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特許7555032環境制御システム、環境制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】環境制御システム、環境制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20240913BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240913BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240913BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240913BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20240913BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240913BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/19
H05B47/125
H05B47/16
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022553439
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2021004949
(87)【国際公開番号】W WO2022070456
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2020163032
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】奥野 達也
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌史
(72)【発明者】
【氏名】芝田 悠大
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158811(JP,A)
【文献】特開2012-074243(JP,A)
【文献】特許第6397091(JP,B1)
【文献】特表2019-528556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくとも1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部にて取得した前記第1ユーザ情報に基づいて、複数のグループの各々に割り当てられた1以上の環境提供装置を制御することで、前記複数のグループにそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する制御部と、を備え、
前記1以上の環境提供装置は、少なくとも送風装置以外の装置を含み、
前記制御部は、同じグループに割り当てられた同種の環境提供装置に対しては同じ制御信号を送信する、
環境制御システム。
【請求項2】
前記ユーザの予定情報、識別情報、及び位置情報のうちの1以上の情報を含む第2ユーザ情報を取得する第2取得部を更に備え、
前記制御部は、前記第1取得部にて取得した前記第1ユーザ情報と、前記第2取得部にて取得した前記第2ユーザ情報と、に基づいて、前記複数の空間の環境を制御する、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項3】
前記複数のグループのうちの1以上のグループにおける前記1以上の環境提供装置には、照明器具が含まれている、
請求項1又は2に記載の環境制御システム。
【請求項4】
前記複数のグループのうちの1以上のグループにおける前記1以上の環境提供装置には、音響装置が含まれている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項5】
前記複数のグループのうちの1以上のグループにおける前記1以上の環境提供装置には、香り発生装置が含まれている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項6】
前記複数のグループのうちの1以上のグループにおける前記1以上の環境提供装置には、映像装置が含まれている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項7】
前記複数のグループのうちの1以上のグループにおける前記1以上の環境提供装置には、送風装置が更に含まれている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、2以上の空間において互いに異なる環境を提供するように、前記複数の空間の環境を制御する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項9】
前記制御部による制御内容をユーザに通知する通知部を更に備える、
請求項1~8のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項10】
ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくともいずれか1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップにて取得した前記第1ユーザ情報に基づいて、複数のグループの各々に割り当てられた1以上の環境提供装置を制御することで、前記複数のグループにそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する制御ステップと、を含み、
前記1以上の環境提供装置は、少なくとも送風装置以外の装置を含み、
前記制御ステップでは、同じグループに割り当てられた同種の環境提供装置に対しては同じ制御信号を送信する、
環境制御方法。
【請求項11】
1以上のプロセッサに、
請求項10に記載の環境制御方法を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明制御装置が開示されている。この照明制御装置は、人体情報検知手段で検知した照明エリアの人間の動作速度に基づいて、照明エリアをあらかじめ複数に区分した各々の区分領域が人間の滞在する滞在領域か非滞在領域かを判定する。そして、照明制御手段は、判定結果に基づき、区分領域に配置された照明器具に対し照明制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-109876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザの満足度が向上しやすい環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る環境制御システムは、第1取得部と、制御部と、を備える。前記第1取得部は、ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくとも1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する。前記制御部は、前記第1取得部にて取得した前記第1ユーザ情報に基づいて、複数のグループの各々に割り当てられた1以上の環境提供装置を制御することで、前記複数のグループにそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する。前記1以上の環境提供装置は、少なくとも送風装置以外の装置を含む。
【0006】
本発明の一態様に係る環境制御方法は、第1取得ステップと、制御ステップと、を含む。前記第1取得ステップでは、ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくともいずれか1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する。前記制御ステップでは、前記第1取得ステップにて取得した前記第1ユーザ情報に基づいて、複数のグループの各々に割り当てられた1以上の環境提供装置を制御することで、前記複数のグループにそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する。前記1以上の環境提供装置は、少なくとも送風装置以外の装置を含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の環境制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムは、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る環境制御システムが使用されるオフィスの概要を示す平面図である。
図2図2は、実施の形態に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る環境制御システムの具体的な動作例についての説明図である。
図4図4は、実施の形態に係る環境制御システムの動作例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態の変形例に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る環境制御システム100の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る環境制御システム100が使用されるオフィス3の概要を示す平面図である。図2は、実施の形態に係る環境制御システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
実施の形態に係る環境制御システム100は、例えばオフィス等の自身の行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得る環境で使用され、このような環境を制御するためのシステムである。実施の形態では、環境制御システム100は、ABW(Activity Based Working)型のオフィスに使用される、と仮定する。ここで、「ABW」とは、仕事内容に合わせて働く場所又はデスク等をユーザ(従業員等)が選択する働き方をいう。ABW型のオフィスにおいては、ユーザは、集中力を要する作業を行う場合には比較的静音性の高い場所を選択し、打ち合わせを行う場合にはソファ等のリラックス可能な場所を選択することが可能である。
【0014】
なお、環境制御システム100は、ABW型のオフィスに限らず、フリーアドレス型のオフィスで使用されてもよいし、ユーザが行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得る環境であれば、他の環境で使用されてもよい。例えば、環境制御システム100は、小学校、中学校、高校、又は大学等の教育施設で使用されてもよいし、公民館、又は図書館等の公共施設で使用されてもよいし、店舗又は商業施設で使用されてもよい。
【0015】
環境制御システム100は、図2に示すように、第1取得部11と、第2取得部12と、制御部13と、記憶部14と、を備えている。なお、実施の形態において、環境制御システム100は、第1取得部11、第2取得部12、及び制御部13を備えていればよく、記憶部14は備えていなくてもよい。
【0016】
また、環境制御システム100が使用される環境(ここでは、ABW型のオフィス3)には、図2に示すように、複数の環境提供装置2が設置されている。環境制御システム100は、オフィス3に設置されていてもよいし、オフィス3から離れた遠隔地に設置されていてもよい。
【0017】
各環境提供装置2は、対象とする空間に対して当該空間を特徴付ける環境を提供するための装置である。実施の形態では、各環境提供装置2は、オフィス3の天井に設置されている。もちろん、各環境提供装置2は、オフィス3の天井のみならず、壁、床、又はデスク等の什器に設置されていてもよい。以下、環境提供装置2の種類の一例について列挙する。
【0018】
環境提供装置2には、照明器具が含まれ得る。照明器具は、対象とする空間を照明光で照らすことにより、当該空間に照明環境を提供する。照明環境のパラメータは、一例として、照明光の照度、色温度、又は配光分布等を含み得る。照明器具は、一例として、対象とする空間を均一に照らすアンビエント照明としてのベースライトであって、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子を有する光源を備えている。また、照明器具の光源は、制御部13に制御されることにより調光、調色、又はその両方が可能に構成されている。なお、照明器具は、タスクライトとしてのスポットライトであってもよい。
【0019】
環境提供装置2には、音響装置が含まれ得る。音響装置は、対象とする空間に音を出力することにより、当該空間に音響環境を提供する。音響環境のパラメータは、一例として、再生されるコンテンツ、又は音量等を含み得る。音響装置は、一例として、無指向性のスピーカであって、制御部13に制御されることにより、制御部13から送信されるコンテンツを再生する。なお、音響装置は、例えばパラメトリック・スピーカ、超音波を用いたスピーカ、又は筐体をホーン構造にしたスピーカ等の指向性を有するスピーカであってもよい。指向性を有するスピーカを用いた場合、一部の音が他の空間へ漏れ出る割合を小さくしやすいため、好ましい。
【0020】
環境提供装置2には、香り発生装置が含まれ得る。香り発生装置は、対象とする空間に香り成分を散布することにより、当該空間に香り環境を提供する。香り環境のパラメータは、一例として、香り成分の種類、又は香り成分の濃度等を含み得る。香り発生装置は、一例として、アロマディフューザーである。
【0021】
環境提供装置2には、映像装置が含まれ得る。映像装置は、対象とする空間に映像(静止画又は動画)を出力することにより、当該空間に映像環境を提供する。映像環境のパラメータは、一例として、再生するコンテンツ、又は出力範囲等を含み得る。映像装置は、一例として、テレビジョン受信機、又はプロジェクタ等を含み得る。
【0022】
環境提供装置2には、送風装置が含まれ得る。送風装置は、対象とする空間に制御された気流(つまり、風)を送ることにより、当該空間に空気環境を提供する。空気環境のパラメータは、一例として、気流の風量、パターン、対象とする空間の温度、湿度、又は対象とする空間に含まれるガス(例えば、二酸化炭素)の濃度等を含み得る。送風装置は、一例として、扇風機、サーキュレータ、又は空気清浄機である。
【0023】
各環境提供装置2は、複数のグループG1に割り当てられている。図1及び図2に示す例では、各環境提供装置2は、3つのグループG1に割り当てられている。各グループG1において、環境提供装置2は1つであってもよいし、複数であってもよい。もちろん、グループG1の数は3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。ここで、同じグループG1に割り当てられる1以上の環境提供装置2は、基本的に互いに近傍に位置している。そして、任意のグループG1に割り当てられる1以上の環境提供装置2は、オフィス3において当該グループG1に対応する空間に環境を提供する。
【0024】
例えば、3つのグループG1がグループ「A」、「B」、「C」である、と仮定する。この場合、グループ「A」に割り当てられた1以上の環境提供装置2は、オフィス3においてグループ「A」に対応する空間「α」に環境を提供する。また、グループ「B」に割り当てられた1以上の環境提供装置2は、オフィス3においてグループ「B」に対応する空間「β」に環境を提供する。また、グループ「C」に割り当てられた1以上の環境提供装置2は、オフィス3においてグループ「C」に対応する空間「γ」に環境を提供する。
【0025】
そして、各グループG1には、例えば照明器具等、送風装置以外の装置が1つ以上割り当てられている。つまり、1以上の環境提供装置2は、少なくとも送風装置以外の装置を含んでいる。
【0026】
なお、各グループG1に割り当てられる1以上の環境提供装置2は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。また、各グループG1への1以上の環境提供装置2の割り当ては、グループG1ごとに異なっていてもよい。例えば、任意のグループG1においては、環境提供装置2として照明器具、音響装置、及び送風装置が割り当てられる一方、他のグループG1においては、映像装置のみが割り当てられてもよい。
【0027】
各環境提供装置2のグループG1への割り当ては、例えば、環境制御システム100の管理者によって、あらかじめ実行される。管理者は、例えば環境制御システム100のパラメータを設定可能な情報端末を用いて、上記割り当てを実行する。情報端末は、一例として、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等を含み得る。もちろん、管理者は、環境制御システム100の動作中において、各環境提供装置2のグループG1への割り当てを適宜変更してもよい。
【0028】
なお、オフィス3において、隣り合う空間の間は仕切られていてもよいし、仕切られていなくてもよい。実施の形態では、オフィス3は、1つの大部屋と、1以上の小部屋と、で構成されており、大部屋には、壁又は什器によって仕切られた他の部屋が存在しない、と仮定する。この場合、オフィス3の見通しが向上したり、意匠性が向上したりするため、好ましい。オフィス3における1以上の小部屋は、例えば会議室として一時的に利用される。つまり、ユーザは、基本的にはオフィス3の大部屋に滞在する。
【0029】
また、実施の形態では、隣り合う2つの空間において、一方の空間に設置された環境提供装置2は、厳密に一方の空間の環境のみに影響を与えていなくてもよく、他方の空間に影響を与えることが許容されている。つまり、任意の空間においては、当該空間に対応する環境提供装置2により提供される環境が主たる環境となっていればよく、当該空間とは異なる空間に対応する環境提供装置2からの影響があっても、当該空間の環境に殆ど影響を与えなければよい。なぜならば、このとき当該空間を使用するユーザの作業環境に対して、当該空間とは異なる空間に対応する環境提供装置2が及ぼす影響は限定的であるためである。
【0030】
もちろん、隣り合う空間の環境は、明確に分かれていてもよい。例えば、環境提供装置2が照明器具である場合、隣り合う空間の一方の空間の照明環境と、他方の空間の照明環境と、その境界の照明環境と、が分かれていてもよい。具体的には、隣り合う空間の一方の空間には比較的低い色温度の照明光が照射され、他方の空間には比較的高い色温度の照明光を照射されている、と仮定する。この場合、これらの空間の境界の照明環境は、両方の空間からの照明光が混合して照射された環境となるか、又はいずれの空間からも照明光が照射されない環境となることで、隣り合う空間の環境が明確に分かれ得る。
【0031】
第1取得部11は、ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくとも1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する。第1ユーザ情報は、例えばユーザが情報端末を用いて入力することにより、第1ユーザ情報を管理するデータベースへと送信され、蓄積される。第1取得部11は、このデータベースから第1ユーザ情報を取得することが可能である。また、第1取得部11は、情報端末と通信することにより、ユーザが情報端末に入力した第1ユーザ情報を、情報端末から直接取得してもよい。
【0032】
バイタル情報は、ユーザの生命に関する情報を含んでいる。バイタル情報は、一例として、ユーザの心拍数、血圧、又は体温等を含み得る。また、バイタル情報は、ユーザによる自身の主観的な体調に関する情報を含み得る。例えば、バイタル情報は、気分が悪い、風邪気味である、又は頭痛がする、といった情報を含み得る。もちろん、バイタル情報は、ユーザの主観的な体調が悪い場合の情報だけでなく、主観的な体調が良い場合の情報を含み得る。
【0033】
嗜好情報は、ユーザが好む環境に関する情報を含んでいる。嗜好情報は、環境提供装置2が照明器具であれば、ユーザが好む照明に関するパラメータ(照明の種類、照明範囲の大小、照度の強弱、又は色温度の大小等)を含み得る。また、嗜好情報は、環境提供装置2が音響装置であれば、ユーザが好む音響に関するパラメータ(コンテンツの種類、又は音量の大小等)を含み得る。また、嗜好情報は、環境提供装置2が香り発生装置であれば、ユーザが好む香りに関するパラメータ(香り成分の種類、又は香り成分の濃度等)を含み得る。また、嗜好情報は、環境提供装置2が映像装置であれば、ユーザが好む映像に関するパラメータ(コンテンツの種類、又は出力範囲の大小等)を含み得る。また、嗜好情報は、環境提供装置2が送風装置であれば、ユーザが好む送風に関するパラメータ(気流の風量、パターン、対象とする空間の温度、湿度、又は対象とする空間に含まれるガスの濃度等)を含み得る。
【0034】
その他、嗜好情報は、上記のように環境のパラメータを具体的に特定する情報ではなく、ユーザが好む環境についての抽象的な情報であってもよい。例えば、嗜好情報は、ユーザがリラックスしやすい環境を好む、又は集中しやすい環境を好む、といった情報であってもよい。
【0035】
なお、第1取得部11は、ユーザに付されたID等の識別情報(詳細は後述する)と、ユーザの位置情報とを紐づけて取得可能なセンサの検知結果に基づいて、嗜好情報を取得することも可能である。例えば、「001」という識別情報を有するユーザが、色温度が比較的低い照明環境が提供されている空間に頻繁に立ち寄っていることを、上記センサにより検知した、と仮定する。この場合、第1取得部11は、上記センサの検知結果に基づいて、上記ユーザの嗜好情報として、色温度が比較的低い照明環境を好むという情報を取得することが可能である。上記センサの検知結果に基づいてユーザの識別情報と嗜好情報とを関連付ける処理は、適宜のコンピュータプログラム、AI(Artificial Intelligence)等のアルゴリズムによって自動的に行われてもよいし、環境制御システム100の管理者が行ってもよい。
【0036】
第2取得部12は、ユーザの予定情報、識別情報、及び位置情報のうちの1以上の情報を含む第2ユーザ情報を取得する。第2ユーザ情報は、例えばユーザが情報端末を用いて入力することにより、第2ユーザ情報を管理するデータベースへと送信され、蓄積される。第2取得部12は、このデータベースから第2ユーザ情報を取得することが可能である。また、第2取得部12は、情報端末と通信することにより、ユーザが情報端末に入力した第2ユーザ情報を、情報端末から直接取得してもよい。なお、第2ユーザ情報のうち識別情報及び位置情報については、第2取得部12は、後述する別の手段により取得してもよい。
【0037】
予定情報は、環境制御システム100が制御対象とする空間(ここでは、オフィス3)にユーザが滞在する予定を表す情報であればよく、当該空間以外の場所でのユーザが滞在する予定を表す情報を含んでいなくてよい。予定情報は、例えば、ユーザの就業開始時刻及び終業時刻を含んでいる。また、予定情報は、例えばユーザが小部屋を会議室として利用する場合、その利用の開始時刻及び終了時刻を含んでいる。
【0038】
第2取得部12は、例えば、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の業務用端末を操作して実行されるスケジュール管理ソフトウェアから予定情報を取得してもよい。また、第2取得部12は、例えば、業務用端末を操作して実行される表計算ソフトウェア、ワードプロセッサソフトウェア、又はプレゼンテーション作成ソフトウェア等に入力された情報に基づいて、予定情報を取得してもよい。
【0039】
識別情報は、例えばID(Identifier)等、ユーザを個別に特定し得る情報である。第2取得部12は、例えばオフィス3に設置されたカメラからオフィス3を撮像した画像を取得し、この画像に対して適宜の画像解析処理を実行することで、ユーザの識別情報を取得することが可能である。また、第2取得部12は、例えばオフィス3に設置されたタグリーダから、ユーザが所持する無線ICタグの読み取り結果を取得することにより、ユーザの識別情報を取得することが可能である。
【0040】
位置情報は、環境制御システム100が制御対象とする空間(ここでは、オフィス3)におけるユーザの位置を表す情報であればよく、当該空間以外の場所でのユーザの位置を表す情報は含んでいなくてよい。第2取得部12は、例えばオフィス3に設置された赤外線センサ等の人感センサから送信される検知結果を取得することにより、ユーザの位置情報を取得することが可能である。すなわち、ある人感センサから、検知範囲内に人が存在するという検知結果を取得した場合、第2取得部12は、当該人感センサの設置された位置及び検知範囲に基づいて、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。
【0041】
また、第2取得部12は、例えばオフィス3に採用された、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等を用いた屋内位置情報検知システムからの検知結果を取得することにより、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。また、第2取得部12は、例えばオフィス3に設置されたカメラからオフィス3を撮像した画像を取得し、この画像に対して適宜の画像解析処理を実行することで、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。その他、第2取得部12は、例えばオフィス3に設置されたタグリーダから、ユーザが所持する無線ICタグの読み取り結果を取得することにより、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。
【0042】
制御部13は、各環境提供装置2と通信可能であって、各環境提供装置2に制御信号を送信することにより、各環境提供装置2を制御する。言い換えれば、制御部13は、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の環境提供装置2を制御することで、複数のグループG1にそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する。
【0043】
実施の形態では、制御部13は、同じグループG1に割り当てられた同種の環境提供装置2に対しては、同じ制御信号を送信する。制御部13と各環境提供装置2との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。また、制御信号は厳密に同時に送信される必要はなく、複数の制御信号の送信の時差は、好ましくは60分以内、より好ましくは30分以内、さらに好ましくは1分以内である。上記時差が60分以内であれば、什器又は家具を人力で移動させて空間の環境を変化させることに比べ、省労力となるため好ましい。
【0044】
また、制御部13から同じグループG1に割り当てられた同種の環境提供装置2に対して送信される制御信号は厳密に同一である必要はなく、当該空間の影響が限定的である範囲で制御内容に誤差があることが許容される。例えば、環境提供装置2が照明器具である場合、許容範囲は、色温度では±500K、調光率では±20%である。
【0045】
このように、複数のグループG1のそれぞれに対応する複数の空間の環境を制御することにより、例えば空間ごとに環境を異ならせることが可能であり、いわゆるゾーニング効果が期待できる。
【0046】
ここで、ゾーニング効果とは、例えば、空間の認知上の区切れ感を意味し、外観上複数の空間が互いに異なる空間であるとユーザが認知しやすい効果を含み得る。また、ゾーニング効果は、ユーザによる認知をもって、ゾーニングの意図通りにユーザの行動又は動線の変化を促しやすくする効果を含み得る。例えば、任意の空間について、ユーザが集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングをした、と仮定する。この場合、当該空間を見たユーザが、集中力を要する作業を行うことを主目的として当該空間を使用すれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
【0047】
また、ゾーニング効果は、ユーザが実際にゾーニングされた空間を利用した場合に、ユーザの主観的な効果・実感、又は生理・心理・生体的作用がゾーニングの主旨に応じた傾向を示す効果を含み得る。例えば、任意の空間について、集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングを行い、当該空間をユーザが利用した、と仮定する。この場合、ユーザが当該空間を利用することで集中できたという実感を得たり、心理・生体作用としてユーザが集中をしていたことを示唆する指標・データが得られたりすれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
【0048】
上述のように各環境提供装置2の制御を行うことで、什器又は家具を用いることなく空間をゾーニングすることが可能である。このため、空間の意匠性を高めやすく、かつ、各環境提供装置2の制御により瞬時にオフィス3のレイアウトを変化させる、いわゆるアクティブゾーニングが可能となる。すなわち、例えば、環境提供装置2としての照明器具の照明制御によりゾーニングを行う場合、各空間における調光・調色の制御パラメータの変更は例えば数秒で完了する。この場合、結果としてオフィス3のレイアウトを数秒で変更することが可能である。ここで、什器又は家具を人力で移動させることでオフィス3のレイアウトを変更する場合であれば、60分、数時間、又は一日、場合によっては数日を要する。この点から、上記の各環境提供装置2の制御によるゾーニングは、極めて顕著な効果を奏し得る。
【0049】
アクティブゾーニングにより、従来の什器又は家具の配置を変更することによるオフィスのレイアウトの変更と比較して、時間ごと、日ごと、又は月ごと等の短周期でオフィス3のレイアウトを変化させることが可能である。
【0050】
ここで、制御部13は、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に基づいて、複数のグループG1にそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する。制御部13は、第1取得部11にて取得した第1ユーザ情報に基づいて、複数の空間の環境を制御してもよい。また、制御部13は、第1取得部11にて取得した第1ユーザ情報と、第2取得部12にて取得した第2ユーザ情報と、に基づいて、複数の空間の環境を制御してもよい。また、制御部13は、第1ユーザ情報であるバイタル情報及び嗜好情報のうちのいずれか一方のみに基づいて各空間の環境を制御してもよいし、両方に基づいて各空間の環境を制御してもよい。また、制御部13は、第2ユーザ情報である予定情報、識別情報、及び位置情報のうちのいずれか1つのみに基づいて各空間の環境を制御してもよいし、2以上の情報に基づいて各空間の環境を制御してもよい。
【0051】
実施の形態では、制御部13は、毎日、所定の時間(例えば、午前7時等、最初のユーザがオフィス3に出勤する前の時間)に第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に基づいて、各空間の環境を制御する。そして、制御部13は、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に変化があるまで、上記制御を維持する。一方、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に変化があれば、変化後のユーザ情報に基づいて各空間の環境を変更するように制御する。各空間の環境を変更するタイミングは、ユーザ情報の変化が発生した直後であってもよいし、ユーザ情報の変化が発生してから所定時間経過後(例えば、ユーザ情報の変化が発生した翌日等)であってもよい。基本的に、各空間の環境を変更するタイミングは、ユーザ情報の変化が発生した直後であるのが好ましい。
【0052】
以下、制御部13による第1ユーザ情報に基づく第1制御例と、第2ユーザ情報に基づく第2制御例と、を列挙する。制御部13は、以下に列挙する第1制御例のうちの1以上の制御例のみを実行してもよいし、第1制御例のうちの1以上の制御例と、第2制御例のうちの1以上の制御例と、を組み合わせて実行してもよい。
【0053】
まず、第1制御例として、バイタル情報に基づく制御例と、嗜好情報に基づく制御例と、を説明する。
【0054】
バイタル情報に基づく制御例では、制御部13は、ユーザの体調に応じた環境を提供するように、各空間の環境を制御する。例えば、制御部13は、体調の悪いユーザが存在する場合に、いずれかのグループG1に対応する空間が比較的穏やかな環境となるように制御する。具体例として、制御部13は、環境提供装置2として音響装置が割り当てられたグループG1において、いわゆるヒーリング系に分類される音楽コンテンツを再生するように音響装置を制御する。また、具体例として、制御部13は、環境提供装置2として照明器具が割り当てられたグループG1において、照度を落として光刺激を抑えるように照明器具を制御する。このように制御することで、体調の悪いユーザは、比較的穏やかな環境が提供されている空間を利用することが可能である。
【0055】
嗜好情報に基づく制御例では、制御部13は、ユーザの好みに応じた環境を提供するように、各空間の環境を制御する。例えば、制御部13は、同じ好みを有するユーザの人数に応じて、当該好みに即した環境を提供する空間の数を増減する。具体例として、制御部13は、ジャズに分類される音楽を好むユーザの人数が多ければ、ジャズに分類される音楽コンテンツが流れる音響環境を提供する空間の数を多くする。また、具体例として、制御部13は、寒色系の色温度を好むユーザの人数が少なければ、寒色系の色温度の照明光が照射される照明環境を提供する空間の数を少なくする。このように制御することで、ユーザは、自身の好む環境が提供されている空間を利用することが可能である。
【0056】
次に、第2制御例として、予定情報に基づく制御例と、識別情報に基づく制御例と、位置情報に基づく制御例と、を説明する。
【0057】
予定情報に基づく制御例では、制御部13は、ユーザの予定に応じた環境を提供するように、各空間の環境を制御する。例えば、制御部13は、同じ時間帯にオフィス3にて勤務するユーザの人数に応じて、何らかの環境を提供する空間の数を増減する。具体例として、制御部13は、午前9時からオフィス3にて勤務するユーザの全ユーザに対する割合が低ければ、その割合に応じて照明器具を点灯させる空間の数を減らし、他の空間では照明器具を消灯させるように制御する。また、具体例として、制御部13は、午前9時からオフィス3にて勤務するユーザの全ユーザに対する割合が所定値よりも高ければ、全ての空間にて照明器具を点灯させるように制御する。このように制御することで、ユーザは、照明器具が点灯している空間を利用することが可能である。また、制御部13は、オフィス3にて勤務するユーザの全ユーザに対する割合が低い場合、照明器具を点灯させる複数の空間について、隣り合う空間の間の距離が所定距離以上となるように制御してもよい。この場合、ユーザは、ソーシャルディスタンスを十分に確保しつつ空間を利用することが可能である。
【0058】
識別情報に基づく制御例では、制御部13は、特定のユーザに応じた環境を提供するように、各空間の環境を制御する。例えば、制御部13は、特定のユーザ(又は特定のユーザ群)がオフィス3に滞在している場合、特定のユーザ(又は特定のユーザ群)に適合した環境の空間を設けるように、各空間の環境を制御する。特定のユーザは、一例として、課長等の管理職に就いている者、又は客等である。
【0059】
位置情報に基づく制御例では、制御部13は、ユーザの位置に応じた環境を提供するように、各空間の環境を制御する。例えば、制御部13は、各空間に滞在するユーザの密度に偏りが生じている場合、各空間に滞在するユーザの密度が均一となるように、各空間の環境を制御する。一例として、制御部13は、比較的ユーザの密度が高い第1空間においては照度を低くし、比較的ユーザの密度が低い第2空間においては照度を高くするように、各空間の環境を制御する。この場合、第1空間に滞在するユーザが第2空間へと移動する可能性を高くし、結果として各空間に滞在するユーザの密度が均一になることが期待できる。
【0060】
さらに、制御部13は、複数の情報を組み合わせて制御することも可能である。一例として、予定情報と嗜好情報とを組み合わせた制御例を挙げる。この制御例において、色温度が比較的低い照明環境を好むユーザであって、所定の時間帯において勤務する予定のユーザの数が多い、と仮定する。この場合、制御部13は、所定の時間帯においては、色温度が比較的低い照明環境を提供する空間の数が多くなるように、各空間の環境を制御する。この場合、例えばオフィス3が感染症の流行等の対策としてテレワークを積極的に採用することで、オフィス3に勤務するユーザの種類及び数が日々大きく変動し、求められるオフィス3の最適な環境が大きく変動したとしても、ユーザの好みの環境を提供するようにフレキシブルに対応することが可能である。その結果、オフィス3の面積が比較的小さい場合であっても、ユーザの満足度を向上しやすくなるため、好ましい。
【0061】
また、制御部13は、各グループG1に割り当てられている1以上の環境提供装置2の種類に応じて、各グループG1に対応する各空間の環境を制御する。なお、任意のグループG1に複数種類の環境提供装置2が割り当てられている場合、制御部13は、1種類の環境提供装置2のみを制御してもよいし、複数種類の環境提供装置2を制御してもよい。例えば、任意のグループG1に、環境提供装置2として照明器具と音響装置とが割り当てられている、と仮定する。この場合、制御部13は、当該グループG1に対応する空間に対して、照明器具のみを制御して照明環境を提供してもよいし、音響装置のみを制御して音響環境を提供してもよいし、両方を制御して複合的な環境を提供してもよい。
【0062】
具体的には、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、照明器具が含まれている場合がある。この場合、制御部13は、照明器具が割り当てられている1以上のグループG1に対応する空間に対しては、照明光の照度、色温度又は配光分布等を制御することにより、種々の照明環境を提供する。
【0063】
例えば、制御部13は、第1ユーザ情報(ここでは、嗜好情報)を参照することにより、暖色系の色温度を好むユーザが一定数存在することを把握した、と仮定する。この場合、制御部13は、照明器具が割り当てられているいずれかのグループG1において、比較的低い色温度の照明光を出射するように照明器具を制御する。これにより、オフィス3において、暖色系の色温度の照明環境を提供する空間が実現される。
【0064】
また、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、音響装置が含まれている場合がある。この場合、制御部13は、音響装置が割り当てられている1以上のグループG1に対応する空間に対しては、再生するコンテンツ、又は音量等を制御することにより、種々の音響環境を提供する。
【0065】
例えば、制御部13は、第1ユーザ情報(ここでは、嗜好情報)を参照することにより、ジャズに分類される音楽を好むユーザが一定数存在することを把握した、と仮定する。この場合、制御部13は、音響装置が割り当てられているいずれかのグループG1において、ジャズに分類される音楽コンテンツを再生するように音響装置を制御する。これにより、オフィス3において、ジャズに分類される音楽が流れる音響環境を提供する空間が実現される。
【0066】
環境提供装置2が音響装置である場合のコンテンツは、制御部13に保存されていてもよいし、音響装置に保存されていてもよいし、記憶部14に保存されていてもよい。コンテンツは、例えば、WAV形式、mp3形式等の電子データ媒体で保存されるが、これに限定されるものではなく、例えばコンパクトディスク(CD)等、公知のいかなる保存方法で保存されてもよい。
【0067】
また、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、香り発生装置が含まれている場合がある。この場合、制御部13は、香り発生装置が割り当てられている1以上のグループG1に対応する空間に対しては、香り成分の種類、又は香り成分の濃度等を制御することにより、種々の香り環境を提供する。
【0068】
例えば、制御部13は、第1ユーザ情報(ここでは、嗜好情報)を参照することにより、ハーブ系の香りを好むユーザが一定数存在することを把握した、と仮定する。この場合、制御部13は、香り発生装置が割り当てられているいずれかのグループG1において、ハーブ系の香り成分を散布するように香り発生装置を制御する。これにより、オフィス3において、ハーブ系の香りがする香り環境を提供する空間が実現される。
【0069】
また、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、映像装置が含まれている場合がある。この場合、制御部13は、映像装置が割り当てられている1以上のグループG1に対応する空間に対しては、コンテンツの種類、又は出力範囲等を制御することにより、種々の映像環境を提供する。
【0070】
例えば、制御部13は、第1ユーザ情報(ここでは、嗜好情報)を参照することにより、自然系の映像を好むユーザが一定数存在することを把握した、と仮定する。この場合、制御部13は、映像装置が割り当てられているいずれかのグループG1において、木漏れ日の映像を出力するように映像装置を制御する。これにより、オフィス3において、自然系の映像が流れる映像環境を提供する空間が実現される。
【0071】
環境提供装置2が映像装置である場合のコンテンツは、制御部13に保存されていてもよいし、映像装置に保存されていてもよいし、記憶部14に保存されていてもよい。コンテンツは、例えば、静止画であればJPEG形式等、動画であればAVI形式、又はmp4形式等の電子データ媒体で保存されるが、これに限定されるものではなく、例えばDVD(Digital Versatile Disc)等、公知のいかなる保存方法で保存されてもよい。
【0072】
また、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、送風装置が更に含まれている場合がある。この場合、制御部13は、送風装置が割り当てられている1以上のグループG1に対応する空間に対しては、気流の風量、パターン、対象とする空間の温度、湿度、又は対象とする空間に含まれるガスの濃度等を制御することにより、種々の空気環境を提供する。
【0073】
例えば、制御部13は、第1ユーザ情報(ここでは、嗜好情報)を参照することにより、そよ風を好むユーザが一定数存在することを把握した、と仮定する。この場合、制御部13は、送風装置が割り当てられているいずれかのグループG1において、比較的風量の小さい気流を発生するように送風装置を制御する。これにより、オフィス3において、そよ風が流れる空気環境を提供する空間が実現される。
【0074】
ここで、制御部13による第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報を参照した制御の具体例について図3を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る環境制御システム100の具体的な動作例についての説明図である。図3では、環境提供装置2の図示を省略している。図3に示す例では、オフィス3は、5つのグループG1(つまり、5つの空間)に分割可能である、と仮定する。また、第1取得部11が第1ユーザ情報として予定情報を取得しており、第2取得部12が第2ユーザ情報として嗜好情報を取得している、と仮定する。また、予定情報は、午前9時からオフィス3にて勤務するユーザの全ユーザに対する割合が6割程度である、という内容であると仮定する。また、嗜好情報は、暖色系の色温度を好むユーザ、寒色系の色温度を好むユーザ、及びジャズに分類される音楽を好むユーザが存在する、という内容であると仮定する。
【0075】
このような場合、制御部13は、図3に示すように、5つのグループG1のうち3つのグループG1(後述する第1グループG11、第2グループG12、及び第3グループG13)の各々に割り当てられた1以上の環境提供装置2のみを制御し、残り2つのグループG1の各々に割り当てられた1以上の環境提供装置2は制御しない。これにより、5つの空間のうち、午前9時からオフィス3にて勤務するユーザの数に応じた3つの空間のみが利用可能となる。また、制御部13は、これら3つの空間が互いに所定距離以上離れるように、3つのグループG1を選択する。これにより、ユーザは、ソーシャルディスタンスを十分に確保しつつ3つの空間を利用することが可能である。
【0076】
さらに、制御部13は、3つのグループG1のうちの第1グループG11(オフィス3の右上のグループG1)では、照明光の色温度が基準色温度よりも高くなるように照明器具(環境提供装置2)を制御する。また、制御部13は、3つのグループG1のうちの第2グループG12(オフィス3の中央左のグループG1)では、照明光の色温度が基準色温度よりも低くなるように照明器具(環境提供装置2)を制御する。また、制御部13は、3つのグループG1のうちの第3グループG13(オフィス3の右下のグループG1)では、照明光の色温度が基準色温度となるように照明器具(環境提供装置2)を制御する。かつ、制御部13は、第3グループG13では、更にジャズに分類される音楽コンテンツを再生するように音響装置(環境提供装置2)を制御する。これにより、ユーザは、自分の好みに合った空間を利用することが可能である。図3では、ドットハッチングの密度が色温度の高低を表しており、ドットハッチングの密度が小さいほど色温度が高く、ドットハッチングの密度が大きいほど色温度が低いことを表している。
【0077】
記憶部14は、制御部13が制御を行うために必要な情報(コンピュータプログラム等)が記憶される記憶装置である。記憶部14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよく、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いることができる。記憶部14は、一例として、ユーザ情報(第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報)と、各環境提供装置2の制御内容と、を紐づけた情報を記憶する。
【0078】
第1取得部11、第2取得部12、制御部13、及び記憶部14は、いずれも同一の基板に実装されるか、又は同一の筐体に納められていてもよい。上記基板又は筐体は、オフィス3の天井、壁、床、又はデスク等の什器・家具に備え付けられていてもよい。この場合、環境制御システム100が小型化されるため好ましい。
【0079】
[動作]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の動作の一例について図4を用いて説明する。図4は、実施の形態に係る環境制御システム100の動作例を示すフローチャートである。以下では、制御部13は、第1取得部11及び第2取得部12にて第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報を取得する以前においては、各空間の環境を制御していない、と仮定する。つまり、制御部13が各空間の環境の制御を開始する前においては、各空間の環境は、いずれも同じ又は殆ど同じである。
【0080】
まず、第1取得部11は、第1ユーザ情報を取得する(S1)。また、第2取得部12は、第2ユーザ情報を取得する(S2)。処理S1は、環境制御方法の第1取得ステップST1に相当する。なお、処理S1,S2は、この順に限らず、逆順であってもよい。
【0081】
次に、制御部13は、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得した第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報に基づいて、各グループG1の1以上の環境提供装置2を制御する(S3)。処理S3は、環境制御方法の制御ステップST2に相当する。これにより、各空間の環境が、第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報に基づいて制御される。
【0082】
その後、制御部13は、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に変化がない場合(S4:No)、上記制御を維持する(S5)。一方、制御部13は、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に変化がある場合(S4:Yes)、変化後のユーザ情報に基づいて各空間の環境を変更するように制御する(S6)。これにより、各空間の環境が更新される。以下、上記の一連の処理を繰り返す。
【0083】
[利点]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の利点について説明する。実施の形態に係る環境制御システム100では、第1取得部11及び第2取得部12の各々にて取得したユーザ情報に基づいて、各グループG1の1以上の環境提供装置2を制御する。これにより、実施の形態に係る環境制御システム100では、ユーザの所望する環境となるように制御された空間をユーザに提供しやすくなることから、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0084】
ところで、近年では、例えば感染症の流行等に伴ってテレワークを採用する等して、ユーザのワークスタイルが多様化しつつある。すなわち、ユーザは、オフィス3にて勤務するか、又はオフィス3に赴かずに自宅若しくはオフィス3外の場所にて勤務するかを選択することが可能になってきている。したがって、従前であれば、大きな組織変更がない限り、平日においては殆ど同じ時間帯に同じユーザ群がオフィス3にて勤務していたのに対し、近年では、オフィス3にて勤務するユーザ群が日々異なり得る。
【0085】
ここで、テレワークを採用するユーザの増加、言い換えればオフィス3にて勤務するユーザの減少に伴って、オフィス3の面積を従前よりも小さくすることが固定費の観点から望まれる、と考えられる。しかしながら、オフィス3の面積を小さくすることにより、ABW型のオフィス又はフリーアドレス型のオフィスとしての選択肢が少なくなり、オフィス3にて勤務するユーザの要望に対応することが難しい、といった問題が生じ得る。
【0086】
上記の問題に対して、実施の形態に係る環境制御システム100では、既に述べたように、ユーザの所望する環境となるように制御された空間をユーザに提供しやすくなる。このため、実施の形態に係る環境制御システム100では、オフィス3の面積が比較的小さい場合であっても、ユーザが自身の好む空間を利用しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0087】
なお、環境提供装置2に照明器具又は映像装置が含まれる場合、以下のような利点がある。すなわち、照明器具を制御することで提供される照明環境、又は映像装置を制御することで提供される映像環境は、ユーザが視覚的に認知することが可能な環境である。このため、上記の場合、ユーザが視覚的に各空間の環境を把握しやすくなるため、ユーザが所望の空間を利用しやすい、という利点がある。
【0088】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。以下、実施の形態の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせてもよい。
【0089】
実施の形態のように、例えば壁又は什器によって仕切られないオフィス3の場合、制御部13は、2以上の空間において互いに異なる環境を提供するように、複数の空間の環境を制御してもよい。言い換えれば、制御部13は、互いに異なるゾーニング効果を奏するように制御された2以上の空間を、ユーザに同時に提供してもよい。
【0090】
例えば、制御部13は、指向性のある照明器具及び音響装置を制御して、任意の空間において4000Kより低い色温度の照明環境と、ジャズに分類される音楽を再生する音響環境と、を提供することで、ユーザがリラックス効果を得やすい空間を提供する。同時に、制御部13は、上記空間とは別の空間において4000Kより高い色温度の照明環境、又は机上面の照度が周辺照度に対して高くなるような照明環境を提供と、自然環境音を再生する音響環境と、を提供することで、ユーザが集中効果を得やすい空間を提供する。
【0091】
この場合、壁又は什器によって仕切られない1つの大部屋として構成されるオフィス3においても、互いに環境が異なる2以上の空間を同時にユーザに提供することが可能である。
【0092】
実施の形態において、環境制御システム100は、図5に示すように、通知部15を更に備えていてもよい。図5は、実施の形態の変形例に係る環境制御システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0093】
通知部15は、制御部13による制御内容をユーザに通知する。例えば、通知部15は、オフィス3の平面図であって、各グループG1に対応する各空間の環境(つまり、各グループG1での1以上の環境提供装置2の制御内容)を表したマップを生成する。そして、通知部15は、生成したマップをユーザの使用する情報端末へ送信する。これにより、ユーザは、情報端末にて受信したマップを確認することにより、各空間の環境を把握することが可能である。
【0094】
また、通知部15は、生成したマップを、オフィス3に設置されたプロジェクタへ送信してもよい。この場合、プロジェクタは、受信したマップをスクリーンに投影する。これにより、ユーザは、スクリーンに投影されたマップを確認することにより、各空間の環境を把握することが可能である。なお、プロジェクタは、スクリーンの代わりに、オフィス3の壁、又は天井等にマップを投影してもよい。
【0095】
その他、通知部15は、マップを送信する代わりに、各空間の環境を表す音声コンテンツをユーザに通知してもよい。もちろん、通知部15は、上記のマップ、メッセージ、及び音声コンテンツを適宜組み合わせてユーザに通知してもよい。
【0096】
上述のように、制御部13による制御内容(つまり、各空間の環境)がユーザに通知されるので、各空間の環境をユーザが把握することが可能である。
【0097】
[その他の変形例]
実施の形態では、環境制御システム100は、第1取得部11及び第2取得部12の両方を備えているが、これに限らない。例えば、環境制御システム100は、第1取得部11のみを備え、第2取得部12を備えていなくてもよい。この場合、制御部13は、第1取得部11にて取得した第1ユーザ情報のみに基づいて、各グループG1に割り当てられた1以上の環境提供装置2を制御すればよい。
【0098】
実施の形態において、複数種類の環境提供装置2が任意のグループG1に割り当てられている場合、これらの環境提供装置2は、種類ごとに別体に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
【0099】
実施の形態において、グループG1の数は固定されていなくてもよく、可変であってもよい。例えば、制御部13は、第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報(又は第1ユーザ情報のみ)に基づいて、現状のグループG1の数よりも多い環境の数が必要であると判定する場合があり得る。このような場合、制御部13は、任意のグループG1を更に2以上のグループG1に分割することにより、グループG1の数を必要とされる環境の数まで増加させた上で、各グループG1に割り当てられた1以上の環境提供装置2を制御する。一方、制御部13は、第1ユーザ情報及び第2ユーザ情報(又は第1ユーザ情報のみ)に基づいて、現状のグループG1の数よりも少ない環境の数が必要であると判定する場合があり得る。このような場合、制御部13は、任意の2以上のグループG1を1つのグループG1に統合することにより、グループG1の数を必要とされる環境の数まで減少させた上で、各グループG1に割り当てられた1以上の環境提供装置2を制御する。
【0100】
実施の形態では、オフィス3は、1つの大部屋と、1以上の小部屋と、で構成されているが、これに限らない。例えば、オフィス3は、他に部屋の存在しない1つの大部屋で構成されていてもよいし、複数の階層に跨って構成されていてもよい。
【0101】
実施の形態では、環境制御システム100は、1つのオフィス3を対象としているが、これに限らない。例えば、環境制御システム100は、複数のオフィス3を対象とし、オフィス3ごとに各環境提供装置2を制御してもよい。
【0102】
実施の形態では、環境提供装置2は環境制御システム100の構成要素に含まれていないが、環境提供装置2が環境制御システム100の構成要素に含まれていてもよい。
【0103】
また、例えば、上記実施の形態では、環境制御システム100は、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、環境制御システム100は、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。環境制御システム100が複数の装置によって実現される場合、環境制御システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態でサーバ装置が備える構成要素は、閉空間に設置された情報端末に備えられてもよい。つまり、本発明は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
【0104】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0105】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0106】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0107】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0108】
例えば、本発明は、環境制御システム100等のコンピュータが実行する環境制御方法として実現されてもよいし、このような環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0109】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0110】
(まとめ)
以上述べたように、環境制御システム100は、第1取得部11と、制御部13と、を備える。第1取得部11は、ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくとも1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する。制御部13は、第1取得部11にて取得した第1ユーザ情報に基づいて、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の環境提供装置2を制御することで、複数のグループG1にそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する。1以上の環境提供装置2は、少なくとも送風装置以外の装置を含む。
【0111】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの所望する環境となるように制御された空間をユーザに提供しやすくなることから、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0112】
また、例えば、環境制御システム100は、第2取得部12を更に備える。第2取得部12は、ユーザの予定情報、識別情報、及び位置情報のうちの1以上の情報を含む第2ユーザ情報を取得する。制御部13は、第1取得部11にて取得した第1ユーザ情報と、第2取得部12にて取得した第2ユーザ情報と、に基づいて、複数の空間の環境を制御する。
【0113】
このような環境制御システム100によれば、第2ユーザ情報を参照することにより、複数の空間の各々をユーザの所望する環境となるように制御しやすくなる、という利点がある。
【0114】
また、例えば、環境制御システム100では、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、照明器具が含まれている。
【0115】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの所望する照明環境をユーザに提供しやすくなる、という利点がある。
【0116】
また、例えば、環境制御システム100では、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、音響装置が含まれている。
【0117】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの所望する音響環境をユーザに提供しやすくなる、という利点がある。
【0118】
また、例えば、環境制御システム100では、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、香り発生装置が含まれている。
【0119】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの所望する香り環境をユーザに提供しやすくなる、という利点がある。
【0120】
また、例えば、環境制御システム100では、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、映像装置が含まれている。
【0121】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの所望する映像環境をユーザに提供しやすくなる、という利点がある。
【0122】
また、例えば、環境制御システム100では、複数のグループG1のうちの1以上のグループG1における1以上の環境提供装置2には、送風装置が更に含まれている。
【0123】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの所望する空気環境をユーザに提供しやすくなる、という利点がある。
【0124】
また、例えば、環境制御システム100では、制御部13は、2以上の空間において互いに異なる環境を提供するように、複数の空間の環境を制御する。
【0125】
このような環境制御システム100によれば、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0126】
また、例えば、環境制御システム100は、制御部13による制御内容をユーザに通知する通知部15を更に備える。
【0127】
このような環境制御システム100によれば、複数の空間の各々がどのような環境にあるかをユーザが把握しやすくなる、という利点がある。
【0128】
また、例えば、環境制御方法は、第1取得ステップST1と、制御ステップST2と、を含む。第1取得ステップST1では、ユーザのバイタル情報及び嗜好情報のうちの少なくとも1つの情報を含む第1ユーザ情報を取得する。制御ステップST2では、第1取得ステップST1にて取得した第1ユーザ情報に基づいて、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の環境提供装置2を制御することで、複数のグループG1にそれぞれ対応する複数の空間の環境を制御する。1以上の環境提供装置2は、少なくとも送風装置以外の装置を含む。
【0129】
このような環境制御方法によれば、ユーザの所望する環境となるように制御された空間をユーザに提供しやすくなることから、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0130】
また、例えば、プログラムは、1以上のプロセッサに、上記の環境制御方法を実行させる。
【0131】
このようなプログラムによれば、ユーザの所望する環境となるように制御された空間をユーザに提供しやすくなることから、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【符号の説明】
【0132】
100 環境制御システム
11 第1取得部
12 第2取得部
13 制御部
15 通知部
2 環境提供装置
G1 グループ
ST1 第1取得ステップ
ST2 制御ステップ
図1
図2
図3
図4
図5