機102は、通流する冷媒の圧力損出を従来と比べてより小さくすることができる。これにより本実施形態の室内機102は、冷媒音の発生を抑制することができる。
【0041】
また、このような室内機102においては、伝熱管8の外径D5と介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1との差(Δ3=D5-D1)は、伝熱管8の内径D6と介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3との差(Δ4=D6-D3)よりも大きくなるように設定することができる(Δ3>Δ4)。
このような室内機102によれば、伝熱管8の内径D6と、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3とを互いに近づけることができる。室内機102は、通流する冷媒の圧力損出を従来と比べてより小さくすることができる。これにより本実施形態の室内機102は、冷媒音の発生を抑制することができる。
【0042】
また、このような室内機102においては、第1の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、第2の材料は、銅又は銅合金である。
このような室内機102によれば、空気調和機100の主たる冷媒回路に従来より使用される銅又は銅合金を使用しながらも従来より安価でかつ熱伝導性に優れる室内熱交換器3を構築することができる。
【0043】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)と接続ガス配管30b(第2の管)とは、共晶接合している。
このような室内機102によれば、ろう付けによる接合方法によらずとも介在ガス配管30c(第1の管)の金属成分と、接続ガス配管30b(第2の管)の金属成分との金属間化合物によって、介在ガス配管30c(第1の管)と、接続ガス配管30b(第2の管)とを接合することができる。
【0044】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3は、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4以上となるように設定することができる(D3≧D4)。
このような室内機102によれば、より一層冷媒音の発生を抑制する。
【0045】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の肉厚T1は、接続ガス配管30b(第2の管)の一般部30b1の肉厚T2よりも厚くなるように設定されている(T1>T2)。また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1は、接続ガス配管30b(第2の管)の外径D2よりも大きくなるように設定されている(D1>D2)。
このような室内機102によれば、より確実に介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3と、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4とを互いに近づけることができる。これにより本実施形態の室内機102は、より確実に冷媒音の発生を抑制する。
【0046】
また、このような室内機102においては、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1は、伝熱管8の外径D5よりも大きく(D1>D5)、介在ガス配管30c(第1の管)の肉厚T1は、伝熱管8の肉厚T3よりも厚くなるように設定することができる(T1>T3)。
このような室内機102によれば、伝熱管8の内径D6と、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3とをより確実に近づけることができる。これにより本実施形態の室内機102は、より確実に冷媒音の発生を抑制することができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態の室内機102は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる第1の管と、銅又は銅合金からなる第2の管とを有するものについて説明した。しかしながら、本発明の室内機102は、これに限定されるものではなく、他の金属からなる第1の管と第2の管とを有するものにも適用し得る。
【符号の説明】
【0048】
30 ガス配管
30a 延長ガス配管
30b 接続ガス配管(第2の管)
30c 介在ガス配管(第1の管)
100 空気調和機
102 室内機
【要約】
本発明の空気調和機の室内機102は、冷房運転時に室内熱交換器3の下流側に配置され、アルミニウム又はアルミニウム合金(第1の材料)で形成され内部に冷媒が流れる介在ガス配管30c(第1の管)と、冷房運転時に介在ガス配管30c(第1の管)の下流側に配置され、アルミニウム又はアルミニウム合金(第1の材料)とは異なる銅又は銅合金(第2の材料)で形成され内部に冷媒が流れる接続ガス配管30b(第2の管)と、を備え、介在ガス配管30c(第1の管)の外径D1と、接続ガス配管30b(第2の管)の外径D2との差(Δ1=D1-D2)は、介在ガス配管30c(第1の管)の内径D3と、接続ガス配管30b(第2の管)の内径D4との差(Δ2=D3-D4)よりも大きい。
図1
図2
図3A
図3B