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特許7555244X線コンピュータ断層撮影装置および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】X線コンピュータ断層撮影装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
A61B6/03 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020193082
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022081875
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮太郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 聡
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520623(JP,A)
【文献】特開2017-136187(JP,A)
【文献】特開平05-007581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するX線管を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレームを含む回転部と、前記回転フレームを回転可能に支持する固定フレームを含む固定部とのうち少なくとも一つに搭載されたバッテリーと、
前記回転部と前記固定部とを含む架台装置の状態に基づいて、前記回転フレームに搭載されたデバイスと前記固定フレームに搭載されたデバイスとへの前記バッテリーからの電力の供給を制御する電力供給制御部と、
前記バッテリーにおける電力の残量を検知する電力検知器とを備え、
前記電力供給制御部は、
前記X線を用いたスキャンに関するスキャン条件に基づいて、前記スキャンにより消費される消費電力を計算し、
前記電力の残量が前記消費電力以上である場合、前記スキャンが実行可能であると判定し、
前記電力の残量が前記消費電力未満であって、前記回転フレームと前記固定フレームとを搭載する架台装置が外部電源に電気的に接続されている場合、前記スキャンの待機状態において前記バッテリーへの充電を開始し、
前記電力の残量が前記消費電力未満であって、前記架台装置が前記外部電源に電気的に接続されていない場合、前記バッテリーへの充電を促すメッセージをディスプレイに表示させ、
前記バッテリーへの充電が開始された場合、前記電力の残量と、前記消費電力と、前記充電の速度とに基づいて、前記スキャンが開始可能な時刻を計算し、
前記スキャンが開始可能な時刻を前記ディスプレイに表示させる、
X線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
X線を発生するX線管を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレームを含む回転部と、前記回転フレームを回転可能に支持する固定フレームを含む固定部とのうち少なくとも一つに搭載されたバッテリーと、
前記回転部と前記固定部とを含む架台装置の状態に基づいて、前記回転フレームに搭載されたデバイスと前記固定フレームに搭載されたデバイスとへの前記バッテリーからの電力の供給を制御する電力供給制御部と、
を備え
前記バッテリーは、前記回転部に搭載され
前記電力供給制御部は、前記架台装置が搬送状態にある場合に、前記回転部に搭載されたバッテリーから前記固定部に対して電力を供給する、
ことを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
X線を発生するX線管を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレームを含む回転部と、前記回転フレームを回転可能に支持する固定フレームを含む固定部とのうち少なくとも一つに搭載されたバッテリーと、
前記回転部と前記固定部とを含む架台装置の状態に基づいて、前記回転フレームに搭載されたデバイスと前記固定フレームに搭載されたデバイスとへの前記バッテリーからの電力の供給を制御する電力供給制御部と、
を備え
前記バッテリーは、前記回転部と前記固定部のそれぞれに搭載される
ことを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記電力供給制御部は、前記回転部のバッテリーと前記固定部のバッテリーとの間で状況に応じて電力を供給し合うことを特徴とする請求項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】
前記X線コンピュータ断層撮影装置は、可搬型であって、
前記回転フレームと前記固定フレームとを搭載する架台装置に設けられ、前記架台装置を移動可能および固定可能な移動固定機構をさらに備え、
前記電力供給制御部は、前記架台装置の移動時と床面への架台装置の固定時とにおいて、前記バッテリーから前記移動固定機構に電力を供給する、
請求項1乃至のうち何れか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項6】
前記回転フレームは、前記バッテリーと、前記バッテリーに電気的に接続された第1接点とを搭載し、
前記固定フレームは、外部電源と電気的に接続可能な第2接点を搭載し、
前記バッテリーへの充電を行う場合、前記第1接点と前記第2接点とを接触させる接点駆動機構をさらに備え、
前記電力供給制御部は、前記X線を用いるスキャンの待機状態において、
前記バッテリーへの充電を行う場合、前記第1接点と前記第2接点とが互いに向かい合う対向位置まで、前記回転フレームを回転させ、
前記対向位置への前記回転フレームの到達を契機として、前記第1接点と前記第2接点とを接触させるように前記接点駆動機構を制御する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項7】
前記バッテリーは、前記固定部に搭載されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項8】
前記固定部のバッテリーは、前記架台装置が搬送状態にある場合に、前記固定部と前記回転部の両方に電力を供給することを特徴とする請求項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項9】
X線コンピュータ断層撮影を行う移動可能な架台装置の状態を検出するステップと、
前記架台装置に搭載されたバッテリーの充電状態を検出するステップと、
前記検出された架台装置の状態と前記バッテリーの充電状態とに基づいて、前記架台装置の回転フレームに搭載されたデバイスと前記架台装置の固定フレームに搭載されたデバイスとへの前記バッテリーからの電力の供給を制御するステップと、
を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT(Computed Tomography)装置と呼ぶ)は、外部電源に接続される。これにより、X線CT装置は、X線CT装置における各ユニットへ、外部電源から電力を供給している。また、X線CT装置における回転フレームに搭載されたユニット(X線発生装置、X線管、X線検出器、データ収集回路(DAS(Data Acquisition System)とも称される))などに電力を供給するために、スリップリングなどの電装ユニットが、X線CT装置に搭載されることもある。また、X線CT装置には、停電時に電力が要求される必要最低限のユニットに電力を供給するために、無停電電源装置(以下、UPS(Unintrerruptible Power Supply)と呼ぶ)が別途接続されることもある。この場合、UPSおよびUPSに関する配線等により、コストの増大およびX線CT装置の設置の際に要求されるサイズが大きくことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-10167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、停電時に運用可能であってコストを低減可能なX線コンピュータ断層撮影装置を提供することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、バッテリーと、電力供給制御部とを備える。バッテリーは、X線を発生するX線管を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレームを含む回転部と、前記回転フレームを回転可能に支持する固定フレームを含む固定部とのうち少なくとも一つに搭載される。電力供給制御部は、前記回転部と前記固定部とを含む架台装置の状態に基づいて、前記回転フレームに搭載されたデバイスと前記固定フレームに搭載されたデバイスとへの前記バッテリーからの電力の供給を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係るX線CTシステムの構成例を示す図。
図2図2は、第1の実施形態に係り、第1接点と第2接点とが接触可能なチャージポイントの一例を示す図。
図3図3は、第1の実施形態に係り、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーの充電状態における電力伝送の一例を示す図。
図4図4は、第1の実施形態に係り、架台装置の搬送状態における電力伝送の一例を示す図。
図5図5は、第1の実施形態に係り、架台装置のスタンバイ状態における電力伝送の一例を示す図。
図6図6は、第1の実施形態に係り、架台装置におけるX線の曝射状態における電力伝送の一例を示す図。
図7図7は、第1の実施形態に係り、図3乃至図6に関して、架台装置の状態に応じた電力供給先および電力供給元の一覧を示す図。
図8図8は、第1の実施形態に係り、電力供給制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
図9図9は、第1の実施形態の第1変形例に係り、第1のバッテリーの充電状態における電力伝送の一例を示す図。
図10図10は、第1の実施形態の第1変形例に係り、架台装置の搬送状態における電力伝送の一例を示す図。
図11図11は、第1の実施形態の第1変形例に係り、架台装置のスタンバイ状態における電力伝送の一例を示す図。
図12図12は、第1の実施形態の第1変形例に係り、架台装置におけるX線の曝射状態における電力伝送の一例を示す図。
図13図13は、第1の実施形態の第1変形例に係り、図9乃至図12に関して、架台装置の状態に応じた電力供給先および電力供給元の一覧を示す図。
図14図14は、実施形態の第2変形例に係り、第2のバッテリーの充電状態における電力伝送の一例を示す図。
図15図15は、実施形態の第2変形例に係り、架台装置の搬送状態における電力伝送の一例を示す図。
図16図16は、実施形態の第2変形例に係り、架台装置のスタンバイ状態および曝射状態における電力伝送の一例を示す図。
図17図17は、実施形態の第2変形例に係り、図14乃至図16に関して、架台装置の状態に応じた電力供給先および電力供給元の一覧を示す図。
図18図18は、実施形態の第2変形例に係り、固定型のX線CT装置の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、X線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT(computed tomography)装置と呼ぶ)および制御方法の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。以下、説明を具体的にするために、実施形態に係るX線CT装置は、当該X線CT装置に付帯する各種装置を有するX線コンピュータ断層撮影システム(以下、X線CTシステムと呼ぶ)に含まれるものとする。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係り、可搬型のX線CT装置3を有するX線CTシステム1の一例を示す図である。可搬型のX線CT装置3とは、例えば、運搬可能であり異なる場所で撮影可能なX線CT装置である。図1に示すように、本実施形態に係るX線CTシステム1は、X線CT装置3と、ネットワーク4と、サーバ装置5と、を有する。ネットワーク4は、X線CT装置3に無線または有線により接続される。また、ネットワーク4は、ワークステーションに相当するサーバ装置5と無線または有線により接続される。サーバ装置5は、投影データに基づくボリュームデータの再構成、ボリュームデータ基づくCT画像の生成などに用いられる。以下、当該サーバ装置5を画像生成装置と呼ぶ。
【0009】
また、ネットワーク4には、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems:PACS)、病院情報システム(Hospital Information Systems:HIS)、放射線科情報システム(Radiology Information Systems:RIS)などが電気的に接続される。ネットワーク4は、病院内および/または病院外に設置される通信ネットワークに相当する。
【0010】
画像生成装置5は、ネットワーク4に接続される。画像生成装置5は、X線CT装置3や端末装置40を介して入力されたユーザの指示に従って、X線CT装置3のコンソールとして機能する端末装置40に対して負荷がかかる各種画像処理を実行する。画像生成装置5は、当該画像処理により、各種医用画像を生成する。画像生成装置5は、X線CT装置3や端末装置40を介して入力されたユーザの指示に従って、生成された医用画像を、X線CT装置3や端末装置40に送信する。画像生成装置5により実行される各種画像処理については後ほど説明する。なお、画像生成装置5および端末装置40により実行される各種機能は、コンソール装置として実現されてもよい。このとき、コンソール装置は、X線CT装置3に含まれることとなる。また、画像生成装置5における各種機能は、例えば、PACSにおけるサーバ装置に搭載されてもよい。
【0011】
X線CT装置3は、ガントリとも称される架台装置10と、寝台装置30と、ユーザにより持ち運び可能な端末装置40とを有する。なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。図1では、説明の都合上、架台装置10を複数描画しているが、実際のX線CTシステム1の構成としては、架台装置10は、一つである。
【0012】
架台装置10及び寝台装置30は、端末装置40を介したユーザからの操作、或いは架台装置10、又は寝台装置30に設けられた操作部を介したユーザからの操作に基づいて動作する。架台装置10と、寝台装置30と、端末装置40とは互いに通信可能に無線で接続されている。
【0013】
架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線の検出データから投影データを収集する撮影系を有する装置である。架台装置10は、X線管11(X線発生部)と、ウェッジ16と、コリメータ17と、X線検出器12と、X線高電圧装置14と、DAS(Data AcquisitionSystem)18と、回転フレーム13を含む回転部と、制御装置15と、第1のバッテリー20と、第1の電力検知器21と、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム22を含む固定部と、第2のバッテリー23と、接点駆動機構24と、第1接点241と、第2接点242と、コネクタ243と、第2の電力検知器25と、移動固定機構26とを有する。架台装置10は、回転部と固定部とを含む。
【0014】
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管11における管球焦点で発生したX線は、例えばコリメータ17を介してコーンビーム形に成形され、被検体Pに照射される。例えば、X線管11には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
【0015】
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、当該検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。なお、X線CTシステム1には、X線管11とX線検出器12とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管11のみが被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。
【0016】
また、X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。また、X線検出器12は、光子計数型X線検出器であってもよい。X線検出器12は、X線検出部の一例である。
【0017】
回転部は、X線を発生するX線管11を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレームを含む。回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸回りに回転可能に支持する。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。回転フレーム13は、アルミニウム等の金属により形成された固定フレーム22に回転可能に支持される。詳しくは、回転フレーム13は、ベアリングを介して固定フレーム22の縁部に接続されている。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸回りに一定の角速度で回転する。
【0018】
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とに加えて、X線高電圧装置14と、DAS18と、第1のバッテリー20と、第1の電力検知器21とをさらに支持する。また、回転フレーム13における固定フレーム22対向する所定の位置には、第1のバッテリー20に電気的に接続された第1接点241を搭載する。このような回転フレーム13は、撮影空間をなす開口(ボア)が形成された略円筒形状の筐体に収容されている。開口の中心軸は、回転フレーム13の回転軸に一致する。なお、DAS18が生成した検出データは、例えば発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム22)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、第1処理回路36へと転送される。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。
【0019】
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。
【0020】
第1のバッテリー20は、回転部に搭載される。第1のバッテリー20は、被検体Pに対するスキャンにおいて、回転フレーム13に搭載されたX線管11、X線検出器12、X線高電圧装置14、DAS18、スキャンプランに応じてウェッジ16およびコリメータ17をX線の曝射範囲内に対して挿抜する挿抜機構などの各種デバイス(以下、回転フレーム搭載デバイスと呼ぶ)へ電力を供給する。スキャンプランは、例えば、スキャンの数、スキャンの範囲、曝射タイミング、曝射条件、画像処理条件を有する。スキャンプランは、例えば、HISまたはRISから端末装置40へ出力された検査オーダに基づいて、端末装置40においてユーザにより設定される。なお、スキャンプランは、HISからRISへ出力された検査オーダに基づいてRISにおいてユーザにより設定されてもよい。なお、第1のバッテリー20は、例えば、架台装置10の搬送(運搬)時において、架台装置10における固定フレーム22に搭載された第2のバッテリー23もしくは固定フレーム22に搭載された各種デバイスへ、必要に応じて電力を供給してもよい。
【0021】
回転フレーム13への第1のバッテリー20の搭載位置は、図1に限定されない。例えば、第1のバッテリー20は、回転フレーム13における重量バランスを考慮して、回転軸に対して線対称な位置に、複数設けられてもよい。また、第1のバッテリー20は、直方体の形状に限定されず、シート状の形状により実現されてもよい。このとき、シート状の第1のバッテリー20は、例えば、回転フレーム13の周方向に沿って、例えば全周に亘って配置されてもよい。また、第1のバッテリー20は、回転フレーム13における重量バランスを調整するウエイトとして利用することもできる。また、第1のバッテリー20は、電力の供給先の近傍に配置することも可能である。このとき、電力の供給に関する配線を簡素にすることができ、当該配線によるノイズを低減することができる。
【0022】
第1の電力検知器21は、第1のバッテリー20における電力の残量(以下、第1残量と呼ぶ)を検知する。第1の電力検知器21は、例えば、電圧計により実現される。このとき、第1残量は、第1のバッテリー20における電圧値に相当する。第1の電力検知器21は、無線等の伝送系を介して、検知された第1残量を、第1処理回路36へ出力する。すなわち、第1の電力検知器21は、第1のバッテリー20の第1残量をモニタリングし、モニタリング結果である第1残量を、逐次、第1処理回路36へ出力する。なお、第1の電力検知器21から第1処理回路36への第1残量の伝達方法は、無線に限定されず、光通信など他の伝達手段により適宜実現可能である。
【0023】
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線のX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。ウェッジ16は、例えばウェッジフィルタ(wedge filter)またはボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
【0024】
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線をX線照射範囲に絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、ウェッジ16およびコリメータ17は、不図示の挿抜機構により、X線管11におけるX線放射窓の前面において、X線条件等に応じてX線曝射範囲に対して挿抜されてもよい。
【0025】
DAS18は、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS18が生成した検出データは、第1処理回路36へ転送される。また、DAS18はデータ収集部の一例である。
【0026】
固定フレーム22は、回転フレーム13を回転可能に支持する。固定フレーム22は、制御装置15、第1メモリ27、第1ディスプレイ28、第1入力インターフェース29、第1処理回路36、第1通信インターフェース35、移動固定機構26、第2のバッテリー23、外部電源と電気的に接続可能な第2接点242、第2接点242を駆動する接点駆動機構24と、外部電源に電気的に接続可能なコネクタ(コンセントタップともいう)243、第2の電力検知器25、架台装置10の周囲を撮影するカメラ(以下、周囲撮影カメラと呼ぶ)などを搭載する。第1メモリ27と、第1ディスプレイ28と、第1入力インターフェース29と、第1処理回路36との間のデータ通信は、例えば、バス(BUS)を介して行われる。固定フレーム22における回転フレーム13に対向する位置には、第2のバッテリー23に電気的に接続された第2接点242が設けられる。なお、第2接点242は、コネクタ243に電気的に接続されてもよい。第2接点242は、接点駆動機構24により、第1接点241と接触する接触位置と、第1接点241から離れた離隔位置との間で移動可能に支持される。
【0027】
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、端末装置40からの指令に従い、X線高電圧装置14及びDAS18等を制御する。当該プロセッサは、当該メモリに保存されたプログラムを読み出して実現することで上記制御を実現する。
【0028】
また、制御装置15は、端末装置40もしくは架台装置10に取り付けられた第1入力インターフェース29からの入力信号を受けて、第1処理回路36におけるシステム制御機能361による制御のもとで、架台装置10および寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、回転駆動装置により回転フレーム13を回転させる制御、架台装置10をチルトさせる制御、寝台装置30および天板33を動作させる制御、接点駆動機構24を動作させる制御、および移動固定機構26を動作させる制御などを行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた第1入力インターフェース29によって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現されてもよい。また、制御装置15は、当該メモリにプログラムを保存する代わりに、当該プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該プロセッサは、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記制御を実現する。
【0029】
第2のバッテリー23は、固定部に搭載される。第2のバッテリー23は、被検体Pに対するスキャンにおいて、固定フレーム22に搭載された制御装置15、移動固定機構26、第1メモリ27、第1ディスプレイ28、第1入力インターフェース29、第1通信インターフェース35、第1処理回路36、架台装置10の外装に設けられた周囲撮影カメラなどの各種デバイス(以下、固定フレーム搭載デバイスと呼ぶ)へ電力を供給する。なお、第2のバッテリー23は、例えば、架台装置10の搬送時において、第1のバッテリー20もしくは回転フレーム搭載デバイスへ、必要に応じて電力を供給してもよい。回転フレーム13と固定フレーム22とを搭載する架台装置10の状態に応じた電力の供給先は、後ほど説明する。
【0030】
接点駆動機構24は、バッテリーへの充電を行う場合、第1接点241と第2接点242とを接触させる。具体的には、接点駆動機構24は、制御装置15による制御のもとで第2接点242を、離隔位置から接触位置へ、または接触位置から離隔位置へ移動させる。接点駆動機構24は、例えば、ボールねじなどを用いた直動機構とモータにより実現される。このとき、接点駆動機構24は、制御装置15によるモータの回転をボールねじに伝達することで、直動機構に搭載された第2接点242を、移動させる。第2接点242の移動方向は、例えば、回転フレーム13の回転に関する回転軸に近づく方向、または当該回転軸から離れる方向である。
【0031】
図2は、第1接点241と第2接点242とが接触可能なチャージポイントCPの一例を示す図である。図2では、チャージポイントCPとして第2接点242に対向する位置に第1接点241が位置するように、制御装置15により回転フレーム13が回転された状態を示している。このとき、接点駆動機構24は、制御装置15による制御により、第2接点242を第1接点241に密着させるように、第2接点242を回転軸に向かって移動させる、すなわち、接点駆動機構24は、離隔位置から接触位置へ、第2接点242を移動させる。図2のおける両矢印DAは、接点駆動機構24による第2接点242の移動方向を示している。
【0032】
第2の電力検知器25は、第2のバッテリー23における電力の残量(以下、第2残量と呼ぶ)を検知する。第2の電力検知器25は、例えば、電圧計により実現される。このとき、第2残量は、第2のバッテリー23における電圧値に相当する。第2の電力検知器25は、無線、有線等の伝送系を介して、検知された第2残量を、第1処理回路36へ出力する。すなわち、第2の電力検知器25は、第2のバッテリー23の第2残量をモニタリングし、モニタリング結果である第2残量を、逐次、第1処理回路36へ出力する。
【0033】
移動固定機構26は、架台装置10に設けられ、当該架台装置10を移動可能および固定可能とする機構である。移動固定機構26は、例えば、架台装置10の底面に設けられる。移動固定機構26は、第2のバッテリー23から供給された電力により動作する。移動固定機構26は、架台装置10を移動させる移動機構と、架台装置10を床面に固定させる固定機構とを有する。
【0034】
移動機構は、例えば、架台装置10の底面に設けられたキャスターと、キャスターを駆動するモータと、モータにより生成された駆動をキャスターに伝達する伝達装置(スプロケットとチェーン、プーリーとベルト、ベベルギアとドライブシャフトなど)とにより実現される。なお、キャスターの代わりに、無限軌道などの他の移動装置により実現されてもよい。移動機構は、制御装置15による制御のもとで、架台装置10を移動させる。架台装置10を移動させる方向は、例えば、回転フレーム13の回転軸および鉛直方向に直交する方向(X軸方向)である。移動機構の構成については、既存技術が利用できるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
固定機構は、例えば、架台装置10の底面に対向する床面に、架台装置10を固定する機能を有する。固定機構は、移動機構をロックする。移動機構のロックとは、例えばキャスターにおける車輪の固定、伝達装置における動力の伝達の遮断などである。加えて、固定機構は、架台装置10の転倒を防止する転倒防止部材を有する。転倒防止部材は、例えば、アウトリガーとして実現される。なお、転倒防止部材は、アウトリガーの代わりに、床面と架台装置10とを固定させるアンカー、ボルトとナットなどにより実現されてもよい。移動機構のロックおよび転倒防止部材は、既存の技術が利用できるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
上記の移動機構及び固定機構は、いわゆるパワーアシスト機構を有し、ユーザの操作に応じて機能することとしてもよい。すなわち、実施形態の一つによれば、移動固定機構26は架台装置10の前面、側面、後面等に設けられたユーザが操作可能なハンドルと、例えばハンドルに設けられたスイッチと、当該ハンドルに設けられユーザの操作力を検出する力センサとを有する。当該スイッチと力センサは、制御装置15に電気的に接続される。スイッチを押した状態でユーザがハンドルにX方向への力を付与すると、力センサは、当該力の大きさに応じた信号を制御装置15に出力する。当該付与された力の大きさが所定の閾値よりも大きい場合、制御装置15は、移動機構を制御して当該力の方向に当該力の大きさに応じた動力を生じさせ、これをもって架台装置10を移動させる。
【0037】
第1メモリ27は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。第1メモリ27は、例えば、DAS18から出力された検出データ、前処理機能362により生成された投影データを記憶する。第1メモリ27は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。
【0038】
第1ディスプレイ28は、例えば、架台装置10の外装に設けられる。第1ディスプレイ28は、各種の情報を表示する。例えば、第1ディスプレイ28は、第1処理回路36における電力供給制御機能363により生成された各種情報や、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、第1ディスプレイ28としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。第1ディスプレイ28は、表示部に相当する。また、第1ディスプレイ28は、架台装置10の搬送状態において、周囲撮影カメラにより撮影された映像を表示する。なお、周囲撮影カメラにより撮影された映像の表示は、専用の確認モニタ(前方確認モニタなど)により表示されてもよい。
【0039】
第1入力インターフェース29は、例えば、架台装置10の外装に設けられる。第1入力インターフェース29は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して第1処理回路36に出力する。例えば、第1入力インターフェース29は、架台装置10の搬送モードの有無の入力や、投影データを収集する際の収集条件や、スキャンプランの選択、スキャンプランの設定などをユーザから受け付ける。第1入力インターフェース29としては、例えば、キーボード、スイッチ、ボタン、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、第1入力インターフェース29は、キーボード、スイッチ、ボタン、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。また、第1入力インターフェース29は、入力部の一例である。
【0040】
第1通信インターフェース35は、端末装置40、画像生成装置5、PACS、HIS、RISとの間でデータ通信を行う。第1通信インターフェース35による通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7(Hearth Level 7)、DICOM、またはその両方等が挙げられる。例えば、第1通信インターフェース35は、前処理機能362により前処理された投影データを、画像生成装置5に送信する。また、第1通信インターフェース35は、第2通信インターフェース41を介して端末装置40から送信された信号を受信する。端末装置40から送信された信号は、例えば、第2入力インターフェース45を介して選択されたスキャンプラン、スキャン実行指示、X線CT装置3の動作に関する各種指示、架台装置10の搬送モードの有無の入力などである。
【0041】
第1処理回路36は、第1入力インターフェース29から出力される入力操作の電気信号および端末装置40における第2入力インターフェース45から出力された入力操作の電気信号に応じて、X線CT装置3全体の動作を制御する。例えば、第1処理回路36は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。第1処理回路36は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能361、前処理機能362、電力供給制御機能363などを実行する。システム制御機能361、前処理機能362、電力供給制御機能363をそれぞれ実行する第1処理回路36は、システム制御部、前処理部、電力供給制御部に相当する。
【0042】
なお、システム制御機能361、前処理機能362、電力供給機能363各々は、単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することによりシステム制御機能361、前処理機能362、電力供給機能363各々を実現するものとしても構わない。
【0043】
第1処理回路36は、システム制御機能361により、第1入力インターフェース29および第2入力インターフェース45を介してユーザから受け付けた入力操作に基づいて、第1処理回路36の各機能を制御する。具体的には、システム制御機能361は、第1メモリ27に記憶されている制御プログラムを読み出して第1処理回路36内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線CT装置3の各部を制御する。
【0044】
第1処理回路36は、前処理機能362により、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理前のデータを生データ、前処理後のデータを投影データと称する。生成された投影データは、第1通信インターフェース35およびネットワーク4を介して、画像生成装置5に送信される。
【0045】
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、回転部と固定部とを含む架台装置10の状態に基づいて、回転フレーム13に搭載されたデバイスと固定フレーム22に搭載されたデバイスとへの、バッテリーからの電力の供給を制御する。例えば、電力供給制御機能363は、X線による被検体Pへのスキャンの待機状態(以下、スタンバイ状態と呼ぶ)において外部電源ESから第1のバッテリー20への給電を制御し、スキャンにおけるX線の曝射状態において第1のバッテリー20および第2のバッテリー23からの電力の供給を制御する。スタンバイ状態は、例えば、移動固定機構26により、架台装置10が床面に固定されている状態に対応しており、当該スタンバイ状態において、回転フレーム13は非回転状態とする。
【0046】
架台装置10はその状態として、例えば搬送状態、スタンバイ状態、曝射状態の各状態を取る。搬送状態とは可搬型のX線CT装置3の一状態であり、当該架台装置10が搬送されている状態を指す。かかる状態において、架台装置10は外部電源に有線接続されない。また、架台装置10の回転フレーム13には回転に制限がかけられており、典型的にはロック機構により回転ができない状態である。なお、搬送状態とは実際に移動されている状態に限らず、移動の途中で一時的に停止した状態も含む。次にスタンバイ状態とは、撮影が行われる場所に架台装置10が到着し、架台装置10が外部電源に有線接続された状態を指す。X線の照射は未だ行われていない。例えばかかるスタンバイ状態では、アンカリング機構(例えば固定機構)により床面または壁に対して架台装置10が固定された状態とされ得る。曝射状態とは、架台装置10が外部電源に有線接続され、固定され、かつ撮影のシーケンスが実行されている状態であり、位置決めのための撮影やX線CTスキャンのためにX線が照射され得る。なお、状態の切り分け方はこれに限らない。架台装置10の移動が可能な状態か否か、外部電源に接続され電力の供給を受けられる状態か否か、撮影が行われている状態か否か、架台装置10に搭載されている第1のバッテリー20または第2のバッテリー23の充電状態、等々の架台装置10の状態に基づいて、電力制御のために種々の状態の切り分け方を採用することができる。
【0047】
また、電力供給制御機能363は、X線を用いたスキャンに関するスキャン条件に基づいて当該スキャンにより消費される消費電力を計算する。消費電力は、例えば、回転フレーム搭載デバイスにより消費される消費電力(以下、第1消費電力と呼ぶ)と、固定フレーム搭載デバイスにより消費される消費電力(以下、第2消費電力と呼ぶ)と、を有する。例えば、端末装置40により選択されたスキャンプランが第1通信インターフェース35を介して受信されると、電力供給制御機能363は、選択されたスキャンプランに基づいて第1消費電力と第2消費電力とを計算する。
【0048】
具体的には、電力供給制御機能363は、スキャンプランにおけるスキャンの数、スキャンの範囲、曝射タイミング、曝射条件(管電流、管電圧、撮影時間など)などのスキャンパラメータを用いて、第1消費電力と第2消費電力とを計算する。なお、電力供給制御機能363は、スキャンプランにおける複数のスキャンパラメータに対応する消費電力の対応表を用いて、第1消費電力と第2消費電力とを決定してもよい。また、電力供給制御機能363は、HISまたはRISから受け付けた検査オーダに基づいてスキャンパラメータを決定し、当該スキャンパラメータに基づいて、第1消費電力と第2消費電力とに関する電力量を概算してもよい。
【0049】
次いで、電力供給制御機能363は、バッテリーにおける電力の残量が消費電力以上である場合、当該スキャンが実行可能であると判定する。具体的には、第1残量が第1消費電力以上であって、第2残量が第2消費電力以上である場合、スキャンが実行可能であると判定する。また、電力供給制御機能363は、算出された消費電力(電力量)に基づいて、撮影可能回数を算出してもよい。このとき、電力供給制御機能363は、算出された撮影可能回数を、第1ディスプレイ28に表示させ、第1通信インターフェース35を介して端末装置40に送信して第2ディスプレイ44に表示させる。
【0050】
また、電力供給制御機能363は、バッテリーの電力の残量が消費電力未満であって、回転フレーム13と固定フレーム22とを搭載する架台装置10が外部電源ESに電気的に接続されている場合、スキャンの待機状態においてバッテリーへの充電を開始する。具体的には、電力供給制御機能363は、第1残量が第1消費電力未満であって、第2残量が第2消費電力未満であって、架台装置10がコネクタ243を介して外部電源ESに接続されている場合、スタンバイ状態において、第1接点241と第2接点242とが互いに向かい合う対向位置であるチャージポイントCPまで、回転フレーム13を回転させ、かつその状態で停止させる。これにより、第1接点241は、図2に示すように、第2接点242に対向する。電力供給制御機能363は、対向位置への回転フレーム13の到達を契機として、第1接点241と第2接点242とを接触させるように接点駆動機構24を制御する。
【0051】
実施形態の1つによれば、回転フレーム13の回転を停止させる場合に、回転フレーム13が常に同じ状態(回転状態)となるように停止させる(以下、停止状態とする)。この形態において回転フレーム13が当該停止状態となっている場合に、回転フレーム13側の第1接点241と固定フレーム22側の第2接点242とが互いに対向するように(すなわち両接点の中心位置間の距離が略最小となるように)、第2接点242を配置する。これにより回転フレーム13を当該停止状態とすることで、電力のやり取りが可能な状態とすることができる。
【0052】
なお、別の実施形態によれば、第2接点242は回転フレーム13が固定されていなくとも、所定の回転状態の範囲にあるときに電力供給ができるよう、回転の周方向に所定の長さで延在していてもよい。
【0053】
すなわち、電力供給制御機能363は、接点駆動機構24を制御し、離隔位置から接触位置へ第2接点242を移動させる。これにより、第1接点241と第2接点242とは接触し、外部電源ESから第1のバッテリー20への充電が開始される。加えて、電力供給制御機能363は、コネクタ243を介した外部電源ESからの電力の供給により、第2のバッテリー23への充電を開始する。
【0054】
バッテリーへの充電の開始を契機として、電力供給制御機能363は、バッテリーの電力の残量と消費電力と充電の速度とに基づいて、当該スキャンが開始可能な時刻(以下、スキャン開始可能時刻と呼ぶ)を計算し、スキャン開始可能時刻をディスプレイに表示させる。具体的には、電力供給制御機能363は、第1消費電力と第1残量との差分を、単位時間当たりの充電量(以下、充電速度と呼ぶ)で除算することにより、第1のバッテリー20に関するスキャン開始可能時刻(以下、第1開始時刻と呼ぶ)を計算する。また、電力供給制御機能363は、第2消費電力と第2残量との差分を、充電速度で除算することにより、第2のバッテリー23に関するスキャン開始可能時刻(以下、第2開始時刻と呼ぶ)を計算する。電力供給制御機能363は、第1開始時刻と第2開始時刻とのうち遅い時刻を、スキャン開始可能時刻として決定する。電力供給制御機能363は、スキャン開始可能時刻を第1ディスプレイ28に表示し、第1通信インターフェース35を介してスキャン開始可能時刻を端末装置40に送信する。
【0055】
電力供給制御機能363は、バッテリーの電力の残量が消費電力未満であって、架台装置10が外部電源ESに電気的に接続されていない場合、バッテリーへの充電を促すメッセージ(以下、充電催促メッセージと呼ぶ)を、例えば警告として第1ディスプレイ28に表示させる。具体的には、電力供給制御機能363は、第1残量が第1消費電力未満であり第2残量が第2消費電力未満であって、架台装置10がコネクタ243を介して外部電源ESに接続されていない場合、ユーザに第1のバッテリー20および第2のバッテリー23への充電を促す充電催促メッセージを第1ディスプレイ28に表示させる。このとき、電力供給制御機能363は、第1通信インターフェース35を介して、充電催促メッセージを端末装置40に送信する。
【0056】
電力供給制御機能363は、架台装置10の移動時と床面への架台装置10の固定時とにおいて、バッテリーから移動固定機構26に電力を供給する。例えば、第1入力インターフェース29や端末装置40を介して架台装置10を搬送に関する指示(ボタンの押下など)がユーザにより入力されると、電力供給制御機能363は、移動固定機構26に電力を供給する。このとき、架台装置10は搬送状態となる。なお、スタンバイ状態と搬送状態との弁別は、外部電源ESとコネクタ243との電気的な接続の有無であってもよい。
【0057】
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、天板支持フレーム34とを備えている。なお、寝台装置30は、第3のバッテリーおよび移動固定機構をさらに有していてもよい。このとき、寝台装置30は、可搬型となる。第3のバッテリーおよび移動固定機構は、固定フレーム22に搭載された第2のバッテリー23および移動固定機構26と同様なため説明は省略する。
【0058】
基台31は、天板支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動させるモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、端末装置40による制御、または制御装置15による制御に従い、天板33を移動する。天板支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、天板支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
【0059】
端末装置40は、第2通信インターフェース41と、第2メモリ42と、第2処理回路43と、第2ディスプレイ44と、第2入力インターフェース45とを有する。端末装置40は、架台装置10および寝台装置30の動作に関する指示を入力するために用いられ、例えば、タブレットPCにより実現される。
【0060】
第2通信インターフェース41は、架台装置10と、画像生成装置5、PACS、HIS、RISとの間でデータ通信を行う。第2通信インターフェース41による通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7、DICOM、またはその両方等が挙げられる。第2通信インターフェース41は、各種装置とのデータ通信により取得されたデータを第2メモリ42に出力する。第2通信インターフェース41は、第2入力インターフェース45に入力された入力操作の電気信号を、第1通信インターフェース35へ送信する。また、第2通信インターフェース41は、画像生成装置5から受信した各種医用画像、検査オーダ、スキャンプランなどを、第2メモリ42に出力する。第2通信インターフェース41は、第1通信インターフェース35から送信された充電催促メッセージおよびスキャン開始可能時刻を、第2処理回路43に出力する。
【0061】
第2メモリ42は、種々の情報を記憶するHDDやSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。第2メモリ42は、HDDやSSD等以外にも、CD、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。第2メモリ42は、第2通信インターフェース41を介して、各種装置から収集されたデータを記憶する。例えば、第2メモリ42は、第2通信インターフェース41を介して第2処理回路43により取得された複数のスキャンプランと、当該スキャンプランの実行により画像生成装置5により生成された医用画像とを記憶する。なお、第2メモリ42は、スキャンプランに対応する検査オーダを記憶してもよい。第2メモリ42は、端末制御機能431と表示機能432とに関するプログラムを記憶する。第2メモリ42の実現手段は、第1メモリ27と同様なため、説明は省略する。
【0062】
第2処理回路43は、例えば、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。また、第2処理回路43は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDなどにより実現されてもよい。第2処理回路43は、端末制御機能431および表示機能432などを有する。端末制御機能431および表示機能432は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で第2メモリ42に記憶されている。第2処理回路43は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、端末制御機能431および表示機能432を実行する。すなわち、第2処理回路43は、第2メモリ42からプログラムを読み出して実行することでプログラムに対応する機能を実現するプロセッサに相当する。
【0063】
換言すると、プログラムを読み出した状態の第2処理回路43は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、端末制御機能431および表示機能432は、単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより端末制御機能431および表示機能432を実現するものとしても構わない。端末制御機能431および表示機能432を実現する第2処理回路43は、表示制御部および端末制御部の一例である。第2処理回路43は、端末制御機能431により、第2入力インターフェース45を介してユーザから受け付けた入力操作に基づいて、第2処理回路43の各機能を制御する。具体的には、端末制御機能431は、第2メモリ42に記憶されている端末制御プログラムを読み出して第2処理回路43内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従って端末装置40の各部を制御する。
【0064】
第2処理回路43は、表示機能432により、第2ディスプレイ44における各種表示について、第2ディスプレイ44を制御する。例えば、表示機能432は、複数のスキャンプランを、第2ディスプレイ44に一覧で表示させる。表示機能432は、第1通信インターフェース35から出力された充電催促メッセージおよびスキャン可能開始時刻を、第2ディスプレイ44に表示させる。表示機能432は、画像生成装置5から送信された医用画像を、第2ディスプレイ44に表示させる。なお、第2ディスプレイ44に表示された医用画像に対して回転、拡大、アノテーション追加等の画像処理の指示が第2入力インターフェース45を介して入力された場合、表示機能432は、当該画像処理を実行し、当該画像処理の結果を第2ディスプレイ44に表示させる。
【0065】
第2ディスプレイ44は、各種の情報を表示する。例えば、第2ディスプレイ44は、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。第2ディスプレイ44としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。
【0066】
第2ディスプレイ44は、表示機能432により、画像生成装置5から送信された医用画像、および上記画像処理が実行された結果を表示する。第2ディスプレイ44は、表示機能432により、複数のスキャンプランを、一覧で表示する。第2ディスプレイ44は、表示機能432により、第1通信インターフェース35から出力された充電催促メッセージを表示する。充電催促メッセージは、外部電源ESにコネクタ243を接続することをユーザに促すための文字列を有する。充電催促メッセージの内容は、例えば、「コネクタを外部電源に接続してください」などである。また、第2ディスプレイ44は、スキャン可能開始時刻を表示する。第2ディスプレイ44の実現手段は、第1ディスプレイ28と同様なため、説明は省略する。
【0067】
第2入力インターフェース45は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換し、第2処理回路43に出力する。また、変換された電気信号は、第2通信インターフェース41および第1通信インターフェース35を介して、第1処理回路36に出力される。例えば、第2入力インターフェース45は、選択指示や各種条件などを操作者から受け付ける。第2入力インターフェース45としては、例えば、マウス、キーボード、スイッチ、ボタン、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。
【0068】
なお、本実施形態において、第2入力インターフェース45は、マウス、キーボード、スイッチ、ボタン、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を第1処理回路36および第2処理回路43へ出力する電気信号の処理回路も第2入力インターフェース45の例に含まれる。
【0069】
画像生成装置5は、第3通信インターフェース51と、第3メモリ52と、第3処理回路53とを有する。なお、画像生成装置5は、PACSにおけるサーバなどの他のサーバ装置に組み込まれてもよい。
【0070】
第3通信インターフェース51は、例えば、第1通信インターフェース35と、第2通信インターフェース41との間でデータ通信を行う。なお、第3通信インターフェース51は、PACSのサーバなどの各種サーバ装置と、ネットワーク4を介して通信することも可能である。第3通信インターフェース51による通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7、DICOM、またはその両方等が挙げられる。第3通信インターフェース51は、架台装置10や各種サーバ装置とのデータ通信により取得されたデータを、第3メモリ52に出力する。
【0071】
例えば、第3通信インターフェース51は、端末装置40における第2入力インターフェース45に入力された入力操作の電気信号を受信する。第3通信インターフェース51は、受信した電気信号を、第3処理回路53に出力する。また、第3通信インターフェース51は、架台装置10から送信された投影データを受信し、受信した投影データを、第3処理回路53に出力する。第3通信インターフェース51は、画像生成機能532により生成された医用画像を、端末装置40に送信する。
【0072】
第3メモリ52は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。第3メモリ52は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。
【0073】
第3メモリ52は、再構成機能531、画像生成機能532などの実行により生成されたデータなどを記憶する。第3メモリ52は、第3通信インターフェース51を介して、架台装置10から送信された投影データを記憶する。なお、第3メモリ52は、架台装置10から出力された前処理前の検出データを記憶してもよい。また、第3メモリ52は、再構成機能531により生成された再構成データや、画像生成機能532により生成された医用画像を記憶する。
【0074】
第3メモリ52は、再構成機能531により実行される再構成処理に関するプログラムを記憶する。再構成処理は、例えば、フィルタ補正逆投影法(FBP法:Filtered Back Projection)や逐次近似再構成法などである。第3メモリ52は、画像生成機能532により実行される画像生成処理に関するプログラムを記憶する。画像生成処理は、例えば、ボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理などである。
【0075】
第3処理回路53は、例えば、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM等のメモリとを有する。また、第1処理回路36は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)などにより実現されてもよい。
【0076】
第3処理回路53は、再構成機能531と画像生成機能532とを有する。なお、第3処理回路53は、前処理機能362を有していてもよい。このとき、画像生成装置5には、DAS18から出力された検出データが送信されることとなる。再構成機能531と画像生成機能532とにおいては、各機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で第3メモリ52に記憶されている。第3処理回路53は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、再構成機能531と画像生成機能532とを実行する。
【0077】
すなわち、第3処理回路53、第3メモリ52からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサに相当する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の第3処理回路53は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、再構成機能531と画像生成機能532とは、単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより再構成機能531と画像生成機能532とをそれぞれ実現するものとしても構わない。
【0078】
第3処理回路53は、再構成機能531により、架台装置10から送信された投影データに対して、再構成処理を行ってボリュームデータを生成する。再構成機能531は、再構成されたボリュームデータを、第3メモリ52に格納する。画像生成機能532は、再構成されたボリュームデータに種々の画像処理を施すことで、医用画像を生成する。
【0079】
以上のように構成された本実施形態に係る可搬型のX線CT装置3において、電力供給制御機能363により電力の供給を制御する処理(以下、電力供給制御処理と呼ぶ)について、図3乃至図8を用いて説明する。
【0080】
図3は、第1のバッテリー20および第2のバッテリー23の充電状態における電力伝送の一例を示す図である。図3に示すように、充電状態において、電力供給制御機能363は、チャージポイントCPにおいて第1接点241と第2接点242とを接触させるように、回転フレーム13と接点駆動機構24とを制御する。外部電源ESからコネクタ243を介して架台装置10に入力された電力は、第2のバッテリー23と、チャージポイントCPを経由した第1のバッテリー20とに到達する。
【0081】
これにより、第1のバッテリー20と第2のバッテリー23とは充電される。また、図3における点線の矢印で示すように、回転フレーム搭載デバイス131には、例えば、X線管11やDAS18の冷却など、必要に応じて第1のバッテリー20から給電されてもよい。また、図3における点線の矢印で示すように、固定フレーム搭載デバイス221には、例えば、第1処理回路36における各種機能の実行や第1ディスプレイ28における各種情報の表示など、必要に応じて第2のバッテリー23から給電されてもよい。
【0082】
図4は、架台装置10の搬送状態における電力伝送の一例を示す図である。図4に示すように、外部電源ESは、コネクタ243から切り離されている。図4における実線の矢印で示すように、搬送状態において、電力供給制御機能363は、第2のバッテリー23から搬送サポートユニットに電力を供給する。搬送サポートユニットは、例えば、移動固定機構26、第1ディスプレイ28、周囲撮影カメラ、前方確認モニタなど、架台装置10の搬送に関して、ユーザへの支援となる各種デバイスである。図4における点線の矢印で示すように、回転フレーム搭載デバイス131には、例えば、X線管11やDAS18の冷却など、必要に応じて第1のバッテリー20から給電されてもよい。
【0083】
図5は、架台装置10のスタンバイ状態における電力伝送の一例を示す図である。図5における実線の矢印で示すように、スタンバイ状態において、電力供給制御機能363は、第1のバッテリー20から回転フレーム搭載デバイス131へ通電を行う。加えて、電力供給制御機能363は、第2のバッテリー23から固定フレーム搭載デバイス221へ通電を行う。これらにより、電力供給制御機能363は、スキャンすなわちX線の曝射の準備を行う。なお、図5の点線で示すように、外部電源ESは、コネクタ243を介して架台装置10に接続されていてもよい。このとき、電力供給制御機能363は、第1のバッテリー20および第2のバッテリー23と併用して、固定フレーム搭載デバイス221および回転フレーム搭載デバイス131へ、外部電源ESから電力を供給する。
【0084】
図6は、架台装置10におけるX線の曝射状態における電力伝送の一例を示す図である。図6における実線の矢印で示すように、X線の曝射時には、第1のバッテリー20は、回転フレーム搭載デバイス131へ電力を供給し、第2のバッテリー23は、固定フレーム搭載デバイス221へ電力を供給する。なお、第2のバッテリー23には、図6の点線の矢印に示すように、コネクタ243を介して外部電源ESから電力が供給されてもよい。X線の曝射状態において、回転フレーム搭載デバイス131は固定フレーム22から電気的に独立した状態となり、X線CT装置3はスリップリングなしで稼働することができる。
【0085】
なお、本実施形態の応用例として、チャージポイントCPに替えて、スリップリングが回転フレーム13と固定フレーム22との間に設けられてもよい。このとき、第1接点241第2接点242、接点駆動機構24は不要となる。本応用例では曝射時など回転フレーム13が回転している状態であっても、第1のバッテリー20と外部電源ESとの併用で、回転フレーム搭載デバイス131へ電力を供給することができる。このため、回転フレーム13の回転時において、回転フレーム13へ供給される電力を低減することができる。これにより、本応用例におけるスリップリングは、従来のスリップリングに対して電力供給のチャンネル数を削減することができ、スリップリングを小型化することができる。
【0086】
図7は、図3乃至図6に関して、架台装置10の状態に応じた電力供給先および電力供給元の一覧を示す表である。図7に示す矢印は、矢印の矢尻に向けて電力が供給されることを示している。図7に示す×印は、電力が供給されないことを示している。図7におけるチャージポイントにおける列の括弧書きの矢印は、チャージポイントCPの代わりにスリップリングが用いられた場合の電力供給を示している。また、図7におけるチャージポイントにおける列における「必要に応じて」とは、架台装置10が搬送状態である場合、第1残量および第2残量に応じて、回転フレーム側と固定フレーム側との間で適宜電力が融通されることを示している。また、図3乃至図6における点線の矢印は、必要に応じて電力が融通されることを示している。
【0087】
例えば、X線管11に電力を供給し続ける必要がある場合やDAS18を冷却し続ける必要がある場合、架台装置10の搬送時においても回転フレーム搭載デバイス131への電力供給が行われる。このとき、電力供給制御機能363は、X線管11の温度およびDAS18の温度が一定の温度になるまで、回転フレーム搭載デバイス131へ電力を供給する。これにより、X線管11およびDAS18は、一定の温度となるまで冷却される。次いで、電力供給制御機能363は、X線管11の温度およびDAS18の温度の一定の温度への到達を契機として、回転フレーム搭載デバイス131への電力の供給を停止する。
【0088】
また、回転フレーム搭載デバイス131においてX線の曝射に伴うデータが残っている場合においても、電力供給制御機能363は、当該データの固定フレーム22への転送が完了するまで、回転フレーム搭載デバイス131に電力を供給する。このとき、当該データの固定フレーム22への転送の完了を契機として、回転フレーム搭載デバイス131への電力の供給を停止する。また、バッテリーの残量(第1残量および第2残量)に余裕があり、かつ、撮影オーダや緊急撮影オーダがRISからX線CT装置3に転送されている場合、電力供給制御機能363は、回転フレーム搭載デバイス131および固定フレーム搭載デバイス221への電力の供給を維持する。また、架台装置10の搬送中などの搬送状態において、電力供給制御機能363は、回転フレーム搭載デバイス131に対して省電力モードで、電力を供給してもよい。省電力モードとは、例えは、回転フレーム搭載デバイス131においてスキャンの準備などで立ち上がりに時間がかかるデバイスにのみ電力供給を行い、立ち上がりに時間がかからないデバイスには、電力を供給しないモードである。
【0089】
以下、架台装置10がスタンバイ状態である場合の電力供給制御処理の手順について説明する。図8は、電力供給制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0090】
(電源供給制御処理)
(ステップS801)
第1ディスプレイ28と第2ディスプレイ44との少なくとも一方に、スキャンプランの一覧が表示される。ユーザは、第1入力インターフェース29または第2入力インターフェース45を介して、スキャンプランを選択する。選択されたスキャンプランは、第1処理回路36へ出力される。なお、第1ディスプレイ28と第2ディスプレイ44との少なくとも一方に、検査オーダの一覧が表示されてもよい。このとき、ユーザは、第1入力インターフェース29または第2入力インターフェース45を介して、検査オーダを選択する。選択された検査オーダは、第1処理回路36へ出力される。
【0091】
(ステップS802)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、選択されたスキャンプランに基づいて架台装置10における消費電力を計算する。具体的には、電力供給制御機能363は、選択されたスキャンプランおけるスキャンの数、スキャンの範囲、曝射タイミング、曝射条件などのスキャンパラメータを用いて、第1消費電力と第2消費電力とを計算する。なお、検査オーダが選択された場合、電力供給制御機能363は、選択された検査オーダにおける内容を用いて、第1消費電力と第2消費電力とを計算してもよい。また、電力供給制御機能363は、スキャンパラメータに対する第1の消費電力および第2の消費電力の対応表を選択されたスキャンプランと照合することにより、第1消費電力と第2消費電力とを決定してもよい。このとき、当該対応表は、第1メモリ27に記憶される。
すなわち、
【0092】
(ステップS803)
第1の電力検知器21と第2の電力検知器25とを含む電力検知器は、第1のバッテリー20および第2のバッテリー23各々におけるバッテリーの残量(第1残量および第2残量)を検知する。すなわち、第1の電力検知器21は第1残量を検知し、第1処理回路36へ第1残量を出力する。加えて、第2の電力検知器25は第2残量を検知し、第1処理回路36へ第2残量を出力する。なお、電力供給制御処理の実行の有無にかかわらず、第1残量および第2残量は、第1の電力検知器21および第2の電力検知器25により、常にそれぞれモニタリングされ、第1処理回路36へ出力されていてもよい。このとき、本ステップは不要となる。
【0093】
(ステップS804)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、検知されたバッテリーの電力の残量と、計算された消費電力とを比較する。電力の残量が消費電力以上であれば(ステップS804のYes)、ステップS810の処理が実行される。電力の残量が消費電力未満以上であれば(ステップS804のNo)、ステップS805の処理が実行される。
【0094】
具体的には、電力供給制御機能363は、第1残量と第1消費電力とを比較し、第2残量と第2消費電力とを比較する。第1残量が第1消費電力以上であって、かつ第2残量が第2消費電力以上である場合、ステップS804のYes)、ステップS810の処理が実行される。第1残量が第1消費電力以上であってかつ第2残量が第2消費電力未満である場合、または、第1残量が第1消費電力未満であってかつ第2残量が第2消費電力以上である場合、または第1残量が第1消費電力未満であってかつ第2残量が第2消費電力未満である場合、ステップS804においてNoと判定され、ステップS805の処理が実行される。
【0095】
(ステップS805)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、コネクタ243が外部電源ESに電気的に接続されているか否かを判定する。コネクタ243が外部電源ESに電気的に接続されている場合(ステップS805のYes)、ステップS807の処理が実行される。コネクタ243が外部電源ESに電気的に接続されていない場合(ステップS805のNo)、ステップS806の処理が実行される。
【0096】
(ステップS806)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、バッテリーへの充電を促す充電催促メッセージを、ディスプレイ(第1ディスプレイ28および第2ディスプレイ44)に表示させる。このとき、ディスプレイは、充電催促メッセージとともに、スキャンが実行不能であるエラーメッセージを表示してもよい。
【0097】
具体的には、電力供給制御機能363は、第1ディスプレイ28および架台装置10の外装に設けられたモニタ等に、充電催促メッセージを表示させる。加えて、電力供給制御機能363は、第1通信インターフェース35を介して、充電催促メッセージとエラーメッセージとを、端末装置40へ送信する。端末装置40は、第2通信インターフェース41を介して充電催促メッセージとエラーメッセージを受信すると、受信された充電催促メッセージとエラーメッセージとを、第2ディスプレイ44に表示させる。本ステップの後、ステップS805の処理が繰り返される。すなわち、本ステップにおける充電催促メッセージとエラーメッセージとのディスプレイへの表示は、コネクタ243と外部電源ESとがユーザにより電気的に接続されるまで実行される。
【0098】
(ステップS807)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、バッテリーへの充電を開始する。具体的には、電力供給制御機能363は、制御装置15に対する制御により、第1接点241がチャージポイントCPに位置するように、回転フレーム13を回転させる。次いで、電力供給制御機能363は、接点駆動機構24を制御し、第1接点241に第2接点242を接触させる。これにより、第1のバッテリー20の充電が開始される。なお、電力供給制御機能363は、第2のバッテリー23の最大充電容量に第2残量が到達しているか否かを判定してもよい。電力供給制御機能363は、第2のバッテリー23の最大充電容量に第2残量が到達していない場合、第2のバッテリー23への充電を開始する。
【0099】
(ステップS808)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、バッテリーの残量と、消費電力と、充電速度とに基づいて、スキャン開始可能時刻を計算する。具体的には、電力供給制御機能363は、第1残量と第1消費電力の差分を充電速度で除算することにより、第1開始時刻を計算する。加えて、電力供給制御機能363は、第2残量と第2消費電力の差分を充電速度で除算することにより、第2開始時刻を計算する。続いて、電力供給制御機能363は、第1開始時刻と第2開始時刻とのうち遅い時刻をスキャン開始可能時刻として決定する。
【0100】
(ステップS809)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、スキャン開始可能時刻をディスプレイに表示させる。具体的には、電力供給制御機能363は、スキャン開始可能時刻を、第1ディスプレイ28に表示させ、第1通信インターフェース35を介してスキャン開始可能時刻を、端末装置40に送信する。第2処理回路43は、表示機能432により、第2通信インターフェース41において受信されたスキャン開始可能時刻を、第2ディスプレイ44に表示させる。本ステップの後、ステップS803の処理が繰り返される。
【0101】
(ステップS810)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、バッテリーが充電中であるか否かを判定する。バッテリーが充電中である場合(ステップS810のYes)、ステップS811の処理が実行される。バッテリーが充電中でない場合(ステップS810のNo)、ステップS812の処理が実行される。具体的には、電力供給制御機能363は、第1のバッテリー20と第2のバッテリー23とのうち少なくとも一つが充電中であるか否かを判定する。第1のバッテリー20と第2のバッテリー23とのうち少なくとも一つが充電中である場合(ステップS810のYes)、ステップS811の処理が実行される。第1のバッテリー20と第2のバッテリー23とがともに充電中でない場合(ステップS810のNo)、ステップS812の処理が実行される。
【0102】
(ステップS811)
第1処理回路36は、電力供給制御機能363により、バッテリーへの充電を停止する。具体的には、電力供給制御機能363は、接点駆動機構24を制御することにより、第2接点242を、接触位置から離隔位置へ移動させる。これにより、第1接点241と第2接点242とは電気的に遮断され、第1のバッテリー20への充電は停止される。このとき、回転フレーム搭載デバイス131は、固定フレーム22に対して電気的に独立する。また、電力供給制御機能363は、第2のバッテリー23への充電を停止する。
【0103】
(ステップS812)
端末装置40を介してユーザによるスキャン開始指示が入力されると、選択されたスキャンプランに対応するスキャンが実行される。具体的には、第2入力インターフェース45を介してスキャン開始指示が入力されると、第2通信インターフェース41は、第1通信インターフェース35へ、スキャン開始指示を送信する。第1通信インターフェース35は、スキャン開始指示を第1処理回路36へ出力する。第1処理回路36は、スキャン開始指示の入力を契機として、システム制御機能361により、選択されたスキャンプランに対応するスキャンを実行するように、X線CT装置3における各種デバイスを制御する。このとき、第1のバッテリー20は、回転フレーム搭載デバイス131に電力を供給する。加えて、第2のバッテリー23は、固定フレーム搭載デバイス221に電力を供給する。以上により、電源供給制御処理は完了する。
【0104】
以上に述べた第1の実施形態に係る可搬型のX線CT装置3によれば、バッテリーは、回転部と固定部のそれぞれに搭載され、回転部と固定部とを含む架台装置10の状態に基づいて、回転フレーム搭載デバイス131と固定フレーム搭載デバイス221とへのバッテリーからの電力の供給を制御する。これにより、本X線CT装置3によれば、無停電電源装置が不要であるにもかかわらず、停電時においてもバッテリーから回転フレーム搭載デバイス131と固定フレーム搭載デバイス221とに必要に応じて電力を供給することができる。また、本X線CT装置3によれば、例えば、図5および図7に示すように、電力供給制御機能363は、回転部の第1のバッテリー20と固定部の第2のバッテリー23との間で状況に応じて電力を供給し合う。このため、停電時であってもスキャンを運用可能であって、例えば、無停電電源装置の費用や無停電電源装置との架台装置10との電気的な接続に関する各種費用、すなわち無停電電源装置に関するコストを削減することができる。
【0105】
また、本X線CT装置3によれば、スリップリングが不要、またはチャンネル数の削減によるスリップリングの小型化および軽量化を実現することができる。これにより、架台装置10の重量およびサイズを低減することができ、架台装置10の搬送における操作性を向上させることができる。加えて、本X線CT装置3によれば、スリップリングの不要、またはチャンネル数の削減によるスリップリングの小型化により、スリップリングにおけるブラシにより発生する摩耗粉の対応等のメンテナンスが不要となること、または当該メンテナンスが軽減されることにより、本X線CT装置3の保守性が向上し、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0106】
また、第1の実施形態に係る可搬型のX線CT装置3によれば、X線を用いたスキャンに関するスキャン条件に基づいて、当該スキャンにより消費される消費電力を計算し、電力検知器により検知されたバッテリーの電力の残量が消費電力以上である場合スキャンが実行可能であると判定し、当該記電力の残量が消費電力未満であって架台装置10が外部電源ESに電気的に接続されている場合、待機状態においてバッテリーへの充電を開始し、当該電力の残量が消費電力未満であって架台装置10が外部電源ESに電気的に接続されていない場合、バッテリーへの充電を促すメッセージをディスプレイに表示させる。これにより、本X線CT装置3によれば、被検体Pに対するスキャンにおける曝射開始後において、バッテリーの残量不足によるスキャンの中断を回避することができ、被検体Pへの不要被ばくを回避することができる。
【0107】
また、第1の実施形態に係る可搬型のX線CT装置3によれば、バッテリーへの充電が開始された場合、検知された電力の残量と、計算された消費電力と、充電の速度とに基づいて、スキャンが開始可能な時刻を計算し、スキャンが開始可能な時刻をディスプレイに表示させる。これにより、本X線CT装置3によれば、ユーザにスキャン可能時刻を報知することができるため、スキャンの開始に関する操作性を向上させることができる。
【0108】
また、第1の実施形態に係る可搬型のX線CT装置3によれば、架台装置10の移動時と床面への架台装置10の固定時とにおいて、バッテリーから移動固定機構26に電力を供給する。これにより、本X線CT装置3によれば、架台装置10の搬送および固定に関するユーザに対してパワーアシストを行うことができ、効率的に架台装置10を搬送および固定することができる。
【0109】
以上のことから、可搬型の本X線CT装置3によれば、架台装置10の搬送等に対してパワーアシストを提供でき、かつ低コストであって、搬送に関する操作性を向上させることができる。加えて、本X線CT装置3によれば、バッテリーの充電状態により停電時においてもスキャンを実行することができるため、不要な被ばくを低減させ、かつ検査効率を向上させることができる。
【0110】
(第1変形例)
本変形例は、第1の実施形態における第2のバッテリー23を架台装置10において非搭載とすることにある。すなわち、本変形例におけるX線CT装置3は、図1に記載の第2のバッテリー23を抜いた構成となる。換言すれば、バッテリーは、回転部に搭載される。本変形例における電力供給制御処理に関して、架台装置10の状態に対する電力伝送経路は、図9乃至図12に示すものとなる。図9図11図12に示すように、架台装置10の状態が充電状態、スタンバイ状態、および曝射状態である場合、外部電源ESとコネクタ214との接続により、固定フレーム搭載デバイス221へ電力が供給される。以下の図9乃至図12に関して、図3乃至図6と重複する部分については、適宜説明を省略する。
【0111】
図9は、第1のバッテリー20の充電状態における電力伝送の一例を示す図である。外部電源ESからコネクタ243を介して架台装置10に入力された電力は、チャージポイントCPを経由して第1のバッテリー20に到達する。これにより、第1のバッテリー20は充電される。また、外部電源ESからコネクタ243を介して架台装置10に入力された電力は、固定フレーム搭載デバイス221に供給される。
【0112】
図10は、架台装置10の搬送状態における電力伝送の一例を示す図である。図10における実線の矢印で示すように、搬送状態において、電力供給制御機能363は、第1のバッテリー20から、チャージポイントCPを介して搬送サポートユニットに電力を供給する。すなわち、電力供給制御機能363は、架台装置10が搬送状態にある場合に、回転部に搭載された第1のバッテリー20から固定部に対して電力を供給する。また、図9および図10における点線の矢印で示すように、回転フレーム搭載デバイス131には、必要に応じて第1のバッテリー20から電力が供給される。
【0113】
図11は、架台装置10のスタンバイ状態における電力伝送の一例を示す図である。図11における実線の矢印で示すように、電力供給制御機能363は、外部電源ESから固定フレーム搭載デバイス221へ通電を行う。なお、電力供給制御機能363は、図11における点線及び実線の矢印で示すように、チャージポイントCPを介して、第1のバッテリー20から固定フレーム搭載デバイス221へ、または外部電源ESから第1のバッテリー20へ、電力を供給してもよい。
【0114】
図12は、架台装置10におけるX線の曝射状態における電力伝送の一例を示す図である。図12における実線の矢印で示すように、固定フレーム搭載デバイス221への電力は、外部電源ESから供給される。X線の曝射状態において、回転フレーム搭載デバイス131は固定フレーム22から電気的に独立した状態となり、X線CT装置3はスリップリングなしで稼働することができる。
【0115】
なお、本変形例の応用例として、チャージポイントCPに替えて、スリップリングが回転フレーム13と固定フレーム22との間に設けられてもよい。このとき、第1接点241と第2接点242と接点駆動機構24とは不要となる。本応用例では曝射時など回転フレーム13が回転している状態であっても、第1のバッテリー20から固定フレーム搭載デバイス221へ電力を供給することができる。このため、架台装置10がいずれの状態であっても、固定フレーム搭載デバイス221が必要とする電力を供給することができる。これにより、本応用例におけるスリップリングは、従来のスリップリングに対して電力供給のチャンネル数を削減することができ、スリップリングを小型化することができる。
【0116】
図13は、図9乃至図12に関して、架台装置10の状態に応じた電力供給先および電力供給元の一覧を示す表である。図13に示す矢印、×印、および「必要に応じて」の意味は、図7と同様である。図13に示すように、架台装置10の状態が搬送状態である場合を除いて、コネクタ243は外部電源ESに電気的に接続される。図13および図11に示すように、本変形例と第1の実施形態との主な相違は、架台装置10が搬送状態である場合、チャージポイントCPを介して、第1のバッテリー20から搬送サポートユニットへ、電力が供給されることにある。
【0117】
架台装置10がスタンバイ状態である場合の電力供給制御処理の手順の内容は、図8に示すフローチャートに関する説明において、第2のバッテリー23に関する処理を省略したものに対応する。このため、本変形例において、架台装置10がスタンバイ状態である場合の電力供給制御処理の手順の内容の説明は省略する。
【0118】
以上に述べた第1の実施形態の第1の変形例に係る可搬型のX線CT装置3によれば、バッテリーの搭載数を低減できるため、コストをさらに低減することおよび架台装置10の更なる軽量化を実現することができる。他の効果については、第1の実施形態に記載の効果と同様なため、説明は省略する。
【0119】
(第2変形例)
本変形例は、第1の実施形態における第1のバッテリー20を架台装置10において非搭載とすることにある。すなわち、バッテリーは、固定部に搭載される。このため、本変形例においては、回転フレーム13が回転状態であっても回転フレーム搭載デバイス131への電力伝送が必要になる。これにより、本変形例におけるX線CT装置3では、スリップリングの構成が必須となる。すなわち、本変形例におけるX線CT装置3は、図1から第1のバッテリー20、第1接点241、第2接点242、および接点駆動機構24を抜き、回転フレーム13と固定フレーム22と間にスリップリング配置した構成となる。
【0120】
本変形例における電力供給制御処理に関して、架台装置10の状態に対する電力伝送経路は、図14乃至図16に示すものとなる。図14図16に示すように、架台装置10の状態が充電状態、スタンバイ状態、および曝射状態である場合、外部電源ESとコネクタ243との接続により、第2のバッテリー23およびスリップリングSRへ電力が供給される。
【0121】
図14は、第2のバッテリー23の充電状態における電力伝送の一例を示す図である。外部電源ESからコネクタ243を介して架台装置10に入力された電力は、第2のバッテリー23に到達する。これにより、第2のバッテリー23は充電される。また、外部電源ESからコネクタ243を介して架台装置10に入力された電力は、図14における点線の矢印に示すように、必要に応じて、スリップリングSRを介して回転フレーム搭載デバイス131に、外部電源ESから電力が供給される。
【0122】
図15は、架台装置10の搬送状態における電力伝送の一例を示す図である。図15における実線の矢印で示すように、搬送状態において、電力供給制御機能363は、第2のバッテリー23から、搬送サポートユニットに電力を供給する。すなわち、電力供給制御機能363は、架台装置10が搬送状態にある場合に、固定部と回転部の両方に電力を供給する。また、図15における点線の矢印で示すように、必要に応じて、スリップリングSRを介して回転フレーム搭載デバイス131に、第2のバッテリー23から電力が供給される。
【0123】
図16は、架台装置10のスタンバイ状態および曝射状態における電力伝送の一例を示す図である。図16における実線の矢印で示すように、電力供給制御機能363は、スリップリングSRを介して、外部電源ESから回転フレーム搭載デバイス131へ通電を行う。また、第2のバッテリー23は、固定フレーム搭載デバイス221へ電力を供給する。
【0124】
図17は、図14乃至図16に関して、架台装置10の状態に応じた電力供給先および電力供給元の一覧を示す表である。図17に示す矢印、×印、および「必要に応じて」の意味は、図7と同様である。図17に示すように、架台装置10の状態が搬送状態である場合を除いて、コネクタ243は外部電源ESに電気的に接続される。図17および図15に示すように、本変形例と第1の実施形態との主な相違は、架台装置10が搬送状態である場合、スリップリングSRを介して、第2のバッテリー23から搬送サポートユニットへ、電力が供給されることにある。
【0125】
架台装置10がスタンバイ状態である場合の電力供給制御処理の手順の内容は、図8に示すフローチャートに関する説明において、第1のバッテリー20に関する処理を省略したものに対応する。このため、本変形例において、架台装置10がスタンバイ状態である場合の電力供給制御処理の手順の内容の説明は省略する。
【0126】
以上に述べた第1の実施形態の第2の変形例に係る可搬型のX線CT装置3によれば、第1の変形例と同様に、必要最低限のバッテリーの搭載で搬送状態の電力供給が確保できる。また、停電時に電力が必要なユニットに最低限の電力を供給することができるので、第1の実施形態および第1の変形例と同様に、外部に無停電電源装置を追加する必要がなく、X線CT装置3におけるコストを低減することができる。他の効果については、第1の実施形態や第1の変形例に記載の効果と同様なため、説明は省略する。
【0127】
(第2の実施形態)
本実施形態におけるX線CT装置は、病院等に固定された固定型である。図18は、固定型のX線CT装置2の構成の一例を示す図である。図18における固定型のX線CT装置2は、架台装置9と、寝台装置30と、コンソール装置6とを有する。図18に示す寝台装置30は、図1に示す可搬型のX線CT装置3における寝台装置30と同様なため、説明は省略する。架台装置9は、可搬型のX線CT装置3における架台装置10において移動固定機構26と、第1メモリ27と、第1ディスプレイ28と、第1入力インターフェース29と、第1処理回路36と、第1通信インターフェース35とを有さない構成である。コンソール装置6は、メモリ61と、ディスプレイ62と、入力インターフェース63と、処理回路64と、通信インターフェース65とを有する。
【0128】
メモリ61は、第1メモリ27、第2メモリ42、および第3メモリ52で説明した機能および構成を有する。このため、メモリ61の説明は省略する。
【0129】
ディスプレイは62、第1ディスプレイ28および第2ディスプレイ44で説明した機能および構成を有する。このため、ディスプレイ62の説明は省略する。
【0130】
入力インターフェース63は、第1入力インターフェース29および第2入力インターフェース45で説明した機能および構成を有する。このため、入力インターフェース63の説明は省略する。
【0131】
処理回路64は、第1処理回路36における各種機能と、第2処理回路43における各種機能と、第3処理回路53における各種機能とを有する。換言すれば、処理回路64は、図1に示す画像生成装置5における各種機能と、図1に示す端末装置40における各種機能と、第1処理回路36により実現される各種機能とを有する。このため、処理回路64の説明は省略する。
【0132】
通信インターフェース65は、PACS、HIS、RISとの間でデータ通信を行う。通信インターフェース65による通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7、DICOM、またはその両方等が挙げられる。通信インターフェース65は、各種装置とのデータ通信により取得されたデータをメモリ61に出力する。また、通信インターフェース65は、PACS、HIS、およびRISとの通信により取得された各種医用画像、検査オーダ、スキャンプランなどを、メモリ61に出力する。
【0133】
本実施形態における電力供給制御処理は、架台装置9の搬送状態を除いて第1の実施形態に準ずる。固定型のX線CT装置2への電力は、外部電源ESから常時供給される。このため、架台装置9の充電状態、スタンバイ状態および曝射状態において、固定フレーム搭載デバイス221およびコンソール装置6への電力の供給は、第2のバッテリー23と外部電源ESとの併用となる。すなわち、電力供給制御処理は、図3および図5乃至図8図7における搬送状態を除く)とほぼ同様となる。これらのことから、第2の実施形態における電力供給制御処理の手順および効果は、搬送状態に関する記載内容を除いて第1の実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0134】
(第3変形例)
本変形例は、第2実施形態における第2のバッテリー23を架台装置9において非搭載とすることにある。本変形例における電力供給制御処理の手順および効果は、搬送状態に関する記載内容を除いて第1変形例と同様なため、説明は省略する。
【0135】
(第4変形例)
本変形例は、第2実施形態における第1のバッテリー20を架台装置9において非搭載とすることにある。このため、本変形例においては、回転フレーム13が回転状態であっても回転フレーム搭載デバイス131への電力伝送が必要になる。これにより、本変形例におけるX線CT装置2では、スリップリングの構成が必須となる。すなわち、本変形例におけるX線CT装置2は、図18から第1のバッテリー20、第1接点241、第2接点242、および接点駆動機構24を抜き、回転フレーム13と固定フレーム22と間にスリップリング配置した構成となる。本変形例における電力供給制御処理の手順および効果は、搬送状態に関する記載内容を除いて第2変形例と同様なため、説明は省略する。
【0136】
実施形態における技術的思想を電力供給制御方法で実現する場合、当該電力供給制御方法は、X線による被検体Pへのスキャンの実行に関するスキャン条件に基づいて、スキャンの実行により消費される消費電力を計算し、X線を発生するX線管11を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレーム13と、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム22とのうち少なくとも一つに搭載されたバッテリーにおける電力の残量が消費電力以上である場合、当該スキャンが実行可能であると判定し、電力の残量が消費電力未満であって、回転フレーム13と固定フレーム22とを搭載する架台装置10が外部電源ESに接続されている場合、当該スキャンの待機状態においてバッテリーへの充電を開始し、電力の残量が前記消費電力未満であって、架台装置10が外部電源ESに接続されていない場合、バッテリーへの充電を促すメッセージをディスプレイに表示させる。電力供給制御方法により実行される電力供給制御処理の手順および効果は、第1の実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0137】
実施形態における技術的思想を制御方法で実現する場合、当該制御方法は、X線コンピュータ断層撮影を行う移動可能な架台装置10の状態を検出するステップと、架台装置10に搭載されたバッテリーの充電状態を検出するステップと、検出された架台装置10の状態とバッテリーの充電状態とに基づいて、架台装置10の回転フレーム13に搭載されたデバイスと架台装置10の固定フレーム22に搭載されたデバイスとへのバッテリーからの電力の供給を制御するステップと、を有する。制御方法により実行される電力供給制御処理の手順および効果は、第1の実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0138】
実施形態における技術的思想を電力供給制御プログラムで実現する場合、電力供給制御プログラムは、コンピュータに、X線による被検体Pへのスキャンの実行に関するスキャン条件に基づいて、スキャンの実行により消費される消費電力を計算し、X線を発生するX線管11を支持し、開口の周方向に沿って回転する回転フレーム13と、当該回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム22とのうち少なくとも一つに搭載されたバッテリーにおける電力の残量が消費電力以上である場合、スキャンが実行可能であると判定し、電力の残量が消費電力未満であって、回転フレーム13と固定フレーム22とを搭載する架台装置10が外部電源ESに接続されている場合、スキャンの待機状態においてバッテリーへの充電を開始し、電力の残量が消費電力未満であって、架台装置10が外部電源ESに接続されていない場合、バッテリーへの充電を促すメッセージをディスプレイに表示すること、を実現させる。
【0139】
例えば、バッテリーを搭載したX線CT装置、X線CT装置の電力供給制御に関するサーバ装置(処理装置)、および端末装置40などにおけるコンピュータに電力供給制御プログラムをインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても、電力供給制御処理を実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。電力供給制御プログラムにおける処理手順および効果は、第1の実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0140】
その他の実施形態として、X線CT装置3は寝台装置30を有しなくてもよい。例えばX線CT装置3の架台装置10の開口が鉛直方向に延びる略円筒形状を呈する場合、被検者を立位で撮影することとなるため、寝台装置30は不要である。
【0141】
その他の実施形態として、回転フレーム13を含む回転部にバッテリーが搭載されず、固定フレーム22を含む固定部にバッテリーが搭載されている場合においても、架台装置10が搬送状態である場合に回転部に電力を供給することとしてもよい。例えば、回転部の検出器、DAS等々の電装ユニットを例えば部分的に所定のスタンバイ/省電力状態とすることが便宜な場合もあるためである。
【0142】
以上説明した少なくとも1つの実施形態および変形例等によれば、停電時に運用可能であってコストを低減可能なX線コンピュータ断層撮影装置を提供することができる。
【0143】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0144】
1 X線CTシステム
2 X線CT装置
3 X線CT装置
4 ネットワーク
5 サーバ装置(画像生成装置)
6 コンソール装置
9 架台装置
10 架台装置
11 X線管
12 X線検出器
13 回転フレーム
14 X線高電圧装置
15 制御装置
16 ウェッジ
17 コリメータ
18 DAS(Data Acquisition System)
20 第1のバッテリー
21 第1の電力検知器
22 固定フレーム
23 第2のバッテリー
24 接点駆動機構
25 第2の電力検知器
26 移動固定機構
27 第1メモリ
28 第1ディスプレイ
29 第1入力インターフェース
30 寝台装置
31 基台
32 寝台駆動装置
33 天板
34 天板支持フレーム
35 第1通信インターフェース
36 第1処理回路
40 端末装置
41 第2通信インターフェース
42 第2メモリ
43 第2処理回路
44 第2ディスプレイ
45 第2入力インターフェース
51 第3通信インターフェース
52 第3メモリ
53 第3処理回路
61 メモリ
62 ディスプレイ
63 入力インターフェース
64 処理回路
65 通信インターフェース
131 回転フレーム搭載デバイス
221 固定フレーム搭載デバイス
241 第1接点
242 第2接点
243 コネクタ
361 システム制御機能
362 前処理機能
363 電力供給制御機能
431 端末制御機能
432 表示機能
531 再構成機能
532 画像生成機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18