(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】電子安全クランプ
(51)【国際特許分類】
B66B 5/18 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B66B5/18 A
(21)【出願番号】P 2024060470
(22)【出願日】2024-04-03
【審査請求日】2024-06-10
(31)【優先権主張番号】202410283914.7
(32)【優先日】2024-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520022540
【氏名又は名称】中国計量大学
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲其▼氷
(72)【発明者】
【氏名】殷 伝杰
(72)【発明者】
【氏名】肖 剛
(72)【発明者】
【氏名】陸 佳▲韋▼
(72)【発明者】
【氏名】▲しゃ▼ 昆
(72)【発明者】
【氏名】周 春明
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲深▼
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第214879349(CN,U)
【文献】中国実用新案第210260767(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第112320535(CN,A)
【文献】特開2009-067494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0241886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(1)と、クランプ機構(3)と、コントローラとを含み、前記基板(1)の前側にガイドレール(2)が貫通可能なレール本体通路が設けられ、前記レール本体通路の左右両側にそれぞれクランプ機構(3)が取り付けられ、前記クランプ機構(3)は、ハウジング(31)と、第1のモータ(32)と、可動輪(33)と、クランプブロック(34)と、伝動アセンブリ(35)と、第2のモータ(36)とを含み、前記可動輪(33)は、第2のモータ(36)によって自転するように駆動され、前記第1のモータ(32)は、伝動アセンブリ(35)によって可動輪(33)とクランプブロック(34)との位置を、一方をガイドレール(2)に水平に近づけ、他方をガイドレール(2)から水平に遠ざけるように同時に切り替え可能であり、前記コントローラは、それぞれ2組のクランプ機構(3)に電気的に接続されていることを特徴とする電子安全クランプ。
【請求項2】
前記基板(1)の前側にいくつかのリングが縦方向に設けられ、併せてレール体通路のレール体ガイドリング(11)を構成することができることを特徴とする請求項1に記載の電子安全クランプ。
【請求項3】
前記可動輪(33)の外に滑り止めスリーブが設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子安全クランプ。
【請求項4】
前記クランプブロック(34)のガイドレール(2)に向かう側に滑り防止パッドが取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の電子安全クランプ。
【請求項5】
前記伝動アセンブリ(35)は、内歯車(351)と、外歯車(352)と、中歯車(353)と、ガイドロッド(354)と、位置制限柱(355)と、位置制限ブロック(356)と、位置決め歯車(357)と、ラック(358)と、駆動歯車(359)とを含み、前記内歯車(351)は、機軸を介してハウジング(31)に間接的に固定され、前記外歯車(352)は、内歯車(351)の外に同軸に設けられ、機軸に回転可能に接続され、前記中歯車(353)は、内歯車(351)と外歯車(352)との間に位置する環状通路に設けられ、内歯車(351)に噛み合う一方、外歯車(352)に回転可能に接続され、前記位置制限柱(355)の一端は、それぞれハウジング(31)の上に固定されたいくつかの位置制限ブロック(356)を水平に貫通した後、可動輪(33)と第2のモータ(36)が取り付けられた支持フレームに固定され、前記ガイドロッド(354)は、位置制限柱(355)の上に垂直に接続され、ロッドスライド溝が設けられ、前記中歯車(353)の輪軸は、ロッドスライド溝に摺接され、前記位置決め歯車(357)と前記駆動歯車(359)は、それぞれハウジング(31)に回転可能に接続され、前記駆動歯車(359)は、それぞれ外歯車(352)と位置決め歯車(357)に噛み合い、第1のモータ(32)によって自転するように駆動され、前記ラック(358)は、斜めに設けられ、ハウジング(31)に摺接されている一方、位置決め歯車(357)に噛み合い、前記クランプブロック(34)は、ラック(358)の上に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子安全クランプ。
【請求項6】
前記位置制限柱(355)の自由端には、エンドスリーブが取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の電子安全クランプ。
【請求項7】
前記ラック(358)の上にスライダ(3581)が設けられ、前記ハウジング(31)の壁に貫通溝(311)が設けられ、前記スライダ(3581)は、貫通溝(311)に摺接されていることを特徴とする請求項5に記載の電子安全クランプ。
【請求項8】
赤外線センシングシステム、スマートカメラ、圧力センシングシステム及び音声認識システムのうちの1つ又は複数の組み合わせである監視機構と、通信機構と、をさらに含み、前記監視機構と通信機構は、それぞれコントローラに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子安全クランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの技術分野に関し、特に電子安全クランプの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの主な上下動構造は、かごと釣合おもり枠である。ここで、かごは、搭乗空間を提供し、釣合おもり枠は、ウエイト構造として、運行荷重を減少させてかごをスムーズに加速させることができる役割を果たすように、かごと常に上下に対向する必要がある。かごと釣合おもり枠は、通常、作業中にガイドレールを合わせて使用する必要がある。ガイドレールは、例えば、公開番号がCN220351420Uの実用新案に開示された組立式エレベータのガイドレールのように、エレベータの運行に適用されているガイド構造であり、一般的に、昇降路の垂直方向に固定されることで、かごと釣合おもり枠に上下方向の直線運動のガイドを提供する。
【0003】
安全クランプは、かごの過速度や暴走時にかごを非常停止させることができる安全装置であり、安全保障の重要な役割を果たしている。安全クランプは、例えば、公告番号がCN211283314Uの実用新案のエレベータ安全クランプ装置、公告番号がCN108584610Aの特許のエレベータ安全クランプ及び公告番号がCN213415929Uの実用新案の双方向漸進式エレベータ安全クランプのように、通常、かごのボトムブリッジ又は両側のピラーの上に取り付けられ、主にクランプベースと、クランプベースの上に移動可能に取り付けられたクランプブロックと、クランプブロックの移動を駆動できる駆動機構とからなる。このような安全クランプは、駆動機構が動作していないと、ガイドレールの左右両側に位置するクランプブロックがそれぞれガイドレールと2~3mmの隙間を保持し、駆動機構が動作している時に、左右二つのクランプブロックが迅速に互いに接近しつつ、ガイドレールを共に挟み込むことができる。しかしながら、このような迅速な挟み込み操作は、かごを昇降状態から停止状態に瞬時に移行させることしかできず、かごをある階の乗り場ドアにちょうど落下させて後の救助やメンテナンスを容易にすることができるようにかごの落下速度を遅くすることができない一方、瞬時のブレーキによっても、かご内の人員が衝突によって怪我をするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】CN211283314U
【文献】CN108584610A
【文献】CN213415929U
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における問題を解決するものであり、かごを相対的に遅い速度で所定の位置まで降下させた後、直ちに降下を停止させることができ、後の救助及びメンテナンスを容易にするだけでなく、かご内の人員が急降下や急停止によって衝突して怪我することを効果的に回避し、エレベータの搭乗のセキュリティーを向上させることができる電子安全クランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、基板と、クランプ機構と、コントローラとを含み、前記基板の前側にガイドレールが貫通可能なレール本体通路が設けられ、前記レール本体通路の左右両側にそれぞれクランプ機構が取り付けられ、前記クランプ機構は、ハウジングと、第1のモータと、可動輪と、クランプブロックと、伝動アセンブリと、第2のモータとを含み、前記可動輪は、第2のモータによって自転するように駆動され、前記第1のモータは、伝動アセンブリによって可動輪とクランプブロックとの位置を、一方をガイドレールに水平に近づけ、他方をガイドレールから水平に遠ざけるように同時に切り替え可能であり、前記コントローラは、それぞれ2組のクランプ機構に電気的に接続されている電子安全クランプを提出している。
【0007】
好ましくは、前記基板の前側にいくつかのリングが縦方向に設けられ、併せてレール体通路のレール体ガイドリングを構成することができる。
【0008】
好ましくは、前記可動輪の外に滑り止めスリーブが設けられる。
【0009】
好ましくは、前記クランプブロックのガイドレールに向かう側に滑り防止パッドが取り付けられる。
【0010】
好ましくは、前記伝動アセンブリは、内歯車と、外歯車と、中歯車と、ガイドロッドと、位置制限柱と、位置制限ブロックと、位置決め歯車と、ラックと、駆動歯車とを含み、前記内歯車は、機軸を介してハウジングに間接的に固定され、前記外歯車は、内歯車の外に同軸に設けられ、機軸に回転可能に接続され、前記中歯車は、内歯車と外歯車との間に位置する環状通路に設けられ、内歯車に噛み合う一方、外歯車に回転可能に接続され、前記位置制限柱の一端は、それぞれハウジングの上に固定されたいくつかの位置制限ブロックを水平に貫通した後、可動輪と第2のモータが取り付けられた支持フレームに固定され、前記ガイドロッドは、位置制限柱の上に垂直に接続され、ロッドスライド溝が設けられ、前記中歯車の輪軸は、ロッドスライド溝に摺接され、前記位置決め歯車と前記駆動歯車は、それぞれハウジングに回転可能に接続され、前記駆動歯車は、それぞれ外歯車と位置決め歯車に噛み合い、第1のモータによって自転するように駆動され、前記ラックは、斜めに設けられ、ハウジングに摺接されている一方、位置決め歯車に噛み合い、前記クランプブロックは、ラックの上に固定されている。
【0011】
好ましくは、前記位置制限柱の自由端には、エンドスリーブが取り外し可能に取り付けられている。
【0012】
好ましくは、前記ラックの上にスライダが設けられ、前記ハウジングの壁に貫通溝が設けられ、前記スライダは、貫通溝に摺接されている。
【0013】
好ましくは、赤外線センシングシステム、スマートカメラ、圧力センシングシステム及び音声認識システムのうちの1つ又は複数の組み合わせである監視機構と、通信機構と、をさらに含み、前記監視機構と通信機構は、それぞれコントローラに電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0014】
1)基板のレール体通路の左右両側にそれぞれハウジング、第1のモータ、可動輪、クランプブロック、伝動アセンブリ及び第2のモータからなるクランプ機構が取り付けられることにより、まず、かごに上向きの推力を提供してかごの減速を達成するように、第2のモータによってガイドレールに貼り付けられた可動輪が逆方向に自転するように駆動可能であり、さらに、クランプブロックがガイドレールを挟み込んでかごの制動を達成するように、第1のモータによって可動輪とクランプブロックとの位置を同時に切り替えることができ、最終、かごを相対的に遅い速度で所定の位置まで降下させた後、直ちに降下を停止させることができ、後の救助及びメンテナンスを容易にするだけでなく、かご内の人員が急降下や急停止によって衝突して怪我することを効果的に回避し、エレベータの搭乗のセキュリティーを向上させることができる。
【0015】
2)内歯車、外歯車、中歯車、ガイドロッド、位置制限柱、位置制限ブロック、位置決め歯車、ラック及び駆動歯車を併用して伝動アセンブリを構成することにより、全体構造が簡単となり、第1のモータの回転作用を可動輪の横方向移動作用及びクランプブロックの斜め方向移動作用に変更することができ、可動輪とクランプブロックの位置切り替えを達成するとともに、クランプブロックが十分なクランプ力を提供するように保つことができる。
【0016】
3)赤外線センシングシステム、スマートカメラ、圧力センシングシステム及び音声認識システムのうちの1つ又は複数の組み合わせからなる監視機構が増設されることにより、安全クランプは、エレベータの運行環境をより全面的に感知し、誤判断や応答速度の不足を回避し、セキュリティー及び運行の的確性を向上させることができる。
【0017】
本発明の特徴及び利点は、実施例により図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る電子安全クランプの正面図である。
【
図2】本発明に係る電子安全クランプの基板に上部ガイドレールが組み立てられた時の立体構造概略図である。
【
図3】本発明に係る電子安全クランプのクランプ機構がハウジングを除去して可動輪から張り出す時の構造模式図である。
【
図4】本発明に係る電子安全クランプのクランプ機構がハウジングを除去してクランプブロックから張り出す時の構造模式図である。
【
図5】本発明に係る電子安全クランプのガイドロッド、位置制限柱及び位置制限ブロックの組立模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る電子安全クランプは、
図1~
図5を参照すると、基板1と、クランプ機構3と、コントローラとを含み、前記基板1の前側にガイドレール2が貫通可能なレール本体通路が設けられ、前記レール本体通路の左右両側にそれぞれクランプ機構3が取り付けられ、前記クランプ機構3は、ハウジング31と、第1のモータ32と、可動輪33と、クランプブロック34と、伝動アセンブリ35と、第2のモータ36とを含み、前記可動輪33は、第2のモータ36によって自転するように駆動され、前記第1のモータ32は、伝動アセンブリ35によって可動輪33とクランプブロック34との位置を、一方をガイドレール2に水平に近づけ、他方をガイドレール2から水平に遠ざけるように同時に切り替え可能であり、前記コントローラは、それぞれ2組のクランプ機構3に電気的に接続されている。ここで、基板1は、かごの外に取り付けられている。
【0020】
前記基板1の前側にいくつかのリングが縦方向に設けられ、併せてレール体通路のレール体ガイドリング11を構成することができる。
【0021】
前記可動輪33の外に滑り止めスリーブが設けられる。
【0022】
前記クランプブロック34のガイドレール2に向かう側に滑り防止パッドが取り付けられる。
【0023】
前記伝動アセンブリ35は、内歯車351と、外歯車352と、中歯車353と、ガイドロッド354と、位置制限柱355と、位置制限ブロック356と、位置決め歯車357と、ラック358と、駆動歯車359とを含み、前記内歯車351は、機軸を介してハウジング31に間接的に固定され、前記外歯車352は、内歯車351の外に同軸に設けられ、機軸に回転可能に接続され、前記中歯車353は、内歯車351と外歯車352との間に位置する環状通路に設けられ、内歯車351に噛み合う一方、外歯車352に回転可能に接続され、前記位置制限柱355の一端は、それぞれハウジング31の上に固定されたいくつかの位置制限ブロック356を水平に貫通した後、可動輪33と第2のモータ36が取り付けられた支持フレームに固定され、前記ガイドロッド354は、位置制限柱355の上に垂直に接続され、ロッドスライド溝が設けられ、前記中歯車353の輪軸は、ロッドスライド溝に摺接され、前記位置決め歯車357と前記駆動歯車359は、それぞれハウジング31に回転可能に接続され、前記駆動歯車359は、それぞれ外歯車352と位置決め歯車357に噛み合い、第1のモータ32によって自転するように駆動され、前記ラック358は、斜めに設けられ、ハウジング31に摺接されている一方、位置決め歯車357に噛み合い、前記クランプブロック34は、ラック358の上に固定されている。
【0024】
前記位置制限柱355の自由端には、エンドスリーブが取り外し可能に取り付けられている。
【0025】
前記ラック358の上にスライダ3581が設けられ、前記ハウジング31の壁に貫通溝311が設けられ、前記スライダ3581は、貫通溝311に摺接されている。
【0026】
赤外線センシングシステム、スマートカメラ、圧力センシングシステム及び音声認識システムのうちの1つ又は複数の組み合わせである監視機構と、通信機構と、をさらに含み、前記監視機構と通信機構は、それぞれコントローラに電気的に接続されている。ここで、赤外線センシングシステムは、かごのかごドアとドア枠との間に取り付けられることにより、人や物体がかごの閉鎖領域に入る(人や物体がかごドアを通過する時に赤外線を遮断する)と、電子安全クランプが自動的にトリガされ、戸挟み事故の発生を防止することができ、スマートカメラは、画像認識技術によりかごのドア口の状況を監視することにより、異常行動(例えば、指や他の物体がドアスリットに近すぎること)を視認すると、電子安全クランプを迅速に応答させ、かごドアの安全な閉鎖を確保することができ、圧力センシングシステムは、かごドアのエッジ又はドア枠の内部に取り付けられて、異常の抵抗を検出すると、電子安全クランプが直ちにトリガされ、戸挟み事故の発生確率を低下させることができ、音声認識システムは、音声認識技術によりかごドアの付近に異常の音声(例えば、救助音や異常のノイズ)があるか否かを監視することにより、乗客の安全を保護するするように電子安全クランプを直ちにオンとすることができ、通信機構は、保守者に、遠隔で異常状況の早い対策を通知可能である。
【0027】
本発明の作動過程
日常の作業中、可動輪33は、ガイドレール2に接近しているが、クランプブロック34は、ガイドレール2から離れている。可動輪33は、かごの昇降に伴ってガイドレール2に沿って回転可能であるため、安全クランプは、かごの移動に影響を与えることはない。
【0028】
かごに異常な降下現象が発生すると、第2のモータ36は、可動輪33が逆方向に自転するように駆動させ、ガイドレール2との間にはかごを押し上げ可能な摩擦力が発生し、かごの降下速度を遅くする。相対的に緩やかに降下するかごが所定の位置まで降下すると(即ち、かごがある階の乗場ドアにちょうど正対すると)、第1のモータ32は、伝動アセンブリ35によって可動輪33とクランプブロック34の位置を切り替えることにより、可動輪33をガイドレール2から離間させ、クランプブロック34をガイドレール2に近づけるようにする。この場合、かごは、ガイドレール2を挟む一対のクランプブロック34によってブレーキをかけることができる。
【0029】
切替過程において、第1のモータ32がオンとなり、駆動歯車359が自転するように駆動するが、駆動歯車359は、外歯車352と位置決め歯車357が同時に自転するように駆動することできる。ここで、位置決め歯車357と噛み合うラック358は、貫通溝311に沿って斜め方向にスライド移動するスライダ3581によってクランプブロック34を鉛直上方に移動させる一方、ガイドレール2に徐々に近づくように駆動する。また、中歯車353は、外歯車352に連動して内歯車351の周りを公転しながら、輪軸によりガイドロッド354のロッドスライド溝に沿って縦方向にスライド移動し、ガイドロッド354は、位置制限柱355と、位置制限柱355の上に取り付けられた可動輪33と、第2のモータ36と共に、各位置制限ブロック356に沿ってガイドレール2から徐々に水平に離れるように同期して駆動されている。
【0030】
上記実施例は、本発明を説明するものであり、本発明を限定するものではなく、本発明を簡単に変更したものは、いずれも本発明の範囲にある。
【符号の説明】
【0031】
1 基板、11 レール体ガイドリング、2 ガイドレール、3 クランプ機構、31 ハウジング、311 貫通溝、32 第1のモータ、33 可動輪、34 クランプブロック、35 伝動アセンブリ、351 内歯車、352 外歯車、353 中歯車、354 ガイドロッド、355 位置制限柱、356 位置制限ブロック、357 位置決め歯車、358 ラック、3581 スライダ、359 駆動歯車、36 第2のモータ
【要約】 (修正有)
【課題】エレベータの搭乗のセキュリティーを向上させることができる電子安全クランプを提供する。
【解決手段】電子安全クランプは、基板1とクランプ機構3とコントローラとを含み、基板1の前側にガイドレール2が貫通可能なレール本体通路が設けられ、レール本体通路の左右両側にそれぞれクランプ機構3が取り付けられ、クランプ機構は、ハウジングと第1のモータと可動輪とクランプブロックと伝動アセンブリと第2のモータとを含む。可動輪は、第2のモータによって自転するように駆動され、第1のモータは、伝動アセンブリによって可動輪とクランプブロックとの位置を、一方をガイドレールに水平に近づけ、他方をガイドレールから水平に遠ざけるように同時に切り替え可能である。コントローラは、それぞれ2組のクランプ機構3に電気的に接続され、かごを相対的に遅い速度で所定の位置まで降下させた後、直ちに降下を停止させることができる。
【選択図】
図1