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特許7554965端末装置、制御プログラム、制御方法及び洗濯システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】端末装置、制御プログラム、制御方法及び洗濯システム
(51)【国際特許分類】
   D06F 34/05 20200101AFI20240913BHJP
   D06F 34/32 20200101ALI20240913BHJP
   D06F 105/58 20200101ALN20240913BHJP
【FI】
D06F34/05
D06F34/32
D06F105:58
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022578096
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2021044738
(87)【国際公開番号】W WO2022163133
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2021013171
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】長田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祥一
(72)【発明者】
【氏名】姜 俊奎
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-205121(JP,A)
【文献】特開2015-080657(JP,A)
【文献】特開2005-110841(JP,A)
【文献】特開2020-039825(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2789725(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 34/05
D06F 34/32
D06F 105/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信により洗濯機を制御する端末装置であって、
前記洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース提示部を備え、
前記運転コース提示部に提示可能な前記運転コースは、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能な前記運転コースと、前記洗濯機に設けられる洗濯機側運転コース提示部から前記洗濯機に設定可能であって前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースとを含む
端末装置
【請求項2】
前記運転コース提示部は、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースを、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能な前記運転コースとは異なる態様で提示する
請求項1に記載の端末装置
【請求項3】
前記運転コース提示部により提示された前記運転コースの中から前記洗濯機に実行させる前記運転コースの指定を使用者から受け付ける運転コース受付部を備え、
使用者により指定された前記運転コースが、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースである場合、使用者により指定された前記運転コースを実行するよう前記洗濯機に指示しない
請求項1又は2に記載の端末装置
【請求項4】
前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースを使用者が指定した場合、その旨を使用者に報知する
請求項3に記載の端末装置
【請求項5】
前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースを使用者が指定した場合、指定された前記運転コースは前記洗濯機において設定すべき旨を使用者に報知する
請求項3又は4に記載の端末装置
【請求項6】
前記運転コース受付部は、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コー
スの詳細を使用者に提示する
請求項3から5のいずれか一項に記載の端末装置
【請求項7】
前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースは、前記洗濯機において自動投入される処理剤を貯留するためのタンクに貯留されていない処理剤を使用する前記運転コース、特定の剤を必要とする前記運転コース、所定時間未満で運転終了する前記運転コース、前記洗濯機に対する設定が必要な前記運転コース、又は前記洗濯機に前記運転コースのデータをダウンロードさせることが必要なコースを含む
請求項1から6のいずれか一項に記載の端末装置
【請求項8】
通信により洗濯機を制御する端末装置において、
前記洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示する前記端末装置に設けられる運転コース提示部としてコンピュータを機能させ、
前記運転コース提示部に提示可能な前記運転コースは、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能な前記運転コースと、前記洗濯機に設けられる洗濯機側運転コース提示部から前記洗濯機に設定可能であって前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースとを含む
制御プログラム。
【請求項9】
通信により洗濯機を制御する端末装置において、
前記端末装置に設けられる運転コース提示部により、前記洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示するステップをコンピュータに実行させ、
前記運転コース提示部に提示可能な前記運転コースは、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能な前記運転コースと、前記洗濯機に設けられる洗濯機側運転コース提示部から前記洗濯機に設定可能であって前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースとを含む
制御方法。
【請求項10】
洗濯機と、前記洗濯機とネットワークを介して通信可能、又は直接通信可能(0021)な端末装置とを含む洗濯システムであって、
前記端末装置は、
前記洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース提示部と、
前記運転コース提示部により提示された前記運転コースの中から前記洗濯機に実行させる前記運転コースの指定を使用者から受け付ける運転コース受付部と、
前記運転コース受付部が受け付けた前記運転コースが、前記端末装置から前記洗濯機に設定可能な前記運転コースである場合には、前記運転コース受付部が受け付けた前記運転コースを実行するよう前記洗濯機に指示し、前記洗濯機に設けられる洗濯機側運転コース提示部から前記洗濯機に設定可能であって前記端末装置から前記洗濯機に設定可能でない前記運転コースである場合には、前記運転コース受付部が受け付けた前記運転コースを実行するよう前記洗濯機に指示しない指示部とを備える
洗濯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機を制御する制御装置、制御プログラム及び制御方法及び洗濯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機の運転を自動的に制御するために、運転の態様が規定された運転コースが設けられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、情報表示端末装置と洗濯機とがネットワーク接続されたシステムにおいて、洗濯機が運転中の場合には、情報表示端末装置によって特定の洗い方の情報を表示しないことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-110841号公報
【発明の概要】
【0004】
このような洗濯機においては、運転コースの指定を使用者から受け付けるためのユーザインタフェースの利便性を更に向上させることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、洗濯機の使用者の利便性を向上させることが可能な制御装置、制御プログラム、制御方法及び洗濯システムを提供する。
【0006】
本開示における制御装置は、洗濯機を制御する制御装置であって、洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース提示部を備える。運転コースは、制御装置から洗濯機に設定可能な運転コースと、制御装置から洗濯機に設定可能でない運転コースとを含む。
【0007】
本開示における制御プログラムは、洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース提示部としてコンピュータを機能させる。運転コースは、洗濯機を制御する制御装置から洗濯機に設定可能な運転コースと、制御装置から洗濯機に設定可能でない運転コースとを含む。
【0008】
本開示における制御方法は、洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示するステップをコンピュータに実行させる。運転コースは、洗濯機を制御する制御装置から洗濯機に設定可能な運転コースと、制御装置から洗濯機に設定可能でない運転コースとを含む。
【0009】
本開示における洗濯システムは、洗濯機と、洗濯機とネットワークを介して通信可能な端末装置とを含む。端末装置は、運転コース提示部と、運転コース受付部と、指示部とを備える。運転コース提示部は、洗濯機が実行可能な運転コースを使用者に提示する。運転コース受付部は、運転コース提示部により提示された運転コースの中から洗濯機に実行させる運転コースの指定を使用者から受け付ける。指示部は、運転コース受付部が受け付けた運転コースが、端末装置から洗濯機に設定可能な運転コースである場合には、運転コース受付部が受け付けた運転コースを実行するよう洗濯機に指示する。一方、指示部は、運転コース受付部が受け付けた運転コースが、端末装置から洗濯機に設定可能でない運転コースである場合には、運転コース受付部が受け付けた運転コースを実行するよう洗濯機に指示しない。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【0011】
本開示の制御装置、制御プログラム、制御方法及び洗濯システムは、洗濯機の使用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施の形態1に係る洗濯システムの構成図である。
図2図2は、本開示の実施の形態1における洗濯機の構成を示す縦断面図である。
図3図3は、実施の形態1に係る洗濯機の洗剤自動投入装置の外観図である。
図4図4は、実施の形態1に係る洗濯機の制御装置の機能構成図である。
図5図5は、設定履歴保持部の内部データの構成及び例を示す図である。
図6図6は、実施の形態1に係る端末装置の機能構成図である。
図7図7は、運転コース情報保持部の内部データの構成及び例を示す図である。
図8図8は、実施の形態1に係る端末装置の表示装置に表示される表示画面の例を示す図である。
図9図9は、実施の形態1に係る端末装置の表示装置に表示される履歴画面の例を示す図である。
図10図10は、実施の形態1に係る端末装置の表示装置に表示される検索画面の例を示す図である。
図11図11は、実施の形態1に係る端末装置の表示装置に表示される検索画面の例を示す図である。
図12図12は、実施の形態1に係る端末装置の表示装置に表示される検索画面の例を示す図である。
図13図13は、実施の形態1に係る端末装置の表示装置に表示される報知画面の例を示す図である。
図14図14は、実施の形態1に係る洗濯システムの制御処理の手順を示す図である。
図15図15は、実施の形態1に係る洗濯システムの制御処理の手順を示す図である。
図16図16は、実施の形態1に係る洗濯機の操作表示部に表示される表示画面の例を示す図である。
図17図17は、実施の形態1に係る洗濯機の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0014】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0015】
本開示の実施の形態として、洗濯機100の使用者が運転コースを設定する際の利便性を向上させるための技術について説明する。本開示の実施の形態に係る洗濯システム1では、洗濯機100の使用者の携帯端末など(一例として端末装置200)により実現される制御装置により、洗濯機100の運転コースが遠隔から設定可能であるものとする。制御装置は、洗濯機100において実行可能な運転コースの情報を使用者に提示し、提示された運転コースの中から洗濯機100に実行させる運転コースの指定を使用者から受け付ける。
【0016】
洗濯機100において実行可能な運転コースの中には、様々な事情により、制御装置から遠隔で運転コースの設定を受け付けるべきではないものが含まれる。例えば、洗濯機100の水槽42を洗浄するための運転コースは、漂白剤を使用する必要がある。そのため、この運転コースは、漂白剤が自動投入可能となっている場合でなければ、制御装置から遠隔で実行させることはできず、使用者が洗濯機100の水槽42に漂白剤を手動で投入して実行させる必要がある。以下、このような制御装置から洗濯機100に設定可能でない運転コースを「端末操作不許可コース」ともいう。制御装置において運転コースの指定を使用者から受け付ける際に、端末操作不許可コースを使用者が指定できないようにするために、端末操作不許可コースを選択候補として表示しないことも考えられる。しかし、洗濯機100において直接設定すれば実行可能である端末操作不許可コースが洗濯機100に設けられていることを使用者に気づかせることができないので、せっかく設けられた運転コースを使用する機会が低減してしまう。
【0017】
このような新たな課題を解決するために、本実施の形態の制御装置は、端末操作不許可コースも含めて使用者に提示する。そして、使用者により指定された運転コースが、制御装置から洗濯機100に設定可能な運転コースである場合、本実施の形態の制御装置は、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示する。一方、端末操作不許可コースである場合、本実施の形態の制御装置は、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示しない。これにより、本実施の形態の制御装置は、端末操作不許可コースの存在を使用者に気づかせることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0018】
(実施の形態1)
以下、図1図17を用いて、実施の形態1を説明する。
【0019】
[1-1.構成]
[1-1-1.洗濯システムの構成]
図1は、本開示の実施の形態1に係る洗濯システム1の構成を示す。洗濯システム1は、洗濯機100と、端末装置200と、洗濯支援サーバ300と、これらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット2とを備える。端末装置200は、洗濯機100の運転コースなどを設定するためのアプリケーションを実行可能である。洗濯支援サーバ300は、洗濯機100による洗濯を支援するサーバである。
【0020】
洗濯機100は、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程などの運転を自動的に制御するための複数の運転コースを設定可能である。それぞれの運転コースにおいて、各工程の運転態様が、時間、布量、水量、洗剤基準投入量、温度、ドラムの回転速度、回転トルク、回転パターンなどのパラメータで規定される。洗濯機100は、タッチパネルなどのユーザインタフェースを介して、運転コースの指定を使用者から受け付ける。洗濯機100は、使用者により指定された運転コースを設定し、設定された運転コースに規定されたパラメータにしたがって各工程を制御する。洗濯機100は、実行した運転コースの履歴情報を記憶する。
【0021】
端末装置200は、洗濯機100のユーザインタフェースに代えて、又は加えて、洗濯機100の運転コースなどを指定するためのユーザインタフェースとして機能するアプリケーションを実行する。端末装置200は、洗濯機100において記憶されている履歴情報を取得し、取得された履歴情報に含まれる運転コースを使用者が指定可能に提示する。端末装置200は、使用者により指定された運転コースを洗濯機100に通知する。洗濯機100は、端末装置200から通知された運転コースを設定する。このように、使用者により指定された運転コースが端末装置200から洗濯機100に設定される。つまり、端末装置200は、洗濯機100の運転コースなどを設定するためのユーザインタフェースとして機能するアプリケーションを実行するとも言える。端末装置200は、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100との間で通信を行ってもよい。この場合、端末装置200は、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100に履歴情報の送信を要求し、洗濯支援サーバ300は、洗濯機100から受信した履歴情報を端末装置200に送信する。また、端末装置200は、使用者により指定された運転コースを洗濯支援サーバ300に通知し、洗濯支援サーバ300は、通知された運転コースを洗濯機100に通知する。端末装置200は、洗濯機100との間で直接通信を行ってもよい。
【0022】
本開示の制御装置は、洗濯機100に内蔵されてもよいし(後述する制御装置81)、端末装置200において実行されるアプリケーションにより実現されてもよい。又は、制御装置は、洗濯機100に内蔵される制御装置81と端末装置200において実行されるアプリケーションの双方により実現されてもよい。
【0023】
洗濯支援サーバ300は、運転コースに関する情報を洗濯機100又は端末装置200に提供する。また、洗濯支援サーバ300は、洗濯機100において実行可能な運転コースのデータを洗濯機100に提供する。
【0024】
[1-1-2.洗濯機の構成]
図2は、本開示の実施の形態1における洗濯機100の構成を示す縦断面図である。なお、本実施の形態では、図2に示すように洗濯機100が設置された状態での鉛直方向を上下方向として記載する場合がある。また、洗濯機100の蓋体52が存在する側(図2における左側)を洗濯機100の前側、対向する側(図2における右側)を洗濯機100の後ろ側として、記載する場合がある。
【0025】
図2において、洗濯機100には、上部前面部に操作表示部79が設けられており、操作表示部79の近傍には洗濯機通信部230が設けられている。操作表示部79は、運転コース等のモードや各種機能の指定(選択)が可能な入力装置と、入力装置に入力された情報などを表示する表示装置とが併設されたタッチパネルとして構成される。洗濯機筐体41の上部前面部には、電源ボタンなどの入力部104も設けられている。使用者は、操作表示部79や入力部104を介して、運転コース等のモードや各種機能の指定を行うことができる。
【0026】
洗濯機筐体41内の上部には、制御装置81が設けられている。
【0027】
洗濯機100の洗濯機筐体41の内部には、水槽ユニット49が設けられている。水槽ユニット49は、水槽42と、回転ドラム43と、第1のモータ101とを備えている。
【0028】
水槽42は、洗濯機筐体41の内部にサスペンション構造により揺動自在に配設されている。サスペンション構造は、洗濯機筐体41の下部に取り付けられた複数の防振ダンパー51と、洗濯機筐体41の上部と水槽42との間に設けられた複数のばね体50とにより構成され、水槽42を揺動自在に防振支持している。
【0029】
水槽42の内部には、有底円筒形に形成された回転ドラム43が回転自在に配設されている。回転ドラム43の回転中心部分には、水平方向に延在する回転軸(回転中心軸)44が設けられている。回転軸44には、水槽42の背面側近傍に配置された第1のモータ101が、ベルト46を介して連結されている。第1のモータ101により回転ドラム43が正転方向又は逆転方向に回転駆動される。
【0030】
回転ドラム43の内壁面には、洗濯物を撹拌するための数個の突起板47が設けられており、また、回転ドラム43の外周壁には、多数の通水孔48が設けられている。
【0031】
また、洗濯機筐体41には、回転ドラム43の衣類出入口53と対向する位置に筐体開口部45が設けられている。筐体開口部45を開閉自在に覆うように蓋体52が設けられている。蓋体52を開くことにより、衣類出入口53を通じて回転ドラム43内に洗濯物を出し入れすることができる。
【0032】
また、洗濯機筐体41の内部には、洗濯水(例えば、水道水)を水槽42内に供給する給水経路54と、水槽42内の洗濯水を洗濯機筐体41の外部に排出する排水経路55と、が設けられている。
【0033】
給水経路54は、第1の給水ホース59と、第2の給水ホース60と、洗剤自動投入装置61と、注水ホース62などで構成されている。
【0034】
第1の給水ホース59には、第1の給水弁57が設けられている。第2の給水ホース60には、第2の給水弁58が設けられている。洗剤自動投入装置61は、所定量の洗剤を収納することができる。
【0035】
第1の給水弁57を開くことにより、水が第1の給水ホース59から図示しない注水口を介して、水槽42に給水される。
【0036】
また、第2の給水弁58を開くことにより、水が第2の給水ホース60から洗剤自動投入装置61に流入し、洗剤自動投入装置61の洗剤弁(図示せず)から吐出された所定量の洗剤とともに注水ホース62から水槽42内に供給される。
【0037】
排水経路55は、排水管64と、フィルタ65と、排水ポンプ63と、排水ホース66とで構成されている。
【0038】
排水管64は、水槽42の底部の凹部71に設けられた排水口95と、フィルタ65とに接続されている。フィルタ65は、洗濯水内の糸屑類を補集するものであり、外部から取り外し可能に構成されている。
【0039】
凹部71には、洗濯水を加熱するためのヒータ72が設けられ、ヒータ72の近傍には、洗濯水の温度を検知する温度検知部73が設けられている。
【0040】
排水ポンプ63は、フィルタ65と排水ホース66とに接続されている。排水ホース66は、洗濯機筐体41の内部から洗濯機筐体41の外部の上方まで延在するように設けられている。洗い工程終了時、すすぎ工程終了時などの所定のタイミングで、排水ポンプ63が駆動することによって、水槽42内の洗濯水が、排水管64、フィルタ65、排水ポンプ63、及び排水ホース66を順に通過して外部に排水される。
【0041】
また、水槽42の底部後方の側壁には、排水管64と連通するようにエアートラップ74が形成されている。エアートラップ74は、空気管75に接続され、空気管75は、洗濯機筐体41内の上部に設けられた水位検知部85に接続されている。水位検知部85は、例えば、圧力センサなどで構成されており、水槽42内部の洗濯水の水圧、すなわち、対応するエアートラップ74内の圧力に基づいて、水槽42内の洗濯水の水位を検知する。
【0042】
また、水槽42の上面後部には、水槽ユニット49の振動を検知する振動検知部78が配設されている。本実施の形態では、振動検知部78として、一方向の振動だけでなく前後方向(X軸方向)、左右方向(Y軸方向)、上下方向(Z軸方向)の3次元方向の振動成分を検出する加速度センサが用いられている。
【0043】
ここでは、振動検知部78が検知する3次元方向のそれぞれの軸を「検知軸」という。実際の水槽ユニット49の振動は、必ずしも一方向にのみ発生するものではないので、振動検知部78として複数方向の振動を検知する加速度センサが用いられることで、水槽ユニット49の振動を高精度で検知することができる。制御装置81は、振動検知部78の検知結果に基づいて運転を制御する。
【0044】
図3は、実施の形態1に係る洗濯機100の洗剤自動投入装置61の外観を示す。洗剤自動投入装置61は、内部に処理剤を貯留可能な3つのタンク(第1のタンク86a、第2のタンク86b、第3のタンク86c)と、それぞれのタンクに貯留された処理剤を水槽42に自動投入する自動投入ユニット87とを備える。自動投入ユニット87は、ピストン、シリンダ、ポンプ、モータ、弁などにより構成される。3つのタンク86のうち少なくとも1つは、貯留される処理剤の種類を変更可能とされる。例えば、洗剤、中性洗剤、柔軟剤、漂白剤などの処理剤が3つのタンク86のうちの1つに変更可能に貯留されてもよい。3つのタンク86のうちの残りの2つは、貯留される処理剤の種類が定められてもよいし、任意の種類の処理剤を貯留可能としてもよい。前者の場合、例えば、洗剤専用のタンクと柔軟剤専用のタンクが設けられてもよい。
【0045】
図4は、実施の形態1に係る洗濯機100の制御装置81の機能構成を示す。本図は、主に、洗濯機100の運転コースを設定するための機能構成を示す。制御装置81は、処理装置120及び記憶装置160を備える。
【0046】
記憶装置160は、処理装置120が使用するデータ、プログラム、パラメータなどを記憶する。記憶装置160は、運転コース情報保持部161、運転コースデータ保持部162、及び設定履歴保持部163を備える。なお、記憶装置160は、半導体メモリ、ハードディスク、クラウドストレージなどであってもよい。
【0047】
運転コース情報保持部161は、洗濯機100が設定可能な運転コースに関する情報を保持する。運転コース情報保持部161は、運転コース毎に、運転コースの名称、概要、所要時間、洗濯可能な洗濯対象の容量、洗濯可能な洗濯対象の種類、洗濯可能な汚れの種類又は程度、表示の優先度、設定回数などの情報を保持する。なお、運転コース情報保持部161は、運転コース毎に、運転コースの識別番号を保持してもよい。
【0048】
運転コースデータ保持部162は、運転コースに規定されたパラメータの値などを保持する。
【0049】
設定履歴保持部163は、洗濯機100において運転コースが設定された履歴に関する情報を保持する。設定履歴保持部163は、設定された運転コースの名称、3つのタンク86内に貯留されたそれぞれの処理剤の自動投入の有無や投入量、設定日時、変更された設定の内容、オプション設定の内容などの情報を保持する。
【0050】
図5は、設定履歴保持部163の内部データの構成及び例を示す。図5に示すように、設定履歴保持部163には、設定履歴毎に、番号、運転コース名称及び自動投入モードの設定内容である自動投入モードが対応付けて格納される。番号は、設定履歴のそれぞれを識別するための履歴番号であり、本実施の形態では一例として、設定履歴の登録順(運転コースの実行順)に1から連続する自然数が割り振られている。すなわち、番号によって、各設定履歴に係る運転コースの実行の前後関係が示されているとも言える。運転コース名称は、設定された運転コースの名称である。自動投入モードの設定内容は、洗剤が貯留された第1のタンク86a、柔軟剤が貯留された第2のタンク86b、及び中性洗剤が貯留された第3のタンク86cのそれぞれの自動投入の有無を含む。3つのタンク86のうち少なくとも1つに貯留される処理剤の種類が変更可能とされている場合は、自動投入された処理剤の種類が設定履歴として格納されてもよい。図5は、例えば、番号が「1」である設定履歴の運転コース名称は「コースA」、自動投入モードは、第1タンク及び第2タンクが「有」、第3タンクが「無」であり、つまり第1のタンク86a及び第2のタンク86bからの自動投入が行われたことを示している。
【0051】
処理装置120は、表示制御部121、運転コース設定部122、オプション設定部123、履歴提示部124、設定履歴記録部125、履歴情報送信部126、設定情報受信部127、及び報知部128を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で実現できる。また、これらの構成は、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。図4は、一例として、ハードウエア及びソフトウエアの連携によって実現される処理装置120の構成を、機能ブロックにより示している。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。なお、CPUが実行するプログラムは、予めメモリに記録されているものに限らず、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット2等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0052】
表示制御部121は、操作表示部79に表示される表示画面を生成し、操作表示部79に表示する。
【0053】
運転コース設定部122は、設定可能な運転コースの情報を操作表示部79に表示し、操作表示部79を介して使用者から運転コースの指定を受け付ける。運転コース設定部122は、指定された運転コースのデータを運転コースデータ保持部162から読み出して設定する。なお、ここでは、運転コース設定部122が操作表示部79に表示するとしたが、表示制御部121を介して操作表示部79に表示してもよい。
【0054】
オプション設定部123は、運転コースにおいて設定可能なオプションの指定を使用者から受け付ける。オプション設定部123は、3つのタンク86内に貯留されている処理剤の自動投入の有無や投入量を使用者から受け付けて設定する。オプション設定部123は、更に、洗濯工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の時間、回数、水位、水温などを使用者から受け付けて設定する。
【0055】
履歴提示部124は、設定履歴保持部163に保持された履歴情報に含まれる運転コースを使用者が指定可能に操作表示部79に表示する。なお、ここでは、履歴提示部124が操作表示部79に表示するとしたが、表示制御部121を介して操作表示部79に表示してもよい。操作表示部79に表示された運転コースのいずれかを使用者が指定すると、運転コース設定部122は、指定された運転コースのデータを運転コースデータ保持部162から読み出して設定する。
【0056】
設定履歴記録部125は、設定された運転コースと処理剤の自動投入に関する情報を設定履歴保持部163に記録する。設定履歴保持部163には、所定回数分の運転コースの設定履歴が保持されてもよい。この場合、運転コースの設定回数が所定回数を超えると、設定履歴記録部125は、設定履歴保持部163に記憶されている最古の設定履歴を最新の設定履歴で上書きしてもよい。既に設定履歴保持部163に記憶されている運転コースと同じ運転コースが設定された場合、設定履歴記録部125は、重複する運転コースを別の設定履歴として設定履歴保持部163に記録してもよいし、重複する運転コースの記録を省略してもよい。設定履歴記録部125は、運転コースが設定されたときの曜日、気象条件、使用者のスケジュールなどの関連情報を更に設定履歴保持部163に記録してもよい。設定履歴記録部125は、運転コースが洗濯機100の操作表示部79により設定されたのか、端末装置200により設定されたのかを示す情報を更に設定履歴保持部163に記録してもよい。
【0057】
履歴情報送信部126は、設定履歴保持部163に保持されている運転コースの設定履歴を含む履歴情報を洗濯支援サーバ300経由で端末装置200に送信する。履歴情報送信部126は、端末装置200又は洗濯支援サーバ300から履歴情報の送信を要求されたときに履歴情報を送信してもよいし、所定のタイミングで、例えば所定の時間間隔で定期的に履歴情報を送信してもよい。なお、上述の通り、履歴情報は設定履歴(図5参照)を含むが、その他の情報として、例えば時間に関する情報(一例として、日付等)の情報を含んでもよい。
【0058】
設定情報受信部127は、端末装置200から送信された、使用者に指定された運転コースやオプションの情報を含む設定情報を受信し、設定情報に含まれる運転コースとオプションを設定する。設定情報受信部127は、指定された運転コースを示す情報として、運転コースの識別情報を受信してもよい。この場合、設定情報受信部127は、運転コース情報保持部161を参照して、受信した識別情報から運転コースを識別して設定する。
【0059】
報知部128は、運転コース設定部122が使用者から指定を受け付けた運転コースが、現在3つのタンク86に貯留されていない処理剤が使用される運転コースであるなどの理由により設定できない運転コースである場合、その旨を使用者に報知する。報知部228は、指定された運転コースの内容、設定条件、設定することができない理由などの詳細情報を使用者に提示してもよい。
【0060】
[1-1-3.端末装置の構成]
図6は、実施の形態1に係る端末装置200の機能構成を示す。本図は、端末装置200において実行されるアプリケーションのうち、洗濯機100の運転コースを設定するための機能構成を主に示す。端末装置200は、通信装置201、入力装置202、表示装置203、処理装置220、及び記憶装置260を備える。端末装置200は、パーソナルコンピューターなどの端末装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末装置であってもよいし、ホーム端末、テレビジョン受像機、車載機器などであってもよい。
【0061】
通信装置201は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。入力装置202は、端末装置200の使用者による指示入力を処理装置220に伝達する。入力装置202は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置203は、処理装置220により生成される画面を表示する。表示装置203は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置202及び表示装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0062】
記憶装置260は、処理装置220により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置260は、半導体メモリ、ハードディスク、クラウドストレージなどであってもよい。記憶装置260は、運転コース情報保持部261を備える。
【0063】
図7は、運転コース情報保持部261の内部データの構成及び例を示す。図7に示すように、運転コース情報保持部261には、運転コース毎に、番号、運転コース名称、端末操作可否、予約可能時間及び剤自動投入情報が対応付けて格納される。番号は、運転コースそれぞれを識別するための識別番号であり、運転コース名称は、設定された運転コースの名称である。端末操作可否は、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースであるか否かを示す情報であり、洗濯機100の製造主体などにより予め定められる。端末装置200から洗濯機100に設定不可な端末操作不許可コースは、例えば、以下のようなコースを含む。現在3つのタンク86に貯留されていない処理剤が使用される運転コース、手動投入が必要な特定の処理剤を必要とする運転コース、所定時間未満で運転終了する運転コース及び洗濯機100に対する事前の設定が必要な運転コースが含まれる。また、洗濯機100の機能上又は製造上の事情により端末装置200からの設定を受け付けるべきでないコース及び洗濯機100に運転コースのデータをダウンロードさせることが必要なコースなどが含まれる。新たに洗濯支援サーバ300に登録され、洗濯機100にダウンロードされる運転コースとして、端末操作不許可コースと端末操作不許可コースでない通常の運転コースとが含まれてもよい。
【0064】
図7は、例えば、番号が「1」である運転コースの運転コース名称は「コースA」であり、端末操作可否は「可」、つまり、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースであることを示している。また、この番号が「1」である運転コースの予約可能時間は「任意」であり、剤自動投入情報は「洗剤/柔軟剤」であることを示している。
【0065】
処理装置220は、表示制御部221、運転コース受付部222、履歴取得部223、履歴提示部224、設定情報送信部225、運転コース登録部226、運転コース情報取得部227、及び報知部228を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。図6は、一例として、ハードウエア及びソフトウエアの連携によって実現される処理装置220の構成を、機能ブロックにより示している。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。なお、CPUが実行するプログラムは、予めメモリに記録されているものに限らず、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット2等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0066】
表示制御部121は、表示装置203に表示される表示画面を生成し、表示装置203に表示する。
【0067】
運転コース受付部222は、洗濯機100に実行させる運転コースの指定を使用者から受け付ける。運転コース受付部222は、設定可能な運転コースの情報を表示装置203に表示し、入力装置202を介して使用者から指定を受け付ける。なお、ここでは、運転コース受付部222が表示装置203に表示するとしたが、表示制御部221を介して表示装置203に表示してもよい。
【0068】
履歴取得部223は、洗濯機100において実行された運転コースの履歴を含む履歴情報を取得する。履歴取得部223は、洗濯支援サーバ300に履歴情報の取得を要求し、洗濯機100から履歴情報を取得した洗濯支援サーバ300から履歴情報を取得する。履歴取得部223は、洗濯機100から履歴情報を直接取得してもよい。履歴取得部223は、履歴情報を表示するときに履歴情報を取得してもよいし、所定のタイミングで履歴情報を取得してもよい。前者の場合、最新の履歴情報を取得することができ、また、通信負荷を低減させることができる。後者の場合、表示速度を向上させることができる。
【0069】
履歴提示部224は、履歴取得部223により取得された履歴情報に含まれる運転コースを使用者が指定可能に表示装置203に表示する。なお、ここでは、履歴提示部224が表示装置203に表示するとしたが、表示制御部221を介して表示装置203に表示してもよい。表示装置203に表示された運転コースのいずれかを使用者が指定すると、運転コース受付部222は、使用者による運転コースの指定を受け付ける。
【0070】
設定情報送信部225は、指示部として機能し、使用者により指定された運転コースが端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースであるか否かに応じて、以下のように処理する。即ち、設定情報送信部225は、使用者により指定された運転コースが端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースである場合、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示する。具体的には、設定情報送信部225は、指定された運転コースの情報を含む設定情報を、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100に送信して、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示する。一方、使用者により指定された運転コースが端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コース(端末操作不許可コース)である場合、設定情報送信部225は、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示しない。つまり、端末操作不許可コースである場合、設定情報送信部225は、指定された運転コースの情報を含む設定情報を送信しない。
【0071】
運転コース登録部226は、使用者によりカスタマイズされた内容の運転コースを登録する。運転コース登録部226は、新たな運転コースの内容と名称を使用者から受け付け、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100に送信する。洗濯機100は、受信した運転コースの情報を運転コース情報保持部161及び運転コースデータ保持部162に登録する。ユーザにより登録された運転コースは、既存の運転コースと同様に、洗濯機100の運転コース設定部122によっても設定可能であり、端末装置200の運転コース受付部222によっても設定可能である。また、ユーザにより登録された運転コースが実行された場合も設定履歴保持部163に設定履歴が記録され、履歴提示部224により使用者が指定可能に表示装置203に表示される。なお、洗濯機100が運転コースの登録機能を有してもよい。この場合、洗濯機100の制御装置81は、使用者によりカスタマイズされた内容の運転コースを登録する運転コース登録部を更に備える。
【0072】
運転コース情報取得部227は、洗濯機100において実行可能な運転コースの情報を洗濯支援サーバ300から取得して運転コース情報保持部261に格納する。運転コース情報取得部227は、運転コース受付部222が使用者から運転コースの指定を受け付けるために運転コースの情報を表示する際に運転コースの情報を取得してもよい。又は、運転コース情報取得部227は、アプリケーションが起動されたときに運転コースの情報を取得してもよいし、所定のタイミングで定期的に運転コースの情報を取得してもよい。
【0073】
報知部228は、運転コース受付部222が使用者から指定を受け付けた運転コースが端末操作不許可コースである場合、その旨を使用者に報知する。報知部228は、指定された運転コースは端末装置200から洗濯機100に設定することができないので洗濯機100において設定すべきことを使用者に報知する。報知部228は、指定された運転コースの内容、設定条件、端末装置200から設定することができない理由などの詳細情報を使用者に提示してもよい。
【0074】
図8は、実施の形態1に係る端末装置200の表示装置203に表示される表示画面の例を示す。図8に示した表示画面は、端末装置200において洗濯機100の運転コースを設定するためのアプリケーションが起動された後に表示されるトップ画面400である。トップ画面400には、領域401~403及びボタン404~406が表示される。領域401は、運転コースの種類の指定を受け付けるための領域である。領域402は、処理剤の自動投入に関する設定を受け付けるための領域である。領域403は、運転コースの実行時間を設定するための領域である。ボタン404は、運転コースの実行履歴を表示するためのボタンである。ボタン405は、指定した運転コースの実行を開始させるためのボタンである。ボタン406は、運転コースを検索するためのボタンである。
【0075】
領域401には、洗濯を行うための運転コース、洗濯と乾燥を行うための運転コース、乾燥のみを行うための運転コースの種類がスクロール表示される。領域402には、3つのタンク86のそれぞれに貯留されている処理剤の種類が表示され、それぞれの処理剤について自動投入の有無が設定可能となっている。ボタン405が入力されると、運転コース受付部222は、指定された運転コースの種類と処理剤の自動投入に関する設定を受け付ける。設定情報送信部225は、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100に設定情報を送信する。
【0076】
ボタン404が入力されると、履歴取得部223は、履歴情報を取得する。履歴提示部224は、履歴情報を表示する履歴画面410に遷移させる。
【0077】
図9は、実施の形態1に係る端末装置200の表示装置203に表示される履歴画面410の例を示す。履歴画面410には、洗濯機100において実行された運転コースの履歴が表示される。履歴提示部224は、履歴情報の中に含まれる運転コースを、端末操作可否にかかわらず全て表示する。履歴提示部224は、端末操作不許可コースを、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースとは異なる態様で提示してもよい。具体的には、端末操作不許可コースと、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースとが、例えば、文字の色、書体、サイズ及び背景色等の少なくとも1つを変えて表示されてもよい。履歴画面410に表示された複数の運転コースのうちのいずれかが指定された状態でボタン405が入力されると、運転コース受付部222は、指定された運転コースの種類を受け付ける。設定情報送信部225は、使用者により指定された運転コースが、端末操作可能なコースである場合、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100に設定情報を送信して、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示する。使用者により指定された運転コースが、端末操作不許可コースである場合、設定情報送信部225は、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示しない。つまり、端末操作不許可コースである場合、設定情報送信部225は、設定情報を送信しない。
【0078】
履歴情報に、洗濯機100において実行された運転コースの種類に加えて、オプション設定の情報が含まれる場合は、それらの情報が履歴画面410に表示されてもよい。オプション設定の情報とは、その運転コースが実行されたときに設定された処理剤の自動投入の有無、投入量や、洗濯工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の時間、回数、水位、水温などである。この場合、設定情報送信部225は、設定情報を送信する際に、これらのオプション設定も含めた設定情報を送信してもよい。又は、設定情報送信部225は、オプション設定をデフォルト設定に戻した設定情報を送信してもよいし、あらためて使用者から受け付けたオプション設定を含めた設定情報を送信してもよい。
【0079】
履歴情報の中に同一の運転コースが複数回含まれる場合、履歴提示部224は、同一の運転コースを複数回表示してもよいし、1回のみ表示してもよい。前者の場合、複数回実行された運転コースを発見しやすくすることができる。後者の場合、同時に表示される運転コースの種類の数を多くすることができる。
【0080】
履歴提示部224は、履歴情報に含まれる運転コースの頻度に応じた表示順で運転コースを表示してもよい。例えば、履歴提示部224は、履歴情報に含まれる運転コースの頻度が多い順に運転コースを表示してもよい。これにより、実行頻度の多い運転コースを設定しやすくすることができる。
【0081】
履歴提示部224は、運転コースが実行されたときの日時、曜日、気象条件、使用者のスケジュールなどの関連情報に基づいて、履歴情報に含まれる運転コースの表示順を決定してもよい。履歴提示部224は、現在の状況と同様の状況において実行された運転コースを優先的に表示してもよい。例えば、現在の天気が雨である場合、履歴情報に含まれる運転コースのうち、雨の日に実行された運転コースを優先的に表示してもよい。また、前日に使用者が外出していた場合、履歴情報に含まれる運転コースのうち、使用者が外出した後に実行された運転コースを優先的に表示してもよい。これにより、使用者により設定される可能性が高い運転コースを優先的に表示することができる。
【0082】
履歴提示部224は、履歴情報に含まれる運転コースが実行されたときの関連情報に基づいた機械学習により運転コースを分類し、状況に合った運転コースを優先的に表示してもよい。例えば、曜日ごとに運転コースの設定傾向が異なる場合は、履歴情報に含まれる運転コースのうち、曜日に合った運転コースを優先的に表示してもよい。これにより、使用者により設定される可能性が高い運転コースを優先的に表示することができる。
【0083】
履歴提示部224は、履歴情報に含まれる運転コースが、洗濯機100の操作表示部79により設定されたのか、端末装置200により設定されたのかを示す情報を表示してもよい。履歴提示部224は、洗濯機100の操作表示部79により設定された運転コースと、端末装置200により設定された運転コースとを分けて表示してもよい。例えば、洗濯機100の操作表示部79により設定された運転コースを表示するためのボタンと、端末装置200により設定された運転コースを表示するためのボタンが設けられてもよい。また、履歴提示部224は、洗濯機100の操作表示部79により設定された運転コースと、端末装置200により設定された運転コースとを別のタブに表示してもよい。履歴情報に、洗濯機100の操作表示部79により設定されたのか、端末装置200により設定されたのかを示す情報が含まれていてもよいし、洗濯機100と端末装置200とがそれぞれ別に履歴情報を保持してもよい。後者の場合、端末装置200は、設定履歴記録部と、設定履歴保持部とを更に備えてもよい。
【0084】
図8に示したトップ画面400において、ボタン406が入力されると、運転コース受付部222は、運転コースを検索するための検索画面420に遷移させる。
【0085】
図10は、実施の形態1に係る端末装置200の表示装置203に表示される検索画面420の例を示す。検索画面420には、検索条件を入力するための領域421が表示される。検索条件が入力されると、運転コース受付部222は、運転コース情報保持部261に格納された運転コースの中から、入力された検索条件に基づいて運転コースを検索する。
【0086】
図11は、実施の形態1に係る端末装置200の表示装置203に表示される検索画面420の例を示す。運転コース受付部222は、検索結果を表示するための領域422に、検索された運転コースの情報を表示する。運転コース受付部222は、検索結果の中に含まれる運転コースを、端末操作可否にかかわらず全て表示する。運転コース受付部222は、端末操作不許可コースを、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースとは異なる態様で提示してもよい。具体的には、端末操作不許可コースと、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースとが、例えば、文字の色、書体、サイズ及び背景色等の少なくとも1つを変えて表示されてもよい。それぞれの運転コースの領域がタップされると、運転コース受付部222は、その運転コースの詳細情報を表示する。
【0087】
図12は、実施の形態1に係る端末装置200の表示装置203に表示される検索画面420の例を示す。運転コース受付部222は、運転コースの詳細情報423を検索画面420に表示する。これにより、端末操作不許可コースに関する詳細情報も使用者に提示することができるので、端末操作不許可コースの存在を使用者に認知させ、使用を促すことができる。運転コース受付部222は、運転コースの詳細情報として、例えば、運転コースの内容、実行条件、実行上の注意点、端末操作が不許可である理由などを表示してもよい。
【0088】
図13は、実施の形態1に係る端末装置200の表示装置203に表示される報知画面430の例を示す。報知画面430は、指定された運転コースは端末装置200から洗濯機100に設定することができないので洗濯機100において設定すべきことを使用者に報知するための画面である。運転コース受付部222が使用者から指定を受け付けた運転コースが端末操作不許可コースである場合、報知部228は、報知画面430を表示する。これにより、例えば、洗濯機100の安全性などに配慮して推奨される使用方法を洗濯機100本体から使用者に伝えた上で運転コースを設定させることができる。
【0089】
[1-2.動作]
以上のように構成された洗濯システム1について、以下その動作、作用を説明する。
【0090】
図14及び図15は、実施の形態1に係る洗濯システム1の制御処理の手順を示す図である。端末装置200においてアプリケーションが起動されると(図14のステップS10)、表示制御部221は、トップ画面400を表示装置203に表示する(ステップS12)。運転コース情報取得部227は、洗濯支援サーバ300に運転コース情報の取得を要求する(ステップS14)。洗濯支援サーバ300は、運転コース情報を端末装置200に送信する(ステップS16)。運転コース情報取得部227は、運転コース情報を受信して運転コース情報保持部261に格納する。運転コース受付部222は、端末操作不許可コースを含む運転コースの一覧を領域401に表示する(ステップS18)。
【0091】
運転コースの実行履歴を表示するためのボタン404が入力されると(ステップS24)、履歴取得部223は、洗濯支援サーバ300に履歴情報の取得を要求する(ステップS26)。洗濯支援サーバ300は、洗濯機100に履歴情報の取得を要求する(ステップS28)。洗濯機100の履歴情報送信部126は、設定履歴保持部163に格納された設定履歴を含む履歴情報を洗濯支援サーバ300に送信する(ステップS30)。洗濯支援サーバ300は、洗濯機100から受信した履歴情報を端末装置200に送信する(ステップS32)。端末装置200の履歴提示部224は、洗濯支援サーバ300から受信した履歴情報に含まれる運転コースを、端末操作可否にかかわらず、使用者が指定可能に表示装置203に表示する(ステップS34)。履歴提示部224は、端末操作不許可コースを、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースとは異なる態様で表示してもよい。
【0092】
続いて、端末装置200において、表示装置203に表示された運転コースのいずれかを使用者が指定すると、運転コース受付部222は、使用者による運転コースの指定を受け付ける(図15のステップS40)。使用者により指定された運転コースが端末操作不許可コースである場合(ステップS42のY)、報知部228は、端末装置200から洗濯機100に設定できない運転コースであることを使用者に報知し(ステップS44)、ステップS40に戻る。端末操作不許可コースでない場合(ステップS42のN)、設定情報送信部225は、運転コース受付部222が使用者から指定を受け付けた運転コースの情報を含む設定情報を洗濯支援サーバ300に送信する(ステップS46)。洗濯支援サーバ300は、端末装置200から受信した設定情報を洗濯機100に送信する(ステップS48)。表示装置203に表示された運転コースのいずれかを使用者が指定すると、指定された運転コースの設定内容が反映された状態で図8に示したトップ画面400が表示されてもよい。また、必要に応じて処理剤の自動投入や運転コースの実行時間などが設定又は変更された後、ボタン405が入力されることにより設定情報が送信されてもよい。
【0093】
上記では、端末装置200において履歴情報から運転コースの指定を受け付ける場合を説明したが、洗濯機100において履歴情報から運転コースの指定を受け付ける場合も同様である。
【0094】
図16は、実施の形態1に係る洗濯機100の操作表示部79に表示される表示画面の例を示す。図16に示した表示画面は、洗濯機100の電源ボタンが投入された後に表示されるトップ画面500である。トップ画面500には、ヘッダー領域505が常時表示される。ヘッダー領域505は、メニューボタン501、トップ画面ボタン502、検索ボタン503及び通知ボタン504を含む。メニューボタン501は、メニュー画面に遷移するためのボタンである。トップ画面ボタン502は、トップ画面500以外の画面が表示されている場合にトップ画面500に遷移させるためのボタンである。検索ボタン503は、運転コースの検索画面に遷移するためのボタンである。通知ボタン504は、使用者に対する通知を表示するためのボタンである。ヘッダー領域505の各ボタンが入力されると、入力されたボタンに応じた内容が表示される。なお、ヘッダー領域505は、トップ画面500に限らず、トップ画面500以外の画面においても表示されてもよい。
【0095】
履歴提示部124は、洗濯機100において実行された運転コースの履歴506をトップ画面500に表示する。それぞれの履歴506a、506b、506cには、運転コースの名称と、運転コースの種別(洗濯のみ、洗濯及び乾燥、乾燥のみ)と、自動投入モードの設定内容が表示される。自動投入モードの設定内容として、洗剤が貯留された第1のタンク86a、柔軟剤が貯留された第2のタンク86b、及び中性洗剤が貯留された第3のタンク86cのそれぞれの自動投入の有無が表示される。履歴506に表示された複数の運転コースのうちのいずれかが指定されると、運転コース設定部122は、指定された運転コースを設定する。指定された運転コースが、現在、制御装置81から設定できない運転コース(以下、「設定不可コース」ともいう)である場合、運転コース設定部122は、指定された運転コースを設定しない。そして報知部128は、指定された運転コースを設定できない旨を使用者に報知する。
【0096】
図17は、実施の形態1に係る洗濯機100の制御処理の手順を示すフローチャートである。洗濯機100の電源がオンになると(ステップS50)、表示制御部121は、操作表示部79にトップ画面500を表示する(ステップS52)。履歴提示部124は、運転コースの履歴506をトップ画面500に表示する(ステップS54)。履歴506に表示された複数の運転コースのうちのいずれかが指定されると、運転コース設定部122は、指定された運転コースを受け付ける(ステップS56)。使用者により指定された運転コースが設定不可コースである場合(ステップS58のY)、報知部128は、現在、制御装置81から設定できない運転コースであることを使用者に報知し(ステップS60)、ステップS56に戻る。設定不可コースでない場合(ステップS58のN)、運転コース設定部122は、使用者から指定を受け付けた運転コースを設定する(ステップS62)。設定履歴記録部125は、設定された運転コースと処理剤の自動投入に関する情報を設定履歴保持部163に記録する(ステップS64)。
【0097】
なお、以下では、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コース及び制御装置81から洗濯機100に設定可能な運転コースを単に「設定可能な運転コース」ともいう。また、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コース(端末操作不許可コース)及び制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コース(設定不可コース)を「設定不可能な運転コース」ともいう。
【0098】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、端末装置200は、洗濯機100を制御する制御装置として機能する。端末装置200は、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース受付部222又は履歴提示部224を備える。運転コースは、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースと、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースとを含む。ここで、運転コース受付部222又は履歴提示部224は、本開示における運転コース提示部の一例に相当する。また、本実施の形態において、制御装置81は、洗濯機100を制御する。制御装置81は、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース設定部122又は履歴提示部124を備える。運転コースは、制御装置81から洗濯機100に設定可能な運転コースと、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースとを含む。ここで、運転コース設定部122又は履歴提示部124は、本開示における運転コース提示部の一例に相当する。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定不可能な運転コースも使用者に提示して周知させることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0099】
また、本実施の形態において、運転コース受付部222又は履歴提示部224は、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースを、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースとは異なる態様で提示する。また、本実施の形態において、運転コース設定部122又は履歴提示部124は、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースを、制御装置81から洗濯機100に設定可能な運転コースとは異なる態様で提示する。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定可能な運転コースと設定不可能な運転コースを視覚的に分かりやすく提示することができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施の形態において、端末装置200は、提示された運転コースの中から洗濯機100に実行させる運転コースの指定を使用者から受け付ける運転コース受付部222を備える。端末装置200は、使用者により指定された運転コースが、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースである場合、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示しない。また、本実施の形態において、制御装置81は、提示された運転コースの中から洗濯機100に実行させる運転コースの指定を使用者から受け付ける運転コース設定部122を備える。制御装置81は、使用者により指定された運転コースが、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースである場合、使用者により指定された運転コースを実行するよう洗濯機100に指示しない。ここで、運転コース設定部122は、本開示における運転コース受付部の一例に相当する。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定不可能な運転コースも使用者に提示して周知させることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0101】
また、本実施の形態において、報知部228は、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースを使用者が指定した場合、その旨を使用者に報知する。また、本実施の形態において、報知部128は、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースを使用者が指定した場合、その旨を使用者に報知する。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定不可能な運転コースも使用者に提示して周知させることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0102】
また、本実施の形態において、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースを使用者が指定した場合、指定された運転コースは洗濯機100において設定すべき旨を使用者に報知する。これにより、端末装置200は、その運転コースの使用を使用者に促すことができる。
【0103】
また、本実施の形態において、運転コース受付部222は、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースの詳細を使用者に提示する。また、本実施の形態において、運転コース設定部122は、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースの詳細を使用者に提示する。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定不可能な運転コースを使用者に周知し、使用を促すことができる。
【0104】
また、本実施の形態において、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースは、洗濯機100において自動投入される処理剤を貯留するための3つのタンク86に貯留されていない処理剤を使用する運転コース、特定の剤を必要とする運転コース、所定時間未満で運転終了する運転コース、洗濯機100に対する設定が必要な運転コース、又は洗濯機100に運転コースのデータをダウンロードさせることが必要なコースを含む。これにより、端末装置200は、様々な事情により端末操作が不許可である運転コースを使用者に提示して周知させることができる。
【0105】
また、本実施の形態において、制御プログラムは、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース受付部222又は履歴提示部224として端末装置200を機能させる。運転コースは、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースと、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースとを含む。また、本実施の形態において、制御プログラムは、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示する運転コース設定部122又は履歴提示部124として制御装置81を機能させる。運転コースは、制御装置81から洗濯機100に設定可能な運転コースと、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースとを含む。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定不可能な運転コースも使用者に提示して周知させることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0106】
また、本実施の形態において、制御方法は、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示するステップを端末装置200に実行させる。運転コースは、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースと、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースとを含む。また、本実施の形態において、制御方法は、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示するステップを制御装置81に実行させる。運転コースは、制御装置81から洗濯機100に設定可能な運転コースと、制御装置81から洗濯機100に設定可能でない運転コースとを含む。これにより、端末装置200及び制御装置81は、設定不可能な運転コースも使用者に提示して周知させることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。
【0107】
また、本実施の形態において、洗濯システム1は、洗濯機100と、洗濯機100とインターネット2を介して通信可能な端末装置200とを含む。端末装置200は、運転コース受付部222又は履歴提示部224と、運転コース受付部222と、設定情報送信部225とを備える。運転コース受付部222又は履歴提示部224は、洗濯機100が実行可能な運転コースを使用者に提示する。運転コース受付部222は、提示された運転コースの中から洗濯機100に実行させる運転コースの指定を使用者から受け付ける。設定情報送信部225は、受け付けた運転コースが、端末装置200から洗濯機100に設定可能な運転コースである場合には、受け付けた運転コースを実行するよう洗濯機100に指示する。一方、設定情報送信部225は、受け付けた運転コースが、端末装置200から洗濯機100に設定可能でない運転コースである場合には、受け付けた運転コースを実行するよう洗濯機100に指示しない。ここで、設定情報送信部225は、本開示における指示部の一例に相当する。これにより、端末装置200は、端末操作不許可コースも使用者に提示して周知させることができるので、洗濯機100の使用者の利便性を向上させることができる。なお、本実施の形態では、本開示のネットワークの一例として、インターネット2を用いて説明したが、本開示のネットワークは、他の電気通信回線、例えば、宅内で使用可能な無線LAN(Local Area Network)等であってもよい。この場合、端末装置200の使用者は、洗濯機100の設置場所(例えば洗面所)とは別の部屋から、洗濯機100の前に移動することなく、洗濯機100の運転コースを設定できる。
【0108】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0109】
本開示における制御装置による運転コースの提示として、実施の形態では、運転コースの情報を表示する例を説明した。これは一例であり、本開示における運転コースの提示は、画面表示によるものに限られず、例えば、スピーカ等からの音声出力によるものでもよい。この場合、本開示における制御装置から本開示における洗濯機に設定可能でない運転コースを、本開示における制御装置から本開示における洗濯機に設定可能な運転コースとは異なる態様で音声出力してもよい。具体的には、本開示における制御装置から本開示における洗濯機に設定可能でない運転コースと本開示における制御装置から本開示における洗濯機に設定可能な運転コースとが、例えば、音量、周波数等の少なくとも1つを変えて音声出力されてもよい。なお、使用者が運転コースの提示方法を、画面表示と音声出力とのいずれによるものとするかを選択可能にしてもよい。また、同様に、本開示における制御装置から本開示における洗濯機に設定可能でない運転コースを使用者が指定した場合の本開示における制御装置による報知も、画面表示によるものに限られず、音声出力によるものでもよい。
【0110】
また、本開示における使用者による運転コースの指定として、実施の形態では、操作表示部79や入力部104から選択する例を説明した。これは一例であり、本開示における使用者による運転コースの指定は、マイク等を介して音声入力により行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示は、各種洗濯機(例えば、縦型洗濯機、ドラム式洗濯機、二槽式洗濯機等)の制御に利用可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 洗濯システム
2 インターネット
41 洗濯機筐体
42 水槽
43 回転ドラム
44 回転軸
45 筐体開口部
46 ベルト
47 突起板
48 通水孔
49 水槽ユニット
50 ばね体
51 防振ダンパー
52 蓋体
53 衣類出入口
54 給水経路
55 排水経路
57 第1の給水弁
58 第2の給水弁
59 第1の給水ホース
60 第2の給水ホース
61 洗剤自動投入装置
62 注水ホース
63 排水ポンプ
64 排水管
65 フィルタ
66 排水ホース
71 凹部
72 ヒータ
73 温度検知部
74 エアートラップ
75 空気管
78 振動検知部
79 操作表示部
81 制御装置
85 水位検知部
86 3つのタンク
86a 第1のタンク
86b 第2のタンク
86c 第3のタンク
87 自動投入ユニット
95 排水口
100 洗濯機
101 第1のモータ
104 入力部
120 処理装置
121 表示制御部
122 運転コース設定部
123 オプション設定部
124 履歴提示部
125 設定履歴記録部
126 履歴情報送信部
127 設定情報受信部
128 報知部
160 記憶装置
161 運転コース情報保持部
162 運転コースデータ保持部
163 設定履歴保持部
200 端末装置
201 通信装置
202 入力装置
203 表示装置
220 処理装置
221 表示制御部
222 運転コース受付部
223 履歴取得部
224 履歴提示部
225 設定情報送信部
226 運転コース登録部
227 運転コース情報取得部
228 報知部
230 洗濯機通信部
260 記憶装置
261 運転コース情報保持部
300 洗濯支援サーバ
400 トップ画面
401 領域
402 領域
403 領域
404 ボタン
405 ボタン
406 ボタン
410 履歴画面
420 検索画面
421 領域
422 領域
423 詳細情報
430 報知画面
500 トップ画面
501 メニューボタン
502 トップ画面ボタン
503 検索ボタン
504 通知ボタン
505 ヘッダー領域
506 履歴
506a 履歴
506b 履歴
506c 履歴
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