IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トライグループの特許一覧

<>
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図1
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図2
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図3
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図4
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図5
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図6
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図7
  • 特許-選択システム、及び選択プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】選択システム、及び選択プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/08 20060101AFI20240913BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240913BHJP
【FI】
G09B5/08
G06Q50/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021032195
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2022133497
(43)【公開日】2022-09-14
【審査請求日】2023-07-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・公開 :動画共有サイトYouTubeによる配信 公開日 :令和2年8月31日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・ウェブサイトのアドレス :https://www.trygroup.co.jp/campaign/university-ai/ ウェブサイトの掲載日 :令和2年9月1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・放送 :ひるおび!(午後)のCM放送枠 放送日 :令和2年9月1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・放送 :グッド!モーニング2部のCM放送枠 放送日 :令和2年9月1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・放送 :ダウンタウンDXのCM放送枠 放送日 :令和2年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】399098598
【氏名又は名称】株式会社トライグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】平田 友里恵
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-032921(JP,A)
【文献】特開2020-086075(JP,A)
【文献】特開2009-009579(JP,A)
【文献】特開2019-152741(JP,A)
【文献】特開2020-177507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0199911(US,A1)
【文献】特開2018-112673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,
17/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の演習問題を示す複数演習問題情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の内の、過去の試験で出題された問題である過去問に対応する複数の第1演習問題各々の分野及び難易度に基づいて、各分野及び各難易度に対応する演習問題の個数の基準である基準問題数を決定する制御手段と、
学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記学習目標関連情報と、前記制御手段が決定した前記基準問題数とに基づいて、前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の中の複数の第2演習問題であって前記複数の第1演習問題とは異なる前記複数の第2演習問題の内の、所定個数の演習問題を、前記学習者が前記学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段と、
を備える選択システム。
【請求項2】
前記学習目標は、前記学習者の志望校における入学試験に合格することであり、
前記取得手段は、少なくとも前記入学試験に関する入学試験関連情報を、前記学習目標関連情報として取得する、
請求項1に記載の選択システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記入学試験関連情報と、前記入学試験の入試教科における前記学習者の得意度を示す得意度情報とを、前記学習目標関連情報として取得し、
前記選択手段は、前記入学試験関連情報と前記得意度情報とに基づいて、前記推奨演習問題を選択する、
請求項2に記載の選択システム。
【請求項4】
前記選択手段は、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて前記推奨演習問題を選択する、
請求項2又は3に記載の選択システム。
【請求項5】
前記選択手段が選択した前記推奨演習問題を示す情報を出力する出力手段、を備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の選択システム。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の演習問題を示す複数演習問題情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の内の、過去の試験で出題された問題である過去問に対応する複数の第1演習問題各々の分野及び難易度に基づいて、各分野及び各難易度に対応する演習問題の個数である基準問題数を決定する制御手段と、
学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記学習目標関連情報と、前記制御手段が決定した前記基準問題数とに基づいて、前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の中の複数の第2演習問題であって前記複数の第1演習問題とは異なる前記複数の第2演習問題の内の、所定個数の演習問題を、前記学習者が前記学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段と、
として機能させる選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択システム、及び選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが学ぶべき学習カテゴリを見い出す技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-45615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、ユーザが学習する場合、ユーザ自身が解くべき演習問題を準備していたために、ユーザの学習目標を達成するための効果が比較的薄い演習問題を多数準備してしまい、効率的に学習を行うことが困難となる可能性があった。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、学習者の学習効率を向上させることができる選択システム、及び選択プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の選択システムは、複数の演習問題を示す複数演習問題情報を格納する格納手段と、前記格納手段に格納されている前記複数の演習問題の内の、過去の試験で出題された問題である過去問に対応する複数の第1演習問題各々の分野及び難易度に基づいて、各分野及び各難易度に対応する演習問題の個数の基準である基準問題数を決定する制御手段と、学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記学習目標関連情報と、前記制御手段が決定した前記基準問題数とに基づいて、前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の中の複数の第2演習問題であって前記複数の第1演習問題とは異なる前記複数の第2演習問題の内の、所定個数の演習問題を、前記学習者が前記学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の選択システムは、請求項1に記載の選択システムにおいて、前記学習目標は、前記学習者の志望校における入学試験に合格することであり、前記取得手段は、少なくとも前記入学試験に関する入学試験関連情報を、前記学習目標関連情報として取得する。
【0008】
請求項3に記載の選択システムは、請求項2に記載の選択システムにおいて、前記取得手段は、前記入学試験関連情報と、前記入学試験の入試教科における前記学習者の得意度を示す得意度情報とを、前記学習目標関連情報として取得し、前記選択手段は、前記入学試験関連情報と前記得意度情報とに基づいて、前記推奨演習問題を選択する。
【0009】
請求項4に記載の選択システムは、請求項2又は3に記載の選択システムにおいて、前記選択手段は、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて前記推奨演習問題を選択する。
【0010】
請求項5に記載の選択システムは、請求項1から4の何れか一項に記載の選択システムにおいて、前記選択手段が選択した前記推奨演習問題を示す情報を出力する出力手段、を備える。
【0011】
請求項6に記載の選択プログラムは、コンピュータを、複数の演習問題を示す複数演習問題情報を格納する格納手段と、前記格納手段に格納されている前記複数の演習問題の内の、過去の試験で出題された問題である過去問に対応する複数の第1演習問題各々の分野及び難易度に基づいて、各分野及び各難易度に対応する演習問題の個数である基準問題数を決定する制御手段と、学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記学習目標関連情報と、前記制御手段が決定した前記基準問題数とに基づいて、前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の中の複数の第2演習問題であって前記複数の第1演習問題とは異なる前記複数の第2演習問題の内の、所定個数の演習問題を、前記学習者が前記学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の選択システム、及び請求項6に記載の選択プログラムによれば、例えば、所定個数の演習問題を用いて効率的に学習を行わせることができるので、学習者の学習効率を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の選択システムによれば、学習目標は学習者の志望校における入学試験に合格することであり、入学試験に関する入学試験関連情報を学習目標関連情報として取得することにより、例えば、入学試験に合格するために効率的に学習を行わせることが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の選択システムによれば、入学試験関連情報と得意度情報とを学習目標関連情報として取得することにより、例えば、学習者の得意度を考慮して推奨演習問題を選択することができるので、学習者の学習効率を更に向上させることができる。
【0015】
請求項4に記載の選択システムによれば、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて推奨演習問題を選択することにより、例えば、学習者の学習目標を達成するために適切な演習問題を推奨演習問題として選択することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の選択システムによれば、推奨演習問題を示す情報を出力することにより、例えば、推奨演習問題に知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】学習支援システムを機能概念的に示すブロック図である。
図2】生徒情報を例示した図である。
図3】演習問題関連情報を例示した図である。
図4】提示用問題特定情報を例示した図である。
図5】格納処理のフローチャートである。
図6】処理例を説明するための図である。
図7】処理例を説明するための図である。
図8】問題提示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る選択システム及び選択プログラムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、選択システム、及び選択プログラムに関する。本発明に係る選択システムは、複数の演習問題の内の所定個数の演習問題を推奨演習問題として選択するためのシステムであり、例えば、推奨演習問題を選択するための専用システム、あるいは、汎用的に用いられるコンピュータ(一例としては、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の如き携帯端末等)に対して推奨演習問題を選択するための機能を実装することにより実現されるシステム等を含む概念である。また、選択システムは、例えば、格納手段、取得手段、及び選択手段を備え、任意で、出力手段を備える。
【0020】
なお、「推奨演習問題」とは、学習者が学習目標を達成するために学習することを推奨する(つまり、学習することが推奨される)演習問題を示す概念であり、例えば、所定個数の演習問題である。「所定個数」とは、予め定められている個数であり、例えば、50個、60個、100個、200個等の任意の個数に設定することができる。
【0021】
また、「学習者」とは、学習を行う者であり、例えば、社会人又は生徒等を含む概念である。「学習目標」とは、学習に関連する目標であり、例えば、任意の試験(学習者の志望校における入学試験、又は資格試験等)に合格すること、あるいは、知識を習得すること等を含む概念である。
【0022】
また、「演習問題」とは、演習又は練習のために学習者によって解かれる問題であり、例えば、過去の試験で出題された問題(つまり、過去問)、任意の機関(出版社又は受験機関等)又はその他の個人等によって生成された問題等を含む概念である。
【0023】
「格納手段」とは、複数演習問題情報を格納する手段である。「複数演習問題情報」とは、複数の演習問題を示す情報である。「取得手段」とは、学習目標関連情報を取得する手段であり、例えば、少なくとも入学試験に関する入学試験関連情報を、学習目標関連情報として取得する手段等を含む概念であり、また、入学試験関連情報と、入学試験の入試科目における学習者の得意度を示す得意度情報とを、学習目標関連情報として取得する手段等を含む概念である。
【0024】
「学習目標関連情報」とは、学習者の学習目標に関連する情報であり、例えば、入学試験に関する入学試験関連情報、及び入学試験の入試科目における学習者の得意度を示す得意度情報等を含む概念である。
【0025】
「選択手段」とは、取得手段が取得した学習目標関連情報に基づいて、格納手段に格納されている複数演習問題情報が示す複数の演習問題の内の、所定個数の演習問題を、学習者が学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する手段であり、例えば、入学試験関連情報と得意度情報とに基づいて、推奨演習問題を選択する手段等を含む概念であり、また、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて推奨演習問題を選択する手段等を含む概念である。
【0026】
なお、本実施の形態における「AI(人工知能)」とは、例えば、機械学習又はディープラーニングに関する技術等を含む概念である。また、「AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズム」とは、例えば、AIに関する技術(つまり、機械学習又はディープラーニングに関する技術等)を用いて生成された1個以上のアルゴリズム(又はモデル)等を含む概念である。「AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて」とは、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムの処理結果を直接的に又は間接的に利用していることを示す概念であるものと解釈してもよい。そして、以下では、選択手段が、AIを活用した所定のアルゴリズムに基づいて推奨演習問題を選択する場合を主に例示するが、これに限らず、AIを活用しない他の任意のアルゴリズムに基づいて推奨演習問題を選択することとしてもよい。
【0027】
「出力手段」とは、選択手段が選択した推奨演習問題を示す情報を出力する手段である。なお、「出力する」とは、例えば、表示情報として表示すること、音声情報として出力すること、あるいは、情報を他の装置に送信すること等を含む概念である。
【0028】
そして、以下に示す実施の形態においては、「学習者」が生徒(具体的には高校生)であり、「学習目標」が学習者の志望校における入学試験に合格することである場合について説明する。
【0029】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0030】
(構成)
まず、本実施の形態に係る学習支援システムの構成について説明する。図1は、学習支援システムを機能概念的に示すブロック図である。なお、実際には、端末装置1は多数設けられることになるが、図1では、説明の便宜上2個のみ図示されている。この図1に示すように、学習支援システム100は、選択システムであり、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備える。
【0031】
(構成‐端末装置)
端末装置1は、学習者である生徒によって用いられる装置であり、例えば、タブレット端末又はスマートフォンである。端末装置1は、例えば、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0032】
(構成-端末装置-通信部)
通信部11は、外部装置(例えば、サーバ装置2)との間で通信するための通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0033】
(構成-端末装置-タッチパッド)
タッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0034】
(構成-端末装置-ディスプレイ)
ディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13と相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0035】
(構成-端末装置-記録部)
記録部14は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのフラッシュメモリを用いて構成されている。ただし、フラッシュメモリに代えてあるいはフラッシュメモリと共に、ハードディスク、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
【0036】
(構成-端末装置-制御部)
制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。
【0037】
(構成-サーバ装置)
サーバ装置2は、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0038】
(構成-サーバ装置-通信部)
通信部21は、外部装置(例えば、端末装置1)との間で通信するための通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、通信部11と同様にして構成することができる。
【0039】
(構成-サーバ装置-記録部)
記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、生徒情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)221、演習問題関連情報DB222、及び提示用問題特定情報DB223を備える。
【0040】
(構成-サーバ装置-記録部-生徒情報DB)
図1の生徒情報DB221は、生徒情報を格納する生徒情報格納手段である。図2は、生徒情報を例示した図である。なお、図2においては、一部の情報は説明の便宜上具体的な図示が省略されて「…」と記載されている(他の各DBに格納されている情報も同様とする)。
【0041】
「生徒情報」とは、学習支援システム100による学習の支援の対象となる学習者としての高校生である生徒を特定する情報であり、例えば、図2に示すように、項目「生徒ID」に対応する情報と、項目「氏名情報」に対応する情報と、項目「所属高校情報」に対応する情報と、項目「学年情報」に対応する情報と、項目「志望校情報」に対応する情報と、項目「得意度情報」に対応する情報とが相互に関連付けられている。項目「生徒ID」に対応する情報は、生徒を一意に識別するための生徒識別情報(識別情報を「ID」とも称する)である(図2では、「IDs001」等)。項目「氏名情報」に対応する情報は、生徒の氏名を示す氏名情報である(図2では、便宜上の記載であり、「AAAA」等)。項目「所属高校情報」に対応する情報は、生徒が現在所属している高等学校を示す所属高校情報である(図2では、便宜上の記載であって、高等学校の名称であり「A高校」等)。項目「学年情報」に対応する情報は、生徒の現在の学年を示す学年情報である(図2では、第3学年を示す「3年生」等)。
【0042】
項目「志望校情報」に対応する情報は、前述の入学試験関連情報(つまり、学習目標関連情報)であり、具体的には、入学を志望する大学に関する志望校情報である。この志望校情報としては任意の情報を用いることができるが、例えば、大学の入学試験に関する情報であって、少なくとも過去の入学試験の試験問題を特定可能となる情報であり、本願では、学習者が志望する大学名、学部名、学科名、及び入試方式を示す情報を用いる場合について例示する。図2では、例えば、大学名である「A1大学」、学部名である「農学部」、学科名である「農学科」、及び入試方式が前期試験であることを特定する「前期」を示す、「A1大学,農学部,農学科,前期」が例示されている。
【0043】
項目「得意度情報」に対応する情報は、前述の入学試験関連情報であり、具体的には、学習者である生徒の各教科(詳細には、志望校の入学試験の対象となる教科(つまり、入試教科))についての得意度を示す得意度情報である。「得意度」とは、得意さの度合いであり、具体的には任意であるが、本実施の形態では、得意度を4段階に分ける場合について説明する。例えば、得意度として、得意は方から不得意な方に向かって、「超得意」、「得意」、「普通」、及び「苦手」を用いる場合について説明する。なお、これらの得意度の内の「超得意」が最も得意であることを示しており、また、「得意」が次に得意であることを示しており、また、「普通」が次に得意であることを示しており、また、「苦手」が最も得意でないことを示している場合について説明する。図2では、教科と得意度とを相互に組み合わせた情報として例示されており、例えば、教科である数学が苦手であり、教科である物理が普通であること等を示している「数学:苦手,物理:普通,…」が図示されている。
【0044】
そして、この図2の生徒情報における例えば最上段の情報(つまり、「IDs001」、「AAAA」、「A高校」、「3年生」、「A1大学,農学部,農学科,前期」、及び「数学:苦手,物理:普通,…」の組み合わせの情報)は、「生徒ID」=「IDs001」の生徒の氏名が「AAAA」であり、また、当該生徒の所属高校が「A高校」であり、また、当該生徒の学年が「3年生」であり、また、当該生徒が志望する大学名、学部名、学科名、入試方式が「A1大学」、「農学部」、「農学科」、「前期」(つまり、前期日程の試験)であり、また、当該生徒は数学が「苦手」であり、物理が「普通」であること等が示されている。
【0045】
なお、この生徒情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、各生徒が自己の端末装置1に自己に対応する登録情報(氏名情報、所属高校情報、学年情報、志望校情報、及び得意度情報を含む情報)を入力した場合、端末装置1がサーバ装置2に登録情報を送信し、サーバ装置2の制御部23が当該登録情報を受信し、受信した情報に基づいて生徒情報を格納することとしてもよい。詳細には、サーバ装置2の制御部23は、一意となる生徒IDを生成した上で、生成した生徒ID、及び前述の受信した登録情報に含まれている各情報を相互に関連付けて格納することにより、生徒情報を格納することとしてもよい。なお、前述の格納手法に限らず、例えば、管理者がサーバ装置2の不図示の入力手段(例えば、キーボード又はマウス等)を介して前述の登録情報をサーバ装置2に入力した場合に、サーバ装置2の制御部23が、一意となる生徒IDを生成した上で、生成した生徒ID、及び前述の入力された登録情報に含まれている各情報を相互に関連付けて格納することとしてもよい。なお、前述の生徒が入力する得意度情報については、受験戦略を考慮して自己の主観に基づいて入力してもよい。
【0046】
(構成-サーバ装置-記録部-演習問題関連情報DB)
図1の演習問題関連情報DB222は、前述の格納手段であり、演習問題関連情報を格納する演習問題関連情報格納手段である。図3は、演習問題関連情報を例示した図である。
【0047】
「演習問題関連情報」とは、前述の複数演習問題情報であり、例えば、図3に示すように、項目「問題ID」に対応する情報と、項目「問題情報」に対応する情報と、項目「模範解答情報」に対応する情報と、項目「教科情報」に対応する情報と、項目「出典情報」に対応する情報と、項目「難易度タグ情報」に対応する情報と、項目「分野タグ情報」に対応する情報と、項目「他タグ情報」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0048】
項目「問題ID」に対応する情報は、演習問題を一意に識別するための問題IDである(図3では、「ID0001」等)。項目「問題情報」に対応する情報は、演習問題を示す問題情報である。図3では例えば、演習問題自体を示すテキスト又は画像を含むファイルが格納されていることとし、説明の便宜上、「Q0001」等が図示されている。項目「模範解答情報」に対応する情報は、演習問題に対する模範解答を示す模範解答情報である。図3では例えば、模範解答自体を示すテキスト又は画像を含むファイルが格納されていることとし、説明の便宜上、「A0001」等と図示されている。項目「教科情報」に対応する情報は、演習問題が属する教科を示す教科情報である(図3では、「数学」等)。
【0049】
項目「出典情報」に対応する情報は、演習問題の出典を示す出典情報である。この出典情報は任意であるが、例えば、演習問題として、あらゆる大学の過去の入学試験で出題された問題(つまり、過去問)と、任意の機関(出版社又は受験機関等)によって生成された問題集に掲載されている問題(つまり、過去問以外の問題)とを演習問題として用いる場合について説明する。この場合、出典情報としては、過去問については、出題された年、出題された大学名、出題された学部名、出題された学科名、出題された試験の試験方式、及び出題された問題番号を示す情報を用いることとし、また、過去問以外の問題については、問題が掲載されている問題集の出版社名、問題集名、問題集において問題が掲載されている分野名、当該分野中における問題番号を示す情報を用いることとする。図3では例えば、2019年のA1大学の農学部農学科の前期の第1問であることを示す「2019年,A1大学,農学部,農学科,前期,第1問」、及びD1書籍のD1問題集における不等式の分野の第3問であることを示す「D1書籍,D1問題集,不等式,第3問」等が例示されている。なお、ここでの出典情報は例示であり、演習問題の出典を特定できる限りにおいて、任意の情報を用いることができ、特に、過去問以外の問題については、「問題集において問題が掲載されている分野名、当該分野中における問題番号を示す情報」の代わりに、問題集における問題が掲載されている頁番号、及び当該頁中での当該問題の問題番号を示す情報を用いてもよい。
【0050】
項目「難易度タグ情報」に対応する情報は、演習問題の難易度を示す難易度タグ情報である。なお、「タグ情報」とは、例えば、演習問題の特性又は特徴を表す指標に対応する情報である。この難易度タグ情報としては任意の情報を用いることができるが、例えば、難易度が5段階に設定されており、最も易しい方か最も難しい方に向かって、「1」~「5」の5個の整数値にて難易度を示す場合について説明する。つまり、難易度情報としては、「1」~「5」において、数値が大きくなるにつれて難しくなっていることを示す場合を例示して説明する。図3では例えば、3番目に簡単であることを示す「3」、最も簡単であることを示す「1」、あるいは、最も難しいことを示す「5」等が図示されている。
【0051】
項目「分野タグ情報」に対応する情報は、演習問題が属する分野を示す分野タグ情報である。ここで用いる分野については、各教科について予め定められている分野を用いることとし、図3では、高校生用の数学の1個の分野である「T1」等である。なお、この「T1」等は便宜上の記載である。
【0052】
項目「他タグ情報」に対応する情報は、難易度タグ情報及び分野タグ情報が示す演習問題の特性又は特徴以外の、当該演習問題についての特性又は特徴を表す他タグ情報である。なお、この他タグ情報の種類や個数は任意に設定可能であることとする。
【0053】
そして、この図3の演習問題関連情報における例えば最上段の情報(つまり、「ID0001」、「Q0001」、「A0001」、「数学」、「2019年,A1大学,農学部,農学科,前期,第1問」、「3」、「T1」、及び「Ta1,Tb2,…」の組み合わせの情報)については、「ID0001」が識別する演習問題が「Q0001」であることが示されており、また、当該演習問題の模範解答が「A0001」であることが示されており、また、当該演習問題が属する教科が「数学」であることが示されており、また、当該演習問題の出典が「2019年,A1大学,農学部,農学科,前期,第1問」であること(つまり、2019年のA1大学の農学部農学科における前期試験の第1問であること)が示されており、また、当該演習問題の難易度が「3」に対応する難易度であることが示されており、また、当該演習問題が属する分野が「T1」であることが示されており、また、当該演習問題についての(難易度及び分野以外の)特性又は特徴が「Ta1,Tb2,…」に対応する特性又は特徴であることが示されている。
【0054】
なお、この演習問題関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、まず、過去問及び過去問以外の演習問題を収集し、収集した演習問題に関して、専門家(例えば、塾の講師、塾の運営者、あるいは、その他の大学受験について熟知している者等)等のノウハウに基づく観点を含む様々な観点から、各タグ情報を決定する。次に、収集した演習問題の教科及び出典を把握し、前述の収集した演習問題及び当該演習問題の模範解答を電子化した上で、任意の手法(例えば、サーバ装置2の不図示の入力手段を用いる手法、メモリスティック等の記録媒体を用いる手法、あるいは、インターネット通信を用いる手法等)を用いて、前述の決定した情報、把握した情報、及び電子化した情報を入力した場合に、サーバ装置2の制御部23が、一意となる問題IDを生成した上で、生成した問題ID、及び前述の入力された情報に基づいて格納することとしてもよい。なお、この格納手法に限らず、その他の任意の手法で演習問題関連情報を格納することとしてもよい。
【0055】
(構成-サーバ装置-記録部-提示用問題特定情報DB)
図1の提示用問題特定情報DB223は、提示用問題特定情報を格納する提示用問題特定情報格納手段である。図4は、提示用問題特定情報を例示した図である。
【0056】
「提示用問題特定情報」とは、生徒側に出力して提示する問題を特定する情報であり、例えば、図4に示すように、項目「対象校情報」に対応する情報と、項目「教科情報」に対応する情報と、項目「教科別得意度情報」に対応する情報と、項目「問題ID」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0057】
項目「対象校情報」に対応する情報は、入学を志望する候補となる対象の大学に関する対象校情報である。この対象校情報としては任意の情報を用いることができるが、例えば、図2の志望校情報として用いる情報(つまり、大学名、学部名、学科名、及び入試方式を示す情報)と同様な情報を用いることとし、図4では、「A1大学,農学部,農学科,前期」等である。項目「教科情報」に対応する情報は、図3の同一名称の情報と同様であり、教科を特定する教科情報である(図4では、「数学」等)。項目「教科別得意度情報」に対応する情報は、各教科の得意度を示す教科別得意度情報である。この教科別特定度情報としては任意の情報を用いることができるが、例えば、図2の得意度情報と同様な、「超得意」、「得意」、「普通」、及び「苦手」の4段階の情報を用いることとする。項目「問題ID」に対応する情報は、図3の同一名称の情報と同様である(図4では、「ID0013」等)。
【0058】
そして、この図4の提示用問題特定情報における例えば最上段の情報(つまり、「A1大学,農学部,農学科,前期」、「数学」、「超得意」、「ID0013,…」の組み合わせの情報)は、「A1大学,農学部,農学科,前期」(つまり、「A1大学」、「農学部」、「農学科」、「前期」(つまり、前期試験))の「数学」に関して、「超得意」の得意度に関連付けられている問題が「ID0013,…」が識別する「Q0013」(図3)に対応する問題等であることが示されている。
【0059】
なお、この教材情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、後述する格納処理を実行することにより格納される。
【0060】
(構成-サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段である。制御部23は、機能概念的に、例えば、取得部231、選択部232、及び出力部233を備える。取得部231は、学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報である志望校情報を取得する取得手段である。選択部232は、取得部231が取得した志望校情報に基づいて、演習問題関連情報DB222に格納されている演習問題関連情報が示す複数の演習問題(つまり、複数の問題情報)の内の、所定個数の演習問題(つまり、複数の問題情報)を、学習者が学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段である。出力部233は、選択部232が選択した推奨演習問題を示す情報を出力する出力手段である。なお、この制御部23の各部によって実行される具体的な処理については後述する。
【0061】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る学習支援システム100によって実行される格納処理及び問題提示処理について説明する。
【0062】
(処理-格納処理)
まず、格納処理について説明する。図5は、格納処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「格納処理」とは、概略的には、サーバ装置2で実行される処理であり、例えば、図4の提示用問題特定情報を格納するための処理である。この格納処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、一年に一度のタイミング等に起動して実行を開始することとし、格納処理の実行が開始されたところから説明する。
【0063】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報における過去問に対応する情報については、所定年数分(例えば、直近の10年分等)が格納されていることとして、説明する。また、例えば、図4の対象校情報、教科情報、及び教科別得意度情報が予め入力されて格納されていることとし、これらの各情報に関連付けられる問題IDとして、50個の演習問題を識別する50個の問題IDを格納する場合について説明する。つまり、前述の「所定個数」が50個である場合について説明する。
【0064】
また、実際には、後述する図5のSA1~SA6の処理を繰り返し実行して、図4の提示用問題特定情報における問題IDが格納されることになるが、ここでは、例えば、「A1大学,農学部,農学科,前期」の「数学」に関する問題IDを格納する場合を例示して説明する。
【0065】
図5のSA1においてサーバ装置2の制御部23は、処理の対象となる対象校情報及び教科情報の組み合わせを特定する。具体的な処理は任意であるが、例えば、図4の対象校情報及び教科情報の組み合わせの内の、未だ問題IDが格納されていない対象校情報及び教科情報の組み合わせを特定する。
【0066】
ここでは、例えば、「対象校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」、及び「教科情報」=「数学」の組み合わせに関連付けられる問題IDが未だ格納されていないこととし、この場合、この組み合わせを特定する。
【0067】
図5のSA2においてサーバ装置2の制御部23は、SA1で特定した対象校情報及び教科情報に対応する演習問題に関する基準分野割合を決定する。なお、「基準分野割合」とは、例えば、各分野に属する演習問題の個数の割合を示す概念であり、本実施の形態では、対象校情報及び教科情報に対応する過去問を基準に定められる割合である。SA2の処理について具体的には任意であるが、例えば、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した教科情報と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した対象校情報と同じ情報を含む出典情報に関連付けられている問題ID(つまり、処理の対象となっている対象校情報及び教科情報に対応する過去問を識別する問題ID)を特定し、当該特定した問題IDに関連付けられている分野タグ情報を特定し、当該特定した分野タグ情報に基づいて、基準分野割合を決定する。
【0068】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した「教科情報」=「数学」と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した「対象校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」と同じ情報を含む出典情報に関連付けられている「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」等を特定し、当該特定した「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」に関連付けられている「分野タグ情報」=「T1」等を特定し、当該特定した「分野タグ情報」=「T1」等に基づいて、基準分野割合を決定する。
【0069】
なお、ここでは、説明の便宜上、図3に図示されている「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」に関連する情報に基づいて基準分野割合を決定する処理例を説明する(なお、後述するSA3の基準難易度割合も同様とする)。図6及び図7は、処理例を説明するための図である。図6においては、図3の演習問題関連情報における「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」に関連付けられている情報における、分野タグ情報、問題ID、及び難易度タグ情報が示されており、特に、分野タグ情報を基準にソートされた状態で図示されている。また、図7においては、各割合等の演算例が例示されている。
【0070】
基準分野割合の決定手法について具体的には、図3の演習問題関連情報において「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」に関連付けられている分野タグ情報については、図6に例示されているように、「T1」が3個存在し、「T2」が1個存在し、「T3」が2個存在し、「T4」が1個存在し、「T5」が1個存在する。よって、「T1」の分野の基準分野割合については、図7の項目「分野」=「T1」に関連付けられている項目「基準分野割合」の欄に例示されているように、「3(「分野タグ情報」=「T1」が関連付けられている問題IDの個数)÷8(前述の特定した問題IDの総数であり、すなわち、「A1大学,農学部,農学科,前期」の「数学」の過去問を識別する問題IDの総数)」の演算を行い、演算結果に対応する割合を「T1」の基準分野割合に決定する。また、「T2」~「T5」の分野の基準分野割合についても、図7の項目「分野」=「T2」~「T5」に関連付けられている項目「基準分野割合」の欄に例示されている演算を行うことにより決定する。
【0071】
図5のSA3においてサーバ装置2の制御部23は、SA1で特定した対象校情報及び教科情報に対応する演習問題に関する基準難易度割合を決定する。なお、「基準難易度割合」とは、例えば、各難易度に対応する演習問題の個数の割合を示す概念であり、本実施の形態では、対象校情報及び教科情報に対応する過去問を基準に定められる割合である。SA3の処理について具体的には任意であるが、例えば、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した教科情報と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した対象校情報と同じ情報を含む出典情報に関連付けられている問題IDを特定し、当該特定した問題IDに関連付けられている難易度タグ情報を取得し、当該取得した難易度タグ情報に基づいて、基準難易度割合を決定する。詳細には、図7の「基準難易度割合」の欄に例示されているように、SA2特定した分野タグ情報が示す分野各々において、第1~第5基準難易度割合を決定する。なお、「第1基準難易度割合」とは、例えば、「難易度タグ情報」=「1」が示す難易度(つまり、「1」の難易度)に対応する演習問題の個数の割合であり、また、「第2基準難易度割合」~「第5基準難易度割合」の定義も同様であり、例えば、「難易度タグ情報」=「2」~「5」が示す難易度に対応する演習問題の個数の割合である。
【0072】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した「教科情報」=「数学」と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した「対象校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」と同じ情報を含む出典情報に関連付けられている「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」等を特定し、当該特定した「問題ID」=「ID0001」~「ID0008」に関連付けられている「難易度タグ情報」=「3」等を取得し、当該取得した「難易度タグ情報」=「3」等に基づいて、基準難易度割合を決定する。
【0073】
基準難易度割合の決定手法について具体的には、SA2で「分野タグ情報」=「T1」と特定した「問題ID」=「ID0001」、「ID0004」、及び「ID0007」に関連付けられている難易度タグ情報は、図6に例示されているように、「3」、「2」、及び「3」である。よって、第1基準難易度割合については、図7の項目「分野」=「T1」に関連付けられている項目「基準難易度割合」の欄における「第1基準難易度割合」の欄に例示されているように、「0(「難易度タグ情報」=「1」の個数)÷3(「A1大学,農学部,農学科,前期」の「数学」の過去問を識別する問題IDの内の、「分野タグ情報」=「T1」が関連付けられている問題IDの個数)」の演算を行い、演算結果に対応する割合を、「T1」の分野における第1難易度分野割合に決定する。また、第2~第5基準難易度割合についても、図7の項目「分野」=「T1」に関連付けられている項目「基準難易度割合」の欄における「第2基準難易度割合」~「第5基準難易度割合」の欄に例示されている演算を行うことにより決定する。そして、SA2特定した分野タグ情報が示す「T2」~「T5」の分野に関しても同様な処理を行うことにより、各分野についての第1基準難易度割合~第5基準難易度割合を決定する。
【0074】
図5のSA4においてサーバ装置2の制御部23は、基準問題数を決定する。「基準問題数」とは、各分野及び各難易度に対応する演習問題の個数を示す概念であり、本実施の形態では、対象校情報及び教科情報に対応する過去問を基準に定められる個数であり、詳細には、SA2で決定した基準分野割合及びSA3で決定した基準難易度割合に基づいて定められる個数である。SA4の処理について具体的には任意であるが、例えば、SA2で特定した分野タグ情報が示す各分野において、前述の所定個数(つまり、50個)に対して、SA2で決定した基準分野割合と、SA3で決定した基準難易度割合とを掛け合わせる演算を行い、演算結果に対応する個数を基準問題数に決定する。なお、実際には、前述の演算の演算結果における小数点以下の数値については、適宜切り上げたり、切り捨てたりして、演習問題の総数が所定個数である50個となるように、基準問題数を決定する。
【0075】
ここでは、例えば、図7の項目「分野」=「T1」に関連付けられている項目「基準問題数」の欄に例示されているように、「50(所定個数)×0.38(基準分野割合)×0(第1基準難易度割合)」の演算を行い、演算結果に対応する「0」個を、「T1」の分野及び「1」の難易度に対応する基準問題数に決定する。また、「T1」の分野及び「2」~「5」の難易度に対応する基準問題数についても、図7の項目「分野」=「T1」に関連付けられている項目「基準問題数」の欄に例示されている演算を行うことに決定する。そして、SA2特定した分野タグ情報が示す「T2」~「T5」の分野に関しても同様な処理を行うことにより、各分野及び各難易度についての基準問題数を決定する。
【0076】
図5のSA5においてサーバ装置2の制御部23は、SA1で特定した対象校情報及び教科情報に対応する演習問題として、各得意度について所定個数である50個の演習問題を決定する。つまり、「超得意」について50個の演習問題を決定し、また、「得意」について50個の演習問題を決定し、また、「普通」について50個の演習問題を決定し、また、「苦手」について50個の演習問題を決定する。SA5の処理について具体的には任意であるが、例えば、「第1処理」~「第3処理」を行う。
【0077】
=第1処理=
まず、「第1処理」においては、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した教科情報と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した対象校情報と同じ情報を含む出典情報に関連付けられている問題ID(つまり、処理の対象となっている対象校情報及び教科情報に対応する過去問を識別する問題ID)(以下、「過去問用問題ID」とも称する)を特定する。
【0078】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した「教科情報」=「数学」と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した「対象校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」と同じ情報を含む出典情報に関連付けられている「問題ID」(つまり、「過去問用問題ID」)として「ID0001」~「ID0008」等を特定する。
【0079】
=第2処理=
次に、「第2処理」においては、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した教科情報と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した対象校情報と同じ情報を含まない出典情報に関連付けられている問題ID(つまり、処理の対象となっている対象校情報及び教科情報に対応する過去問以外の演習問題を識別する問題ID)(以下、「教材用問題ID」とも称する)を特定する。
【0080】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報を参照し、SA1で特定した「教科情報」=「数学」と同じ教科情報に関連付けられており、且つ、SA1で特定した「対象校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」と同じ情報を含まない出典情報に関連付けられている「問題ID」(つまり、「教材用問題ID」)として「ID0009」~「ID0013」等を特定する。なお、ここで特定する「教材用問題ID」については、実際には多数となる。
【0081】
=第3処理=
次に、「第3処理」においては、概略的には、図3の演習問題関連情報の難易度タグ情報、分野タグ情報、及び他タグ情報を参照して、「第2処理」で特定した「教材用問題ID」が識別する演習問題から、各分野及び各難易度においてSA4で決定した基準問題数に基づく個数の演習問題を選択することにより、各得意度について所定個数である50個の演習問題を決定する。
【0082】
なお、各得意度について50個の演習問題を選択して決定する手法は任意であるが、例えば、以下の手法を用いてもよい。例えば、「普通」に対応する50個の演習問題を決定する場合、SA4で決定した基準問題数に示される各分野及び各難易度に対応する個数の演習問題を選択して決定する。また、例えば、「得意」の50個に対応する演習問題を決定する場合、SA4で決定した基準問題数に基づく個数の演習問題であって、「普通」に対して決定する50個の演習問題よりも難易度がより高い演習問題が、当該「普通」に対して決定する50個の演習問題よりも多く含まれるように演習問題を選択して決定する。また、例えば、「超得意」の50個に対応する演習問題を決定する場合、SA4で決定した基準問題数に基づく個数の演習問題であって、「得意」に対して決定する50個の演習問題よりも難易度がより高い演習問題が、当該「得意」に対して決定する50個の演習問題よりも多く含まれるように演習問題を選択して決定する。また、例えば、「苦手」の50個に対応する演習問題を決定する場合、SA4で決定した基準問題数に基づく個数の演習問題であって、「普通」に対して決定する50個の演習問題よりも難易度がより低い演習問題が、当該「普通」に対して決定する50個の演習問題よりも多く含まれるように演習問題を選択して決定する。
【0083】
また、「教材用問題ID」が識別する演習問題から、SA4で決定した基準問題数に基づく個数の演習問題を選択する手法は任意であるが、例えば、以下の手法を用いてもよい。例えば、図3の演習問題関連情報の他タグ情報を参照して、「第2処理」で特定した「教材用問題ID」が識別する演習問題から、「第1処理」で特定した「過去問用問題ID」が識別する演習問題である過去問の特性又は特徴により類似した演習問題を選択する。より詳細には、「過去問用問題ID」に関連付けられている他タグ情報に対して、より類似している他タグ情報が関連付けられている「教材用問題ID」が識別する演習問題を選択する。
【0084】
そして、この「第3処理」を実行する具体的な手法は任意であり、例えば、上述の処理を行うためのアルゴリズムとして、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムを予め生成しておき、当該アルゴリズムを用いて実行してもよい。なお、この所定のアルゴリズムについては、例えば、専門家によるフィードバックに基づいて機械学習を行うことにより生成してもよい。あるいは、バリエーションとしては、機械学習を行わずに予め生成したアルゴリズムを用いて実行してもよい。
【0085】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報の難易度タグ情報、分野タグ情報、及び他タグ情報を参照して、「第2処理」で特定した「教材用問題ID」=「ID0009」~「ID0013」等が識別する演習問題から、各分野及び各難易度においてSA4で決定した基準問題数(図7の「基準問題数」の欄参照)に基づく個数の演習問題を選択することにより、各得意度について所定個数である50個の演習問題を決定する。
【0086】
例えば、「普通」に対応する50個の演習問題としては、少なくとも、図7に示すように、「教材用問題ID」が識別する演習問題であり、且つ、「T1」の分野に対応する「2」の難易度の演習問題(つまり、図3の「分野タグ情報」=「T1」及び「難易度タグ情報」=「2」が関連付けられている演習問題)であり、且つ、「T1」の分野に対応する過去問に類似する演習問題(つまり、「過去問用問題ID」が識別する演習問題に関連付けられている「他タグ情報」と類似する「他タグ情報」が関連付けられている演習問題)を6個含み、また、「教材用問題ID」が識別する演習問題であり、且つ、「T1」の分野に対応する「3」の難易度の演習問題であり、且つ、「T1」の分野に対応する過去問に類似する演習問題を13個含む、50個の演習問題(少なくとも、「T1」の分野の演習問題を合計19個含む演習問題)を選択して決定する。
【0087】
また、例えば、「得意」に対応する50個の演習問題としては、「普通」の場合に比べて難易度が高い問題がより多く含まれるので、一例としては、少なくとも、「T1」の分野において、「2」の難易度の演習問題を4個含み、「3」の難易度の演習問題を13個含み、「4」の難易度の演習問題を2個含む、50個の演習問題(少なくとも、「T1」の分野の演習問題を合計19個含む演習問題)を選択して決定する。
【0088】
また、例えば、「超得意」に対応する50個の演習問題としては、「得意」の場合に比べて難易度が高い問題がより多く含まれるので、一例としては、少なくとも、「T1」の分野において、「2」の難易度の演習問題を2個含み、「3」の難易度の演習問題を11個含み、「4」の難易度の演習問題を2個含み、「5」の難易度の演習問題を4個含む、50個の演習問題(少なくとも、「T1」の分野の演習問題を合計19個含む演習問題)を選択して決定する。
【0089】
また、例えば、「苦手」に対応する50個の演習問題としては、「普通」の場合に比べて難易度が低い問題がより多く含まれるので、一例としては、少なくとも、「T1」の分野において、「1」の難易度の演習問題を2個含み、「2」の難易度の演習問題を5個含み、「3」の難易度の演習問題を12個含む、50個の演習問題(少なくとも、「T1」の分野の演習問題を合計19個含む演習問題)を選択して決定する。
【0090】
図5のSA6においてサーバ装置2の制御部23は、SA5で決定した演習問題を識別する問題IDを格納する。具体的には任意であるが、例えば、図4の提示用問題特定情報において、SA1で特定した対象校情報及び教科情報と同じ対象校情報及び教科情報に関連付けられている問題IDとして、SA5で決定した演習問題を識別する問題IDを格納する。詳細には、SA5で決定した「超得意」、「得意」、「普通」、及び「苦手」に対応する50個の演習問題各々を、図4の「教科別得意度情報」=「超得意」、「得意」、「普通」、及び「苦手」に関連付けられている問題IDとして格納する。
【0091】
ここでは、例えば、SA5で決定した「超得意」に対応する演習問題の中に、図3の「問題ID」=「ID0013」が識別する演習問題が含まれている場合、SA1で「対象校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」、及び「教科情報」=「数学」を特定したので、図4の最上段に示すように、「問題ID」=「ID0013,…」等を格納することになる。これにて、格納処理を終了する。
【0092】
(処理-問題提示処理)
次に、問題提示処理について説明する。図8は、問題提示処理のフローチャートである。「問題提示処理」とは、概略的には、サーバ装置2で実行される処理であり、例えば、所定個数である50個の演習問題を推奨演習問題として選択し、選択した推奨演習問題を示す情報を出力する処理である。
【0093】
この問題提示処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、高校生である生徒が自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己の氏名情報及び問題を提示する対象となる教科を示す教科情報を入力した上で、問題提示処理を起動するための所定操作(例えば、ディスプレイ13に表示されているボタンをタップする操作等)を行った場合に、端末装置1の制御部15が、前述の入力された氏名情報及び教科情報を含む問題提示処理起動用信号(つまり、問題提示処理を起動させるための信号)をサーバ装置2に対して送信し、サーバ装置2の制御部23が、当該送信された問題提示処理起動用信号を受信した場合に起動することとし、問題提示処理が起動したところから説明する。
【0094】
ここでは、例えば、図1の端末装置101が生徒である「AAAA」が所有する装置であり、端末装置102が生徒である「BBBB」が所有する装置であることとし、当該「AAAA」に対する「数学」に関する推奨演習問題を提示する場合を例示して説明する。
【0095】
この場合、例えば、生徒である「AAAA」が自己の端末装置101のタッチパッド12を介して、自己の氏名情報である「AAAA」及び問題を提示する対象となる教科を示す教科情報である「数学」を入力した上で、問題提示処理を起動するための所定操作を行った場合に、端末装置101の制御部15が、前述の入力された「氏名情報」=「AAAA」及び「教科情報」=「数学」を含む問題提示処理起動用信号をサーバ装置2に対して送信し、サーバ装置2の制御部23が、当該送信された問題提示処理起動用信号(「氏名情報」=「AAAA」及び「教科情報」=「数学」を含む信号)を受信して、問題提示処理が起動した場合を例示して説明する。
【0096】
図8のSB1においてサーバ装置2の取得部231は、志望校情報及び得意度情報を取得する。具体的には任意であるが、例えば、問題提示処理を起動する場合に受信した問題提示処理起動用信号に含まれている氏名情報を取得し、図2の生徒情報を参照して、当該取得した氏名情報に関連付けられている志望校情報及び得意度情報を特定し、特定した志望校情報及び得意度情報を取得する。
【0097】
ここでは、例えば、問題提示処理を起動する場合に受信した問題提示処理起動用信号に含まれている氏名情報である「AAAA」を取得し、図2の生徒情報を参照して、当該取得した「氏名情報」=「AAAA」に関連付けられている「志望校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」及び「得意度情報」=「数学:苦手,物理:普通,…」を特定して取得する。
【0098】
図8のSB2においてサーバ装置2の選択部232は、SB1で取得した志望校情報及び得意度情報に基づいて、図3の演習問題関連情報において示される多数の演習問題の内の、所定個数(50個)の演習問題を選択する処理を行う。具体的には任意であるが、例えば、まず、問題提示処理を起動する場合に受信した問題提示処理起動用信号に含まれている教科情報を取得し、SB1で取得した得意度情報において、前述の取得した教科情報が示す教科についての得意度を特定する。次に、図4の提示用問題特定情報を参照して、SB1で取得した志望校情報と同じ情報を示す対象校情報に関連付けられており、且つ、前述の取得した教科情報と同じ教科情報に関連付けらており、且つ、前述の特定した得意度と同じ得意度を示す教科別得意度情報に関連付けられている50個の問題IDを特定する。次に、図3の演習問題関連情報を参照して、前述の特定した50個の問題IDと同じ問題IDに関連付けられている50個の問題情報及び模範解答情報の組み合わせを選択することにより、50個の演習問題を推奨演習問題として選択する。
【0099】
ここでは、例えば、まず、問題提示処理を起動する場合に受信した問題提示処理起動用信号に含まれている教科情報を取得し、SB1で取得した「得意度情報」=「数学:苦手,物理:普通,…」において、前述の取得した「教科情報」=「数学」が示す教科についての得意度として「苦手」を特定する。次に、図4の提示用問題特定情報を参照して、SB1で取得した「志望校情報」=「A1大学,農学部,農学科,前期」と同じ情報を示す対象校情報に関連付けられており、且つ、前述の取得した「教科情報」=「数学」と同じ教科情報に関連付けらており、且つ、前述の特定した「得意度」=「苦手」と同じ得意度を示す教科別得意度情報に関連付けられている50個の問題IDとして「ID0012,…」を特定する。次に、図3の演習問題関連情報を参照して、前述の特定した50個の問題IDである「ID0012,…」と同じ問題IDに関連付けられている50個の問題情報及び模範解答情報の組み合わせである「Q0012」及び「A00012」等を選択することにより、50個の演習問題として「Q0012」が示す演習問題等を推奨演習問題として選択する。
【0100】
なお、前述したように、図4の提示用問題特定情報の問題IDについては、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて格納されているので、このSB2での推奨演習問題の選択は、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて行われているものと解釈できる。
【0101】
図8のSB3においてサーバ装置2の出力部233は、SB2で選択した推奨演習問題を示す情報を出力する。具体的には任意であるが、例えば、図3の演習問題関連情報を参照して、SB2で選択した50個の推奨演習問題を示す問題情報及び当該推奨演習問題に対する模範解答を示す模範解答情報を特定し(つまり、SB2で選択した50個の問題情報及び模範解答情報の組み合わせを特定し)、特定した問題情報及び模範解答情報を、端末装置1(問題提示処理の起動時にサーバ装置2が受信した問題提示処理起動用信号を送信した端末装置1)に送信する。一方、端末装置1の制御部15は、問題情報及び模範解答情報を受信し、受信した問題情報が示す演習問題をディスプレイ13に表示し、タッチパッド12を介する所定操作(例えば、模範解答を表示するための操作)を受け付けた場合に、受信した模範解答情報が示す模範解答をディスプレイ13に表示する。
【0102】
ここでは、例えば、図3の演習問題関連情報を参照して、SB2で選択した50個の推奨演習問題を示す問題情報及び当該推奨演習問題に対する模範解答を示す模範解答情報として、「問題情報」=「Q0012」及び「模範解答情報」=「A00012」等を特定し、特定した問題情報及び模範解答情報を、端末装置101に送信する。一方、端末装置101の制御部15は、これらの情報を受信して、適宜のタイミングでディスプレイ13に、「苦手」に対応する50個の推奨演習問題又は模範解答を表示する。
【0103】
なお、問題情報及び模範解答情報の代わり、又は問題情報及び模範解答情報と共に、出典情報を出力してもよく、この場合、例えば、図3の演習問題関連情報を参照して、SB2で選択した50個の推奨演習問題を示す問題IDに関連付けられている出典情報を特定し、特定した出典情報を、端末装置1に送信して、当該端末装置1のディスプレイ13に表示してもよい。この場合、例えば、図3の「D1書籍,D2問題集,不等式,第1問」を示す情報等が端末装置101に表示されることになる。これにて、問題提示処理を終了する。
【0104】
このように、多数(例えば、数千個~数十万個あるいは数百万個等)の演習問題の内の、生徒である「AAAA」の得意度を考慮した、志望校の入学試験対策に適した問題を所定個数(50個)だけ提示することができるので、当該生徒の学習効果を向上させることが可能となる。
【0105】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、複数の演習問題の内の、所定個数の演習問題を、学習者である生徒が学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択することにより、例えば、所定個数の演習問題を用いて効率的に学習を行わせることができるので、生徒の学習効率を向上させることが可能となる。
【0106】
また、学習目標は学習者である生徒の志望校における入学試験に合格することであり、入学試験に関する志望校情報(入学試験関連情報)を学習目標関連情報として取得することにより、例えば、入学試験に合格するために効率的に学習を行わせることが可能となる。
【0107】
また、志望校情報と得意度情報とを学習目標関連情報として取得することにより、例えば、学習者である生徒の得意度を考慮して推奨演習問題を選択することができるので、生徒の学習効率を更に向上させることができる。
【0108】
また、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて推奨演習問題を選択することにより、例えば、学習者である生徒の学習目標を達成するために適切な演習問題を推奨演習問題として選択することが可能となる。
【0109】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0110】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0111】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、端末装置1及びサーバ装置2の構成を分散又は統合してもよい。一例としては、端末装置1の一部の機能をサーバ装置2に設けてもよいし、あるいは、サーバ装置2の一部の機能を端末装置1に設けてもよい。また、サーバ装置2のDBの構成を任意に変更してもよい。
【0112】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(付記)
付記1の選択システムは、複数の演習問題を示す複数演習問題情報を格納する格納手段と、学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記学習目標関連情報に基づいて、前記格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の内の、所定個数の演習問題を、前記学習者が前記学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段と、を備える。
【0113】
付記2の選択システムは、付記1に記載の選択システムにおいて、前記学習目標は、前記学習者の志望校における入学試験に合格することであり、前記取得手段は、少なくとも前記入学試験に関する入学試験関連情報を、前記学習目標関連情報として取得する。
【0114】
付記3の選択システムは、付記2に記載の選択システムにおいて、前記取得手段は、前記入学試験関連情報と、前記入学試験の入試教科における前記学習者の得意度を示す得意度情報とを、前記学習目標関連情報として取得し、前記選択手段は、前記入学試験関連情報と前記得意度情報とに基づいて、前記推奨演習問題を選択する。
【0115】
付記4の選択システムは、付記2又は3に記載の選択システムにおいて、前記選択手段は、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて前記推奨演習問題を選択する。
【0116】
付記5の選択システムは、付記1から4の何れか一項に記載の選択システムにおいて、前記選択手段が選択した前記推奨演習問題を示す情報を出力する出力手段、を備える。
【0117】
付記6の選択プログラムは、コンピュータを、学習者の学習目標に関連する学習目標関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記学習目標関連情報に基づいて、複数の演習問題を示す複数演習問題情報を格納する格納手段に格納されている前記複数演習問題情報が示す前記複数の演習問題の内の、所定個数の演習問題を、前記学習者が前記学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択する選択手段と、として機能させる。
【0118】
(付記の効果)
付記1に記載の選択システム、及び請求項6に記載の選択プログラムによれば、複数の演習問題の内の、所定個数の演習問題を、学習者が学習目標を達成するために学習することを推奨する推奨演習問題として選択することにより、例えば、所定個数の演習問題を用いて効率的に学習を行わせることができるので、学習者の学習効率を向上させることが可能となる。
【0119】
付記2に記載の選択システムによれば、学習目標は学習者の志望校における入学試験に合格することであり、入学試験に関する入学試験関連情報を学習目標関連情報として取得することにより、例えば、入学試験に合格するために効率的に学習を行わせることが可能となる。
【0120】
付記3に記載の選択システムによれば、入学試験関連情報と得意度情報とを学習目標関連情報として取得することにより、例えば、学習者の得意度を考慮して推奨演習問題を選択することができるので、学習者の学習効率を更に向上させることができる。
【0121】
付記4に記載の選択システムによれば、AI(人工知能)を活用した所定のアルゴリズムに基づいて推奨演習問題を選択することにより、例えば、学習者の学習目標を達成するために適切な演習問題を推奨演習問題として選択することが可能となる。
【0122】
付記5に記載の選択システムによれば、推奨演習問題を示す情報を出力することにより、例えば、推奨演習問題に知らせることが可能となる。
【符号の説明】
【0123】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 学習支援システム
101 端末装置
102 端末装置
221 生徒情報DB
222 演習問題関連情報DB
223 提示用問題特定情報DB
231 取得部
232 選択部
233 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8