(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】エスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置
(51)【国際特許分類】
B66B 29/00 20060101AFI20240913BHJP
B66B 23/02 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B66B29/00 E
B66B23/02 A
(21)【出願番号】P 2024047387
(22)【出願日】2024-03-23
【審査請求日】2024-06-10
(31)【優先権主張番号】202410234077.9
(32)【優先日】2024-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520022540
【氏名又は名称】中国計量大学
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲其▼氷
(72)【発明者】
【氏名】王 東陽
(72)【発明者】
【氏名】張 豪
(72)【発明者】
【氏名】陸 佳▲韋▼
(72)【発明者】
【氏名】孟 昊豊
(72)【発明者】
【氏名】▲り▼ 翔
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030882(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1888950(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 23/02;29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア軸(1)と、ブレーキホイール(2)と、支持枠(3)と、トップホイール機構(5)と、センサ(6)と、コントローラとを含み、
前記コア軸(1)は、一端が、支持枠(3)を回転可能に貫通した後、エスカレータの回転軸(9)の一端に同軸に接続され、
前記ブレーキホイール(2)は、コア軸(1)に同軸に外嵌され、ホイール面に若干のノッチ(21)が周設され、
前記支持枠(3)とセンサ(6)は、それぞれエスカレータのフレーム(4)に固定され、
前記トップホイール機構(5)は、支持枠(3)に取り付けられ、伸縮可能なトップロッド(52)が設けられ、
前記トップロッド(52)の自由端は、伸長した後、ブレーキホイール(2)の回転を制限するように一方のノッチ(21)に当接可能であり、
前記センサ(6)は、回転軸(9)の回転状況をリアルタイムに監視可能であり、
前記トップホイール機構(5)とセンサ(6)は、それぞれコントローラにより制御され
、
前記トップホイール機構(5)は、ベーススリーブ(51)と、トップロッド(52)と、バネ(53)と、永久磁石(54)と、電磁石(55)とを含み、
前記トップロッド(52)は、一端が、ベーススリーブ(51)のスリーブ通路に挿入され、他端が、ブレーキホイール(2)のホイール面に向かって設けられ、
前記バネ(53)は、両端がそれぞれベーススリーブ(51)とトップロッド(52)に固定され、
前記永久磁石(54)と電磁石(55)は、それぞれトップロッド(52)とベーススリーブ(51)に取り付けられ、
アシストモータ(81)と伝動アセンブリとを含む反転機構(8)をさらに備え、
前記アシストモータ(81)は、伝動アセンブリにより元の回転方向と反対方向に自転するようにコア軸(1)を駆動することができ、
前記反転機構(8)は、コントローラにより制御される
ことを特徴とするエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置。
【請求項2】
前記バネ(53)は、トップロッド(52)をベーススリーブ(51)から張り出すように押す弾性力を有する
ことを特徴とする請求項
1に記載のエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置。
【請求項3】
前記スリーブ通路の内壁には、若干のスライド溝(511)が設けられ、
前記トップロッド(52)の外壁には、各スライド溝(511)に摺動可能に接続されるスライダ(521)がそれぞれ設けられる
ことを特徴とする請求項
1に記載のエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置。
【請求項4】
各前記ノッチ(21)は、いずれも片側が交わる傾斜面(211)と垂直面(212)とからなり、
各前記傾斜面(211)の傾斜方向が一致し、前記トップホイール機構(5)は、支持枠(3)に斜めに設けられ、
トップロッド(52)の自由端が一方のノッチ(21)の傾斜面(211)と垂直面(212)との間にある段差に向かうようにする
ことを特徴とする請求項
1に記載のエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置。
【請求項5】
前記伝動アセンブリは、駆動ギア(82)と、従動ギア(83)と、歯付きベルト(84)とを含み、
前記駆動ギア(82)と従動ギア(83)は、それぞれアシストモータ(81)の出力軸とコア軸(1)に同軸に外嵌され、
前記歯付きベルト(84)は、駆動ギア(82)と従動ギア(83)に同時に外嵌される
ことを特徴とする請求項
1に記載のエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータの技術分野、特に、エスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータは、公告番号CN105398925Bに開示されたエスカレータ又は歩道のように、一般的に斜め置きとしている。歩行者は、エスカレータの一端側で自走する踏段に乗ると、自動的にエスカレータの他端側まで運ばれ、途中で踏段が水平に保持されている。エスカレータは、公共の場所に不可欠な階段ツールであり、人間の生活に便利を与えることができる。
【0003】
しかしながら、エスカレータの普及に伴い、エスカレータの安全事故が頻発し、死傷者が出るとともに、不良な社会的影響をもたらす。エスカレータに乗る人数が通常不定値であるため、特にエスカレータが人を連れて下降する過程(重力がポジティブに働くと、エスカレータが速度超過になることが多いこと)において、エスカレータは、電力が安定していないので、エスカレータに搭載される乗客に大きな安全上のリスクをもたらす。また、電力系統網の誤相、電力系統網の開放相、電力系統網の電力損失、エスカレータの過負荷、駆動装置と踏段スプロケットとの間の駆動チェーンのブロークンリンク及び駆動踏段のチェーンのブロークンリンクなどが発生する場合に、エスカレータに非操作逆転現象が発生し、重大な安全事故を起こしやすい可能性もある。そのため、エスカレータが作動中に非操作逆転と速度超過現象をどうように防止するかは、課題とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術における問題を解決し、エスカレータに非操作逆転又は速度超過現象が発生した場合、トップロッドを張り出してブレーキホイールのホイール面にある一方のノッチに当接することにより、コア軸の回転を強制的に停止させるとともに、この停止動作をコア軸と同軸に接続された回転軸に伝達し、エスカレータの使用安全性を効果的に高めることができるエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、コア軸と、ブレーキホイールと、支持枠と、トップホイール機構と、センサと、コントローラとを含み、前記コア軸は、一端が、支持枠を回転可能に貫通した後、エスカレータの回転軸の一端に同軸に接続され、前記ブレーキホイールは、コア軸に同軸に外嵌され、ホイール面に若干のノッチが周設され、前記支持枠とセンサは、それぞれエスカレータのフレームに固定され、前記トップホイール機構は、支持枠に取り付けられ、伸縮可能なトップロッドが設けられ、前記トップロッドの自由端は、伸長した後、ブレーキホイールの回転を制限するように一方のノッチに当接可能であり、前記センサは、回転軸の回転状況をリアルタイムに監視可能であり、前記トップホイール機構とセンサは、それぞれコントローラにより制御されるエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置を提出する。
【0007】
好ましくは、前記トップホイール機構は、ベーススリーブと、トップロッドと、バネと、永久磁石と、電磁石とを含み、前記トップロッドは、一端が、ベーススリーブのスリーブ通路に挿入され、他端が、ブレーキホイールのホイール面に向かって設けられ、前記バネは、両端がそれぞれベーススリーブとトップロッドに固定され、前記永久磁石と電磁石は、それぞれトップロッドとベーススリーブに取り付けられる。
【0008】
好ましくは、前記バネは、トップロッドをベーススリーブから張り出すように押す弾性力を有する。
【0009】
好ましくは、前記スリーブ通路の内壁には、若干のスライド溝が設けられ、前記トップロッドの外壁には、各スライド溝に摺動可能に接続されるスライダがそれぞれ設けられる。
【0010】
好ましくは、各前記ノッチは、いずれも片側が交わる傾斜面と垂直面とからなり、各前記傾斜面の傾斜方向が一致し、前記トップホイール機構は、支持枠に斜めに設けられ、トップロッドの自由端が一方のノッチの傾斜面と垂直面との間にある段差に向かうようにする。
【0011】
好ましくは、前記支持枠は、フェルールと仕切り板とを含み、前記フェルールとブレーキホイールとは、順次にコア軸に同軸に外嵌され、前記フェルールの対向する両側に、それぞれ仕切り板が設けられ、2つの前記仕切り板に、それぞれ雌ネジ孔が設けられ、前記ベーススリーブの外壁に、それぞれ2つの雌ネジ孔に対応する挿入口が設けられ、前記支持枠とトップホイール機構との間は、それぞれ雌ネジ孔を螺着して挿入口に挿入される2本の位置決めボルト(7)により固定されている。
【0012】
好ましくは、前記コア軸の回転軸に近い一端に、それぞれ第一のフランジ板と第二のフランジ板が設けられ、前記第一のフランジ板と第二のフランジ板の間は、若干の周設された板体ボルトにより固定され、前記センサのセンサヘッドは、一方の板体ボルトに直面する。
【0013】
好ましくは、アシストモータと伝動アセンブリとを含む反転機構をさらに備え、前記アシストモータは、伝動アセンブリにより元の回転方向と反対方向に自転するようにコア軸を駆動することができ、前記反転機構は、コントローラにより制御される。
【0014】
好ましくは、前記伝動アセンブリは、駆動ギアと、従動ギアと、歯付きベルトとを含み、前記駆動ギアと従動ギアは、それぞれアシストモータの出力軸とコア軸に同軸に外嵌され、前記歯付きベルトは、駆動ギアと従動ギアに同時に外嵌される。
【0015】
好ましくは、前記反転機構は、伸縮ロッドの自由端が歯付きベルトに固定されたジャッキアップシリンダをさらに含む。
【0016】
(本発明の有益な効果)
1)エスカレータの回転軸にブレーキホイール付けのコア軸が同軸に取り付けられ、またブレーキホイールの外周に伸縮可能なトップロッド付けのトップホイール機構が増設されることにより、エスカレータに非操作逆転又は速度超過現象が発生した場合、トップロッドを張り出してブレーキホイールのホイール面にある一方のノッチに当接することにより、コア軸の回転を強制的に停止させ、この停止動作をコア軸と同軸に接続された回転軸に伝達可能であり、エスカレータの使用安全性を効果的に高め、エスカレータに階段が所定の運行方向を変更したり、運行速度が所定の値を超えたりした場合に重大な安全事故が発生することを防止することができる、
【0017】
2)ベーススリーブと、トップロッドと、バネと、永久磁石と、電磁石とを合わせてトップホイール機構を構成するとともに、バネがトップロッドをベーススリーブから張り出すように押す弾性力を有することにより、永久磁石と電磁石との間の磁気吸引作用又は磁気反発作用によりトップロッドの収納及び張り出しを制御することができるだけでなく、永久磁石が電源喪失時にバネの付勢力によってトップロッドが依然としてブレーキホイールを突っ張りつつ、ブレーキ効果を実現することができ、これにより、電力供給が中断された場合でも、装置のブレーキ機能が依然として自動的に活性化されて安全保護の作用を果たすことが確保される。
【0018】
3)コア軸と回転軸との間に第一のフランジ板と第二のフランジ板が増設されるとともに、第一のフランジ板と第二のフランジ板に若干の板体ボルトが周設されることにより、一方の板体ボルトに直面するセンサによりパルス周期をリアルタイムに監視することができ、コントローラは、パルス時間間隔を算出することにより、エスカレータが正常に運転しているか否かを判断するために、エスカレータの運転時の速度と方向を測定することができる。
【0019】
4)コア軸にアシストモータと、伝動アセンブリとジャッキアップシリンダとからなる反転機構が取り付けられることにより、非正常状態においてアシストモータ及び伝動アセンブリにより元の回転方向と反対方向に自転するようにコア軸を駆動して減速させることにより、ブレーキホイールのトップホイール機構に対する衝突力を低減させ、トップホイール機構の長寿命化を図るとともに、日常状態においてジャッキアップシリンダにより伝動アセンブリの歯付きベルトを緩めることにより、コア軸とアシストモータとの連動を切断することができる。
【0020】
本発明の特徴及び利点は、実施例により図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置の正面図である。
【
図2】本発明に係るエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置のコア軸、支持枠、センサとエスカレータの回転軸の組み立て時の視野の立体構造模式図である。
【
図3】本発明に係るエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置のコア軸、支持枠、センサとエスカレータの回転軸の組み立て時の別視野の立体構造模式図である。
【
図4】本発明に係るエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置のブレーキホイールとトップホイール機構の取付け位置の図である。
【
図5】本発明に係るエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置のトップホイール機構の内部構成模式図である。
【符号の説明】
【0022】
図中、1 コア軸、2 ブレーキホイール、21 ノッチ、211 傾斜面、212 垂直面、3 支持枠、31 フェルール、32 仕切り板、4 フレーム、5 トップホイール機構、51 ベーススリーブ、511 スライド溝、512 挿入口、52 トップロッド、521 スライダ、53 バネ、54 永久磁石、55 電磁石、6 センサ、7 位置決めボルト、8 反転機構、81 アシストモータ、82 駆動ギア、83 従動ギア、84 歯付きベルト、9 回転軸
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~
図5を参照すると、本発明に係るエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置は、コア軸1と、ブレーキホイール2と、支持枠3と、トップホイール機構5と、センサ6と、コントローラとを含み、前記コア軸1は、一端が、支持枠3を回転可能に貫通した後、エスカレータの回転軸9の一端に同軸に接続され、前記ブレーキホイール2は、コア軸1に同軸に外嵌され、ホイール面に若干のノッチ21が周設され、前記支持枠3とセンサ6は、それぞれエスカレータのフレーム4に固定され、前記トップホイール機構5は、支持枠3に取り付けられ、伸縮可能なトップロッド52が設けられ、前記トップロッド52の自由端は、伸長した後、ブレーキホイール2の回転を制限するように一方のノッチ21に当接可能であり、前記センサ6は、回転軸9の回転状況をリアルタイムに監視可能であり、前記トップホイール機構5とセンサ6は、それぞれコントローラにより制御される。
【0024】
前記トップホイール機構5は、ベーススリーブ51と、トップロッド52と、バネ53と、永久磁石54と、電磁石55とを含み、前記トップロッド52は、一端が、ベーススリーブ51のスリーブ通路に挿入され、他端が、ブレーキホイール2のホイール面に向かって設けられ、前記バネ53は、両端がそれぞれベーススリーブ51とトップロッド52に固定され、前記永久磁石54と電磁石55は、それぞれトップロッド52とベーススリーブ51に取り付けられる。
【0025】
前記バネ53は、トップロッド52をベーススリーブ51から張り出すように押す弾性力を有する。
【0026】
前記スリーブ通路の内壁には、若干のスライド溝511が設けられ、前記トップロッド52の外壁には、各スライド溝511に摺動可能に接続されるスライダ521がそれぞれ設けられる。
【0027】
各前記ノッチ21は、いずれも片側が交わる傾斜面211と垂直面212とからなり、各前記傾斜面211の傾斜方向が一致し、前記トップホイール機構5は、支持枠3に斜めに設けられ、トップロッド52の自由端が一方のノッチ21の傾斜面211と垂直面212との間にある段差に向かうようにする。
【0028】
前記支持枠3は、フェルール31と仕切り板32とを含み、前記フェルール31とブレーキホイール2とは、順次にコア軸1に同軸に外嵌され、前記フェルール31の対向する両側に、それぞれ仕切り板32が設けられ、2つの前記仕切り板32に、それぞれ雌ネジ孔が設けられ、前記ベーススリーブ51の外壁に、それぞれ2つの雌ネジ孔に対応する挿入口512が設けられ、前記支持枠3とトップホイール機構5との間は、それぞれ雌ネジ孔を螺着して挿入口512に挿入される2本の位置決めボルト7により固定されている。
【0029】
前記コア軸1の回転軸9に近い一端に、それぞれ第一のフランジ板と第二のフランジ板が設けられ、前記第一のフランジ板と第二のフランジ板の間は、若干の周設された板体ボルトにより固定され、前記センサ6のセンサヘッドは、一方の板体ボルトに直面する。
【0030】
アシストモータ81と伝動アセンブリとを含む反転機構8をさらに備え、前記アシストモータ81は、伝動アセンブリにより元の回転方向と反対方向に自転するようにコア軸1を駆動することができ、前記反転機構8は、コントローラにより制御される。
【0031】
前記伝動アセンブリは、駆動ギア82と、従動ギア83と、歯付きベルト84とを含み、前記駆動ギア82と従動ギア83は、それぞれアシストモータ81の出力軸とコア軸1に同軸に外嵌され、前記歯付きベルト84は、駆動ギア82と従動ギア83に同時に外嵌される。
【0032】
前記反転機構8は、伸縮ロッドの自由端が歯付きベルト84に固定されたジャッキアップシリンダをさらに含む。
【0033】
本発明の作動過程
エスカレータの運転中、回転軸9は、エスカレータの主モータによって正方向に回転駆動され、同時にコア軸1を正方向に回転させることができ、センサ6は、回転軸9とコア軸1の回転状況をリアルタイムに監視することができる。具体的には、第一のフランジ板と第二のフランジ板に周設された板体ボルトのそれぞれは、センサ6を通過する際にパルスを発生してしまう。回転軸9は、エスカレータの起動後、正常時には正方向に定速運転されるべきであるため、板体ボルトのそれぞれによるパルス周期も一定である。回転軸9に逆転又は速度超過現象が発生すると、パルス周期が変化してしまうが、コントローラは、異常信号を受信した直後に、制御回路の電源を遮断し、又はトップホイール機構5によりエスカレータの運転を停止させることにより、エスカレータの非操作逆転及び速度超過を回避する。
【0034】
トップホイール機構5は、エスカレータが正常に運転している場合、電磁石55が通電して磁力により永久磁石54を吸引することにより、トップロッド52の自由端をブレーキホイール2から離間させ、エスカレータが異常に運転している場合、電磁石55への通電を絶ち、トップロッド52の自由端が一方のノッチ21にある段差に当接してブレーキホイール2、ブレーキホイール2に接続されたコア軸1と回転軸9の回転を停止させるまで、バネ53が付勢力によってスリーブ通路に沿ってトップロッド52を外へ押し出す。また、エスカレータが異常に運転している場合、電磁石55へ通電して磁力により永久磁石54を反発させることにより、トップロッド52によるブレーキホイール2の突っ張り力を高めることもできる。
【0035】
回転軸9の回転を停止させる必要がある場合には、反転機構による補助も可能である。具体的には、まず、歯付きベルト84が緊張状態(歯付きベルト84が駆動ギア82と従動ギア83との間に伝動作用を形成できる)になるまで、ジャッキアップシリンダに伸縮ロッドを伸長させ、アシストモータ81を起動してコア軸1が逆方向に回転するように駆動させる。通常の場合、コア軸1は、回転軸9により正方向に回転可能であるが、ジャッキアップシリンダーは、歯付きベルト84が緩めた状態になる(歯付きベルト84は、駆動ギア82と従動ギア83との間に伝動作用を形成できない)ように、伸縮ロッドを収縮させる。
【0036】
上記実施例は、本発明を説明するものであり、本発明を限定するものではなく、本発明を簡単に変更したものは、いずれも本発明の範疇にある。
【要約】 (修正有)
【課題】エスカレータの使用安全性を効果的に高めることができるエスカレータの非操作逆転と速度超過防止装置を提供する。
【解決手段】コア軸1は、一端が、支持枠3を回転可能に貫通した後、エスカレータの回転軸9の一端に同軸に接続され、ブレーキホイール2は、コア軸1に同軸に外嵌され、ホイール面に若干のノッチが周設される。支持枠3とセンサ6は、それぞれエスカレータのフレーム4に固定され、トップホイール機構5は、支持枠3に取り付けられ、伸縮可能なトップロッドが設けられ、トップロッドの自由端は、伸長した後、ブレーキホイール2の回転を制限するように一方のノッチに当接可能である。センサ6は、回転軸9の回転状況をリアルタイムに監視可能であり、トップホイール機構5とセンサ6は、それぞれコントローラにより制御される。
【選択図】
図1