(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ごみ容器
(51)【国際特許分類】
B65F 1/16 20060101AFI20240913BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/00 A
(21)【出願番号】P 2021029570
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 学
(72)【発明者】
【氏名】足立 優輔
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-109904(JP,U)
【文献】実開平4-109049(JP,U)
【文献】特開平6-156601(JP,A)
【文献】実開昭50-11379(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/16
B65F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみ容器本体と、
前記ごみ容器本体の上部開口に開閉自在に設けられた蓋体と、
前記ごみ容器本体の下部側に設けられたペダル部材と、
前記ごみ容器本体の後面側において、前記蓋体と前記ペダル部材とを連結する連結部材とを備えるごみ容器において、
前記ごみ容器本体の底面には、前記ペダル部材を取付可能な収容凹部を備え、
前記収容凹部の側面には、前記ペダル部材の脱落防止が可能なペダル受け部が一体に形成され、
前記ペダル部材は、前記ペダル受け部に当接する凹部を備え、
前記ペダル部材は、前記収容凹部内の前記ペダル受け部の上方側に収容されていることを特徴とするごみ容器。
【請求項2】
前記ペダル部材の凹部が前記ペダル受け部に当接した状態を保持する固定部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のごみ容器。
【請求項3】
前記ペダル部材を、前記ごみ容器本体の前側から前記収容凹部内へ挿入し、前記ペダル部材の凹部を前記ペダル受け部に当接させて、前記ペダル部材を前記ごみ容器本体の底面に取り付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のごみ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ごみ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭用のごみ等を捨てるごみ容器が知られているが、例えば、特許文献1に開示されているごみ容器は、ごみを収容するごみ容器本体と、ごみ容器本体の上部開口を塞ぐ蓋体と、ごみ容器本体の下部に設けられたペダル部材とを備えており、利用者がペダル部材を踏むことで蓋体が開き、ごみを捨てることができる。また、ペダル部材は、ペダル部材に設けられた軸部を、ごみ容器本体の底面に設けられた軸孔に嵌め込むことで取り付けられている。ただ、ペダル部材を操作した際、ペダル部材に設けられた軸部に下方向への力がかかるため、軸部が軸孔から外れ、ペダル部材がごみ容器本体から脱落する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、上記問題に鑑み、本願発明は、ペダル部材がごみ容器本体から脱落することを防止する、ごみ容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係るごみ容器は、ごみ容器本体と、前記ごみ容器本体の上部開口に開閉自在に設けられた蓋体と、前記ごみ容器本体の下部側に設けられたペダル部材と、前記ごみ容器本体の後面側において、前記蓋体と前記ペダル部材とを連結する連結部材とを備えるごみ容器において、前記ごみ容器本体の底面には、前記ペダル部材を取付可能な収容凹部を備え、前記収容凹部の側面には、前記ペダル部材の脱落防止が可能なペダル受け部が一体に形成され、前記ペダル部材は、前記ペダル受け部に当接する凹部を備え、前記ペダル部材は、前記収容凹部内の前記ペダル受け部の上方側に収容されていることを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、ペダル部材は、収容凹部内のペダル受け部の上方へ収容されると共に、凹部がペダル受け部に当接して、ペダル部材がペダル受け部の上方側から取り付けられた状態となっている。そのため、ペダル部材の操作時に下方へ力がかかっても、ペダル部材が下方へ脱落してごみ容器本体から外れてしまうことを防止できる。
【0007】
更に、本願発明の請求項2に係るごみ容器は、前記ペダル部材の凹部が、前記ペダル受け部に当接した状態を保持する固定部材を備えることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、固定部材によって、ペダル部材の凹部がペダル受け部に当接した状態を保持できるため、ペダル部材がごみ容器本体から外れてしまうことをより確実に防止できる。
【0009】
更に、本願発明の請求項3に係るごみ容器は、前記ペダル部材を、前記ごみ容器本体の前側から前記収容凹部内へ挿入し、前記ペダル部材の凹部を前記ペダル受け部に当接させて、前記ペダル部材を前記ごみ容器本体の底面に取り付けることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、ペダル部材をごみ容器本体に取り付けやすいのである。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のごみ容器によれば、ペダル部材がごみ容器本体から脱落することを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願発明の実施形態1に係るごみ容器の全体斜視図である。
【
図2】(a)は、ごみ容器の平面図、(b)は、ごみ容器の正面図である。
【
図3】(a)は、ごみ容器の背面図、(b)は、
図2(a)に示すA-A断面図である。
【
図4】(a)は、ごみ容器の底面図、(b)は、ペダル受け部を拡大した底面図、(c)は、ペダル受け部の周辺を成形する金型と共に、ペダル受け部を拡大した底面図である。
【
図5】(a)は、ペダル部材の全体斜視図、(b)は、ペダル部材の平面図、(c)は、ペダル部材の側面図である。
【
図6】(a)から(c)は、
図3(b)の断面図において、底面側を拡大し、ペダル部材を取り付ける様子を示す断面図である。
【
図7】(a)は、ペダル部材が操作されて蓋体が開いた状態のごみ容器の正面図、(b)は、B-B断面図である。
【
図8】(a)から(c)は、本願発明の実施形態2に係るごみ容器において、
図6の断面図と同様に、底面側を拡大し、ペダル部材を取り付ける様子を示す断面図である。
【
図9】(a)は、本願発明の実施形態3に係るごみ容器において、
図6の断面図と同様に、底面側を拡大し、ペダル部材を取り付けた様子を示す断面図、(b)は、本願発明の実施形態4に係るごみ容器において、
図8(b)の断面図と同様に、底面側を拡大し、ペダル部材を取り付けた様子を示す断面図である。
【
図10】(a)は、本願発明の実施形態5に係るペダル部材の断面図、(b)及び(c)は、実施形態5に係るごみ容器において、
図6と同様に、底面側を拡大し、ペダル部材を取り付ける様子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0013】
100 ごみ容器本体
110 底面
150 上部開口
200 蓋体
400 連結部材
600 収容凹部
620 側面
630 ペダル受け部
800 ペダル部材
840 凹部
P ごみ容器
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とはごみ容器本体の上部開口を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向く方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向く方向のことである。また、「前側」とはペダル部材の操作部が設けられた側で、「後側」とは前側の反対側のことである。
【0015】
<実施形態1>
図1から
図4に、本願発明の実施形態1に係るごみ容器Pを示す。なお、
図1は、ごみ容器Pの全体斜視図、
図2(a)は、ごみ容器Pの平面図、
図2(b)は、ごみ容器Pの正面図、
図3(a)は、ごみ容器Pの背面図、
図3(b)は、
図2(a)に示すA-A断面図、
図4(a)は、ごみ容器Pの底面図、
図4(b)は、ペダル受け部を拡大した底面図、
図4(c)は、ペダル受け部の周辺を成形する金型と共にペダル受け部を拡大した底面図である。なお、
図1から
図4では、ごみ容器Pからペダル部材を取り外して示してある。
【0016】
図1から
図3に示すように、ごみ容器Pのごみ容器本体100は、全体が合成樹脂製の略直方体形状をしており、底面110と、底面110から立ち上がる前面120と、両側の側面130と、後面140とを備え、上端が上部開口150となっている。そして、ごみ容器本体100の内部は、ごみを収容できる収容空間160となっている。また、ごみ容器本体100の前面120の下部側には、後述するペダル部材の先端側を挿通可能な凹部121が形成されている。
【0017】
また、ごみ容器本体100の上部開口150は、一対の蓋体200によって覆われている。具体的には、蓋体200は、全体が合成樹脂製の略長方形状の板材であり、上部開口150の約半分を覆う大きさで、蓋体200の両端が連結箇所201によって、上部開口150に回動可能に連結されている。そのため、各蓋体200は、上部開口150に開閉自在に取り付けられている。なお、各蓋体200は左右一対となっており、各蓋体200のそれぞれが、ごみ容器本体100の上部開口150の約半分を覆うように構成されているが、これに限定されず、上部開口150全体を覆うように構成された、一つの蓋体200を備えてもよい。
【0018】
また、ごみ容器本体100の後面140には、蓋体200と、後述するペダル部材とを連結する連結部材400が取り付けられている。具体的には、連結部材400は、上下方向に延出する連結体410と、連結体410の上端に設けられ、各蓋体200に連結された蓋体連結部420と、連結体410の下端に設けられたペダル連結軸430とを備える。そして、連結体410は上下にスライド可能に構成されており、後述するように、ペダル部材を操作して連結体410が上方へ移動すると、蓋体200が開くようになっている。
【0019】
また、
図3(b)、
図4(a)、及び
図4(b)に示すように、底面110には、前側に設けられた凹部121から、後側に設けられた連結体410のペダル連結軸430を収容可能な凹部111にかけて、直線状に窪んだ収容凹部600が設けられており、収容凹部600は、直線状に延出するペダル部材を収容できるように構成されている。また、収容凹部600は、底面110を内側に窪ませて形成されており、底面610と底面610の両側の側面620とを備え、相対する側面620の間には、円柱状の軸の形態のペダル受け部630が側面620と一体に形成されている。なお、前側の凹部121はペダル部材の前端側を収容し、後側の凹部111はペダル部材の後端側を収容する箇所となっており、凹部121及び凹部111は、収容凹部600の一部を構成している。また、ペダル受け部630は両側の側面620と一体に形成されているが、これに限定されず、各側面620のそれぞれにペダル受け部630が一体に形成されており、各側面620と一体になったペダル受け部630同士が、互いに離間していてもよい。
【0020】
また、ごみ容器本体100は、ごみ容器本体100の上側及び下側に配置される金型によって射出成形されており、金型を上下方向に抜くことで、成形したごみ容器本体100を取り出している。そして、ごみ容器本体100に、別で製造した連結部材400、蓋体200、及びペダル部材を取り付けて、ごみ容器Pが完成する。
【0021】
また、ペダル受け部630周辺を射出成形する際は、
図4(c)に示すように、相対する側面620の間において、ペダル受け部630の両側から第1移動金型D1と第2移動金型D2を配置する。第1移動金型D1の端面(割面)D4と第2移動金型D2の端面(割面)D3を、ペダル受け部630の略中央あたりで互いに合わせた状態とし、第1移動金型D1の端面D4と第2移動金型D2の端面D3の内側のペダル受け部630を象った空間に樹脂を流し込んで、ペダル受け部630を両側の側面620と一体に射出成形するのである。そして、射出成形後、第1移動金型D1と第2移動金型D2を、収容凹部600の延出方向に沿って離れるように移動させて(
図4(c)の矢印参照)、各金型を抜いている。なお、
図4(c)に示すように、第1移動金型D1と第2移動金型D2は、ペダル受け部630の周辺を部分的に成形しているが、これに限定されず、第1移動金型D1が収容凹部600の前側全体(つまり、ペダル受け部630から前側の凹部121までの全体)を、第2移動金型D2が収容凹部600の後側全体(つまり、ペダル受け部630から後側の凹部111までの全体)をそれぞれ成形するように構成すると、各金型が簡単で破損にしにくくなる。
【0022】
次に、
図5に、ペダル部材800を示す。なお、
図5(a)は、ペダル部材800の全体斜視図、
図5(b)は、ペダル部材800の平面図、
図5(c)は、ペダル部材800の側面図である。
【0023】
ペダル部材800は、全体が合成樹脂製であり、長尺状の本体部810と、前端に操作部820と、後端に連結部830とを備えている。連結部830には、軸孔831が設けられており、連結部材400のペダル連結軸430を挿通させて連結できるように構成されている。また、操作部820は、利用者が足で踏みやすいように平坦面821を備える。なお、
図5(b)に示すように、本体部810の前端側は、操作部820に向けて次第に幅が広くなるように、幅広に形成されているので、操作部820を足で踏んだ際に、破損しないように強度が向上している。
【0024】
また、本体部810の略中央には、凹部840が設けられている。凹部840は、本体部810の前後方向に延出した形状をしており、凹部840の下側は、下方へ開いた開口841となっている。そして、その開口841を塞ぐように、本体部810の下側に固定部材860が固定できるようになっている。固定部材860は、全体が合成樹脂製で略直方体形状となっており、開口841を塞ぐ縁部861を備え、凹部840と縁部861とで囲まれた部分の形状が長尺状の略楕円形となるように、縁部861は下方へ窪んでいる。後述するように、ペダル受け部630が凹部840に当接した状態が不用意に外れないように、凹部840と固定部材860とでペダル受け部630を挟み込んで固定している。また、固定部材860を取り付けることで、ペダル部材800の変形を防止できる。なお、固定部材860は、本体部810の下側に、スナップ形式で固定する方法、ピン形式で固定する方法、クリップ形式で固定する方法など、任意の方法で固定できる。
【0025】
また、本体部810の後端側は、凹部840から連結部830に向けて直線状に延びる延出部850となっている。なお、凹部840は、長尺状の略楕円形を半分にした形状をしているが、これに限定されず、凹部840は、下側の一部が開口すると共に、ペダル受け部630に当接できるように構成されていれば、任意の形状であってもよい。また、ペダル部材800は全体が一体成形されているが、これに限定されず、ペダル部材800を前後で分割する構成としてもよい。例えば、
図5(b)に示すように、ペダル部材800を、本体部810の横幅が狭い部分と横幅が広い部分の境界812で、前側と後側に分割する構成や、ペダル部材800を、本体部810の横幅が狭い部分(境界812から後側)の任意の箇所で、前側と後側に分割する構成や、凹部840にペダル受け部630を当接させた状態で、ペダル受け部630の軸上で、ペダル部材800を前側と後側に分割する構成であってもよい。
【0026】
次に、
図6を参照して、ペダル部材800をごみ容器Pのごみ容器本体100の底面110に取り付ける方法について説明する。なお、
図6(a)から(c)は、
図3(b)の断面図において、底面110側を拡大し、ペダル部材800を取り付ける様子を示す断面図である。
【0027】
まず、
図6(a)に示すように、ごみ容器本体100の前側の凹部121側から、底面110の収容凹部600内へ、ペダル部材800を収容する。具体的には、前側の凹部121側からペダル部材800の延出部850側を挿入する。その際、ペダル部材800の延出部850を、ペダル受け部630の上方と収容凹部600の底面610の間の空間650へ挿入している。ペダル部材800の延出部850は空間650を挿通できるように構成されているので、
図6(a)から(b)に示すように、ペダル部材800の延出部850を、凹部840がペダル受け部630に到達するまで、空間650内を挿通するように後方へ移動させられる。すると、
図6(b)に示すように、ペダル部材800が収容凹部600内に収容された状態となる。なお、ペダル部材800が収容凹部600内に収容された状態で、ペダル部材800の連結部830の軸孔831に、連結部材400のペダル連結軸430を連結させている。
【0028】
なお、ペダル部材800の延出部850の後端側は、連結部830が屈曲した形状をしているが、これに限定されず、ペダル部材800の延出部850の形状は、空間650に挿通できるように構成されていれば、任意の形状とすることができ、例えば、ペダル部材800の延出部850の後端側は、連結部830を含んだ全体の形状が直線状に延出する形状であってもよい。また、
図6(a)に示すように、ペダル部材800の延出部850において、空間650に挿通させる部分の上下方向の最大幅はL1(
図5(c)参照)となっている。そして、空間650を挿通する際の延出部850の最大幅L1は、空間650の上下方向の幅L2以下となっているので(つまり、L1≦L2)、ペダル部材800の延出部850を空間650に容易に挿通させることができる。
【0029】
そして、
図6(b)に示すように、凹部840の開口841から、凹部840内にペダル受け部630を挿通させ、ペダル部材800の凹部840をペダル受け部630に上方側から係合するように当接させている。そのため、ペダル部材800が、下方へ脱落しないように固定された状態となる。さらに、
図6(c)に示すように、凹部840と固定部材860とでペダル受け部630を挟み込んで、固定部材860を固定している。凹部840の開口841は、固定部材860の縁部861によって塞がれているので、凹部840に当接したペダル受け部630が、凹部840から不用意に外れることを防止できる。また、ペダル部材800は、ごみ容器本体100の前側から、底面110の収容凹部600内へ挿入して取り付けることができるため、ペダル部材800の取り付けが容易である。なお、ペダル部材800は、ごみ容器本体100の前側から、底面110の収容凹部600内へ挿入して取り付けられているが、これに限定されず、ペダル部材800が前後に分割される構成の場合は、ペダル部材800の分割された前側を、収容凹部600の前側から挿入し、ペダル部材800の分割された後側を収容凹部600の後側から挿入し、その前後に分割された部分同士を互いに連結して、
図6(b)に示すように、ペダル部材800が収容凹部600に取り付けられた状態としてもよい。
【0030】
次に、
図7にペダル部材800が操作されて蓋体200が開いた状態について説明する。なお、
図7(a)は、ペダル部材800が操作されて蓋体200が開いた状態のごみ容器Pの正面図、(b)は、B-B断面図である。
【0031】
図7に示すように、ペダル部材800の操作部820を足で踏んで下方へ押し下げると、反対側の連結部830は上方へ向けて回動する。すると、連結部830に連結された連結部材400の連結体410が上方へ移動し、連結部材400に連結された蓋体200が開くのである。
【0032】
また、ペダル部材800は、収容凹部600内のペダル受け部630の上方へ収容されると共に、凹部840がペダル受け部630に当接して、ペダル部材800がペダル受け部630の上方側から取り付けられた状態となっている。そのため、ペダル部材800の操作時に下方へ力がかかっても、ペダル部材800が下方へ脱落してごみ容器本体100から外れてしまうことを防止できる。
【0033】
また、固定部材860によって、ペダル部材800の凹部840がペダル受け部630に当接した状態を保持できるため、ペダル部材800がごみ容器本体100から外れてしまうことをより確実に防止できる。なお、
図6(b)及び(c)に示すように、固定部材860は、ペダル受け部630を挟み込んで固定する構成となっているが、これに限定されず、ペダル部材800の凹部840がペダル受け部630に当接した状態を保持できるのであれば、その他の構成であってもよい。例えば、
図6(b)に示す固定部材860の代わりに、ペダル部材800の凹部840をペダル受け部630に上方側から当接させた状態で、ペダル部材800の上側と収容凹部600の底面610との間の隙間を埋める固定部材を備えてもよい。固定部材が、ペダル部材800の上側と収容凹部600の底面610との間の隙間を埋めることで、ペダル部材800が上側へズレにくく、ペダル部材800の凹部840がペダル受け部630に当接した状態を容易に保持できるのである。
【0034】
また、ペダル部材800から足を外してペダル操作を解除すると、蓋体200の自重によって蓋体200は再び閉じ、蓋体200に連結部材400を介して連結されたペダル部材800も元の位置に戻るように上方へ回動する。
【0035】
また、ペダル部材800の操作部820を踏んで加えられる力は、人の足先の角度にもよるが、斜め下方、つまり、下方及び後方に向けて加わる。そして、斜め下方に力がかかると、
図7(b)に示すように、ペダル部材800は下方へ移動しつつ、後方へも移動する。ペダル部材800が後方へ押されるのに伴ってペダル部材800の凹部840も後方へ移動し、凹部840の後端位置842(
図6(c)参照)で当接していたペダル受け部630は、凹部840の前端位置843(
図7(b)参照)で当接することになる。このように、凹部840は、ごみ容器本体100の前後方向に延出しているので、ペダル部材800が踏まれた際に、ペダル部材800をごみ容器本体100の後方へ向けて移動させることが出来る。そのため、ペダル部材800が踏まれた際に、ごみ容器P全体が後方へ移動してしまうことを防止できる。なお、凹部840は、ペダル部材800がペダル受け部630に対して後方へ移動できるように、ごみ容器本体100の前後方向に延出しているが、これに限定されず、凹部840は、ペダル部材800がペダル受け部630に対して後方へ移動しないように、ペダル受け部630と略同一形状(例えば、略真円形状)としてもよい。
【0036】
<実施形態2>
次に、本願発明の実施形態2に係るごみ容器PAを、
図8に示す。なお、本実施形態2に係るごみ容器PAは、
図1から
図7に示す実施形態1に係るごみ容器Pと、ごみ容器本体100Aの収容凹部600Aのペダル受け部630Aの形状が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係るごみ容器Pと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。また、
図8(a)から(c)は、
図6の断面図と同様に、底面110A側を拡大し、ペダル部材800Aを取り付ける様子を示す断面図である。
【0037】
図8(a)に示すように、実施形態2に係るごみ容器PAのごみ容器本体100Aの収容凹部600Aに設けられた、ペダル受け部630Aの断面形状は、逆U字形状をしている。そして、ペダル部材800Aをごみ容器本体100Aの底面110Aに取り付ける際は、
図8(a)に示すように、ごみ容器本体100Aの前側の凹部121A側から、底面110Aの収容凹部600A内へ、ペダル部材800Aを挿入し、
図8(b)に示すように、ペダル部材800Aが収容凹部600A内に収容された状態とする。
【0038】
そして、
図8(b)に示すように、凹部840Aの開口841Aから、凹部840A内にペダル受け部630Aを挿通させ、ペダル部材800Aの凹部840Aをペダル受け部630Aに上方側から係合するように当接させている。そのため、ペダル部材800Aが、下方へ脱落しないように固定された状態となる。さらに、
図8(c)に示すように、凹部840Aと固定部材860Aとでペダル受け部630Aを挟み込んで、固定部材860Aを固定している。凹部840Aの開口841Aは、固定部材860Aの縁部861Aによって塞がれているので、凹部840Aに当接したペダル受け部630Aが、凹部840Aから不用意に外れることを防止できる。
【0039】
なお、
図8に示すように、ペダル受け部630Aは、断面形状が逆U字形状となるように構成されているが、これに限定されず、ペダル受け部は、
図6に示すように断面形状が円形状、又は、断面形状が横長楕円形状でもよく、ペダル受け部は、ペダル部材が脱落しないようにペダル部材の凹部と当接可能な形状であれば、任意の形状であってもよい。
【0040】
<実施形態3>
次に、本願発明の実施形態3に係るごみ容器PBを、
図9(a)に示す。なお、本実施形態3に係るごみ容器PBは、
図1から
図7に示す実施形態1に係るごみ容器Pと、ペダル部材800Bの凹部840Bの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係るごみ容器Pと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。また、
図9(a)は、
図6の断面図と同様に、底面110B側を拡大し、ペダル部材800Bを取り付けた様子を示す断面図である。
【0041】
図9(a)に示すように、ペダル部材800Bが収容凹部600B内に収容されて、ごみ容器本体100Bの底面110Bに取り付けられている。そして、ペダル部材800Bの凹部840Bは、前端位置843Bから下方へ延出する下部突出部844Bを備えている。そのため、ペダル部材800Bが後方へ移動しても、ペダル受け部630Bが、ペダル部材800Bの凹部840Bの下部突出部844Bに当接するため、ペダル部材800Bがそれ以上後方へ移動することを防止できる。その結果、ペダル受け部630Bが凹部840Bから外れて、ペダル部材800Bがごみ容器本体100Bの底面110Bから脱落してしまうことを防止できる。なお、ペダル部材800Bの連結部830Bの軸孔831Bに、連結部材400Bのペダル連結軸430Bを連結させているので、ペダル部材800Bが前方へ移動することを防止でき、ペダル受け部630Bが凹部840Bから外れて、ペダル部材800Bがごみ容器本体100Bの底面110Bから脱落してしまうことを防止できる。また、ペダル受け部630Bが凹部840Bから外れることを効果的に防止できるので、凹部840Bを下側から塞ぐ固定部材を設ける必要はない。
【0042】
<実施形態4>
次に、本願発明の実施形態4に係るごみ容器PCを、
図9(b)に示す。なお、本実施形態4に係るごみ容器PCは、
図1から
図7に示す実施形態1に係るごみ容器Pと、ペダル部材800Cの凹部840Cの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係るごみ容器Pと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。また、
図9(b)は、
図6の断面図と同様に、底面110C側を拡大し、ペダル部材800Cを取り付けた様子を示す断面図である。
【0043】
図9(b)に示すように、ペダル部材800Cが収容凹部600C内に収容されて、ごみ容器本体100Cの底面110Cに取り付けられている。そして、ペダル部材800Cの凹部840Cの一部には(
図9(b)では、前端位置843C側)、ペダル受け部630Cの下側に係合可能な抜け止め部845Cが設けられている。そのため、ペダル部材800Cが上方へ移動しても、ペダル受け部630Cが、凹部840Bの抜け止め部845Cに下側で当接するため、ペダル受け部630Cが凹部840Cから外れて、ペダル部材800Cがごみ容器本体100Cの底面110Cから脱落してしまうことを防止できる。また、ペダル受け部630Cが凹部840Cから外れることを効果的に防止できるので、凹部840Cを下側から塞ぐ固定部材を設ける必要はない。
【0044】
<実施形態5>
次に、本願発明の実施形態5に係るごみ容器PDを、
図10に示す。なお、本実施形態5に係るごみ容器PDは、
図1から
図7に示す実施形態1に係るごみ容器Pと、ペダル部材800Dの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係るごみ容器Pと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。また、
図10(a)は、実施形態5に係るペダル部材800Dの断面図、
図10(b)及び(c)は、実施形態5に係るごみ容器PDにおいて、
図6と同様に、底面110D側を拡大し、ペダル部材800Dを取り付ける様子を示す断面図である。
【0045】
図10(a)に示すように、ペダル部材800Dの本体部810Dの略中央には、凹部840Dが設けられている。凹部840Dは、本体部810Dの前後方向に延出した形状をしており、凹部840Dの内部にペダル受け部630Dを挿通できるように構成されている。また、凹部840Dの下側の一部は、下方へ開いた開口841Dとなっている。凹部840Dは、開口841Dの開口幅が広がるように弾性変形可能に構成されている。そして、凹部840Dが弾性変形する前の状態では、開口841Dの開口幅は、ペダル受け部630Dの幅(直径)よりも狭くなっている。そのため、凹部840Dに挿通して係合したペダル受け部630Dは、開口841Dから抜けることがないのである。なお、開口841Dを塞ぐように取り付けられる固定部材は任意で設けられる。
【0046】
次に、ペダル部材800Dをごみ容器本体100Dの底面110Dに取り付ける場合は、まず、
図10(b)に示すように、ごみ容器本体100Dの前側の凹部121D側から、ペダル部材800Dを収容する。具体的には、凹部121D側から収容凹部600D内へ、ペダル部材800Dの延出部850D側を挿入する。その際、ペダル部材800Dの延出部850Dを、ペダル受け部630Dの上方と収容凹部600Dの底面610Dの間の空間650Dへ挿入している。
【0047】
そして、
図10(c)に示すように、ペダル部材800Dの延出部850Dを、凹部840Dがペダル受け部630Dに到達するまで後方へ移動させる。さらに、凹部840Dを、開口841Dの開口幅が広がるように弾性変形させ、開口841Dを介して、凹部840D内にペダル受け部630Dを挿通させる。すると、ペダル部材800Dの凹部840Dがペダル受け部630Dに上方側から当接するので、ペダル部材800Dが下方へ脱落しないように固定された状態となる。
【0048】
このように、ペダル部材800Dの凹部840Dを弾性変形させることが出来るので、ペダル部材800Dをごみ容器本体100Dに取り付けやすいのである。また、ペダル部材800Dを取り付けた後、弾性変形していた凹部840Dを元の状態に戻せば、開口841Dの開口幅は、ペダル受け部630Dの幅(直径)よりも狭くなるので、凹部840Dに当接したペダル受け部630Dが、凹部840Dから不用意に外れることを防止できる。
【0049】
本願発明のごみ容器は、上記の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。