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  • 特許-二酸化炭素の固定化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】二酸化炭素の固定化方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20240913BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20240913BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20240913BHJP
   B01D 53/80 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B01D53/14 210
B01D53/18 110
B01D53/62 ZAB
B01D53/80
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021060238
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022156508
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】井川 義貴
(72)【発明者】
【氏名】桐野 裕介
(72)【発明者】
【氏名】内田 俊一郎
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-117636(JP,A)
【文献】特開2018-039696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0197557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14-53/18、
53/34-53/86、
53/92、53/96
C02F 11/00-11/20
C04B 2/00-32/02、
40/00-40/06
C01F 1/00-17/38
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2をセメント水和物に固定する方法であって、
セメント水和物と、水とを容器に入れ、セメント水和物と水との混合液を撹拌しながら、前記容器にCO2を吹込むCO2吹込み工程を含んでおり、
前記CO2吹込み工程において、
CO2吹込み速度は3600kg/t・h以上、
CO2吹込み量は600kg/t以上
CO 2 吹込み時間は10分間以上30分間以下である、
CO2をセメント水和物に固定する方法。
【請求項2】
前記CO吹込み工程において、
水とセメント水和物との液固比は4~8、
COの前記混合液中の吹込み水深と、前記吹込み水深におけるCOの最大気泡径との比が400以上である、請求項1に記載のCOをセメント水和物に固定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素をセメント水和物に固定化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地球温暖化防止のために、大気中へのCO排出量の削減が求められている。その1つの方法として、特許文献1に、アルカリ土類金属含有物質を利用してCOを固定化する技術が開示されている。アルカリ土類金属含有物質は、例えば、コンクリート建築物を解体することにより発生するコンクリート廃材、製鉄工程で発生する副生産物の鉄鋼スラグ、等である。従来、これらの物質は骨材等に利用されているものの、COの固定化をすることによって、さらに有効に利用することができる。
【0003】
上記文献に開示された方法では、生コン関連工場や建設現場で発生した生コンクリートに水を加えスラリー状の生コンクリートにした性状のものに、COを混入することで、CaCOを生成してCOを固定化する。生成されたCaCOは、コンクリート用材料に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-190538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、セメント水和物にCOを固定化する方法や、その材料の利用方法は開発されているものの、上記方法において、大量生産を前提とした高効率の製造条件に関する知見は、未だ存在していない。特に、大量生産を前提とした場合、所定の時間内に一定量のCOが固定化できることが必要である。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、セメント水和物にCOを短時間で固定化する高効率な製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のCO2をセメント水和物に固定する方法は、セメント水和物と、水とを容器に入れ、セメント水和物と水との混合液を撹拌しながら、前記容器にCO2を吹込むCO2吹込み工程を含んでおり、CO2吹込み工程において、CO2吹込み速度は3600kg/t・h以上、CO2吹込み量は600kg/t以上、CO 2 吹込み時間は10分間以上30分間以下であることを特徴とする。
【0008】
本発明のCOをセメント水和物に固定する方法によれば、セメント水和物にCOを短時間で固定化することができる。加えて、COをセメント水和物に固定化により生成した炭酸化物の比表面積が大きいことで、セメントに混合した場合に強度の増進が期待できる。
【0009】
また、本発明のCOをセメント水和物に固定する方法のCO吹込み工程において、水とセメント水和物との液固比は4~8、COの混合液中の吹込み水深と、水深におけるCOの最大気泡径との比が400以上であることを特徴とする。
【0010】
本発明のCO吹込み工程によれば、液固比、及び、COの混合液中の吹込み水深と水深におけるCOの最大気泡径との比を、好適な範囲の値にすることができる。したがって、COをセメント水和物に効率的に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を実施するための一実施形態であるセメント水和物へのCO固定化装置100の概要図である。
図2】本発明を実施した試験装置の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態>
図1を参照しながら、本実施の形態であるセメント水和物にCOを固定化する製造方法を説明する。上記方法に用いられるセメント水和物へのCO固定化装置100は、容器10と、CO供給装置20と、撹拌装置30とを備えている。CO固定化装置100は、COが固定化されたセメント水和物を大量かつ効率的に生産する装置である。
【0013】
容器10は、水とコンクリート廃材とが投入されて、COの固定化を行う装置である。コンクリート廃材には、解体されたコンクリート建築物から生じる廃コンクリート、コンクリート生産時に生じる廃スラッジ、廃軽量気泡コンクリート(廃ALC)、等が含まれる。コンクリート廃材は、セメント水和物以外の骨材等を含んでも良く、セメント水和物の量が規定の範囲にあれば良い。コンクリート廃材は、効率的にCOの固定化を行うために、図示しない粉砕機で細かく砕かれて投入される。また、骨材等のセメント水和物以外の材料を分離・選別しても良い。細かく砕かれたコンクリート粉体11は水に投入されても沈降しにくく、COの固定化反応を効率的に行うことができる。容器10にコンクリート粉体11とともに投入される水12は、例えば工業用水である。
【0014】
容器10に、水12と、コンクリート粉体11とが投入されて混合され、スラッジスラリー13が生成される。水12と、コンクリート粉体11との混合比である液固比は、4~8の範囲が好ましい。液固比が4未満、すなわち固体分が相対的に多い状態では、CO供給装置20に詰まりが生じて必要なCOが供給できなくなる可能性がある。また、液固比が8以上、すなわち固体分が相対的に少ない状態では、水がコンクリート粉体11の量に対応する量より過多であり、容器10が大きくなりすぎてしまう。したがって、液固比は上記範囲が好ましい。
【0015】
CO供給装置20は、容器10にCO14を供給する。CO供給装置20は、供給管21と、流量調整装置22と、散気装置23とを有している。供給管21は、供給管21の一端が図示しないCO14の供給源に接続されている。供給管21は、供給管21の中間部に1つ以上の分岐が設けられており、供給管21のそれぞれの他端は複数の散気装置23に接続されている。供給するガスは、COガス100%である必要は無く、Nや0を含む、工場の排ガス等を使用してよく、COの実質的な供給量が規定の範囲であれば良い。
【0016】
CO供給装置20は、供給管21の中間部において、複数の散気装置23へのCO供給量をそれぞれ調整可能な複数の流量調整装置22、または複数の散気装置23全部へのCO供給量を調整可能な1つの流量調整装置22の少なくとも何れか一方を有している。1つ以上のそれぞれの流量調整装置22は、電磁弁を有して電気的に制御可能に構成してもよい。また、供給されたCO14の余剰分は、排ガス15として容器10から排出される。
【0017】
散気装置23は多孔状構造等を含み、導入されるCO14を微細な泡として放出する装置である。散気装置23は、容器10に収容されているスラッジスラリー13に散気装置23の全体が浸るように、1つ以上が容器10内に配置されている。散気装置23の多孔状構造は多数の孔を含んでいる多孔質部材で形成されている。多孔状構造は、CO放出面が形成されている面以外は他の部材で覆われていてもよい。又は、多孔状構造はCO放出面が形成されている面以外は孔が形成されていない部材で形成されていてもよい。又は、多孔状構造は表面に多数の孔が加工されて開けられた中空部材等の部材でもよい。例えば、表面に多数の孔が開けられている中空管でもよい。又は、羽根等を用いて、COを微細化する装置を用いても良い。また、散気装置23が配置される水深は、COの固定化が効率的に行われるように、容器10の底面側に近づけて配置されることが望ましい。例えば、散気装置23の水深は、容器10の設計最大水深の少なくとも50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とすることがよい。また、CO固定化装置は複数存在しても良く、COとスラッジスラリーの合計の接触時間が同じであれば、装置の形状は何れでも可能である。
【0018】
散気装置23に導入されたCO14は、直径1mm以下の泡としてスラッジスラリー13中に放出される。CO14の吹込み水深、すなわちCO14の泡が発生する散気装置23のCO放出面の水深をL、その水深でのCO14の泡の直径をMとした時、L/M≧400となるように散気装置23が設けられている。複数の散気装置23が、高さが異なる位置に設置されている場合、CO14の吹込み水深は、CO14の泡が発生する散気装置23のCO放出面の最大水深をLとする。
散気装置23はCO14を上面から放出するよう構成されているが、散気装置23のCO放出面は上面だけでなく、側面、及び下面の何れか、又はその内の何れかの組み合わせで構成されてもよい。散気装置23のCO放出面が側面、及び下面の場合は、CO放出面が上面の場合に比べ、スラッジスラリー13中のコンクリート粉体11が舞い落ちることによるつまりが発生しにくい。したがって、散気装置23の定期メンテナンスの期間を長くすることができる。散気装置23は規定のCO14吹込み量を放出できれば、1つでも、複数でもよい。また、複数の場合は、容器10の壁に沿って周辺部に略等間隔で配置されるのが効率上よい。
【0019】
撹拌装置30は、CO14の固定化が効率よく行えるように、スラッジスラリー13を撹拌する装置である。撹拌装置30は、図示しない電動機により一定回転数で回転し続けてスラッジスラリー13を撹拌する。撹拌装置30がスラッジスラリー13を効率的に撹拌するように、撹拌装置30は容器10のほぼ中央付近に配置されている。撹拌装置30は、電動機により回転される回転軸31と、回転軸31の下端に接続されている攪拌翼32とを有している。
【0020】
攪拌翼32は、容器10の内径、又は最大部の差し渡し寸法等の内寸法の30%以上となるように形成されている。また、攪拌翼32の水深は、容器10に入れられるスラッジスラリー13の設計最大水深の50%以上、すなわち水深の半分かそれより深い位置となるように配置されている。攪拌翼32が配置される水深は、スラッジスラリー13に含まれるコンクリート粉体11が容器10の底に沈下した時にも容易に上方にすくい上げられるように、可能な限り容器10の底面側に近づけて配置されることが望ましい。例えば、容器10の少なくとも設計最大水深の50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とすることがよい。水深方向における、攪拌翼32の散気装置23との関係について、略同じ水深位置に配置されている。攪拌翼32の散気装置23に対する水深方向の位置関係は、散気装置23の上方、又は、散気装置23の水深方向寸法の範囲、又は散気装置23の下方の何れでも可能である。
攪拌翼32は、複数配置しても良く、その合計の長さが、容器10の内径、又は最大部の差し渡し寸法等の内寸法の30%以上となるように設置しても良い。
【0021】
なお、撹拌装置30とともに、又は撹拌装置30の代わりに、図示しないスラッジスラリー13の循環装置を設けることもできる。循環装置は、ポンプと、ポンプの前後それぞれに配管を有しており、ポンプの前の配管の先端は、容器10の底面、又は底面周辺に配置され、ポンプの後ろの配管の先端は、容器10内の上部に配置される。容器10の底面、又は底面周辺のスラッジスラリー13は、ポンプにより吸引されて、容器10内のスラッジスラリー13の上部に循環される。これにより、COの固定化が効率よく行われる。
【0022】
上記の装置において、所定の液固比となるように、水12と、コンクリート粉体11とが容器10に投入され、撹拌装置30にて混合度合いを均一にされたスラッジスラリー13が生成される。所定の液固比は、4~8である。その状態でCO供給装置20により、所定のCO吹込み速度でCOの供給が開始される。所定のCO吹込み速度は3600kg/t・h以上である。COの吹込みは、所定のCO吹込み時間の間続けられて、所定のCO吹込み量がスラッジスラリー13に吹込まれる。所定のCO吹込み時間は35分以下であり、所定のCO吹込み量は600kg/t以上である。上記方法により、コンクリート粉体11にCOが効率的に固定化される。1回のCO固定化作業が終了したら、スラッジスラリー13は容器10から排出される。容器10には、再度、水12とコンクリート粉体11とが投入される。排出されたスラッジスラリー13はそのまま、あるいは脱水・乾燥等され、COが固定化されたコンクリート粉体11は、セメント原料等に利用される。
【0023】
容器10へのCO14の供給について、CO14が充填された圧力容器から供給される形態を説明したが、この他の形態でもよい。容器10が配置されている工場、又は隣接する工場の排出ガスに由来するCOを工場に設置された配管を介して供給してもよい。例えば、セメント工場から排出されるCOを供給管により連続的に供給してもよい。そうすることで、工場から排出されるCOの排出量が低減される。
【0024】
本発明では、セメント水和物にCOを短時間で一定量を固定化する方法として、セメント水和物へのCOの固定量200kg/t-cem以上を35分以内で行い得る方法を目標とした。
【0025】
図2を参照して、次に、本実施の形態に関して行った試験について、試験装置と、結果とを説明する。試験装置は、基本的に上記の装置に合わせて構成した。なお、図2における試験装置において、同じ、又は対応する部材については、同じ符号を用いてその説明を省略する。試験装置は、容器10と、CO供給装置20と、撹拌装置30とを備えており、図1のCO固定化装置100と基本的に同じ構成である。容器10は恒温恒湿装置40に入れられ、20℃の状態で試験が開始された。撹拌装置30は、電動機により回転される回転軸31と、回転軸31の下端に接続されている攪拌翼32とを有している。散気装置23のCO放出面の位置と、攪拌翼32とは、水深の約70%の深さとなるように配置されている。
【0026】
攪拌翼32は、容器10の内径、又は最大部の差し渡し寸法等の内寸法の30%以上となるように形成されている。また、攪拌翼32の水深は、容器10に入れられるスラッジスラリー13の設計最大水深の50%以上、すなわち水深の半分かそれより深い位置となるように配置されている。攪拌翼32が配置される水深は、スラッジスラリー13に含まれるコンクリート粉体11が容器10の底に沈下した時にも容易に上方にすくい上げられるように、可能な限り容器10の底面側に近づけて配置されることが望ましい。例えば、容器10の設計最大水深の60%以上、好ましくは70%以上とすることがよい。
【0027】
[原料の準備]
容器10には、生コン工場より供給された生コンスラッジの粉末を投入した。提供された生コンスラッジは、作製時点からの経過時間が少ないものを選定し、供給されてから24時間後に乾燥を開始したものを使用した。提供された生コンスラッジは、粉砕後、乾燥炉を用いて十分に乾燥させ、乾燥スラッジを得た。この時の乾燥スラッジのブレーン比表面積は、Bl‘=14230cm/g(ρ=2.61g/cm、e=0.74)であった。その後、乾燥スラッジの解砕処理を行った。解砕処理は、10kgのサンプルをボールミルで30秒間粉砕した。この時使用した乾燥スラッジの化学組成を表1に示す。表1から明らかなように、本試験で用いた乾燥スラッジの化学組成は、市販されているセメントと同程度であり、骨材を含まないセメント水和物として取り扱うことができる。
【0028】
【表1】
【0029】
[炭酸化処理]
スラッジスラリー13は、イオン交換水1000mLに対し上記の要領で作製した乾燥スラッジを添加し、所定の液固比となるように調製した。その後、恒温恒湿装置(インキュベータ)内でスラッジスラリー13の攪拌を行いながら、散気装置23を用いて、所定の流量、及び時間でCOの吹込みを行った。COの流量は、ガスボンベに接続したフロート流量計を用いて管理した。吹込みが終了したスラリー13は、吸引ろ過を行い、固相と液相を分離した。分離した固相は、105℃で乾燥処理をして炭酸化スラッジを得た。炭酸化スラッジは粉砕され、600μmの粗さのふるいを通した後、各種分析を行った。
【0030】
各特性値の計算方法は以下のとおりである。
【0031】
1.CO吹込み量(スラッジへのCO供給量)(kg-CO/t-sludge)
CO/スラッジ=(QCO×t)/Msludge
QCO:COガスボンベに接続した流量計によるCO流速(kg-CO/h)
t:吹込み開始から終了までの時間(h)
Msludge:投入したスラッジの質量(kg)
【0032】
2.スラッジへのCO固定量(kg/t-sludge’)
COcap=COTG×(100/(100-ig.lossTG)
COcap:強熱した炭酸化スラッジに含まれるCO量(%)
COTG:TG-DTAにより算出したCO量(%)
ig.lossTG:TG-DTAにおける1000℃までの減量値(%)
【0033】
TG-DTAは、セイコーインスツルメント株式会社製、示差熱熱重量同時測定装置TG-DTA6300を用い、温度範囲:室温~1000℃、昇温速度:10℃/min、雰囲気:20℃の各条件で測定を行った。また、下記の単位補正を行った。
【0034】
CO(kg/t-sludge’)=COcap×1000/100
【0035】
上記の試験装置にて行った試験の結果を、表2に示す。また、液固比の値を変えて行った結果を、表3に示す。吹込み水深/最大気泡径の値を変えて行った結果を、表4に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
[結果]
(1)表2より、実施例1~10は、スラッジへのCO固定量が200(kg/t-cem)以上であることが確認できた。このことより、水とセメント水和物との液固比は4~8、CO吹込み速度は3600kg/t・h以上、CO吹込み量は600kg/t以上、かつ、COの前記混合液中の吹込み水深と、前記水深におけるCOの最大気泡径との比が所定値以上であれば、目標とするセメント水和物へのCOの200kg/t-cem以上の固定量を30分以内で達成できることがわかった。また、生成した炭酸化物の比表面積が大きく、セメント・コンクリートに添加した場合、セメントに混合した場合に強度の増進が期待できる。なお、参考として、CO吹込み時間を目標より長い40分とした試験を参考例1~3として行った。これらは目標CO吹込み時間より長いため、参考とする。
(2)表3より、スラッジへのCO固定量は、液固比が6の時に最も高くなり、液固比が4、又は8の時は、液固比が6の時に比べて少し下がることが分かった。
(3)表4より、スラッジへのCO固定量は、吹込み水深/最大気泡径によって変化することが分かった。
【0040】
本発明のCOをセメント水和物に固定する方法によれば、セメント水和物にCOを短時間で固定化することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 容器、 11 コンクリート粉体11、 12 水。
図1
図2