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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】乾湿掃除機および蓋システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 7/00 20060101AFI20240913BHJP
   A47L 9/10 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
A47L7/00 A
A47L9/10 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020194007
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2021084029
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】16/694,271
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508101764
【氏名又は名称】エクスエア エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】アダム ラオブ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ロングショア
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-081050(JP,U)
【文献】米国特許第03775951(US,A)
【文献】特開2002-102124(JP,A)
【文献】実開昭63-177447(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 7/00
A47L 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾湿掃除機用の蓋システムを含む装置あって、
容器の開放端を覆うように形作られ、真空開口部を有する蓋と、
閉位置にあるときに前記蓋を係合して前記真空開口部を覆って封止し、開位置にあるときに前記真空開口部の覆いを取るハッチと、
前記ハッチに取り付けられた真空発生器と、
フランジを有するフィルタであって、このフランジが前記真空開口部に隣接する前記蓋の上面と係合して前記蓋上の前記フィルタを支持するように、前記蓋に取り付けられ、前記真空開口部を通って延在するフィルタを含み、
前記蓋システムは、前記ハッチが前記閉位置にあるとき、前記ハッチは前記フランジを前記蓋に押し付けて、前記ハッチと前記フランジとの間、および前記フランジと前記蓋の前記上面との間に気密封止を形成して前記真空発生器が前記容器の内部と連通するようにし、
前記ハッチが前記開位置にあるとき、前記フィルタは前記真空開口部に挿入可能であり、また前記真空開口部から取り外すことができる乾湿掃除機用の蓋システムを含む装置。
【請求項2】
前記ハッチが前記蓋に旋回可能に取り付けられ、それによって前記ハッチが前記開位置と前記閉位置の間で旋回可能な請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記蓋は、真空ホースを受け入れるため又は接続するために前記蓋を貫通するホース開口部を含む請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハッチが前記閉位置にあるとき、前記ハッチと前記蓋の前記上面との間に配置されたガスケットをさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ガスケットは、前記フランジと前記蓋の前記上面との間に配置されている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ガスケットは、前記蓋に取り付けられ、前記真空開口部の周囲の周りに延在する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ハッチが前記閉位置にあるとき、前記ハッチを前記蓋に対して保持して前記ハッチと前記蓋との間に気密封止を形成するように構成されたラッチをさらに含む請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記真空発生器は、前記真空開口部を通って前記フィルタの前記内部に延在するように構成されたフロート管を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハッチは、前記ハッチを通して前記フロート管を受け入れる開口部を含む請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記真空発生器は、圧縮空気駆動の真空発生器又は電動送風機から選択される請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記圧縮空気駆動の真空発生器はベンチュリ管である請求項10に記載の装置。
【請求項12】
端を有する容器をさらに含み、蓋がこの放端に結合され、またこの端を覆う請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ハッチは外周を有し、真空発生器が外周を有し、前記真空発生器の外周の少なくとも一部が前記ハッチの外周から離間している請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
乾湿掃除機用の蓋システムを含む装置であって、
この蓋システムは、
容器の開口部を覆うように形成された蓋であって、真空開口部を有する蓋と、
ハッチが閉位置にあるときに真空開口部を覆い、封止するような前記ハッチであり、
前記ハッチは外周を有し、前記ハッチが開位置にあるときに真空開口部の覆いを取るように構成され、前記ハッチは外周から少なくとも一部離間したハッチ開口部を有し、前記外周から前記ハッチ開口部に連続して延びる前記ハッチと、
前記ハッチに取り付けられ、前記ハッチ開口部に密接に受容され、前記ハッチ開口部を通って延びる部分を有する真空発生器と、
フランジを有するフィルタであって、このフランジが前記真空開口部に隣接する前記蓋の上面と係合して前記蓋上の前記フィルタを支持するように、前記蓋に取り付けられ、前記真空開口部を通って延在するフィルタを含み、
前記ハッチが閉位置にあり、前記フィルタが前記蓋に取り付けられているとき、前記ハッチは前記フランジに密閉に係合し、前記ハッチと前記フランジとの間、および前記フランジと前記蓋の前記上面との間に気密封止を形成して前記真空発生器が前記容器の内部と連通するように構成され
前記ハッチが前記開位置にあるとき、前記フィルタは前記真空開口部に挿入可能であり、また前記真空開口部から取り外すことができる乾湿掃除機用の蓋システム。
【請求項15】
乾湿掃除機用の蓋システムを作製するための方法であって、
容器の開放端を覆うように形作られた蓋に接近し、前記蓋を通る真空開口部を形成することと、
ハッチを前記蓋に旋回可能に取り付けることであって、前記ハッチは、前記ハッチが前記真空開口部から少なくとも一部離間している開位置と、前記ハッチが前記真空開口部を覆っている閉位置との間で旋回するように取り付けることと、
前記ハッチに真空発生器を取り付けることと、
ィルタが前記真空開口部を通って延在できるように構成されたフィルタを提供することであって、前記蓋上に前記フィルタを支持するために前記真空開口部に隣接する前記蓋の上面と係合するように構成されたフランジを有する前記フィルタを提供することを含み、
前記フィルタが前記真空開口部を通って延在するときに前記ハッチが前記閉位置に旋回されると、前記ハッチは前記フランジを前記蓋に押し付けて、前記ハッチと前記フランジとの間、および前記フランジと前記蓋の前記上面との間に気密封止を形成し、前記真空発生器が前記容器の内部と連通するようにし、
前記ハッチが前記開位置に旋回されると、前記フィルタは前記真空開口部を通して前記蓋から取り外すことができる乾湿掃除機用の蓋システムを作するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体および固体を吸引するためのドラム掃除機などの空気動作ツール、より具体的には、圧縮空気動作の乾湿掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
真空装置、特にドラム掃除機は、研磨性および腐食性がある物質を吸引する能力および性能が大きいため、商業的および産業的に幅広い用途がある。そのような装置は、典型的には、真空ホースおよび真空発生構成要素へのコネクタを含む容器および蓋を含む。内容物を簡単に出すことができるように、蓋は容器に取り外し可能に取り付けられている。真空発生構成要素は、電気モータによって駆動されるインペラであり得る。他の用途では、真空発生構成要素は、圧縮空気動力のベンチュリ管である。真空発生構成要素への入口は、真空引きされた粒子を容器内に保持し、かつ真空発生器構成要素の汚れを最小限に抑えるために、フィルタによって遮蔽されている。
【0003】
乾湿掃除機は、固体だけでなく液体も吸引するように設計されている。そのような掃除機は、真空発生入口に取り付けられた容器内に配置されたフロート弁を含む。乾湿掃除機を乾燥物質用の掃除機から液体物質用の掃除機に転換するには、掃除機からフィルタを取り外す必要があり、そうしないと、掃除機が吸引した液体で飽和し、真空生成構成要素への空気の流れが遮断される。浮力ボールなどの弁が容器の液体内容物の上昇によって持ち上げられ、かつ真空生成構成要素への入口管に着座するフロート弁によって、容器の過充填および真空生成構成要素の溢れが防止される。「真空クリーナ」と題する米国特許第3,775,951号明細書(特許文献1)は、その全内容が参照のために本明細書に組み込まれ、そのような乾湿掃除機の例を記載している。
【0004】
このような乾湿掃除機は、通常、容器に30ガロン、55ガロン、または110ガロンの金属ドラムなどの大きなドラムを使用する。真空発生構成要素を含む蓋は、取り外し可能な留め具またはロックリングによって、ドラムの開いた上部に取り外し可能に取り付けられている。このような乾湿掃除機のフィルタを取り外して、動作を乾式吸引から湿式吸引に転換するには、フィルタにアクセスして取り外すために、留め具またはロックリングを外し、蓋を容器から取り外す必要がある。このような転換には時間がかかり、容器から蓋全体を取り外す必要があり、これにより、操作者は容器の内部に触れることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第3,775,951号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、容器から蓋全体を取り外す必要なしに、乾燥物質の吸引と液体の吸引との間で容易に転換することができる乾湿掃除機が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、乾湿掃除機用の蓋システムと、実施形態ではドラム掃除機であり、乾燥粒子物質を吸引するための構成と液体またはスラリーを吸引するための構成との間で迅速かつ容易に転換することができる蓋システムを組み込んだ乾湿掃除機とについて説明する。転換は、粒子フィルタを保持するドラム内部への開口部を覆う取り外し可能なハッチを備えた蓋をドラム掃除機に設けることによって行われる。フィルタを蓋の開口部に挿入したり取り外したりして、乾湿掃除機をそれぞれ乾式掃除機または湿式掃除機として構成することができ、これにより、湿式掃除機または乾式掃除機を構成するために蓋全体を取り外す必要がなくなる。
【0008】
実施形態では、乾湿掃除機用の蓋システムは、容器の開放端を覆うように形作られた蓋であって、それを通る真空開口部を有する蓋、ハッチが閉位置にあるときに蓋を係合して真空開口部を覆って封止し、開位置にある蓋から係合解除して真空開口部の覆いを取るハッチ、ハッチに取り付けられた真空発生器、およびフランジを有するフィルタであって、フランジが真空開口部に隣接する蓋の上面と係合して蓋上のフィルタを支持するように蓋に取り付けられ、かつ真空開口部を通って延在するフィルタを含む。ハッチが閉位置にあるとき、ハッチはフランジを蓋に押し付けて、ハッチとフランジとの間、およびフランジと蓋の上面との間に気密封止を形成し、真空発生器が容器の内部と連通するようにする。ハッチを開位置に向けると、フィルタを蓋に挿入したり、蓋から取り外したりできる。
【0009】
別の実施形態では、乾湿掃除機は、開放端を有するドラム、開放端を覆い、それを通る真空開口部を有する蓋、真空開口部を覆うために蓋に旋回可能に接続されたハッチであって、ハッチが真空開口部から離れている開位置と、ハッチが真空開口部を覆っている閉位置との間で旋回するハッチを含む。真空発生器はハッチに取り付けられ、フランジフィルタは蓋に取り付けられ、フランジが真空開口部に隣接する蓋の上面と係合して蓋上のフィルタを支持するように、真空開口部を通ってドラムの内部に延在する。ハッチを閉位置に旋回させると、ハッチはフランジを蓋に押し付けて、ハッチとフランジとの間、およびフランジと蓋の上面との間に気密封止を形成し、真空発生器がドラムの内部と連通するようにする。ハッチを開位置に旋回させることにより、フィルタを蓋に挿入したり、蓋から取り外したりできる。
【0010】
さらに別の実施形態では、乾湿掃除機用の蓋システムを作製するための方法は、容器の開放端を覆うように形作られた蓋を形成し、蓋を貫通する真空開口部を形成することと、ハッチが真空開口部から離れている開位置と、ハッチが真空開口部を覆っている閉位置との間でハッチが旋回するように、ハッチを蓋に旋回可能に取り付けることを含む。この方法はさらに、ハッチに真空発生器を取り付け、フランジ付きフィルタを蓋に取り付けて、フランジが真空開口部に隣接する蓋の上面と係合して蓋上のフィルタを支持するように、真空開口部を通って延在させることを含む。ハッチを閉位置に旋回させることにより、フランジを蓋に押し付けて、ハッチとフランジとの間、およびフランジと蓋の上面との間に気密封止を形成し、真空発生器が容器の内部と連通するようにする。ハッチを開位置に旋回させることにより、フィルタを真空開口部を通して蓋に挿入したり、蓋から取り外したりできる。
【0011】
開示された乾湿掃除機およびそのための蓋システムの他の目的および利点は、以下の説明、添付の図面、および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ハッチを閉じた状態での開示された乾湿掃除機の実施形態の斜視図である。
図2】ハッチが開いており、フィルタが部分的に取り外されている、図1の実施形態の斜視図である。
図3図1の乾湿掃除機の断面における部分的な側面図である。
図4図1の実施形態の真空発生器の詳細な側面図である。
図5図3の真空発生器の断面の側面図である。
図6図4の真空発生器のベンチュリを示す詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、2、および3に示されるように、一般的な乾湿掃除機用の蓋システム10は、容器16の開放端14を覆うように形作られた蓋12を含む。蓋12は、それを通る真空開口部18を有する。実施形態では、蓋12は、容器16の側壁26の外面24と係合する周辺リム22で終端する平坦なカバープレート20を含む。例示的な実施形態では、周辺リム22は、周辺リムを容器16の側壁26に解放可能に固定する、外周の周りに間隔を置いて配置されたオーバーセンターラッチ28(図1に示されるもの)を含む。別の実施形態では、リム22は、カバープレート20を容器16に解放可能に固定するオーバーセンターラッチを備えたロッキングリング30(図2に示される)の形態をとる。
【0014】
実施形態では、容器16は、5、30、55、または110ガロンのリブ付きドラムなどの金属ドラムの形態をとる。他の実施形態では、容器16はプラスチックドラムの形態をとる。図に示される容器16の側壁26は円筒形であり、丸い開放端14を有し、蓋12は、サイズおよび形状が一致する丸いカバープレート20を含む。蓋システム10の他の実施形態では、容器16の側壁26および/または開放端14は、角が丸い六角形や、他の多角形、あるいは正方形または長方形などの他の形状をとる。
【0015】
蓋システム10は、図1および図3に示すように、ハッチが閉位置にあるときに蓋12と係合して真空開口部18を覆って封止し、図2に示すように、開位置にある蓋から係合解除して真空開口部の覆いを取るハッチ32を含む。ハッチ32は、真空開口部18を完全に覆うようなサイズになっている。実施形態では、真空開口部18は円形であり、ハッチ32もまた円形であり、かつ真空開口部の直径よりも大きい直径を有するので、真空開口部に隣接する領域でカバープレート20に重なる。真空発生器34はハッチ32に取り付けられ、容器16の内部と連通している。
【0016】
フィルタ36はフランジ38を含み、蓋12に取り付けられている。フィルタ36は、フランジ38が真空開口部に隣接する蓋12のカバープレート20の上面58と係合して載り、蓋上のフィルタを支持するように真空開口部18を通って延在する。実施形態では、フィルタ36は概して円筒形であり、かつ側面および底部が閉じられ、フランジ38によって境界付けられて固定されている開いた上部を備える壁40を含む。実施形態では、フィルタ壁40は、真空発生器34によって引き起こされる壁内の圧力差からの崩壊に抵抗するのに十分に剛性である布、紙、または連続気泡フォームでできている。
【0017】
いくつかの実施形態では、フィルタ壁40はプリーツを付けられ、空気を透過するが、ほこり、木材、金属の削りくず、泥、および繊維などの浮遊粒子を含む粒子は透過しない。他の実施形態では、壁40は、形状および支持を提供するプラスチックまたは金属フレーム上に適合する紙、布、または連続気泡フォーム袋である。実施形態では、フランジ38は接着剤によって壁40に取り付けられている。他の実施形態では、フランジ38は2つのリング42、44からなり、リングは、リングの間の壁40の開いた上部をねじ46で留める。
【0018】
実施形態では、フランジ38は形状が円形であり、真空開口部18の形状と一致するが、真空開口部よりも直径が大きい。したがって、フランジ38はフィルタ36をカバープレート20上で支持し、その結果、フィルタはカバープレートから吊り下げられ、壁40は容器16の内部48内に延在する。あるいは、フィルタ36およびフランジ38は、オハイオ州シンシナティのEXAIR社によって販売されているモデル901357 HEPAフィルタなどの単一製品である。
【0019】
図1および図3のようにハッチ32が閉位置にあるとき、ハッチはフランジ38を蓋12に押し付けて、ハッチとフランジとの間、およびフランジと蓋の上面との間に気密封止を形成し、真空発生器34が容器16の内部48と連通するようにする。図2に示すようにハッチ32が開位置にあるとき、フィルタ36は、フィルタを蓋から上方に持ち上げることによって、真空開口部18を通して蓋12の真空開口部18から取り外すことができる。逆に、フィルタ36は、ハッチ32が開位置にあるときに、フランジ38が蓋12の上面58上に載るまで真空開口部18を通してフィルタを挿入することによって、蓋システム10に容易に設置される。フィルタ壁40は、真空開口部18と輪郭が一致し、それを通り抜けるようにサイズ設定および成形されている。図1および図2の実施形態では、フィルタ36は断面が円筒形である壁40を有するものとして示されている。他の実施形態では、壁40は断面が楕円形、正方形、または多角形であり得る。壁40のそのような他の形状では、真空開口部18およびハッチ32は同様の形状であり得る。
【0020】
ある実施形態では、ハッチ32は蓋12に旋回可能に取り付けられ、それによって、ハッチは開位置(図2)および閉位置(図1)に旋回する。実施形態では、ハッチ32は、ピン54を回転可能に受容するU字形金具(clevis)52を有するヒンジ50によって蓋12に取り付けられている。リーフ56は、U字形金具52の関節間のピン54に取り付けられ、例えば、留め具、溶接、ろう付け、または接着剤によって、ハッチ32の上面59に取り付けられている。実施形態では、ハッチ32は、ハッチが閉位置にあるときにハッチを蓋12に対して保持して気密封止を形成するラッチ60を含む。実施形態では、ラッチ60は、例えばねじおよび/または接着剤によって一端がハッチ32に取り付けられ、反対側の一端が蓋12の上面58に取り付けられた保持プロング(retaining prong)64に解放可能に取り付けられている弾性ストラップ62を含む。他の実施形態では、ハッチ32は、ねじ接続、バヨネット取り付け、またはオーバーセンターバックルによって蓋12に解放可能に取り付けることができる。
【0021】
蓋12はまた、図1および図2の実施形態ではクイックリリースカップリング70を含む真空ホース68に接続するためのホース開口部66を含む。また、実施形態では、真空ホース68は、ワンド(wand)、隙間ツール、スキマーツール(skimmer tool)、ブラシ、スキージーツール(squeegee tool)、およびフロアツールなどの1つ以上の真空アタッチメント(図示せず)に取り付けることができる。
【0022】
ある実施形態では、蓋システム10は、ハッチが閉位置にあるとき、ハッチ32と蓋12の上面58との間に配置されたガスケット72を任意選択で含む。ガスケット72は、ハッチが閉位置にあるとき、ハッチ32と蓋12との間の気密封止を確実にする。特定の実施形態では、ガスケット72は、フランジ38と蓋12の上面58との間に配置され、その結果、ハッチ32はガスケット72と同じ材料でできていてもよいフランジ38と気密封止を形成し、そしてフランジ38は、ガスケットを上面58に押し付けて蓋12との気密封止を形成する。ある実施形態では、ガスケット72は接着剤によって上面58などの蓋12に取り付けられ、真空開口部18の周囲に隣接して延在している。実施形態ではガスケット72はエラストマーでできており、他の実施形態ではゴム、発泡体、シリコーン、コルク、またはプラスチックポリマーでできている。
【0023】
ある実施形態では、真空発生器34は、真空開口部18を通ってフィルタ36の内部76内に延在するフロート管74を含む。フロート管74は、蓋システム10が湿式または液体吸引用に構成されている場合に機能し、容器16内に粒子を保持するように機能するフィルタ36は蓋12から取り外される。実施形態では、フロート管74は内部48の液体内容物が容器16内の所定のレベルに達すると閉じて、液体が真空発生器34に入るのを防ぐ弁である。ハッチ32は、フロート管74を通して受け入れる開口部78を含み、その結果、フロート管は、真空開口部18を通って容器16の内部48に延在する。
【0024】
フロート管74は、図5のように真空発生器34の基部81内の相補的なねじ穴にねじ込むねじセグメント80を含む。ねじ82はハッチ32の穴を通って延在し、真空発生器34の基部81の相補的な穴にねじ込まれ、それによって真空発生器をハッチに固定する。実施形態では、真空発生器34は図に示される圧縮空気駆動の真空発生器、および電動送風機の形態をとることができる。
【0025】
図3図4図5、および図6に示されるように、例示的な実施形態では、圧縮空気駆動の真空発生器34は、オハイオ州シンシナティのEXAIR社から入手可能なE-Vac(登録商標)真空発生器などの圧縮空気駆動のベンチュリ管84の形態である。ベンチュリ管84の基部81は、圧縮空気の供給源87に接続し、圧縮空気を単一の方向付けられたノズル88に向け、圧縮空気はベンチュリ90を通して排出されて、容器16の内部48から空気を排出する真空を生成し、その結果圧力を周囲空気圧より下げ、真空ホース68内に吸引を作り出すねじ付き圧縮空気入口86を含む。実施形態では、真空発生器34は排気管94に取り付けられたインラインフェルトマフラー(inline felt muffler)92を含む。また、実施形態では、追加の外側マフラー96はさらなる騒音低減のためにマフラー92およびベンチュリ管84を取り囲む。
【0026】
フロート管74はベンチュリ管84の上流にある。図5に最もよく示されているように、フロート管74は中空であり、ベンチュリ管84の基部に接続されている。実施形態では、フロート管74はその長さに沿って開いた底部および/または細長い開口部を有する。フロート管74は浮力があり、かつ、例えば管の底部にあるスナップリングによって管内に捕捉される円筒形フロート98を保持している。実施形態では、フロート98はフロート管74の垂直方向の長さに沿って摺動可能であり、フロート管74の上部において相補的なテーパ状のオリフィス102と係合してこれに載るテーパ状の上部100を有する反転カップの形態である。
【0027】
したがって、容器16の液体内容物の体積が、液体の表面がフロート管74に到達する点まで容器の上部に近づくと、上昇する液体はフロート管内のフロート98を上昇させ、フロート98はテーパ状のオリフィス102に載り、フロート管74を通ってベンチュリ管84への空気の流れを封止するまで上昇し続ける。したがって、真空発生器34は容器16の内部48から封止され、真空発生器34からの容器の内部48内の真空または周囲空気圧未満は停止する。これは、容器内の液体が真空発生器34に入り、真空発生器34を汚し、容器を出るのを防ぐ。
【0028】
別の実施形態では、開示された蓋システム10は一般に104で示される乾湿掃除機に組み込まれている。乾湿掃除機104は、開放端14と、開放端を覆う蓋12とを有するドラムの形態の容器16を含む。蓋12はそれを通る真空開口部18を有する。ハッチ32は真空開口部を覆うために蓋に旋回可能に接続されている。実施形態では、ハッチ32はヒンジ50によって蓋12に接続され、ハッチが真空開口部から離れている開位置と、ハッチが真空開口部を覆う閉位置との間で旋回する。
【0029】
真空発生器34はハッチ32に取り付けられ、フランジ38を有するフィルタ36が蓋12に取り付けられ、真空開口部18を通ってドラム16の内部48に延在する。フランジ38は、真空開口部18に隣接する蓋12の上面58と係合して、蓋上のフィルタ36を支持する。ハッチ32を図1のように閉位置に旋回させると、ハッチはフランジ38を蓋12に押し付けて、ハッチとフランジとの間、およびフランジと蓋12の上面58との間に気密封止を形成し、真空発生器34がドラム16の内部と連通するようにする。ハッチ32が図2のように開位置に旋回されると、フィルタ36は蓋12の真空開口部18に挿入可能であり、またそこから取り外すことができる。
【0030】
実施形態では圧縮空気によって作動するベンチュリである真空発生器34は容器16の内部48から空気を吸引し、真空ホース68に吸引を生じさせて真空機能を実行し、その結果、粒子状物質がホースを通して容器の内部に吸引される。フィルタ36は、内部48内の粒子状物質が真空発生器34に入るのを防ぐ。吸引が完了した後、オーバーセンターラッチ28を解放するか、またはロッキングリング30を解放することによって、蓋12を容器16から取り外すことができ、容器の内容物を出すことができる。容器16を空にした後、蓋12は容器の開放端14を覆うように再び取り付けられる。
【0031】
乾湿掃除機104を操作して粒子状物質を吸引するために、ラッチ60のストラップ62が保持プロング64から切り離され、ハッチ32が図2に示される開位置に旋回される。フィルタ36は、フランジ38が上面58および/またはガスケット72上に載るまで真空開口部18に挿入される。次に、ハッチ32が閉じられ、図1および図3に示される閉位置にラッチ60で固定される。圧縮空気の供給源87は、真空発生器34へのライン上の弁を開くことによって、または圧縮機を始動することによって作動され、圧縮空気は真空発生器に流れる。真空発生器34は容器16の内部48と流体連通しているので、真空発生器は容器内の空気圧を大気圧より低く下げる。容器16の内部48と流体連通している真空ホース68は、粒子状物質を容器内に吸い込む。粒子状物質は、フィルタ36によって容器内に保持される。吸引後、蓋12を容器16から取り外し、内容物を内部48から出す。
【0032】
乾湿掃除機104を操作して液体またはスラリーを吸引するために、ラッチ60のストラップ62が保持プロング64から切り離され、ハッチ32が図2に示される開位置に旋回される。したがって、フィルタ36は露出され、真空開口部18から引き出され、次にハッチ32が閉じられ、再びラッチ60で固定される。真空開口部18は、ハッチ32とガスケット72および/または蓋12の上面58との間の係合によって周囲環境から封止されている。ラッチ60の弾性ストラップ62は、蓋12に対するハッチ32のクランプ力を維持して閉位置での気密封止を確実にする。
【0033】
圧縮空気の供給源87は、真空発生器34へのライン上の弁を開くことによって、または圧縮機を始動することによって作動され、圧縮空気は真空発生器に流れ、その結果、真空発生器は容器内の空気圧を大気圧より低く下げる。容器16の内部48と流体連通している真空ホース68は、液体またはスラリーを容器の内部48に吸い込む。液体はフロート弁74によって容器内に保持され、フロート弁74は、容器16内の液面が、フロート98を上昇させてテーパ状のオリフィス102に対して封止する所定のレベルに達すると、ベンチュリ84を内部48から封止する。吸引後、蓋12を容器16から取り外し、内容物を内部48から出す。
【0034】
乾湿掃除機104用の蓋システム10を作製する方法は、容器16の開放端14を覆うように成形された蓋12を形成することと、蓋を通して真空開口部18を形成することと、を含む。蓋12は、実施形態では、ヒンジ50によって蓋に旋回可能に取り付けられている。ヒンジ50は、ハッチ32が真空開口部18から離れている開位置と、真空開口部を覆う閉位置との間で旋回することを可能にする。真空発生器34は、ハッチ32に取り付けられている。フランジ付きフィルタ36は、蓋12に取り付けられ、フランジが真空開口部に隣接する蓋の上面58と係合して蓋上のフィルタ36を支持するように、真空開口部18を通って延在する。
【0035】
したがって、ハッチ32が閉位置に旋回されると、ハッチはフランジ38を蓋12に押し付けて、ハッチとフランジ38との間、およびフランジと蓋の上面58との間に気密封止を形成し、真空発生器34が容器16の内部48と連通するようにする。ハッチ32が開位置に旋回されると、フィルタ36は、真空開口部18を通して蓋12から取り外すことができる。
【0036】
開示された乾湿掃除機104および蓋システム10は、可動部品がほとんどない液体および粒子掃除機の両方のための低コストで堅牢な真空システムを提供する。フィルタ36は、ハッチ32を開き、それを真空開口部18を通して持ち上げて出し、次にハッチを蓋に再び封止することによって、簡単に取り外すことができる。これにより、フィルタ36の交換が容易になるだけでなく、乾湿掃除機システムを、乾式/粒子動作と湿式/液体真空動作との間で容易に転換することができる。湿式吸引動作モードと乾式吸引動作モードとの間で転換するときに、蓋12を取り外して、容器の内部48内の吸引された内容物を周囲環境にさらす必要はない。容器16の内容物を出すために、蓋12は容易に取り外され、容器のみが残され、すべての真空構成要素は蓋12に取り付けられている。
【0037】
本明細書に開示される装置および方法の形態は、開示される乾湿掃除機および蓋システムの好ましい実施形態を構成するが、本発明は、これらの正確な装置および方法に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6