IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニの特許一覧

特許7555216食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法
<>
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図1
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図2
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図3
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図4
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図5
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図6
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図7
  • 特許-食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20240913BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240913BHJP
   A23G 9/22 20060101ALN20240913BHJP
【FI】
A23L5/00 Z
G06F3/0481
A23G9/22
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020136116
(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公開番号】P2021036862
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】102019000015485
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】KARADENIZ A.M. et al.,Digital Twin of eGastronomic Things: A Case Study for Ice Cream Machines,2019 IEEE International Symposium on Circuits and Systems (ISCAS),2019年05月,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00-5/49
A23G 9/00-9/52
G06F 3/00-3/18
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を処理するための機械(10)を管理するためのサポートシステム(1)であって、
少なくとも1つの第1の画像(IM1)を取り込むように構成された少なくとも1つのカメラ(200)を備える拡張現実バイザーデバイス(20)と、
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)を送信し、拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を受信するように構成された第1のデータ交換モジュール(204)と、
食品を処理するための機械(10)であって、食品を受け取るように構成された処理チャンバ(100)と、前記処理チャンバ内の前記食品に処理プロセスを適用するように構成されたアクチュエータ(104)と、前記第1のデータ交換モジュール(204)に接続可能な第2のデータ交換モジュール(108)と、を備える機械(10)と、を備え、
食品を処理するための前記機械(10)は、前記第2のデータ交換モジュール(108)に接続された処理および制御ユニット(106)をさらに備え、
前記処理および制御ユニット(106)は、
前記第2のデータ交換モジュール(108)を介して前記バイザーデバイス(20)から前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)を受信し、
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)内の複数の実要素(O1-O4)を識別し、
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)に含まれる、またはそこから抽出される情報に基づいて、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を生成するように構成され
前記バイザーデバイス(20)が、少なくとも1つの第2の画像(IM2)を表示するように構成された少なくとも1つのディスプレイ(202)を備え、
前記処理および制御ユニット(106)は、
第2の画像(IM2)を生成し、
前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を前記少なくとも1つの第2の画像(IM2)に組み込み、
前記第2のデータ交換モジュール(108)を介して前記少なくとも1つの第2の画像(IM2)を前記バイザーデバイス(20)に送信するように構成され、
食品を処理するための前記機械(10)がメモリ(126)を備え、前記メモリ(126)には、前記拡張現実グラフィック要素(G1-G6)が記憶されており、前記拡張現実グラフィック要素(G1-G6)は、
食品を処理するための前記機械(10)の操作および/または設置および/またはメンテナンスに関する、および/または、
前記機械(10)の構成要素の複数の幾何学的/寸法/色情報項目、および/または前記ユニット(106)が識別するように構成されているオブジェクトに関する、サポートシステム。
【請求項2】
前記拡張現実グラフィック要素(G1-G6)は、音声および/またはグラフィック要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)は、テキスト要素、幾何学的要素、グラフィック接続要素および/または前記実オブジェクトの(O1-O4)の静的および/またはアニメーションの仮想再構成を含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)内の前記1つまたは複数の実要素(O1-O3)が、前記機械(10)の部品または構成要素を示す、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理および制御ユニット(106)が、前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G4)を1つまたは複数の識別された実要素(O1-O3)に関連付けるように構成される、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)は、第1のピクセルマトリックスで構成され、
前記少なくとも1つの第2の画像(IM2)は、第2のピクセルマトリックスで構成され、前記第2のピクセルマトリックスのピクセルは、前記第1のピクセルマトリックスのピクセルと事前に規定された一致を有し、
前記1つまたは複数の実要素(O1-O4)は、前記第1のピクセルマトリックスの第1の領域(R1-R4)に位置し、
前記第1のピクセルマトリックスの前記第1の領域(R1-R4)は、前記第2のピクセルマトリックスの第2の領域(I1-I4)に対応する、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
食品を処理するための前記機械(10)が液体または半液体食品を処理するための機械であり、前記処理チャンバ(100)が液体または半液体ベース製品を処理するための容器を備え、前記アクチュエータ(104)が前記処理容器内で前記製品を混合するための撹拌機を備え、食品を処理するための前記機械(10)が前記処理容器(100)に関連付けられた熱交換器(112、114)を有する熱処理システム(110)をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
食品を処理するための前記機械(10)が、前記処理および制御ユニット(106)に接続され且つ前記機械(10)の動作および/または状態パラメータを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ(124)を備え、前記処理および制御ユニット(106)は、
前記動作および/または状態パラメータを受け取り、
検出された前記パラメータを示す拡張現実グラフィック要素(G5)を生成するように構成される、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理および制御ユニット(106)が、前記少なくとも1つの第2の画像(IM2)に、検出された前記パラメータを示す前記拡張現実グラフィック要素(G5)を組み込むように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理および制御ユニット(106)は、前記アクチュエータ(104)を駆動するように構成される、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
食品を処理するための前記機械(10)がオーブンであり、前記アクチュエータ(104)が前記食品を熱処理するための1つまたは複数の加熱要素を備える、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
食品を処理するための機械(10)を管理するためのサポート方法であって、
請求項1から11のいずれか1項に記載の食品を処理するための機械(10)および拡張現実バイザーデバイス(20)を含むシステム(1)を準備することと、
前記カメラ(200)で少なくとも1つの第1の画像(IM1)を取り込むことと、
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)内の1つまたは複数の実要素(O1-O4)を識別することと、
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)に含まれている、またはそこから導出された情報に基づいて、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を生成することと、を含み、
前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を少なくとも1つの第2の画像(IM2)に組み込むステップと、
前記バイザーデバイス(20)の前記少なくとも1つのディスプレイ(202)で少なくとも1つの第2の画像(IM2)を表示するステップと、をさらに含む、方法。
【請求項13】
識別された前記1つまたは複数の実要素(O1-O4)が、前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)内の1つまたは複数のオブジェクトの位置を示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G4)を、識別された前記1つまたは複数の実要素(O1-O4)に関連付けるステップを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
食品を処理するための前記機械(10)の操作および/または設置および/またはメンテナンスに関する前記拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を格納するために使用されるメモリ(126)を準備することと、
前記バイザーデバイスの前記ディスプレイ(202)上に、前記機械(10)の正しい操作を表示するためのオプションおよび/または前記機械(10)のメンテナンスのためのオプションを含むメニュー(G6)を表示することと、
あるオプションが前記メニュー(G6)から選択されると、当該オプションに関連付けられた拡張現実グラフィック要素(G1-G6)のセットを前記メモリ(126)から取得することと、
前記セットの1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を表示することと、を含む請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのセンサ(124)を準備するステップと、
前記少なくとも1つのセンサ(124)で、食品を処理するための前記機械(10)の動作および/または状態パラメータを検出するステップと、を含み、
前記少なくとも1つの第1の画像(IM1)に含まれている、またはそこから導出された情報に基づいて、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を生成することは、検出された前記動作パラメータを示す少なくとも1つの拡張現実グラフィック要素を含む拡張現実グラフィック要素(G5)を生成するステップを含む請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサ(124)によって検出された前記動作および/または状態パラメータが、前記機械(10)の正しい動作を示す、事前に規定された間隔内にあるかどうかをチェックするステップと、
前記動作および/または状態パラメータが前記事前に規定された間隔外にある場合、警告メッセージを規定する拡張現実グラフィック要素(G5)を生成するステップと、を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
生成された前記拡張現実グラフィック要素(G5)を前記少なくとも1つの第2の画像(IM2)に組み込むステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の画像(IM1)に存在する、またはそこから導出される情報に基づいて1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)を生成する前記ステップが、前記機械で食品を調製するためのレシピを作成するための支援手順を規定する1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)のシーケンスを生成することを含む、請求項12から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)の前記シーケンスの前記1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素(G1-G6)が、前記ベース製品を選択すること、前記ベース製品の量を計算すること、前記ベース製品の混合および混合物の処理のための指示に関する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を処理するための機械、例えば、液体または半液体食品を処理するための機械を管理するためのサポートシステムおよび対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品を処理するための従来技術の機械は、組立エンジニア/設置者/エンドユーザに、これらのオペレータが当該業界における日常業務(例えば、機械のセットアップ、機械のメンテナンス、レシピを使用した生産、機械のクリーニングなど)の過程において機械に対して実行するように要求される様々な操作に対して即座にサポートを提供するいかなるシステムも備えていない。
【0003】
さらに、何らかの形のサポートが考えられる場合でさえ、それは通常、リモートサポート手段(例えば、電話)を介して提供され、リモートサポート要員と機械に対して作業するオペレート要員との間に誤解が生じ得るという欠点がある。
【0004】
したがって、業界では、生産機械の設置、メンテナンス、および/または運転に関連する時間を短縮する必要性が感じられている。
【0005】
さらに、そのような設置およびメンテナンスには人的エラーがないことが望ましい。
【0006】
したがって、食品を処理するための機械で作業する技術スタッフ(設置および組立エンジニア)が感じている必要性は、機械の設置時間とエラーを減らすことである。
【0007】
この場合に機械の(エンド)ユーザが感じているもう1つの必要性は、機械のウォッシング/クリーニングおよびメンテナンスにかかる時間とエラーを減らすことである。
【0008】
機械のユーザが感じているもう1つの必要性は、レシピの実行および機械により実行可能な作業プログラムの管理に関する包括的で効果的なサポートを受けることである。作業プログラムは、非限定的な例として、バッチ冷凍および/または調理/ベーキングプログラムである。
【0009】
一般的に言えば、この業界では、機械に対して実行するように要求される特定のアクティビティについて技術スタッフ(組立およびメンテナンスエンジニア)および/または機械のエンドユーザのための専門的なトレーニングの時間とコストを削減する一般的な必要性があることも強調されるべきである。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明は、本開示に従って(任意の種類の)食品を処理するための機械の管理のためのサポートシステムを提供することによって、上記の必要性を満たすことを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の技術的特徴は、上記の目的に関連して、添付の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、以下の詳細な説明から、本発明の例である非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して、より明らかである。
図1】本発明の1つまたは複数の実施形態による機械の概略図である。
図2】1つまたは複数の実施形態によるシステムの概略図である。
図3-8】1つまたは複数の実施形態の態様および特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照すると、数字10は、食品を処理するための本発明の機械を示す。
【0013】
この開示で使用される「処理する」とは、処理の目的で食品に対して行われる、例えば、熱的な、機械的な、化学的な、クリーニングまたはその他の種類のあらゆる行為を意味する。
【0014】
例えば、処理するには、食品と接触する表面のクリーニングが含まれてもよく、機械10は、食器洗い機を含んでもよい。
【0015】
機械10は、食品を製造するためのいかなる機械であってもよい。
【0016】
しかしながら、以下では、単純化および理解の容易さのために、そして一般性を失うことなく、機械10は、例えば、低温殺菌などの熱処理を実行したり、アイスクリーム製品を製造したりするのに適している、液体または半液体製品を(熱的に)処理するように設計された機械として説明される。
【0017】
図1に示される液体または半液体食品を処理するための機械10は、好ましくは、アイスクリーム、ベーカリおよび製菓などの分野の製品(非限定的な例として、ジェラート、ソフトサーブアイスクリーム、グラニタス、ミルクシェイク、ヨーグルト、フローズンデザート、チルドクリームなど)を製造するための機械であり、したがって、熱処理(低温殺菌)用の容器を備えたアイスクリーム(ソフトサーブまたは手作りジェラート)を製造するための機械を含んでもよい。
【0018】
例えば、液体または半液体製品などの食品を処理するための機械10は、
図1に示すように、食品を受け入れるように構成された処理チャンバ100と(機械10は、好ましくは、液体または半液体のベース製品を処理し、処理チャンバ100を画定するための容器102を備えてもよい)、
図1に示すように、処理チャンバ100内の食品に処理プロセスを適用するように構成された少なくとも1つのアクチュエータ104であって、好ましくは、処理チャンバ100の内部の製品を混合する(好ましくは、容器102の内部に取り付けられている)撹拌機を含んでもよい、アクチュエータ104と、
処理および制御ユニット106と、
処理および制御ユニット106に接続された(例えば、含まれた、または結合された)データ交換モジュール108、好ましくは、無線トランシーバと、を備える。
【0019】
この開示で使用される「アクチュエータ」とは、食品に対して(例えば、機械的、熱的、または化学的など、あらゆる種類の)プロセスを実行するために動作する、あらゆる機械的、電気的、電子的またはその他の要素を意味する。
【0020】
一態様によれば、アクチュエータ104は、1つまたは複数の加熱および/または冷却要素によって規定されてもよい。
【0021】
より一般的に言えば、機械10は、あらゆる種類の食品を処理するための機械であってよく、例えば、オーブン、冷蔵庫、混練機、アイスクリーム/ベーカリおよび製菓業界用の機械または他の機械であってよい。
【0022】
食品を処理するための機械10がオーブンである場合、機械10は、
食品を熱処理するように構成された1つまたは複数の加熱要素(この開示では、製品に対して動作する「アクチュエータ」とも呼ばれる)、
製品の処理温度を調整するための1つまたは複数の制御部、
製品に対する1つまたは複数の熱サイクルを調整できる1つまたは複数の制御部、
ファンの速度およびオン/オフの時間サイクルを調整するための1つまたは複数の制御部、および、
オーブン内の湿度を制御および調整するための1つまたは複数の制御部、のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0023】
本発明の一態様によれば、処理および制御ユニット106は、例えば、アクチュエータ104をオンおよびオフに切り替えることによって、および/またはその動作状態を変更することによって、アクチュエータ104(または機械10が複数のアクチュエータ104を含む場合には複数のアクチュエータ)を駆動するように構成される。
【0024】
図1に示されるように、食品を処理するための機械10はまた、処理容器102に関連付けられた熱交換器112を含む熱処理システム110を含んでもよい。
【0025】
図1の非限定的な例に示されるように、機械10は、撹拌機を回転駆動するために撹拌機104に接続されたモータを含んでもよい。好ましくは、モータは、処理および制御ユニット106に接続される。
【0026】
別の態様によれば、熱システム110は、処理容器102に関連付けられた熱交換器112と、さらなる熱交換器114と、圧縮機116と、減圧要素118とを備える。熱交換器112、さらなる熱交換器114、圧縮機116、および減圧要素118は、熱交換器流体を含む回路を規定することに留意されたい。
【0027】
換言すれば、熱システム110は、(熱交換器流体を使用して熱力学的サイクルに従って動作するように構成された)熱力学的システムである。
【0028】
別の態様によれば、機械10は、少なくとも1つのユーザ操作可能な制御部(好ましくは複数の制御部)を含み且つ処理および制御ユニット106に接続されたユーザインタフェース120を含む。好ましくは、インタフェース120は、ユーザ操作可能な起動および選択制御部および/または押しボタンを備える。
【0029】
さらに別の態様によれば、機械10は、液体または半液体のベース製品を処理するための処理容器100に接続され且つ製品が容器100から抽出されることを可能にするディスペンサ122を備える。ディスペンサ122は、好ましくは、処理された製品を分配することを可能にするユーザ操作可能なレバーを含む。
【0030】
図2は、本発明による食品を処理するための機械10を管理するためのサポートシステム1の非限定的な例を示す。図2に示されるように、システムは、処理チャンバ100、アクチュエータ104、およびデータ交換モジュール108を備える、例えば、上述のタイプの機械10を備える。
【0031】
サポートシステム1はまた、拡張現実バイザーデバイス20、すなわち、ユーザが自分の目で知覚するものに重ねられるマルチメディア情報(電子的に操作および伝達される)を通じて感覚体験を強化できるデバイスを含む。
【0032】
バイザーデバイス20は、
少なくとも1つの第1の画像IM1を取り込むように構成された少なくとも1つのカメラ200と、
少なくとも1つの第2の画像IM2を表示するように構成された少なくとも1つのディスプレイ202と、
第1の画像IM1を送信し、第2の画像IM2を受信するように構成された、機械10のデータ交換モジュール108に接続可能な(および類似の)データ交換モジュール204と、を備える。
【0033】
1つまたは複数の実施形態において、カメラ200は、写真カメラ、例えば、スマートフォンの写真カメラを含んでもよい。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、バイザーデバイス20は、ユーザの頭に装着されるデバイス、すなわち、例えば、拡張現実ゴーグルであるヘッドマウントディスプレイ(HMD)、および/または、例えば、タブレット、PCまたはスマートフォンであるポータブルデバイスまたはハンドヘルドディスプレイ、および/または、例えば、ビデオプロジェクタ、ホログラム、無線周波数タグである空間デバイスまたはディスプレイを含んでもよい。以下では、単純化且つ理解を容易にするために、一般性を失うことなく、ヘッドマウントバイザー20について言及がなされる。
【0035】
処理および制御ユニット106は、データ交換モジュール108に接続されている(例えば、データ交換モジュール108に結合されている、またはデータ交換モジュール108を備える)。
【0036】
この説明が続くにつれて明らかになるように、データ交換モジュール108、204が接続されると、処理および制御ユニット106は、
バイザーデバイス20から、データ交換モジュール108によって取り込まれた第1の画像IM1を受信し、
機械10の部品または構成要素を示してもよい、第1の画像IM1内の複数の実要素O1、O2、O3を識別し、
任意選択的に、1つまたは複数の拡張現実要素G1-G4を複数の実要素O1-O3の1つまたは複数の実要素O1-O3に関連付ける、ように構成される。
【0037】
「拡張現実要素」という表現は、第1の画像IM1に存在する、またはそこから導出可能な情報に基づいて(例えば、第1の画像IM1内の識別された1つまたは複数の実要素O1-O3に基づいて)生成されたあらゆるグラフィック要素(テキストを含む)および/または音声要素を意味するために使用される。
【0038】
任意選択的に、処理および制御ユニット106は、
第2の画像IM2を生成し、
1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素G1-G5を第2の画像IM2に組み込み、
(拡張現実要素を含む)第2の画像IM2を、バイザーデバイス20のデータ交換モジュール204を介してバイザーデバイス20に送信する、ように構成される。
【0039】
任意選択的に、バイザーデバイス20は、音声再生手段を備えてもよく、処理および制御ユニット106は、任意選択的に、1つまたは複数の拡張現実音声要素を複数の実要素O1-O3の1つまたは複数の実要素O1-O3に関連付けるように構成される。
【0040】
したがって、バイザーデバイスは、オペレータ(セットアップまたはメンテナンスエンジニア、機械のエンドユーザなど)にグラフィック表示および/または音声表示を提供でき、機械に対して実行される様々なアクティビティ(例えば、セットアップ、メンテナンス、製品の準備、レシピの作成、クリーニングなど)を支援する。
【0041】
拡張現実要素G1-G5は様々な種類であってもよく、例えば、テキスト要素、幾何学的要素、グラフィック接続要素(例えば、矢印)、および/または1つまたは複数の領域で識別された実際のオブジェクトの静的および/または動的な仮想再構成を含んでもよい。
【0042】
本発明の一態様によれば、処理および制御ユニット106は、機械10の処理および制御ユニットの機能と、拡張現実バイザーデバイス20を管理するためのコンピュータの機能とを同時に果たしてもよい。処理および制御ユニット106は、機械10の制御カードを含んでもよい。したがって、機械10は、拡張現実コンテンツを備え且つ管理してもよい。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、食品を処理するための機械10は、処理および制御ユニット106に接続(例えば、結合または挿入)され且つ食品を処理するための機械の操作および/または設置および/またはメンテナンスに関する複数の拡張現実要素G1-G5を含むメモリ126を備えてもよい。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、メモリ126は、機械10の構成要素の複数の幾何学的/寸法/色情報項目、および/または処理ユニット106が識別するように構成されるオブジェクト(ユーザの上肢など)を含んでもよい。
【0045】
したがって、第1の画像IM1内の複数の実要素O1、O2、O3を識別するステップは、当業者に既知の方法で、キャプチャされた第1の画像IM1をメモリ126に格納された情報と比較することを含んでもよい。
【0046】
1つまたは複数の実施形態では、メモリ126は、機械10の構成要素、および/または処理ユニット106が識別するように構成されたオブジェクト(ユーザの上肢など)を表す複数の画像を含んでもよい。したがって、第1の画像IM1内の複数の実要素O1、O2、O3を識別するステップは、当業者に既知の方法で、キャプチャされた第1の画像IM1をメモリ126に格納された画像と比較することを含んでもよい。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、メモリ126は、機械10のライフサイクルおよび/またはイベント履歴に関する情報を含んでもよく、処理および制御ユニット106は、ライフサイクルおよび/またはイベント履歴を管理するように構成されてもよい。
【0048】
本発明の一態様によれば、カメラ200は、ユーザの視野をカバーする第1の画像IM1を取り込むようにバイザーデバイス20上に配置されてもよい。言い換えると、図2に示すように、ユーザの視野は少なくとも部分的に少なくとも1つのカメラ200上にオーバーレイされ、ここで、破線はユーザの目が見ているものと画像平面においてカメラ200によってキャプチャされたものとを示す。
【0049】
図3から図6は、バイザーデバイス20および処理および制御ユニット106に関する本発明のいくつかの態様を例示している。特に、図3は、バイザーデバイス20によってキャプチャされた第1の画像IM1の非限定的な例を示し、図4および5は、機械10の制御ユニット106によって生成された第2の画像IM2の非限定的な例を示し、図6は、拡張現実バイザーデバイス20を装着したユーザが使用中にディスプレイ202上で見るものの非限定的な例を示す。
【0050】
図2および3を参照すると、バイザーデバイス20を着用して機械10を見るユーザは、カメラ200が機械10またはその一部の画像10’を取り込むことを可能にし得る。第1の画像IM1は機械10の処理および制御ユニット106によって処理されてもよく、複数の実要素O1、O2、O3は第1の画像IM1において識別されてもよい。複数の実要素O1、O2、O3の各実要素Oiは、第1の画像IM1内の対応する第1の領域Riの範囲を定めてもよい。
【0051】
1つまたは複数の実施形態では、第1の画像IM1は第1のピクセルマトリックスからなり、第1の領域R1-R3はそれぞれ、第1のピクセルマトリックスの複数のピクセルを含む。
【0052】
1つまたは複数の実施形態では、第2の画像IM2は第2のピクセルマトリックスからなり、第2のピクセルマトリックスのピクセルは、第1のピクセルマトリックスのピクセルと事前に規定された一致(例えば、1対1)を有する。このようにして、第2の領域I1、I2、I3を第1のピクセルマトリックスの第1の領域R1-R3と関連付けることができ、第1のピクセルマトリックスの各第1の領域R1-R3は、第2のピクセルマトリックスのそれぞれの第2の領域I1-I3と一致し得る。
【0053】
したがって、本発明の一態様によれば、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素G1-G4は、第2の画像IM2内、少なくとも部分的に第2の領域I1-I3内に配置され得る。例えば、拡張現実グラフィック要素G1およびG3は、第2の領域I1およびI2を拡張現実グラフィック要素G2およびG4にリンクする拡張現実接続グラフィック要素(例えば、線または矢印)を含んでもよい。
【0054】
言い換えると、拡張現実グラフィック要素G1-G4は、ディスプレイに投影された場合、最適な位置でバイザーデバイス20を介してオペレータの目で見られるように、実オブジェクトO1-O3および機械10の画像上にオーバーレイされてもよい。
【0055】
1つまたは複数の実施形態では、実要素O1、O2、O3が識別されると、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素G1、G2、G3、G4をそれらに関連付けることができる。図3-5に示す非限定的な例では、拡張現実グラフィック要素G1、G2は、領域R1によって区切られた実要素O1に関連付けられ、拡張現実グラフィック要素G3、G4は、領域R2によって区切られた実要素O2に関連付けられ、実要素O3に関連付けられているグラフィック要素はない。
【0056】
拡張現実グラフィック要素G1-G4は、ユーザの感覚体験を強化し、ユーザが機械10上で実行しなければならないアクション、例えば、その設置、メンテナンスおよび/または使用を容易にするように構成されてもよい。
【0057】
本発明の一態様によれば、食品を処理するための機械10は、図1に示すように、機械10の動作および/または状態パラメータを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ124を備えてもよい。当該パラメータは、例えば、処理チャンバ100内の温度および/または圧力、および/または処理チャンバ100内に供給される、または処理チャンバ100内に存在する、または処理チャンバ100から得られる食品の量である。
【0058】
したがって、少なくとも1つのセンサ124に動作可能に接続されている処理および制御ユニット106は、
動作および/または状態パラメータを受け取り、
検出されたパラメータを示す少なくとも1つのテキスト要素を含み得るグラフィック要素G5を生成し、
生成されたグラフィック要素G5を第2の画像IM2に組み込むように構成されてもよい。
【0059】
図4に示すように、グラフィック要素G5は、第2の画像IM2の周辺部分に組み込まれてもよい。
【0060】
図4に示すように、グラフィック要素G5は、センサ124によって検出された値の表示を含んでもよい。
【0061】
追加的に、または代替的に、図5に示されるように、処理および制御ユニット106は、
少なくとも1つのセンサ124によって検出された動作および/または状態パラメータが、機械の正しい動作を示す、事前に規定された間隔内にあるかどうかをチェックし、
動作および/または状態パラメータが事前に規定された間隔外にある場合に、警告メッセージを規定するグラフィック要素G5を生成し、
生成されたグラフィック要素G5を第2の画像IM2に組み込むように構成されてもよい。
【0062】
1つまたは複数の実施形態では、処理および制御ユニット106は、データ交換モジュール108、204を介して第2の画像IM2をバイザーデバイス20に送信するように構成されてもよい。図6に示されるように、バイザーデバイス20は、第2の画像IM2を表示するように構成されてもよい。
【0063】
本発明の一態様によれば、バイザーデバイス20のディスプレイ202は、光に対して透過性(例えば、透明)のレンズを含んでもよく、ユーザの視野に重ねられた第2の画像IM2を表示するように構成されてもよい。例えば、画像は、プロジェクタによってレンズに投影されてもよい。言い換えれば、ディスプレイ202はゴーグルレンズと見なされてもよく、ユーザは実際のオブジェクト、例えば機械10に重ねられた拡張現実グラフィック要素G1-G5を同時に見ることができる。
【0064】
また、食品を処理するための機械10の管理(例えば、設置、メンテナンス、使用)のためのサポート方法も規定されている。この方法は、
上記のような食品を処理するための機械10および拡張現実バイザーデバイス20を含むシステム1を準備することと、
バイザーデバイス20のカメラ200で少なくとも1つの第1の画像IM1を取り込むことと、
少なくとも1つの第1の画像IM1内の1つまたは複数の実要素O1-O3を識別することと、
例えば図4に示すように、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素G1-G5を少なくとも1つの第2の画像IM2に組み込むことと、
バイザーデバイス20の少なくとも1つのディスプレイ202で少なくとも1つの第2の画像IM2を表示することと、を含む。
【0065】
本発明の一態様によれば、画像IM1において識別される1つまたは複数の実要素O1-O4は、例えばディスペンサ122、ユーザインタフェース120または機械10の機構へのアクセスを与えるドアなど(図8を参照)、少なくとも1つの第1の画像に機械の1つまたは複数の構成要素の位置を示してもよい。この方法は、例えば図4に示すように、1つまたは複数の拡張現実グラフィック要素G1-G4を、識別された1つまたは複数の実要素O1-O3に関連付けることを含んでもよい。
【0066】
本発明の一態様によれば、この開示によって提供される方法は、食品を製造するための一連のステップを通じてユーザを段階的にサポートする(stepping)ことを可能にする。
【0067】
非限定的な例として、食品を処理するための機械はオーブンであってもよく、この方法は、甘いベーカリ製品の調製のためのサポートをユーザに提供してもよい。例えば、方法は、ベース製品の選択、ベース製品の量の計算、ベース製品の混合、および機械での混合物の処理のステップを容易にすることができる。
【0068】
1つまたは複数の実施形態において、方法は、
少なくとも1つのセンサ124、例えば、温度および/または圧力センサ、および/または処理チャンバ100内に存在する、または供給される、または処理チャンバ100内の処理から得られる製品の量を検出するセンサを準備するステップと、
少なくとも1つのセンサ124を用いて、食品を処理するための機械10の動作および/または状態パラメータ、例えば、製品の量、温度および/または圧力を検出するステップと、
検出されたパラメータを示す少なくとも1つのテキスト要素を含むグラフィック要素G5を生成するステップと、
例えば図4および5に示されるように、生成されたグラフィック要素G5を第2の画像IM2に組み込むステップと、を含んでもよい。
【0069】
本発明の一態様によれば、方法は、
少なくとも1つのセンサ124によって検出された動作および/または状態パラメータが、機械10の正しい動作を示す、事前に規定された間隔内にあるかどうかをチェックするステップと、
動作および/または状態パラメータが事前に規定された間隔外(例えば、潜在的に重要な値に達する温度および/または特定の値を下回る量)にある場合、例えば図5に示されているように、警告メッセージを含むグラフィック要素G5を生成するステップと、
生成されたグラフィック要素G5を少なくとも1つの第2の画像IM2に組み込むステップと、を含むことができる。
【0070】
本発明は、多数の用途を有することができ、例えば、ユーザと機械との間の相互作用を容易にし、(以下により明確にされるように)ユーザマニュアルの機能を実行するために使用されてもよい。
【0071】
本発明の一態様によれば、図7に示されるように、方法は、
食品を処理するための機械10の操作および/または設置および/またはメンテナンスに関する複数の拡張現実要素G1-G5を格納するために使用されるメモリ126を準備することと、
バイザーデバイス20のディスプレイ202にメニューG6を表示することと、
あるオプションがメニューG6から選択された場合、そのオプションに関連付けられた拡張現実要素G1-G5のセットをメモリ126から取得することと、
当該セットの1つまたは複数の拡張現実要素G1-G5を表示することと、を含んでもよい。
【0072】
本発明の一態様によれば、メニューG6からのオプションの選択は、処理および制御ユニット106がユーザからの入力を認識することによって行われてもよい。1つまたは複数の実施形態では、入力は、バイザーデバイス20および処理および制御ユニット106に結合され得る拡張現実グローブまたはリストバンド、またはポインティングデバイスとして使用されるスマートフォンなどの入力デバイスから得られてもよい。追加的に、または代替的に、図8の非限定的な例に示されるように、入力は、ユーザの少なくとも1つの上肢(例えば、1つまたは複数の指、手など)の一部を、複数の実要素O1-O4を認識するために行われることと同じように認識することから得られてもよい。第1の画像IM1上の少なくとも1つの上肢O4の部分の位置R4に基づいて、どのオプションがメニューG6から選択されたかを理解することが可能である。第2の画像IM2内の、少なくとも1つの上肢O4の部分の位置R4に関連付けられた第2の領域I4に、選択されたオプションが配置されるためである(図8の第2の領域I6a、I6b、I6cを参照)。図8の非限定的な例では、選択されたオプションは、部分的に領域I4にオーバーレイされるという点で、第2の領域I6cにおけるオプションである。
【0073】
本発明の一態様によれば、方法は、
機械10の正しい操作を表示するためのオプションおよび/または機械10のメンテナンスのためのオプションを含むメニューG6を表示するステップと、
オプションが選択されると、そのオプションに関連付けられた拡張現実要素G1-G5のセットをメモリ126から取得するステップと、
少なくとも1つの第2の画像IM2に、取得された拡張現実グラフィック要素のセットの1つまたは複数の拡張現実要素G1-G5を組み込むステップと、を含むことができる。
【0074】
追加的に、または代替的に、図8に示すように、オプションはメニュー以外の形式で提示されてもよい。実際には、図8の非限定的な例のインタフェース120、ディスペンサ122、またはドア128など、機械10によって認識される各実要素Oiについて、専用コンテンツにアクセスすることが可能である。
【0075】
したがって、特に図8を参照すると、処理および制御ユニット106は、
例えば、インタフェース120、ディスペンサ122、およびドア128などの複数の実オブジェクトを識別し、
識別された実オブジェクトを示す複数のテキスト要素と、テキスト要素を実要素に接続する複数の拡張現実グラフィック接続要素(例えば、線または矢印)を生成し、
テキスト要素および複数の拡張現実グラフィック接続要素(例えば、線または矢印)を第2の画像IM2に組み込むように構成されてもよい。
【0076】
1つまたは複数の実施形態では、機械10の管理のためのサポートシステムは、
エンジニアによる設置、メンテナンス、管理、および/または故障診断、
設置サポート(例えば機械を初めて起動するためにハードウェアとソフトウェアを使用してエンジニアが実行する必要がある初期ステップを含んでもよい)、
例えば、レシピを作成したり、クリーニングしたりするために顧客が機械と対話するのを容易にすることによる、機械のエンドユーザのサポート(例えば、バイザーデバイス20は、手順を通じて顧客を段階的にサポート(step)してもよいし、取扱マニュアルを含んでもよい)を可能にすることができる。
【0077】
後者の場合、つまり、処理および制御ユニット106が機械のエンドユーザにサポートを提供する場合、ユーザはレシピを通じて段階的にサポートされる。これにより、有利なことに、エラーが防止され、機械を使用して最終製品の調製に至るまでユーザをガイドする段階的な手順の実施が可能になる。
【0078】
本発明の一態様によれば、レシピは、製品量、時間-温度サイクルの詳細な説明、および機械設定を含んでもよい。
【0079】
1つまたは複数の実施形態では、拡張現実要素(好ましくはグラフィック)G1-G5は、時間および/または温度を設定すること、および/または使用中に機械に設定を表示することを可能にすることができる。
【0080】
例えば、メニューG6は、1つまたは複数のレシピを含んでもよい。機械10が、ベーキングおよび製菓およびアイスクリーム業界の液体または半液体製品を処理するための機械を含む場合、メニューG6は、アイスクリーム、チョコレート、グラニタなどの製造の間ユーザを段階的にサポートするためのオプションを含んでもよい。
【0081】
オペレータがオプションを選択した瞬間、機械10は、例えば、ユーザが実行する必要があるアクションおよび追加すべき製品量を含み得る拡張現実要素(好ましくはグラフィック、しかし必ずしもグラフィックである必要はない)G1-G5の形で、バイザーデバイス20のディスプレイ202上に1つまたは複数の指示を示すことができる。
【0082】
例えば、情報はリアルタイムで更新でき、ユーザが実行したアクションに適合させることができる。
【0083】
同様に、メニューG6は、機械10のクリーニングにおいてユーザを手助けするオプションを含んでもよい。機械10の洗浄される部分が選択されると、機械10はバイザー20を通して、
機械10の一部の構成要素(例えば、撹拌機19)がクリーニング中に損傷を受ける危険性がある場合の警告メッセージ、
ユーザが構成要素を分解および再組み立てするのを助けるための洗浄される構成要素の分解図、
説明された操作を実行するために必要な工具に関する指示、例えば、洗浄すべき機械の構成要素に応じて、どのドライバーがどのネジに最も適しているか、を示すことができる。
【0084】
この場合も、情報はリアルタイムで更新でき、ユーザが実行したアクションに適合させることができる。
【0085】
有利なことに、問題が発生した場合、リアルタイムでリモートサポートサービスに接続して、機械と対話することにより問題の解決を段階的に進めることができる。
【0086】
有利には、提案されたシステムおよび方法は、生産機械の設置、メンテナンス、および/または運転に関連する時間を短縮することを可能にする。
【0087】
さらに、提案されたシステムおよび方法は、作業員が、バイザーデバイスを介して、上記のアクティビティの実行の間、支援され且つ段階的に進めることができるので、生産機械の設置、メンテナンスおよび/または運転に関連する人的エラーの可能性を低減することを可能にする。
【0088】
最後に、提案されたシステムと方法は、例えばスタッフのトレーニングコストと時間を削減することにより、メンテナンスと故障診断をより迅速且つ効率的に実行することを可能にする。
【0089】
さらに、提案されたシステムと方法では、実際には特定の機械に関連する特定のトレーニングおよびノウハウに代わり、バイザーデバイスがオペレータの職務を支援するので、採用されるスタッフは少ないトレーニングで済む。
【0090】
さらに、有利なことに、提案されたシステムおよび方法は、最終製品の生産のためのレシピの実施に対する効果的なサポートを提供し、これは、国際専門家(国際的な名声の料理人、シェフ、専門家)によって規定された手順に従った最終製品の生産においてエンドユーザを手助けする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8