(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】回路遮断装置及び分電盤
(51)【国際特許分類】
H01H 83/02 20060101AFI20240913BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H01H83/02 H
H02B1/40 A
(21)【出願番号】P 2020170904
(22)【出願日】2020-10-09
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横井 佑司
(72)【発明者】
【氏名】西田 将司
(72)【発明者】
【氏名】北出 恵太
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩暢
(72)【発明者】
【氏名】宮川 紘平
(72)【発明者】
【氏名】中道 義也
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207387(JP,A)
【文献】特開2008-305595(JP,A)
【文献】特開2009-099405(JP,A)
【文献】特表2014-511474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 69/00 - 69/01
H01H 71/00 - 83/22
H02B 1/40 - 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する遮断ユニットと、
特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う検知ユニットと、を備え、
前記遮断ユニットは、
前記第1内部電路を収容する第1筐体を有し、
前記検知ユニットは、
第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される第2内部電路と、
前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する第2筐体と、
露出された前記接続部分の前側を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる蓋体と、を備え
、
前記検知ユニットは、前記特定の検知対象を検知する検知部と、前記処理を行う処理部と、前記第2筐体に収容されるハウジングとを有し、
前記ハウジングは、少なくとも前記検知部と前記処理部を収容する、
回路遮断装置。
【請求項2】
第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する遮断ユニットと、
特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う検知ユニットと、を備え、
前記遮断ユニットは、
前記第1内部電路を収容する第1筐体を有し、
前記検知ユニットは、
第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される第2内部電路と、
前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する第2筐体と、
露出された前記接続部分の前側を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記第1筐体と前記第2筐体とが連結された状態において、前記第2筐体の前面は、前記第1筐体の前面の中央部と同一平面である、又は前記第1筐体の前面よりも前方に位置する、
回路遮断装置。
【請求項3】
第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する遮断ユニットと、
特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う検知ユニットと、を備え、
前記遮断ユニットは、
前記第1内部電路を収容する第1筐体を有し、
前記検知ユニットは、
第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される第2内部電路と、
前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する第2筐体と、
露出された前記接続部分の前側を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記第1内部電路と前記第2内部電路は、ねじで接続され、
前記蓋体は、前記蓋体の裏面から突出する突部を有し、
前記ねじが第1既定位置までねじ込まれた状態では、前記蓋体は、前記一方の筐体の第2既定位置に配置され、
前記ねじが前記第1既定位置までねじ込まれていない状態では、前記突部と前記ねじとが干渉して、前記蓋体は、前記一方の筐体の前記第2既定位置に配置されない、
回路遮断装置。
【請求項4】
前記蓋体は、複数の第1引掛部を有し、
前記一方の筐体は、前記複数の第1引掛部と一対一に対応し、対応する第1引掛部と引っ掛かる複数の第2引掛部を有し、
前記蓋体が前記第2既定位置に配置された状態では、前記複数の第1引掛部は全て、対応する前記第2引掛部と引っ掛かり、
前記蓋体が前記第2既定位置に配置されない状態では、前記複数の第1引掛部のうちの少なくとも1つは、対応する前記第2引掛部と引っ掛からない、
請求項3に記載の回路遮断装置。
【請求項5】
前記突部の突出方向は、前記ねじがねじ込まれるねじ孔の軸と平行である、
請求項3又は4に記載の回路遮断装置。
【請求項6】
第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する遮断ユニットと、
特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う検知ユニットと、を備え、
前記遮断ユニットは、
前記第1内部電路を収容する第1筐体を有し、
前記検知ユニットは、
第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される第2内部電路と、
前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する第2筐体と、
露出された前記接続部分の前側を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記第1筐体の前面における前記第2筐体の側の第1縁部において、前記第1縁部と前記第1筐体における前記第2筐体の側の第1側面とで開口する凹みが設けられており、
前記凹みには、前記第1内部電路における前記第2内部電路との接続部である第1内部端子が配置され、
前記第2筐体における前記第1筐体の側の第2側面から、前記第2内部電路における前記第1内部電路との接続部である第2内部端子が突出し、
前記第2筐体は、前記第2側面から突出する一対の腕部を有し、
前記第1筐体と前記第2筐体との連結状態で、前記第1側面と前記第2側面とが接触し、前記一対の腕部が前記第1筐体の前記第1縁部の両端部に配置され、かつ、前記凹みの内部で前記第1内部端子と前記第2内部端子とが接続され、かつ、前記蓋体が前記一対の腕部に跨って取り付けられる、
回路遮断装置。
【請求項7】
前記検知ユニットは、切替操作を受け付ける受付部を更に備え、
前記検知ユニットは、前記受付部が受け付ける前記切替操作に応じて、前記処理の実行と不実行を切り替える、
請求項1~6の何れか1項に記載の回路遮断装置。
【請求項8】
表示部を更に備え、
前記表示部は、前記検知ユニットの前記処理の実行/不実行を各別に表示する、
請求項7に記載の回路遮断装置。
【請求項9】
前記検知ユニットは、前記検知対象として振動を検知する、
請求項1~8の何れか1項に記載の回路遮断装置。
【請求項10】
状態表示部を更に備え、
前記状態表示部は、前記検知ユニットの動作状態を表示する、
請求項1~9の何れか1項に記載の回路遮断装置。
【請求項11】
試験開始の操作入力を受け付ける試験受付部を更に備え、
前記検知ユニットは、前記試験受付部が前記操作入力を受け付けた場合、前記検知ユニットが前記検知対象を検知していなくても前記処理を行う、
請求項1~10のいずれか1項に記載の回路遮断装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れか1つに記載の回路遮断装置と、
前記回路遮断装置を収容するキャビネットと、
を有する、
分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路遮装置及び分電盤に関し、より詳細には、特定の検知対象を検知したときに遮断ユニットを遮断させる機能を有する回路遮断装置、及び、この回路遮断装置を有する分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の感震ブレーカ付き分電盤を例示する。特許文献1記載の感震ブレーカ付き分電盤(以下、従来例という。)は、地震の大きさを検出する感震センサを内蔵した感震センサユニット(検知ユニット)を備えている。感震センサユニットは、感震センサが所定値以上の地震を検出した場合に主幹ブレーカ(遮断ユニット)を遮断動作させるための信号を出力する。従来例は、感震センサユニットから出力される信号によって主幹ブレーカが遮断動作し、負荷への電力供給を停止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の従来例では、主幹ブレーカと感震センサユニットとが連結される構成では、主幹ブレーカの内部電路と感震センサユニットの内部電路との接続部分が、主幹ブレーカの筐体と感震センサユニットの筐体との連結部分において外部に露出する。
【0005】
本開示の目的は、遮断ユニットの内部電路と検知ユニットの内部電路との接続部分が外部に露出することを防止できる回路遮断装置及び分電盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る回路遮断装置は、遮断ユニットと、検知ユニットと、を備える。前記遮断ユニットは、第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する。前記検知ユニットは、特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う。前記遮断ユニットは、前記第1内部電路を収容する第1筐体を有する。前記検知ユニットは、第2内部電路と、第2筐体と、蓋体と、を備える。前記第2内部電路は、第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される。前記第2筐体は、前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する。前記蓋体は、露出された前記接続部分を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる。前記検知ユニットは、検知部と、処理部と、ハウジングとを有する。前記検知部は、前記特定の検知対象を検知する。前記処理部は、前記処理を行う。前記ハウジングは、前記第2筐体に収容される。前記ハウジングは、少なくとも前記検知部と前記処理部を収容する。
本開示の一態様に係る回路遮断装置は、遮断ユニットと、検知ユニットと、を備える。前記遮断ユニットは、第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する。前記検知ユニットは、特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う。前記遮断ユニットは、前記第1内部電路を収容する第1筐体を有する。前記検知ユニットは、第2内部電路と、第2筐体と、蓋体と、を備える。前記第2内部電路は、第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される。前記第2筐体は、前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する。前記蓋体は、露出された前記接続部分を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる。前記第1筐体と前記第2筐体とが連結された状態において、前記第2筐体の前面は、前記第1筐体の前面の中央部と同一平面である、又は前記第1筐体の前面よりも前方に位置する。
本開示の一態様に係る回路遮断装置は、遮断ユニットと、検知ユニットと、を備える。前記遮断ユニットは、第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する。前記検知ユニットは、特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う。前記遮断ユニットは、前記第1内部電路を収容する第1筐体を有する。前記検知ユニットは、第2内部電路と、第2筐体と、蓋体と、を備える。前記第2内部電路は、第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される。前記第2筐体は、前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する。前記蓋体は、露出された前記接続部分を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる。前記第1内部電路と前記第2内部電路は、ねじで接続される。前記蓋体は、突部を有する。前記突部は、前記蓋体の裏面から突出する。前記ねじが第1既定位置までねじ込まれた状態では、前記蓋体は、前記一方の筐体の第2既定位置に配置される。前記ねじが前記第1既定位置までねじ込まれていない状態では、前記突部と前記ねじとが干渉して、前記蓋体は、前記一方の筐体の前記第2既定位置に配置されない。
本開示の一態様に係る回路遮断装置は、遮断ユニットと、検知ユニットと、を備える。前記遮断ユニットは、第1外部電路と電気的に接続可能な第1内部電路を有し、前記第1内部電路を導通及び遮断する。前記検知ユニットは、特定の検知対象を検知したときに、前記遮断ユニットに前記第1内部電路を遮断させるための処理を行う。前記遮断ユニットは、前記第1内部電路を収容する第1筐体を有する。前記検知ユニットは、第2内部電路と、第2筐体と、蓋体と、を備える。前記第2内部電路は、第2外部電路と電気的に接続可能であり、かつ前記第1内部電路と電気的に接続される。前記第2筐体は、前記第2内部電路を収容し、かつ前記第1内部電路と前記第2内部電路との接続部分を露出するように前記第1筐体と連結する。前記蓋体は、露出された前記接続部分を覆うように、前記第1筐体及び前記第2筐体のうちの一方の筐体に取り付けられる。前記第1筐体の前面における前記第2筐体の側の第1縁部において、前記第1縁部と前記第1筐体における前記第2筐体の側の第1側面とで開口する凹みが設けられている。前記凹みには、前記第1内部電路における前記第2内部電路との接続部である第1内部端子が配置されている。前記第2筐体における前記第1筐体の側の第2側面から、前記第2内部電路における前記第1内部電路との接続部である第2内部端子が突出している。前記第2筐体は、一対の腕部を有する。前記一対の腕部は、前記第2側面から突出する。前記第1筐体と前記第2筐体との連結状態で、前記第1側面と前記第2側面とが接触し、前記一対の腕部が前記第1筐体の前記第1縁部の両端部に配置され、かつ、前記凹みの内部で前記第1内部端子と前記第2内部端子とが接続され、かつ、前記蓋体が前記一対の腕部に跨って取り付けられる。
【0007】
本開示の一態様に係る分電盤は、前記回路遮断装置と、前記回路遮断装置を収容するキャビネットと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の回路遮断装置及び分電盤は、遮断ユニットの内部電路と検知ユニットの内部電路との接続部分が外部に露出することを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る回路遮断装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、回路遮断装置が備える漏電遮断器の回路図である。
【
図4】
図4は、回路遮断装置が備える検知ユニットの回路図である。
【
図6】
図6は、検知ユニットが備える回路ブロックの断面図である。
【
図7】
図7は、カバーに対する回路ブロックの位置決め構造を説明する斜視図である。
【
図8】
図8は、カバーと回路ブロックとの組付状態を後方から見た平面図である。
【
図10】
図10は、カバーとボディとの分離状態を示す分離斜視図である。
【
図11】
図11は、カバーと電源端子との取付構造を説明する斜視図である。
【
図12】
図12は、カバーとボディとを組付状態を示す組付斜視図である。
【
図13】
図13は、検知ユニットと漏電遮断器との分離状態を示す分離斜視図である。
【
図14】
図14は、検知ユニットと漏電遮断器との連結状態を示す連結斜視図である。
【
図15】
図15は、検知ユニットにおける入力側端子カバーの取付構造を説明する斜視図である。
【
図16】
図16は、検知ユニットにおいて入力側端子カバーが既定位置に取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図17】
図17は、検知ユニットにおいて入力側端子カバーが既定位置に取り付けられていない状態を示す断面図である。
【
図18】
図18は、銘板が貼り付けられた状態の回路遮断装置の斜視図である。
【
図21】
図21は、本開示の実施形態に係る分電盤のドアを外した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る回路遮断装置5及び分電盤6について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は、本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)回路遮断装置5の概要
図1及び
図2に示すように、本開示の実施形態に係る回路遮断装置5は、感震機能を有する回路遮断装置である。回路遮断装置5は、交流電源(例えば系統電源)から負荷(例えば電気機器)に電力を供給する給電路7において、給電路7を中継するように接続されて使用される。この中継状態では、給電路7は、交流電源から回路遮断装置5までの間の給電路(第1外部電路)71と、回路遮断装置5から負荷に至る給電路(第2外部電路)72とで構成される。給電路7は、例えば、単相3線の配電方式の電路、すなわち3つ(すなわちL1相、L2相及びN相)の電路で構成されている。回路遮断装置5は、給電路7において過電流(例えば漏電電流、過負荷電流及び短絡電流)の発生の有無を検知し、その過電流の発生の有無に応じて給電路7を導通及び遮断する。また、回路遮断装置5は、感震機能によって回路遮断装置5の振動及び傾きの発生の有無を検知し、その振動又は傾きを検知すると、給電路7を遮断する。
【0012】
回路遮断装置5は、感震機能を担う検知ユニット1と、装置本体である漏電遮断器50(遮断ユニット)とを有する。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1に矢印で示す前後、左右及び上下の各方向を、回路遮断装置5(検知ユニット1及び漏電遮断器50)の前後、左右及び上下の各方向と規定する。
【0013】
漏電遮断器50は、第1外部電路71と電気的に接続可能な第1内部電路N1(
図3参照)を有する。そして、漏電遮断器50は、第1内部電路N1における過電流の発生の有無を検知し、その過電流の発生の有無に応じて第1内部電路N1を導通及び遮断する。第1内部電路N1の導通及び遮断によって、給電路7が導通及び遮断される。
【0014】
検知ユニット1は、漏電遮断器50に着脱可能に連結されている。検知ユニット1は、第2外部電路72と電気的に接続可能であり、かつ第1内部電路N1と電気的に接続される第2内部電路N2(
図4参照)を有する。そして、検知ユニット1は、検知ユニット1の震動及び傾きを検知したときに、漏電遮断器50に第1内部電路N1を遮断させるための処理(例えば擬似漏電電流の発生)を行う。これにより、漏電遮断器50によって給電路7が遮断させる。
【0015】
回路遮断装置5では、第1内部電路N1及び第2内部電路N2によって第1外部電路71と第2外部電路72とが中継される。この中継によって、回路遮断装置5は給電路7を中継する。
【0016】
回路遮断装置5では、主に、検知ユニット1の組立性を向上させる工夫、検知ユニットの部品点数を削減する工夫、及び、検知ユニット1と漏電遮断器50との連結部分の強度を向上させる工夫がなされている。以下、漏電遮断器50及び検知ユニット1の構成を説明した後に上記の工夫について説明する。
【0017】
(2)漏電遮断器50の構成
図2に示すように、漏電遮断器50は、およそ直方体状の合成樹脂成形体からなる筐体51(第1筐体)を備える。筐体51には、3つの電源側端子52と、3つの第1内部端子53とが設けられている。
【0018】
3つの電源側端子52は、筐体51の上端において左右方向(すなわち筐体51の幅方向)に並べて設けられている。電源側端子52は、交流電源からの給電路71の一端部が接続される外部端子である。3つの電源側端子52は、例えば、ねじ端子で構成されている。給電路71は、単相3線の配電方式の3つの電線(2つの電圧線(L1相及びL2相の電線)と中性線(N相の電路))で構成されている。例えば、2つの電圧線は、左右両端の2つの電源側端子52に1つずつ電気的に接続され、中性線は、中央の電源側端子52に電気的に接続される。
【0019】
より詳細には、筐体51の前面上部には、3つの凹み54が左右方向に並んで設けられている。3つの凹み54はそれぞれ、筐体51の前面及び上面に跨って開口している。3つの凹み54の前面側開口部は、筐体51の前面上部において左右に並んでいる。3つの電源側端子52はそれぞれ、3つの凹み54の底(すなわ後側の内面)に配置されている。
【0020】
3つの第1内部端子53は、筐体51の下端において左右方向に並べて設けられている。第1内部端子53は、電源側端子52に入力された電力を検知ユニット1に出力するための内部端子であり、検知ユニット1の後述の3つの第2内部端子411、421、431が着脱可能に接続される。3つの第1内部端子53は、例えば、ねじ端子で構成されている。3つの第2内部端子の各々には、端子ねじ(後述端子ねじ45)が通る貫通孔が設けられている。3つの第2内部端子の各々の後側には、端子ねじ45がねじこまれるナットが配置されている。
【0021】
より詳細には、筐体51の前面の下部511(すなわち検知ユニット1の筐体2側の縁部(第1縁部))には、3つの凹み56が左右方向に並んで設けられている。3つの凹み56はそれぞれ、筐体51の下部511と下面512(検知ユニット1の筐体2側の側面(第1側面))とに跨って開口している。3つの凹み56の前面側開口部は、筐体51の前面の下部511において左右方向に並んでいる。3つの第1内部端子53はそれぞれ、3つの凹み56の底(すまわち後側の内面)に配置されている。
【0022】
筐体51の前面において、下部511(すなわち3つの凹み56の前面側開口部を含む部分)は、中央部513と比べて一段低くなっている(
図2参照)。筐体51の前面下部511には、漏電遮断器50と検知ユニット1とが接続されたときに、検知ユニット1の後述の入力側端子カバー22が配置される(
図1参照)。
【0023】
また、
図3に示すように、筐体51には、3つの接点511、開閉機構513、過電流引き外し装置514、漏電検出部515、及び、漏電引き外し装置516が内蔵されている。3つの接点511は、3つの電源側端子52と3つの第1内部端子53とともに3つの主回路517を構成している。3つの主回路517は、給電路7の単相3線の電送方式の3つの電路(L1相、L2相及びN相)に一対一に対応している。漏電遮断器50内の第1内部電路N1は、3つの主回路517で構成されている。開閉機構513は、過電流引き外し装置514及び漏電引き外し装置516からの制御に応じて、3つの接点511を開閉する。これにより、3つの主回路517が導通及び遮断され、この結果、給電路7が導通及び遮断される。過電流引き外し装置514は、3つの主回路517の各々において過電流(例えば過負荷電流及び短絡電流)の発生の有無を検出する。これにより、給電路7において過電流の発生の有無が検出される。過電流引き外し装置514は、3つの主回路517の何れかに過電流が流れたときに開閉機構513を作動させて3つの接点511を強制的に開極させる。漏電検出部515は、3つの主回路517の各々において漏電電流の発生の有無を検出する。これにより、給電路7における漏電電流の発生の有無が検出される。漏電引き外し装置516は、漏電検出部515が漏電電流を検出したときに開閉機構513を作動させて3つの接点を強制的に開極させる。
【0024】
また、筐体51の前面には、ハンドル541が配置されている。ハンドル541が上下方向に操作されることにより、筐体51内の上記の開閉機構513によって上記の3つの接点511が開閉される。
【0025】
(3)検知ユニットの構成
(3-1)検知ユニットの概要
検知ユニット1は、検知ユニット1において地震による振動及び傾きを検知対象とする。例えば、検知ユニット1は、震度5強に相当する振動を検知した場合、及び15°以上の傾きを検知した場合、漏電遮断器50を遮断(接点511を開極)させる機能を有する。ただし、検知ユニット1の検知対象は、例えば、可燃性ガス(都市ガス又はプロパンガス)の濃度などであっても構わない。
【0026】
図2に示すように、検知ユニット1は、箱状の合成樹脂成形体からなる筐体2(第2筐体)と、3つの第2内部端子411、421、431と、3つの負荷側端子412、422、432とを有する。
【0027】
3つの第2内部端子411、421、431は、漏電遮断器50の3つの第1内部端子53と着脱可能に接続される内部端子である。3つの第2内部端子411、421、431は、例えばねじ端子で構成されている。3つの第2内部端子411、421、431は、左右方向に一列に並ぶように、筐体2の上側面から上向きに突出している。
【0028】
3つの負荷側端子412、422、432は、3つの第2内部端子411、421、431に入力された電力を外部(例えば負荷)に出力するための外部端子であり、負荷と接続される給電路72と接続可能である。3つの負荷側端子412、422、432は、例えばねじ端子で構成されている。3つの負荷側端子412、422、432は、左右方向に一列に並ぶように筐体2の下端に設けられている。
【0029】
(3-2)検知ユニットの回路構成
図4に示すように、検知ユニット1は、回路構成として、3つの第2内部端子411、421、431及び3つの負荷側端子412、422、432の他に、第1回路部31と、第2回路部32とを有する。
【0030】
第1回路部31は、主として、検知ユニット1の振動及び傾きの発生の有無を検知し、その検知結果を報知するための回路である。第1回路部31は、検知部33、処理部34、受付部35及び表示部36を実装する。第2回路部32は、主として、検知ユニット1内の第2内部電路N2に擬似漏電電流を発生させることで、漏電遮断器50を強制的に遮断させる回路である。第2回路部32は、電源部37、開閉素子SW1及び抵抗器R1を実装する。
【0031】
検知部33は、3軸の半導体加速度センサ、及び半導体加速度センサの出力を信号処理する信号処理回路を集積化して構成されている。半導体加速度センサは、x軸、y軸及びz軸の直交座標系の各軸ごとの加速度を計測し、それぞれの計測値を信号処理回路に出力する。信号処理回路は、半導体加速度センサから出力される3軸のアナログの計測値をディジタルの計測値に変換し、変換した計測値をメモリに格納する。信号処理回路は、処理部34からの読み出し命令に従い、メモリに格納した計測値を処理部34に出力する。
【0032】
処理部34は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするコンピュータ(マイクロコントローラ)で構成されている。処理部34は、メモリに格納されているプログラムをCPUに実行させることにより、検知部33から取得する計測値が所定の条件(震度5強以上の振動又は15°以上の傾き)を満たすときに漏電遮断器50を遮断させる処理(以下、感震処理という。)等を行う。なお、CPUが実行するプログラムは、マイクロコントローラのメモリにあらかじめ記録されている。ただし、CPUが実行するプログラムは、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0033】
ここで、開閉素子SW1の一端が1つの第2内部端子421と電気的に接続され、開閉素子SW1の他端が抵抗器R1を介して擬似漏電出力線X1と電気的に接続される。擬似漏電出力線X1は、漏電遮断器50のN相の電源側端子52(中央の電源側端子52)と電気的に接続される。しかして、処理部34が開閉素子SW1をオンすれば、漏電遮断器50のL2相の第1内部端子53とN相の電源側端子52が開閉素子SW1及び抵抗器R1を介して接続されて、漏電遮断器50に擬似漏電電流が流れる。したがって、漏電遮断器50の漏電検出部が擬似漏電電流を検出するので、漏電引き外し装置が開閉機構を作動させて接点を強制的に開極させて、漏電遮断器50が遮断する。なお、開閉素子SW1は、例えば、電磁リレー又は半導体リレー(SSR:Solid State Relay)で構成されることが好ましい。
【0034】
受付部35は、第1スイッチ351、第2スイッチ352及び第3スイッチ353を有する。第1スイッチ351と第2スイッチ352はいずれも、操作レバーをスライドさせることで接点を開閉するスライドスイッチで構成されている。第3スイッチ353は、押ボタンが押されているときに接点が閉じる押ボタンスイッチで構成されている。受付部35は、第1スイッチ351、第2スイッチ352及び第3スイッチ353のそれぞれの接点が閉じたときに各々の操作入力を受け付け、各操作入力に対応した操作信号を処理部34(マイクロコントローラの入力ポート)に出力する。
【0035】
ここで、受付部35は、第1スイッチ351が操作されることにより、処理部34に対して感震処理の実行と不実行を切り替えさせるための操作入力(第1操作入力)を受け付ける。処理部34は、受付部35が受け付けた第1操作入力に基づき、第1スイッチ351がオンのときは感震処理を実行し、第1スイッチ351がオフのときは感震処理を実行しない。
【0036】
受付部35は、第2スイッチ352が操作されることにより、処理部34が感震処理を実行する際の遅延時間を短時間(例えば、1秒)と長時間(例えば、3分)に択一的に切り替えるための操作入力(第2操作入力)を受け付ける。処理部34は、受付部35が受け付けた第2操作入力に基づき、遅延時間を短時間と長時間のいずれかに切り替える。ここで、遅延時間とは、検知部33の計測値が所定の条件を満たしてから、処理部34が開閉素子SW1をオンするまでの時間である。ただし、処理部34は、検知部33の計測値から15°以上の傾きが発生している場合、長時間の遅延時間を3分よりも短い時間(例えば、10秒)に設定しても構わない。
【0037】
受付部35は、第3スイッチ353(試験受付部)が操作されることにより、試験開始の操作入力(第3操作入力)を受け付ける。処理部34は、受付部35が受け付けた第3操作入力に基づき、開閉素子SW1をオンして漏電遮断器50を遮断する処理(試験処理)を実行する。すなわち、処理部34は、第3スイッチ353が第3操作入力を受け付けた場合、検知部33が検知対象を検知していなくても上記の処理を実行する。
【0038】
表示部36は、第1発光素子361、第2発光素子362及び発音素子363を有する。第1発光素子361は、例えば、緑色の発光ダイオードである。第2発光素子362は、例えば、赤色の発光ダイオードである。発音素子363は、例えば、圧電ブザーである。第1発光素子361及び第2発光素子362はそれぞれ、処理部34に駆動されて発光する。発音素子363は、処理部34に駆動されて発音する。
【0039】
処理部34は、第1操作入力に基づき、感震処理を実行し得る場合に第1発光素子361を発光させ、感震処理を実行しない場合に第1発光素子361を発光させないことにより、感震処理の実行/不実行の状態を表示部36に表示させる。また、処理部34は、感震処理を実行した際、第2発光素子362を点滅させ、かつ、発音素子363から音(例えば、ピーッ、ピーッ音)を発音させて漏電遮断器50がオフしたことを表示部36に表示(報知)させる。さらに、処理部34は、試験処理を実行した際も、感震処理の実行時と同様に、表示部36に表示(報知)させることが好ましい。
【0040】
電源部37は、2つの第2内部端子421、431(すなわち第2内部電路N2)に電気的に接続されている。電源部37は、第2内部端子421、431から電力の供給を受け、供給された電力を検知部33、処理部34、表示部36に供給する。より詳細には、電源部37は、2つの第2内部端子421、431から入力される交流電圧(実効値100Vの交流電圧)を電力変換して直流の動作電圧(例えば、5V又は3Vの直流電圧)を作成する。電源部37は、作成した動作電圧を検知部33、処理部34、表示部36に供給する。
【0041】
(3-3)検知ユニット1の構造
図5に示すように、検知ユニット1は、上記の筐体2の他に、回路ブロック3と、導電ブロック4とを有する。
【0042】
導電ブロック4は、3つの第2内部端子411、421、431及び3つの負荷側端子412、422、432を構成する部分である。導電ブロック4は、3つの導電板(第1導電板41、第2導電板42及び第3導電板43)を有する。3つの導電板41~43は、例えば厚さ方向に略Z状に曲がっている。3つの導電板41~43のそれぞれの長手方向の一端部(上端部)に、端子ねじ45が挿入される丸孔が1つずつ貫通している。つまり、3つの導電板41~43のそれぞれの上端部で、3つの第2内部端子411、421、431が構成される。また、3つの導電板41~43のそれぞれの長手方向の他端部(下端部)に、丸孔が1つずつ貫通し、各丸孔の後方にナット44が1つずつ配置される。つまり、3つの導電板41~43のそれぞれの下端部で、3つの負荷側端子412、422、432が構成される。検知ユニット1内の上記の第2内部電路N2は、3つの導電板41~43で構成されている。
【0043】
回路ブロック3は、検知ユニット1の各種の処理部(検知部33、処理部34、受付部35、表示部36及び電源部37)を有する内部ユニットである。
【0044】
回路ブロック3は、ハウジング30を有する。ハウジング30は、上記の各種の処理部を実装する回路基板(第1回路部31及び第2回路部32)を収容する筐体であり(
図7参照)、合成樹脂材料で形成されている。
【0045】
第1回路部31は、例えば略長方形状である。受付部35の第1スイッチ351、第2スイッチ352及び第3スイッチ353は、第1回路部310の前面に実装されている(
図7参照)。また、表示部36の第1発光素子361、第2発光素子362及び発音素子363も第1回路部310の前面に実装されている(
図7参照)。検知部33及び処理部34は、第1回路部310の後面に実装されている。ハウジング30内において、第1回路部31は、第2回路部32の前側に配置されている(
図7参照)。
【0046】
ハウジング30は、例えば略直方体形の箱状である。ハウジング30の表面には、複数(例えば4つ)の窓部302,306,307、308、309、316、開口部303及び通線口304が設けられている。
【0047】
より詳細には、ハウジング30は、主部300と、突台部301とを有する。主部300は、第1回路部31及び第2回路部32を収容する部分であり、例えば略直方体形の箱状である。突台部301は、主部300の前面の例えば中央に設けられており、主部300の前方に突出している。複数の窓部302,306,307、308、309、316は、突台部301の前面に設けられている。開口部303は、主部300の前面の一端(例えば左端)に設けられている。
【0048】
窓部302は、受付部35の第2スイッチ352をハウジング30の外部から操作するための窓部であり、第2スイッチ352の前方に配置されている。窓部306は、表示部36の第1発光素子361をハウジング30の内から外に露出させる窓部である。窓部307は、第3スイッチ353の操作部を突台部の前面から突出させるための窓部である。窓部308は、受付部35の第1スイッチ351をハウジング30の外部から操作するための窓部であり、第1スイッチ351の前方に配置されている。窓部316は、表示部36の第2発光素子362から放射される光をハウジング30の内から外に出射する窓部である。開口部303は、端子台T1の前面(電線の差込口が設けられている面)をハウジング30の内から外に露出するための開口部であり、主部300の前面の左端に設けられている。通線口304は、擬似漏電出力線X1をハウジング30の内から外に引き出すための孔であり、主部300の側面(例えば左側面)に設けられている。
【0049】
図5に示すように、筐体2は、回路ブロック3及び導電ブロック4を収容する部材である。筐体2は、ボディ20(第2ケース)、カバー21(第1ケース)、入力側端子カバー22及び出力側端子カバー23を有する。
【0050】
ボディ20は、導電ブロック4と回路ブロック3の後部とを収容する部材である。すなわち、ボディ20は、3つの導電板41~43(すなわち第2内部電路N2)を収容する。ボディ20は、前面及び下面の一部が開放された箱状に形成されている。ボディ20の前面(カバー21との組付面)には、3つの第1収容凹部200と、1つの第2収容凹部201とが設けられている。3つの第1収容凹部200は、導電ブロック4の3つの導電板41~43が収容される部分である。第2収容凹部201は、回路ブロック3の後部が収容される部分である。
【0051】
3つの第1収容凹部200は、ボディ20において左右方向(すなわちボディの幅方向)に並んで配置されている。また、3つの第1収容凹部200は、ボディ20において、上下方向に沿って上端から下端まで延びており、ボディ20の下面で開口している。3つの第1収容凹部200にはそれぞれ、導電ブロック4の3つの導電板41、42、43が収容される。この収容状態で、3つの導電板41、42、43において、それらの上端部(すなわち第2内部端子411、421、431)は、ボディ20の上側の壁を乗り越えてボディ20の上方へ突出している。さらに、それらの下端部(すなわち負荷側端子412、422、432)はそれぞれ、3つの第1収容凹部200の下部に配置される。また、3つの第1収容凹部200の下部の底(すなわち第2内部端子411、421、431と重なる部分)には、導電ブロック4の3つのナット44が1つずつはめ込まれている。
【0052】
第2収容凹部201は、ボディ20の前面の上部において左右方向に延びて配置されている。第2収容凹部201は、3つの第1収容凹部200の上部と重なっている。第2収容凹部の深さは、第1収容凹部の深さよりも浅い。これにより、第1収容凹部200の上部(すなわち第2収容凹部201と重なる部分)の収容空間は、第2収容凹部201よりも深い部分に制限されている。第2収容凹部201には、回路ブロック3の下部が収容される。この収容状態では、3つの導電板41、42、43は、回路ブロック3の後側を通って上下方向に延びる。
【0053】
カバー21は、回路ブロック3の上部を収容する部材である。すなわちカバー21は、検知部33及び電源部37を収容する。カバー21は、例えば、後面が開放された箱状である。カバー21は、カバー本体215と、一対の第1腕部211、一対の第2腕部212、及び一対の固定部213を有する。
【0054】
カバー本体215は、例えば直方体状であり、カバー本体215の後面(ボディ20との組付面)には、収容凹部210が設けられている。収容凹部210は、回路ブロック3の前部を収容する部分であり、カバー21の後面に凹状に設けられている。
【0055】
一対の第1腕部211は、入力側端子カバー22が取り付けられる部分であり、カバー本体215の上面29(すなわち筐体2の筐体51側の側面(第2側面))における左右両端(すなわち幅方向両端)から上向きに突出している。一対の第2腕部212は、出力側端子カバー232を支持する部分であり、カバー本体215の下面における左右両端から下向きに突出している。一対の固定部213は、ボディ20に固定される部分であり、カバー本体215の下面において一対の第2腕部212の間から下向きに突出している。
【0056】
カバー21は、ボディ20の前方からボディ20に組み付けられる。この組付状態で、カバー21の一対の第1腕部211は、ボディ20の上面から上方に突出する。また、カバー21の一対の第2腕部212は、ボディ20の2つの仕切り壁220の前面に組み付けられる。そして、組み付けられたボディ20とカバー21は、例えば、複数本のねじによって結合される。そして、ボディ20とカバー21が結合されることにより、筐体2が組み立てられる。この組立状態において、筐体2の上面から3つの第2内部端子411、421、431が外部に突出する。また、筐体2の3つの凹み200内の3つの負荷側端子412、422、432は、各凹み200の開口面から露出される。
【0057】
入力側端子カバー22は、3つの第2内部端子411、421、431の前方を被覆する部材である。入力側端子カバー22は、例えば合成樹脂で形成されている。入力側端子カバー22は、例えば、矩形板状であり、左右両端が後方に突出している。入力側端子カバー22は、カバー21の一対の第1腕部211の前側に取り付けられる。より詳細には、入力側端子カバー22は、カバー21の一対の第1腕部211を前方から跨ぐようにして(すなわち一対の第1腕部211の間の開口を塞ぐようにして)、カバー21に着脱可能に取り付けられる(
図2及び
図4参照)。このように入力側端子カバー22が一対の第1腕部211を前方から跨ぐことで、入力側端子カバー22は、3つの第2内部端子411、421、431の前方を被覆する。
【0058】
出力側端子カバー23は、3つの負荷側端子412、422、432の前方を被覆する部材である。出力側端子カバー23は、例えば合成樹脂で形成されている。出力側端子カバー23は、例えば矩形板状である。出力側端子カバー23は、カバー21に対して前後方向に回転可能に支持されており、閉位置と開位置との間を回転する。閉位置は、出力側端子カバー23が3つの負荷側端子412、422、432の前方を被覆する位置である。閉位置では、出力側端子カバー23は、カバー21の一対の第2腕部212及び一対の固定部213を前方から跨ぐようにして(すなわち隣り合う第2腕部212と固定部213との間の開口、及び一対の固定部213の間の開口を塞ぐようにして)、一対の第2腕部212及び一対の固定部213に支持される。開位置は、出力側端子カバー23が3つの負荷側端子412、422、432の前方を露出する位置である。開位置では、出力側端子カバー23がカバー21の前方に突出するように配置する。出力側端子カバー23は、閉位置において、ねじでカバー21に固定されてもよい。
【0059】
(3-4)カバー21に対する回路ブロック3の位置決め構造
図7に示すように、回路ブロック3は、カバー21内で位置決めされて収容される。より詳細には、カバー21の収容凹部210の内周面には、リブ24が設けられており、回路ブロック3のハウジング30の外周面には、リブ24が嵌る位置決め凹部38が設けられている。
【0060】
リブ24は、例えば、カバー21の収容凹部210の内周面のうちの上面210a及び下面210bに1つずつ設けられている。カバー21の上面210aのリブ24は、カバー21の上面210aから下方に突出しており、カバー21の上面210aにおける左右方向(横幅方向)の略中央に配置されて前後方向に延びている。カバー21の下面210bのリブ24は、カバー21の下面210bから上方に突出しており、カバー21の下面210bにおける左右方向(横幅方向)の略中央に配置されて前後方向に延びている。
【0061】
位置決め凹部38は、2つの板部381を有する。2つの板部381は、ハウジング30の外周面において外周に突出し、かつ一定距間隔空けて互いに対向して配置されている。位置決め凹部38は、2つの板部381の間の凹部によって構成されている。位置決め凹部38は、ハウジング30の外周面のうちの上面30a及び下面30bに1つずつ設けられている。ハウジング30の上面30aの位置決め凹部38は、カバー21の上面210aのリブ24に対応しており、ハウジング30の上面30aにおける左右方向の略中央に配置されて前後方向に延びている。ハウジング30の下面30bの位置決め凹部38は、カバー21の下面210bのリブ24に対応しており、ハウジング30の下面30bにおける左右方向の略中央に配置されて前後方向に延びている。
【0062】
また、カバー21の収容凹部210の底面(すなわち収容凹部210の内部の上面)には、カバー本体215の前面215cまで貫通するように、例えば2つの引掛孔25が設けられている。なお、引掛孔25は、前面215cまで貫通しなくてもよい。これに対し、ハウジング30の前面30c(前面215cとの対向面)には、2つの引掛孔25に引っ掛かる2つの引掛片39が設けられている。引掛孔25の内周には、突起25aが設けられている。2つの引掛孔25は、例えば、カバー本体215の前面215cにおける左右方向(横幅方向)の両端側に配置されている。2つの引掛片39は、ハウジング30の前面30cから前方に突出しており、ハウジング30の前面における左右方向の両端側の位置(すなわち2つの引掛孔25に対応する位置)に配置されている。引掛片39の先端部には、引掛片39の厚さ方向に突出する突起39aが設けられている。突起39aは、引掛孔25の突起25aと引っ掛かる部分である。
【0063】
回路ブロック3(ハウジング30)は、カバー21の後面開口から収容凹部210に収容される。回路ブロック3が収容凹部210に収容された状態では、
図8に示すように、カバー21の2つのリブ24が回路ブロック3の2つの位置決め凹部38に嵌り合う。このとき、リブ24の突出方向の端部24aは、位置決め凹部38の底面(回路ブロック3の外周面)に接触又は近接する。このように、リブ24が位置決め凹部38に嵌り合うことで、筐体2に対する回路ブロック3の左右及び上下の位置が位置決めされる。この結果、ねじなどの別部品を用いて、回路ブロック3とカバー21とを位置合わせして固定する必要がなくなるため、部品点数を削減できる。
【0064】
また、回路ブロック3(ハウジング30)がカバー21の収容凹部210に収容された状態では、
図9に示すように、回路ブロック3の2つの引掛片39は、カバー21の2つの引掛孔25に挿入される。このとき、引掛片39の突起39aが引掛孔25の突起25aに引っ掛かる。このように、引掛片39が引掛孔25に引っ掛かることで、回路ブロック3がカバー21の収容凹部210に固定される。これにより、回路ブロック3が収容凹部210から抜け落ちること抑制できる。
【0065】
なお、本実施形態では、ハウジング30側に位置決め凹部38が設けられ、カバー21側にリブ24が設けられるが、ハウジング30側に位置決め凹部38が設けられ、カバー21側にリブ24が設けられてもよい。また、本実施形態では、カバー21側に回路ブロック3が実質的に収容される収容凹部210が設けられるが、ボディ20側に回路ブロック3が実質的に収容される収容凹部が設けられてもよい。この場合は、リブ24は、カバー21に設けられる代わりに、ボディ20の収容凹部の内周面(例えば上面)に設けられる。なお、「回路ブロック3が実質的に収容される」とは、回路ブロック3の大部分を収容することである。
【0066】
(3-5)検知ユニット1の電源部37と2つの第2内部端子421,431との電気的接続構造
検知ユニット1では、ボディ20とカバー21とを組み付けることによって、カバー21側の回路ブロック3内の電源部37とボディ20側の2つの第2内部端子421,431(すなわち第2内部電路N2)とが電気的に接続される。
【0067】
より詳細には、
図10に示すように、検知ユニット1は、2つの電源端子8a、8bを有する。電源端子8a,8bは、電源部37を2つの第2内部端子421、431に電気的に接続するための導電部材である。電源端子8a、8bは、例えば、略矩形の板状態である。電源端子8a、8bには、貫通孔81が設けられている。貫通孔81は、第2内部端子421又は431と連結するためのねじ(端子ねじ45)が通る貫通孔である。電源端子8a、8bは、回路ブロック3の外側に配置されており、例えば配線によって回路ブロック3内の電源部37と電気的に接続されている。
【0068】
電源端子8a、8bは、カバー21に取り付けられている。より詳細には、電源端子8a、8bは、カバー21の後面開口部(収容凹部210の開口部)の上縁部21dにおいて、2つの第2内部端子421,431と対応する部位に取り付けられている。この取付状態で、電源端子8a、8bは、カバー21の上縁部21dから上方に突出する。
【0069】
更に詳細には、
図11に示すように、カバー21の上縁部21dにおいて、電源端子8a、8bが取り付けされる部位には、嵌合凹部21aが設けられている。嵌合凹部21aは、電源端子8a、8bの基端部が嵌め込まれる部分である。嵌合凹部21aの底面には、1つ以上(例えば2つ)の嵌合突起21bが設けられている。これに対し、電源端子8a、8bの基端部には、2つの嵌合突起21bが嵌り合う2つの嵌合孔82が設けられている。電源端子8a、8bの基端部が嵌合凹部21aに嵌め込まれると、嵌合突起21bと嵌合孔82とが嵌り合う。嵌合突起21bと嵌合孔82との嵌り合いによって、電源端子8a、8bがカバー21に取り付けられる。なお、電源端子8a、8bとカバー21とは、接着剤で接着されてもよい。
【0070】
検知ユニット1では、
図10に示すように、カバー21には、予め、回路ブロック3及び電源端子8a,8bが取り付けてられている。そして、ボディ20には、予め、導電ブロック4(すなわち3つの導電板41、42、43(すなわち第2内部電路N2))が取り付けられている。この状態で、
図12に示すように、カバー21とボディ20とが組み付けられると、2つの電源端子8a、8bが2つの導電板42,43(より詳細には2つの第2内部端子421、431)と接触する。このとき、電源端子8a、8bと第2内部端子421、431とは、それらの厚さ方向に重なることで、電源端子8a、8bの後面と第2内部端子421、431の前面とが互いに面接触している。この接触により、カバー21側の電源部37とボディ20側の第2内部端子421、431(すなわち第2内部電路N2)とが電気的に接続される。このように、カバー21とボディ20とが互いに取り付けられることで、電源部37と第2内部電路N2とが電気的に接続される。このため、電源部37と第2内部電路N2との接続作業を別に行う必要がなくなり、回路遮断装置5の組立性を向上できる。
【0071】
上記のように、電源端子8a、8bは、カバー21とボディ20が互いに取り付けられた状態で、2つの第2内部端子421、431(すなわち第2内部電路N2における第1内部電路N1との接続部)に接続される。すなわち、第2内部端子421,431は、第2内部電路N2における第1内部電路N1との接続部と、第2内部電路N2における電源端子8a、8bとの接続部とを兼用している。これにより、2つの接続部を共通化でき、回路遮断装置5の部品点数を削減できる。
【0072】
図1に示すように、本実施形態では、回路遮断装置5において検知ユニット1と漏電遮断器50とが並ぶ方向を第1方向D1とし、検知ユニット1においてカバー21とボディ20とが並ぶ方向を第2方向D2とする。この場合、第1方向D1と第2方向D2とは互いに直交する。また、
図10に示すように、本実施形態では、第1~第3導電板41、42、43(すなわち第2内部電路N2)は、第1方向D1に延在している。このため、上記のように、第1方向D1と第2方向D2とが直交することで、カバー21とボディ20とを互いに組み付けるとき、第2内部電路N2の延在方向(第1方向D1)に直交する方向(第2方向)において、電源端子8a、8bと第2内部電路N2とを容易に対向(すなわち接触)させることができる。これにより、カバー21とボディ20が互いに取り付けられたときに、電源端子8a、8bと第2内部電路N2とを安定して接触させることができる。
【0073】
(3-6)検知ユニット1と漏電遮断器50との連結構造
回路遮断装置5では、検知ユニット1の筐体2と漏電遮断器50の筐体51とが連結(すなわち機械的に接続)されることで、検知ユニット1と漏電遮断器50が連結される。より詳細には、
図13に示すように、検知ユニット1の筐体2には、1つ以上(例えば2つ)第1嵌合部26が設けられており、漏電遮断器50の筐体51には、第1嵌合部26と嵌り合う1つ以上(例えば2つ)の第2嵌合部55が設けられている。そして、第1嵌合部26と第2嵌合部55とが嵌り合うことで、検知ユニット1と漏電遮断器50とが連結する。
【0074】
より詳細には、2つの第1嵌合部26は、例えば、検知ユニット1の筐体2の上面の前部(すなわちカバー21の上面)において、一対の第1腕部211の間に設けられている。2つの第1嵌合部26は、筐体2の上面から上方に突出している。2つの第1嵌合部26は、第3方向D3に沿って並んで配置されている。第3方向D3は、検知ユニット1の横幅方向であって、第1方向D1及び第2方向D2に直交する方向である。2つの第1嵌合部26は、前後方向(第2方向D2)から見て、隣り合う2つ第2内部端子411,421、431の間に配置される。
【0075】
第1嵌合部26は、支持部261と突部262とを有する。支持部261は、突部262を支持する部分であり、例えば板状である。支持部261は、筐体2の上面29(すなわち筐体51側の側面(第2側面))から上方に突出している。突部262は、第2嵌合部55と嵌合する部分であり、例えば正面視十字状の柱形である(
図8参照)。突部262は、支持部261の後面から後方に突出している。
【0076】
2つの第2嵌合部55はそれぞれ、突部262が嵌り合う凹部551を有する。第2嵌合部55は、漏電遮断器50の筐体51において、例えば、3つの凹部56の間の2つの仕切壁57の各々の前面に1つずつ設けられている。筐体51の2つの仕切壁57の前面には、段付き孔が設けられている。段付き孔は、筐体51を固定対象物(例えば外部の壁材)にねじ固定するためのねじが貫通可能に設けられた既存の孔である。段付き孔は、筐体51の前後方向に貫通している。凹部551は、上記の段付き孔によって構成されている。より詳細には、凹部551は、段付き孔においてねじ頭部が収容可能な拡径部分によって構成されている。このように、凹部551が筐体51の表面に設けられた既存の孔(段付き孔)で構成されるため、筐体51に新たに凹部551を設ける必要が無い。
【0077】
図14に示すように、回路遮断装置5では、検知ユニット1の第1嵌合部26の突部262が漏電遮断器50の第2嵌合部55の凹部551に嵌め込まれることで、検知ユニット1と漏電遮断器50とが連結(すなわち機械的に接続)される。これにより、漏電遮断器50に対する検知ユニット1のがたつきを抑制でき、この結果、検知ユニット1の検知精度を向上できる。
【0078】
また、検知ユニット1の筐体2と漏電遮断器50の筐体51との連結状態では、漏電遮断器50の3つの第1内部端子53(
図13参照)と検知ユニットの3つの第2内部端子411、421、431とがそれぞれ、筐体51の3つの凹み56の内部で前後方向に重なって接触する。本実施形態では、これら3つの第1内部端子53及び3つの第2内部端子411、421、431が3つの端子ねじ45によってねじ締結されることで、3つの第1内部端子53と3つの第2内部端子411、421、431とが連結される。この連結により、3つの第1内部端子53と3つの第2内部端子411、421、431とが確実に電気的に接続される。また、3つの第1内部端子53と3つの第2内部端子411、421、431との連結によっても、検知ユニット1と漏電遮断器50とが連結される。すなわち、検知ユニット1と漏電遮断器50は、第1嵌合部26と第2嵌合部55との嵌合と、第1内部端子53と第2内部端子411、421、431との連結とによって、互いに連結される。
【0079】
なお、3つの端子ねじ45は、3つの第1内部端子53の後側に配置されたナットにねじ込まれる。より詳細には、右端の端子ねじ45は、右端の第2内部端子411の貫通孔及び右端の第1内部端子53(
図13参照)の貫通孔を通ってナットにねじ込まれる。これにより、右端の第2内部端子411と右端の第1内部端子53とが連結される。また、左端の端子ねじ45は、左端の第2内部端子421の貫通孔、電源端子8aの貫通孔81(
図10参照)及び左端の第1内部端子53(
図13参照)の貫通孔を通ってナットにねじ込まれる。これにより、左端の第2内部端子411、電源端子8a及び左端の第1内部端子53が連結される。中央の端子ねじ45は、中央の第2内部端子431の貫通孔、電源端子8bの貫通孔81(
図10参照)及び中央の第1内部端子53(
図13参照)の貫通孔を通ってナットにねじ込まれる。これにより、中央の第2内部端子431、電源端子8b及び中央の第1内部端子53が連結される。
【0080】
検知ユニット1の筐体2と漏電遮断器50の筐体51との連結状態では、筐体2の上面29(すなわち筐体5側の側面(第2側面))と筐体51の下面512(すなわち筐体2側の側面(第1側面))とが接触する。これにより、検知ユニット1の上面29が漏電遮断器の3つの凹み56の下面側開口部を被覆する。なお、3つの第1内部端子53及び3つの第2内部端子411、421、431はそれぞれ、筐体51の3つの凹み56の内部に配置されている。
【0081】
また、検知ユニット1の筐体2と漏電遮断器50の筐体51との連結状態では、検知ユニット1の一対の第1腕部211が、漏電遮断器50の筐体51の前面の下部511(すなわち筐体2側の縁部(第1縁部))の左右両端部に配置される。そして、例えば、3つの第1内部端子53と3つの第2内部端子411、421、431とが端子ねじ45で連結された状態で、一対の腕部211に入力側端子カバー22が取り付けられる。この入力側端子カバー22によって、漏電遮断器50の3つの凹み36の前面開口部(すなわち第1内部端子53及び第2内部端子411、421、431の前側)を被覆することができる(
図1参照)。
【0082】
また、検知ユニット1の筐体2が漏電遮断器50の筐体51と連結された状態において、筐体2の前面215cは、漏電遮断器50の前面(より詳細には筐体51の前面の中央部513)と同一平面に位置している(
図1、
図14参照)。例えば、後述(
図21参照)のように、回路遮断装置5は、分電盤6内に配置されてもよい。この場合、分電盤6のキャビネット60は、ボックス61と分電盤6のドアとの間に中蓋を有する場合がある。この場合、筐体2の前面215cが漏電遮断器50の前面512と同一平面に位置することにより、中蓋が筐体2に当たること、及び中蓋を閉じたままで受付部35を操作しにくくなることが回避できる。ただし、検知ユニット1の筐体2の前面215cは、漏電遮断器50の前面513と厳密に同一平面に位置しなくても、わずかに漏電遮断器50の前面513よりも前方に位置しても構わない。
【0083】
(3-7)検知ユニット1における入力側端子カバー22の取付構造
図15に示すように、入力側端子カバー22は、検知ユニット1の筐体2の一対の第1腕部211に取り付けられる。この取付状態で、入力側端子カバー22は、端子ねじ45で接続された第1内部端子53及び第2内部端子411、421、431(すなわち第1内部電路N1と第2内部電路N2との接続部分)の前側を覆う。ここで、第1内部端子53は、第1内部電路N1における第2内部電路N2との接続部であり、第2内部端子411、421、431は、第2内部電路N2における第1内部電路N1との接続部である。
【0084】
より詳細には、検知ユニット1の筐体2は、第1内部端子53及び第2内部端子411、421、431(すなわち第1内部電路N1と第2内部電路N2との接続部分)を露出するように、漏電遮断器50の筐体51と連結する(
図14参照)。そして、入力側端子カバー22は、露出された上記の接続部分の前側を覆うように、検知ユニット1の筐体2(より詳細には一対の第1腕部211)に取り付けられる(
図1参照)。このように、入力側端子カバー22を備えることで、第1内部電路N1と第2内部電路N2との接続部分が回路遮断装置5の外に露出されることを防止できる。
【0085】
図15に示すように、入力側端子カバー22は、基板部221と、2つの側壁部222と、複数(例えば3つ)の突部223とを有する。
【0086】
基板部221は、略矩形の平板状である。基板部221の下端面には、筐体2の後述の引掛穴26に引っ掛かる複数(例えば2つ)の引掛突起221aが設けられている。2つの側壁部222は、基板部221の左右方向(横幅方向)の両縁部から後方に突出している。側壁部222の内側面には、筐体2の第1腕部211の後述の引掛突起211a(第2引掛部)に引っ掛かる引掛突起27(第1引掛部)が設けられている。すなわち、入力側端子カバー22は、複数(例えば2つ)の引掛突起27を有する。
【0087】
3つの突部223は、第1内部端子53(
図2参照)と第2内部端子411、421、431とを締結する端子ねじ45のねじ込み状態に応じて、端子ねじ45の頭部に接触及び非接触する部材である。3つの突部223は、基板部221の後面(すなわち入力側端子カバー22の裏面)から後方に突出している。より詳細には、3つの突部223は、3つの第2内部端子411、421、431と一対一に対応する。そして、3つの突部223は、基板部221の後面において、対応する第2内部端子411、421、431と対応する位置に設けられる。
【0088】
検知ユニット1の筐体2の一対の第1腕部211の各々の外側面には、入力側端子カバー22の引掛突起27と引っ掛かる引掛突起211aが設けられている。すなわち、筐体2は、複数(例えば2つ)の引掛突起211aを有する。筐体2の複数の引掛突起27と入力側端子カバー22の複数の引掛突起211aとは、一対一に対応している。また、筐体2の上面の前縁部には、入力側端子カバー22の引掛突起221aと引っ掛かる引掛穴26が設けられている。
【0089】
図16に示すように、検知ユニット1の筐体2が漏電遮断器50の筐体51に連結された状態で、3つの第1内部端子53と3つの第2内部端子411、421、431はそれぞれ、筐体51の凹み56の内部で、3つの端子ねじ45で接続されている。3つの端子ねじ45はそれぞれ、3つの第2内部端子411、421、431の貫通孔、及び漏電遮断器50の3つの第1内部端子53の貫通孔を通って第1内部端子53の後側のナット59にねじ込まれる。このとき、右端の端子ねじ45は、右端の第1内部端子53と右端の第2内部端子421との間で更に電源端子8aの貫通孔を通る。中央の端子ねじ45は、中央の第1内部端子53と中央の第2内部端子431との間で更に電源端子8bの貫通孔を通る。このようにして、3つの第2内部端子411、421、431と3つの第1内部端子53とが連結される。ナット59のねじ孔59aは、第1内部端子53の厚さ方向(前後方向)に沿って延びている。すなわち、ナット59のねじ孔59aのねじ軸59bは、第1内部端子53の厚さ方向(前後方向)に沿っている。3つの突部223は、ねじ軸53bと平行な方向に突出している。なお、本実施形態では、第1内部端子53とナット59は、一体に構成されているが、それぞれ別体で構成されてもよい。
【0090】
そして、入力側端子カバー22は、検知ユニット1の筐体2と漏電遮断器50の筐体51とが連結された状態で、すなわち検知ユニット1側の3つの第2内部端子411、421、431と漏電遮断器50側の3つの第1内部端子53とが端子ねじ45で連結された状態で、筐体2の一対の第1腕部211に跨って取り付けられる。より詳細には、入力側端子カバー22の下端面の引掛突起221aが筐体2の上面前部の引掛穴26に引っ掛けられ、そして、入力側端子カバー22の両側壁部222の引掛突起27が筐体2の一対の第1腕部211の引掛突起211aに引っ掛けられる。このようにして、入力側端子カバー22は、筐体2の一対の第1腕部211に取り付けられる。
【0091】
このとき、
図16に示すように、3つの端子ねじ45がそれぞれ既定のねじ位置(第1既定位置)までねじ込まれている場合は、3つの突部223の先端部はそれぞれ、対応する端子ねじ45の頭部と接触しない。このため、入力側端子カバー22は、一対の第1腕部211(すなわちカバー21)において既定のカバー位置(第2既定位置)に配置される。
【0092】
ここで、上記の「既定のねじ位置」とは、端子ねじ45がナット59のねじ孔53aに十分にねじ込まれて、端子ねじ45の頭部が締結対象の第2内部端子411、421、431と十分に近接するときの、ナット59に対する端子ねじ45の位置である。また、上記の「既定のカバー位置」とは、入力側端子カバー22の両側の引掛突起27と一対の第1腕部211の引掛突起211aとがそれぞれ引っ掛かるときの、一対の第1腕部211(すなわちカバー21)に対する入力側端子カバー22の位置である。
【0093】
そして、入力側端子カバー22が検知ユニット1の筐体2の既定のカバー位置に配置された状態では、入力側端子カバー22の複数の引掛突起211aは全て、筐体2の対応する引掛突起27に引っ掛かる。これにより、入力側端子カバー22は、筐体2(より詳細には一対の第1腕部211)に適切に取り付けられる。
【0094】
他方、
図17に示すように、3つの端子ねじ45のうちの1つ以上のねじ(例えば右端のねじ)が既定のねじ位置までねじ込まれていない場合は、3つの突部223のうちの上記の1つ以上の端子ねじ45に対応する突部223は、対応する端子ねじ45の頭部と接触して干渉する。このため、入力側端子カバー22は、一対の第1腕部211(すなわちカバー21)において既定のカバー位置に配置されない。
【0095】
なお、端子ねじ45が既定のねじ位置までねじ込まれていない場合の例には、端子ねじ45の途中止め、及び、端子ねじ45の斜め噛み込みが含まれる。上記の「端子ねじ45の途中止め」とは、端子ねじ45の頭部と締結対象との間に隙間H1(
図17参照)が生じる状態である。また、上記の「端子ねじ45の斜め噛み込み」とは、端子ねじ45がねじ孔53aのねじ軸53bに対して傾いてねじ込まれた状態である。
【0096】
そして、入力側端子カバー22が検知ユニット1の筐体2の既定のカバー位置に配置されない状態では、入力側端子カバーの複数の引掛突起211aのうちの少なくとも1つは、筐体2の対応する引掛突起27に引っ掛からない。これにより、入力側端子カバー22は、検知ユニット1の筐体2(より詳細には一対の第1腕部211)に取り付けられない。
【0097】
このように、入力側端子カバー22が検知ユニット1の筐体2(の一対の第1腕部211)に取り付けられるか否かによって、第1内部端子53(すなわち第1内部電路N1)と第2内部端子411、421、431(すなわち第2内部電路N2)とを接続する端子ねじ45が既定のねじ位置までねじ込まれているか否かを容易に判断することができる。
【0098】
なお、本実施形態では、入力側端子カバー22は、検知ユニット1の筐体2に取り付けられるが、漏電遮断器50の筐体51に取り付けられてもよい。例えば、筐体2の一対の第1腕部を省略して、入力側端子カバー22を筐体51の前面下部511に取り付けてもよい。すなわち、入力側端子カバー22は、筐体2及び筐体51のうちの一方の筐体に取り付け可能であればよい。
【0099】
(3-8)入力側端子カバー22の取外防止構造
回路遮断装置5は、検知ユニット1の筐体2と漏電遮断器50の筐体51との連結部分から入力側端子カバー22が取り外されることを禁止する構造を有する。より詳細には、
図18に示すように、回路遮断装置5は、銘板9を更に備えている。銘板9は、検知ユニット1の筐体2及び漏電遮断器50の筐体51の少なくとも一方と入力側端子カバー22とに渡って取り付けられている。このように銘板9が取り付けられることで、入力側端子カバー22が上記の連結部分から取り外されることが防止される。
【0100】
なお、銘板9とは、金属、プラスチック又は紙を素材とし、必要な事項(例えば回路遮断装置5の仕様)を容易に消えない方法で表示したものである。従って、銘板9は、平板状であってもよいし、可撓性を有するシート状であってもよい。
【0101】
また、筐体2及び筐体51の少なくとも一方と入力側端子カバー22とに渡る銘板の取り付けは、接着剤又は粘着剤で行われてもよいし、銘板9が金属・プラスチック等の剛性部材である場合は、ねじで行われてもよい。
【0102】
図18の例では、回路遮断装置5が2つの銘板91、92を備える場合が例示されている。銘板91は、入力側端子カバー22と検知ユニット1の筐体2に渡って取り付けられている。より詳細には、銘板91は、入力側端子カバー22の前面と検知ユニット1の筐体2の前面に渡って取り付けられている。銘板92は、入力側端子カバー22と漏電遮断器50の筐体51に渡って取り付けられている。より詳細には、銘板92は、入力側端子カバー22の側面と漏電遮断器50の筐体51の側面に渡って取り付けられている。なお、銘板92は、入力側端子カバー22の前面と漏電遮断器50の筐体51の前面に渡って取り付けられてもよい。
【0103】
図19に示すように、銘板91には、回路遮断装置5の仕様として、例えば、回路遮断装置5の感震機能の動作感度G1、上記の感震機能の動作概要G2、及び、上記の感震機能の取扱説明書のアクセスデータG3のうちの少なくとも1つ(
図9の例では3つとも)が記載されている。感震機能の動作感度G1は、回路遮断装置5の感震機能が検知する震度及び傾きである。感震機能の動作概要G2とは、回路遮断装置5が振動又は傾きを検知したときに回路遮断装置5が実行する動作の概要である。アクセスデータG3は、回路遮断装置5の感震機能の取扱説明書のデータを保存するインターネット上の保存場所(例えば保存場所のアドレス)にアクセスするためのデータであり、例えば、上記のインターネット上の保存場所の情報を含むQRコード(登録商標)である。
【0104】
図20に示すように、銘板92には、回路遮断装置5の仕様として、例えば、回路遮断装置5、漏電遮断器50及び検知ユニット1のうちの少なくとも1つの商品名が特定可能な記号又は番号(例えば品番及び型名)が記載されている。
図20の例では、型名として、回路遮断装置5の型名である「AB-1234J型」が記載されている。また、品番として、回路遮断装置5の品番である「BJ123456J2」が記載されている。
【0105】
本実施形態では、後述のように、回路遮断装置5は、ブレーカ(例えば分岐ブレーカ62)を有する分電盤6内に配置されてもよい(
図21参照)。この場合、銘板9は、回路遮断装置5の外周側面のうち、分岐ブレーカ62の側とは反対側の側面5aに取り付けられる。これにより、回路遮断装置5が分電盤6内に配置された状態でも、銘板9の視認性を分岐ブレーカ62に視認性を妨げられることなく、銘板9の視認性を確保できる。
【0106】
(4)分電盤6の構成
図21に示すように、本実施形態に係る分電盤6(以下、分電盤6と略す。)は、住宅用分電盤(住宅盤)を例示するが、キャビネット型分電盤などの住宅盤以外の分電盤であってもかまわない。分電盤6は、回路遮断装置5と、回路遮断装置5を収容するキャビネット60とを有する。
【0107】
キャビネット60は、鋼板などの金属材料によって前面が開放された箱状のボックス61と、ボックス61の前面を開閉可能に覆うドア(不図示)とを有する。ボックス61(キャビネット60)は、住宅の屋内の壁に直接又は壁に設けられた孔に埋め込まれるように施工される。
【0108】
回路遮断装置5は、ボックス61の左端に収容される。そして、ボックス61の回路遮断装置5より右側の空間に、複数の回路遮断器(分岐ブレーカ62)が、上下2段に分かれて、それぞれ一列に並ぶように収容される。つまり、分電盤6において、回路遮断装置5の漏電遮断器50は、主幹ブレーカに相当する。
【0109】
ボックス61内において、検知ユニット1の3つの負荷側端子412、422、432は、母線に相当する3つの導電バー(不図示)と直接又は被覆電線を介して、電気的に接続される。3つの導電バーは、上段の複数の分岐ブレーカ62と下段の複数の分岐ブレーカ62の間の空間に、前後方向に間隔を空けて配置される。そして、各分岐ブレーカ62の入力側(電源側)の2つの端子が、3つの導電バーのうちの2つの導電バーと電気的に接続される。
【0110】
(5)主要な効果
本実施形態に係る回路遮断装置5は、漏電遮断器50(遮断ユニット)と、検知ユニット1と、を備える。漏電遮断器50は、第1外部電路71と電気的に接続可能な第1内部電路N1を有し、第1内部電路N1を導通及び遮断する。検知ユニット1は、特定の検知対象を検知したときに、漏電遮断器50に第1内部電路N1を遮断させるための処理を行う。検知ユニット1は、検知部33と、第2内部電路N2と、電源部32と、筐体2と、を備える。検知部33は、検知対象を検知する。第2内部電路N2は、第2外部電路72と電気的に接続可能であり、かつ第1内部電路N1と電気的に接続される。電源部32は、第2内部電路N2と電気的に接続され、検知部33に電力を供給する。筐体2は、検知部33、電源部32及び第2内部電路N2を収容する。筐体2は、カバー21(第1ケース)と、ボディ20(第2ケース)と、を有する。カバー21は、検知部33及び電源部32を収容する。ボディ20は、第2内部電路N2を収容する。第1ケース21と第2ケース20とが互いに取り付けられることで、電源部32と第2内部電路N2とが電気的に接続される。
【0111】
この構成によれば、カバー21とボディ20とが互いに取り付けられることで、電源部32と第2内部電路N2とが電気的に接続される。このため、電源部32と第2内部電路N2との接続作業を別に行う必要がなくなり、回路遮断装置5の組立性を向上できる。
【0112】
また、漏電遮断器50は、第1内部電路N1を収容する筐体51(第1筐体)を有する。検知ユニット1は、第2内部電路N2と、筐体2(第2筐体)と、入力側端子カバー22と、を備える。第2内部電路N2は、第2外部電路72と電気的に接続可能であり、かつ第1内部電路N1と電気的に接続される。筐体2は、第2内部電路N2を収容し、かつ第1内部電路N1と第2内部電路N2との接続部分53、411、421、431を露出するように筐体51と連結する。入力側端子カバー22(蓋体)は、露出された上記の接続部分53、411、421、431の前側を覆うように、筐体51及び筐体2のうちの一方の筐体(例えば筐体2)に取り付けられる。
【0113】
この構成によれば、入力側端子カバー22によって、第1内部電路N1と第2内部電路N2との接続部分53、411、421、431が回路遮断装置5の外に露出されることを防止できる。
【0114】
また、第1内部電路N1と第2内部電路N2は、端子ねじ45(ねじ)で接続される。入力側端子カバー22(蓋体)は、入力側端子カバー22の裏面から突出する突部223を有する。端子ねじ45が既定のねじ位置(第1既定位置)までねじ込まれた状態では、入力側端子カバー22は、上記の一方の筐体(例えば筐体2の既定のカバー位置(第2既定位置))に配置される。端子ねじ45が既定のねじ位置までねじ込まれていない状態では、突部223と端子ねじ45とが干渉して、入力側端子カバー22は、上記の一方の筐体の既定のカバー位置に配置されない。
【0115】
この構成によれば、入力側端子カバー22を上記の一方の筐体(例えば筐体2)に取り付けるとき、入力側端子カバー22が上記の一方の筐体の既定のカバー位置に配置できるか否かによって、第1内部電路N1と第2内部電路N2とを接続する端子ねじ45が既定のねじ位置までねじ込まれているか否かを容易に判断することができる。
【0116】
また、回路遮断装置5は、銘板9を備える。銘板9は、筐体51及び筐体2の少なくとも一方と入力側端子カバー22とに渡って取り付けられる。
【0117】
この構成によれば、銘板9によって、入力側端子カバー22が上記の一方の筐体(例えば筐体2)から取り外されることを防止できる。
【0118】
(6)まとめ
以上説明した実施形態から明らかなように、以下の態様を取り得る。
【0119】
第1の態様の回路遮断装置(5)は、遮断ユニット(50)と、検知ユニット(1)と、を備える。遮断ユニット(50)は、第1外部電路(71)と電気的に接続可能な第1内部電路(N1)を有し、第1内部電路(N1)を導通及び遮断する。検知ユニット(1)は、特定の検知対象を検知したときに、遮断ユニット(50)に第1内部電路(N1)を遮断させるための処理を行う。遮断ユニット(50)は、第1内部電路(N1)を収容する第1筐体(51)を有する。検知ユニット(1)は、第2内部電路(N2)と、第2筐体(2)と、蓋体(22)と、を備える。第2内部電路(N2)は、第2外部電路(72)と電気的に接続可能であり、かつ第1内部電路(N1)と電気的に接続される。第2筐体(2)は、第2内部電路(N2)を収容し、かつ第1内部電路(N1)と第2内部電路(N2)との接続部分(53、411、421、431)を露出するように第1筐体(51)と連結する。蓋体(22)は、露出された接続部分(53、411、421、431)の前側を覆うように、第1筐体(51)及び第2筐体(2)のうちの一方の筐体(例えば第2筐体(2))に取り付けられる。
【0120】
この構成によれば、蓋体(22)によって、第1内部電路(N1)と第2内部電路(N2)との接続部分(53、411、421、431)が回路遮断装置(5)の外に露出されることを防止できる。
【0121】
第2の態様の回路遮断装置(5)では、第1の態様において、第1内部電路(N1)と第2内部電路(N2)は、ねじ(45)で接続される。蓋体(22)は、蓋体(22)の裏面から突出する突部(223)を有する。ねじ(45)が第1既定位置までねじ込まれた状態では、蓋体(22)は、一方の筐体(例えば第2筐体(2))の第2既定位置に配置される。ねじ(45)が第1規定位置までねじ込まれていない状態では、突部(223)とねじ(45)が干渉して、蓋体(22)は、一方の筐体の第2規定位置に配置されない。
【0122】
この構成によれば、蓋体(22)を一方の筐体(例えば第2筐体(2))に取り付けるとき、蓋体(22)が一方の筐体の第2既定位置に配置できるか否かによって、第1内部電路(N1)と第2内部電路(N2)とを接続するねじ(45)が第1既定位置までねじ込まれているか否かを容易に判断することができる。
【0123】
第3の態様の回路遮断装置(5)では、第2の態様において、蓋体(22)は、複数の第1引掛部(27)を有する。一方の筐体(例えば第2筐体(2))は、複数の第1引掛部(27)と一対一に対応し、対応する第1引掛部(27)と引っ掛かる複数の第2引掛部(211a)を有する。蓋体(22)が第2既定位置に配置された状態では、複数の第1引掛部(27)は全て、対応する第2引掛部(211a)と引っ掛かる。蓋体(22)が第2既定位置に配置されない状態では、複数の第1引掛部(27)のうちの少なくとも1つは、対応する第2引掛部(211a)と引っ掛からない。
【0124】
この構成によれば、複数の第1引掛部(27)の全てが対応する第2引掛部(211a)に引っ掛かるか否かによって、第1内部電路(N1)と第2内部電路(N2)とを接続するねじ(45)が第1既定位置までねじ込まれているか否かを容易に判断することができる。
【0125】
第4の態様の回路遮断装置(5)では、第2又は第3の態様において、突部(223)の突出方向は、ねじ(45)がねじ込まれるねじ孔(59a)の軸(59b)と平行である。
【0126】
この構成によれば、ねじ(45)が第1既定位置に配置されていないとき、容易に、突部(223)の先端部をねじ(45)の頭部に接触させることができる。
【0127】
第5の態様の回路遮断装置(5)では、第1~第4の態様の何れか1つにおいて、第1筐体(51)の前面における第2筐体(2)の側の第1縁部(511)において、第1縁部(511)と第1筐体(51)における第2筐体(2)の側の側面(512)とで開口する凹み(56)が設けられている。凹み(56)には、第1内部電路(N1)における第2内部電路(N2)との接続部である第1内部端子(53)が配置されている。第2筐体(2)における第1筐体(51)の側の第2側面(29)から、第2内部電路(N2)における第1内部電路(N1)との接続部である第2内部端子(411、421、431)が突出している。第2筐体(2)は、第2側面(29)から突出する一対の腕部(211)を有する。第1筐体(51)と第2筐体(2)との連結状態で、第1側面(512)と第2側面(29)とが接触し、一対の腕部(211)が第1筐体(51)の第1縁部(511)の両端部に配置される。かつ、凹み(56)の内部で第1内部端子(53)と第2内部端子(411、421、431)とがねじ(45)で接続される。かつ、蓋体(22)が一対の腕部(211)に跨って取り付けられる。
【0128】
この構成によれば、容易な構造で、第1内部電路(N1)と第2内部電路(N2)との接続部分(53、411、421、431)を露出するように、第1筐体(51)と第2筐体(2)とを連結することができる。そして、第2筐体(2)の一対の腕部(211)に蓋体(22)を取り付けるという簡単な構造で、上記の接続部分の前側を覆うことができる。
【0129】
第6の態様の回路遮断装置(5)では、第1~第5の態様の何れか1つにおいて、検知ユニット(1)は、切替操作を受け付ける受付部(35)を更に備える。検知ユニット(1)は、受付部(35)が受け付ける切替操作に応じて、処理の実行と不実行を切り替える。
【0130】
この構成によれば、受付部(35)が受け付ける切替操作に応じて、処理部(34)の処理(感震処理)を不実行に切り替えれば、処理によって遮断ユニット(50)が不用意に遮断してしまうことを防ぐことができる。
【0131】
第7の態様の回路遮断装置(5)は、第6の態様において、表示部(36)を更に備える。表示部(36)は、検知ユニット(1)の処理の実行/不実行を各別に表示する。
【0132】
この構成によれば、処理部(34)の処理の実行/不実行を、表示部(36)で各別に表示することにより、使い勝手の向上を図ることができる。
【0133】
第8の態様の回路遮断装置(5)では、第1~第7の態様の何れか1つにおいて、検知部(33)は、検知対象として振動を検知する。
【0134】
この構成によれば、検知部(33)が振動を検知することにより、例えば、地震による振動に応じて、遮断ユニット(5)を自動的に遮断させて安全性の向上を図ることができる。
【0135】
第9の態様の回路遮断装置(5)は、第1~第8の態様の何れか1つにおいて、状態表示部(36)を更に備える。状態表示部(36)は、検知ユニット(1)の動作状態を表示する。
【0136】
この構成によれば、検知部(33)及び処理部(34)の少なくとも一方の動作状態を状態表示部(36)で表示することにより、検知部(33)及び処理部(34)に異常が生じたことを知らして適切な処置を行わせることができる。
【0137】
第10の態様の回路遮断装置(5)は、第1~第9の態様の何れか1つにおいて、検知ユニット(1)は、検知部(33)と、処理部(34)と、ハウジング(30)とを有する。検知部(33)は、特定の検知対象を検知する。処理部(34)は、処理を行う。ハウジング(30)は、第2筐体(2)に収容される。ハウジング(30)は、少なくとも検知部(33)と処理部(34)を収容する。
【0138】
この構成によれば、検知部(33)と処理部(34)をハウジング(30)に収容することにより、検知部(33)と処理部(34)に不用意に高い電圧が印加されることを防ぐことができる。
【0139】
第11の態様の回路遮断装置(5)は、第1~第10の態様の何れか1つにおいて、試験開始の操作入力を受け付ける試験受付部(35)を更に備える。検知ユニット(1)は、試験受付部(35)が操作入力を受け付けた場合、検知ユニット(1)が検知対象を検知していなくても処理を行う。
【0140】
この構成によれば、試験受付部(35)が操作入力を受け付けた場合に、処理部(34)が遮断ユニット(50)を遮断させるための処理を実行することにより、動作試験を行うことで信頼性の向上を図ることができる。
【0141】
第12の態様の回路遮断装置(5)では、第1~第11の態様の何れか1つにおいて、第1筐体(51)と第2筐体(2)とが連結された状態において、第2筐体(2)の前面(215c)は、第1筐体(51)の前面(513)と同一平面である、又は第1筐体(51)の前面(513)よりも前方に位置する。
【0142】
この構成によれば、第2筐体(2)の前面(215c)が、遮断ユニット(50)の前面(513)と同一平面又は遮断ユニット(50)の前面(513)よりも前方に位置することにより、分電盤(6)のキャビネット(60)に収容された際の不具合の発生を防ぐことができる。
【0143】
第13の態様の分電盤(6)は、第1~第12の態様の何れか1つに記載の回路遮断装置(5)と、回路遮断装置(5)を収容するキャビネット(60)と、を有する。
【0144】
この構成によれば、上記の効果を有する回路遮断装置(5)を備えた分電盤(6)を提供できる。また、キャビネット(60)内の空きスペースを利用して、回路遮断装置(5)を収容することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 検知ユニット
2 筐体(第2筐体)
5 回路遮断装置
6 分電盤
22 入力側端子カバー(蓋体)
27 第1引掛部
29 (上面)第2側面
30 ハウジング
33 検知部
34 処理部
35 受付部(試験受付部)
36 表示部(状態表示部)
50 漏電遮断器(遮断ユニット)
51 筐体(第1筐体)
53 第1内部端子(接続部分)
59a ねじ孔(孔)
59b 軸
60 キャビネット
71 第1外部電路
72 第2外部電路
211 第1腕部
211a 第2引掛部
215c 前面
223 突部
411、421、431 第2内部端子(接続部分)
511 前面下部(第1縁部)
512 下面(第1側面)
513 前面
N1 第1内部電路
N2 第2内部電路