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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】オプション取付部材
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/62 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
A47C7/62 B
A47C7/62 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020131981
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028519
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000116596
【氏名又は名称】愛知株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】荻野 有
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-268997(JP,A)
【文献】特開平11-018879(JP,A)
【文献】特開2008-207581(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173450(JP,U)
【文献】米国特許第05893607(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0073946(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0113392(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/00-31/12
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を空けて配列された略上下方向に延びる2本の縦柱を備える椅子において用いられるオプション取付部材であって、
前記2本の縦柱のうち第1の縦柱に取り付けられる第1の保持部と、
前記2本の縦柱のうち第2の縦柱に取り付けられる第2の保持部と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の間隔が、第1間隔と、前記第1間隔とは異なる第2間隔と、に遷移可能に前記第1の保持部及び前記第2の保持部を連結する連結部と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の間隔が前記第2間隔となるように前記第1の保持部及び前記第2の保持部を付勢する付勢機構と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の少なくとも一方に取り付けられる所定のオプションと、
を備え、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部は、前記第1間隔から前記第2間隔へ遷移するための付勢力を有した状態で前記第1の縦柱及び前記第2の縦柱に固定され
前記椅子は、前記2本の縦柱の少なくとも一方から側方に延びる部分である支持部を有しており、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の少なくとも一方は、前記支持部にも取り付けられ、
当該オプション取付部材は、前記第1の保持部が前記第1の縦柱に取り付けられた状態で、前記第1の縦柱を中心に回転可能であり、
前記第2の保持部は、前記第1の保持部が前記第1の縦柱に取り付けられた状態において、前記第2の縦柱に取り付けられている取付状態と、前記第2の縦柱に取り付けられていない非取付状態と、に遷移可能であり、
前記第1の保持部は、前記略上下方向に延びる溝である第1縦柱保持部を有し、当該第1縦柱保持部によって前記第1の縦柱を保持し、
前記第2の保持部は、前記略上下方向に延びる溝である第2縦柱保持部を有し、当該第2縦柱保持部によって前記第2の縦柱を保持し、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の少なくとも一方は、前記支持部が延びる延伸方向に延びる溝である支持部保持部を有し、当該支持部保持部によって前記支持部を保持し、
前記第1縦柱保持部及び前記支持部保持部は、前記第1の保持部に一体に形成される、及び/又は、前記第2縦柱保持部及び前記支持部保持部は、前記第2の保持部に一体に形成され、
前記支持部保持部の溝は、前記延伸方向、及び、前記第2の保持部が前記非取付状態から前記取付状態へ遷移する際における当該オプション取付部材の回転時の移動方向側が開放され、当該移動方向とは反対の方向側に向かって凹むように構成される、オプション取付部材。
【請求項2】
請求項に記載のオプション取付部材であって、
前記支持部は、少なくとも前記第1の縦柱から側方に延び、
前記第1の保持部は、前記第1の保持部及び前記第2の保持部が前記第1の縦柱及び前記第2の縦柱に取り付けられた状態において、前記支持部と当接して前記支持部を押圧する押圧部を有する、オプション取付部材。
【請求項3】
請求項に記載のオプション取付部材であって
前記押圧部は、当該オプション取付部材が回転して、前記第2の保持部が前記非取付状態から前記取付状態へ遷移した状態において前記支持部を押圧し、前記第2の保持部が前記非取付状態において前記支持部を押圧しない、オプション取付部材。
【請求項4】
所定の間隔を空けて配列された略上下方向に延びる2本の縦柱を備える椅子において用いられるオプション取付部材であって、
前記2本の縦柱のうち第1の縦柱に取り付けられる第1の保持部と、
前記2本の縦柱のうち第2の縦柱に取り付けられる第2の保持部と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の間隔が、第1間隔と、前記第1間隔とは異なる第2間隔と、に遷移可能に前記第1の保持部及び前記第2の保持部を連結する連結部と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の間隔が前記第2間隔となるように前記第1の保持部及び前記第2の保持部を付勢する付勢機構と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の少なくとも一方に取り付けられる所定のオプションと、
を備え、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部は、前記第1間隔から前記第2間隔へ遷移するための付勢力を有した状態で前記第1の縦柱及び前記第2の縦柱に固定され
前記椅子は、前記2本の縦柱の少なくとも一方から側方に延びる部分である支持部を有しており、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の少なくとも一方は、前記支持部にも取り付けられ、
前記支持部は、少なくとも前記第1の縦柱から側方に延び、
前記第1の保持部は、前記第1の保持部及び前記第2の保持部が前記第1の縦柱及び前記第2の縦柱に取り付けられた状態において、前記支持部と当接して前記支持部を押圧する押圧部を有し、
当該オプション取付部材は、前記第1の保持部が前記第1の縦柱に取り付けられた状態で前記第1の縦柱を中心に回転可能であり、
前記第2の保持部は、前記第1の保持部が前記第1の縦柱に取り付けられた状態において、前記第2の縦柱に取り付けられている取付状態と、前記第2の縦柱に取り付けられていない非取付状態と、に遷移可能であり、
前記押圧部は、前記第1の保持部における、前記第2の保持部が前記非取付状態から前記取付状態へ遷移する際における当該オプション取付部材の回転時の移動方向において、前記支持部と対向する面から、突出する凸状の形状を有し、
前記押圧部は、当該オプション取付部材が回転して、前記第2の保持部が前記非取付状態から前記取付状態へ遷移した状態において前記支持部を押圧し、前記第2の保持部が前記非取付状態において前記支持部を押圧しない、オプション取付部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のオプション取付部材であって、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部は、前記第1の保持部及び前記第2の保持部が前記第1の縦柱及び前記第2の縦柱に取り付けられた状態において、前記付勢機構により、前記第1の縦柱及び前記第2の縦柱を、それぞれ前記2本の縦柱の配列方向に沿って内側から外側に向かって付勢する、オプション取付部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のオプション取付部材であって
前記第2の保持部は、前記非取付状態から前記取付状態へ遷移するときに、前記第2の縦柱と当接する当接面であって、前記付勢力に対する反力を前記第2の縦柱から受ける当接面を有する、オプション取付部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のオプション取付部材であって、
前記オプションは、メモ台である、オプション取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オプション取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
多目的ホールなどで椅子を使用するにあたって、会合の種類、部屋の大きさ、部屋の使用人数との関係に応じて、メモ台や肘掛けなどのオプションが取り付けられた椅子が必要な場合に、オプションを椅子に取り付け可能な技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、メモ台や肘掛けなどのオプションを椅子に対して着脱可能に取り付けられるオプション取付部材が開示されている。このオプション取付部材は、簡便な着脱を可能とするために、当該オプション取付部材に設けられた複数の金具によって、椅子の脚を取り囲んだり、椅子の脚同士を連結する連結杆を引っ掛けたりすることにより、ボルトを用いずに椅子に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-124098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したようなオプション取付部材は、ボルト等による固定がされていないため、椅子に取り付けられた状態において、メモ台や肘掛などのオプションががたつくことが起こり得るという問題があった。
【0006】
本開示の一局面は、椅子に対して簡便に着脱できるオプション取付部材の保持力を向上する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、所定の間隔を空けて配列された略上下方向に延びる2本の縦柱を備える椅子において用いられるオプション取付部材であって、第1の保持部と、第2の保持部と、連結部と、付勢機構と、オプションと、を備える。第1の保持部は、2本の縦柱のうち第1の縦柱に取り付けられる。第2の保持部は、2本の縦柱のうち第2の縦柱に取り付けられる。連結部は、第1の保持部及び第2の保持部の間隔が、第1間隔と、第1間隔とは異なる第2間隔と、に遷移可能に第1の保持部及び第2の保持部を連結する。付勢機構は、第1の保持部及び第2の保持部の間隔が第2間隔となるように第1の保持部及び第2の保持部を付勢する。オプションは、第1の保持部及び第2の保持部の少なくとも一方に取り付けられる。第1の保持部及び第2の保持部は、第1間隔から第2間隔へ遷移するための付勢力を有した状態で第1の縦柱及び第2の縦柱に固定される。
【0008】
このような構成によれば、第1間隔から第2間隔、又は、第2間隔から第1間隔に第1の保持部及び第2の保持部の間隔を遷移させることによって、オプション取付部材を椅子に対して簡便に着脱することができる。また、第1の保持部及び第2の保持部が、第1間隔から第2間隔へ遷移するための付勢力を有した状態で第1の縦柱及び第2の縦柱に固定される。このように、付勢力によりオプション取付部材が椅子に取り付けられた状態が維持されるため、椅子に対するオプション取付部材の保持力を向上させることができる。その結果、オプション取付部材が椅子に取り付けられた状態において、メモ台や肘掛などのオプションががたつくことを抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様では、第1の保持部及び第2の保持部は、第1の保持部及び第2の保持部が第1の縦柱及び第2の縦柱に取り付けられた状態において、付勢機構により、第1の縦柱及び第2の縦柱を、それぞれ2本の縦柱の配列方向に沿って内側から外側に向かって付勢してもよい。
【0010】
このような構成では、第1の保持部及び第2の保持部が第1の縦柱及び第2の縦柱をそれぞれ配列方向に沿って内側から外側に向かって付勢する。このため、第1の保持部及び第2の保持部が、第1の縦柱及び第2の縦柱の間で伸びようとする力で突っ張ることにより、オプション取付部材が椅子に取り付けられた状態が維持される。これにより、オプション取付部材が椅子に取り付けられた状態において、オプション使用時に発生する外力に対する、オプション取付部材の主に配列方向への動きを抑制することができるため、椅子に対するオプション取付部材の保持力を向上させることができる。
【0011】
本開示の一態様では、椅子は、2本の縦柱の少なくとも一方から側方に延びる部分である支持部を有しており、第1の保持部及び第2の保持部の少なくとも一方は、支持部にも取り付けられる。
このような構成では、第1の保持部及び第2の保持部の少なくとも一方が支持部により支持される。これにより、オプション取付部材が椅子に取り付けられた状態において、支持部による支持構成に応じて、第1の保持部及び第2の保持部の少なくとも一方の鉛直方向への動き又は水平方向への動きを規制することが可能である。例えば、第1の保持部及び第2の保持部の少なくとも一方が支持部の鉛直方向の少なくとも一方の面と当接する場合、オプション取付部材が椅子に取り付けられた状態において、オプション使用時に発生する外力に対する、オプション取付部材の鉛直方向への動きを抑制することができる。また、例えば、第1の保持部及び第2の保持部の少なくとも一方が支持部の水平方向の少なくとも一方の面と当接する場合、オプション取付部材が椅子に取り付けられた状態において、外力に対する、オプション取付部材の水平方向への動きを抑制することができる。このため、椅子に対するオプション取付部材の保持力を向上させることができる。
【0012】
本開示の一態様では、支持部は、少なくとも第1の縦柱から側方に延びてもよい。第1の保持部は、第1の保持部及び第2の保持部が第1の縦柱及び第2の縦柱に取り付けられた状態において、支持部と当接して支持部を押圧する押圧部を有してもよい。
【0013】
このような構成では、押圧部が支持部を押圧する押力及び当該押力に対する反力が、第1の保持部及び支持部に加わる。これにより、当該押力及び反力が摩擦力となり、当該押力及び反力が働く方向と交差する方向への固定力が向上する。このため、椅子に対するオプション取付部材の保持力を向上させることができる。
【0014】
本開示の一態様では、当該オプション取付部材は、第1の保持部が第1の縦柱に取り付けられた状態で第1の縦柱を中心に回転可能であってもよい。第2の保持部は、第1の保持部が第1の縦柱に取り付けられた状態において、第2の縦柱に取り付けられている取付状態と、第2の縦柱に取り付けられていない非取付状態と、に遷移可能であってもよい。押圧部は、当該オプション取付部材が回転して、第2の保持部が非取付状態から取付状態へ遷移した状態において支持部を押圧し、第2の保持部が非取付状態において支持部を押圧しなくてもよい。
【0015】
このような構成では、第1の保持部が第1の縦柱に取り付けられた状態において、オプション取付部材を回転させて、第2の保持部を非取付状態から取付状態へ遷移させた状態において支持部が押圧部により押圧される。そして、第2の保持部が非取付状態において支持部が押圧部により押圧されない。このため、第1の保持部の第1の縦柱への取り付けを妨げにくく、第2の保持部の非取付状態から取付状態への遷移時も大きな力を要せずにオプション取付部材の取り付けを容易に行うことができる。
【0016】
本開示の一態様では、当該オプション取付部材は、第1の保持部が第1の縦柱に取り付けられた状態で第1の縦柱を中心に回転可能であってもよい。第2の保持部は、第1の保持部が第1の縦柱に取り付けられた状態において、第2の縦柱に取り付けられている取付状態と、第2の縦柱に取り付けられていない非取付状態と、に遷移可能であってもよい。また、第2の保持部は、非取付状態から取付状態へ遷移するときに、第2の縦柱と当接する当接面であって、付勢力に対する反力を第2の縦柱から受ける当接面を有してもよい。
【0017】
このような構成によれば、第1の保持部が第1の縦柱に取り付けられた状態において、オプション取付部材を回転させて、第2の保持部を非取付状態から取付状態へ遷移させるとき、当接面により第2の保持部が第2の縦柱に引っかかりにくくすることができる。また、第2の保持部を非取付状態から取付状態へ遷移させるとき、当接面が付勢力に対する反力を第2の縦柱から受けるため、第2の保持部を非取付状態から取付状態へ遷移させるときに要する力が軽減される。その結果、第2の縦柱への第2の保持部の取り付けを容易にすることができる。
【0018】
本開示の一態様では、オプションは、メモ台であってもよい。このような構成によれば、椅子に対して着脱が簡便なメモ台を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】メモ台が使用状態にある椅子セットを示す斜視図である。
図2】椅子を示す斜視図である。
図3】オプション取付部材を左斜め前から見た斜視図である。
図4】オプション取付部材を右斜め後ろから見た斜視図である。
図5】オプション取付部材を左斜め後ろから見た斜視図である。
図6】オプション取付部材の背面図である。
図7】オプション取付部材の正面図である。
図8】オプション取付部材の平面図である。
図9】オプション取付部材の底面図である。
図10】オプション取付部材の左側面図である。
図11】オプション取付部材の右側面図である。
図12】第1の保持部の拡大斜視図である。
図13】メモ台が収納状態にある椅子セットを示す斜視図である。
図14】オプション取付部材の椅子への取付手順を説明する図である。
図15】椅子にオプション取付部材を左右逆に取り付けた場合の椅子セットを示す斜視図である。
図16】オプション取付部材を椅子の異なる場所に取り付けた場合の椅子セットを示す斜視図である。
図17】オプションとして肘掛が取り付けられたオプション取付部材を椅子に取り付けた場合の椅子セットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
[1-1.全体構成]
図1に示す椅子セット1は、椅子2と、オプションであるメモ台3を備えるオプション取付部材4と、を備える。
【0021】
オプション取付部材4は、メモ台3を後述するオプション保持部45を介して椅子2に取り付け可能に構成されている。なお、図1に示す椅子セット1は、メモ台3が使用できる使用状態にある。以下の説明では、椅子2に正常に着席した使用者を基準に、上下方向、前後方向及び左右方向(以下では配列方向とも言う)を表現する。
【0022】
[1-2.椅子]
図2に示すように、椅子2は、右脚体10と、左脚体20と、連結杆30と、座体40と、背もたれ50と、を備える。
【0023】
右脚体10及び左脚体20は、管状の金属パイプを屈曲及び溶接して形成され、座体40及び背もたれ50を支持する支持体である。右脚体10及び左脚体20は、所定の間隔、本実施形態では、座体40の左右方向の幅程の間隔を空けて配列される。
【0024】
右脚体10は、座体40の下方右側に配置され、右前柱11と、右後柱12と、右下柱13と、右上柱14と、を有する。右前柱11は、右脚体10の前部に位置し、上下方向に長さを有する。右後柱12は、右脚体10の後部に位置し、上下方向に長さを有する。右下柱13は、右脚体10の下部に位置し、右前柱11の下端と右後柱12の下端とを連結し、椅子2が設置される床面に沿って配置される。右上柱14は、右脚体10の上部に位置し、右前柱11の上端と、右後柱12の上下方向における中央部よりもやや上部側と、を連結している。
【0025】
左脚体20は、座体40の下方左側に配置され、左前柱21と、左後柱22と、左下柱23と、左上柱24と、を有する。左前柱21は、左脚体20の前部に位置し、上下方向に長さを有する。左後柱22は、左脚体20の後部に位置し、上下方向に長さを有する。左下柱23は、左脚体20の下部に位置し、左前柱21の下端と左後柱22の下端とを連結し、椅子2が設置される床面に沿って配置される。左上柱24は、左脚体20の上部に位置し、左前柱21の上端と、左後柱22の上下方向における中央部よりもやや上部側と、を連結している。
【0026】
連結杆30は、左右方向、すなわち椅子2における右前柱11及び左前柱21の配列方向に沿って延びる管状の金属パイプであり、右前柱11と左前柱21とを連結する。
座体40は、略矩形であり、使用者が着席可能に構成されている。座体40は、右上柱14及び左上柱24に取り付けられている。
【0027】
背もたれ50は、略矩形であり、着席する使用者の背中を支持可能に構成されている。背もたれ50は、座体40の後方に座体40に対して略垂直に配置され、右後柱12の上端側及び左後柱22の上端側に取り付けられている。
【0028】
[1-3.オプション取付部材]
<オプション取付部材の全体構成>
図3図12に示すように、オプション取付部材4は、第1の保持部41と、第2の保持部42と、連結部43と、付勢機構44と、オプション保持部45と、メモ台3と、を備える。なお、図4図6図10図12において、付勢機構44の図示は省略する。
【0029】
第1の保持部41は、右前柱11及び連結杆30に取り付けられる部材であり、第2の保持部42は、左前柱21及び連結杆30に取り付けられる部材である。なお、第1の保持部41及び第2の保持部42の詳細な構成は後述する。
【0030】
連結部43は、第1の保持部41及び第2の保持部42を連結する管状の金属パイプである。本実施形態では、連結部43の右側端部に第1の保持部41が固定され、連結部43の左側端部に第2の保持部42が固定される。連結部43は、図3に示すように、第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔が、第1間隔I1と、第2間隔I2と、に遷移可能に第1の保持部41及び第2の保持部42を連結する。
【0031】
本実施形態では、第1間隔I1は、縮小状態にある第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔を示す。縮小状態とは、連結部43の軸方向に沿って外側から内側に向かって押し込む方向である圧縮方向F1に働く力である圧縮力が、第1の保持部41及び第2の保持部42に加わって、縮んだ状態である。また、第2間隔I2は、第1間隔I1とは異なり、通常状態にある第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔を示す。通常状態とは、圧縮方向F1への圧縮力が、第1の保持部41及び第2の保持部42に加わっていない自然な状態である。
【0032】
付勢機構44は、第1の保持部41及び第2の保持部42における、第2間隔I2から第1間隔I1、及び、第1間隔I1から第2間隔I2への遷移を実現可能とする機構である。本実施形態では、付勢機構44として、例えばコイルバネが用いられる。図3図7~9に示すように、付勢機構44は、例えば、第2の保持部42と連結部43との間に外部から見えないように内蔵されている。
【0033】
なお、付勢機構として、他の機構が採用されてもよい。付勢機構は、例えば、板バネを用いた機構、ゴムやエラストマーを用いた機構、又は、それら以外の弾性力を発揮するようなガス圧、液圧等を用いた機構であってもよい。
【0034】
本実施形態では、付勢機構44は、第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔が、第2間隔I2となるように、第1の保持部41及び第2の保持部42を伸張方向F2に付勢する力である付勢力を有する。伸張方向F2とは、連結部43の軸方向に沿って内側から外側に向かって押し出す方向である。これにより、第1の保持部41及び第2の保持部42は、圧縮方向F1への圧縮力が加えられた場合に第2間隔I2から第1間隔I1へ縮んだ縮小状態となり、当該圧縮力が加えられなくなった場合に第1間隔I1から第2間隔I2へ戻ろうとする伸張方向F2への付勢力が発生して通常状態となる。
【0035】
オプション保持部45は、第1の保持部41に取り付けられる。オプション保持部45は、連結部43に対して垂直に延びる管状の金属パイプである。オプション保持部45は、第1の保持部41に取り付けられる下方端部とは反対側の上方端部にメモ台3が取り付けられる。本実施形態では、オプション保持部45と連結部43とは一体に形成されるL字状に屈曲したパイプである。
【0036】
図13に示すように、オプション保持部45は、メモ台3が取り付けられる上方端部に、オプション保持部45に対してメモ台3を回転可能に取り付ける回転機構451を有する。メモ台3は、回転機構451介してオプション保持部45に取り付けられる。メモ台3は、回転機構451により、当該メモ台3を回転させることで使用状態からメモ台3が使用できない収納状態へ遷移させることが可能である。図13に示す椅子セット1は、メモ台3が収納状態にある。
【0037】
<第1の保持部>
図3図12に示すように、第1の保持部41は、略5角柱状に形成され、5角柱の両側の底面が左右方向、すなわち連結部43の軸方向に配置される。第1の保持部41は、両側の底面のうち一方の底面の前方側に連結部43が固定され、他方の底面の前方側にオプション保持部45が固定される。第1の保持部41は、右前柱保持部411と、第1連結杆保持部412と、押圧部413と、を備える。
【0038】
右前柱保持部411は、第1の保持部41におけるオプション保持部45が固定される側、換言すると、第1の保持部41における第2の保持部42と対向する側とは反対側である右方側に配置される右底面に設けられる、上下方向に延びる溝である。具体的には、右前柱保持部411は、右底面のオプション保持部45が固定される位置よりも後方に設けられている。右前柱保持部411は、右方向及び上下方向が開放され、左方側に向かって凹んだ湾曲面を有する。右前柱保持部411は、上方及び下方から見て、断面形状がU字型の溝である。右前柱保持部411は、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、右前柱11と対向する。右前柱11は、前後方向及び左方向の外周面が右前柱保持部411により取り囲まれるように、第1の保持部41に保持される。
【0039】
第1連結杆保持部412は、第1の保持部41におけるオプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において連結杆30と対向する側、換言すると、第1の保持部41における後方側に配置される後側面に設けられる、左右方向に延びる溝である。第1連結杆保持部412は、左右方向及び後方が開放され、前方側に向かって凹んだ湾曲面を有する。第1連結杆保持部412は、右方及び左方から見て、断面形状がU字型の溝である。第1連結杆保持部412は、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、連結杆30と対向する。連結杆30は、上下方向及び前方向の外周面が第1連結杆保持部412により取り囲まれるように、第1の保持部41に保持される。
【0040】
押圧部413は、第1の保持部41における第1連結杆保持部412に設けられる。押圧部413は、図12に示すように、第1連結杆保持部412における連結杆30の前方向の外周面と対向する面から、連結部43の軸方向と垂直な方向、すなわち後方に向かって突出する凸状の形状を有する。押圧部413は、第1の保持部41及び第2の保持部42が右前柱11及び左前柱21に取り付けられた状態において、連結杆30と当接して連結杆30を押圧する。なお、押圧部413は、第1の保持部41と連結杆30との間隔のクリアランスがほぼゼロの状態の場合は、その大きさに関わらず連結杆30を押圧可能である。そして、押圧部413は、第1の保持部41と連結杆30との間隔においてクリアランスを有する場合は、当該クリアランスより大きく形成されることにより連結杆30を押圧可能である。また、押圧部413は、第1の保持部41及び第2の保持部42が右前柱11及び左前柱21に取り付けられた状態において、圧縮された状態となる構成であってもよい。
【0041】
<第2の保持部>
図3図10に示すように、第2の保持部42は、円柱状の本体部421と略四角柱状の取付部422とが合体した形状に形成され、本体部421の両側の底面及び取付部422の両側の底面が左右方向、すなわち連結部43の軸方向に配置される。なお、取付部422は本体部421の後方に配置される。第2の保持部42は、本体部421における両側の底面のうち第1の保持部41と対向する側の底面に連結部43が固定される。第2の保持部42は、左前柱保持部423と、第2連結杆保持部424と、を備える。
【0042】
左前柱保持部423は、第2の保持部42における連結部43が固定される側とは反対側、換言すると、第2の保持部42における第1の保持部41と対向する側とは反対側である左方側に配置される左底面に設けられる、上下方向に延びる溝である。具体的には、左前柱保持部423は、取付部422の左底面に設けられている。左前柱保持部423は、左方向及び上下方向が開放され、右方側に向かって凹んだ湾曲面を有する。左前柱保持部423は、上方及び下方から見て、断面形状が略U字型の溝である。左前柱保持部423は、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、左前柱21と対向する。左前柱21は、前後方向及び右方向の外周面が左前柱保持部423により取り囲まれるように、第2の保持部42に保持される。
【0043】
第2連結杆保持部424は、第2の保持部42におけるオプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において連結杆30と対向する側、換言すると、第2の保持部42における後方側に配置される後側面に設けられる、左右方向に延びる溝である。具体的には、第2連結杆保持部424は、取付部422の後側面に設けられている。第2連結杆保持部424は、左右方向及び後方が開放され、前方側に向かって凹んだ湾曲面を有する。第2連結杆保持部424は、右方及び左方から見て、断面形状がU字型の溝である。第2連結杆保持部424は、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、連結杆30と対向する。連結杆30は、上下方向及び前方向の外周面が第2連結杆保持部424により取り囲まれるように、第2の保持部42に保持される。なお、取付部422は、2つの同形状の板状部材が上下方向に間隔を空けて配置される構成とも言える。
【0044】
第2の保持部42は、取付部422の後側面の左側端部に当接面425を有する。当接面425は、前方側かつ左方側に向かって傾斜する面である。当接面425は、後述する取付手順によりオプション取付部材4が椅子2へ取り付けられるときに、左前柱21に当接する面である。当接面425は、当接面425が左前柱21に当接することで、付勢機構44による伸張方向F2への付勢力に対する反力、すなわち圧縮方向F1への圧縮力を左前柱21から受ける。
【0045】
[2.オプション取付部材の椅子への取付手順]
次に、オプション取付部材4の椅子2への取付手順を、図14を用いて説明する。
(a)まず、右前柱保持部411で右前柱11を保持するように、椅子2の前方から第1の保持部41を右前柱11に取り付ける。このとき、第1の保持部41が連結杆30の略正面に配置されるように取り付ける。このように、第1の保持部41が右前柱11に取り付けられた状態において、第2の保持部42が左前柱21に取り付けられていない状態を、第2の保持部42の非取付状態という。なお、第1の保持部41が右前柱11に取り付けられた状態において、第2の保持部42が左前柱21に取り付けられている状態を、第2の保持部42の取付状態という。
【0046】
オプション取付部材4は、上述したように、第1の保持部41が右前柱11に取り付けられた状態で、右前柱11を中心に回転可能である。
次に、第2の保持部42の非取付状態において、圧縮方向F1への圧縮力を第2の保持部42に加え、第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔を通常状態から縮小状態に遷移させる。そして、第1の保持部41の第1連結杆保持部412及び第2の保持部42の第2連結杆保持部424が連結杆30と対向するように、オプション取付部材4を右前柱11を中心に回転させて、第2の保持部42を非取付状態から取付状態へ遷移させる。
【0047】
最後に、第2の保持部42に圧縮方向F1への圧縮力が加えられないようにして、左前柱保持部423で左前柱21を保持するように、第2の保持部42を左前柱21に取り付ける。上述したように、第2の保持部42が非取付状態から取付状態へ遷移したとき、当該取付状態において連結杆30が押圧部413により押圧される。そして、第2の保持部42が非取付状態において連結杆30が押圧部413により押圧されない。なお、押圧部413が圧縮された状態となる構成の場合は、上述したように、第2の保持部42が非取付状態から取付状態へ遷移するとき、押圧部413が圧縮される。具体的には、オプション取付部材4の右前柱11を中心とした回転により、連結部43が連結杆30に近づく。しかし、連結杆30が固定される右前柱11に対する第1の保持部41の前後方向の移動は、右前柱保持部411により制限される。このように、右前柱保持部411により右前柱11に対する前後方向への移動が規制された第1の保持部41を起点としたてこの原理を利用して、押圧部413が連結杆30と当接して連結杆30が押圧される、又は押圧部413が圧縮される。
【0048】
なお、押圧部が設けられる位置、押圧部の形状及び押圧部の押圧方法は、本実施形態で例示した構成に限定されるものではない。押圧部は、第1の保持部41及び第2の保持部42が右前柱11及び左前柱21に取り付けられた状態において、連結杆30と当接して連結杆30を押圧する構成であれば、他の位置に設けられていてもよく、他の形状であってもよく、他の押圧方法であってもよい。また、押圧部は、上述したようなてこの原理を利用して押圧可能な構成において、他の位置に設けられていてもよく、他の形状であってもよい。
【0049】
(b)上述した(a)の手順により、第1の保持部41及び第2の保持部42が右前柱11及び左前柱21に取り付けられた状態となる。このような状態において、第1の保持部41及び第2の保持部42は、付勢機構44により、右前柱11及び左前柱21を配列方向、すなわち左右方向に沿って内側から外側に向かって付勢する。このとき、第1の保持部41及び第2の保持部42は、第1間隔I1及び第2間隔I2の間の間隔である固定状態で右前柱11及び左前柱21に固定される。このようにして、オプション取付部材4が伸張方向F2への付勢力により椅子2に固定され、オプション取付部材4の椅子2への取り付けが完了する。
【0050】
オプション取付部材4を椅子2から取り外す場合は、上述した手順と逆の操作をすればよい。具体的には、圧縮方向F1への圧縮力を第2の保持部42に加え、第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔を固定状態から縮小状態に遷移させる。これにより、オプション取付部材4の椅子2への固定を解除し、第2の保持部42を左前柱21から取り外す。そして、オプション取付部材4を右前柱11を中心に回転させて、第2の保持部42を取付状態から非取付状態へ遷移させつつ、第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔を縮小状態から通常状態に遷移させる。最後に、第1の保持部41を右前柱11から取り外す。このようにして、オプション取付部材4の椅子2からの取り外しが完了する。
【0051】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)本実施形態では、第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔が第1間隔I1と第2間隔I2とに遷移する。このため、第1間隔I1から第2間隔I2、又は、第2間隔I2から第1間隔I1に第1の保持部41及び第2の保持部42の間隔を遷移させることによって、オプション取付部材4を椅子2に対して簡便に着脱することができる。
【0052】
また、第1の保持部41及び第2の保持部42が、第1間隔I1から第2間隔I2へ遷移するための伸張方向F2への付勢力を有した状態で、右前柱11及び左前柱21に固定される。つまり、第1の保持部41及び第2の保持部42が、それぞれ右前柱保持部411及び左前柱保持部423により右前柱11及び左前柱21を保持しつつ、右前柱11及び左前柱21をそれぞれ配列方向に沿って内側から外側に向かって付勢する。このため、第1の保持部41及び第2の保持部42が、右前柱11及び左前柱21の間で伸びようとする力で突っ張ることにより、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態が維持される。これにより、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、メモ台3の使用時に発生する外力に対する、オプション取付部材4の主に左右方向への動きを抑制することができる。なお、メモ台3の使用時に発生する外力とは、例えば、使用者がメモ台3の上でメモする際に、メモ台3に加わる、下方に押す力や左右方向又は前後方向に揺れる力など様々な方向への力である。また、右前柱保持部411及び左前柱保持部423により右前柱11及び左前柱21を保持するため、前後方向への動きを規制することが可能である。このため、椅子2に対するオプション取付部材4の保持力を向上させることができる。その結果、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、メモ台3ががたつくことを抑制することができる。
【0053】
(3b)本実施形態では、第1の保持部41及び第2の保持部42が、それぞれ第1連結杆保持部412及び第2連結杆保持部424により連結杆30にも取り付けられる。つまり、第1の保持部41及び第2の保持部42は、上述した伸張方向F2への付勢力に加え、連結杆30によっても支持される。これにより、オプション取付部材4が椅子2に取り付けられた状態において、第1の保持部41及び第2の保持部42の上下方向への動き及び前方方向への動きを規制することが可能である。このため、椅子2に対するオプション取付部材4の保持力をより向上させることができる。
【0054】
(3c)本実施形態では、第1の保持部41が、第1連結杆保持部412における連結杆30の前方向の外周面と対向する面に押圧部413を備える。そして、押圧部413は、第1の保持部41及び第2の保持部42が右前柱11及び左前柱21に取り付けられた状態において、連結杆30と当接して連結杆30を押圧する。このため、押圧部413が連結杆30を押圧する方向へ働く押力及び当該押力に対して反対側へ働く反力、すなわち前後方向に対する強い圧力が、第1の保持部41及び連結杆30に加わる。これにより、当該圧力が摩擦力となり、押圧する方向と交差する方向、すなわち上下方向及び左右方向への固定力が向上する。したがって、椅子2に対するオプション取付部材4の保持力をより向上させることができる。
【0055】
(3d)本実施形態では、第1の保持部41が右前柱11に取り付けられた状態において、オプション取付部材4を回転させて、第2の保持部42を非取付状態から取付状態へ遷移させた状態において連結杆30が押圧部413により押圧される。そして、第2の保持部が非取付状態において連結杆30が押圧部413により押圧されない。このため、第1の保持部41の右前柱11への取り付けを妨げにくく、第2の保持部42の非取付状態から取付状態への遷移時も大きな力を要せずにオプション取付部材4の取り付けを容易に行うことができる。
【0056】
(3e)本実施形態では、第2の保持部42が、取付部422の後側面の左側端部に当接面425を有する。そして、当接面425は、前方側かつ左方側に向かって傾斜することにより、オプション取付部材4が椅子2へ取り付けられるときに、左前柱21に当接して、付勢機構44による伸張方向F2への付勢力に対する反力である圧縮方向F1への圧縮力を左前柱21から受ける。これにより、第1の保持部41が右前柱11に取り付けられた状態において、オプション取付部材4を回転させて、第2の保持部42を非取付状態から取付状態へ遷移させるとき、当接面425により第2の保持部42が左前柱21に引っかかりにくくすることができる。
【0057】
また、第2の保持部42を非取付状態から取付状態へ遷移させるとき、当接面425が伸張方向F2への付勢力に対する反力である圧縮方向F1への圧縮力を左前柱21から受けるため、第2の保持部42を非取付状態から取付状態へ遷移させるときに要する力が軽減される。その結果、左前柱21への第2の保持部42の取り付けを容易にすることができる。
【0058】
なお、右脚体10の右前柱11が第1の縦柱に相当し、左脚体20の左前柱21が第2の縦柱に相当し、連結杆30が支持部に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0059】
(4a)上記実施形態では、第1の保持部41が右前柱11に取り付けられ、第2の保持部42が左前柱21に取り付けられるように、椅子2の前方からオプション取付部材4が取り付けられた椅子セット1を例示した。しかし、椅子2に対するオプション取付部材4の取り付け向きはこれに限定されるものではない。
【0060】
例えば、図15に示す椅子セット1aように、椅子2の内側、具体的には、椅子2の右脚体10及び左脚体20の内側から前方に向かってオプション取付部材4aが取り付けられてもよい。このように取り付けられるオプション取付部材4aでは、第1の保持部41aが左前柱21及び連結杆30に取り付けられ、第2の保持部42aが右前柱11及び連結杆30に取り付けられる。オプション取付部材4aでは、第1の保持部41a及び第2の保持部42aを連結する連結部43aが椅子2の連結杆30の後方に配置される。オプション取付部材4aは、第1の保持部41aにオプション保持部45aを介してメモ台3aが取り付けられるため、左利きの使用者への対応が可能である。
【0061】
また、例えば、図16に示す椅子セット1bのように、右前柱11b及び右後柱12bと、左前柱21b及び左後柱22bと、をそれぞれ連結する2つの連結杆30bを有する椅子2bの側方から、メモ台3bを備えるオプション取付部材4bが取り付けられてもよい。このように取り付けられるオプション取付部材4bでは、第1の保持部41bが左前柱21及び連結杆30bに取り付けられ、第2の保持部42bが左後柱22b及び連結杆30bに取り付けられる。なお、図16に示す例では、2つの連結杆30bのうち、左前柱21b及び左後柱22bを連結する連結杆30bにオプション取付部材4aが取り付けられているが、右前柱11b及び右後柱12bを連結する連結杆30bに取り付けられていてもよい。
【0062】
(4b)上記実施形態では、オプション保持部45を介してメモ台3が取り付けられるオプション取付部材4を例示したが、メモ台3以外のオプションが取り付けられていてもよい。例えば、図17に示す椅子セット1cのように、オプション保持部45cを介して肘掛け5が取り付けられたオプション取付部材4cが椅子2に取り付けられていてもよい。また、第1の保持部及び第2の保持部の両方にオプション保持部を介して肘掛けが取り付けられるような、左右両肘用のオプション取付部材であってもよい。
【0063】
(4c)第1の保持部及び第2の保持部は、第1連結杆保持部412及び第2連結杆保持部424を有しない構成であってもよい。このような場合、第1の保持部及び第2の保持部は、第1の保持部及び第2の保持部の下方側の面が連結杆30の上方側の面と当接するように、連結杆30の上方に取り付ける。つまり、第1の保持部及び第2の保持部は、連結杆30によって下方から支持されるように、連結杆30の上方に取り付ける。これにより、メモ第3等のオプションに加わる下方への力に対するオプション取付部材の方向への動きを抑制することができる。
【0064】
(4d)上記実施形態では、第1の保持部41の第1連結杆保持部412及び第2の保持部42の第2連結杆保持部424が、右前柱11と左前柱21とを連結する連結杆30を保持する構成を例示した。しかし、第1連結杆保持部412及び第2連結杆保持部424が連結杆30以外のものを保持してもよい。例えば、第1連結杆保持部412及び第2連結杆保持部424が保持する部材が、右前柱11と左前柱21とを連結しない構成であってもよい。すなわち、右前柱11及び左前柱21にそれぞれ設けられる、右前柱11及び左前柱21から側方に延びる部材を保持してもよい。具体的には、右前柱11及び左前柱21から配列方向の内側に向かって突出した突出部を保持してもよい。なお、突出部は、右前柱11又は左前柱21のどちらかに設けられていてもよい。この場合、突出部が設けられた側の前柱に取り付けられる保持部が当該突出部に支持される。
【0065】
(4e)上記実施形態では、第1の保持部41及び第2の保持部42が、付勢機構44により、右前柱11及び左前柱21を配列方向に沿って内側から外側に向かって付勢する構成を例示したが、付勢機構が有する付勢力の向きはこれに限定されるものではない。例えば、第1の保持部及び第2の保持部が、付勢機構により、右前柱11及び左前柱21を配列方向に沿って外側から内側に向かって付勢する構成であってもよい。
【0066】
このような構成では、右前柱保持部は、右前柱11の左右方向及び前方向の外周面、又は、右前柱11の前後方向及び右方向の外周面を取り囲むような形状で第1の保持部に形成される。また、左前柱保持部は、左前柱21の左右方向及び前方向の外周面、又は、左前柱21の前後方向及び左方向の外周面を取り囲むような形状で第2の保持部に形成される。
【0067】
(4f)上記実施形態では、第1の保持部41が略5角柱状、第2の保持部42が円柱状の本体部421と略四角柱状の取付部422とが合体した形状である構成を例示したが、第1の保持部及び第2の保持部の形状はこれに限定されるものではなく、様々な形状であってもよい。
(4g)上記実施形態では、オプション保持部45が第1の保持部41に取り付けられる構成を例示したが、オプション取付部材4aは、第2の保持部42に取り付けられてもよい。
【0068】
(4h)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0069】
1,1a~1c…椅子セット、2,2b…椅子、3,3a,3b…メモ台、4,4a~4c…オプション取付部材、5…肘掛け、10…右脚体、11,11b…右前柱、12,12b…右後柱、13…右下柱、14…右上柱、20…左脚体、21,21b…左前柱、22,22b…左後柱、23…左下柱、24…左上柱、30,30b…連結杆、40…座体、41,41a,41b…第1の保持部、42,42a,42b…第2の保持部、43,43a…連結部、44…付勢機構、45,45a,45c…オプション保持部、50…背もたれ、411…右前柱保持部、412…第1連結杆保持部、413…押圧部、421…本体部、422…取付部、423…左前柱保持部、424…第2連結杆保持部、425…当接面、451…回転機構、F1…圧縮方向、F2…伸張方向、I1…第1間隔、I2…第2間隔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17