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特許7555093ゲーム画面の表示制御システム、ゲーム画面の表示制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ゲーム画面の表示制御システム、ゲーム画面の表示制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20240913BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20240913BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/52
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020068899
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021164566
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】門口 光
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 央旨
(72)【発明者】
【氏名】武藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】新保 満美
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-228854(JP,A)
【文献】特開2007-301371(JP,A)
【文献】特開2003-135762(JP,A)
【文献】特開平10-162133(JP,A)
【文献】特表2018-532173(JP,A)
【文献】国際公開第2010/041457(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,
9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含み、前記第1のゲーム装置の表示装置と前記第2のゲーム装置の表示装置とはアスペクト比が共通とされた、ゲーム画面の表示制御システムであって、
前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段を備え
前記第1のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度は、前記第2のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度よりも低く設定されている表示制御システム。
【請求項2】
ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含み、前記第1のゲーム装置の表示装置と前記第2のゲーム装置の表示装置とはアスペクト比が共通とされた、ゲーム画面の表示制御システムであって、
前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段を備え、
前記第1の表示制御手段及び前記第2の表示制御手段のそれぞれは、前記基本領域に対応する画像として、ゲームをプレイさせるために必須の情報を示す画像を表示させ、前記第2の表示制御手段は、前記拡張領域に対応する画像として、前記ゲームに関連した情報を示す画像を表示させる表示制御システム。
【請求項3】
前記ゲーム画面を表示させるための制御手段を備えたゲーム装置が、前記第1のゲーム装置又は前記第2のゲーム装置のいずれであるかを判別する判別手段を備え、
前記ゲーム装置の前記制御手段は、前記第1のゲーム装置と判別された場合には前記第1の表示制御手段及び前記特定情報表示制御手段として機能し、前記第2のゲーム装置と判別された場合には前記第2の表示制御手段として機能する請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記特定情報表示制御手段は、前記特定情報の表示又は非表示を切り替えできるように設けられている請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記特定情報は、ゲームのユーザの指示に基づいて選択されるべき複数の選択要素を含んでいる請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記第1の表示制御手段による前記特定情報の表示態様が、前記第2の表示制御手段による前記特定情報の表示態様に対して差別化されている請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項7】
ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含み、前記第1のゲーム装置の表示装置と前記第2のゲーム装置の表示装置とはアスペクト比が共通とされ、かつ前記第1のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度は、前記第2のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度よりも低く設定された、ゲーム画面の表示制御システムに適用される表示制御方法であって、
前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させるゲーム画面の表示制御方法。
【請求項8】
ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含み、前記第1のゲーム装置の表示装置と前記第2のゲーム装置の表示装置とはアスペクト比が共通とされた、ゲーム画面の表示制御システムに適用される表示制御方法であって、
前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させ、
前記第1の表示制御手段及び前記第2の表示制御手段のそれぞれには、前記基本領域に対応する画像として、ゲームをプレイさせるために必須の情報を示す画像を表示させ、前記第2の表示制御手段には、前記拡張領域に対応する画像として、前記ゲームに関連した情報を示す画像を表示させるゲーム画面の表示制御方法。
【請求項9】
ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含み、前記第1のゲーム装置の表示装置と前記第2のゲーム装置の表示装置とはアスペクト比が共通とされ、かつ前記第1のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度は、前記第2のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度よりも低く設定された、ゲーム画面の表示制御システムに適用されるコンピュータプログラムであって、
前記表示制御システムのコンピュータを、
前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含み、前記第1のゲーム装置の表示装置と前記第2のゲーム装置の表示装置とはアスペクト比が共通とされた、ゲーム画面の表示制御システムに適用されるコンピュータプログラムであって、
前記表示制御システムのコンピュータを、
前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段として機能させ、
前記第1の表示制御手段及び前記第2の表示制御手段のそれぞれには、前記基本領域に対応する画像として、ゲームをプレイさせるために必須の情報を示す画像を表示させ、前記第2の表示制御手段には、前記拡張領域に対応する画像として、前記ゲームに関連した情報を示す画像を表示させるように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置の表示環境に応じたゲーム画面を表示するための表示制御システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置に設けられた表示装置の画面解像度を判別し、判別された画面解像度に対応するオブジェクトの画像データを選択し、選択された画像データに基づいてオブジェクトを表示させる情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。画面解像度が高いゲーム装置のゲームプログラムを、画面解像度が低い別のゲーム装置にて実行させるためのエミュレータプログラムとして、オリジナルの画像の一部を間引いて低解像度に適した画像を生成するエミュレータプログラムも提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4550374号公報
【文献】特許第3599728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画面解像度等の表示環境に応じてゲーム画面の表示内容を差別化する手法として、例えばゲーム画面の基本領域を表示環境の異同に関わりなく各種のゲーム装置に表示させ、その基本領域よりも広い範囲を表示させることが可能なゲーム装置には、ゲーム画面の基本領域に加えて、基本領域外の拡張領域も表示させることにより、ユーザにより多くの情報を提示する手法が試みられている。しかしながら、ゲーム装置間で表示内容を差別化すると、拡張領域の表示の有無で情報量に差が生じ、ユーザ間に看過できない情報格差が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、情報格差を縮小又は解消しつつ、ゲーム装置の表示環境に応じてゲーム画面を適切に表示することが可能なゲーム画面の表示制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示制御システムは、ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含んだゲーム画面の表示制御システムであって、前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段を備えたものである。
【0007】
本発明の一態様に係る表示制御方法は、ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含んだゲーム画面の表示制御システムに適用される表示制御方法であって、前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させるものである。
【0008】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、ゲーム画面の基本領域に対応する画像を第1のゲーム装置の表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域とに対応する画像を第2のゲーム装置の表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、を含んだゲーム画面の表示制御システムに適用されるコンピュータプログラムであって、前記表示制御システムのコンピュータを、前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段として機能させるように構成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一形態に係る表示制御システムが適用されたゲームシステムの全体構成の一例を示す図。
図2】ゲーム画面の基本領域及び拡張領域と、ゲーム装置の表示面における表示範囲との対応関係を示す図。
図3】基本領域に対応する画像の一例を示す図。
図4】基本領域に対応する画像上に特定情報を表示する例を示す図。
図5】ゲーム装置の制御系の構成の一例を示す図。
図6】タイプ判別処理の手順の一例を示すフローチャート。
図7】通常タイプのゲーム装置における特定情報表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
図8】ハイグレードタイプのゲーム装置における特定情報表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の一形態に係る表示制御システムをゲームシステムに適用した一例を説明する。まず、図1を参照してゲームシステムの全体構成を説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲームサーバ2と、そのゲームサーバ2に対してネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されてゲームサーバ2のクライアントとして機能するゲーム装置3及びユーザ端末装置4とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
【0011】
ゲームサーバ2は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてゲームサーバ2が構成されてもよい。ゲームサーバ2は、ゲーム装置3にてプレイされるゲームに関連した各種のサービスをゲーム装置3及びユーザ端末装置4のそれぞれに提供する。例えば、ユーザによるゲームのプレイを記録したプレイデータをユーザ識別情報と対応付けて保存し、ユーザの求めに応じてプレイデータをゲーム装置3に提供し、あるいはゲーム装置3及びユーザ端末装置4のそれぞれのユーザが参加してユーザ間で対話するチャット機能を提供するといった各種のサービスがゲームサーバ2によって提供されてよい。
【0012】
ユーザ端末装置4は、ユーザの日常的な使用に供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置である。一例として、通信通話機能を備えたスマートフォン4a、タブレット端末4b、あるいはPC(パーソナルコンピュータの略)4cがユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、例えばゲーム装置3のユーザとチャットし、あるいはゲーム装置3のユーザと共通のゲームをプレイするために利用されてよい。
【0013】
ゲーム装置3は、一例として、プレイ料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機として構成されている。この種のゲーム装置3はアーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム装置3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。ゲーム装置3では、対戦ゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲームといった各種のジャンルのゲームがプレイ可能とされてよい。
【0014】
ゲーム装置3には、第1のゲーム装置の一例としての通常タイプのゲーム装置3Nと、第2のゲーム装置の一例としてのハイグレードタイプのゲーム装置3Hとが存在する。以下、それらのゲーム装置3N、3H、及びその構成要素を区別する場合には参照符号に添え字N、Hを付し、区別の必要がない場合にはゲーム装置3といったように添え字を省略して表記する。図1では、ゲーム装置3N、3Hを一台ずつ描いているが、各タイプのゲーム装置3N、3Hの台数は適宜でよい。
【0015】
通常タイプのゲーム装置3Nとハイグレードタイプのゲーム装置3Hとは、ゲーム画面の表示に関するハードウエア構成が相違する。例えば、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hに設けられた表示装置5Hの画面解像度は、通常タイプのゲーム装置3Nに設けられた表示装置5Nの画面解像度よりも大きく設定されている。それにより、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hは、通常タイプのゲーム装置3Nと比較してより広い範囲のゲーム画面を表示することが可能である。画面解像度は、表示装置5N、5Hのそれぞれにおける表示面5a、5bの総画素数を意味する。表示面5a、5bの表示範囲は、総画素数及びアスペクト比によって定まるが、本形態では、一例として、アスペクト比が共通でかつ総画素数が相違するように両ゲーム装置3N、3Hの表示装置5N、5Hが差別化されている。さらに、表示面5a、5bの大小は、画素密度(又は画素ピッチ)及び表示面5a、5bの縦横寸法も関係するが、本形態では、一例として、両ゲーム装置3N、3H間で画素密度が同一又は近似し、ハイグレードのゲーム装置3Hにおける表示装置5Hの表示面5bは通常タイプ3Nの表示装置5Nの表示面5aよりも大きく設定されている。
【0016】
次に、図2図4を参照して、ゲーム装置3N、3Hのそれぞれの表示面5a、5bにおけるゲーム画面の表示制御の一例を説明する。図2は、ユーザにクイズを出題し、その回答をユーザに入力させるようにゲームが構成されている場合のゲーム画面100の一例である。ゲーム画面100は、基本領域110と、その基本領域110から左右及び上方に広がるように設けられる拡張領域120とを含んでいる。
【0017】
基本領域110は、ゲームをプレイさせるために必須の情報を示す領域である。例えば、基本領域110には、クイズの問題及びその回答を示す出題部111、回答等を入力するためのソフトウエアキーボード等を含んだ入力部112、ユーザの得点等を示すステータス表示部113、及びゲームを一緒にプレイするメンバーとしてのユーザを示すメンバー表示部114が含まれている。出題部111の表示にはまず問題が表示され、その回答制限時間が経過すると回答が表示される。
【0018】
基本領域110に対応する画像は、ゲーム装置3N、3Hの表示面5a、5bに共通して表示される。ただし、情報が等しく表示される限りにおいて、ゲーム装置3Nにおける基本領域110に対応した画像と、ゲーム装置3Hにおける基本領域110に対応した画像とはその構成が適宜に異なってもよい。ゲームをプレイするために必須な情報であるか否かに関しては、ゲームの内容等に応じて適宜に区分されてよく、基本領域110の情報のみでゲームのプレイを進めることが可能であればよい。
【0019】
一方、拡張領域120は、ゲームに関連した情報を示す領域として設けられている。拡張領域120に示される情報は、ゲームをプレイするために必須ではないが、ゲームのプレイに何らかの影響を及ぼす情報を含んでもよい。一例として、図2に示した拡張領域120には、ゲームの回答を示す回答部121、ゲームに関連した動画等が表示されるムービー表示部122、ユーザ間で交わされるチャットを表示するチャット部123、ゲームに関連して実施されるイベントの予定を示すイベントカレンダー部124、ゲームのBGMを選択し、あるいはゲームを一緒にプレイする他のユーザの情報等を表示する関連情報部125が含まれている。回答部121には、基本領域110の出題部111における回答の表示と同期して回答が表示される。図2では、出題部111における出題と、回答部121における回答とが示されているが、出題部111に問題が表示されている間、回答部121に回答が表示されることはない。チャット部123は、チャットが可能な複数のユーザのそれぞれに対応した複数のユーザアイコン123aが表示される。ユーザアイコン123aは、ゲームのユーザの指示に基づいて選択されるべき選択要素の一例である。ユーザがチャット相手のユーザアイコン123aを選択することにより、チャット相手のユーザが選択され、そのユーザを相手にコメントを送り、あるいは相手のユーザからのコメントを受け取って対話を進めることができる。図2に示した拡張領域120の構成は一例であって、拡張領域120に表示される情報は適宜に取捨選択されてよい。拡張領域120に表示する対象となる情報が、ユーザの指示に基づいて選択可能とされてもよい。また、拡張領域120に表示される情報の表示位置、言い換えれば回答部121、ムービー表示部122等のレイアウトがユーザの指示に基づいて変更可能であってもよい。その他にも、拡張領域120に表示されるチャット部123等の情報の表示態様、例えばユーザアイコン123aの配置、表示数、並び方、さらには情報量といった事項は、ユーザの指示に基づいて適宜に変更可能とされてよい。情報の表示態様の変更は、通常タイプのゲーム装置3N、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hのそれぞれで可能であってよい。
【0020】
拡張領域120に対応する画像は、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hの表示面5bにのみ表示され、通常タイプのゲーム装置3Nの表示面5aには表示されない。つまり、通常タイプのゲーム装置3Nの表示面5aには基本領域110に対応する画像のみが表示される。それにより、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hにてゲームをプレイするユーザは、通常タイプのゲーム装置3Nにてゲームをプレイする場合と比較して、より多くの情報をゲーム画面100から取得することが可能である。したがって、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hは通常タイプのゲーム装置3Nに対してより多くの価値をユーザに提供することができる。一方、ゲームをプレイするために必須の情報は基本領域110に表示され、その基本領域110に対応する画像はタイプを問わず全てのゲーム装置3に表示される。したがって、通常タイプのゲーム装置3Nでも、ユーザは何ら支障なくゲームをプレイすることができる。
【0021】
しかしながら、基本領域110に表示される情報には、ゲームのプレイに必須ではないものの、ゲームのプレイに何らかの影響を与える情報が含まれることもある。例えば、述したチャット機能は、ゲームをプレイする興趣を高めるといった面でゲームのプレイに相応の影響を与え得る。この種の機能が通常タイプのゲーム装置3Nで一切提供されないとすれば、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hと通常タイプのゲーム装置3Nとの間に看過できない情報格差が生じ、通常タイプのゲーム装置3Nの価値が過度に損なわれるおそれがある。
【0022】
そこで、拡張領域120の画像によって示される情報の少なくとも一部を特定情報として設定し、その特定情報を、通常タイプのゲーム装置3Nにおける基本領域110に対応した画像上に表示させることにより、両タイプのゲーム装置3N、3Hの情報格差を縮小し、あるいは解消する仕組みがゲームシステム1に実装されている。例えば、上述したチャット機能を提供するためのチャット部123の情報が特定情報として設定され、そのチャット部123に相当する画像が通常タイプのゲーム装置3Nでも表示される。図3及び図4はその一例を示す。図3に示すように、通常タイプのゲーム装置3Nの基本領域110にはポップアップボタン115が表示される。ポップアップボタン115の表示位置は、基本領域110の画像内で、出題部111、入力部112等の表示になるべく影響を与えない位置であれば適宜でよい。
【0023】
ユーザがポップアップボタン115を押下げ操作すると、図4に示すように基本領域110の画像に重なるようにしてチャット部116が表示される。チャット部116は、拡張領域120のチャット部123と同様に、チャットが可能な複数のユーザのそれぞれに対応した複数のユーザアイコン116aが表示される。ユーザがチャット相手のユーザアイコン116aを選択することにより、その選択したユーザとチャットすることが可能である。チャット部116の表示態様、例えば内部構成、大きさ、あるいはデザインといった事項は、チャット部123と同様であってもよいし、基本領域110の都合に応じ、チャット部123に対して差別化されてもよい。チャット部116はユーザの適宜の操作により、非表示状態へと切り替えることが可能である。
【0024】
チャット部116の表示位置は、基本領域110の画像上であれば適宜の位置に設定されてよい。例えば、基本領域110の画像内の背景部分、あるいは空きスペースといったように、基本領域110の情報をなるべく隠さない位置に表示位置が設定されてもよい。チャット部116の表示位置は、ユーザの指示に基づいて変更可能であってもよい。基本領域110における情報の表示状態を識別し、基本領域110の情報に対してなるべく重ならない位置にチャット部116が表示されるように、その表示位置を動的に変化させてもよい。チャット部116を表示させるための処理は、例えば基本領域110の画像に対してチャット部116の画像を重畳させるようにして実行されてもよいし、基本領域110の画像の一部を切り抜いてその位置にチャット部116の画像をはめ込み合成するようにして実行されてもよい。なお、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hにおいても、ポップアップボタン115と同様の操作部が表示され、その操作部の操作に応じてチャット部123等の表示又は非表示が切り替え可能とされてもよい。この場合の操作部は、表示面5bに表示される基本領域110又は拡張領域120のいずれに表示されてもよい。操作部の操作に応じてチャット部123等の情報を表示する場合、その情報の表示位置は拡張領域120である。
【0025】
以上のように通常タイプのゲーム装置3Nにおける表示を制御すれば、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hの拡張領域120に表示される情報の少なくとも一部を通常タイプのゲーム装置3にも表示させ、それによりゲーム装置3N、3Hの間における情報格差の縮小、あるいは解消を図ることができる。なお、図3及び図4では、拡張領域120における特定情報の一例としてチャット部123の情報を例示したが、特定情報は拡張領域120にその表示位置が設定されている各種の情報が対象とされてよい。ユーザの指示に基づいて特定情報が選択されてもよい。特定情報は、ユーザアイコン123aのような選択要素を含む例に限らず、ユーザに対する提示のみを目的として表示される情報であってもよい。例えば、拡張領域120の関連情報部125に表示されるユーザの情報の少なくとも一部が、特定情報として基本領域110の画像上に表示されてもよい。
【0026】
次に、図5図8を参照して、上述したゲーム画面の表示制御を実現するためのゲーム装置3の制御系及びその処理の一例を説明する。なお、図5に示す制御系の構成は、通常タイプのゲーム装置3N、及びハイグレードタイプのゲーム装置3Hの両者で共通し、その処理がタイプに応じて異なる。よって、以下ではゲーム装置3の制御系としてその構成を説明する。図5に示すように、ゲーム装置3は、制御ユニット10及び記憶ユニット11を備えている。制御ユニット10は、CPU及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータとして構成されている。記憶ユニット11は制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する不揮発性の記憶装置である。
【0027】
制御ユニット10には、入力装置としての操作装置21、及び出力装置としての表示装置5及びスピーカ装置22が接続されている。操作装置21は、一例として表示装置5の表示面5a、5b上に配置されるタッチパネル入力装置を含む。タッチパネル装置に加えて押釦スイッチ等の物理的な入力装置が操作装置21として設けられてもよい。
【0028】
記憶ユニット11には、ゲームプログラムPg、ゲームデータDg、及びプレイデータDpが記録される。ゲームプログラムPgは、制御ユニット10の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御を制御ユニット10に実行させるためのアプリケーションプログラムである。ゲームデータDgは、制御ユニット10によるゲームの制御において適宜に参照されるデータである。例えば、ゲームで出題するクイズの問題及び回答のデータ、ゲーム画面100の表示に必要な各種の画像オブジェクトのデータ等がゲームデータDgに含まれる。プレイデータDpは、ユーザによるゲームのプレイを記録したデータであって、ゲームのプレイに伴って適宜に更新され、適宜のタイミングでゲームサーバ2に保存される。
【0029】
制御ユニット10には、そのコンピュータハードウエアとゲームプログラムPgとの組み合わせによって実現される論理的装置として、ゲーム制御部12、表示制御部13及びタイプ判別部14が設けられる。ゲーム制御部12は、ゲームのプレイに必要な各種の演算処理を実行する。表示制御部13は、ゲーム制御部12の演算結果に応じたゲーム画面100を描画するために必要な演算処理を実行し、演算結果に応じたゲーム画面100の画像データを生成し、その画像データに応じた画像を表示装置5に表示させる。タイプ判別部14は、ゲーム装置3が通常タイプのゲーム装置3N、又はハイグレードタイプのゲーム装置3Hのいずれであるかを判別する。
【0030】
図6は、タイプ判別部14が実行するタイプ判別処理の手順の一例を示している。図6の処理は、ゲーム装置3が最初に稼働を開始する時点で実行される処理である。ただし、稼働開始後も適宜のタイミングで図6の処理が実行されてよい。タイプ判別部14は、図6の処理を開始すると、まず表示装置5の画面解像度の特定に必要な情報を取得するステップS101)。例えば、表示装置5が保持するハードウエア情報に基づいて、画面解像度の情報が取得されてよい。次に、タイプ判別部14は、得られた情報に基づいて、ゲーム装置3が通常タイプのゲーム装置3Nか否かを判別する(ステップS102)。通常タイプと判断された場合、タイプ判別部14は表示制御部13の表示モードを通常モードに設定し(ステップS103)、その後に図6の処理を終える。一方、ステップS102で通常タイプではないと判断された場合、タイプ判別部14は、表示制御部13の表示モードを拡張モードに設定し(ステップS104)、その後に図6の処理を終える。
【0031】
表示制御部13は、図6の処理により通常モードに設定された場合には、ゲーム制御部12の演算結果に応じて、ゲーム画面100の基本領域110に対応する画像を表示装置5に表示させる。それにより、表示制御部13は第1の表示制御手段の一例として機能する。一方、図6の処理により拡張モードに設定された場合には、ゲーム制御部12の演算結果に応じて、ゲーム画面100の基本領域110及び拡張領域120のそれぞれに対応する画像を表示装置5に表示させる。それにより、表示制御部13は第2の表示制御手段の一例として機能する。
【0032】
また、表示制御部13は、通常モード又は拡張モードのいずれに設定されるかに応じて、特定情報の表示に関する処理の手順を変化させる。図7は通常モードに設定された場合における特定情報表示処理の手順の一例を示す。図7の処理は、ゲーム画面100の表示を更新する周期に合わせて繰り返し実行される。表示制御部13は、図7の処理を開始すると、まず特定情報に関する表示がオン、つまり特定情報の表示がユーザにより指示された否かを判別する(ステップS121)。例えば、図3のポップアップボタン115が操作された場合に表示がオンと判断される。表示がオンの場合、表示制御部13は現時点で表示すべき特定情報の状態をゲーム制御部12から取得し(ステップS122)、得られた情報を基本領域110の所定位置に表示させる(ステップS123)。例えば、図4のチャット部116が基本領域110に表示されてよい。その後、表示制御部13は図7の処理を終える。ステップS121で表示がオフ、つまり特定情報の表示が指示されていない場合、表示制御部13はステップS122以下の処理をスキップして図7の処理を終える。
【0033】
一方、拡張モードに設定されている場合、表示制御部13は図7の処理に代えて図8の処理を実行する。図8の処理は、表示制御部13が拡張領域120に対応した画像を表示させるための処理の一部として、ゲーム画面100の表示を更新する周期に合わせて繰り返し実行される。表示制御部13は、図8の処理を開始すると、現時点で表示すべき特定情報の状態をゲーム制御部12から取得し(ステップS131)、得られた情報を拡張領域120の所定位置に表示させる(ステップS131)。例えば、図3のチャット部123等が拡張領域120の所定位置に表示されてよい。その後、表示制御部13は図8の処理を終える。
【0034】
以上の処理によれば、通常タイプのゲーム装置3Nでは特定情報が基本領域110に表示され、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hでは特定情報が拡張領域120に表示される。それにより、図2図4で説明した特定情報の表示制御を実現し、通常タイプのゲーム装置3Nとハイグレードタイプのゲーム装置3Hとの間の情報格差を縮小又は解消しつつ、表示環境に応じてゲーム画面を適切に表示させることが可能である。
【0035】
以上の形態では、表示制御部13が図7のステップS121~S123の処理を実行することにより特定情報制御手段の一例として機能し、タイプ判別部14が図6のステップS101~S104の処理を実行することにより判別手段の一例として機能する。
【0036】
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば上記の形態では、通常タイプのゲーム装置3N及びハイグレードタイプのゲーム装置3Hのそれぞれに同一のゲームプログラムPgを実装し、タイプ判別部14によりゲーム装置3のタイプを判別して表示制御部13のモードを切り替えているが、通常タイプのゲーム装置3Nに適合するゲームプログラムと、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hに適合するゲームプログラムとを別々に用意し、それらのプログラムを実装することにより、通常タイプのゲーム装置3Nの表示制御部13は図7の処理に従って特定情報を表示させ、ハイグレードタイプのゲーム装置3Hの表示制御部13は図8の処理に従って特定情報を表示させるようにしてもよい。この場合、タイプ判別部14は不要である。
【0037】
上記の形態では、ゲーム装置3をその表示装置5の画面解像度に応じて通常タイプ又はハイグレードタイプに区別してゲーム画面100の表示を差別化したが、ゲーム画面100の基本領域110のみを表示させるか、拡張領域120を含めてゲーム画面100を表示させるかは、必ずしも画面解像度と関連付けられることを要しない。例えば、画面解像度が等しいゲーム装置であっても、表示面の縦横寸法が相対的に小さいゲーム装置を通常タイプに、相対的に大きいゲーム装置をハイグレードタイプにそれぞれ区分し、ハイグレードタイプの表示面には基本領域及び拡張領域の画像を表示させ、通常タイプの表示面には基本領域の画像を画面解像度に合わせて画素補間して表示させるといった場合でも本発明は適用可能である。その他にも、ゲーム装置の表示環境に応じて、基本領域のみを表示させるに適したゲーム装置を第1のゲーム装置として設定し、基本領域と拡張領域の両者を表示させるに適したゲーム装置を第2のゲーム装置として設定する場合には、本発明に従って拡張領域の特定情報を第1のゲーム装置の基本領域の画像上に表示してよい。
【0038】
上記の形態では、ゲーム装置3N、3Hのそれぞれの制御ユニット10に表示制御部13及びタイプ判別部14を設けたが、それらの処理の少なくとも一部をゲームサーバ2にて実行してもよい。例えば、ゲーム画面100の画像データをゲームサーバ2側で生成し、得られた画像データをゲーム装置3N、3Hに送信して表示させるようにゲームシステム1が構成されてもよい。
【0039】
上記の形態では、第1及び第2のゲーム装置のそれぞれを業務用のゲーム機としたが、本発明は業務用のゲーム機に限らず、据置型の専用ゲーム機、PC、携帯端末等の情報通信装置を利用したゲーム装置等を対象として適用することが可能である。
【0040】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0041】
本発明の一態様に係る表示制御システムは、ゲーム画面(100)の基本領域(110)に対応する画像を第1のゲーム装置(3N)の表示装置(5N)に表示させる第1の表示制御手段(13:通常モード)と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域(120)とに対応する画像を第2のゲーム装置(3H)の表示装置(5H)に表示させる第2の表示制御手段(13:拡張モード)と、を含んだゲーム画面の表示制御システムであって、前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段(13、S121~S123)を備えたものである。
【0042】
本発明の一態様に係る表示制御方法は、ゲーム画面(100)の基本領域(110)に対応する画像を第1のゲーム装置(3N)の表示装置(5N)に表示させる第1の表示制御手段(13:通常モード)と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域(120)とに対応する画像を第2のゲーム装置(3H)の表示装置(5H)に表示させる第2の表示制御手段(13:拡張モード)と、を含んだゲーム画面の表示制御システムに適用される表示制御方法であって、前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させるものである。
【0043】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、ゲーム画面(100)の基本領域(110)に対応する画像を第1のゲーム装置(3N)の表示装置(5N)に表示させる第1の表示制御手段(13:通常モード)と、前記ゲーム画面の前記基本領域と当該基本領域外の拡張領域(120)とに対応する画像を第2のゲーム装置(3H)の表示装置(5H)に表示させる第2の表示制御手段(13:拡張モード)と、を含んだゲーム画面の表示制御システムに適用されるコンピュータプログラム(Pg)であって、前記表示制御システムのコンピュータ(10)を、前記拡張領域の画像によって示される情報の少なくとも一部である特定情報を、前記第1のゲーム装置における前記基本領域に対応する画像上に表示させる特定情報表示制御手段(13、S121~S123)として機能させるように構成されたものである。
【0044】
上記態様によれば、第2のゲーム装置の拡張領域に表示される情報の少なくとも一部を、第1のゲーム装置における基本領域に対応した画像上に特定情報として表示させることにより、第1及び第2のゲーム装置の間における情報格差を縮小し、あるいは情報格差の解消しつつ、第1及び第2のゲーム装置のそれぞれの表示環境に応じてゲーム画面を適切に表示することが可能である。
【0045】
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0046】
上記態様において、前記第1のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度は、前記第2のゲーム装置における前記表示装置の画面解像度よりも低く設定されてもよい。これによれば、第1のゲーム装置における画面解像度に応じて基本領域を設定しつつ、その基本領域の表示範囲を超える画面解像度の範囲に拡張領域を割り当てて、第2のゲーム装置により多くの情報を表示させることができる。拡張領域に表示される情報の少なくとも一部を特定情報として第1のゲーム装置における基本領域に対応した画像上に表示させることにより、ゲーム装置間の情報格差を縮小し、又は解消することが可能である。
【0047】
上記態様において、前記ゲーム画面を表示させるための制御手段(10)を備えたゲーム装置(3)が、前記第1のゲーム装置又は前記第2のゲーム装置のいずれであるかを判別する判別手段(14、S101~S104)を備え、前記ゲーム装置の前記制御手段を、前記第1のゲーム装置と判別された場合には前記第1の表示制御手段及び前記特定情報表示制御手段として機能させ、前記第2のゲーム装置と判別された場合には前記第2の表示制御手段として機能させてもよい。これによれば、ゲーム装置が第1のゲーム装置又は第2のゲーム装置のいずれであるかを判別し、その判別結果に応じてゲーム装置の制御手段を第1の表示制御手段又は第2の表示制御手段のいずれかとして機能させるとともに、第1のゲーム装置の制御手段をさらに特定情報表示制御手段として機能させることにより、第1及び第2のゲーム装置における制御系のハードウエア構成を共通化しつつ、その機能を差別化することにより、本発明の表示制御システムを実現することが可能である。
【0048】
前記第1の表示制御手段及び前記第2の表示制御手段のそれぞれは、前記基本領域に対応する画像として、ゲームをプレイさせるために必須の情報を示す画像を表示させ、前記第2の表示制御手段は、前記拡張領域に対応する画像として、前記ゲームに関連した情報を示す画像を表示させてもよい。これによれば、第1及び第2のゲーム装置のそれぞれにおける基本領域に対応した画像により、ゲームをプレイするために必須の情報をユーザに提示しつつ、第2のゲーム装置では拡張領域を利用してさらなる情報をユーザに提示することができる。さらに、拡張領域の情報の少なくとも一部を特定情報として第1のゲーム装置にも表示させることにより、情報格差を縮小し、又は解消することができる。
【0049】
前記特定情報表示制御手段は、前記特定情報の表示又は非表示を切り替えできるように設けられてもよい。これによれば、第1のゲーム装置の基本領域に対応する画像上に、特定情報を必要に応じて表示させ、不要な場合は非表示を選択して基本領域の画像の視認性を確保することが可能である。
【0050】
前記特定情報は、ゲームのユーザの指示に基づいて選択されるべき複数の選択要素(123a、116a)を含んでもよい。これによれば、拡張領域を利用してユーザが選択要素を選択する機会を提供する場合に、その機会を第1のゲーム装置のユーザに対しても提供することが可能である。
【0051】
前記第1の表示制御手段による前記特定情報(116)の表示態様が、前記第2の表示制御手段による前記特定情報(123)の表示態様に対して差別化されてもよい。これによれば、第2のゲーム装置では拡張領域に合わせて特定情報の表示態様を設定しつつ、第1のゲーム装置では、基本領域に対応する画像上に表示するという制約を踏まえて特定情報の表示態様を設定する、といったように、各ゲーム装置の都合に合わせて特定情報の表示態様を調整することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 ゲームシステム
2 ゲームサーバ
3 ゲーム装置
3N 通常タイプのゲーム装置(第1のゲーム装置)
3H ハイグレードタイプのゲーム装置(第2のゲーム装置)
4 ユーザ端末装置
5N、5H 表示装置
10 制御ユニット(制御手段)
13 表示制御部(第1の表示制御手段、第2の表示制御手段、特定情報表示制御手段)
14 タイプ判別部(判別手段)
100 ゲーム画面
110 基本領域
116 チャット部(特定情報)
116a ユーザアイコン(選択要素)
120 拡張領域
123 チャット部(特定情報)
123a ユーザアイコン(選択要素)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8