(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】負荷制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20240913BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20240913BHJP
H05B 45/31 20200101ALI20240913BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20240913BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240913BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/375
H05B45/31
H05B45/325
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2020133301
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-01-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-050258(JP,A)
【文献】特開2017-054741(JP,A)
【文献】特開2007-189800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源及び負荷の直列回路が接続される一対の接続端子と、
前記一対の接続端子の間に接続されるスイッチ部と、
前記スイッチ部のオン/オフを制御する制御部を少なくとも含む内部回路と、
前記内部回路に電力を供給するための蓄電部と、
前記一対の接続端子と前記蓄電部との間に接続されるDC/DCコンバータを含み、前記交流電源から前記負荷への電力供給を遮断する遮断状態において前記DC/DCコンバータの出力電圧を前記蓄電部に印加することで前記蓄電部を充電する第1電源部と、
前記交流電源から前記負荷へ電力を供給する給電状態において、前記一対の接続端子と前記蓄電部との間に、前記第1電源部に比べて低インピーダンスの充電経路を形成して前記蓄電部を充電する第2電源部と、
前記蓄電部の両端電圧を電圧変換して前記内部回路の動作用の電力を生成する第3電源部と、を備え、
前記蓄電部と前記第3電源部との間に、電流の電流値を所定値以下に制限する電流制限部が接続されて
おり、
前記蓄電部は第1蓄電部であり、
前記第3電源部と前記電流制限部との間に第2蓄電部が接続されており、
前記第2蓄電部の両端間に接続されたツェナーダイオードとスイッチ素子の直列回路を備え、
前記制御部は、前記スイッチ部の導通状態で前記スイッチ素子を導通状態に制御する、
負荷制御装置。
【請求項2】
前記給電状態での前記蓄電部の充電電圧よりも、前記遮断状態での前記蓄電部の充電電圧の方が低い、
請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記給電状態での前記蓄電部の充電電圧と、前記遮断状態での前記蓄電部の充電電圧との差が、前記給電状態での前記蓄電部の充電電圧の50%以下である、
請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項4】
前記給電状態での前記蓄電部の充電電圧と、前記遮断状態での前記蓄電部の充電電圧とが等しい、
請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項5】
前記電流制限部が定電流回路を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項6】
前記内部回路が、無線通信を行う無線通信部を更に含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項7】
前記負荷が調光可能な照明負荷を含み、
前記制御部は、前記交流電源の交流電圧の各半周期に、前記照明負荷の調光レベルに応じて決定した導通期間に前記スイッチ部をオンに制御し、前記導通期間以外の遮断期間に前記スイッチ部をオフに制御する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記交流電圧の半周期の始点から前記導通期間が経過するまで前記スイッチ部をオン状態に制御し、前記導通期間の経過後に前記スイッチ部をオフ状態に制御する、
請求項7に記載の負荷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に負荷制御装置に関し、より詳細には、電源と負荷との間に挿入されるスイッチ部を備える負荷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、交流電源に対して負荷と直列に接続されたスイッチ部と、制御部と、制御電源部とを備える調光装置(負荷制御装置)を開示する。制御部は、スイッチ部のオン/オフを制御することによって、負荷を点灯させる状態(負荷へ電力を供給する給電状態)と、負荷を消灯させる状態(負荷への電力供給を遮断する状態)と、を切り替える。制御電源部は、交流電源を所定の制御電源に変換する。制御電源部は、制御電源を蓄積する容量性素子(蓄電部)を有する。制御部は、制御電源部から容量性素子を通じて制御電源(内部回路)が供給される。
【0003】
この調光装置では、負荷を点灯する場合、交流電圧の毎半サイクルの期間途中でスイッチ部をオフにして負荷への導通を遮断しており、スイッチ部がオフの期間に制御電源部が交流電源から制御電源を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の調光装置において、負荷へ電力を供給する給電状態から、負荷への電力供給を遮断する遮断状態へと切り替わる場合に蓄電部に大きな電流が流れると、負荷が一瞬誤動作する可能性があり、負荷の動作が不安定なる可能性があった。
【0006】
本開示の目的は、負荷へ電力を供給する給電状態から負荷への電力供給を遮断する遮断状態に切り替わる場合に負荷の動作が不安定になるのを抑制できる負荷制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の負荷制御装置は、一対の接続端子と、スイッチ部と、内部回路と、前記内部回路に電力を供給するための蓄電部と、第1電源部と、第2電源部と、第3電源部と、を備える。前記一対の接続端子は、交流電源及び負荷の直列回路が接続される。前記スイッチ部は、前記一対の接続端子の間に接続される。前記内部回路は、前記スイッチ部のオン/オフを制御する制御部を少なくとも含む。前記第1電源部は、前記一対の接続端子と前記蓄電部との間に接続されるDC/DCコンバータを含む。前記第1電源部は、前記交流電源から前記負荷への電力供給を遮断する遮断状態において前記DC/DCコンバータの出力電圧を前記蓄電部に印加することで前記蓄電部を充電する。前記第2電源部は、前記交流電源から前記負荷へ電力を供給する給電状態において、前記一対の接続端子と前記蓄電部との間に、前記第1電源部に比べて低インピーダンスの充電経路を形成して前記蓄電部を充電する。前記第3電源部は、前記蓄電部の両端電圧を電圧変換して前記内部回路の動作用の電力を生成する。前記蓄電部と前記第3電源部との間に、電流の電流値を所定値以下に制限する電流制限部が接続されている。前記蓄電部は第1蓄電部である。前記第3電源部と前記電流制限部との間に第2蓄電部が接続されている。前記負荷制御装置は、前記第2蓄電部の両端間に接続されたツェナーダイオードとスイッチ素子の直列回路を備える。前記制御部は、前記スイッチ部の導通状態で前記スイッチ素子を導通状態に制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、負荷へ電力を供給する給電状態から負荷への電力供給を遮断する遮断状態に切り替わる場合に負荷の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る負荷制御装置の概略的な回路図である。
【
図2】
図2は、同上の負荷制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
(1)概要
以下、一実施形態に係る負荷制御装置1の概要について、
図1を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る負荷制御装置1は、
図1に示すように、交流電源2と負荷3との間に挿入されるスイッチ部11を備える。本開示でいう「挿入」とは、電気的に接続される二者間への挿入を意味し、スイッチ部11は、交流電源2と負荷3とで構成される回路において交流電源2と負荷3との間に電気的に接続されることになる。言い換えれば、負荷3は、交流電源2に対し、スイッチ部11を介して電気的に接続される。
【0012】
スイッチ部11は、例えば、トランジスタ又は双方向サイリスタ等の半導体スイッチにて実現される。本実施形態では、負荷制御装置1は、スイッチ部11を電子的に制御することにより、交流電源2と負荷3との間の導通/非導通を電子的に切り替える、いわゆる電子スイッチである。負荷制御装置1は、交流電源2及び負荷3の直列回路が接続される一対の接続端子TA1,TA2を備えており、スイッチ部11は、一対の接続端子TA1,TA2の間に電気的に接続されている。言い換えれば、負荷制御装置1の内部において、接続端子TA1と接続端子TA2とは、スイッチ部11を介して電気的に接続されている。一方の接続端子TA1が交流電源2に接続され、他方の接続端子TA2が負荷3に接続されることで、交流電源2と負荷3との間にスイッチ部11が挿入される。
【0013】
このような構成によれば、負荷制御装置1は、交流電源2から負荷3への通電状態(電力の供給状態)を、スイッチ部11にて制御することできる。基本的には、スイッチ部11の動作状態が導通状態にあれば、接続端子TA1と接続端子TA2との間がスイッチ部11を介して導通し、スイッチ部11の動作状態が遮断状態にあれば、接続端子TA1と接続端子TA2との間が非導通となる。つまり、スイッチ部11が導通状態にあれば、負荷制御装置1を介して交流電源2から負荷3への電力の供給が行われる給電状態となる。また、スイッチ部11が遮断状態にあれば、負荷制御装置1にて交流電源2から負荷3への電力の供給が遮断される遮断状態となる。つまり、本実施形態の負荷制御装置1は、負荷3に電力を供給する給電状態と、負荷3への電力供給を遮断する遮断状態とを切り替えるスイッチとして機能する。なお、負荷制御装置1は、調光レベルに応じてスイッチ部11がオンするタイミング又はオフするタイミングを制御することによって、照明負荷である負荷3の明るさを調整する調光機能を備えてもよいが、負荷制御装置1が調光機能を備えることは必須ではない。
【0014】
ところで、本実施形態に係る負荷制御装置1は、内部回路12と、内部回路12に電力を供給するための蓄電部(第1蓄電部)C1と、第1電源部13と、第2電源部14と、を更に備えている。内部回路12は、スイッチ部11を制御する制御部121等を含んでいる。
【0015】
第1電源部13は、一対の接続端子TA1,TA2と蓄電部C1との間に接続されるDC/DCコンバータ132を含む。第1電源部13は、交流電源2から負荷3への電力供給を遮断する遮断状態においてDC/DCコンバータ132の出力電圧を蓄電部C1に印加することで蓄電部C1を充電する。なお、図中、DC/DCコンバータ132を単に「DC/DC」と表記している。
【0016】
第2電源部14は、交流電源2から負荷3へ電力を供給する給電状態において、一対の接続端子TA1,TA2と蓄電部C1との間に、第1電源部13に比べて低インピーダンスの充電経路を形成して蓄電部C1を充電する。
【0017】
本実施形態では、内部回路12に電力を供給するための蓄電部C1は、遮断状態では第1電源部13によって充電され、給電状態では第2電源部14によって充電される。
【0018】
給電状態では蓄電部C1は第2電源部14によって充電された状態にあるので、給電状態から遮断状態に切り替わるタイミングで蓄電部C1に電荷が溜まっていない場合に比べて、蓄電部C1を充電するために第1電源部13に大電流が流れるのを抑制できる。これによって負荷3に大電流が流れることが抑制されるから、負荷3が一時的に誤動作する可能性を低減でき、負荷2の動作が不安定になるのを抑制できる。例えば、負荷3が照明負荷である場合、負荷3を点灯状態から消灯状態に切り替えたタイミングで負荷3が一時的に誤点灯する可能性を低減できる。
【0019】
また、給電状態から遮断状態に切り替わるタイミングで蓄電部C1に電荷が溜まっていない場合に比べて、蓄電部C1の充電に要する時間を短くできる。したがって、遮断状態において蓄電部C1を電源として内部回路12に速やかに動作用の電力を供給することが可能になり、給電状態から遮断状態へスムーズに移行することができる。
【0020】
また、遮断状態では蓄電部C1は第1電源部13によって充電された状態にあるので、遮断状態から給電状態に切り替わるタイミングで蓄電部C1に電荷が溜まっていない場合に比べて、蓄電部C1の充電に要する時間を短くできる。したがって、給電状態において蓄電部C1を電源として内部回路12に速やかに動作用の電力を供給することが可能になり、遮断状態から給電状態へスムーズに移行することができる。
【0021】
また、本実施形態の負荷制御装置1では、交流電源2と負荷3との間にスイッチ部11を挿入するための一対の接続端子TA1,TA2から、内部回路12の動作用の電力を確保している。すなわち、負荷制御装置1は、一対の接続端子TA1,TA2に接続される2本の電線にて、内部回路12の動作用の電力を確保できる、いわゆる2線式の負荷制御装置である。このような2線式の負荷制御装置1においては、内部回路12の動作用の電力を供給するための電源端子を、一対の接続端子TA1,TA2とは別に設ける必要がなく、負荷制御装置1を設置する際の配線作業も簡単になる。
【0022】
(2)詳細
(2.1)前提
本実施形態では、負荷制御装置1は、建物の取付対象物に固定される。本開示でいう「取付対象物」は、負荷制御装置1が固定される物体であって、例えば、建物の壁、天井若しくは床等の造営物、又は机、棚、若しくはカウンタ台等の什器(建具を含む)等を含む。負荷制御装置1が設置される建物は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校、工場、病院若しくは介護施設等の非住宅施設である。
【0023】
本実施形態では一例として、負荷制御装置1は、住宅の壁からなる取付対象物に取り付けられる、埋込型の配線器具であると仮定する。また、交流電源2は、例えば、単相100〔V〕、60〔Hz〕の商用の交流電源(系統電源)であると仮定する。さらに、負荷3は、例えば、LED(Light Emitting Diode)からなる光源と、光源を点灯させる点灯回路と、を備える照明負荷(照明器具)であると仮定する。この負荷3では、交流電源2からの電力供給時に光源が点灯する。
【0024】
また、負荷制御装置1は、電線を接続するための接続端子TA1,TA2を備えており、例えば、壁(取付対象物)内に引き回された電線が接続端子TA1,TA2に接続されることで、電線を介して交流電源2及び負荷3に電気的に接続される。電線は、交流電源2(系統電源等)に対しては、直接的に接続されてもよいし、分電盤等を介して間接的に接続されてもよい。
【0025】
また、本開示でいう接続端子TA1,TA2等の「端子」は、電線等を接続するための部品でなくてもよく、例えば、電子部品のリード、又は回路基板に含まれる導体の一部等であってもよい。
【0026】
また、本開示において、2値の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
【0027】
(2.2)負荷制御装置の全体構成
以下に、本実施形態に係る負荷制御装置1の全体構成について、
図1を参照して説明する。
【0028】
負荷制御装置1は、一対の接続端子TA1,TA2と、スイッチ部11と、制御部121を含む内部回路12と、蓄電部C1と、第1電源部13と、第2電源部14と、を備えている。また、本実施形態では、負荷制御装置1は、第3電源部15と、電流制限部16と、充電検出部17と、レベルシフト回路18と、ゼロクロス(図中「ZC」と表記)検出部191,192と、を更に備えている。ここにおいて、第1電源部13、第2電源部14、第3電源部15、電流制限部16、及び蓄電部C1等から、給電状態及び遮断状態のそれぞれで内部回路12の動作用の電力を生成する電源回路20が構成される。これらの負荷制御装置1の構成部品は、1つの筐体に収納されている。なお、本実施形態では電源回路20が第3電源部15を含んでいるが、第3電源部15は負荷制御装置1に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【0029】
一対の接続端子TA1,TA2の各々は、電線が電気的かつ機械的に接続される部品である。一対の接続端子TA1,TA2の各々は、一例として、端子孔から電線を差し込むことによって電線が接続される、電線差込式のいわゆる速結端子である。
【0030】
スイッチ部11は、交流電源2と負荷3との間に挿入され、交流電源2と負荷3との間の導通/遮断を切り替える。本実施形態では一例として、スイッチ部11は、一対の接続端子TA1,TA2間において、電気的に直列に接続された2つのMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)Q1,Q2を有している。これら2つのMOSFETQ1,Q2の各々は、エンハンスメント形のnチャネルMOSFETである。2つのMOSFETQ1,Q2は、ソース端子同士が互いに接続される、つまり、いわゆる逆直列に接続されることにより、双方向の電流について、導通/遮断を切り替える。
【0031】
各MOSFETQ1,Q2のゲート端子は、レベルシフト回路18に電気的に接続されている。レベルシフト回路18は、後述する制御部121からの制御信号S1が入力されることにより、各MOSFETQ1,Q2のゲート端子に制御信号S2を出力して、各MOSFETQ1,Q2を駆動する。
【0032】
また、上述したように、スイッチ部11は、その動作状態として、遮断状態と導通状態とを含んでいる。このうちの導通状態とは、スイッチ部11が連続的に導通している状態だけではなく、スイッチ部11が間欠的に導通している状態を含む。つまり、本開示において、スイッチ部11の遮断状態とは、交流電源2から負荷3への電力の供給が遮断される状態であり、スイッチ部11の導通状態とは、交流電源2から負荷3への電力の供給が行われる状態である。
【0033】
ここでは、スイッチ部11が非導通の状態で、スイッチ部11には交流電源2から交流電圧が印加されることと仮定する。つまり、スイッチ部11が非導通であれば、スイッチ部11の両端間に印加される電圧(以下、「スイッチ間電圧」ともいう)は、交流電源2からの交流電圧Vacと略等しくなる。また、以下では、接続端子TA1が高電位となるスイッチ間電圧の極性を「正極性」、接続端子TA2が高電位となるスイッチ間電圧の極性を「負極性」という。
【0034】
ゼロクロス検出部191,192は、スイッチ間電圧の大きさを検出することで、スイッチ間電圧のゼロクロス点を検出するように構成されている。
【0035】
ゼロクロス検出部191は、接続端子TA1に電気的に接続されている。ゼロクロス検出部191は、接続端子TA1-グランド(基準電位点)間電圧の絶対値と基準値(例えば、10〔V〕)とを比較することにより、スイッチ間電圧が負極性から正極性に切り替わる際のゼロクロス点を検出する。つまり、ゼロクロス検出部191は、正極性のスイッチ間電圧が基準値未満の状態から基準値以上の状態に移行したことを検出すると、ゼロクロス点と判断する。
【0036】
ゼロクロス検出部192は、接続端子TA2に電気的に接続されている。ゼロクロス検出部192は、接続端子TA2-グランド(基準電位点)間電圧の絶対値と基準値(例えば、10〔V〕)とを比較することにより、スイッチ間電圧が正極性から負極性に切り替わる際のゼロクロス点を検出する。つまり、ゼロクロス検出部192は、負極性のスイッチ間電圧が基準値未満の状態から基準値以上の状態に移行したことを検出すると、ゼロクロス点と判断する。
【0037】
したがって、ゼロクロス検出部191,192で検出されるゼロクロス点の検出タイミングは、厳密な意味でのゼロクロス点(0〔V〕)から少し時間が遅れることになる。
【0038】
また、本実施形態では、接続端子TA1と第1電源部13及び第2電源部14との間にダイオードD3が接続され、接続端子TA2と第1電源部13及び第2電源部14との間にダイオードD4が接続されている。ここにおいて、MOSFETQ1,Q2のボディダイオードD1,D2とダイオードD3,D4とで整流器DB1が構成されている。第1電源部13及び第2電源部14には、スイッチ部11の両端に印加される電圧を全波整流することによって生成された直流電圧が入力される。
【0039】
ここで、本実施形態では、第1電源部13と第2電源部14と第3電源部15とを含む電源回路20が、スイッチ部11の両端に印加される電圧から内部回路12の動作用の電力を生成する。すなわち、電源回路20は、スイッチ間電圧を入力として、内部回路12の動作用の電力を生成する。電源回路20の出力電圧V2(具体的には、第3電源部15の出力電圧)が内部回路12に印加されることで、電源回路20から内部回路12に電力が供給されることになる。
【0040】
ここで、第1電源部13の入力端は、一対の接続端子TA1,TA2に対してそれぞれダイオードD3,D4を介して電気的に接続されている。第2電源部14も同様に、その入力端が一対の接続端子TA1,TA2に対してそれぞれダイオードD3,D4を介して電気的に接続されている。第1電源部13の出力端は蓄電部C1に電気的に接続されている。第2電源部14の出力端はダイオードD5を介して蓄電部C1に電気的に接続されている。蓄電部C1と第3電源部15との間には電流制限部16が接続されており、第3電源部15と電流制限部16との間にはコンデンサ(第2蓄電部)C2が接続されている。これにより、蓄電部C1の両端電圧VC1によってコンデンサC2が充電され、第3電源部15は、コンデンサC2の両端電圧VC2を、所定の電圧値の直流電圧である出力電圧V2に変換する。これにより、第3電源部15は、第1電源部13及び第2電源部14のいずれかによって充電される蓄電部C1を電源として、内部回路12に動作用の電力を供給することになる。
【0041】
ところで、本実施形態では、スイッチ部11の動作状態に応じて蓄電部C1を充電する電源部が切り替わる。スイッチ部11の動作状態は、上述したように、交流電源2から負荷3への電力の供給を遮断する遮断状態と、交流電源2から負荷3への電力の供給を行う導通状態と、を含んでいる。ここにおいて、遮断状態では、第1電源部13によって蓄電部C1が充電され、導通状態では、第2電源部14によって蓄電部C1が充電される。言い換えれば、第1電源部13は、遮断状態において内部回路12に電力を供給するための、遮断時用の電源回路である。また、第2電源部14は、導通状態において内部回路12に電力を供給するための、導通時用の電源回路である。
【0042】
このように、本実施形態では、スイッチ部11の動作状態が遮断状態にあるか導通状態にあるかで、内部回路12の電力の供給元、つまり蓄電部C1を充電する電源部が、第1電源部13と第2電源部14とで切り替わる。要するに、電源回路20は、蓄電部C1を充電する電源部として第1電源部13と第2電源部14とを含み、これら2つの電源部が、スイッチ部11の遮断状態と導通状態とで使い分けられる。
【0043】
遮断時用の第1電源部13と、導通時用の第2電源部14とでは、要求される特性に差がある。つまり、遮断時用の第1電源部13においては、スイッチ部11が遮断状態であるので、電源回路20を通して一対の接続端子TA1,TA2間を流れるリーク電流を低減するべく、相対的に高インピーダンスとなることが要求される。一方、導通時用の第2電源部14においては、スイッチ部11が導通状態であるので、電源回路20にて効率的に電力を生成するべく、相対的に低インピーダンスとなることが要求される。つまり、第2電源部14は、導通状態において、第1電源部13に比べて低インピーダンスの充電経路を形成するように回路が構成されている。
【0044】
以下、電源回路20を構成する各部について詳細に説明する。
【0045】
第1電源部13は、交流電源2から負荷3への電力供給を遮断する遮断状態で蓄電部C1を充電する。第1電源部13は、ドロッパ電源回路131と、コンデンサC0と、DC/DCコンバータ132と、を含む。
【0046】
ドロッパ電源回路131は、スイッチ部11の両端に印加される電圧の整流後の電圧を降圧する。ドロッパ電源回路131は例えばシリーズレギュレータ等の電源回路で構成されている。ドロッパ電源回路131の出力端にはコンデンサC0が接続されており、コンデンサC0はドロッパ電源回路131の出力にて充電される。
【0047】
DC/DCコンバータ132は、降圧チョッパなどのスイッチング電源回路を含む。DC/DCコンバータ132は、コンデンサC0の両端電圧を降圧することによって、所定電圧値(例えばDC11V)の直流電圧を生成する。DC/DCコンバータ132の出力端に蓄電部C1が接続されており、蓄電部C1はDC/DCコンバータ132の出力にて充電される。ここで、DC/DCコンバータ132の一次側のコンデンサC0は、二次側の蓄電部C1に比較して高電圧で充電され、かつ小容量のコンデンサである。つまり、コンデンサC0の両端電圧VC0は、蓄電部C1の両端電圧VC1よりも高くなり、DC/DCコンバータ132の一次側に流れる電流は低下する。したがって、負荷制御装置1の第1電源部13が内部回路12の動作用の電力を生成することによって、負荷3に流れる電流を低減でき、遮断状態において照明負荷である負荷3に流れる電流(リーク電流)を低減することで、負荷3が誤点灯する可能性を低減できる。
【0048】
第2電源部14は、交流電源2から負荷3へ電力を供給する給電状態で蓄電部C1を充電する。第2電源部14は、低インピーダンス回路141を含む。
【0049】
低インピーダンス回路141は、ダイオードD3,D4の出力端(カソード)と蓄電部C1との間に挿入されている。低インピーダンス回路141は、ダイオードD3,D4の出力端と蓄電部C1との間に挿入されたバイポーラトランジスタを含むドロッパ電源等で構成されている。低インピーダンス回路141は、制御部131から入力される制御信号S3に応じてバイポーラトランジスタを導通させることによって、蓄電部C1に流れる電流、つまり蓄電部C1の充電電流を流すための充電経路を形成する。交流電源2から負荷3に電力を供給する給電状態では、制御部121がスイッチ部11を断続的にオン状態に制御する。負荷3の給電状態においてスイッチ部11がオフ状態となる期間に、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタが導通すると、蓄電部C1の充電経路が形成される。制御部121は、例えば、交流電圧Vacの各半周期においてゼロクロス検出部191,192がゼロクロスを検知すると、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタを導通状態に制御し、低インピーダンス回路141を介して蓄電部C1に充電電流を流す。ここで、低インピーダンス回路141を介して蓄電部C1に充電電流が流れる期間では、スイッチ部11の両端間に印加される電圧が、交流電圧Vacのピーク電圧に比べて低くなると想定される。そのため、スイッチ部11の両端間に印加される電圧が相対的に小さい場合でも蓄電部C1を充電可能なように、低インピーダンス回路141は第1電源部13に比べて低インピーダンスに形成されており、低インピーダンス回路141を介して蓄電部C1を短時間で充電することが可能になる。
【0050】
充電検出部17は、第2電源部14による蓄電部C1の充電状態を検出する。具体的には、充電検出部17は、低インピーダンス回路141の出力端に接続されたツェナダイオードZD2及び抵抗R1の直列回路に、電気的に接続されている。充電検出部17は、ツェナダイオードZD2と抵抗R1との接続点に接続されており、蓄電部C1の両端電圧VC1が閾値(例えばDC10V)以上となることをもって、充電検出部17は蓄電部C1の充電完了を検出し、充電完了を示す検出信号S4を制御部121に出力する。制御部12は、充電完了を示す検出信号S4が充電検出部17から入力されると、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタを遮断状態に制御して、蓄電部C1に充電電流を流す充電経路を遮断する。第2電源部14による蓄電部C1の充電が終了すると、制御部121はスイッチ部11を導通状態に制御し、例えば交流電圧の半周期が終わると、スイッチ部11を遮断状態に制御するのである。
【0051】
第3電源部15は、蓄電部C1を電源として内部回路12の動作用の電力を生成する。
【0052】
上述のように本実施形態では、遮断状態では第1電源部13が蓄電部C1を充電し、給電状態では第2電源部14が蓄電部C1を充電しており、給電状態での蓄電部C1の充電電圧よりも、遮断状態での蓄電部C1の充電電圧の方が低くなっている。これにより、給電状態から遮断状態に切り替わった場合に第1電源部13を介して蓄電部C1に大きな充電電流が流れ込むのを抑制できる。したがって、給電状態から遮断状態に切り替わった場合に電源回路20を介して流れるリーク電流を抑制でき、点灯状態から消灯状態に切り替わった負荷3(照明負荷)が一時的に誤点灯する可能性を低減できる。
【0053】
なお、給電状態での蓄電部C1の充電電圧と、遮断状態での蓄電部C1の充電電圧との差が、給電状態での蓄電部C1の充電電圧の50%以下であることが好ましく、スイッチ部11が給電状態又は遮断状態に切り替えられた場合に蓄電部C1に大きな充電電流が流れ込むのを抑制でき、負荷3の動作が不安定になるのを抑制できる。なお、給電状態での蓄電部C1の充電電圧と、遮断状態での蓄電部C1の充電電圧との差が、給電状態での蓄電部C1の充電電圧の30%以下であることがより好ましい。これにより、スイッチ部11が給電状態又は遮断状態に切り替えられた場合に蓄電部C1に大きな充電電流が流れ込むのを更に抑制することができる。さらに言えば、給電状態での蓄電部C1の充電電圧と、遮断状態での蓄電部C1の充電電圧とが等しいことが好ましく、スイッチ部11が給電状態又は遮断状態に切り替えられた場合に蓄電部C1に大きな充電電流が流れ込むのを抑制でき、負荷3の動作が不安定になるのを抑制できる。ここにおいて、給電状態での蓄電部C1の充電電圧と、遮断状態での蓄電部C1の充電電圧とが等しいとは、両者が完全に同じ電圧であることに限定されず、両者の差が給電状態での蓄電部C1の充電電圧の5%以下であることを含み得る。
【0054】
また、本実施形態では、蓄電部C1と第3電源部15との間に、電流の電流値を所定値以下に制限する電流制限部16が接続されている。電流制限部16の一次側には蓄電部C1が接続され、電流制限部16の二次側にはコンデンサC2が接続されている。電流制限部16は、コンデンサC2に流れる電流、つまりコンデンサC2に充電電流を流すための充電経路を形成する。電流制限部16は、蓄電部C1からコンデンサC2に流れる電流を所定値以下に制限するので、内部回路12の消費電力が変動した場合でも、蓄電部C1からの放電電流の変化を抑制でき、負荷3に流れる電流の変化を抑制することができる。なお、二次側のコンデンサC2は、内部回路12における消費電力の変動を吸収するバッファとして機能する。コンデンサC2の両端電圧VC2は、第3電源部15に印加される。本実施形態では、電流制限部16が定電流回路161を含み、定電流回路161が電流を一定値に制御することで、この電流を所定値以下に制限しているが、電流制限部16は定電流回路161を含むものに限定されず、電流リミッタ回路などを含むものでもよい。
【0055】
なお、コンデンサC2の両端間には、ツェナーダイオードZD1とスイッチ素子Q3との直列回路が接続されている。スイッチ素子Q3は、制御部121から入力される制御信号S5によってオン/オフが制御される。スイッチ部11の導通状態では制御部121がスイッチ素子Q3をオン状態に制御しており、コンデンサC2の両端間にツェナーダイオードZD1が接続された状態となる。スイッチ素子Q3がオン状態に制御されると、ツェナーダイオードZD1を介して電流が流れるため、定電流回路161による定電流制御が常時作動する状態となる。
【0056】
第3電源部15は、例えば、降圧チョッパのようなDC/DCコンバータ151を備える。図中、DC/DCコンバータ151を単に「DC/DC」と表記している。DC/DCコンバータ151は、コンデンサC2の両端電圧を、所定の電圧値(例えば3.3V)の直流電圧である出力電圧V2に変換し、この出力電圧V2を内部回路12に印加する。これにより、第3電源部15は、第1電源部13及び第2電源部14のいずれかによって充電された蓄電部C1を電源として、内部回路12に電力を供給することになる。
【0057】
内部回路12は、制御部121と、無線通信部122と、操作受付部123と、を有している。つまり、内部回路12は、制御部121に加えて、無線通信を行う無線通信部122を更に含んでいる。制御部121、無線通信部122及び操作受付部123を含む内部回路12の動作用の電力は、第3電源部15にて生成される。言い換えれば、内部回路12に含まれる制御部121、無線通信部122及び操作受付部123の各々は、第3電源部15から電力の供給を受けて動作する。
【0058】
制御部121は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成として備えている。マイクロコントローラは、1以上のメモリに記録されているプログラムを1以上のプロセッサで実行することにより、制御部121としての機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、制御部121として機能させるためのプログラムである。
【0059】
制御部121は、少なくともスイッチ部11をオン/オフ制御する。さらに、制御部121は、位相制御(逆位相制御を含む)又はPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、単位時間当たりに交流電源2から負荷3へ供給される電力量を調節するように、スイッチ部11を制御(以下、「負荷制御」ともいう)してもよい。また、制御部121は、電源回路20の各部位についても制御する。
【0060】
具体的には、制御部121は、
図2に示すように、ゼロクロス検出部191,192から、それぞれ検出結果を表す検出信号ZC1,ZC2を取得する。同様に、制御部121は、充電検出部17から、検出結果を表す検出信号S4を取得する。また、制御部121は、スイッチ部11を制御するための制御信号S1をレベルシフト回路18に出力する。制御部121は、低インピーダンス回路141に対して、低インピーダンス回路141を制御するための制御信号S3を出力する。また、制御部121は、スイッチ素子Q3に対して、スイッチ素子Q3をオン/オフするための制御信号S5を出力する。このように、制御部121は、検出信号ZC1,ZC2,S4を適宜取得し、制御信号S1,S3,S5を出力することで、スイッチ部11及び電源回路20を制御する。
【0061】
無線通信部122は、他の通信装置との間で、直接的に、又は中継器等を介して間接的に、電波を媒体とする無線通信を行う。無線通信部122と通信装置との間の通信は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した無線通信である。他の通信装置の一例としては、人感センサ等のセンサ端末、又は人の操作を受け付けるリモートコントローラ等がある。無線通信部122が、これらの通信装置と双方向に通信することで、制御部121は、通信装置からの無線信号に基づいてスイッチ部11を制御することが可能になる。
【0062】
操作受付部123は、例えばタッチパネルのようなユーザインタフェースを有する。タッチパネルは表示機能及びタッチセンサ機能を有している。この種の操作受付部123は、例えば、負荷制御装置1の動作状況等の情報を表示することで人に提示したり、人のタッチ操作を受けて信号を出力したりすることが可能である。このような操作受付部123があることで、制御部121は、操作受付部123に対する人の操作に基づいてスイッチ部11を制御することが可能になる。
【0063】
(2.3)負荷制御装置の動作
まず、負荷制御装置1は、起動直後、つまり電源供給が開始した直後においては、スイッチ部11が遮断状態、つまり負荷3が消灯している状態にあり、第2電源部14の低インピーダンス回路141は電流が流れない状態に制御されている。これにより、電源回路20では第1電源部13により蓄電部C1が充電される。すなわち、スイッチ部11の両端に印加される電圧により、ドロッパ電源回路131を介してコンデンサC0が充電され、DC/DCコンバータ132がコンデンサC0の両端電圧を降圧して蓄電部C1を充電する。このとき、蓄電部C1を電源として定電流回路161がコンデンサC2に充電電流を流し、コンデンサC2の両端電圧VC2をDC/DCコンバータ151が降圧して内部回路12に出力する出力電圧V2を生成する。これにより、内部回路12は、電源回路20から電力の供給を受けて動作を開始する。
【0064】
その後、操作受付部123が負荷3を点灯させる操作入力を受け付けると、負荷制御装置1は、負荷3を点灯させる点灯動作を行う。
【0065】
ここで、本実施形態の負荷制御装置1の点灯動作について、
図2を参照して説明する。
図2には、交流電圧Vac、負荷3に印加される負荷電圧V1、ゼロクロス検出部191,192の検出信号ZC1,ZC2、MOSFETQ1,Q2のゲート端子に入力される制御信号S2、を示している。ここで、検出信号ZC1はゼロクロス検出部191による検出信号であり、検出信号ZC2はゼロクロス検出部192による検出信号である。なお、ここでは、検出信号ZC1,ZC2が「H」レベルから「L」レベルに変化することをもって、検出信号ZC1,ZC2が発生したこととする。つまり、検出信号ZC1,ZC2は、ゼロクロス点の検出時に「H」レベルから「L」レベルに変化する信号である。
【0066】
まず、交流電圧Vacが正極性の半周期における負荷制御装置1の動作について説明する。負荷制御装置1は、交流電圧Vacのゼロクロス点をゼロクロス検出部191で検出する。交流電圧Vacが負極性の半周期から正極性の半周期に移行する際には、交流電圧Vacが正極性の規定値「Vzc」に達すると、ゼロクロス検出部191が検出信号ZC1を出力する。本実施形態では、検出信号ZC1の発生時点を第1時点t1とし、半周期の始点(ゼロクロス点)t0から第1時点t1までの期間を、第一の期間T1とする。
【0067】
ここで、半周期の始点t0から第1時点t1までの第一の期間T1では、制御部121はレベルシフト回路18へスイッチ部11をオフ(遮断状態)にする制御信号S1を出力する。レベルシフト回路18は、この制御信号S1に応じて制御信号S2として「OFF」信号を出力する。これにより、第一の期間T1では、2個のMOSFETQ1,Q2がいずれもオフになり、スイッチ部11がオフになる。
【0068】
第1時点t1において制御部121に検出信号ZC1が入力されると、制御部121は、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタをオンさせる制御信号S3を低インピーダンス回路141に出力する。これにより、第2電源部14によって蓄電部C1が充電され、蓄電部C1から定電流回路161を介してコンデンサC2に充電電流が流れ、コンデンサC2が充電される。そして、DC/DCコンバータ151がコンデンサC2の両端電圧を降圧して内部回路12に出力する出力電圧V2を生成する。ここで、充電検出部17が蓄電部C1の充電完了を検出して検出信号S4を制御部121に出力すると、制御部121は、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタをオフさせる制御信号S3を低インピーダンス回路141に出力して、第2電源部14による蓄電部C1の充電を停止させる。そして、制御部121は、スイッチ部11をオンにする制御信号S1を出力する。レベルシフト回路18は、この制御信号S1に応じて制御信号S2として「ON」信号を出力する。これにより、スイッチ部11がオフからオンに切り替えられ、交流電源2から負荷3に電力が供給される。
【0069】
その後、交流電圧Vacが正極性の規定値「Vzc」を下回り、ゼロクロス検出部191が検出信号ZC1の出力を停止すると、制御部121はレベルシフト回路18へスイッチ部11をオフ(遮断状態)にする制御信号S1を出力する。レベルシフト回路18は、この制御信号S1に応じて制御信号S2として「OFF」信号を出力する。これにより、2個のMOSFETQ1,Q2がいずれもオフになり、スイッチ部11がオフになる。したがって、交流電圧Vacの正極性の半周期では、第1時点t1から、交流電圧Vacが規定値Vzc未満となるタイミングまでの期間T2において、スイッチ部11がオンになり、交流電源2から負荷3へ電力が供給されて、負荷3が点灯する。
【0070】
また、交流電圧Vacが負極性の半周期における負荷制御装置1の動作は、正極性の半周期と基本的に同様の動作となる。
【0071】
負極性の半周期において、交流電圧Vacが負極性の規定値「-Vzc」に達すると、ゼロクロス検出部192が検出信号ZC2を出力する。本実施形態では、負極性の半周期の始点t0(t2)から検出信号ZC2の発生時点である第1時点t1までの期間を第一の期間T1とする。第1時点t1において制御部121に検出信号ZC2が入力されると、制御部121は、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタをオンさせる制御信号S3を低インピーダンス回路141に出力する。これにより、第2電源部14によって蓄電部C1が充電され、蓄電部C1から定電流回路161を介してコンデンサC2に充電電流が流れ、コンデンサC2が充電される。そして、DC/DCコンバータ151がコンデンサC2の両端電圧を降圧して内部回路12に出力する出力電圧V2を生成する。ここで、充電検出部17が蓄電部C1の充電完了を検出して検出信号S4を制御部121に出力すると、制御部121は、低インピーダンス回路141のバイポーラトランジスタをオフさせる制御信号S3を低インピーダンス回路141に出力して、第2電源部14による蓄電部C1の充電を停止させる。そして、制御部121は、スイッチ部11をオンにする制御信号S1を出力する。レベルシフト回路18は、この制御信号S1に応じて制御信号S2として「ON」信号を出力する。これにより、スイッチ部11がオフからオンに切り替えられ、交流電源2から負荷3に電力が供給される。
【0072】
その後、交流電圧Vacが負極性の規定値「-Vzc」を上回り、ゼロクロス検出部192が検出信号ZC2の出力を停止すると、制御部121はレベルシフト回路18へスイッチ部11をオフ(遮断状態)にする制御信号S1を出力する。レベルシフト回路18は、この制御信号S1に応じて制御信号S2として「OFF」信号を出力する。これにより、2個のMOSFETQ1,Q2がいずれもオフになり、スイッチ部11がオフになる。したがって、交流電圧Vacの負極性の半周期では、第1時点t1から、交流電圧Vacが規定値(-Vzc)を上回るタイミングまでの期間T2において、スイッチ部11がオンになり、交流電源2から負荷3へ電力が供給されて、負荷3が点灯する。
【0073】
本実施形態の負荷制御装置1は、以上説明した正極性の半周期の動作と負極性の半周期の動作とを交流電圧Vacの半周期ごとに交互に繰り返すことで、負荷3を点灯させる。なお、正極性の規定値「Vzc」及び負極性の規定値「-Vzc」が固定値であれば、半周期の始点t0から第1時点(検出信号ZC1又はZC2の発生時点)t1までの時間は、略固定長の時間になる。
【0074】
その後、操作受付部123が負荷3を消灯させる操作を受け付けると、制御部121は、スイッチ部11を遮断状態に制御する。スイッチ部11の遮断状態では、低インピーダンス回路141を経由する充電経路が遮断され、第1電源部13によって蓄電部C1が充電されるのであるが、本実施形態では、給電状態での蓄電部C1の充電電圧よりも、遮断状態での蓄電部C1の充電電圧の方が低くなっている。これにより、給電状態から遮断状態に切り替わった場合に第1電源部13を介して蓄電部C1に大きな充電電流が流れるのが抑制されるから、消灯状態の負荷3に大きな電流が流れることがなく、消灯状態の負荷3が誤点灯する可能性を抑制できる。
【0075】
ところで、負荷制御装置1は、負荷3を所望の調光レベルで点灯させる操作入力を操作受付部123が受け付けると、この調光レベルに応じてスイッチ部11の導通期間を制御することで、照明負荷である負荷3の明るさを調整する調光制御を行ってもよい。
【0076】
まず、交流電圧Vacが正極性の半周期における負荷制御装置1の動作について説明する。
【0077】
正極性の半周期の始点t0から、ゼロクロス検出部191が検出信号ZC1を発生する第1時点t1までの第一の期間T1では、制御部121はスイッチ部11をオフに制御する。第1時点t1において制御部121に検出信号ZC1が入力されると、制御部121は、スイッチ部11をオフからオンに切り替えて、交流電源2から負荷3に電力を供給させる。また、制御部121は、スイッチ部11をオンに切り替えたタイミングから、調光レベルに応じた長さの導通期間(第二の期間)が経過した第2時点において、スイッチ部11をオンからオフに切り替えて、交流電源2から負荷3への電力の供給を遮断する。制御部121は、第2時点においてスイッチ部11をオフに制御すると、交流電圧Vacの負極性の半周期の始点をゼロクロス検出部192が検出するまで、スイッチ部11の遮断状態を維持する。
【0078】
また、交流電圧Vacが負極性の半周期における負荷制御装置1の動作は、正極性の半周期と基本的に同様の動作となる。
【0079】
負極性の半周期の始点t0から、ゼロクロス検出部192が検出信号ZC2を発生する第1時点t1までの第一の期間T1では、制御部121はスイッチ部11をオフに制御する。第1時点t1において制御部121に検出信号ZC2が入力されると、制御部121は、スイッチ部11をオフからオンに切り替えて、交流電源2から負荷3に電力を供給させる。また、制御部121は、スイッチ部11をオンに切り替えたタイミングから、調光レベルに応じた長さの導通期間が経過した第2時点において、スイッチ部11をオンからオフに切り替えて、交流電源2から負荷3への電力の供給を遮断する。制御部121は、第2時点においてスイッチ部11をオフに制御すると、交流電圧Vacの正極性の半周期の始点をゼロクロス検出部191が検出するまで、スイッチ部11の遮断状態を維持する。
【0080】
負荷制御装置1は、交流電圧Vacの正極性の半周期の動作と負極性の半周期の動作とを交互に繰り返すことで、交流電圧Vacの各半周期で調光レベルに応じた導通期間だけスイッチ部11をオンにして、負荷3を調光点灯させることができる。
【0081】
ところで、本実施形態の負荷制御装置1では、内部回路12が無線通信部122を備えており、無線通信部122は無線信号を送信又は受信する場合に大きな電力を消費するため、内部回路12の消費電力が一時的に増大する可能性がある。ここで、第3電源部15の前段にはバッファ用の第2蓄電部C2が接続されているので、第2蓄電部C2の放電電流によって、内部回路12での消費電力の一時的な増大を補うことができ、接続端子TA1,TA2から電源回路20への入力電流が増加するのを抑制できる。したがって、内部回路12の消費電力が一時的に増加したとしても、負荷3に流れる電流の変動を抑制でき、負荷3の動作が不安定になる可能性を低減できる。なお、無線通信部122のように、消費電力が比較的大きい回路を内部回路12が含む場合、第3電源部15の前段にあるバッファ用の第2蓄電部C2としては、比較的大容量のコンデンサを用いるのが好ましい。
【0082】
なお、本実施形態の負荷制御装置1の負荷3は調光可能な照明負荷を含んでいる。制御部121は、負荷3を調光点灯する場合、交流電源2の交流電圧Vacの各半周期に、照明負荷の調光レベルに応じて決定した導通期間にスイッチ部11をオン(導通状態)に制御し、導通期間以外の遮断期間にスイッチ部11をオフ(遮断状態)に制御する。これにより、負荷制御装置1は、負荷3の調光レベルに応じて負荷3に供給する電力を調整して、負荷3を調光点灯することができる。
【0083】
なお、制御部121は、交流電圧Vacの半周期の始点から導通期間が経過するまでスイッチ部11をオン状態(導通状態)に制御し、導通期間の経過後にスイッチ部11をオフ状態(遮断状態)に制御している。制御部121は、交流電圧Vacの電圧値が比較的低い状態でスイッチ部11を遮断状態から導通状態に切り替えているので、スイッチ部11が遮断状態から導通状態に切り替わるタイミングでサージ電圧が発生する可能性を低減できる。
【0084】
(3)変形例
上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。例えば、
図1に示した具体的な回路は、本開示の負荷制御装置1の一例に過ぎず、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、上記実施形態に係る負荷制御装置1の制御部121と同等の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0085】
また、本開示における負荷制御装置1は、制御部121等にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における負荷制御装置1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0086】
また、負荷制御装置1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは負荷制御装置1に必須の構成ではなく、負荷制御装置1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、操作受付部123は、制御部121とは別の筐体に設けられていてもよい。また、制御部121等の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0087】
また、例えば、ドロッパ電源回路131の代わりにスイッチング電源回路が用いられてもよいし、ドロッパ電源回路131を省略する等、回路設計に関して適宜の変更が可能である。
【0088】
上記の実施形態では、制御部121は、負荷3へ電力を供給する給電状態と負荷3への電力供給を遮断する遮断状態とを切り替える制御を行うが、スイッチ部11を位相制御することによって負荷3への供給する電力を調整してもよい。上記の実施形態では、制御部121がスイッチ部11を位相制御する場合、制御部121がスイッチ部11を逆位相制御しているが、スイッチ部11を正位相制御してもよい。つまり、制御部121は、交流電圧Vacの半周期の始点から遮断期間が経過するまでスイッチ部11をオフ状態に制御し、遮断期間の経過後にスイッチ部11をオン状態に制御してもよい。
【0089】
また、上記の実施形態では、交流電源2は、単相100〔V〕、60〔Hz〕の商用電源であるが、単相100〔V〕、50〔Hz〕の商用電源であってもよい。また、交流電源2の電圧値は、100〔V〕に限らない。
【0090】
また、上記の実施形態では、負荷制御装置1は片切スイッチであるが、他の構成であってもよい。例えば、負荷制御装置1は、3本の配線を接続可能な、いわゆる三路スイッチであってもよい。また、負荷制御装置1は、4本の配線を接続可能な、いわゆる四路スイッチであってもよい。負荷制御装置1が三路スイッチを構成する場合、2つの負荷制御装置1を組み合わせることにより、負荷3への通電状態を、例えば、建物における階段の上階部分と下階部分との2箇所で切り替えることが可能である。
【0091】
また、上記の実施形態では、ゼロクロス検出部191は、接続端子TA1-グランド間電圧が基準値以上になることをもって、スイッチ間電圧が負極性から正極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であるが、逆であってもよい。つまり、ゼロクロス検出部191は、接続端子TA1-グランド間電圧が基準値未満になることをもって、スイッチ間電圧が正極性から負極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であってもよい。同様に、ゼロクロス検出部192は、接続端子TA2-グランド間電圧が基準値以上になることをもって、スイッチ間電圧が正極性から負極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であるが、逆であってもよい。つまり、ゼロクロス検出部192は、接続端子TA2-グランド間電圧が基準値未満になることをもって、スイッチ間電圧が負極性から正極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であってもよい。
【0092】
また、負荷3は、LEDからなる光源を備える照明装置に限らず、LED以外の光源を備える照明装置であってもよい。さらに、負荷3は、照明負荷に限らず、例えば、換気扇、表示装置、電動シャッタ、空調機器又は防犯機器等の機器(装置、システム及び設備を含む)であってもよい。また、負荷3は、1台の機器に限らず、電気的に直列又は並列に接続された複数台の機器であってもよい。
【0093】
また、負荷制御装置1は、子機を接続するための操作端子を更に備えていてもよい。子機は、例えば、押釦スイッチ等の接点部を備えており、接点部のオン/オフが負荷制御装置1にて検知される。この場合、負荷制御装置1は、子機の動作(接点部のオン/オフ)に応じて、スイッチ部11の動作状態を切り替えるようにスイッチ部11を制御する。すなわち、子機において、例えば、押釦スイッチが押されて接点部がオンする度に、スイッチ部11の遮断状態と、導通状態とが切り替わるように、負荷制御装置1が動作する。要するに、負荷制御装置1では、スイッチ部11の制御は、無線通信部122及び操作受付部123の出力に応じて行われるのみならず、子機の動作に応じて行われてもよい。したがって、負荷制御装置1と子機とが、例えば、建物における階段の上階部分と下階部分との2箇所に分かれて設置されることにより、負荷3への通電状態を、2箇所で切り替えることが可能である。
【0094】
また、内部回路12は、無線通信部122及び操作受付部123に加えて又は代えて、センサ回路又はタイマ回路等を備えていてもよい。センサ回路は、一例として、人が存在するか否かを検知する人感センサ及び/又は明るさセンサ等を備える。負荷制御装置1は、これらのセンサ回路又はタイマ回路等の出力に基づいてスイッチ部11の制御を行うことが可能である。
【0095】
また、上記実施形態では、スイッチ部11は、2つのMOSFETQ1,Q2を有しているが、MOSFETに限らず、その他の半導体スイッチであってもよい。例えば、スイッチ部11は、3端子の双方向サイリスタ(トライアック)にて実現されてもよいし、GaN(窒化ガリウム)等のワイドバンドギャップの半導体材料を用いたダブルゲート(デュアルゲート)構造の半導体素子を用いて実現されてもよい。
【0096】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の負荷制御装置(1)は、一対の接続端子(TA1,TA2)と、スイッチ部(11)と、内部回路(12)と、内部回路(12)に電力を供給するための蓄電部(C1)と、第1電源部(13)と、第2電源部(14)と、を備える。一対の接続端子(TA1,TA2)は、交流電源(2)及び負荷(3)の直列回路が接続される。スイッチ部(11)は、一対の接続端子(TA1,TA2)の間に接続される。内部回路(12)は、スイッチ部(11)のオン/オフを制御する制御部(121)を少なくとも含む。第1電源部(13)は、一対の接続端子(TA1,TA2)と蓄電部(C1)との間に接続されるDC/DCコンバータ(132)を含む。第1電源部(13)は、交流電源(2)から負荷(3)への電力供給を遮断する遮断状態においてDC/DCコンバータ(132)の出力電圧を蓄電部(C1)に印加することで蓄電部(C1)を充電する。第2電源部(14)は、交流電源(2)から負荷(3)へ電力を供給する給電状態において、一対の接続端子(TA1,TA2)と蓄電部(C1)との間に、第1電源部(13)に比べて低インピーダンスの充電経路を形成して蓄電部(C1)を充電する。
【0097】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0098】
第2の態様の負荷制御装置(1)では、第1の態様において、給電状態での蓄電部(C1)の充電電圧よりも、遮断状態での蓄電部(C1)の充電電圧の方が低い。
【0099】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0100】
第3の態様の負荷制御装置(1)では、第1の態様において、給電状態での蓄電部(C1)の充電電圧と、遮断状態での蓄電部(C1)の充電電圧との差が、給電状態での蓄電部(C1)の充電電圧の50%以下である。
【0101】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0102】
第4の態様の負荷制御装置(1)では、第1の態様において、給電状態での蓄電部(C1)の充電電圧と、遮断状態での蓄電部(C1)の充電電圧とが等しい。
【0103】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0104】
第5の態様の負荷制御装置(1)では、第1~4のいずれかの態様において、蓄電部(C1)の両端電圧を電圧変換して内部回路(12)の動作用の電力を生成する第3電源部(15)を更に備える。
【0105】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0106】
第6の態様の負荷制御装置(1)では、第5の態様において、蓄電部(C1)と第3電源部(15)との間に、電流の電流値を所定値以下に制限する電流制限部(16)が接続されている。
【0107】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0108】
第7の態様の負荷制御装置(1)では、第6の態様において、電流制限部(16)が定電流回路(161)を含む。
【0109】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0110】
第8の態様の負荷制御装置(1)では、第6又は7の態様において、蓄電部(C1)は第1蓄電部(C1)である。第3電源部(15)と電流制限部(16)との間に第2蓄電部(C2)が接続されている。
【0111】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0112】
第9の態様の負荷制御装置(1)では、第1~8のいずれかの態様において、内部回路(12)が、無線通信を行う無線通信部(122)を更に含む。
【0113】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0114】
第10の態様の負荷制御装置(1)では、第1~9のいずれかの態様において、負荷(3)が調光可能な照明負荷(3)を含む。制御部(121)は、交流電源(2)の交流電圧(Vac)の各半周期に、照明負荷(3)の調光レベルに応じて決定した導通期間にスイッチ部(11)をオンに制御し、導通期間以外の遮断期間にスイッチ部(11)をオフに制御する。
【0115】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0116】
第11の態様の負荷制御装置(1)では、第10の態様において、制御部(121)は、交流電圧(Vac)の半周期の始点から導通期間が経過するまでスイッチ部(11)をオン状態に制御し、導通期間の経過後にスイッチ部(11)をオフ状態に制御する。
【0117】
この態様によれば、給電状態から遮断状態に切り替わる場合に負荷(3)の動作が不安定になるのを抑制することができる。
【0118】
上記態様に限らず、上記実施形態に係る負荷制御装置(1)の種々の構成(変形例を含む)は、負荷制御装置(1)の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0119】
第2~第11の態様に係る構成については、負荷制御装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 負荷制御装置
2 交流電源
3 負荷(照明負荷)
11 スイッチ部
12 内部回路
13 第1電源部
14 第2電源部
15 第3電源部
16 電流制限部
132 DC/DCコンバータ
161 定電流回路
C1 蓄電部(第1蓄電部)
C2 第2蓄電部
TA1,TA2 接続端子
Vac 交流電圧