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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/42 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B65D47/42 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021173961
(22)【出願日】2021-10-25
(65)【公開番号】P2023063896
(43)【公開日】2023-05-10
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】東 和位
(72)【発明者】
【氏名】大西 貴子
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-286455(JP,A)
【文献】登録実用新案第3128694(JP,U)
【文献】特開2020-033092(JP,A)
【文献】特開2021-160822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0318933(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1268869(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2201422(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00- 1/16
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容されるチューブ容器と、
前記チューブ容器に固定されるジョイントパーツと、
前記ジョイントパーツに着脱自在に装着されるアプリケーターと、を備え、
前記アプリケーターは、
前記ジョイントパーツに装着され、前記チューブ容器内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、
前記中栓部材に回転可能に装着され、前記連通孔に連通可能な注出孔が形成された塗布部材と、を備え、
前記塗布部材が前記中栓部材に対して回転することで、前記注出孔が開閉され、
前記ジョイントパーツに、弾性変位可能な弾性片と、前記弾性片に設けられた操作ボタンおよび第1係止部と、が設けられ、
前記中栓部材に、前記操作ボタンを前記中栓部材の外部に露出させる窓孔と、前記第1係止部と係止することで前記ジョイントパーツに対する前記中栓部材の離脱を規制する第2係止部と、が設けられ、
前記弾性片が弾性変位したときに前記第1係止部と前記第2係止部との係止が解除される、塗布容器。
【請求項2】
前記中栓部材は、第1頂壁部を有する有頂筒状であり、
前記塗布部材は、
複数の塗布ボールと、
複数の前記塗布ボールを回転可能に各別に支持する複数の支持凹部が形成された第2頂壁部、および前記中栓部材に螺着された雌ねじ筒を有する支持部材と、
前記支持部材に固定され、複数の前記塗布ボールの上部を上方に各別に突出させる複数の貫通孔が形成された第3頂壁部を有する有頂筒状の被覆部材と、を備え、
前記第2頂壁部は、上下方向から見て前記チューブ容器の中心軸線を囲う環状に形成され、
前記第3頂壁部に、上下方向に貫いて前記第2頂壁部の内側に向けて開口した前記注出孔が形成され、
前記第1頂壁部に、上方に向けて延び、前記注出孔に着脱可能に嵌合された栓体が形成されている、請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記第3頂壁部に、下方に向けて延び、前記注出孔を径方向の外側から囲う上連結筒が形成され、
前記第1頂壁部に、上方に向けて延び、前記連通孔を径方向の外側から囲うとともに、前記上連結筒に摺動可能に嵌合された下連結筒が形成され、
前記中栓部材、および前記支持部材には、前記支持部材、および前記被覆部材が前記中栓部材に対して上方に移動したときに互いに当接することで、前記支持部材、および前記被覆部材が前記中栓部材に対してこれ以上、上方に移動することを規制する第1規制突起、および第2規制突起が各別に形成され、
前記第1規制突起、および前記第2規制突起が互いに当接した状態で、前記上連結筒に前記下連結筒が嵌合されたまま、前記栓体が前記注出孔から外れる、請求項2に記載の塗布容器。
【請求項4】
前記第2頂壁部の、上下方向から見た平面視形状は、前記中心軸線上で互いに交差する長軸および短軸を有する扁平形状とされ、
複数の前記支持凹部は、前記第2頂壁部において、前記長軸が延びる長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられている、請求項2または3に記載の塗布容器。
【請求項5】
前記ジョイントパーツの、上下方向から見た平面視形状は、前記チューブ容器の中心軸線上で互いに交差する長軸および短軸を有する扁平形状とされ、
複数の前記弾性片が、前記ジョイントパーツにおいて、前記長軸が延びる長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられ、
複数の前記窓孔が、前記中栓部材において、前記長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の塗布容器。
【請求項6】
前記操作ボタンは、前記窓孔から前記中栓部材の外部に突出する、請求項1から5のいずれか1項に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような塗布容器が知られている。この種の塗布容器として、内容物が収容されるチューブ容器と、チューブ容器に装着されるアプリケーターと、を備える構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-232776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の塗布容器では、チューブ容器内の内容物を使用し終えた後、アプリケーターを新たなチューブ容器に付け替えて再利用することが望まれている。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、アプリケーターを再利用可能な塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の一態様に係る塗布容器は、内容物が収容されるチューブ容器と、前記チューブ容器に固定されるジョイントパーツと、前記ジョイントパーツに着脱自在に装着されるアプリケーターと、を備え、前記アプリケーターは、前記ジョイントパーツに装着され、前記チューブ容器内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、前記中栓部材に回転可能に装着され、前記連通孔に連通可能な注出孔が形成された塗布部材と、を備え、前記塗布部材が前記中栓部材に対して回転することで、前記注出孔が開閉され、前記ジョイントパーツに、弾性変位可能な弾性片と、前記弾性片に設けられた操作ボタンおよび第1係止部と、が設けられ、前記中栓部材に、前記操作ボタンを前記中栓部材の外部に露出させる窓孔と、前記第1係止部と係止することで前記ジョイントパーツに対する前記中栓部材の離脱を規制する第2係止部と、が設けられ、前記弾性片が弾性変位したときに前記第1係止部と前記第2係止部との係止が解除される。
【0007】
本発明によれば、チューブ容器内の内容物が無くなった場合には、使用者は、アプリケーターをジョイントパーツから取り外す。使用者は、取り外したアプリケーターを、新たなチューブ容器のジョイントパーツに取り付ける。これにより、アプリケーターが再利用される。アプリケーターの取り外しに際しては、使用者は、ジョイントパーツの弾性片を弾性変位させる。操作ボタンは、中栓部材の窓孔から露出しているので、使用者が操作ボタンを介して弾性片を容易に操作できる。弾性片が弾性変位すると、第1係止部と第2係止部との係止が解除される。これにより、ジョイントパーツに対する中栓部材の離脱の規制が解除される。以上より、アプリケーターをジョイントパーツから容易に取り外すことができる。
【0008】
<2>上記<1>に係る塗布容器では、前記中栓部材は、第1頂壁部を有する有頂筒状であり、前記塗布部材は、複数の塗布ボールと、複数の前記塗布ボールを回転可能に各別に支持する複数の支持凹部が形成された第2頂壁部、および前記中栓部材に螺着された雌ねじ筒を有する支持部材と、前記支持部材に固定され、複数の前記塗布ボールの上部を上方に各別に突出させる複数の貫通孔が形成された第3頂壁部を有する有頂筒状の被覆部材と、を備え、前記第2頂壁部は、上下方向から見て前記チューブ容器の中心軸線を囲う環状に形成され、前記第3頂壁部に、上下方向に貫いて前記第2頂壁部の内側に向けて開口した前記注出孔が形成され、前記第1頂壁部に、上方に向けて延び、前記注出孔に着脱可能に嵌合された栓体が形成されている構成を採用してもよい。
【0009】
この場合、第1頂壁部の栓体が、第3頂壁部の注出孔を閉塞しているので、支持部材および被覆部材を、中栓部材に対して上昇させる前の待機状態では、チューブ容器内と注出孔とが連通するのを防ぐことが可能になり、チューブ容器内の内容物が漏出するのを確実に抑えることができる。さらに内容物が、注出孔を通過した外気に触れるのを防ぐことができる。
内容物を塗布するときには、使用者が中栓部材に対する支持部材の螺着を緩め、支持部材および被覆部材を中栓部材に対して上昇させると、栓体が注出孔を開放する。ここで、この塗布容器には複数の塗布ボールが設けられているので、被塗布部に複数の塗布ボールをほぼ同時に押付けて、注出孔から注出された内容物を塗布することができる。これにより、塗布時に、例えば、皮膚等の被塗布部を、隣り合う塗布ボール同士の間にめり込ませたり、被塗布部に対する押付力を緩和させたりすること等が可能になり、マッサージ効果を向上させることができる。
第2頂壁部が、上下方向から見てチューブ容器の中心軸線を囲う環状に形成され、注出孔が、第2頂壁部の内側に向けて開口しているので、第2頂壁部の支持凹部に支持された塗布ボールが、塗布時に注出孔を塞ぐことがなく、被塗布部に塗布ボールを押付けた状態であっても、内容物を注出孔から円滑に注出することができる。
【0010】
<3>上記<2>に係る塗布容器では、前記第3頂壁部に、下方に向けて延び、前記注出孔を径方向の外側から囲う上連結筒が形成され、前記第1頂壁部に、上方に向けて延び、前記連通孔を径方向の外側から囲うとともに、前記上連結筒に摺動可能に嵌合された下連結筒が形成され、前記中栓部材、および前記支持部材には、前記支持部材、および前記被覆部材が前記中栓部材に対して上方に移動したときに互いに当接することで、前記支持部材、および前記被覆部材が前記中栓部材に対してこれ以上、上方に移動することを規制する第1規制突起、および第2規制突起が各別に形成され、前記第1規制突起、および前記第2規制突起が互いに当接した状態で、前記上連結筒に前記下連結筒が嵌合されたまま、前記栓体が前記注出孔から外れる構成を採用してもよい。
【0011】
この場合、中栓部材、および支持部材に、第1規制突起、および第2規制突起が各別に形成されているので、支持部材および被覆部材が、中栓部材に対してこれ以上、上方に移動することが規制された状態で、上連結筒に下連結筒を嵌合させたまま、栓体を注出孔から外して注出孔を開放することができる。これにより、チューブ容器内の内容物を、下連結筒と上連結筒との間から漏出させずに、連通孔、下連結筒内、および上連結筒内を通して注出孔から注出することができる。
【0012】
<4>上記<2>または<3>に係る塗布容器では、前記第2頂壁部の、上下方向から見た平面視形状は、前記中心軸線上で互いに交差する長軸および短軸を有する扁平形状とされ、複数の前記支持凹部は、前記第2頂壁部において、前記長軸が延びる長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられている構成を採用してもよい。
【0013】
この場合、複数の支持凹部が、第2頂壁部において、長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられているので、上下方向から見て、注出孔が、複数の塗布ボールに長軸方向に挟まれることとなり、被塗布部に偏り少なく均等に内容物を塗布することができる。
上下方向から見た平面視形状が扁平形状とされた第2頂壁部に、複数の支持凹部が、長軸方向に間隔をあけて設けられているので、各塗布ボールの直径を大きく確保することが可能になり、マッサージ効果を効果的に向上させることができる。
【0014】
<5>上記<1>から<4>のいずれか1項に係る塗布容器では、前記ジョイントパーツの、上下方向から見た平面視形状は、前記チューブ容器の中心軸線上で互いに交差する長軸および短軸を有する扁平形状とされ、複数の前記弾性片が、前記ジョイントパーツにおいて、前記長軸が延びる長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられ、複数の前記窓孔が、前記中栓部材において、前記長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられている構成を採用してもよい。
【0015】
この場合、複数の弾性片が、ジョイントパーツにおいて、長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられている。かつ、複数の窓孔が、中栓部材において、長軸方向に前記中心軸線を挟む各位置に設けられている。よって、使用者が弾性片を弾性変位させるときに、例えば、使用者の親指および人差し指で、ジョイントパーツを長軸方向に挟みこむことができる。これにより、操作性が向上される。
【0016】
<6>上記<1>から<5>のいずれか1項に係る塗布容器では、前記操作ボタンは、前記窓孔から前記中栓部材の外部に突出する構成を採用してもよい。
【0017】
この場合、操作ボタンが、窓孔から中栓部材の外部に突出する。よって、使用者が操作ボタンを押し込むことで弾性片を弾性変位させることができる。これにより、操作性が向上される。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、アプリケーターを再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る一実施形態として示した塗布容器の長軸方向に沿う要部縦断面図である。
図2図1に示す塗布容器の短軸方向に沿う要部縦半断面図である。
図3図1に示す塗布容器を構成するジョイントパーツおよびアプリケーターの下面図である。
図4図1に示す塗布容器を構成するジョイントパーツの斜視図である。
図5図1に示す塗布容器において、図3に示すV-V矢視断面に相当する部分の断面図である。
図6図5に示す塗布容器において、弾性片を弾性変位させた状態を示す断面図である。
図7図1に示す塗布容器において、支持部材および被覆部材を中栓部材に対して上昇させ、チューブ容器内と注出孔とを連通させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1から図7を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示されるように、塗布容器1は、内容物が収容されるチューブ容器11と、チューブ容器11に固定されるジョイントパーツ50と、ジョイントパーツ50に着脱自在に装着されるアプリケーター70と、アプリケーター70を覆うオーバーキャップ15と、を備えている。内容物としては、例えば乳液、およびクリーム等の化粧料が挙げられる。アプリケーター70は、中栓部材12および塗布部材17を備えている。塗布部材17は、複数の塗布ボール16、支持部材13および被覆部材14を備えている。
【0021】
チューブ容器11は、口部11aおよび開放された底部を有する筒状に形成され、ジョイントパーツ50、中栓部材12、被覆部材14、およびオーバーキャップ15は、有頂筒状に形成されている。チューブ容器11、ジョイントパーツ50、中栓部材12、被覆部材14、およびオーバーキャップ15は、共通軸と同軸に配設されている。
以下、この共通軸を中心軸線Oといい、中心軸線Oに沿う方向を上下方向といい、中心軸線Oに沿って、チューブ容器11の口部11a側を上側といい、チューブ容器11の底部側を下側という。上下方向から見て、中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
【0022】
チューブ容器11は、チューブ成形により形成されたチューブ容器となっている。チューブ容器11内に、開放された底部から内容物が充填された後に、底部が径方向に潰されてシールされている。
図1から図3に示されるように、チューブ容器11のうち、口部11aより下方に位置する部分の、上下方向から見た平面視形状は、中心軸線O上で互いに交差する長軸L1および短軸L2を有する扁平形状となっている。図示の例では、この平面視形状は、楕円形状となっている。口部11aは、上下方向から見て円形状を呈する。
【0023】
口部11aには、第1凸部11cおよび第2凸部11dが設けられている。第1凸部11cは、口部11aに対してジョイントパーツ50が上方に抜け出ることを規制する。第1凸部11cは、口部11aにおける上下方向の中央部に設けられている。第1凸部11cは、口部11aの外周面に全周にわたって設けられている。第2凸部11dは、口部11aに対してジョイントパーツ50が周方向に回転することを規制する。第2凸部11dは、口部11aにおける下端部に設けられている。第2凸部11dは、口部11aの外周面における周方向の一部分に設けられ、ジョイントパーツ50の位置決めをしている。
【0024】
ジョイントパーツ50は、第4周壁部51、第4頂壁部52および固定筒53を備えている。
ジョイントパーツ50の前記平面視形状は、チューブ容器11のうち、口部11aより下方に位置する部分における前記平面視形状と同じ扁平形状となっている。
【0025】
第4頂壁部52には、挿通孔52cが形成されている。挿通孔52cは、第4頂壁部52を上下方向に貫通する。挿通孔52cは、中心軸線Oと同軸に配置されている。挿通孔52cには、口部11aが挿通されている。第4頂壁部52は、第1凸部11cに下方から係止している。これにより、ジョイントパーツ50がチューブ容器11に対して上方に抜け出すことが規制されている。
【0026】
図4に示すように、第4頂壁部52は、長軸方向に長い矩形状である。第4頂壁部52の外周縁は、2つの短辺部52aと、2つの長辺部52bと、を備えている。2つの短辺部52aは、短軸方向に延びる直線状である。2つの長辺部52bは、短軸方向の外側に向けて凸となる円弧状である。
【0027】
図1から図3に示すように、固定筒53は、第4頂壁部52から下方に延びている。固定筒53は、口部11aの下端部に嵌合されている。固定筒53の下端部には、第1凹部54が設けられている。第1凹部54は、固定筒53における周方向の一部分にのみ設けられている。第1凹部54は、固定筒53の下端から上方に向けて窪んでいる。第1凹部54は、固定筒53を径方向に貫通している。第1凹部54には、第2凸部11dが嵌合されている。これにより、ジョイントパーツ50がチューブ容器11に対して回転することが規制され、位置決めされている。
【0028】
図4に示すように、第4周壁部51は、第4頂壁部52の外周縁から下方に延びている。第4周壁部51は、矩形筒状である。第4周壁部51の内周面と、固定筒53の外周面と、の間の径方向の隙間は、短軸方向の端部において無くなり、第4周壁部51および固定筒53は、短軸方向の端部において一体化している。
第4周壁部51における4つの角部それぞれには、スリット51aが設けられている。各スリット51aは、第4周壁部51の下端から上方に延びている。4つのスリット51aは、第4周壁部51を4つの分割周壁55に区画されている。4つの分割周壁55のうち、長軸方向の両側に位置する2つの分割周壁55は、弾性片56である。
【0029】
弾性片56は、中心軸線Oを径方向に挟んで2つ配置されている。2つの弾性片56は、ジョイントパーツ50において、長軸方向に中心軸線Oを挟む各位置に設けられている。2つの弾性片56は、いずれも同等の形状で、かつ、同等の大きさである。各弾性片56は、径方向(図示の例では長軸方向)に弾性変位可能である。弾性片56は、弾性片56の上端を起点として弾性変位する。
なお図1に示すように、第4頂壁部52には、凹溝57が形成されている。凹溝57は、弾性片56の弾性変位を補助する。凹溝57は、第4頂壁部52の下面に配置されている。凹溝57は、短辺部52aに対して径方向に隣り合っている。凹溝57は、周方向(短軸方向)に延びている。図3に示すように、凹溝57は、下方から見た正面視において直線状である。なお凹溝57はなくてもよい。
【0030】
図4に示すように、各弾性片56には、操作ボタン58と、第1係止部59と、が設けられている。
操作ボタン58は、各弾性片56から径方向(図示の例では長軸方向)の外側に向けて突出している。操作ボタン58は、各弾性片56における周方向(図示の例では短軸方向)の中央に配置されている。操作ボタン58は、直方体状である。図1に示すように、操作ボタン58は、中空である。操作ボタン58の内部は、径方向の内側および下方に開口している。
【0031】
図4および図5に示すように、第1係止部59は、各弾性片56から径方向(図示の例では長軸方向)の外側に向けて突出している。第1係止部59は、各弾性片56における周方向(図示の例では短軸方向)の両端部に配置されている。第1係止部59は、各弾性片56において、操作ボタン58を間に挟んで2つ配置されている。各第1係止部59は、弾性片56における前記両端部の下端に設けられている。なお、各弾性片56における前記両端部の下端は、操作ボタン58の下端よりも上方に位置している。
【0032】
第1係止部59は、中実の凸部である。第1係止部59は、操作ボタン58よりも上下方向に小さい。第1係止部59は、操作ボタン58よりも径方向に小さい。第1係止部59は、操作ボタン58に対して周方向に連なっている。
各第1係止部59は、第1案内面60を備えている。第1案内面60は、径方向の外側を向く。第1案内面60は、下方に向かうに従い径方向の外側に延びている。第1案内面60は傾斜面である。
【0033】
図2および図4に示すように、ジョイントパーツ50には、第2凹部50aが設けられている。第2凹部50aは、第4周壁部51における周方向の一部分にのみ設けられている。第2凹部50aは、第4周壁部51の上端から下方に向けて窪んでいる。第2凹部50aは、径方向の外側に向けて開口している。第2凹部50aは、4つの分割周壁55のうち、中心軸線Oに対して短軸方向に対向する1つの分割周壁55に設けられている。第2凹部50aには、中栓部材12に設けられた縦リブ12aが嵌合されている。これにより、中栓部材12(アプリケーター70)がジョイントパーツ50に対して回転することが規制され、位置決めされている。
【0034】
図1に示すように、中栓部材12は、第1周壁部21および第1頂壁部22を備えている。
【0035】
第1周壁部21は、上下方向から見て円形状を呈する。第1周壁部21内にチューブ容器11の口部11aが嵌合されて固定されている。第1周壁部21の外周面に雄ねじ部21aが形成されている。第1周壁部21の外周面において、雄ねじ部21aより上方に位置する部分に、第1規制突起21bが形成されている。第1規制突起21bは、周方向の全長にわたって連続して延びている。なお、第1規制突起21bは、周方向に断続的に延びてもよい。第1規制突起21bは、第1周壁部21の上端部に設けられている。第1規制突起21bにおける径方向の外端部は、雄ねじ部21aにおける径方向の外端部より径方向の内側に位置している。
【0036】
中栓部材12は、ジョイントパーツ50に装着される。本実施形態では、第1周壁部21の下端部に、径方向の外側に向けて突出し、ジョイントパーツ50を覆う上カバー26が形成されている。上カバー26の前記平面視形状は、ジョイントパーツ50の前記平面視形状と同じ扁平形状となっている。上カバー26は、ジョイントパーツ50を上方から覆っている。上カバー26の外周縁部に、下方に向けて突出する横カバー27が形成されている。横カバー27は、筒状である。
【0037】
図1から図3および図5に示すように、縦リブ12aと、横カバー27には、窓孔27aと、第2係止部27bと、が設けられている。
図2に示すように、縦リブ12aは、横カバー27において第2凹部50aに対向する部分に配置されている。縦リブ12aは、横カバー27から径方向(図示の例では短軸方向)の内側に突出している。縦リブ12aの上端は、上カバー26の下面に連なっている。縦リブ12aは、第2凹部50aに嵌合している。これにより、中栓部材12(アプリケーター70)がジョイントパーツ50に対して回転することが規制され、位置決めされている。
【0038】
図1図3に示すように、窓孔27aは、操作ボタン58を中栓部材12の外部に露出させる。本実施形態では、操作ボタン58が、窓孔27aから中栓部材12の外部に突出している。図示の例では、2つの窓孔27aが、中栓部材12において、長軸方向に中心軸線Oを挟む各位置に設けられている。
【0039】
図5に示すように、第2係止部27bは、第1係止部59と係止することでジョイントパーツ50に対する中栓部材12の離脱を規制する。第2係止部27bは、横カバー27において窓孔27aを周方向(図示の例では短軸方向)に挟んだ両側に位置する部分に配置されている。第2係止部27bは、窓孔27aを周方向に挟んで2つ配置されている。第2係止部27bは、凹部である。第2係止部27bは、横カバー27の内周面から径方向(図示の例では長軸方向)の外側に向けて窪んでいる。
【0040】
横カバー27の下端には、第2案内面27cが形成されている。第2案内面27cは、径方向の内側を向く。第2案内面27cは、下方に向かうに従い径方向の外側に延びている。第2案内面27cは傾斜面である。
第2係止部27bには、第1係止部59が嵌合する。第1係止部59が第2係止部27bに嵌合し、第1係止部59と第2係止部27bとが係止すると、ジョイントパーツ50に対する中栓部材12の上昇が規制される。これにより、ジョイントパーツ50に対する中栓部材12の離脱が規制される。
一方、図6に示すように、弾性片56が弾性変位すると、第1係止部59と第2係止部27bとの係止が解除される。その結果、ジョイントパーツ50に対する中栓部材12の離脱の規制が解除される。
【0041】
図1に示すように、第1頂壁部22は、チューブ容器11の口部11aの上端開口縁上に配置された環状の外周部23と、外周部23の内周縁部から上方に向けて延びる有頂筒状の隆起部25と、を備えている。外周部23および隆起部25は、中心軸線Oと同軸に配設されている。外周部23の内周縁には、下方に向けて延びるシール筒30が形成されている。シール筒30は、口部11a内に嵌合されている。
【0042】
隆起部25の頂部に、上方に向けて突出する栓体29が形成されている。隆起部25の頂部において栓体29よりも径方向の外側に位置する部分に、隆起部25を貫き、チューブ容器11内に連通した連通孔24が周方向に間隔をあけて複数形成されている。隆起部25の頂部において連通孔24よりも径方向の外側に位置する部分(図示の例では外周縁部)に、上方に向けて延びる下連結筒28が形成されている。下連結筒28の上端部は、栓体29の上端部より下方に位置している。
【0043】
塗布部材17は、中栓部材12に回転可能に装着されている。塗布部材17には、連通孔24に連通可能な注出孔35が形成されている。塗布部材17は、注出孔35から注出される内容物を被塗布部に塗布する。塗布部材17が中栓部材12に対して回転することで上下動し、上下動に連動して注出孔35が開閉される。
支持部材13は、雌ねじ筒31および第2頂壁部32を備えている。
【0044】
雌ねじ筒31は、上下方向から見て円形状を呈する。雌ねじ筒31の内周面に、第1周壁部21の雄ねじ部21aに螺合する雌ねじ部31aが形成されている。これにより、雌ねじ筒31は、中栓部材12に螺着されている。雌ねじ筒31の内周面において、雌ねじ部31aより上方に位置する部分に、第2規制突起31bが形成されている。第2規制突起31bは、周方向の全長にわたって連続して延びている。なお、第2規制突起31bは、周方向に断続的に延びてもよい。第2規制突起31bにおける径方向の内端部は、雌ねじ部31aにおける径方向の内端部より径方向の内側に位置している。第2規制突起31bは、中栓部材12の第1規制突起21bに対して、下方に位置し、上下方向で対向している。
【0045】
第2規制突起31bと第1規制突起21bとの間の上下方向の隙間は、中栓部材12の雄ねじ部21aと、支持部材13の雌ねじ部31aと、の上下方向に沿う螺着長さより短くなっている。これにより、図7に示されるように、支持部材13が中栓部材12に対して上昇し、第2規制突起31bと第1規制突起21bとが当接することで、支持部材13が中栓部材12に対してこれ以上、上方に移動することが規制された状態で、雄ねじ部21aと雌ねじ部31aとの螺合が維持される。
【0046】
第2頂壁部32の上面に、複数の塗布ボール16を回転可能に各別に支持する複数の支持凹部33が形成されている。支持凹部33の内周面は、第2頂壁部32の上面に開口した凹球面状に形成され、球状の塗布ボール16の外周面に沿って延びている。塗布ボール16は、第2頂壁部32の上面から上方に突出している。図1に示されるように、支持部材13および被覆部材14を、中栓部材12に対して上昇させる前の待機状態では、第2頂壁部32の上面、および中栓部材12の隆起部25における上下方向の中間部それぞれの上下方向の位置が、互いに同等になっている。
【0047】
第2頂壁部32は、上下方向から見て中心軸線Oを囲う環状に形成されている。第2頂壁部32の外周縁の前記平面視形状は、チューブ容器11のうち、口部11aより下方に位置する部分における前記平面視形状と同じ扁平形状となっている。上下方向から見て、第2頂壁部32の大きさは、チューブ容器11の肩部11bの大きさより小さくなっている。第2頂壁部32は、雌ねじ筒31から長軸L1が延びる長軸方向の外側に突出している。第2頂壁部32の外周縁部に、下方に向けて突出する外筒部37が形成されている。外筒部37の下端開口縁は、中栓部材12の上カバー26の上面に当接、若しくは近接している。
外筒部37の内周面と、雌ねじ筒31の外周面と、の間の径方向の隙間は、短軸方向の端部において無くなり、外筒部37および雌ねじ筒31は、短軸方向の端部において一体化している。
【0048】
複数の支持凹部33は、第2頂壁部32に、長軸方向に間隔をあけて設けられている。
複数の支持凹部33は、第2頂壁部32において、長軸方向に中心軸線Oを挟む各位置に設けられている。支持凹部33は、第2頂壁部32において、長軸方向に中心軸線Oを挟む各位置に同じ数ずつ(図示の例では、1つずつ)設けられている。支持凹部33に支持された塗布ボール16は、第2頂壁部32の外周縁から長軸方向の外側に突出している。
塗布ボール16の中心は、第2頂壁部32における長軸方向の端縁より長軸方向の内側に位置している。
【0049】
被覆部材14は、第3周壁部41および第3頂壁部42を備えている。
被覆部材14の前記平面視形状は、チューブ容器11のうち、口部11aより下方に位置する部分における前記平面視形状と同じ扁平形状となっている。
【0050】
第3周壁部41は、支持部材13の外筒部37に外嵌されている。これにより、被覆部材14が支持部材13に固定されている。第3周壁部41の上部は、上方に向かうに従い、縮径している。第3周壁部41のうち、上部より下方に位置する部分の外周面は、周方向の全長にわたって、上カバー26の外周面と同等の径方向の位置に位置している。第3周壁部41の下端開口縁は、中栓部材12の上カバー26の上面に近接している。
【0051】
第3頂壁部42は、複数の支持凹部33、および雌ねじ筒31の上端開口を上方から覆っている。第3頂壁部42に、複数の塗布ボール16の上部を上方に各別に突出させる複数の貫通孔43が形成されている。貫通孔43の内周面は、上下方向に沿う縦断面視で、塗布ボール16の外周面に沿うように曲面状に形成されている。貫通孔43は、支持凹部33と上下方向で対向している。貫通孔43は、第3頂壁部42における長軸方向の端縁に開口している。塗布ボール16は、第3頂壁部42の外周縁から長軸方向の外側に突出している。塗布ボール16の中心は、第3頂壁部42における長軸方向の端縁より長軸方向の内側に位置している。第3頂壁部42の上面における長軸方向に沿う塗布ボール16同士の間隔は、塗布ボール16の直径と同等になっている。
第3頂壁部42の上面における中央部に、窪み部42aが形成されている。窪み部42aは、長軸方向で隣り合う塗布ボール16同士の間に位置している。窪み部42aは、上方から見て円形状を呈する。窪み部42aの内面は、凹球面状に形成されている。第3頂壁部42の下面は、下連結筒28の上端開口縁より上方に位置している。
【0052】
第3頂壁部42に、上下方向に貫いて、第2頂壁部32の内側に向けて開口した注出孔35と、下方に向けて延び、注出孔35を径方向の外側から囲う上連結筒36と、が形成されている。注出孔35および上連結筒36は、中心軸線Oと同軸に配設されている。上連結筒36は、第3頂壁部42の下面における中央部に形成されている。注出孔35に、中栓部材12の栓体29が着脱可能に嵌合している。栓体29の上端面は、第3頂壁部42の上面より下方に位置している。上連結筒36内に、下連結筒28が摺動可能に嵌合されている。上連結筒36の下端開口縁は、中栓部材12の外周部23の上面に近接している。
【0053】
ここで、第2規制突起31bと第1規制突起21bとの間の上下方向の隙間は、注出孔35に対する栓体29の上下方向に沿う嵌合長さより長く、かつ下連結筒28の上端開口縁と、上連結筒36の下端開口縁と、の上下方向の距離より短くなっている。これにより、図7に示されるように、支持部材13が中栓部材12に対して上昇し、第2規制突起31bと第1規制突起21bとが当接することで、支持部材13が中栓部材12に対してこれ以上、上方に移動することが規制された状態で、上連結筒36に下連結筒28が嵌合されたまま、栓体29が注出孔35を開放する。
【0054】
図1に示すように、オーバーキャップ15は、アプリケーター70およびジョイントパーツ50を一体に覆っている。オーバーキャップ15は、内キャップ15aと、外キャップ15bと、を備えている。内キャップ15aは、外キャップ15b内に嵌合されている。オーバーキャップ15は、二重構造である。オーバーキャップ15の前記平面視形状は、チューブ容器11のうち、口部11aより下方に位置する部分の前記平面視形状と同じ扁平形状となっている。オーバーキャップ15の下端開口縁は、チューブ容器11の肩部11bの外周面に当接、若しくは近接している。
【0055】
次に、以上のように構成された塗布容器1の作用について説明する。
【0056】
まず、使用者は、オーバーキャップ15をチューブ容器11に対して引き上げる。これにより、塗布ボール16および被覆部材14が外部に露呈する。
次に、被覆部材14の第3周壁部41を操作して、支持部材13とともに、中栓部材12に対して中心軸線O回りに回転させると、中栓部材12の雄ねじ部21aと、支持部材13の雌ねじ部31aと、の螺合によって、被覆部材14および支持部材13が、中栓部材12に対して上昇し、支持部材13の第2規制突起31bが、中栓部材12の第1規制突起21bに当接する。この際、図7に示されるように、上連結筒36内に下連結筒28が嵌合されたままの状態で、中栓部材12の栓体29が、被覆部材14の注出孔35から下方に外れ、注出孔35が開放され、チューブ容器11内が、連通孔24、下連結筒28内、および上連結筒36内を通して注出孔35に連通する。
そして、チューブ容器11内の内容物を注出孔35から注出しながら、塗布ボール16を被塗布部に押付けた状態で、塗布容器1を被塗布部の表面に沿って移動させることによって、塗布ボール16を回転させつつ、被塗布部に内容物を塗布する。
【0057】
ここで、被覆部材14および支持部材13を、中栓部材12に対して約180°中心軸線O回りに回転させて上昇させたときに、支持部材13の第2規制突起31bが、中栓部材12の第1規制突起21bに当接することで、被覆部材14および支持部材13の、中栓部材12に対する上昇が規制される。
【0058】
アプリケーター70の取り外しに際しては、使用者は、図6に示すように、ジョイントパーツ50の弾性片56を弾性変位させる。しかも本実施形態では、窓孔27aから中栓部材12の外部に突出する操作ボタン58が設けられている。よって、使用者が操作ボタン58を押し込むことで弾性片56を弾性変位させることができる。さらに本実施形態では、複数の弾性片56が、ジョイントパーツ50において、長軸方向に中心軸線Oを挟む各位置に設けられている。よって、使用者が弾性片56を弾性変位させるときに、例えば、使用者の親指および人差し指で、ジョイントパーツ50を長軸方向に挟みこむことができる。
【0059】
弾性片56が弾性変位すると、第1係止部59と第2係止部27bとの係止が解除される。これにより、ジョイントパーツ50に対する中栓部材12の離脱の規制が解除される。よって、アプリケーター70をジョイントパーツ50に対して引き上げることで、アプリケーター70をジョイントパーツ50から取り外すことができる。
以上より、アプリケーター70をジョイントパーツ50から容易に取り外すことができる。
【0060】
アプリケーター70を新たなチューブ容器11に取り付けるときには、使用者は、チューブ容器11に組付けられたジョイントパーツ50に対してアプリケーター70を下降させる。このとき使用者は、第1周壁部21内に口部11aを挿入させる。また使用者は、窓孔27a内に操作ボタン58を挿入させる。この過程で、中栓部材12の第2案内面27cが、第1係止部59の第1案内面60に当接する。この状態からジョイントパーツ50が更に下降すると、第2案内面27cと第1案内面60とが摺動することで、弾性片56が径方向の内側に弾性変位する。これにより、第1係止部59が第2案内面27cを下方から上方に乗り越え、第1係止部59が第2係止部27bに嵌合(係止)する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態による塗布容器1によれば、図1に示すように、第1頂壁部22の栓体29が、第3頂壁部42の注出孔35を閉塞しているので、支持部材13および被覆部材14を、中栓部材12に対して上昇させる前の待機状態では、チューブ容器11内と注出孔35とが連通するのを防ぐことが可能になり、チューブ容器11内の内容物が漏出するのを確実に抑えることができる。さらに内容物が、注出孔35を通過した外気に触れるのを防ぐことができる。
内容物を塗布するときには、図7に示すように、使用者が中栓部材12に対する支持部材13の螺着を緩め、支持部材13および被覆部材14を中栓部材12に対して上昇させると、栓体29が注出孔35を開放する。ここで、この塗布容器1には複数の塗布ボール16が設けられているので、被塗布部に複数の塗布ボール16をほぼ同時に押付けて、注出孔35から注出された内容物を塗布することができる。これにより、塗布時に、例えば、皮膚等の被塗布部を、隣り合う塗布ボール16同士の間にめり込ませたり、被塗布部に対する押付力を緩和させたりすること等が可能になり、マッサージ効果を向上させることができる。
【0062】
第2頂壁部32が、上下方向から見て中心軸線Oを囲う環状に形成され、注出孔35が、第2頂壁部32の内側に向けて開口しているので、第2頂壁部32の支持凹部33に支持された塗布ボール16が、塗布時に注出孔35を塞ぐことがなく、被塗布部に塗布ボール16を押付けた状態であっても、内容物を注出孔35から円滑に注出することができる。
【0063】
中栓部材12、および支持部材13に、第1規制突起21b、および第2規制突起31bが各別に形成されているので、図7に示されるように、第1規制突起21b、および第2規制突起31bを互いに当接させ、支持部材13および被覆部材14が、中栓部材12に対してこれ以上、上方に移動することが規制された状態で、上連結筒36に下連結筒28を嵌合させたまま、栓体29を注出孔35から外して注出孔35を開放することができる。これにより、チューブ容器11内の内容物を、下連結筒28と上連結筒36との間から漏出させずに、連通孔24、下連結筒28内、および上連結筒36内を通して注出孔35から注出することができる。
【0064】
複数の支持凹部33が、第2頂壁部32において、長軸方向に中心軸線Oを挟む各位置に設けられているので、上下方向から見て、注出孔35が、複数の塗布ボール16に長軸方向に挟まれることとなり、被塗布部に偏り少なく均等に内容物を塗布することができる。
上下方向から見た平面視形状が扁平形状とされた第2頂壁部32に、複数の支持凹部33が、長軸方向に間隔をあけて設けられているので、各塗布ボール16の直径を大きく確保することが可能になり、マッサージ効果を効果的に向上させることができる。
【0065】
ここで、チューブ容器11内の内容物が無くなった場合には、使用者は、アプリケーター70をジョイントパーツ50から取り外す。使用者は、取り外したアプリケーター70を、新たなチューブ容器11のジョイントパーツ50に取り付ける。これにより、アプリケーター70が再利用される。
【0066】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
前記実施形態では、チューブ容器11のうち、口部11aより下方に位置する部分、第2頂壁部32、被覆部材14、オーバーキャップ15およびジョイントパーツ50それぞれの前記平面視形状が、楕円形状とされた構成を示したが、例えば円形状、若しくは角形状にする等、適宜変更してもよい。
支持部材13は、外筒部37を有しなくてもよい。
塗布ボール16、支持凹部33、および貫通孔43の各個数は、3つ以上であってもよい。
操作ボタン58が、窓孔27aから中栓部材12の外部に突出していなくてもよい。例えば、操作ボタン58が、弾性片56から径方向の外側に突出していなくてもよい。言い換えると、操作ボタン58が、弾性片56の一部によって形成されていてもよい。
ジョイントパーツ50がチューブ容器11と一体成形されていてもよい。
オーバーキャップ15が二重構造でなくてもよい。オーバーキャップ15がなくてもよい。
弾性片56が2つに限られない。例えば、弾性片56を1つのみとしてもよい。
弾性片56が、弾性片56の下端や、弾性片56の側端(周方向の端)を起点として弾性変位してもよい。
塗布部材17が、塗布ボール16を備えていなくもよい。塗布ボール16とは異なる構成を利用して内容物を被塗布部に塗布してもよい。
【0068】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 塗布容器
11 チューブ容器
12 中栓部材
13 支持部材
14 被覆部材
16 塗布ボール
17 塗布部材
21b 第1規制突起
22 第1頂壁部
24 連通孔
27a 窓孔
27b 第2係止部
28 下連結筒
29 栓体
31 雌ねじ筒
31b 第2規制突起
32 第2頂壁部
33 支持凹部
35 注出孔
36 上連結筒
42 第3頂壁部
43 貫通孔
50 ジョイントパーツ
56 弾性片
58 操作ボタン
59 第1係止部
70 アプリケーター
L1 長軸
L2 短軸
O 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7