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特許7555044画像センサ、画像センサシステム、画像センサの出力方法、及びプログラム
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  • 特許-画像センサ、画像センサシステム、画像センサの出力方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】画像センサ、画像センサシステム、画像センサの出力方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20240913BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N23/60 500
H04N7/18 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019122439
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021010092
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-01-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹ノ内 利春
(72)【発明者】
【氏名】玉木 雄二
【合議体】
【審判長】高橋 宣博
【審判官】千葉 輝久
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215694(JP,A)
【文献】特開2018-33072(JP,A)
【文献】特開2019-87787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/222-5/257
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間を撮像して、撮像画像のデータを生成する撮像部と、
前記撮像画像に基づいて、前記空間内の人の状態を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいた判定情報を出力する第1通信部と、
前記撮像画像を含む画像情報を出力し、前記第1通信部と異なる通信方式で通信する第2通信部と、を備え、
前記第1通信部及び前記第2通信部の出力先、並びに前記第1通信部と前記第1通信部の出力先との間の通信経路及び前記第2通信部と前記第2通信部の出力先との間の通信経路は異なり、
前記第1通信部及び前記第2通信部は、少なくとも前記判定情報及び前記画像情報を同時に出力することができる
画像センサ。
【請求項2】
前記第2通信部による前記画像情報の出力の可否を設定する出力設定部を更に備える
請求項1の画像センサ。
【請求項3】
前記出力設定部の設定に関する出力設定情報を受け付ける第3通信部を更に備える
請求項2の画像センサ。
【請求項4】
前記撮像画像に画像処理を施す前処理部を更に備える
請求項1乃至3のいずれか一項の画像センサ。
【請求項5】
前記前処理部は、
前記画像処理として第1画像処理を施した前記撮像画像を前記判定部に引き渡す第1処理部と、
前記画像処理として第2画像処理を施した前記撮像画像を前記第2通信部に引き渡す第2処理部と、を有する
請求項4の画像センサ。
【請求項6】
前記第2処理部は、前記第2画像処理を施した前記撮像画像に前記第1画像処理の結果を反映させる
請求項5の画像センサ。
【請求項7】
前記撮像画像を複数の処理エリアに分割する処理エリア設定部を更に備え、
前記前処理部は、前記複数の処理エリアのそれぞれに対して前記画像処理を施す
請求項4乃至6のいずれか一項の画像センサ。
【請求項8】
前記処理エリア設定部は、前記複数の処理エリアのそれぞれに施される前記画像処理の内容を設定する機能を有する
請求項7の画像センサ。
【請求項9】
前記処理エリア設定部は、前記複数の処理エリアのそれぞれについて前記画像処理を行うか否かを設定する機能を有する
請求項7又は8の画像センサ。
【請求項10】
前記判定部の判定対象となる前記撮像画像の一部、及び前記判定情報に含まれる前記撮像画像の一部の少なくとも一方を判定エリアとして設定する判定エリア設定部を更に備える
請求項1乃至9のいずれか一項の画像センサ。
【請求項11】
前記画像情報に含まれる前記撮像画像の一部を画像エリアとして設定する画像エリア設定部を更に備える
請求項1乃至10のいずれか一項の画像センサ。
【請求項12】
前記第1通信部による前記判定情報の出力及び前記第2通信部による前記画像情報の出力の少なくとも一方は、外部で所定のイベントが発生した場合に実行される
請求項1乃至11のいずれか一項の画像センサ。
【請求項13】
前記判定部、前記第1通信部、及び前記第2通信部の少なくとも1つの設定に関する情報を報知する報知部を更に備える
請求項1乃至12のいずれか一項の画像センサ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像センサと、
前記判定情報及び前記画像情報のうち少なくとも一方を受け取る受信装置と、を備える
画像センサシステム。
【請求項15】
所定の空間を撮像して、撮像画像のデータを生成する撮像ステップと、
前記撮像画像に基づいて、前記空間内の人の状態を判定する判定ステップと、
第1通信部が前記判定ステップの判定結果に基づいた判定情報を出力する第1通信ステップと、
第2通信部が前記撮像画像を含む画像情報を出力し、前記第1通信ステップと異なる通信方式で通信する第2通信ステップと、を備え、
前記第1通信部及び前記第2通信部の出力先、並びに前記第1通信部と前記第1通信部の出力先との間の通信経路及び前記第2通信部と前記第2通信部の出力先との間の通信経路は異なり、
前記第1通信ステップ及び前記第2通信ステップを同時に行うことができる
画像センサの出力方法。
【請求項16】
コンピュータに、請求項15に記載の画像センサの出力方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に画像センサ、画像センサシステム、画像センサの出力方法、及びプログラムに関する。本開示は、より詳細には撮像した画像を出力する画像センサ、画像センサシステム、画像センサの出力方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、撮像した画像データにより人の存否を判断し、人の存否の検知信号を伝送線を介して送信するとともに、撮像した画像データを伝送線を介して送信可能な従来の画像センサがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-29301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような従来の画像センサでは、検知信号(判定情報)の出力時に画像データ(画像情報)の伝送容量が不足する可能性があった。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できる画像センサ、画像センサシステム、画像センサの出力方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像センサは、撮像部と、判定部と、第1通信部と、第2通信部と、を備える。前記撮像部は、所定の空間を撮像して、撮像画像のデータを生成する。前記判定部は、前記撮像画像に基づいて、前記空間内の人の状態を判定する。前記第1通信部は、前記判定部の判定結果に基づいた判定情報を出力する。前記第2通信部は、前記撮像画像を含む画像情報を出力し、前記第1通信部と異なる通信方式で通信する。前記第1通信部及び前記第2通信部の出力先、並びに前記第1通信部と前記第1通信部の出力先との間の通信経路及び前記第2通信部と前記第2通信部の出力先との間の通信経路は異なる。前記第1通信部及び前記第2通信部は、少なくとも前記判定情報及び前記画像情報を同時に出力することができる。
【0007】
本開示の一態様に係る画像センサシステムは、上述の画像センサと、前記判定情報及び前記画像情報のうち少なくとも一方を受け取る受信装置と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る画像センサの出力方法は、撮像ステップと、判定ステップと、第1通信ステップと、第2通信ステップと、を備える。前記撮像ステップは、所定の空間を撮像して、撮像画像のデータを生成する。前記判定ステップは、前記撮像画像に基づいて、前記空間内の人の状態を判定する。前記第1通信ステップは、第1通信部が前記判定ステップの判定結果に基づいた判定情報を出力する。前記第2通信ステップは、第2通信部が前記撮像画像を含む画像情報を出力し、前記第1通信ステップと異なる通信方式で通信する。前記第1通信部及び前記第2通信部の出力先、並びに前記第1通信部と前記第1通信部の出力先との間の通信経路及び前記第2通信部と前記第2通信部の出力先との間の通信経路は異なる。そして、画像センサの出力方法は、前記第1通信ステップ及び前記第2通信ステップを同時に行うことができる。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、上述の画像センサの出力方法を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る画像センサを備える管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の管理システムの管理空間を示す平面図である。
図3図3は、同上の画像センサの構成を示すブロック図である。
図4図4は、同上の画像センサの撮像画像を示す概略図である。
図5図5は、同上の画像センサの出力方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について説明する。下記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(1)管理システムの概要
まず、本実施形態に係る管理システム10の概要について、図1を参照して説明する。
【0014】
管理システム10は、センター装置1、照明コントローラ21、入退室コントローラ22、空調コントローラ23、通信インタフェース3、ハブ(集線装置)4、画像センサ5、及び伝送アダプタ6を備える。管理システム10は、管理空間R1の人、並びに管理空間R1の照明及び空調などの各環境を管理又は監視する。管理空間R1は、例えば事務所、工場、又は店舗などである。そして、センター装置1と画像センサ5とで、画像センサシステム20を構成する。
【0015】
センター装置1は、本開示の受信装置に相当し、照明コントローラ21、入退室コントローラ22、及び空調コントローラ23と通信線W1を介して通信可能に構成されている。本実施形態では、センター装置1は、通信線W1を介して照明コントローラ21、入退室コントローラ22、及び空調コントローラ23に接続している。センター装置1は、例えばBACnet(Building Automation and Control Network)などのビルディングネットワーク用の通信プロトコルに準拠して、照明コントローラ21、入退室コントローラ22、及び空調コントローラ23との間で通信を行う。さらに、センター装置1は、通信線W5、及びハブ4を介した通信も可能である。
【0016】
照明コントローラ21は、通信線W2を介して通信インタフェース3に接続し、通信インタフェース3は、通信線W3を介して伝送アダプタ6に接続している。伝送アダプタ6は、少なくとも1つの照明器具L1と通信可能に構成されている。伝送アダプタ6は、通信線W4を介した有線通信、又は無線信号を用いた無線通信によって、照明器具L1と通信し、上位(通信線W3の信号)と下位(通信線W4の信号及び無線信号)との間で信号のプロトコル変換を行う通信アダプタである。有線通信は、例えばツイストペアケーブル、専用通信線、またはLAN(Local Area Network)ケーブルなどを介した有線通信である。無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した無線通信、あるいは赤外線通信などの無線通信である。
【0017】
ハブ4は、通信線W5を介してセンター装置1、通信インタフェース3、及び画像センサ5に接続している。通信線W5は、LAN(Local Area Network)ケーブルであり、センター装置1、通信インタフェース3、ハブ4、及び画像センサ5の各間では、イーサキャット(Ether CAT)(登録商標)、又はイーサネット(Ethernet)(登録商標)などに準拠して、信号の送信及び受信が行われる。ハブ4は、PoE(Power over Ethernet)給電機能を有するスイッチングハブであることが好ましい。
【0018】
画像センサ5は、通信線W6を介して通信インタフェース3に接続しており、画像センサ5と通信インタフェース3との間では、時分割多重伝送方式により、信号の送信及び受信が行われる。時分割多重伝送方式の通信プロトコルとしては、例えば、NMAST(登録商標)の通信規格を採用することができる。画像センサ5及び通信インタフェース3は、通信線W6に対して、伝送信号として双極性(±24V)の時分割多重信号を送出し、パルス幅変調によってデータが伝送される。
【0019】
画像センサ5は、更に通信線W5に接続しており、イーサキャット又はイーサネットなどに準拠して、ハブ4との間で信号の送信及び受信を行う。すなわち、センター装置1と画像センサ5とは、ハブ4を介して互いに通信可能に構成されている。また、通信のリアルタイム性を重視するのであれば、イーサキャットを用いることが好ましい。
【0020】
本実施形態では、複数の画像センサ5及び複数の照明器具L1が、管理空間R1の天井に配置されている。管理空間R1は、図2に示すように、上方から見て複数の空間Ra1、Ra2、………に分割される。なお、空間Ra1、Ra2、………を区別しないときは、空間Raと称す。
【0021】
複数の画像センサ5のそれぞれは、複数の空間Ra1、Ra2、………のうち、対応するいずれかの空間Raを撮像し、撮像画像のデータを生成する。そして、画像センサ5は、撮像画像に基づいて、空間Ra内の人の状態を判定し、判定結果に基づいた判定情報を出力する。また、画像センサ5は、撮像画像を含む画像情報を出力する。
【0022】
複数の照明器具L1のそれぞれは、複数の空間Ra1、Ra2、………のうち、対応するいずれかの空間Raを照明する。照明コントローラ21は、伝送アダプタ6を介して複数の照明器具L1のそれぞれの状態(点灯、消灯、及び調光レベル)を制御することで、空間Ra毎の照明を制御する。なお、1つの空間Raには、1つ以上の照明器具L1が対応すればよい。
【0023】
入退室コントローラ22は、入退室装置L2の監視及び制御を行う。入退室装置L2は、管理空間R1(図2参照)の出入口に配置されたカードリーダ、及び管理空間R1の出入口に設けた扉の駆動装置を備える。カードリーダは、管理空間R1への入退室する人の識別情報を読み取り、入退室コントローラ22は、読み取った識別情報に基づいて管理空間R1へのアクセスの可否を判定する。管理空間R1への入退室する人は、自身の識別情報を記憶したICカードを携行しており、管理空間R1への入室時及び退室時にカードリーダにICカードをかざす。カードリーダは、ICカードから識別情報を読み取り、読み取った識別情報を入退室コントローラ22に引き渡す。入退室コントローラ22は、管理空間R1へのアクセスを許可されている識別情報を予め記憶したデータベースを有しており、読み取った識別情報をデータベースに照合して、入室及び退室の可否を判定する。入退室コントローラ22は、入室及び退室を許可すれば、扉の電気錠のロックを解錠し、扉が自動ドアであれば自動ドアを開制御する。入退室コントローラ22は、入室及び退室を許可しなければ、電気錠を施錠状態に維持する。また、入退室コントローラ22は、管理空間R1に入退室する人の識別情報の読み取り状況を示す入退室情報をセンター装置1へ出力する。
【0024】
空調コントローラ23は、管理空間R1に設けた図示しない空調装置を制御することで、管理空間R1の空調環境を調整する。
【0025】
センター装置1は、複数の画像センサ5から画像情報及び判定情報を受け取り、画像情報及び判定情報に基づいて、管理空間R1内の人を管理する。センター装置1は、照明コントローラ21と通信し、照明器具L1の状態を把握して、管理空間R1の照明環境を管理する。センター装置1は、空調コントローラ23と通信し、空調機器の状態を把握して、管理空間R1内の空調環境を管理する。なお、通信線W1には、エレベータを昇降制御するエレベータコントローラなどの他のコントローラが接続されてもよく、センター装置1は、他のコントローラと通信することで、管理空間R1の他の環境を管理してもよい。
【0026】
(2)画像センサ
図3は、画像センサ5の構成を示す。画像センサ5は、撮像部5aと、判定部5cと、第1通信部5dと、第2通信部5eと、を備える。画像センサ5は、前処理部5bを更に備えることが好ましい。前処理部5bは、第1処理部51、及び第2処理部52を有することが好ましい。また、画像センサ5は、出力設定部5f、第3通信部5g、処理エリア設定部5h、判定エリア設定部5i、画像エリア設定部5j、及び報知部5kの少なくとも1つを更に備えることが好ましい。本実施形態では、画像センサ5は、前処理部5b、出力設定部5f、第3通信部5g、処理エリア設定部5h、判定エリア設定部5i、画像エリア設定部5j、及び報知部5kをすべて備えている。
【0027】
画像センサ5は、例えばプロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが前処理部5b、判定部5c、第1通信部5d、第2通信部5e、出力設定部5f、第3通信部5g、処理エリア設定部5h、判定エリア設定部5i、及び画像エリア設定部5jとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0028】
撮像部5aは、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサを有する。撮像部5aは、被写体からの光をレンズによって撮像部5aの撮像面(受光面)上に結像させ、被写体からの光を電気信号(撮像信号)に変換する。撮像部5aで撮像された画像(撮像画像)のデータは、撮像部5aから撮像信号として出力される。撮像部5aは、例えばYUVフォーマットのデジタルの撮像信号を生成し、デジタルの撮像信号を出力するように構成されている。
【0029】
前処理部5b(第1処理部51及び第2処理部52)は、撮像信号を受け取り、撮像画像に画像処理をそれぞれ施す。
【0030】
第1処理部51は、撮像画像に対して、判定部5cによる後述の判定処理に適した第1画像処理を施し、第1画像処理を施した撮像画像を判定部5cに引き渡す。第1処理部51は、第1画像処理として、例えばエッジ検出処理、及びフィルタリング処理などを行い、撮像画像に対してエッジ強調、及びノイズ除去などを行う。
【0031】
第2処理部52は、撮像画像に対して、ユーザが見やすい画像になるように第2画像処理を施し、第2画像処理を施した撮像画像を第2通信部5eに引き渡す。第2処理部52は、第2画像処理として、例えばフィルタ処理、平滑化処理、及び濃淡変換処理などを行い、撮像画像に対してノイズ除去、平滑化、明るさ補正、コントラスト補正、及び色補正などを行う。
【0032】
判定部5cは、撮像画像に基づいて、空間Ra内の人の状態を判定する。本実施形態では、判定部5cは、第1処理部51で第1画像処理を施された撮像画像を用いる。判定部5cが判定する人の状態は、空間Raにおける人の在,不在、空間Raに存在する人の数(人数)、及び空間Raに存在する人の位置座標などである。
【0033】
例えば、判定部5cは、撮像画像に対してパターン認識又はテンプレートマッチングを施し、撮像画像内のオブジェクトの特徴を抽出することで、撮像画像内のオブジェクトが人であるか否か(空間Ra内の人の在,不在)を判定できる。判定部5cは、空間Ra内に人が存在する場合、人数(人であると認識したオブジェクトの数)を計数する。また、判定部5cは、空間Raに存在する人の位置座標として、天井から下方を見た平面視における人の位置(人であると認識したオブジェクトの位置)を2次元座標で求める。
【0034】
第1通信部5dは、判定部5cの判定結果に基づいた判定情報を出力する。第1通信部5dの出力ポートは通信線W6に接続している。判定情報は、通信線W6、及び通信インタフェース3を介して、照明コントローラ21へ伝送される。また、判定情報は、通信線W6、通信インタフェース3、通信線W5、ハブ4、及び通信線W5を介して、センター装置1へ伝送される。判定情報には、空間Raにおける人の在,不在、空間Raに存在する人の数、及び空間Raに存在する人の位置座標などの各データが含まれる。
【0035】
第2通信部5eは、第2処理部52で第2画像処理を施された撮像画像のデータを画像情報として出力する。第2通信部5eの出力ポートは通信線W5に接続している。画像情報は、通信線W5、ハブ4、及び通信線W5を介して、センター装置1へ伝送される。
【0036】
本実施形態では、第1通信部5dは、通信線W6に判定情報を送出する。一方、第2通信部5eは、通信線W5に画像情報を送出する。そして、第1通信部5dが判定情報を出力するタイミングと、第2通信部5eが画像情報を出力するタイミングとが重複した場合には、第1通信部5d及び第2通信部5eは、判定情報及び画像情報を同時にそれぞれ出力する。本実施形態では、第1通信部5dが出力する判定情報の送信経路と、第2通信部5eが出力する画像情報の送信経路とが互いに異なるので、判定情報及び画像情報が同時に出力されたとしても、判定情報の伝送容量及び画像情報の伝送容量の低下は抑えられる。したがって、画像センサ5は、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できる。
【0037】
出力設定部5fは、第2通信部5eによる画像情報の出力の可否を設定する。具体的に、出力設定部5fは、第2通信部5eに対して、画像情報の出力の可否を通知する出力制御信号を出力する。第2通信部5eは、出力制御信号によって画像情報の出力を許可されているか否かを認識できる。第2通信部5eは、画像情報の出力を許可されていれば、画像情報を出力する。第2通信部5eは、画像情報の出力を許可されていなければ、画像情報を出力しない。
【0038】
出力設定部5fは、例えば画像センサ5に設けられた操作スイッチであってもよい。この場合、ユーザが操作スイッチを操作することで、画像情報の出力の可否が設定される。
【0039】
また、出力設定部5fは、第3通信部5gが受け取った出力設定情報に基づいて画像情報の出力の可否を設定してもよい。出力設定情報は、出力設定部5fの設定に関する情報であり、無線信号又は有線信号によって、外部の設定装置から第3通信部5gに伝達される。設定装置は、センター装置1、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、及び専用端末の少なくとも1つである。無線信号は、例えばWi-Fi、Bluetooth、ZigBee又は特定小電力無線等の規格に準拠した無線信号、あるいは赤外線信号などである。
【0040】
したがって、画像センサ5は、空間Ra内の人のプライバシーを考慮して、画像情報の出力の可否を設定できる。すなわち、画像センサ5は、センター装置1が必要なときにのみ画像情報を出力し、空間Ra内の人のプライバシーを尊重するときには画像情報を出力しないように、画像情報の出力を制御することができる。
【0041】
なお、第1通信部5d及び第2通信部5eの一方が、第3通信部5gの機能を兼用してもよい。この場合、第1通信部5dが、第3通信部5gの機能を兼用することが好ましい。第1通信部5dが第3通信部5gの機能を兼用することによって、画像情報を出力する通信部(第2通信部5e)と、出力設定情報を受け取る通信部とを別構成とすることができる。第1通信部5dが第3通信部5gの機能を兼用する構成は、第2通信部5eが第3通信部5gの機能を兼用する構成に比べて、セキュリティ向上の観点からは好ましい。
【0042】
処理エリア設定部5hは、撮像画像を複数の処理エリアに分割する。前処理部5b(第1処理部51、及び第2処理部52)は、複数の処理エリアのそれぞれに対して画像処理(第1画像処理、及び第2画像処理)を施す。
【0043】
図4は、事務所の一部である空間Raを撮像した撮像画像G1を示す。処理エリア設定部5hは、撮像画像G1を3つの処理エリアG11~G13に分割する。2つの矩形状の処理エリアG11、G12は、机、及び机の周辺が映っているエリアである。処理エリアG13は、通路が映っているエリアである。処理エリア設定部5hは、例えば、第3通信部5gが受け取った処理エリア設定情報に基づいて処理エリアG11~G13を設定する。処理エリア設定情報は、処理エリアG11~G13の設定に関する情報であり、無線信号又は有線信号によって、外部の設定装置から第3通信部5gに伝達される。また、処理エリア設定部5hは、撮像画像G1に対してパターン認識又はテンプレートマッチングを施し、撮像画像G1に映っている机及び通路を認識して、自動で処理エリアG11~G13を設定してもよい。
【0044】
処理エリア設定部5hは、複数の処理エリアG11~G13のそれぞれに施される画像処理の内容を設定する機能を有することが好ましい。前処理部5b(第1処理部51、及び第2処理部52)は、処理エリアG11~G13のそれぞれに対して、処理エリア設定部5hによって設定された画像処理(第1画像処理、及び第2画像処理)を施す。例えば、処理エリア設定部5hは、第2処理部52が施す第2画像処理の内容を処理エリアG11~G13に個別に設定する。処理エリア設定部5hは、机、及び机の周辺が映っている処理エリアG11、G12に対しては、処理エリアG11、G12がぼけて机、及び机の周辺が鮮明に映らないように、平滑化処理、及び濃淡変換処理などの第2画像処理の内容を設定する。処理エリア設定部5hは、通路が映っている処理エリアG13に対しては、処理エリアG13が鮮明に映るように、フィルタ処理、及び濃淡変換処理などの第2画像処理の内容を設定する。また、処理エリア設定部5hは、第1処理部51が施す第1画像処理の内容を処理エリアG11~G13にそれぞれ個別に設定することも可能である。
【0045】
上述のように、画像センサ5は、撮像画像G1の処理エリアG11~G13毎に、画像処理の内容を個別に設定できる。したがって、画像センサ5は、机の周辺(パーソナルコンピュータの画面、及び書類など)などの機密が映っている処理エリアや、個人情報が映っている処理エリアなどが鮮明に見えないように、撮像画像を加工することができる。すなわち、画像センサ5は、処理エリアG11~G13毎に人のプライバシーを考慮した画像情報及び判定情報を生成できる。
【0046】
処理エリア設定部5hは、複数の処理エリアG11~G13のそれぞれについて画像処理を行うか否か(画像処理の可否)を設定する機能を有することが好ましい。前処理部5b(第1処理部51、及び第2処理部52)は、処理エリアG11~G13のうち、処理エリア設定部5hによって画像処理を行うと設定された処理エリアに対して、画像処理(第1画像処理、及び第2画像処理)を施す。例えば、処理エリア設定部5hは、第2処理部52による第2画像処理の可否を、処理エリアG11~G13にそれぞれ個別に設定する。処理エリア設定部5hは、机、及び机の周辺が映っている処理エリアG11、G12に対しては、処理エリアG11、G12がぼけて机、及び机の周辺が鮮明に映らないように、「第2画像処理:可」と設定する。処理エリア設定部5hは、通路が映っている処理エリアG13に対しては、処理エリアG13が鮮明に映るように、「第2画像処理:否」と設定する。また、処理エリア設定部5hは、第1処理部51が施す第1画像処理の可否を処理エリアG11~G13に個別に設定することも可能である。
【0047】
上述のように、画像センサ5は、撮像画像G1の処理エリアG11~G13毎に、画像処理の可否を個別に設定できる。したがって、画像センサ5は、机の周辺(パーソナルコンピュータの画面、及び書類など)などの機密が映っている処理エリアや、個人情報が映っている処理エリアなどが鮮明に見えないように、撮像画像を加工することができる。すなわち、画像センサ5は、処理エリアG11~G13毎に人のプライバシーを考慮した画像情報及び判定情報を生成できる。
【0048】
第2処理部52は、第2画像処理を施した撮像画像に第1画像処理の結果を反映させる
ことが好ましい。第1処理部51は、第1画像処理として、例えばエッジ検出処理を行い、撮像画像に対してエッジ強調を行う。そこで、第2処理部52は、第2画像処理を施した撮像画像に、第1画像処理で生成されたエッジを重ねる。また、第1処理部51が、第1画像処理として、撮像画像の温度分布を表すヒートマップを生成する場合、第2処理部52は、第2画像処理を施した撮像画像にヒートマップを重ねてもよい。したがって、画像センサ5は、画像情報に第1画像処理の結果を含めることができる。
【0049】
判定エリア設定部5iは、判定部5cの判定対象となる撮像画像の一部を判定エリアとして設定することが好ましい。判定部5cは、第1処理部51から第1画像処理が施された撮像画像を受け取る。判定エリア設定部5iは、判定部5cが受け取った撮像画像の一部を判定エリアとして設定する。判定部5cは、撮像画像の全領域のうち判定エリアについてのみ、人の状態を判定する。例えば、判定部5cは、判定エリア内のオブジェクトが人であるか否か(判定エリア内の人の在,不在)、判定エリア内の人の数、及び判定エリア内の人の位置などを判定する。判定エリア設定部5iは、例えば、第3通信部5gが受け取った判定エリア設定情報に基づいて判定エリアを設定する。判定エリア設定情報は、判定エリアの設定に関する情報であり、無線信号又は有線信号によって、外部の設定装置から第3通信部5gに伝達される。したがって、画像センサ5は、空間Raのうち必要なエリアについてのみ、人の状態を判定することができる。また、判定エリア設定部5iは、判定情報に含まれる撮像画像の一部を判定エリアとして設定し、第1通信部5dは、判定エリアに対応する判定情報を出力してもよい。
【0050】
画像エリア設定部5jは、画像情報に含まれる撮像画像のエリアを画像エリアとして設定することが好ましい。第2通信部5eは、第2処理部52から画像処理が施された撮像画像を受け取る。画像エリア設定部5jは、第2処理部52が受け取った撮像画像の一部を、画像エリアとして設定する。第2通信部5eは、撮像画像のうち判定エリアのみを含む画像情報を生成する。画像エリア設定部5jは、例えば、第3通信部5gが受け取った画像エリア設定情報に基づいて画像エリアを設定する。画像エリア設定情報は、画像エリアの設定に関する情報であり、無線信号又は有線信号によって、外部の設定装置から第3通信部5gに伝達される。したがって、画像センサ5は、空間Raのうち必要なエリアについてのみ、画像情報を出力することができる。
【0051】
第1通信部5dによる判定情報の出力及び第2通信部5eによる画像情報の出力の少なくとも一方は、外部で所定のイベントが発生した場合に実行されることが好ましい。所定のイベントは、管理空間R1に人が入室又は退室した入退室イベント、又はセンター装置1が管理空間R1の管理ログを更新するログ更新イベントなどである。いずれかのイベントが発生すると、外部の設定装置から第3通信部5gにイベント信号が伝達される。第3通信部5gがイベント信号を受け取ると、第1通信部5dは、撮像画像に基づく判定情報を出力する。また、第3通信部5gがイベント信号を受け取ると、第2通信部5eは、所定期間に亘って画像情報を出力する。したがって、画像センサ5は、空間Ra内の人のプライバシーを尊重するときには画像情報及び判定情報の少なくとも一方を出力しないように、各情報の出力を制御することができる。
【0052】
報知部5kは、判定部5c、第1通信部5d、及び第2通信部5eの少なくとも1つの設定に関する情報を報知することが好ましい。報知部5kは、LEDなどの発光素子、及び発光素子を駆動させる駆動回路などを有する。報知部5kは、例えば判定部5c、第1通信部5d、及び第2通信部5eの少なくとも1つの設定情報を、発光素子の点灯、点滅、及び発光色などによって報知する。この場合、判定部5cの設定状況は、判定エリア設定部5iによって設定された判定エリアの設定情報である。第1通信部5dの設定状況は、判定エリア設定部5iによって設定された判定エリアの設定情報である。第2通信部5eの設定状況は、画像エリア設定部5jによって設定された画像エリアの設定情報である。さらに、報知部5kは、前処理部5bの設定に関する情報を報知してもよい。この場合、前処理部5bに関する情報は、処理エリア設定部5hによって設定された処理エリアの設定情報である。したがって、画像センサ5は、設定に関する情報をユーザに報知できる。
【0053】
また、報知部5kは、ディスプレイ装置(液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイなど)を有していてもよい。この場合、報知部5kは、文字、シンボル、記号などによって表した上述の設定情報をディスプレイ装置に表示させる。
【0054】
本実施形態の画像センサ5の出力方法は、図5のフローチャートに示される。出力方法は、撮像ステップS1と、判定ステップS2と、通信ステップS3とを備える。撮像ステップS1では、撮像部5aが空間Raを撮像し、撮像画像のデータを生成する。判定ステップS2では、判定部5cは、撮像画像に基づいて、空間Ra内の人の状態を判定し、判定結果に基づいた判定情報を出力する。通信ステップS3では、第1通信部5dが判定情報を出力する第1通信ステップS31、及び第1通信部5dが撮像画像を含む画像情報を出力する第2通信ステップS32が行われる。本開示では、第1通信ステップS31及び第2通信ステップS32を同時に行うことができる。
【0055】
(3)センター装置
センター装置1は、管理空間R1内の複数の画像センサ5から上述の判定情報及び画像情報を受け取る。また、センター装置1は、入退室コントローラ22から、管理空間R1に入退室する人の識別情報の読み取り状況を示す入退室情報を受け取る。そして、センター装置1は、複数の画像センサ5から受け取った各判定情報に基づいて、管理空間R1内の人の在,不在、人の数、及び人の位置を把握できる。また、センター装置1は、複数の画像センサ5から受け取った各画像情報、及び入退室情報に基づいて、管理空間R1内の人の動きを追跡する。したがって、センター装置1は、管理空間R1内の人を識別し、人の動きを管理又は監視できる。さらに、センター装置1は、照明コントローラ21、空調コントローラ23、及び他のコントローラに対して、制御に関する各種パラメータなどの設定を行うことができる。
【0056】
(4)コントローラ
照明コントローラ21は、管理空間R1内の複数の画像センサ5から上述の判定情報を受け取る。そして、照明コントローラ21は、複数の画像センサ5から受け取った各判定情報に基づいて、管理空間R1内の人の在,不在、人の数、及び人の位置を検出できる。そこで、照明コントローラ21は、管理空間R1内の人の在,不在、人の数、及び人の位置に基づいて、管理空間R1内の複数の照明器具L1を個別に制御できる。例えば、照明コントローラ21は、管理空間R1内の人が存在する空間Raの照明器具L1のみ点灯させる。また、照明コントローラ21は、空間Ra内の人の数が多いほど、照明器具L1の光出力を大きくする。また、照明コントローラ21は、空間Ra内の人の位置に応じて、空間Ra内で点灯させる照明器具L1を決定する。したがって、照明コントローラ21は、管理空間R1の照明制御の効率と人の快適性とを両立させることができる。
【0057】
空調コントローラ23などの他のコントローラも、照明コントローラ21と同様に、管理空間R1内の人の在,不在、人の数、及び人の位置に基づいて、管理空間R1内の複数の機器を個別に制御できる。
【0058】
(変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、画像センサ5と同様の機能は、画像センサの出力方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。
【0059】
変形例としては、第2通信部5eは、画像情報以外の情報として、例えば制御情報などの他の情報を出力してもよい。
【0060】
本開示における画像センサ5又は画像センサの出力方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における画像センサ5又は画像センサの出力方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0061】
コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、画像センサ5の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0062】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の画像センサ(5)は、撮像部(5a)と、判定部(5c)と、第1通信部(5d)と、第2通信部(5e)と、を備える。撮像部(5a)は、所定の空間(Ra)を撮像して、撮像画像のデータを生成する。判定部(5c)は、撮像画像に基づいて、空間(Ra)内の人の状態を判定する。第1通信部(5d)は、判定部(5c)の判定結果に基づいた判定情報を出力する。第2通信部(5e)は、撮像画像を含む画像情報を出力する。第1通信部(5d)及び第2通信部(5e)は、少なくとも判定情報及び画像情報を同時に出力することができる。
【0063】
上述の画像センサ(5)は、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できる。
【0064】
第2の態様の画像センサ(5)は、第1の態様において、第2通信部(5e)による画像情報の出力の可否を設定する出力設定部(5f)を更に備えることが好ましい。
【0065】
上述の画像センサ(5)は、空間(Ra)内の人のプライバシーを考慮して、画像情報の出力の可否を設定できる。
【0066】
第3の態様の画像センサ(5)は、第2の態様において、出力設定部(5f)の設定に関する出力設定情報を受け付ける第3通信部(5g)を更に備えることが好ましい。
【0067】
上述の画像センサ(5)は、空間(Ra)内の人のプライバシーを考慮して、画像情報の出力の可否を設定できる。
【0068】
第4の態様の画像センサ(5)は、第1乃至第3の態様のいずれか一つにおいて、撮像画像に画像処理を施す前処理部(5b)を更に備えることが好ましい。
【0069】
上述の画像センサ(5)は、判定部(5c)による判定処理の精度向上、及び画像情報の鮮明化を図ることができる。
【0070】
第5の態様の画像センサ(5)では、第4の態様において、前処理部(5b)は、第1処理部(51)と、第2処理部(52)と、を有することが好ましい。第1処理部(51)は、画像処理として第1画像処理を施した撮像画像を判定部(5c)に引き渡す。第2処理部(52)は、画像処理として第2画像処理を施した撮像画像を第2通信部(5e)に引き渡す。
【0071】
上述の画像センサ(5)は、判定部(5c)による判定処理の精度向上、及び画像情報の鮮明化を図ることができる。
【0072】
第6の態様の画像センサ(5)では、第5の態様において、第2処理部(52)は、第2画像処理を施した撮像画像に第1画像処理の結果を反映させることが好ましい。
【0073】
上述の画像センサ(5)は、画像情報に第1画像処理の結果を含めることができる。
【0074】
第7の態様の画像センサ(5)は、第4乃至第6の態様のいずれか一つにおいて、撮像画像(G1)を複数の処理エリア(G11~G13)に分割する処理エリア設定部(5h)を更に備えることが好ましい。前処理部(5b)は、複数の処理エリア(G11~G13)のそれぞれに対して画像処理を施す。
【0075】
上述の画像センサ(5)は、処理エリア(G11~G13)毎に人のプライバシーを考慮した画像情報及び判定情報を生成できる。
【0076】
第8の態様の画像センサ(5)では、第7の態様において、処理エリア設定部(5h)は、複数の処理エリア(G11~G13)のそれぞれに施される画像処理の内容を設定する機能を有することが好ましい。
【0077】
上述の画像センサ(5)は、処理エリア(G11~G13)毎に人のプライバシーを考慮した画像情報及び判定情報を生成できる。
【0078】
第9の態様の画像センサ(5)では、第7又は第8の態様において、処理エリア設定部(5h)は、複数の処理エリア(G11~G13)のそれぞれについて画像処理を行うか否かを設定する機能を有することが好ましい。
【0079】
上述の画像センサ(5)は、処理エリア(G11~G13)毎に人のプライバシーを考慮した画像情報及び判定情報を生成できる。
【0080】
第10の態様の画像センサ(5)は、第1乃至第9の態様のいずれか一つにおいて、判定部(5c)の判定対象となる撮像画像の一部、及び判定情報に含まれる撮像画像の一部の少なくとも一方を判定エリアとして設定する判定エリア設定部(5i)を更に備えることが好ましい。
【0081】
上述の画像センサ(5)は、空間(Ra)のうち必要なエリアについてのみ、人の状態を判定することができる。
【0082】
第11の態様の画像センサ(5)は、第1乃至第10の態様のいずれか一つにおいて、画像情報に含まれる撮像画像の一部を画像エリアとして設定する画像エリア設定部(5j)を更に備えることが好ましい。
【0083】
上述の画像センサ(5)は、空間(Ra)のうち必要なエリアについてのみ、画像情報として出力することができる。
【0084】
第12の態様の画像センサ(5)では、第1乃至第11の態様のいずれか一つにおいて、第1通信部(5d)による判定情報の出力及び第2通信部(5e)による画像情報の出力の少なくとも一方は、外部で所定のイベントが発生した場合に実行されることが好ましい。
【0085】
上述の画像センサ(5)は、空間(Ra)内の人のプライバシーを尊重するときには画像情報及び判定情報の少なくとも一方を出力しないように、各情報の出力を制御することができる。
【0086】
第13の態様の画像センサ(5)は、第1乃至第12の態様のいずれか一つにおいて、判定部(5c)、第1通信部(5d)、及び第2通信部(5e)の少なくとも1つの設定に関する情報を報知する報知部(5k)を更に備えることが好ましい。
【0087】
上述の画像センサ(5)は、設定に関する情報をユーザに報知できる。
【0088】
第14の態様の画像センサシステム(20)は、第1乃至第13の態様のいずれか一つの画像センサ(5)と、判定情報及び画像情報のうち少なくとも一方を受け取る受信装置(1)と、を備える。
【0089】
上述の画像センサシステム(20)は、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できる。
【0090】
第15の態様の画像センサの出力方法は、撮像ステップ(S1)と、判定ステップ(S2)と、第1通信ステップ(S31)と、第2通信ステップ(S32)と、を備える。撮像ステップ(S1)では、所定の空間(Ra)を撮像して、撮像画像のデータを生成する。判定ステップ(S2)では、撮像画像に基づいて、空間(Ra)内の人の状態を判定する。第1通信ステップ(S31)では、判定ステップ(S2)の判定結果に基づいた判定情報を出力する。第2通信ステップ(S32)では、撮像画像を含む画像情報を出力する。そして、第1通信ステップ(S31)及び第2通信ステップ(S32)を同時に行うことができる。
【0091】
上述の画像センサの出力方法は、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できる。
【0092】
第16の態様のプログラムは、コンピュータに、第15の態様の画像センサの出力方法を実行させる。
【0093】
上述のプログラムは、判定情報の出力時でも画像情報の伝送容量を維持できる。
【符号の説明】
【0094】
1 センター装置(受信装置)
5 画像センサ
5a 撮像部
5b 前処理部
5c 判定部
5d 第1通信部
5e 第2通信部
5f 出力設定部
5g 第3通信部
5h 処理エリア設定部
5i 判定エリア設定部
5j 画像エリア設定部
5k 報知部
51 第1処理部
52 第2処理部
G1 撮像画像
G11~G13 処理エリア
Ra 空間
S1 撮像ステップ
S2 判定ステップ
S31 第1通信ステップ
S32 第2通信ステップ
図1
図2
図3
図4
図5