(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q30/0201
(21)【出願番号】P 2021004515
(22)【出願日】2021-01-14
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 優樹
(72)【発明者】
【氏名】堀口 博
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】金山 誉大
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-044651(JP,A)
【文献】特開2015-064666(JP,A)
【文献】特開2011-198203(JP,A)
【文献】特開2007-140841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顧客から得られた評価点及びテキストデータを取得する制御部と、
予め定められた分析処理を前記テキストデータに対して実行する分析部と、
好評から不評までの複数の前記評価点を用いて、前記予め定められた分析処理の結果に対して重み付け処理を実行する解析部と、
前記重み付け処理の結果に基づいて、前記評価点に関する施策を表すデータを作成する作成部と
を備
え、
前記分析部は、前記テキストデータを分類する処理と、分類された前記テキストデータから複数の要素を抽出する処理と、抽出された前記複数の要素に対するクラスタリング処理とを、前記予め定められた分析処理として実行する、
提案装置。
【請求項2】
前記解析部は、前記複数の要素に対して重み付け処理を実行し、
前記作成部は、重み付けの大きい前記要素を優先し、優先された前記要素に対応付けられた前記評価点に関する施策を表すデータを作成する、
請求項
1に記載の提案装置。
【請求項3】
前記制御部は、時系列の前記評価点と時系列の前記テキストデータとを取得し、
前記分析部は、前記予め定められた分析処理を、時系列の前記テキストデータに対して実行し、
前記解析部は、時系列の前記評価点を用いて、時系列の前記重み付け処理を実行し、
前記作成部は、時系列の前記重み付け処理の結果に基づいて、時系列の前記評価点に関する施策を表すデータを作成する、
請求項1
又は請求項
2に記載の提案装置。
【請求項4】
提案装置が実行する提案方法であって、
複数の顧客から得られた評価点及びテキストデータを取得する制御ステップと、
予め定められた分析処理を前記テキストデータに対して実行する分析ステップと、
好評から不評までの複数の前記評価点を用いて、前記予め定められた分析処理の結果に対して重み付け処理を実行する解析ステップと、
前記重み付け処理の結果に基づいて、前記評価点に関する施策を表すデータを作成する作成ステップと
を含
み、
前記分析ステップは、前記テキストデータを分類する処理と、分類された前記テキストデータから複数の要素を抽出する処理と、抽出された前記複数の要素に対するクラスタリング処理とを、前記予め定められた分析処理として実行することを含む、
提案方法。
【請求項5】
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の提案装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提案装置、提案方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客から得られた大量の要望及び評価等(自社サービスに対する賞賛及び苦情)を分析するVOC(Voice of Customer)分析が盛んに行われている(特許文献1参照)。VOC分析では、例えば、インターネットにおけるSNS(Social Networking Service)の口コミ(online reviews)等の調査と、自社等が行うアンケート調査と、コールセンターによる調査との各方法によって、顧客から得られた大量の要望及び評価等が収集される。また、収集された要望及び評価等を分析する様々なシステムが開発されている。このような様々なシステムによる分析結果のフィードバックによって、自社サービス及び商品の改善が行われている。
【0003】
収集された大量の要望及び評価等のデータは、例えば5段階評価のように数量表現で評価を表す評価点(定量データ)と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)とを含む場合がある。ここで、テキストデータが分析される場合には、テキストマイニング技術が用いられることが多い。また、テキストデータの分析は定量データの分析と比較して技術的に難しいので、テキストデータの分析とはテキストデータの可視化である場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自社サービスの責任者及び担当者(以下「責任者等」という。)が本当に欲しい結果は、顧客から得られた大量の要望及び評価等を含むテキストデータの可視化(分析)の結果そのものではなく、可視化の結果から導かれる施策(ネクスト・アクション)である。自社サービスの責任者等は、導かれた施策に基づいて、自社サービスの顧客満足度(顧客による評価点)を向上させることができる。
【0006】
しかしながら、従来の技術では、顧客から得られた大量の要望及び評価等を人が分析しているので、その人(分析者)の主観によって分析の対象が絞られる傾向がある。例えば、顧客から得られた大量の評価のうち、時間及び低コスト等の観点から、5段階評価における特に低い評価点に対応付けられたコメント(テキストデータ)のみが分析の対象とされる傾向がある。このように分析の対象が絞られた場合、顧客満足度の向上又は維持に関する施策の精度が低下する場合がある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、顧客満足度の向上又は維持に関する施策の精度を向上させることが可能である提案装置、提案方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、複数の顧客から得られた評価点及びテキストデータを取得する制御部と、予め定められた分析処理を前記テキストデータに対して実行する分析部と、好評から不評までの複数の前記評価点を用いて、前記予め定められた分析処理の結果に対して重み付け処理を実行する解析部と、前記重み付け処理の結果に基づいて、前記評価点に関する施策を表すデータを作成する作成部とを備える提案装置である。
【0009】
本発明の一態様は、上記の提案装置であって、前記分析部は、前記テキストデータを分類する処理と、分類された前記テキストデータから複数の要素を抽出する処理と、抽出された前記複数の要素に対するクラスタリング処理とを、前記予め定められた分析処理として実行する。
【0010】
本発明の一態様は、上記の提案装置であって、前記解析部は、前記複数の要素に対して重み付け処理を実行し、前記作成部は、重み付けの大きい前記要素を優先し、優先された前記要素に対応付けられた前記評価点に関する施策を表すデータを作成する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の提案装置であって、前記制御部は、時系列の前記評価点と時系列の前記テキストデータとを取得し、前記分析部は、前記予め定められた分析処理を、時系列の前記テキストデータに対して実行し、前記解析部は、時系列の前記評価点を用いて、時系列の前記重み付け処理を実行し、前記作成部は、時系列の前記重み付け処理の結果に基づいて、時系列の前記評価点に関する施策を表すデータを作成する。
【0012】
本発明の一態様は、提案装置が実行する提案方法であって、複数の顧客から得られた評価点及びテキストデータを取得する制御ステップと、予め定められた分析処理を前記テキストデータに対して実行する分析ステップと、好評から不評までの複数の前記評価点を用いて、前記予め定められた分析処理の結果に対して重み付け処理を実行する解析ステップと、前記重み付け処理の結果に基づいて、前記評価点に関する施策を表すデータを作成する作成ステップとを含む提案方法である。
【0013】
本発明の一態様は、上記の提案装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、顧客満足度の向上又は維持に関する施策の精度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態における、提案システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における、定量データ及び定性データの例を示す図である。
【
図3】第1実施形態における、定性データの分類結果の例を示す図である。
【
図4】第1実施形態における、分類結果の要素の抽出結果の例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における、抽出結果のクラスタリング結果の例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における、提案内容の表示例を示す図である。
【
図7】第1実施形態における、提案装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態における、定量データ及び定性データの例を示す図である。
【
図9】第2実施形態における、時系列の重要業績評価指標の例を示す図である。
【
図10】第2実施形態における、提案内容の表示例を示す図である。
【
図11】各実施形態における、提案装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、提案システム1の構成例を示す図である。提案システム1は、多段階評価のように数量表現(数値)で評価を表す評価点(定量データ)と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)とに基づいて、顧客満足度(複数の顧客から得られた評価点)を向上させるための施策を提案する。顧客満足度は、重要業績評価指標(Key Performance Indicators : KPI)でもよい。また、提案された施策は、ポジティブな要素(顧客から好評である要素)に対して継続すべき施策でもよいし、ネガティブな要素(顧客から不評である要素)に対して新たに実行すべき施策(改善点)でもよい。
【0017】
提案システム1は、ユーザ端末2と、通信回線3と、提案装置4とを備える。ユーザ端末2は、操作部20と、データ処理部21と、通信部22と、表示部23とを有する。提案装置4は、通信部40と、制御部41と、記憶装置42と、分析部43と、解析部44と、作成部45とを備える。提案システム1は、複数のユーザ端末2を備えてもよい。分析部43は、分類部430と、抽出部431と、クラスタリング部432とを有する。
【0018】
ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン端末等の情報処理装置である。ユーザ端末2は、数量表現で評価を表す評価点(定量データ)と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)とを収集する。このような評価点とテキストデータ(評価を表す文章データ)とは、例えば、インターネットにおけるSNSの口コミ等の調査と、自社等が行うアンケート調査と、コールセンターによる調査との各方法によって、顧客から得られた要望及び評価等のデータとして、所定のテーマに関して収集される。ユーザ端末2は、数量表現で評価を表す評価点(定量データ)と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)と、データが収集された日付を表すデータとを、所定のテーマごとに提案装置4に記録する。なお、テキストデータは、所定の操作部(例えば、キーボード、タッチパネル等)を顧客が操作することによって生成されたテキストデータでもよいし、顧客の音声が認識されることによって生成されたテキストデータでもよい。
【0019】
操作部20は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネル等の操作デバイスである。操作部20は、ユーザによる操作を受け付ける。このユーザは、特定のユーザに限定されないが、例えば、自社サービス又は商品の責任者等である。
【0020】
データ処理部21は、数量表現で評価を表す評価点(定量データ)と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)と、日付を表すデータとを、所定のテーマごとに通信部22に出力する。これらのデータは、通信部22によって提案装置4に送信されることで、記憶装置42に記録される。
【0021】
データ処理部21は、操作部20が受け付けたユーザによる操作に応じて、パラメータを生成してもよい。データ処理部21は、生成されたパラメータを、通信部22に出力してもよい。通信部22に出力されたパラメータは、通信部22によって提案装置4に送信される。提案装置4に送信されたパラメータは、提案装置4が分析処理及び解析処理等を実行する際に用いられるパラメータとして用いられる。
【0022】
データ処理部21は、提案装置4から送信された画像データを、通信部22から取得する。データ処理部21は、提案装置4から送信された画像データに基づいて、画像を生成する。データ処理部21は、生成された画像を表示部23に出力する。
【0023】
通信部22は、通信回線3を介して、通信部40と通信する。例えば、通信部22は、数量表現で評価を表す評価点と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータと、日付を表すデータとを、所定のテーマごとに通信部40に送信(アップロード)する。例えば、通信部22は、自装置の識別番号を通信部40に送信してもよい。
【0024】
通信部22は、通信部40から送信されたデータを取得する。通信部40から送信されたデータは、例えば、顧客満足度の向上又は維持に関する施策(洞察)を表すデータである。通信部40から送信されたデータの形式は、特定の形式に限定されないが、例えば、画像データの形式である。通信部22は、通信部40から送信されたデータを、データ処理部21に出力する。
【0025】
表示部23は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスである。表示部23は、提案装置4から送信されたデータに基づく画像を表示する。データに基づく画像は、提案装置4によって提案された施策を表す文章(文字列)の画像である。データに基づく画像は、提案装置4によってテキストデータから抽出された顧客コメント(具体的な意見)を表す文章(文字列)の画像でもよい。また、データに基づく画像は、例えば、クラスター性を持つグラフ(例えば、散分布グラフ)、円グラフ及び棒グラフ等の所定形式のグラフでもよい。これらによって、表示部23は、ダッシュボードとして機能する。
【0026】
通信回線3は、インターネット等の通信回線である。通信回線3は、例えば、ユーザ端末2と提案装置4との間のデータを伝送する。
【0027】
提案装置4は、サーバ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン端末等の情報処理装置である。提案装置4は、顧客満足度(重要業績評価指標)を向上させるための施策を提案するサービスを、ユーザに提供する。施策を提案するサービスは、クラウドサービスの一つとしてユーザに提供されてもよい。
【0028】
提案装置4は、ユーザ端末2から送信されたパラメータに基づいて、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)に対して分析処理を実行する。提案装置4は、数量表現で評価を表す評価点(重み係数)に基づいて、分析処理の結果に対して解析処理を実行する。提案装置4は、解析処理の結果に基づいて、顧客満足度の向上又は維持に関する施策をユーザに提案する。
【0029】
通信部40は、通信回線3を介して、通信部22と通信する。例えば、通信部40は、数量表現で評価を表す評価点(定量データ)と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータ(定性データ)と、日付を表すデータとを、所定のテーマごとに通信部22から取得する。通信部40は、通信部22にデータを送信する。例えば、通信部40は、顧客満足度の向上又は維持に関する施策を表すデータを、通信部22に送信する。
【0030】
制御部41は、提案装置4の各機能部の動作を制御する。制御部41は、数量表現で評価を表す評価点と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータと、日付を表すデータとを、所定のテーマごとに通信部40から取得する。制御部41は、評価を表すテキストデータを分類部430に出力する。制御部41は、クラスタリング部432によて実行されたクラスタリング処理の結果を、クラスタリング部432から取得する。
【0031】
制御部41は、評価を表す評価点(定量データ)とクラスタリング処理の結果とを、解析部44に出力する。制御部41は、顧客満足度の向上又は維持に関する施策を表すデータを、作成部45から取得する。制御部41は、顧客満足度の向上又は維持に関する施策を表すデータを、通信部40に出力する。
【0032】
なお、制御部41は、顧客満足度の向上又は維持に関する施策を表すデータを、記憶装置42に記録してもよい。これによって、ユーザ端末2は、過去における施策を表すデータを、提案装置4からダウンロードすることが可能である。
【0033】
記憶装置42(データベース)は、数量表現で評価を表す評価点と、自然言語を用いる自由記述で評価を表すテキストデータと、日付を表すデータとを、所定のテーマごとに記憶する。
【0034】
図2は、定量データ(評価点)及び定性データ(テキストデータ)の例を示す図である。
図2では、日付と、識別子と、評価点(定量データ)と、テキストデータとが対応付けられている。この識別子は、定量データ及び定性データに割り当てられた識別子、すなわち、評価点とテキストデータ(顧客による要望及び評価等のコメント)との組み合わせに割り当てられた識別子である。評価点は、顧客によって定められる。
図2では、評価点は、一例として、大変好評「2」と好評「1」と普通「0」と不評「-1」と大変不評「-2」との5段階(5個の選択肢)で表現されている。
【0035】
図1に示された分析部43は、自由記述で評価を表すテキストデータを、制御部41から取得する。分析部43は、自由記述で評価を表すテキストデータに対して、分析処理(テキストマイニング)を実行する。分析部43は、好評であることを表すテキストデータと、評価が普通であること(可もなく不可もないこと)を表すテキストデータと、不評であることを表すテキストデータとに、評価を表すテキストデータを分類する。分析部43は、所定のモデルを用いて、評価を表すテキストデータを分類する。この所定のモデルは、特定のモデルに限定されないが、例えば、教師データを用いる機械学習(教師あり学習)の手法によって学習されたモデルである。
【0036】
分析部43は、分類されたテキストデータに対して、フィルタリング処理を実行する。例えば、分析部43は、分類されたテキストデータから、1個以上の要素(特徴データ)を抽出する。これらの特徴データは、例えば、分析部43に標準搭載された自然言語処理機能において予め定められたパラメータ(例えば、単語の文字列、単語の意味)に基づいて、予め定められる。例えば、分析部43は、文字「赤」を表すパラメータに基づいて、文字「赤」をテキストデータから抽出する。例えば、分析部43は、意味「色」を表すパラメータに基づいて、所定の色を意味する単語(例えば、赤、青)をテキストデータから抽出する。分析部43は、ユーザ端末2の操作部20を操作したユーザによって指定されたパラメータ(辞書設定)を用いて、標準搭載された自然言語処理機能だけでは抽出できない特徴データをテキストデータから抽出してもよい。標準搭載された自然言語処理機能だけでは抽出できない特徴データとは、例えば、商品名等の固有名称である。
【0037】
分析部43は、抽出された要素(特徴データ)に対して、所定のモデルを用いて、クラスタリングを実行する。この所定のモデルは、特定のモデルに限定されないが、例えば、教師なし学習の手法によって学習されたモデルである。
【0038】
例えば、分析部43は、文字又は文字列が類似する要素同士をクラスタ化する。例えば、分析部43は、意味が近い要素同士をクラスタ化してもよい。クラスタ化された要素同士は、例えば、クラスター性を持つグラフ(例えば、散分布グラフ)の形式で表現される。クラスタ化された要素同士は、例えば、データテーブルの形式で表現されてもよい。分析部43は、1個以上の要素に対するクラスタリング処理の結果を、制御部41に出力する。
【0039】
解析部44は、分析部43による分析結果(1個以上の要素に対するクラスタリング処理の結果)を、制御部41から取得する。すなわち、解析部44は、1個以上のクラスタ(クラスに分類された要素)を、制御部41から取得する。解析部44は、数量表現で評価を表す評価点(重み係数)を、制御部41から取得する。
【0040】
解析部44は、1個以上のクラスタと各クラスタの要素に対応付けられている評価点(重み係数)とを組み合わせる。例えば、解析部44は、評価点を用いて、各クラスタの要素に対して重み付けを実行する。これによって、解析部44は、より大きい影響を顧客満足度に与えている要望及び評価の各要素を、1個以上のクラスタの要素のうちから選択する。すなわち、解析部44は、優先度の高い1個以上の要素を、1個以上のクラスタの要素のうちから選択する。優先度とは、例えば、クラスタにおける要素の個数である。優先度とは、例えば、クラスタにおける要素の評価点の合計でもよい。評価点の合計は、評価点の絶対値の合計でもよい。解析部44は、優先度の高い1個以上の要素を、作成部45に出力する。
【0041】
作成部45は、優先度の高い1個以上の要素を、解析部44から取得する。作成部45は、優先度の高い1個以上の要素に基づいて、顧客満足度の向上又は維持に関する施策を表すデータを生成する。例えば、作成部45は、優先度の高い1個以上の要素に対応付けられているテキストデータ(定性データ)の要約文を、施策を表すデータとして作成する。この要約文は、施策を提案する文章として、表示部23(ダッシュボード)に表示される。この要約文は、テンプレートを用いて作成されてもよい。作成部45は、要素の個数(件数)を計数してもよい。また、作成部45は、顧客満足度(評価点)ごとに、要素の個数を計数してもよい。
【0042】
作成部45は、顧客満足度の向上又は維持に関する施策(提案内容)を表すデータを、制御部41に出力する。施策を表すデータは、通信部40によってユーザ端末2に送信される。これによって、施策を表すデータは、表示部23に表示される。
【0043】
次に、分析部43と解析部44と作成部45との各詳細を説明する。
図3は、定性データの分類結果の例を示す図である。分類部430は、
図2に示されたようなデータテーブルにおける、日付と識別子と評価点(定量データ)とテキストデータ(定性データ)とのうち、識別子とテキストデータとを制御部41から取得する。
【0044】
分類部430は、好評であることを表すテキストデータと、評価が普通であること(可もなく不可もないこと)を表すテキストデータと、不評であることを表すテキストデータとに、評価を表すテキストデータを分類する。分類部430は、所定のモデルを用いるテキストマイニングによって、評価を表すテキストデータを分類する。
【0045】
図3では、分類部430は、例えば文字列「良い」に基づいて、識別子「ID-1」に対応付けられたテキストデータ「デザインが良いから」を「好評」に分類する。分類部430は、例えば文字列「良い」に基づいて、識別子「ID-5」に対応付けられたテキストデータ「素材が良いから」を「好評」に分類する。分類部430は、例えば文字列「丈夫」に基づいて、識別子「ID-7」に対応付けられたテキストデータ「素材が丈夫だから」を「好評」に分類する。
【0046】
図3では、分類部430は、例えば文字列「微妙」に基づいて、識別子「ID-3」に対応付けられたテキストデータ「価格が微妙だから」を「普通」に分類する。
【0047】
図3では、分類部430は、例えば文字列「合わない」に基づいて、識別子「ID-2」に対応付けられたテキストデータ「サイズが合わないから」を「不評」に分類する。分類部430は、例えば文字列「好きな色…無い」に基づいて、識別子「ID-4」に対応付けられたテキストデータ「好きな色(青)が無いから」を「不評」に分類する。分類部430は、例えば文字列「好きではない」に基づいて、識別子「ID-4」に対応付けられたテキストデータ「赤は好きではないから」を「不評」に分類する。
【0048】
図4は、分類結果の要素の抽出結果の例を示す図である。抽出部431は、分類されたテキストデータに対して、フィルタリング処理を実行する。例えば、抽出部431は、分類されたテキストデータから、1個以上の要素(特徴データ)を抽出する。これらの特徴データは、データ処理部21によって指定されたパラメータに基づいて、制御部41によって予め定められる。抽出部431は、フィルタリング処理の結果を、クラスタリング部432に出力する。
【0049】
図4では、抽出部431は、文字列「デザイン」を表すパラメータに基づいて、要素「デザイン」をテキストデータから抽出する。抽出部431は、文字列「素材」を表すパラメータに基づいて、要素「デザイン」をテキストデータから抽出する。抽出部431は、文字列「価格」を表すパラメータに基づいて、要素「価格」をテキストデータから抽出する。抽出部431は、文字列「サイズ」を表すパラメータに基づいて、要素「サイズ」をテキストデータから抽出する。抽出部431は、意味「色」を表すパラメータ(意味タグ)に基づいて、所定の色を意味する要素(例えば、赤、青)をテキストデータから抽出する。抽出部431は、文字「赤」を表すパラメータに基づいて、要素「赤」をテキストデータから抽出してもよい。上述のように、これらの特徴データは、例えば、抽出部431に標準搭載された自然言語処理機能において予め定められたパラメータ(例えば、単語の文字列、単語の意味)に基づいて、予め定められる。また、抽出部431は、ユーザ端末2の操作部20を操作したユーザによって指定されたパラメータ(辞書設定)を用いて、標準搭載された自然言語処理機能だけでは抽出できない特徴データをテキストデータから抽出してもよい。
【0050】
図5は、抽出結果のクラスタリング結果の例を示す図である。クラスタリング部432は、フィルタリング処理の結果(1個以上の抽出された要素)を、抽出部431から取得する。クラスタリング部432は、1個以上の抽出された要素(特徴データ)に対して、クラスタリングを実行する。
【0051】
クラスタ化された要素同士は、例えば、クラスター性を持つグラフ(例えば、散分布グラフ)の形式で表現される。クラスター性を持つグラフにおける直交する2軸は、例えば、複数の抽出された要素(特徴データ)に対する次元削減(Dimensionality Reduction)の結果として定められる。クラスター性を持つグラフにおいて、文字又は文字列が互いに類似するほど、要素同士の距離は短くなる。また、クラスター性を持つグラフにおいて、互いに意味が近いほど、要素同士の距離は短くなる。
【0052】
図5では、クラスタリング部432は、文字又は文字列が類似する要素同士をクラスタ化する。例えば、クラスタリング部432は、識別子「ID-5」に対応付けられた要素「素材」と識別子「ID-7」に対応付けられた要素「素材」とをクラスタ化する。クラスタリング部432は、意味が近い要素同士をクラスタ化してもよい。例えば、クラスタリング部432は、識別子「ID-4」に対応付けられた要素「青」と識別子「ID-6」に対応付けられた要素「赤」とをクラスタ化する。クラスタリング部432は、要素に対するクラスタリング処理の結果を、制御部41に出力する。
【0053】
図6は、提案内容の表示例を示す図である。解析部44は、各クラスタの要素に対して優先度を導出する。例えば、
図5に示された要素「素材」のクラスタにおける要素の個数は、2個である。例えば、
図5に示された要素「青」及び要素「赤」のクラスタにおける要素の個数は、2個である。このような場合、例えば、要素「素材」の優先度と要素「色」の優先度とは、同じ優先度として扱われる。
【0054】
解析部44は、評価点を用いて、各クラスタの要素に対して優先度を導出してもよい。例えば、
図5に示された要素「素材」のクラスタにおける要素の評価点の合計は、
図2に示されている評価点「1」と評価点「1」との合計「2」である。例えば、
図5に示された要素「青」及び要素「赤」のクラスタにおける要素の評価点の合計は、
図2に示されている評価点「1」と評価点「-2」との合計「-1」である。このような場合、各要素の優先度は、合計(絶対値)が大きいほど高い優先度として扱われてもよい。
【0055】
作成部45は、優先度の高い1個以上の要素に対応付けられているテキストデータ(定性データ)の要約文を、施策を表すデータとして作成する。
図6では、作成部45は、好評要因としての優先度の高いテキストデータ「素材が良いから」と、好評要因としての優先度の高いテキストデータ「素材が丈夫だから」との要約文として、テキストデータ「顧客は『素材が良い』とコメントしています。素材の採用を継続しましょう。」を作成する。
【0056】
図6では、作成部45は、不評要因としての優先度の高いテキストデータ「好きな色(青)が無いから」と、不評要因としての優先度の高いテキストデータ「赤は好きではないから」との要約文として、テキストデータ「ある顧客は『好きな色がない』とコメントしています。また、他の顧客は『赤が好きでない』とコメントしています。色のバリエーションを増やしましょう。」を作成する。これらの要約文は、施策を提案する文章として、一例として、表示部23における「提案(洞察)」欄に表示される。
【0057】
クラスター性を持つグラフ(構文情報)は、一例として、表示部23における「クラスター」欄に表示される。評価の分布を表す円グラフは、一例として、表示部23における「顧客満足度」欄に表示される。好評要因の要素の件数を表す棒グラフ(単語分布)は、一例として、表示部23における「好評要因」欄に表示される。不評要因の要素の件数を表す棒グラフ(単語分布)は、一例として、表示部23における「不評要因」欄に表示される。
【0058】
次に、提案装置4の動作例を説明する。
図7は、提案装置4の動作例を示すフローチャートである。制御部41は、複数の顧客から得られた定量データ及び定性データを、ユーザ端末2から取得する。定量データは、例えば評価点である。定性データは、例えばテキストデータ(自由記載のコメント)である(ステップS101)。分析部43は、予め定められた分析処理を、定性データに対して実行する。予め定められた分析処理は、例えば、定性データを分類する処理と、分類された定性データから複数の要素を抽出する処理と、抽出された複数の要素に対するクラスタリング処理とである(ステップS102)。
【0059】
解析部44は、好評から不評までの複数の定量データ(例えば、好評から不評までを網羅する複数の評価点)を用いて、予め定められた分析処理の結果に対して重み付け処理を実行する。例えば、解析部44は、抽出された複数の要素に対して、評価点を用いて重み付け処理を実行する(ステップS103)。作成部45は、重み付け処理の結果に基づいて、定量データに関する施策を表すデータを作成する。定量データに関する施策とは、例えば、顧客満足度(評価点)の向上又は維持に関する施策である。作成部45は、例えば、優先度(重み付け)の高い1個以上の要素に対応付けられているテキストデータの要約文を、施策を表すデータとして作成する(ステップS104)。制御部41は、施策を表すデータを、通信部40を用いてユーザ端末2に送信する(ステップS105)。
【0060】
以上のように、制御部41は、複数の顧客から得られた評価点(定量データ)及びテキストデータ(定性データ)を、ユーザ端末2から取得する。分析部43は、予め定められた分析処理を、定性データに対して実行する。解析部44は、定量データを用いて、予め定められた分析処理の結果に対して重み付け処理を実行する。作成部45は、重み付け処理の結果に基づいて、定量データに関する施策を表すデータを作成する。
【0061】
これによって、顧客満足度の向上又は維持に関する施策の精度を向上させることが可能である。重要業績評価指標の向上又は維持に関する施策の精度を向上させることが可能である。
【0062】
大量の定量データ及び定性データを人が網羅的に分析することは、例えば時間及び低コストの観点で難しい。これに対して第1実施形態では、大量の定量データ及び定性データを提案装置4が網羅的に分析(クロス分析)及び解析するので、顧客満足度の向上又は低下の真因に基づいて、精度の高い施策を提案することが可能である。このような大量の定量データ(評価点)には、好評から不評までの複数の評価点が網羅的に含まれる。また、重要業績評価指標を向上又は改善するために必要な施策を短時間及び低コストで出力することが可能である。さらに、自社サービスの責任者(分析者)は、重要業績評価指標を向上又は改善するために必要な施策に基づいて、自社サービス及び商品を素早く向上又は改善することが可能である。
【0063】
第1実施形態では、自社サービスの責任者にとって解り易い形式で、定量データ及び定性データを可視化することが可能である。例えば、定性データの単語分布と、定性データの構文情報と、ポジネガ分析の結果と、定性データのクラスタリング結果とを、それぞれ可視化することが可能である。さらに、これらの定性データの分析結果に対して定量データ(評価点)が例えば重み係数として用いられることによって、自社サービスの向上又は改善に直接つながるような可視化された解析結果を責任者等は得ることが可能である。
【0064】
図4において、テキストデータ「赤は好きではないから」は、テキストマイニングの結果に基づいて、「不評」に分類されている。しかしながら、
図2において、テキストデータ「赤は好きではないから」に対応付けられている評価点は、好評「1」である。この例のように、テキストマイニングのみでは「不評」に分類されてしまうアンケート結果等であっても、実際には不評ではないアンケート結果(評価点「1」)等が顧客から得られる場合がある。このような場合でも、解析部44は、テキストデータ(定性データ)だけでなく評価点(定量データ)を用いて解析処理を実行するので、精度の良い施策を提案することが可能である。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態では、時系列の評価点(定量データ)及び時系列の評価を表すテキストデータ(定性データ)を提案装置4が取得する点が、第1実施形態との差分である。第2実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0066】
ユーザ端末2は、時系列の評価点と時系列の評価を表すテキストデータとを収集する。制御部41は、これらのデータを、収集された日付に応じて時系列で管理する。
【0067】
図8は、定量データ(評価点)及び定性データ(テキストデータ)の例を示す図である。
図8では、異なる複数の日付「12/15」、「3/25」及び「6/25」と、識別子と、評価点(定量データ)と、テキストデータとが対応付けられている。
【0068】
図1に示された分析部43は、時系列の評価を表すテキストデータを、制御部41から取得する。分析部43は、時系列の評価を表すテキストデータに対して、分析処理(テキストマイニング)を実行する。
【0069】
分析部43は、分類されたテキストデータに対して、日付ごとにフィルタリング処理を実行する。例えば、分析部43は、分類されたテキストデータから、1個以上の要素(特徴データ)を日付ごとに抽出する。
【0070】
分析部43は、抽出された要素(特徴データ)に対して、日付ごとにクラスタリングを実行する。分析部43は、要素に対するクラスタリング処理の結果を、日付ごとに制御部41に出力する。
【0071】
解析部44は、分析部43による分析結果(要素に対するクラスタリング処理の結果)を、日付ごとに制御部41から取得する。すなわち、解析部44は、1個以上のクラスタ(クラスに分類された要素)を、日付ごとに制御部41から取得する。解析部44は、数量表現で評価を表す評価点(重み係数)を、日付ごとに制御部41から取得する。
【0072】
解析部44は、1個以上のクラスタと各クラスタの要素に対応付けられている評価点(重み係数)とを、日付ごとに組み合わせる。例えば、解析部44は、評価点を用いて、各クラスタの要素に対して、日付ごとに重み付けを実行する。これによって、解析部44は、より大きい影響を顧客満足度に与えている要望及び評価の各要素を、日付ごとに1個以上のクラスタの要素のうちから選択する。すなわち、解析部44は、優先度の高い1個以上の要素を、日付ごとに1個以上のクラスタの要素のうちから選択する。
【0073】
図9は、時系列の重要業績評価指標の例を示す図である。横軸は、定量データ及び定性データが収集された日付を示す。縦軸は、重要業績評価指標を示す。重要業績評価指標の算出方法は、予め定められる。例えば、重要業績評価指標は、1個以上の顧客満足度に基づいて、日付ごとに算出される。解析部44は、予め定められた算出方法に基づいて、重要業績評価指標を算出する。
図9では、12月25日付けの重要業績評価指標は、一例として「2」である。3月25日付けの重要業績評価指標は、一例として「3」である。6月25日付けの重要業績評価指標は、一例として「4」である。
【0074】
作成部45は、時系列の重要業績評価指標を、解析部44から取得する。作成部45は、取得された時系列の重要業績評価指標に基づいて、時系列の重要業績評価指標を表すグラフを生成する。時系列の重要業績評価指標を表すグラフは、表示部23(ダッシュボード)に表示される。
【0075】
図10は、提案内容の表示例を示す図である。作成部45は、優先度の高い1個以上の要素に対応付けられているテキストデータ(定性データ)の要約文を、施策を表すデータとして作成する。
図10では、作成部45は、好評要因としての優先度の高いテキストデータ「好きな色があるから」と、好評要因としての優先度の高いテキストデータ「好きな色を選べるから」との要約文として、テキストデータ「顧客は『好きな色を選べるから』とコメントしています。色のバリエーションを継続しましょう。」を作成する。
【0076】
図10では、作成部45は、不評要因としての優先度の高いテキストデータ「サイズが合わないから」の要約文として、テキストデータ「顧客は「サイズが合わないから」とコメントしています。サイズのバリエーションを増やしましょう。」を作成する。これらの要約文は、施策を提案する文章として、一例として、表示部23における「提案(洞察)」欄に表示される。また、時系列の重要業績評価指標を表すグラフは、一例として、表示部23における「重要業績評価指標」欄に表示される。
【0077】
責任者等は、操作部20を操作することによって、表示部23に表示される提案内容等の日付(例えば、「12/25」、「3/25」又は「6/25」)を指定又は選択してもよい。これによって、「提案(洞察)」欄には、指定又は選択された日付に対応付けられた提案内容が表示される。また、「顧客満足度(数値評価)」欄と「好評要因」欄と「不評要因」欄と「好評コメント(自由記述)」欄と「不評コメント(自由記述)」欄とには、指定又は選択された日付に対応付けられた分析結果又は解析結果が、それぞれ表示される。
【0078】
以上のように、制御部41は、時系列の定量データと時系列の定性データとを取得する。定量データは、例えば評価点である。定性データは、例えばテキストデータ(自由記載のコメント)である。分析部43は、予め定められた分析処理を、時系列の定性データに対して実行する。解析部44は、好評から不評までの複数の定量データ(例えば、好評から不評までを網羅する複数の評価点)を用いて、時系列の重み付け処理を実行する。作成部45は、時系列の重み付け処理の結果に基づいて、時系列の定量データに関する施策を表すデータを作成する。
【0079】
これによって、顧客満足度の傾向の真因に基づいて、顧客満足度の向上又は維持に関する施策の精度を向上させることが可能である。顧客満足度の傾向の真因に基づいて、重要業績評価指標の向上又は維持に関する施策の精度を向上させることが可能である。改善活動を通して重要業績評価指標がどのように改善したのかを時系列で管理することが可能である。
【0080】
第2実施形態では、自社サービスの責任者にとって解り易い形式で、時系列の定量データ及び定性データを可視化することが可能である。例えば、定性データの単語分布と、定性データの構文情報と、ポジネガ分析の結果と、定性データのクラスタリング結果と、定性データの傾向とを、それぞれ可視化することが可能である。
【0081】
(各実施形態における、提案装置4のハードウェア構成例)
図11は、各実施形態における、提案装置4のハードウェア構成例を示す図である。提案装置4の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ100が、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置42に記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。
【0082】
提案装置4の各機能部のうちの一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit 又は circuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、テキストマイニング、テキスト解析又は音声テキストログ解析のサービスを提供するシステムに適用可能である。
【0084】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1…提案システム、2…ユーザ端末、3…通信回線、4…提案装置、20…操作部、21…データ処理部、22…通信部、23…表示部、40…通信部、41…制御部、42…記憶装置、43…分析部、44…解析部、45…作成部、100…プロセッサ、101…メモリ