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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】操縦者同乗式の駆動アシスト電動装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/00 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
A61G5/00 702
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023076936
(22)【出願日】2023-04-17
(65)【公開番号】P2023168647
(43)【公開日】2023-11-28
【審査請求日】2023-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2022090510
(32)【優先日】2022-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523386382
【氏名又は名称】合同会社道設計
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】梅津 優
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-346836(JP,A)
【文献】特開2003-010257(JP,A)
【文献】特開2003-024391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種手動推進車両の駆動をアシストし、前記各種手動推進車両の後部から取り付ける駆動アシスト電動装置であって、
少なくとも1つの駆動輪を回転させる駆動部と、
前記駆動部による前記駆動輪の回転を制御する制御部と、
前記制御部の操作と前記各種手動推進車両の移動方向を操舵する操縦部と、
前記駆動部と前記制御部と前記操縦部に電力を供給するバッテリーと、
操縦者が乗車可能なステップと、
ヨーイング方向において、前記駆動輪を、前記操縦部による操舵方向と逆の方向に回転させる反転機能と、
を備える特徴とする駆動アシスト電動装置。
【請求項2】
前記駆動アシスト電動装置の自位置を測定可能な位置センサー部をさらに備え、
前記駆動アシスト電動装置が通過する歩道若しくは側道段差若しくは傾斜を測定可能な路面センサー部をさらに備え、
前記位置センサー部若しくは前記路面センサー部が測定した位置情報若しくは路面情報を組み合わせた地図情報を生成することを特徴とし、
また、無線通信部をさらに備え、
サーバ若しくは他の前記駆動アシスト電動装置と前記地図情報を送受信、蓄積、分析、予測、制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動アシスト電動装置。
【請求項3】
前記駆動アシスト電動装置の進行方向及び周囲に存在する障害物を検知可能な障害物検知センサー部をさらに備え、
前記障害物検知センサー部が検知した前記障害物若しくは前記地図情報に基づいて、前記制御部は前記駆動部による前記駆動輪の回転数を制御することを特徴とし、また、
前記地図情報に基づき前記操縦部による操舵と前記駆動輪の回転数を制御のうえ、前記駆動アシスト電動装置を目的地へ誘導することを特徴とする請求項2に記載の駆動アシスト電動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種手動推進車両に着脱可能で操縦者も同乗して操縦可能で、各種センサーや各種無線通信装置等からの各種情報でも制御可能な、駆動アシスト電動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車椅子に乗る使用者自身が操縦する電動車椅子は多数存在する。既存の手押し車椅子に着脱可能で車椅子に乗る使用者自身が操縦する駆動アシスト電動装置も存在はする。然しながら、介助者が操縦可能な電動装置は極めて限定的で選択肢が限られている。また、介助者も同乗可能で既存の手押し車椅子に着脱可能な駆動アシスト電動装置は存在しない。さらに、歩道や側道等の段差や傾斜等の路面情報に基づいた制御が可能な駆動アシスト電動装置は存在しない。
【先行技術文献】
【0003】
特許文献1には、「車椅子に着脱可能であり、車椅子の動力アシストを行う補助動力装置において、駆動手段は電動モータであって、負荷状態を検出する負荷検出手段をさらに有し、変位を開始した後に負荷が所定値よりも大きくなった場合、駆動を停止することを特徴とする車椅子の補助動力装置」が開示されている。また、特許文献2には、「モータの駆動により回転する電動車輪と、前記電動車輪のモータに電圧を印加する電気回路とから構成される電動補助機」が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、「電動車椅子の後部に介助者が立った状態で同乗出来るステップと介助者が操作できる操縦装置を設けたことを特徴とする介助者操縦型の二人乗り電動車椅子」が開示されている。
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001―327544号公報
【文献】特開2010-207454号公報
【文献】実用新案登録3131746号公報
【0006】
特許文献1乃至2に記載の「補助動力装置」や「電動補助機」は、手押し車椅子の駆動をアシストするモーター及びバッテリーによる電動補助機能を備えてはいるものの、車椅子に乗る使用者が自ら操縦することを想定した設計であるため、介助者が操縦できない不都合がある。
【0007】
また、特許文献3に記載のステップは介助者を同乗可能にし、さらに同特許文献3に記載の操縦装置は同乗した介助者が電動機能を操縦するが、操縦者を車椅子使用者から介助者に変更はしているものの、従来の4輪の電動車椅子を二人乗りに変更したため、車椅子そのものが大型化し重量が増し費用も高額となる不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既存の手押し車椅子等の各種手動推進車両において、着脱が可能であり、介助者による操縦が可能であり、介助者である操縦者がステップに同乗が可能であり、さらに各種センサーや各種無線通信装置等からの各種情報により駆動を制御可能とすることができれば、各種手動推進車両の操縦時の利便性を向上できる。
【0009】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、各種手動推進車両に後付けのうえ、操縦者もステップに同乗して操縦できるようにして、各種センサーや各種無線通信装置等からの各種情報による制御も可能にした、駆動アシスト電動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、駆動輪を回転させる駆動モーターと、駆動モーターの回転を制御する制御装置と、操縦者が制御装置の操作と左右方向の操舵を行う操縦装置と、駆動モーターと制御装置と操縦装置と各種センサーと無線通信装置に電力を供給するバッテリーと、操縦者も同乗可能とするステップと、自位置や路面状態を測定する各種センサーと、クラウド等のサーバ類と位置情報や路面情報を送受信する各種無線通信装置を備え、車椅子等の各種手動推進車両の駆動を電動によりアシスト及び制御することを特徴とする駆動アシスト電動装置である。
【0011】
本発明の一実施形態における駆動アシスト電動装置において、駆動輪を有して各種手動推進車両の駆動をアシストし、ステップを有し、操縦者はそのステップに乗車して駆動アシスト電動装置を操縦してもよいし、そのステップに乗車せずに折り畳んで駆動アシスト電動装置の電動アシスト機能で車椅子を押してもよい。また、各種手動推進車両に着脱しない場合、操縦者がステップに乗車する単独の電動移動装置であってもよい。
【0012】
駆動アシスト電動装置は、進行方向及び周囲に存在する障害物を検知可能な、超音波センサー、ミリ波レーダー、画像センサー、TOFセンサー、レーダー、LiDAR等の各種センサーをさらに備え、各種センサーが検知した障害物情報に基づいて、制御装置は駆動モーターによる車輪の回転数を制御する衝突回避機能、を備えてもよい。
【0013】
駆動アシスト電動装置は、ジャイロセンサー、加速度センサー、画像センサー、TOFセンサー、レーザー、LiDAR等の各種センサーを備え、駆動アシスト電動装置が通過する歩道や側道等の段差や傾斜等を測定のうえ記録する路面情報の収集や通知機能、を備えてもよい。
【0014】
駆動アシスト電動装置は、GPS、IMES、BEACON、Wi-Fi、RFID、UWB、Quupa、超音波、地磁気等の各種無線通信装置等をさらに備え、駆動アシスト電動装置の位置を測定のうえ記録する位置情報の収集機能、を備えてもよい。
【0015】
駆動アシスト電動装置は、3G、4G、5G、LPWA、ZigBee、Wi-Fi、BlueTooth、NFC、RFID、UWB等の各種無線通信装置をさらに備え、駆動アシスト電動装置が通過する位置情報に路面情報を付加した詳細地図生成機能と、前記詳細地図情報をクラウド等のサーバ類や他の駆動アシスト電動装置と送受信や蓄積及び更新する無線通信機能、を備えてもよい。
【0016】
駆動アシスト電動装置は、測定及び受信された位置情報及び路面情報に基づいて駆動アシスト電動装置を制御して、段差や路面状態に応じて経路を選択する機能、及び、速度やトルクを調整する制御機能、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の駆動アシスト電動装置によれば、車椅子等の各種手動推進車両に駆動アシスト電動装置を着脱可能となり、操縦者が前記駆動アシスト電動装置を操縦可能となり、操縦も同乗可能とするステップを設けたため操縦者を乗せて移動をすることもできる。
【0018】
さらに、障害物検知センサー、位置センサー、路面センサーを備えることにより、各種センサーからの信号に基づいて前記駆動アシスト電動装置を自動的に制御することができるだけではなく、無線通信装置を備えることにより位置情報及び路面情報が送受信可能となり、駆動アシスト電動装置同士だけでなく他の装置類にも蓄積された地図情報として提供及び活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の機構を示す外観図である。
図2】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の構成例のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の模式側面図である。
図4】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の模式背面図である。
図5】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の模式上面図である。
図6】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の駆動輪100を1輪、補助輪200を使用しない場合の、各種手動推進車両の一例である車椅子の後輪車軸との取付位置を示す模式側面図と模式背面図と模式上面図、及び、操舵と駆動輪100と車椅子の3つの移動方向を示す模式上面図である。
図7】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の駆動輪100を1輪、補助輪200を2輪とした場合の、操縦装置20と駆動輪100との間での操舵反転機能の例を示す模式側面図と模式背面図、及び、操舵と駆動輪100と車椅子の3つの移動方向を示す模式上面図である。
図8】本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の取付器具の先端構造を示す外観図、及び、本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の駆動輪100を1輪、補助輪200を2輪として、各種手動推進車両の一例である車椅子に取り付けた場合の、模式側面図と模式背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、諸図面を参照しながら、本発明の一実施態を説明する。本発明の一実施態において、各種手動推進車両に後方から着脱可能で、手動推進車両の駆動をアシストする電動装置が設けられており、手動推進車両を押す操縦者によって操縦され、操縦者が乗車するためのステップを設けたため、操縦者を乗せて移動可能とする、駆動アシスト電動装置1を提供することができる。なお、各種手動推進車両は、特に例えば、車椅子やベビーカー、ショッピングカート、空港トロリー、貨物運搬用台車、または、類似の手動推進車両である。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態の駆動アシスト電動装置1の機構を示す外観図である。
図1に示すように、駆動アシスト電動装置1は、ステップ10、操縦装置20、制御装置30、バッテリー40、駆動モーター50、無線通信装置60、位置センサー70、障害物検知センサー80、路面センサー90、駆動輪100、補助輪200を含む。尚、図3図4図5図6図7が示すように、例えば、駆動輪100は1輪であっても2輪であってもよいし、補助輪200は2輪であっても1輪であっても無くてもよい。
【0022】
ステップ10は、駆動アシスト電動装置1の操縦者が乗車することを目的とした踏台であり、駆動輪100や補助輪200により支えられる。本発明の一実施形態において、駆動アシスト電動装置1は、駆動アシスト電動装置1を操縦する操縦者を乗せた状態で、移動可能である。また、操縦者がステップ10に乗らない場合はステップ10を跳ね上げた状態にして、操縦者が駆動アシスト電動装置1を操縦しながら各種手動推進車両を押してもよい。ステップ10は、例えば、重さに耐える耐久性のある踏台であり、例えば、金属や合成樹脂等により構成されるが、これらの例に限られず、耐久性のある素材であればどのような素材で構成されてもよい。
【0023】
操縦装置20は、例えば、操舵ハンドルやジョイスティック等を含み、制御装置30を通じて駆動アシスト電動装置1の駆動モーター50の制御を可能にする。本発明の一実施形態において、駆動アシスト電動装置1の操縦者は、操縦装置20の操舵ハンドルやジョイスティック等を操縦することにより、駆動アシスト電動装置1を前後左右に全体的に動かすことができる。
例えば、車椅子に接続する場合、図が示すように、車椅子の後輪車軸間の同一直線上で車椅子の後輪と同一回転方向に駆動輪100を取り付けることで、操縦者は操縦装置20により車椅子等の各種手動推進車両の前輪キャスターを操舵することができる。
また、例えば、車椅子に接続する際に、図が示すように、車椅子の後輪車軸間の同一直線上に駆動輪100を取り付けない場合、操縦装置20と駆動輪100との間に歯車等を設けることで、操縦者は操縦装置20の操舵と同一方向に車椅子等の各種手動推進車両を操舵させることができる。
【0024】
制御装置30は、操縦装置20からの各種指示に基づいて、駆動モーター50に対して、前記指示に従った駆動を行うための制御信号を通知し、駆動輪100の回転を制御する。例えば、制御装置30は、操縦装置20からの指示に基づいて回転数を決定し、駆動モーター50に対して、所定の回転数で回転させるための制御信号を通知する。
【0025】
バッテリー40は、制御装置30を通じて、操縦装置20、駆動モーター50、無線通信装置60、位置センサー70、障害物検知センサー80、路面センサー90に電力を供給する。バッテリー40は、駆動モーターの回生により充電されてもよい。バッテリー40は、例えば、充電可能な畜電池や、取り換え可能な電池など、各種電池である。
【0026】
駆動モーター50は、制御装置30からの信号に基づき駆動輪100の回転を制御可能とする。駆動モーター50は、電源オフ時には空転して、操縦者が手動により駆動アシスト電動装置1を手押しすることを可能とする。駆動モーター50は、例えば、下り坂では回転を制御することで速度を抑えることが可能であり、また、回生により制御装置30を通じてバッテリー40への充電も可能である。
【0027】
無線通信装置60は、位置センサー70や路面センサー80が測定した位置情報や路面情報を、例えば、クラウド等のサーバ類や他の駆動アシスト電動装置1と送受信するする機能を備える。無線通信装置60は、例えば、3G、4G、5G、LPWA、ZigBee、RFID、Wi-Fi、BlueTooth、NFC、UWB等の各種無線通信装置である。
【0028】
位置センサー70は、駆動アシスト電動装置1の自位置を測定する機能を備える。位置センサー70により測定された位置情報に基づき、例えば、屋外や屋内の地図生成や位置整合しても良い。位置センサー70は、例えば、駆動アシスト電動装置1を目的地へ誘導してもよい。位置センサー70は、例えば、GPS、IMES、BEACON、Wi-Fi、RFID、UWB、Quupa、超音波、地磁気等の各種センサーである。
【0029】
障害物検知センサー80は、例えば、駆動アシスト電動装置1の主に進行方向及び周囲に存在する障害物を検知する機能を備える。障害物検知センサー80が検知した障害物情報は、制御装置30に出力され、同時に操縦装置20に出力されることで操縦者にも通知される。障害物検知センサーは、例えば、超音波センサー、ミリ波レーダー、画像センサー、TOFセンサー、レーダー、LiDAR等の各種センサーである。
【0030】
路面センサー90は、例えば、駆動アシスト電動装置1が通過する歩道や側道等の段差や傾斜等を測定する機能を備える。路面センサー90により測定された歩道や側道等の段差や傾斜等の路面情報に基づき、例えば、制御装置30を通じて駆動モーター50を制御可能である。路面センサー90は、例えば、ジャイロセンサー、加速度センサー、画像センサー、TOFセンサー、レーザー、LiDAR等の各種センサーである。
【0031】
駆動輪100は、駆動モーター50の動力を伝達し、駆動アシスト電動装置1を移動させるための車輪であり、補助輪200は、ステップ10を支える車輪である。
例えば、駆動輪100が1輪の場合、駆動アシスト電動装置1の進行方向に対して左又は右に向くように物理的に操舵してもよい。
また、例えば、駆動輪100が2輪の場合、駆動モーター50が2つ設けられ、操縦装置20のジョイスティック等から制御装置30に左右の回転速度の差を指示し、駆動アシスト電動装置1の進行方向を左右に変更可能である。駆動輪100や補助輪200の材質は、例えば、樹脂製のタイヤなどの各種タイヤを用いることができる。
【0032】
図5の右部は、駆動アシスト電動装置1の駆動機能及び制御機能を示すブロック図である。図5の右部に示すように、操縦装置20、制御装置30、バッテリー40、駆動モーター50の構成により、各種手動推進車両の駆動をアシストする電動装置としての基本機能となる駆動機能及び制御機能を備える。
【0033】
図5の左部は、駆動アシスト電動装置1のセンシング及び無線通信機能を示すブロック図である。図5の左部に示すように、位置センサー70、障害物検知センサー80、路面センサー90は、制御装置30に信号を通知する機能を備える。
【0034】
図5の左部にある、位置センサー70により測定された位置情報と、路面センサー90により測定された歩道や側道等の段差や傾斜等の路面情報を重ね合わせて、無線通信装置60を通じてクラウド等のサーバ類や他の駆動アシスト電動装置と送受信することが可能である。本発明の一実施形態において、無線通信装置60から受信した蓄積情報より、駆動アシスト電装置1の進行方向及び周辺の路面状態の予測が可能である。
【0035】
制御装置30は、操縦装置20からの操縦者による操縦情報に基づき制御されるが、例えば、位置センサー70、障害物検知センサー80、路面センサー90からの各種リアルタイム情報や、さらに、例えば無線通信装置60からの蓄積情報に基づいて、駆動モーター50を制御することも可能である。
【0036】
本発明の一実施形態において、駆動アシスト電動装置1の進行方向及び周辺に存在する障害物や路面状態を、障害物検知センサー80や路面センサー90及び位置センサー70が検知するか無線通信装置60から受信した蓄積情報から予測して、制御装置30は駆動アシスト電動装置1を減速または停止させるか否かを判定可能である。
例えば、制御装置30は、駆動アシスト電動装置1の進行方向及び周辺に障害物や段差等をリアルタイムに検知した場合、駆動アシスト電動装置1を減速または停止させると判定し、駆動モーター50に減速または停止信号を通知する。
また、制御装置30は、例えば、無線通信装置60から受信した蓄積情報に基づいて駆動アシスト電動装置1の進行方向及び周辺にある障害物や段差等と一定の距離に近づいた場合、駆動アシスト電動装置1を減速または停止させるまでの時間を計算し、前記時間内に減速または停止させることを駆動モーター50に要求する。
駆動モーター50は、制御装置30からの要求に応じて駆動輪100の回転を制御して、要求時間内に駆動アシスト電動装置1を減速または停止可能である。
【0037】
本発明の一実施形態において、図10が示す通り、駆動アシスト電動装置1は各種手動推進車両のフレームやハンドル等に後方から上下左右の合計4点以上で取り付けられる。上部は固定されていても良いし、駆動輪100を直接左右に操舵するように取り付けても良い。下部は駆動輪が通行面と設置するように取り付けられる。駆動アシスト電動装置1の取付器具は、あらゆる各種手動推進車両に取り付けられるように、例えば、その長さが伸縮しても良いし、さらに上下左右に稼働しても良いし、また、例えば、その先端はフレームやハンドルを挟んで締める構造により着脱を容易にしても良い。
【0038】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに。注意されたい従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各段階やステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段や段階やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 駆動アシスト電動装置
10 ステップ
20 操縦装置
30 制御装置
40 バッテリー
50 駆動モーター
60 無線通信装置
70 位置センサー
80 障害物検知センサー
90 路面センサー
100 駆動輪
200 補助輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8