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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】宅配ボックスシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/00 20060101AFI20240913BHJP
   A47G 29/124 20060101ALI20240913BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
E05B65/00 D
A47G29/124
E05B49/00 C
E05B49/00 K
E05B49/00 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020148437
(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公開番号】P2022042822
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】河部 行則
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-35371(JP,A)
【文献】特許第6719639(JP,B1)
【文献】特開2017-52645(JP,A)
【文献】特開2017-48014(JP,A)
【文献】特開2016-194212(JP,A)
【文献】特開2007-268024(JP,A)
【文献】特開2007-197911(JP,A)
【文献】特開2020-69028(JP,A)
【文献】特開2019-37689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
A47G 29/12-29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物収容空間、当該荷物収容空間を開放/閉塞する扉、扉を施錠する電気錠、前記電気錠を施錠/解錠するための操作部、そして外部と通信する通信部を有する宅配ボックスと、前記宅配ボックスと通信ネットワークを介して通信する管理サーバとを備えた宅配ボックスシステムであって、
前記管理サーバは、前記宅配ボックスにその利用者が関連付けされた宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部と、
荷物の受取人に着荷通知をメール送信するために、登録された前記利用者が携行する携帯端末のメールアドレスを記憶する受取人情報記憶部と、
前記電気錠を解錠するための解錠コードを生成する解錠コード生成部とを有する一方、
前記宅配ボックスは、集合住宅に設置されて複数の住人により共同使用されるものであり、施錠する際に入力される受取人IDとして部屋番号が使用されると共に、
前記受取人情報記憶部には、メールアドレスに部屋番号が関連付けられて記憶されて成り、
荷物を入れた前記宅配ボックスの操作部が操作されて、前記受取人を特定する受取人IDの入力を含む所定の施錠操作が成されると、前記宅配ボックスは施錠されると共に、前記通信部から前記管理サーバに、宅配ボックスID及び入力された受取人IDを含む施錠情報が送信され、
前記施錠情報を受信した前記管理サーバは、解錠コードを生成して前記宅配ボックスに返信すると共に、受信した前記受取人IDに関連付けられている前記携帯端末に、着荷通知及び生成した前記解錠コードをメール送信し、
前記解錠コードが送信された前記携帯端末の所定の操作で、前記宅配ボックスの前記電気錠が解錠されることを特徴とする宅配ボックスシステム。
【請求項2】
前記解錠コードがQRコード(登録商標)であって、
前記宅配ボックスは、翳されたQRコード(登録商標)を読み取る読取部を具備すると共に、前記携帯端末は、受信したQRコード(登録商標)を表示する表示部を有し、
前記携帯端末に表示した前記QRコード(登録商標)を前記読取部に読み取らせることで、前記電気錠が解錠することを特徴とする請求項1記載の宅配ボックスシステム。
【請求項3】
荷物収容空間、当該荷物収容空間を開放/閉塞する扉、扉を施錠する電気錠、前記電気錠を施錠/解錠するための操作部、そして外部と通信する通信部を有する宅配ボックスと、前記宅配ボックスと通信ネットワークを介して通信する管理サーバとを備えて、集合住宅に設置された宅配ボックスシステムであって、
前記集合住宅の各居室の玄関ドアの錠が、携帯端末の近距離無線通信機能を使用して施解錠されるスマートロックであり、
前記管理サーバは、前記宅配ボックスにその利用者が関連付けされた宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部と、
荷物の受取人に着荷通知をメール送信するために、登録された前記利用者が携行する携帯端末のメールアドレスを記憶する受取人情報記憶部と、
前記携帯端末を使用して前記スマートロックを解錠するために、前記利用者毎に登録されたパスワードを記憶するスマートロック情報記憶部とを有する一方、
前記宅配ボックスは、前記携帯端末と近距離無線通信する近距離通信部を有し、
荷物を入れた前記宅配ボックスの操作部が操作されて、前記受取人IDの入力を含む所定の施錠操作が成されると、前記宅配ボックスは施錠されると共に、前記通信部から前記管理サーバに、前記受取人ID及び宅配ボックスIDを含む施錠情報が送信され、
前記施錠情報を受信した前記管理サーバは、前記施錠情報から受取人を判別して、受取人に関連付けられているパスワードを前記スマートロック情報記憶部から読み取って返信すると共に、受取人の前記携帯端末に着荷通知と前記パスワードをメール送信し、着荷通知を受けた前記携帯端末の前記近距離無線通信機能を使用して、送信された前記パスワードを前記宅配ボックスに送信することで前記電気錠が解錠されることを特徴とする宅配ボックスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅や戸建住宅に設置される宅配ボックスに関し、特にその施錠/解錠の管理を容易とした宅配ボックスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅や戸建住宅に設置される宅配ボックスは、専用のキー或いは暗証番号の入力により施錠/解錠されるものが普及している。
例えば、特許文献1に開示されている宅配ボックスは、施錠する際は施錠ボタンを押下することで施錠され、解錠は専用キー或いは暗証番号により行うよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-210769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、専用のキーを使用するものは、キーが必要であるため、紛失したら解錠できなかったし、暗証番号を使用して解錠するものは、施錠した宅配業者から伝えられた暗証番号が間違っている場合は解錠できなかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、専用キーや暗証番号を使用すること無く施錠/解錠でき、受取人は荷物を確実に受け取ることができる宅配ボックスシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、荷物収容空間、当該荷物収容空間を開放/閉塞する扉、扉を施錠する電気錠、前記電気錠を施錠/解錠するための操作部、そして外部と通信する通信部を有する宅配ボックスと、前記宅配ボックスと通信ネットワークを介して通信する管理サーバとを備えた宅配ボックスシステムであって、
前記管理サーバは、前記宅配ボックスにその利用者が関連付けされた宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部と、
荷物の受取人に着荷通知をメール送信するために、登録された前記利用者が携行する携帯端末のメールアドレスを記憶する受取人情報記憶部と、
前記電気錠を解錠するための解錠コードを生成する解錠コード生成部とを有する一方、
前記宅配ボックスは、集合住宅に設置されて複数の住人により共同使用されるものであり、施錠する際に入力される受取人IDとして部屋番号が使用されると共に、
前記受取人情報記憶部には、メールアドレスに部屋番号が関連付けられて記憶されて成り、
荷物を入れた前記宅配ボックスの操作部が操作されて、前記受取人を特定する受取人IDの入力を含む所定の施錠操作が成されると、前記宅配ボックスは施錠されると共に、前記通信部から前記管理サーバに、宅配ボックスID及び入力された受取人IDを含む施錠情報が送信され、
前記施錠情報を受信した前記管理サーバは、解錠コードを生成して前記宅配ボックスに返信すると共に、受信した前記受取人IDに関連付けられている前記携帯端末に、着荷通知及び生成した前記解錠コードをメール送信し、
前記解錠コードが送信された前記携帯端末の所定の操作で、前記宅配ボックスの前記電気錠が解錠されることを特徴とする。
この構成によれば、宅配業者は荷物を宅配ボックスに収容した後、予め設定されている受取人IDを入力して施錠すれば配達を終了でき、専用キーを使用したり暗証番号を設定する必要がない。また、施錠することで受取人に着荷通知が成されるため、荷物を配達したことを受取人に通知する必要もない。
加えて受取人は、宅配業者が設定した番号ではなく管理サーバから携帯端末に送信された解錠コードを入力すれば解錠できる。よって、解錠コードが間違っているようなことが無く、確実に解錠して荷物を受け取ることができる。
更に、集合住宅に設置された宅配ボックスは、宅配業者が部屋番号を入力して施錠すれば良く、施錠に必要な受取人IDは分かり易く、受取人毎に確認する等の面倒な作業を必要としない。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、解錠コードがQRコード(登録商標)であって、宅配ボックスは、翳されたQRコード(登録商標)を読み取る読取部を具備すると共に、携帯端末は、受信したQRコード(登録商標)を表示する表示部を有し、携帯端末に表示したQRコード(登録商標)を読取部に読み取らせることで、電気錠が解錠することを特徴とする。
この構成によれば、施錠する際に入力するコードが簡単な数字列であったとしても、電気錠の解錠にはQRコード(登録商標)が使用されるため、QRコード(登録商標)を手に入れない限り開けるのは不可能であり、収容した荷物は盗難され難い。また、携帯端末を読取部に翳せば解錠できるため、簡易な操作で解錠できる。
【0009】
請求項3の発明は、荷物収容空間、当該荷物収容空間を開放/閉塞する扉、扉を施錠する電気錠、電気錠を施錠/解錠するための操作部、そして外部と通信する通信部を有する宅配ボックスと、宅配ボックスと通信ネットワークを介して通信する管理サーバとを備えて、集合住宅に設置された宅配ボックスシステムであって、集合住宅の各居室の玄関ドアの錠が、携帯端末の近距離無線通信機能を使用して施解錠されるスマートロックであり、管理サーバは、宅配ボックスにその利用者が関連付けされた宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部と、荷物の受取人に着荷通知をメール送信するために、登録された利用者が携行する携帯端末のメールアドレスを記憶する受取人情報記憶部と、携帯端末を使用してスマートロックを解錠するために、利用者毎に登録されたパスワードを記憶するスマートロック情報記憶部とを有する一方、宅配ボックスは、携帯端末と近距離無線通信する近距離通信部を有し、荷物を入れた宅配ボックスの操作部が操作されて、受取人IDの入力を含む所定の施錠操作が成されると、宅配ボックスは施錠されると共に、通信部から管理サーバに、受取人ID及び宅配ボックスIDを含む施錠情報が送信され、施錠情報を受信した管理サーバは、施錠情報から受取人を判別して、受取人に関連付けられているパスワードをスマートロック情報記憶部から読み取って返信すると共に、受取人の携帯端末に着荷通知とパスワードをメール送信し、着荷通知を受けた携帯端末の近距離無線通信機能を使用して、送信されたパスワードを宅配ボックスに送信することで電気錠が解錠されることを特徴とする。
この構成によれば、宅配業者は荷物を収容した後、予め設定されている受取人IDを入力して施錠すれば配達を終了でき、専用キーを使用したり暗証番号を設定する必要がない。また、施錠することで受取人に着荷通知が成されるため、荷物を配達したことを受取人に通知する必要もない。
更に、玄関ドアのスマートロックを解錠する要領で、携行している携帯端末を使用して、パスワードを宅配ボックスの近距離通信部に受信させれば宅配ボックスを解錠でき、受取人は簡易な操作で荷物を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、宅配業者は宅配ボックスに荷物を収容した後、予め設定されている受取人IDを入力して施錠すれば配達を終了でき、専用キーを使用したり暗証番号を設定する必要がない。また、施錠することで受取人に着荷通知が成されるため、荷物を配達したことを受取人に通知する必要もない。
加えて受取人は、宅配業者が設定した番号ではなく管理サーバから携帯端末に送信された解錠コードを入力すれば解錠できる。よって、解錠コードが間違っているようなことが無く、確実に解錠して荷物を受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る宅配ボックスシステムの一例を示す構成図である。
図2】宅配ボックスのブロック図である。
図3】管理サーバのブロック図である。
図4】宅配ボックスシステムの他の形態を示す宅配ボックスのブロック図である。
図5】宅配ボックスシステムの他の形態を示す管理サーバのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る宅配ボックスシステムの一例を示す構成図であり、1は宅配ボックス、2はクラウド上に配置された管理サーバ、3は受取人が携行するスマートフォン等の携帯端末である。
宅配ボックス1は通信ネットワークNを介して管理サーバ2と通信を可能とし、管理サーバ2は宅配ボックス1に加えて携帯端末3と通信を可能としている。
宅配ボックス1は、内部に荷物収容空間を有し、前面を開放可能とした本体1aと、本体1aの前面を開放/閉塞する扉1bとを有している。尚、11は扉を操作するハンドルである。
【0013】
図2は宅配ボックス1のブロック図を示している。宅配ボックス1は、図2に示すように、扉1bを施錠するための電気錠12、電気錠12の施錠/解錠を操作する操作部13、管理サーバ2から送信された解錠コード等を記憶する記憶部14、宅配ボックス1を制御する宅配ボックスCPU15、解錠コードを読み取る読取部16、管理サーバ2と通信する宅配ボックス通信IF17等を備えている。
尚、操作部13は、数字列を入力するテンキー13aを具備している。
【0014】
図3は管理サーバ2のブロック図である。管理サーバ2は、複数の宅配ボックス1を管理しており、宅配ボックス1を識別するための宅配ボックスIDと宅配ボックス1を利用する登録者のID(受取人ID)の関連付けを記憶する宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部21、受取人IDと携帯端末3のメールアドレスの関係を記憶する受取人情報記憶部22、その都度QRコード(登録商標)を生成する解錠コード生成部23、管理サーバ2を制御するサーバCPU24、宅配ボックス1及び携帯端末3と通信するサーバ通信IF25等を備えている。
例えば、集合住宅に設置された宅配ボックス1では、集合住宅の居住者により共同利用されるため、受取人情報記憶部22には個々の居住者が携行する携帯端末3の情報が居住者のID(受取人ID)毎に登録される。
【0015】
上記の如く構成された宅配ボックスシステムは以下のように動作する。但し、宅配ボックス1はアパート等の集合住宅に設置され、集合住宅の住人が共同で利用する場合を説明する。
宅配ボックス1は、荷物が収容されていない未使用の状態では解錠された状態にある。そして、受取人が不在である場合に、宅配業者は宅配ボックス1に荷物を収容する。
その場合、宅配業者は解錠されている宅配ボックス1に荷物を収容し、施錠して配達を完了する。このとき、操作部13のテンキー13aが操作されて配達先の部屋番号が受取人IDとして入力される。
【0016】
部屋番号を入力したあと、例えば操作部13の図示しない完了ボタンの押下等所定の施錠操作を行うと、宅配ボックスCPU15の制御により電気錠12が施錠される。同時に、施錠情報が通信ネットワークNを介して管理サーバ2に送信される。施錠情報には、受取人IDに加えて送信元の宅配ボックスID情報が添付されている。
この施錠情報を受信した管理サーバ2では、サーバCPU24の制御により、宅配ボックスID情報及び受取人IDを読み取り、受取人の携帯端末3のメールアドレスを受取人情報記憶部22を参照して特定する。また、解錠コード生成部23が1回のみ使用可能なQRコード(登録商標)を生成する。
【0017】
そしてサーバCPU24は、特定したメールアドレスに宅配物が宅配ボックス1に収容されたことを通知する着荷通知をメール送信する。その際、生成したQRコード(登録商標)を添付する。同時に、同一のQRコード(登録商標)を宅配ボックス1にも送信する。
QRコード(登録商標)を受信した宅配ボックス1は記憶部14に保存し、受取人の解錠操作を待つ。
【0018】
一方、携行している携帯端末3に着荷通知が成されたことで、荷物が宅配されたことを認識した受取人は、帰宅した際に宅配ボックス1から荷物を取り出す。具体的に、送信されたQRコード(登録商標)を表示部3aに表示させた携帯端末3を、宅配ボックス1の読取部16に翳す。すると、宅配ボックスCPUが、予め送信されているQRコード(登録商標)と照合し、一致していると判断したら、電気錠12を解錠する。この結果、宅配ボックス1を開けて荷物の取り出しが可能となる。
尚、解錠後は、宅配ボックス1が記憶しているQRコード(登録商標)は消去される。
【0019】
このように、集合住宅に設置された宅配ボックス1は、宅配業者が部屋番号を入力して施錠すれば良く、施錠に必要な受取人IDは分かり易く、受取人毎に確認する等の面倒な作業を必要としない。そして、荷物を収容した後、部屋番号を入力して施錠すれば配達を終了でき、宅配業者は専用キーを使用したり暗証番号を設定する必要がない。また、施錠することで受取人に着荷通知が成されるため、荷物を配達したことを受取人に通知する必要もない。
加えて受取人は、宅配業者が設定した番号ではなく管理サーバ2から解錠コードとして送信されたQRコード(登録商標)を入力して解錠するため、解錠コードが間違っているようなことが無く確実に解錠でき、荷物を受け取ることができる。また、施錠する際に入力するコードが簡単な数字列であったとしても、電気錠の解錠にはQRコード(登録商標)が使用されるため、QRコード(登録商標)を手に入れない限り開けるのは不可能であり、収容した荷物は盗難され難い。そして、携帯端末3を読取部16に翳せば解錠できるため、簡易な操作で解錠できる。
【0020】
尚、解錠コードにQRコード(登録商標)を使用しているが、解錠コードは単純なバーコードであっても良いし、数字列であっても良い。
また、宅配ボックス1を集合住宅に設置したシステムを説明しているため、部屋番号を受取人IDとして使用しているが、番地や予め設定した番号列を受取人IDとして登録すれば、戸建住宅に設置した宅配ボックスに対しても適用できる。
更に、宅配ボックス1は、1つの収容部しか備えていないが、複数の収容部を備えても良い。
【0021】
また、集合住宅の個々の居室の玄関ドアに携帯端末3の操作で施解錠動作するスマートロックが採用されている場合は、その機能を使用して宅配ボックス1を解錠できるよう構成しても良い。
図4,5は宅配ボックスシステムの他の例を示し、スマートロックの機能を利用した構成を示している。図4は宅配ボックスのブロック図、図5は管理サーバ2のブロック図である。システム全体は上記図1と同様であるが、宅配ボックス1、及び管理サーバ2の構成が異なっている。
具体的に、宅配ボックス1は、図4に示すように携帯端末3との間でブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を実施する近距離通信部18を具備し、近づけられた携帯端末3と近距離無線通信を可能としている。尚、上記図2と共通する構成要素には、同一の符号を付与して説明を省略する。
【0022】
また管理サーバ2は、図5に示すように宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部21、受取人情報記憶部22に加えて、スマートロック情報記憶部26を有している。スマートロック情報記憶部26には、居室玄関ドアのスマートロックを解錠するパスワードが受取人IDに関連付けられて記憶されている。このパスワード情報は、利用者登録をする際に登録される。尚、上記図3と共通する構成要素には、同一の符号を付与して説明を省略する。
【0023】
このように構成された宅配ボックスシステムは以下のように動作する。宅配ボックス1は、荷物が収容されていない未使用の状態では解錠された状態にあり、宅配業者は解錠されている宅配ボックス1に荷物を収容し、施錠して配達を完了する。このとき、操作部13のテンキー13aが操作されて配達先の部屋番号が受取人IDとして入力される。
【0024】
部屋番号を入力したあと、例えば操作部13の図示しない完了ボタンの押下等所定の施錠操作を行うと、宅配ボックスCPU15の制御により電気錠12が施錠される。同時に、施錠情報が通信ネットワークNを介して管理サーバ2に送信される。施錠情報には、受取人IDに加えて送信元の宅配ボックスID情報が添付されている。
この施錠情報を受信した管理サーバ2では、サーバCPU24の制御により、宅配ボックスID情報及び受取人IDを読み取り、受取人の携帯端末3のメールアドレスを受取人情報記憶部22を参照して特定する。また、スマートロック情報記憶部26から受取人IDである部屋番号に関連付けられているスマートロック解錠のためのパスワードを読み取る。
【0025】
そしてサーバCPU24は、特定したメールアドレスに宅配物が宅配ボックス1に収容されたことを通知する着荷通知をメール送信する。その際、受取人IDに関連付けられているパスワードをスマートロック情報記憶部26から読み取って添付する。同時に、宅配ボックス1にもこのパスワードを送信する。
パスワード情報を受信した宅配ボックス1は記憶部14に保存し、受取人の解錠操作を待つ。
【0026】
一方、携行している携帯端末3に着荷通知が成されたことで、荷物が宅配されたことを認識した受取人は、帰宅した際に宅配ボックス1から荷物を取り出す。具体的に、携帯端末3によりスマートロックを解錠する場合と同様の操作で、近距離無線通信機能を使用して宅配ボックス1にパスワード情報を送信する。
この情報を近距離通信部18を介して受信した宅配ボックス1は、記憶しているパスワードと照合し、一致していると判断したら、電気錠12を解錠する。この結果、宅配ボックス1を開けて荷物の取り出しが可能となる。
尚、解錠後は、宅配ボックス1が記憶している解錠のためのパスワードは消去される。
【0027】
このように、荷物を宅配ボックス1に収容した後、予め設定されている受取人IDを入力して施錠すれば配達を終了できるため、宅配業者は専用キーを使用したり暗証番号を設定する必要がない。また、施錠すれば受取人に着荷通知が成されるため、荷物を配達したことを受取人に通知する必要もない。
また受取人は、玄関ドアのスマートロックを解錠する要領で、携行している携帯端末3からパスワード情報を宅配ボックス1の近距離通信部18に受信させれば宅配ボックス1を解錠でき、簡易な操作で荷物を取り出すことができる。
【符号の説明】
【0028】
1・・宅配ボックス、2・・管理サーバ、3・・携帯端末、12・・電気錠、13・・操作部、14・・記憶部、15・・宅配ボックスCPU(電気錠制御部)、16・・読取部、17・・宅配ボックス通信IF(通信部)、18・・近距離通信部、21・・宅配ボックスID/受取人ID情報記憶部、22・・受取人情報記憶部、23・・解錠コード生成部、24・・サーバCPU、26・・スマートロック情報記憶部、N・・通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5