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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】一体型低電力双方向ポート
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H03K19/0175 310
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021510108
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2019047725
(87)【国際公開番号】W WO2020041601
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】16/110,937
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マー,シャオジュン
(72)【発明者】
【氏名】ウパディアヤ,パラグ
(72)【発明者】
【氏名】ターカー・メレク,ディデム・ジィ
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0102797(US,A1)
【文献】特開2015-104117(JP,A)
【文献】特開2011-166260(JP,A)
【文献】特開2000-068813(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0210774(US,A1)
【文献】米国特許第09985665(US,B1)
【文献】特開2019-114943(JP,A)
【文献】特開2007-166251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0074987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/00-19/096
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向インターフェイス装置であって、
差動回路に電気的に接続するように構成された1対の端子と、
1対の電気ノードとを備え、前記電気ノードの各々が前記1対の端子のうち対応する端子に電気的に結合されており、前記双方向インターフェイス装置はさらに、
前記1対の電気ノードを介して前記1対の端子の各々に結合された送信ドライバ回路を備え、前記送信ドライバ回路は複数のスライスを含み、前記複数のスライスにおける各スライスは、
(i)前記1対の電気ノードのうちの少なくとも1つの電気ノードに電気的に結合された出力ドライバ回路と、
(ii)イネーブル信号に応答して同じスライスにおける前記出力ドライバ回路を選択的にイネーブルにするかまたはディスエーブルにするように結合されたプログラム可能なプリドライバ回路とを含み、前記双方向インターフェイス装置はさらに、
前記1対の電気ノードを介して前記1対の端子の各々に結合された受信バッファ回路と、
前記送信ドライバ回路に結合された制御回路とを備え、前記制御回路は、前記送信ドライバ回路の出力抵抗の関数として選択的にイネーブルにするべき前記複数のスライスの数を決定するように構成され、
前記送信ドライバ回路は、スイッチを有する電圧レギュレータ回路であって、前記送信ドライバ回路の電圧スイングの上限を制御するように構成された電圧レギュレータ回路を含み、
前記スイッチは、調整済み電圧を供給するように構成された前記電圧レギュレータ回路の出力ノードと回路基準ノードとに電気的に結合され、
受信モードに応答して、前記スイッチが開かれ、
送信モードに応答して、前記スイッチが閉じる、双方向インターフェイス装置。
【請求項2】
前記受信モードでは、前記プログラム可能なプリドライバ回路は、前記送信ドライバ回路における複数のトランジスタの各々の制御端子に予め定められた動作電圧を供給するように構成され、前記送信ドライバ回路における前記複数のトランジスタの各々は、前記1対の電気ノードに直接接続する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出力ドライバ回路は、前記1対の電気ノードのうちの前記少なくとも1つの電気ノードおよび基準電位に、さらなるスイッチを介して電気的に結合され、
受信モードに応答して、前記さらなるスイッチが選択的に開かれて、前記少なくとも1つの電気ノードから前記基準電位への電流を遮断し、電流経路は前記送信ドライバ回路のうち少なくとも前記出力ドライバ回路を通る、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
第1の可変抵抗制御信号に応答して前記出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するように構成された第1の可変抵抗回路さらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記電圧レギュレータ回路は、前記調整済み電圧を前記第1の可変抵抗回路を介して前記出力ドライバ回路に供給するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
各スライスにおける前記出力ドライバ回路は、前記調整済み上位電圧によって定められる上限電圧スイングで、出力信号を差動出力信号として駆動するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記送信ドライバ回路はさらに、前記送信ドライバ回路と回路基準電位との間に接続された第2の可変抵抗回路を備え、前記第2の可変抵抗回路は、第2の可変抵抗制御信号に応答して前記出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するように構成される、請求項4から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記1対の電気ノード間に接続された抵抗ターミネータネットワークをさらに備え、前記抵抗ターミネータネットワークは、受信モードに応答して第1のスイッチおよび第2のスイッチを閉じて、コモンモードノードから前記1対の電気ノードにおけるノードの各々までの電気的接続をもたらすように動作可能であり、前記接続の各々は、コモンモードインピーダンス特性に実質的に整合するような大きさの抵抗を介してもたらされ、前記抵抗ターミネータネットワークはさらに、送信モードに応答して、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチを開くように動作可能であり、前記コモンモードノードは、予め定められた調整済み電圧に駆動される、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記出力ドライバ回路が前記プログラム可能なプリドライバ回路によって選択的にイネーブルにされると、前記出力ドライバ回路は、データ信号に応答して差動出力信号を前記1対の電気ノード上に駆動するように動作可能である、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
双方向インターフェイス装置を動作させる方法であって、
1対の端子を差動回路に電気的に接続するステップと、
1対の電気ノードを前記1対の端子のうち対応する端子に電気的に結合するステップと、
前記1対の電気ノードを介して送信ドライバ回路を前記1対の端子の各々に結合するステップとを備え、前記送信ドライバ回路は複数のスライスを含み、前記複数のスライスにおける各スライスは、
(i)前記1対の電気ノードのうちの少なくとも1つの電気ノードに電気的に結合された出力ドライバ回路と、
(ii)プログラム可能なプリドライバ回路とを含み、前記プログラム可能なプリドライバ回路は、イネーブル信号に応答して同じスライスにおける前記出力ドライバ回路を選択的にイネーブルにするかまたはディスエーブルにするように結合されており、前記方法はさらに、
受信バッファ回路を、前記1対の電気ノードを介して前記1対の端子の各々に結合するステップと、
受信モードで、前記受信バッファ回路により、入来する差動信号を前記1対の電気ノードを介して受信するステップと、
制御回路により、前記送信ドライバ回路の出力抵抗の関数として、選択的にイネーブルにするべき前記複数のスライスの数を決定するステップとを備え、
前記送信ドライバ回路は、スイッチを有する電圧レギュレータ回路を含み、前記スイッチは、調整済み電圧を供給するように構成された前記電圧レギュレータ回路の出力ノードと回路基準ノードとに電気的に接続され、
送信モードにおいて前記スイッチを閉じるよう制御して、前記送信ドライバ回路の電圧スイングの上限を制御するステップと、
前記受信モードに応答して、前記スイッチを開くステップとをさらに備える、方法。
【請求項11】
前記受信モードで、前記プログラム可能なプリドライバ回路により、前記送信ドライバ回路における複数のトランジスタの各々の制御端子に予め定められた動作電圧を供給するステップをさらに備え、前記送信ドライバ回路における前記複数のトランジスタの各々は、前記1対の電気ノードに直接接続している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記出力ドライバ回路は、前記1対の電気ノードのうちの前記少なくとも1つの電気ノードと基準電位との間にさらなるスイッチを介して電気的に結合され、
前記受信モードに応答して、前記さらなるスイッチを選択的に開いて、前記1対の電気ノードのうち少なくとも1つの電気ノードから前記基準電位への電流を遮断し、電流経路は前記送信ドライバ回路のうち少なくとも前記出力ドライバ回路を通る、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
第1の可変抵抗回路により、第1の可変抵抗制御信号に応答して前記出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するステップをさらに含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記電圧レギュレータ回路により、前記調整済み電圧を前記第1の可変抵抗回路を介して前記出力ドライバ回路に供給するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記送信ドライバ回路と回路基準電位との間に接続された第2の可変抵抗回路により、第2の可変抵抗制御信号に応答して前記出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
さまざまな実施形態は、概して、低電圧コアデバイスへのインターフェイス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
現代のネットワークは、データをやり取りするように動作可能なコンピューティングデバイス同士を相互接続する役割を果たす。データは、たとえば、コンピュータまたはサーバにおいて、共通の回路基板上の回路同士の間で、または共通のバックプレーンに沿って回路基板同士の間でやり取りされてもよい。いくつかの実装例においては、データは、長距離にわたって、たとえば、旅行代理店のコンピュータからクラウドネットワーク上の航空会社のサーバにまでやり取りされ得る。現代のネットワークは、物理ワイヤ、無線周波数(radio frequency:RF)チャネルまたは光ファイバを含む複数の媒体を採用し得る。コンピューティングデバイス間でやり取りされるデータは、複数のビットを含むデータパケットを含み得る。
【0003】
差動対を用いて高速デジタルデータをやり取りする場合、送信機と受信機との間のリンクにより伝送線を形成することもある。高速伝送線は、それらの特性インピーダンスに対して特徴付けられ得る。伝送線の長さに沿って進む信号が実質的に連続的な特性インピーダンスを受ける場合、伝送線内の反射が最小限にされ得る。インピーダンス連続性をもたらすために、さまざまな伝送線の端部に終端抵抗器を採用してもよい。反射を最小限にすることにより、伝送線上を移動するデータの信号完全性を高め得る。これにより、ビットエラーレートを有利に低下させ得るとともに、伝送距離を伸ばすことおよび/または伝送速度を高めることを可能にし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
方法および装置は、粗い出力抵抗インピーダンス整合のために選択的にイネーブルにされた複数のスライスで形成された電圧モード送信ドライバアーキテクチャを有する双方向差動インターフェイスに関する。具体的な例においては、送信ドライバは、送信動作のために出力抵抗をインピーダンス整合させるように微調整するためのプログラム可能な抵抗を含み得る。受信動作中、保護電圧は、たとえば、外部信号源によって印加される電圧ストレスを最小限にするために、駆動トランジスタのゲートに事前に印加されてもよい。いくつかの実装例は、たとえば、受信モード動作中に外部から駆動された信号電流のバックフィードを防ぐために、駆動トランジスタのソースを自動的に浮動させ得る。送信ドライバは、互換性を高めるために、たとえば、上限および/または下限に、プログラム可能な電圧スイングを有し得る。プログラム可能なコモンモード電圧ノードは、受信モード動作のために、たとえばコモンモード抵抗器を介して選択的に印加されてもよい。さまざまな実施形態では、高速双方向I/Oのためにピンカウントを低減させ得る。
【0005】
さまざまな実施形態は、1つ以上の利点を達成し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、位相ロックループ(phase locked loop:PLL)のためのデータまたはクロック信号を受信および/または送信してもよい。送信(transmit:TX)モードでは、クロック信号は、高速エッジレートをもたらし得る低コア電圧(たとえば、0.8V~0.9Vの供給電圧)で動作する薄酸化物プロセス時に構築される電圧モードトランスミッタ回路によって駆動され得る。ポートは、共有の入出力(input/output:I/O)経路およびピン対を用いる双方向送信/受信バッファを含み得る。共有のI/O実装例は、半導体パッケージ上のピンまたは「バンプ」の数を有利に減少させ得るので、たとえば、専用ピンの数を(たとえば、別個の差動送信ポートおよび受信ポートのための)4つからトランシーバ動作のために構成された2つの双方向ピンにまで減らすことによって、製品サイズおよび/または製造コストを低下させ得るとともに、回路密度を向上させ得る。
【0006】
さまざまな電圧モード送信機(transmitter:TX)実装例は、たとえば、比較的大きな出力スイングをサポートしながらも、電流モード論理(current mode logic:CML)と比べて少なくとも50%~60%以上の電力をさらに低減させ得る。さまざまな送信ドライバの実施形態は、プログラム可能なI/O電圧スイングおよび/またはプログラム可能な出力インピーダンスを採用し得る。さまざまな実装例は、送信モードで構成された場合、インピーダンス制御ループが出力抵抗を微調整し得ることで、たとえば、出力インピーダンスを最適化し、結果として、リターンロス性能を向上させ得る。いくつかの実施形態はさらに、制御された出力電圧スイングをもたらし得るが、これは、インピーダンス制御ループによって正確に制御され得る。
【0007】
いくつかの受信(receive:RX)モード実装例では、たとえば、コモンモードリターンロス(たとえば、S22パラメータ)を約20dBだけ実質的に改善させ得る。さまざまな受信バッファは、広範囲の入力電圧スイングに対する柔軟性を可能にし得ることで、たとえば、より高電圧のデバイス(たとえば、メモリ回路)との拡張された互換性のためのレガシー規格をサポートし得る。RXモードでの改善されたコモンモード性能は、たとえば、改善された帯域幅性能をもたらし得るプログラム可能なコモンモード終端抵抗と組合わされ得るプログラム可能なI/Oコモンモード電圧によって達成され得る。
【0008】
RXモードでは、いくつかの実施形態のさまざまな特徴が電圧ストレス保護特徴を組込むことで、TX回路がTX段に加えられるストレスに耐えることを可能にし得る。このような保護特徴は、レガシーシステム(たとえば、より高電圧定格)での安全な動作を容易にする一方で、TX段を高速性能かつ低電圧(たとえば、0.9V、薄酸化物)のプロセス構造で構築することを可能にし得る。いくつかの実施形態においては、RXモードでは、たとえば、より高電圧のレガシーデバイスから入来するRX信号がTX出力段における任意のゲート・ソース間またはゲート・ドレイン間の電圧接合のための安全な動作電圧定格を超えないように、TX出力トランジスタの各々のゲート電圧が予め定められたレベルに事前に位置決めされることが確実にされ得る。さらに、いくつかの実装例は、TX出力回路を通るRX信号のための電流経路を選択的に遮断することによって、保護されたTX出力トランジスタ内の導通を実質的に防止し得る。
【0009】
さまざまな実装例は、作製されたデバイス(たとえば、薄酸化物トランジスタ)の耐用期間中の劣化を実質的に排除または回避し得る。双方向I/Oとして構成された送信ドライバ回路および受信バッファ回路の両方を含めることで、最小限許容可能なコア電圧で動作させ得る。コア電圧での動作は、いくつかの実施形態においては、信頼性のある動作を維持しつつ、過剰電圧ストレスから薄酸化物デバイスを同時に保護しながら、1ボルト以下の薄酸化物コアにまでわたり得る。
【0010】
例示的な一局面においては、双方向インターフェイス装置は、差動回路に電気的に接続するように構成された1対の端子(305,310)と、1対の電気ノードとを含み、電気ノードの各々は、1対の端子のうち対応する一方の端子に電気的に結合される。当該装置はさらに、1対の電気ノードを介して1対の端子の各々に結合された送信ドライバ回路(325)を含み、送信ドライバ回路は、2つ以上のスライスを備える。2つ以上のスライスの各々は、(a)出力ドライバ回路(Q4~Q7)およびプログラム可能なプリドライバ回路(U4~U7)を含む。プログラム可能なプリドライバ回路(U4~U7)は、イネーブル信号に応答して同じスライスにおける出力ドライバ回路を選択的にイネーブルにするかまたはディスエーブルにするように結合されている。いくつかの実施形態においては、出力ドライバがプログラム可能なプリドライバ回路によって選択的にイネーブルにされると、出力ドライバ回路は、データ信号(DIN)に応答して差動出力信号を1対の電気ノード上に駆動するように動作可能になり得る。当該装置はさらに、1対の電気ノードを介して1対の端子の各々に結合された受信バッファ回路(330)を含む。いくつかの実施形態においては、受信バッファ回路(330)は、受信モードでは、入来する差動信号を当該1対の電気ノードを介して受信するように動作可能であり得る。当該装置はまた、送信ドライバ回路に結合された制御回路を含む。当該制御回路は、いくつかの実施形態においては、送信モードで動作するとき、2つ以上のスライスにおける各スライスごとにイネーブル信号を選択的に生成するように構成されている。制御回路は、送信ドライバ回路(325)の出力抵抗の関数として選択的にイネーブルにするべきスライスの数を決定するように構成される。
【0011】
さまざまな実施形態においては、受信モードでは、プログラム可能なプリドライバ回路は、送信ドライバ回路(325)における複数のトランジスタの各々の制御端子に予め定められた動作電圧を供給するように構成されてもよく、送信ドライバ回路(325)における2つ以上のトランジスタの各々は、当該1対の電気ノードに直接接続していてもよい。送信ドライバ回路(325)におけるトランジスタは、薄ゲート誘電体構造で形成されたCMOSデバイスを含み得る。送信ドライバ回路(325)における各トランジスタの制御端子に供給される予め定められた動作電圧は、約0.6Vから約10Vの間であってもよい。
【0012】
いくつかの例においては、受信モードに応答して、スイッチは、当該1対の電気ノードのうち少なくとも1つの電気ノードから基準電位(GND)への電流を遮断するために選択的に開かれ得る。電流経路は、送信ドライバ回路(325)の少なくとも一部を通り得る。当該装置はさらに、第1の可変抵抗制御信号(P3)に応答して出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するように構成された第1の可変抵抗回路(Q1,R1)を含み得る。当該装置はさらに、調整済み上位電圧(VREFP)を第1の可変抵抗回路(Q1,R1)を介して供給するように構成されたハイサイド電圧調整回路を含み得る。各スライスにおける出力ドライバ回路(325)は、調整済み上位電圧によって定められる上限電圧スイングで、出力信号を差動出力信号として駆動するように構成され得る。送信ドライバ回路はさらに、送信ドライバ回路(325)と回路基準電位(GND)との間に接続される第2の可変抵抗回路(Q2,R2)を含み得る。第2の可変抵抗回路(Q2,R2)は、第2の可変抵抗制御信号(P4)に応答して出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するように構成され得る。
【0013】
当該装置はさらに、1対の電気ノード間に接続された抵抗ターミネータネットワーク(335)を含み得る。ネットワークは、受信モードに応答して、第1のスイッチ(SW4)および第2のスイッチ(SW5)を閉じて、コモンモードノード(410)から当該1対の電気ノードにおけるノードの各々までの電気的接続をもたらすように動作可能であり得る。接続の各々は、コモンモードインピーダンス特性に実質的に整合するような大きさの抵抗(R7,R8)を介してもたらされてもよい。抵抗ターミネータネットワーク(335)はさらに、送信モードに応答して、第1のスイッチ(SW4)および第2のスイッチ(SW5)を開くように動作可能であり得る。コモンモードノード(410)は、予め定められた調整済み電圧に駆動され得る。
【0014】
別の例示的な局面においては、双方向インターフェイス装置を動作させる方法は、1対の端子(305,310)を差動回路に電気的に接続するステップと、1対の電気ノードを1対の端子のうち対応する1つの端子に電気的に結合するステップとを含み得る。当該方法はまた、送信ドライバ回路(325)を、1対の電気ノードを介して1対の端子の各々に結合するステップを含む。送信ドライバ回路は、2つ以上のスライスを含み、2つ以上のスライスにおける各スライスは、(a)出力ドライバ回路(Q4~Q7)と、(b)プログラム可能なプリドライバ回路(U4~U7)とを含む。プログラム可能なプリドライバ回路(U4~U7)は、イネーブル信号に応答して同じスライスにおける出力ドライバ回路を選択的にイネーブルにするかまたはディスエーブルにするように結合されている。いくつかの実施形態においては、出力ドライバがプログラム可能なプリドライバ回路によって選択的にイネーブルにされ得るとき、出力ドライバ回路は、データ信号(DIN)に応答して差動出力信号を1対の電気ノード上に駆動するように動作可能である。当該方法はさらに、受信バッファ回路(330)を、1対の電気ノードを介して1対の端子の各々に結合するステップを含む。受信モードでは、当該方法は、入来する差動信号を、受信バッファ回路(330)により1対の電気ノードを介して受信するステップと、いくつかの実施形態においては、送信モードで動作するとき、送信ドライバ回路に結合された制御回路により、2つ以上のスライスにおける各スライスのためのイネーブル信号を選択的に生成するステップとを含む。当該方法はさらに、制御回路により、送信ドライバ回路(325)の出力抵抗の関数として選択的にイネーブルにするべきスライスの数を決定するステップを含む。
【0015】
さまざまな例においては、当該方法はさらに、受信モードで、プログラム可能なプリドライバ回路により、送信ドライバ回路(325)における2つ以上のトランジスタの各々の制御端子に予め定められた動作電圧を供給するステップを含み得る。送信ドライバ回路(325)における2つ以上のトランジスタの各々は、当該1対の電気ノードに直接接続し得る。当該方法はさらに、送信ドライバ回路(325)における2つ以上のトランジスタとして、薄いゲート誘電体構造で形成されたCMOSデバイスを設けるステップを含み得る。予め定められた動作電圧は、約0.6Vから約10Vの間であってもよい。受信モードに応答して、当該方法は、スイッチを選択的に開いて、1対の電気ノードのうちの少なくとも1つの電気ノードから基準電位(GND)への電流を遮断するステップを含み得る。この場合、電流経路は送信ドライバ回路(325)のうち少なくとも一部を通っている。
【0016】
当該方法はさらに、第1の可変抵抗回路(Q1,R1)により、第1の可変抵抗制御信号(P3)に応答して出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するステップを含み得る。当該方法はさらに、ハイサイド電圧調整回路により、第1の可変抵抗回路(Q1,R1)を介して調整済み上位電圧(VREFP)を供給するステップを含み得る。当該方法はさらに、各スライスにおける出力ドライバ回路(325)により、調整済み上位電圧によって定められる上限電圧スイングで、出力信号を差動出力信号として駆動するステップを含み得る。さらに、当該方法は、送信ドライバ回路(325)と回路基準電位(GND)との間に接続された第2の可変抵抗回路(Q2,R2)により、第2の可変抵抗制御信号(P4)に応答して出力ドライバ回路の出力抵抗を調節するステップを含み得る。
【0017】
いくつかの実装例においては、当該方法は、1対の電気ノード間に接続される抵抗ターミネータネットワーク(335)を設けるステップをさらに含み得る。当該抵抗ターミネータネットワーク(335)は、受信モードに応答して、第1のスイッチ(SW4)および第2のスイッチ(SW5)を閉じて、コモンモードノード(410)から1対の電気ノードにおける各ノードへの電気的接続をもたらすように動作可能であり得る。抵抗(R7,R8)を介してもたらされる接続の各々は、コモンモードインピーダンス特性に実質的に整合するような大きさにされてもよい。抵抗ターミネータネットワーク(335)はさらに、送信モードに応答して、第1のスイッチ(SW4)および第2のスイッチ(SW5)を開くように動作可能であり得る。コモンモードノード(410)は、予め定められた調整済み電圧に駆動され得る。
【0018】
さまざまな実施形態の詳細を添付の図面および以下の説明において記載する。他の特徴および利点は、以下の説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】開示される回路およびプロセスが実装され得る例示的なプログラム可能な集積回路(integrated circuit:IC)を示す図である。
図2】高速デジタルコンピューティングシステムにおいて実装される例示的な一体型低電力双方向ポートを示す図である。
図3】例示的な一体型双方向ポートを示すブロック図である。
図4】例示的な抵抗ターミネータネットワークを示す図である。
図5】例示的なRXバッファ回路を示す図である。
図6A】例示的なTXドライバ回路を示す図である。
図6B】プログラム可能な下限電圧スイングのある例示的なTXドライバ回路を示す図である。
図7】例示的なインピーダンス制御ループを示す図である。
図8】TX出力ドライバのためのプログラム可能な抵抗の粗い制御および微細な制御に関する例示的なプロセスを示す図である。
図9】双方向ポート制御方法の例示的なフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
さまざまな図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
例示的な実施形態の詳細な説明
理解を助けるために、本明細書は以下のように編成されている。最初に、例示的なプログラム可能な集積回路(IC)を図1を参照して簡潔に紹介する。第二に、図2を参照して例示的なアプリケーションの例を説明する。次に、図3を参照して、一体型I/O回路の主要な機能ブロックを含む例示的な実施形態を紹介する。次に、図4図7を参照して、主要な機能ブロックの各々をさらに詳細に例示する。最後に、図8および図9は、双方向ポートの実施形態についての例示的な制御プロセスを示す。
【0021】
図1は、開示される回路およびプロセスが実装され得る例示的なプログラム可能な集積回路(IC)を示す。プログラム可能なIC100はFPGA論理を含む。プログラム可能なIC100は、さまざまなプログラム可能なリソースで実装されてもよく、システムオンチップ(System on Chip:SOC)と称されることもある。FPGA論理のさまざまな例は、アレイ内にいくつかの多様なタイプのプログラム可能な論理ブロックを含み得る。
【0022】
たとえば、図1はプログラム可能なIC100を示す。プログラム可能なIC100は、マルチギガビットトランシーバ(multi-gigabit transceiver:MGT)101と、構成可能な論理ブロック(configurable logic block:CLB)102と、ランダムアクセスメモリのブロック(blocks of random access memory:BRAM)103と、入出力ブロック(input/output block:IOB)104と、構成およびクロック論理(configuration and clocking logic:CONFIG/CLOCKS)105と、デジタル信号処理ブロック(digital signal processing block:DSP)106と、専用入出力ブロック(I/O)107(たとえば、クロックポート)と、他のプログラム可能な論理108(たとえば、デジタルクロックマネージャ、アナログ-デジタル変換器、システム監視論理)とを含む多数のさまざまなプログラム可能なタイルを含む。プログラム可能なIC100は、専用のプロセッサブロック(processor block:PROC)110を含む。プログラム可能なIC100は、内部再構成ポートおよび外部再構成ポート(図示せず)を含み得る。
【0023】
さまざまな例においては、シリアライザ/デシリアライザがMGT101を用いて実装され得る。MGT101は、さまざまなデータシリアライザおよびデシリアライザを含み得る。データシリアライザはさまざまなマルチプレクサ実装例を含み得る。データデシリアライザは、さまざまなデマルチプレクサ実装例を含み得る。
【0024】
FPGA論理のいくつかの例においては、各々のプログラム可能なタイルは、各々の隣接するタイルにおける対応する相互接続要素への/からの標準化された相互接続124を有するプログラム可能な相互接続要素(interconnect element:INT)111を含む。したがって、複数のプログラム可能な相互接続要素をまとめて、図示されるFPGA論理のためのプログラム可能な相互接続構造を実装する。プログラム可能な相互接続要素INT111は、図1に含まれる例によって示されるように、同じタイル内におけるプログラム可能な論理要素への/からの内部接続120を含む。プログラム可能な相互接続要素INT111は、図1に含まれる例によって示されるように、同じタイル内にプログラム可能な相互接続要素INT111への/からのINT間接続122を含む。
【0025】
たとえば、CLB102は、ユーザ論理を実装するようにプログラムされ得る構成可能な論理要素(configurable logic element:CLE)112と、単一のプログラム可能な相互接続要素INT111とを含み得る。BRAM103は、BRAM論理要素(BRAM logic element:BRL)113および1つ以上のプログラム可能な相互接続要素を含み得る。いくつかの例においては、1枚のタイルに含まれる相互接続要素の数は、当該タイルの高さに依存し得る。図示される実装例においては、BRAMタイルは、5つのCLBと同じ高さを有するが、他の数(たとえば、4つ)が用いられてもよい。(タイルと称され得る)DSPブロック106は、DSP論理要素(DSP logic element:DSPL)114および1つ以上のプログラム可能な相互接続要素を含み得る。IOB104は、たとえば、入出力論理要素(input/output logic element:IOL)115の2つのインスタンスと、プログラム可能な相互接続要素INT111の1つのインスタンスとを含み得る。たとえば、I/O論理要素115に接続される実際のI/Oボンドパッドは、図示されるさまざまな論理ブロックの上に積層される金属を用いて製造されてもよく、入出力論理要素115の面積に制限されなくてもよい。
【0026】
図示される実装例においては、ダイの中心付近の(図1に網掛けして示される)列状区域が、構成、クロック、および他の制御論理に用いられる。列から延びる水平区域109は、プログラム可能なIC100の幅にわたってクロックおよび構成信号を分配する。「列状」および「水平」区域と言及する場合、図面を縦向きで見ることを基準としていることに留意されたい。
【0027】
図1に示されるアーキテクチャを利用するいくつかのプログラム可能なICは、プログラム可能なICの大部分を構成する規則的な柱状構造を乱す追加の論理ブロックを含み得る。追加の論理ブロックは、プログラム可能なブロックおよび/または専用論理であってもよい。たとえば、図1に示すプロセッサブロックPROC110は、CLB102およびBRAM103のいくつかの列にわたっている。
【0028】
図1は、例示的なプログラム可能なICアーキテクチャを示す。列内の論理ブロックの数、列の相対的幅、列の数および順序、列に含まれる論理ブロックの種類、論理ブロックの相対的サイズ、ならびに相互接続/論理実装は純粋に例として提供されているに過ぎない。たとえば、実際のプログラム可能なICにおいては、CLB102のうち2つ以上の隣接する列が、ユーザ論理の効率的な実装を容易にするために、CLB102が現れる場所に含められてもよい。
【0029】
図1に示されるアーキテクチャを利用するいくつかのプログラム可能なICは、I/Oピンおよび/またはバンプを共有し得るI/O回路を含み得る。さまざまな例においては、I/O回路は、1つ以上の送信ドライバ(TXドライバ)および1つ以上の受信バッファ(RXバッファ)を含み得る。複数のI/O規格に準拠するデータを受信する際の柔軟性のために、I/O回路は、構成可能な終端ネットワーク(TERMブロック)を含み得る。TXドライバ、RXバッファおよび/またはTERMブロックは、さまざまなFPGA上で有利に構成され得る。FPGAは、1つ以上の場所で薄酸化物技術を採用してもよい。
【0030】
図2は、高速デジタルコンピューティングシステムにおいて実装される例示的な一体型低電力双方向ポートを示す。高速デジタルコンピューティングシステム200は、さまざまな詳細レベルの分解図で示される。高速デジタルコンピューティングシステム200はサーバ205を含む。サーバ205は複数の相互接続された回路基板を含み、そのうちの1つは、シリアライザ/デシリアライザ(serializer/deserializer:SERDES)カード210である。SERDESカード210は低電圧コアデバイス215を含む。コアデバイス215は、薄酸化物技術を用いて作製されてもよい。コアデバイス215は、データ送信機ドライバ(TXドライバ)220を含む。TXドライバ220は、差動入出力ピン(I/Oピン)225のセットに結合されるとともに、当該セットにデータを送信し得る。さまざまな実装例においては、コアデバイス215は、I/Oピン225上で差分データを受信し得る。I/Oピン225は、受信バッファ(RXバッファ)230に結合される。RXバッファ230は、抵抗終端ネットワーク(termination network:TERM)235に結合されるとともに抵抗終端ネットワーク235よりも上位にある。抵抗終端ネットワーク235は、たとえば、さまざまな高速信号が実質的に高いデータ完全性を維持したままでRXバッファ230によって受信され得るように、信号反射損失を軽減するために差動およびコモンモード終端抵抗をもたらし得る。TXドライバ220、RXバッファ230、および抵抗終端ネットワーク235は、たとえばさまざまなIC上のピンまたはバンプの単一のセットに結合されると、一体型双方向ポートを形成し得る。
【0031】
図3は、例示的な一体型双方向ポートのブロック図を示す。図示される例においては、一体型双方向ポート300は、正側I/Oピン305および負側I/Oピン310を含む。ピン305および310は、差動ポート315のためのインターフェイスである。差動ポート315は静電放電(electrostatic discharge:ESD)保護回路320に結合されている。ESD保護回路320は、差動ポート315およびすべての下流回路に対するESDの破壊作用を実質的に軽減し得る。ESD保護回路320は、保護ダイオード(たとえば、超高速整流器、信号ダイオード、ツェナーダイオード、金属酸化物バリスタ(metal oxide varistor:MOV))で形成され得る。差動ポート315は、選択的にイネーブルにされたn個の並列スライスを有する電圧モードTXドライバ回路325と、選択的にイネーブルにされたm個の並列スライスを有するRXバッファ回路330と、抵抗ターミネータネットワーク(terminator network:TERM)335とに結合される。TXドライバ回路325の各スライスの出力インピーダンスは、選択的にイネーブルにされたp個の並列スライスを有するインピーダンス制御ループ回路340によってプログラム可能であり得る。
【0032】
いくつかの実施形態においては、単一のインピーダンス制御ループ回路340がTXドライバ回路325のうち選択的にイネーブルにされたp個のスライスに動作可能に結合されるように、pが1に等しくなり得るとともにnがpよりも大きくなり得る(たとえば、pは、たとえば、少なくとも約128スライスまでであり得る)。スライスは各々、インピーダンス制御ループ回路340からの制御信号に応答して出力インピーダンスを調節するように構成されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態においては、インピーダンス制御ループ回路340のうち選択的にイネーブルにされたスライスの各々がTXドライバ回路325における選択的にイネーブルにされたスライスのうちの少なくとも1つの対応するスライスに動作可能に結合されるように、pはnに等しくなり得る。したがって、TXドライバ回路325の各スライスは、インピーダンス制御ループ回路340から供給される制御信号に応答して出力インピーダンスを独立して調節するように構成され得る。
【0034】
図示のように、差動ポート315は、例示的な外部負荷インピーダンスネットワークに結合される。負荷インピーダンスネットワークは、キャパシタC1およびキャパシタC2と直列である負荷抵抗器RLを含むとともに、送信モードでTXドライバ回路325によって駆動される負荷回路、または受信モードでRXバッファ回路330が受信する入来信号の源である負荷回路、の電気的モデルを表わしたものと見なされてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態に適し得る抵抗ターミネータネットワーク335の例を、たとえば図4を参照して説明する。いくつかの実施形態に適し得るRXバッファ回路330の例を、たとえば図5を参照して説明する。いくつかの実施形態に適し得るTXドライバ回路325の例を、たとえば、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。いくつかの実施形態に適し得るインピーダンス制御ループ340の例を、たとえば図7を参照して説明する。
【0036】
RXバッファ回路330、TXドライバ回路325、およびインピーダンス制御ループ340は、1つ以上の並列スライスで示されている。図示のように、TXドライバ回路325は、独立してイネーブルにされたn個の並列スライスを含み得るとともに、RXバッファ回路330は、独立してイネーブルにされたm個の並列スライスを含み得るとともに、インピーダンス制御ループ回路340は、独立してイネーブルにされた最大p個までの並列スライスを含み得る。これらの回路330、325および340内のさまざまな構成要素は、さまざまな回路電気パラメータの精度および/または容量のカスタマイズ、較正および/または実質的な増加を行うために、上記スライスのうちの1つ以上のスライス上の構成要素をイネーブルにするかまたはディスエーブルにすることによって調節され得る。たとえば、TXドライバ回路325の出力インピーダンスは、並列スライスをイネーブルにするかまたはディスエーブルにすることによって調節され得ることで、たとえば、RXバッファ回路330が動作可能に接続されている回路であってRXバッファ回路330が受信する入来信号の源である回路の伝送線インピーダンスと実質的に整合させるように、対象の終端抵抗について精度の増大および/または値の最適化を行ない得る。いくつかの実施形態は、有利には、TXドライバ回路325の所望の数のスライスを選択し易くし得ることで、所望の電気性能特性を達成し、たとえば、インピーダンス不整合を最小限にするとともに反射損失を低減し、これにより、帯域幅および信号完全性を高め得る。
【0037】
図4図7を参照して説明されるような部分の関係を説明する助けとして、以下の端子が接続される。I/Oピン305、310は、TXドライバ回路325の端子P1、P2、RXバッファ回路330の端子P5、P6、および抵抗ターミネータネットワーク(TERM)335の端子P9、P10に結合している。また、TXドライバ回路325の端子P3、P4は、インピーダンス制御ループ回路340の端子P7、P8に結合している。
【0038】
図4は、例示的な抵抗ターミネータネットワークを示す。抵抗ターミネータネットワーク400はRXモードスイッチ405を含む。RXモードスイッチ405はスイッチSW4を含む。スイッチSW4は第1の端子が抵抗器R7の第2の端子に接続されている。抵抗器R7の第1の端子は、負側I/O端子P9に接続されている。図3に示されるように、抵抗ターミネータネットワーク335は、負側I/O端子P9への例示的な接続を含む。具体的な例においては、R6およびR7の抵抗は各々が50オームであってもよく、有利には、これらを組合わせて100オームの差動抵抗を形成してもよい。
【0039】
RXモードスイッチ405はスイッチSW5を含む。スイッチSW5は第1の端子が抵抗器R6の第2の端子に結合されている。抵抗器R6の第1の端子は正側I/O端子P10に結合されている。図3に示されるように、抵抗ターミネータネットワーク335は、正側I/O端子P10への例示的な接続を含む。
【0040】
スイッチSW4の第2の端子はスイッチSW5の第2の端子に結合されている。スイッチSW4とスイッチSW5とのこの接合がコモンモードノードVCM410を形成する。コモンモードノードVCM410は、上方レッグ上の可変抵抗器R8および下方レッグ上の可変抵抗器R9で形成される抵抗分圧器415に結合されている。コモンモードノードVCM410は、可変抵抗器R8の第2の端子および可変抵抗器R9の第1の端子に結合されている。可変抵抗器R8は第1の端子が供給電圧Vに結合されている。
【0041】
いくつかの例においては、供給電圧Vは、AVCCであり得るか、または展開された回路用途に適したコモンモード電圧に実質的に等しい予め定められた電圧であり得る。図6Aを参照すると、供給電圧Vは、いくつかの実施形態においては、限定ではなく例として、ユニティゲインバッファ段または非反転ゲイン段を用いてVrefpの関数として導出され得る。いくつかの例においては、供給電圧Vはプログラム可能であり得るので、有利には、Vcm410に関するバイアス電圧を選択する際にユーザが調節可能に制御することとなり得る。
【0042】
可変抵抗器R9は第2の端子が回路基準(たとえば、接地)に結合されている。コモンモード反射損失スイッチ(common mode reflection loss(CMRL)スイッチ)SW3は第2の端子がコモンモードノードVCM410に結合されているとともに、第1の端子が供給電圧Vに結合されている。
【0043】
受信モードで動作する際、RXモードスイッチ405が閉じることで、スイッチSW4およびSW5の両方を閉じ、これにより、抵抗ターミネータネットワーク400の端子P9およびP10にわたって2つの差動終端抵抗器R6およびR7を接続する。さまざまな応用例において、差動終端抵抗器R6およびR7は、信号反射を実質的に軽減するように選択され得る。抵抗ターミネータネットワーク400は、端子P9と端子P10との間にわたって印加される差動信号のコモンモードノードVCM410上のコモンモード電圧を選択的に決定し得る。CMRLスイッチSW3が活性化される(たとえば閉じられる)と、コモンモード電圧VCMが供給電圧Vによって決定され得る。CMRLスイッチSW3が非活性化される(たとえば開かれる)と、コモンモード電圧VCMは、供給電圧Vと回路基準との間の可変抵抗器R8およびR9で形成される低抵抗分圧器415によって決定され得る。可変抵抗器R8およびR9で形成される抵抗分圧器415は、有利には、RXバッファ回路(たとえば、RXバッファ回路330)に関するコモンモードリターンロスを改善させ得る。
【0044】
送信モードでは、RXモードスイッチ405が開くことで、スイッチSW4およびスイッチSW5をともに開き、これにより、抵抗ターミネータネットワーク400の端子P9およびP10にわたる2つの差動終端抵抗器R6およびR7の経路を切断する。RXモードスイッチ405を開くことで、有利には、差動ポート、たとえば差動ポート315から抵抗ターミネータネットワーク400全体を切断し得る。スイッチSW3は、スイッチSW4およびSW5が開いているので、送信モードで差動ポートから切断される。SW3の状態は、送信モードでは機能性に影響を及ぼさない。スイッチSW3は送信モードで開閉させてもよい。送信モードでSW3を開くことで、いくつかの実装例においては、電源Vから引出される電流を有利に減少させ得る。
【0045】
図5は例示的なRXバッファ回路を示す。RXバッファ回路500は正入力端子P5および負入力端子P6を含む。正入力端子P5および負入力端子P6は、演算相互コンダクタンス増幅器(operational transconductance amplifier:OTA)505の入力に結合される。OTA505は出力が、電流モード論理(current mode logic:CML)-CMOS段510の入力に結合されている。CML-CMOS段510は、最終の受信機段(たとえば、位相ロックループ(PLL))に信号を送出する。
【0046】
いくつかの実装例においては、RXバッファ回路500は厚い酸化物のトランジスタを用い得る一方で、TXドライバ回路325などの他の回路は薄酸化物構成を用い得る。厚酸化物構造は、有利には、電圧ストレスをもたらすことで、より高電圧の源(たとえば、1.4V)によって供給される信号との互換性を可能にし得る。
【0047】
いくつかの実装例においては、RXバッファ回路500は、たとえば、クロック信号またはデータ信号を表し得るデジタル信号を受信し得る。いくつかの例においては、受信信号は、P5およびP6に対して提示される電圧レベルが実質的に反比例関係である差動電圧フォーマットであってもよい。いくつかの実施形態においては、受信信号は、たとえば、アクティブ遷移のために入力端子P5またはP6のうちの一方の入力端子のみを用いるシングルエンドであり得るとともに、他方の(非アクティブな)入力端子は、予め定められた電圧(たとえば、0、AVCC/2、AVCC、外部供給レール電圧)付近で実質的に静的であり得る。いくつかの実装例においては、センサ(たとえば、線形出力、非線形出力、アラーム出力)などからの受信信号はアナログ形式であってよく、この場合、受信信号は、たとえばOTA505によってバッファリングされ、アナログ信号処理回路(たとえば、フィルタ)によって処理され、たとえばスライサ回路(図示せず)などでサンプリングされてデジタル形式に変換されてもよい。
【0048】
図6Aは、例示的なTXドライバ回路を示す。TXドライバ回路600Aは電圧モード論理用に構成されてもよい。電圧モード論理を実装することで、たとえば、電流モード論理(current mode logic:CML)と比較して50%以上の電力削減を達成し得る。図6Aにおいては、図示される実施形態は、図3のTXドライバ回路325のn個の並列スライスのうちの1つなどの、例示的なTXドライバ回路のうち選択的にイネーブルにされた単一のスライスの代表的な実施形態である。この例においては、TXドライバ回路600AはオペアンプU3を含む。オペアンプU3は非反転入力がアナログ制御信号Vpに結合されている。アナログ制御信号Vpは、TXドライバ回路600Aの出力の電圧スイングの上限を設定するように動作可能であり得る。オペアンプU3は出力がnチャネルトランジスタQ3のゲートに結合されている。トランジスタQ3のソースにおける電圧VREFPを調整するように、トランジスタQ3は、その出力ソースが、バッファリングされたユニティフォロア構成でオペアンプU3の反転入力に結合されている。通常の動作では、VREFPはVpの電圧を追跡する。トランジスタQ3は入力ドレインが供給電圧Vに結合されている。トランジスタQ3は出力ソースが抵抗器R3の第1の端子に結合されている。抵抗器R3は第2の端子がTXモードスイッチSW1の入力に結合されている。TXモードスイッチSW1は出力が回路基準ノードに結合されている。
【0049】
アナログ制御信号Vpは、オペアンプU3、トランジスタQ3、抵抗器R3およびTXモードスイッチSW1と組合されて、プログラム可能な電圧レギュレータを形成し得る。プログラム可能な電圧レギュレータは、トランジスタQ3の出力ソース上でプログラム可能な基準電圧源VREFPを生成および調整し得る。VREFPは、Vpのプログラム可能な基準電圧に実質的に整合するように調整され得る。Vpは、TXドライバ回路の出力における上限を定めるための任意の所望の電圧となるように生成され得る。
【0050】
TXドライバ回路600Aはさらに、第1のプログラム可能なプリドライバ回路および第2のプログラム可能なプリドライバ回路によってそれぞれ駆動される第1の出力ドライバ回路および第2の出力ドライバ回路を含む。第1の出力ドライバ回路および第2の出力ドライバ回路は、電圧スイングの上限を定めるノード615(VF1)と、電圧スイングの下限を定めるノード620(VF2)との間に並列に接続されている。
【0051】
第1の出力ドライバ回路および第2の出力ドライバ回路は、高電圧側で第1のプログラム可能な抵抗回路を介してVREFPに接続している。TX動作モードでは、第1の出力ドライバ回路および第2の出力ドライバ回路は、低電圧側で、第2のプログラム可能な抵抗回路を介して回路基準(たとえば、接地基準)に接続している。第1のプログラム可能な抵抗回路および第2のプログラム可能な抵抗回路は各々、抵抗値を有するプログラム可能な抵抗器を形成し得る。当該抵抗値は各々、インピーダンス制御ループの対応するスライス(たとえば、図3のインピーダンス制御ループ回路340のn個のスライスのうちの1つのスライスなど)からのインピーダンス制御ループ信号P3、P4にそれぞれに応じたものである。それらの例を、図7を参照してさらに詳細に説明する。
【0052】
第1のプログラム可能な抵抗回路は、pチャネルトランジスタQ1と、Q1のドレインとソースとの間に並列に接続された抵抗器R1とを含む。トランジスタQ1は、そのソースがVREFPに結合され、そのドレインがノード615(VF1)に結合されている。トランジスタQ1のゲート入力は入力端子P3に結合されている。第2のプログラム可能な抵抗回路は、nチャネルトランジスタQ2と、Q2のドレインとソースとの間に並列に接続された抵抗器R2とを含む。トランジスタQ2は、そのソースが(この例においてはモード応答スイッチSW2を介して)回路基準電位に結合されており、そのドレインがノード620(VF2)に結合されている。トランジスタQ2のゲート入力は入力端子P4に結合されている。
【0053】
第1の出力ドライバ回路は、直列抵抗器R4を介して第1の出力端子P1に被駆動信号を出力するように動作可能に結合される。抵抗器R4は、P1と、pチャネルトランジスタQ4のドレイン出力およびnチャネルトランジスタQ5のドレイン出力に接続する出力ノードとの間に結合されている。Q4のソースはノード615VF1に接続しており、Q5のソースはノード620VF2に接続している。
【0054】
第2の出力ドライバ回路は、直列抵抗器R5を介して第2の出力端子P2に被駆動信号を出力するように動作可能に結合される。抵抗器R5は、P2と、pチャネルトランジスタQ6のドレイン出力およびnチャネルトランジスタQ7のドレイン出力に接続する出力ノードとの間に結合されている。Q6のソースはノード615VF1に接続しており、Q7のソースはノード620VF2に接続している。
【0055】
第1および第2のプログラム可能なプリドライバ回路は各々、受信(receive:RX)モードで動作可能であり得ることで、それぞれの出力ドライバ回路における各トランジスタの制御端子(ゲート)に保護バイアス電圧を印加して、TXドライバ回路600Aの安全な動作仕様よりも高い駆動電圧を有する受信信号によって与えられ得る電圧ストレスから出力ドライバ回路を保護し得る。送信(transmit:TX)モードでは、プログラム可能なプリドライバ回路は、スライスごとに選択的にイネーブルにされてもよい。イネーブルにされたスライスは、データ(DIN、DINb)信号を、出力信号として送信するために、プログラム可能なプリドライバ回路を介してそれぞれの出力ドライバ回路に渡すように構成される。選択的にイネーブルにされていないスライスは、プログラム可能なプリドライバ回路を通ってそれぞれの出力ドライバ回路に到達するデータ(DIN、DINb)信号をブロックするように構成される。たとえば、非選択TXスライスは、高インピーダンス状態でスタンバイ状態となってもよい。
【0056】
図示される例においては、第1のプログラム可能なプリドライバ回路はNANDゲートU4およびNORゲートU5を含む。NANDゲートU4は、Q4のゲートを動作可能に結合する。NORゲートU5は、Q5のゲートを動作可能に結合する。U4は、スライス選択イネーブル(enable:EN)信号とデータ(DIN)信号とのNAND関数としてゲート制御信号605を生成する。U5は、スライス選択イネーブル(ENb)信号の補数とデータ(DIN)信号とのNOR関数としてゲート制御信号610を生成する。
【0057】
第2のプログラム可能なプリドライバ回路は、NANDゲートU6およびNORゲートU7を含む。NANDゲートU6はQ6のゲートを動作可能に結合する。NORゲートU7はQ7のゲートを動作可能に結合する。U6は、スライス選択イネーブル(EN)信号とデータ(DINb)信号の補数とのNAND関数としてゲート制御信号を生成する。U7は、スライス選択イネーブル(ENb)信号の補数とデータ(DINb)信号の補数とのNOR関数としてゲート制御信号を生成する。
【0058】
トランジスタQ2のソース出力はTXモードスイッチSW2の入力に結合される。TXモードスイッチSW2は第2のプログラム可能な抵抗回路と電圧基準ノードとの間に結合される。TXモードでは、SW1、SW2がともに閉じられてもよく、これにより、TXドライバ回路600AによってR4およびR5に対して出力される電圧スイングに関する上限(VREFP)および下限(電圧基準ノードまたは回路「接地」基準電位)の各々についての安定した電圧レベルが定められ得る。いくつかの実装例においては、たとえば、スライスがDINの送信のために選択的にイネーブルにされている場合、SW1、SW2がともに、TXモード中に閉じられてもよい。しかしながら、いくつかの例は、(たとえば、高インピーダンス状態で)選択的にイネーブルにされないスライスのために、TXモード中にSW1、SW2を開いたままで維持するように構成されてもよい。選択的にイネーブルにされたスライスに関してのみSW1、SW2を閉じることで、たとえば、浮遊容量を有利に低減させ得る。
【0059】
RXモード動作中、コントローラ(図示せず)がSW1、SW2を開いてもよく、これにより、TXドライバトランジスタQ4、Q5、Q6およびQ7のソースを浮動させる。これにより、RXモード動作中にTXドライバ回路を通る電流のバックフィードを防ぐとともに、たとえば、薄酸化物TXドライバ回路の動作電圧(たとえば、0.8V、コア電圧)を超える可能性のある、入来する受信信号に関連するストレスから保護し得る。
【0060】
送信モードでは、スイッチSW1およびSW2を閉じた状態で、TXドライバ回路600Aの第1の出力端子P1と第2の出力端子P2との間の電圧スイングなどのTXドライバの出力スイングがアナログ制御電圧Vpによって制御され得る。アナログ制御電圧Vpはさまざまなプロセッサによって制御され得る。たとえば、アナログ制御電圧Vpは、FPGAファブリックにおけるプロセッサおよびデジタル-アナログ変換器(digital to analog converter:DAC)実装によって制御されてもよい。いくつかの実装例においては、アナログ制御電圧Vpは、たとえばICに配線されたアナログ入力電圧によって制御されてもよい。さまざまな実装例においては、アナログ制御電圧Vpは、たとえば、さまざまなハードウェア記述言語(hardware description language:HDL)でプログラム可能であり得る。出力電圧スイングはプログラム可能であり得ることで、約100mV、200mV、300mV、400mV、500mV、600mV、700mV、800mV、900mV、または最大約1000mV以上のピーク間出力電圧を生成し得る。
【0061】
いくつかの例においては、プログラム可能な基準電圧源VREFPは、TXドライバ回路600Aの出力スイングを形成する回路を供給し得る。したがって、TXドライバ回路600Aの出力スイングはプログラム可能であり得る。たとえば、プログラム可能な基準電圧源VREFPは、アナログ制御電圧Vpを調節することによってプログラム可能に調節されてもよい。さまざまな実装例においては、プログラム可能な基準電圧源VREFPは、TXドライバ回路600Aのスライスのうちプログラム可能なスイングを実現し得るいくつかのスライスを静的にシャントすることによって調節され得る。具体的な例においては、TXドライバ回路600Aの出力電圧スイングの基となり得るVは、プログラム可能な基準電圧源VREFPと接地との間の分圧器からのタップを選択することで導出され得る。
【0062】
図6Bは、プログラム可能な下限電圧スイングのある例示的なTXドライバ回路を示す。図示された例においては、TXドライバ回路600Bの単一のスライスは、プログラム可能な電圧レギュレータ650を含むようにQ2、R2の第2のプログラム可能な抵抗回路と基準電位ノード(たとえば、回路接地)との間で修正された程度の範囲で、図6AのTXドライバ回路600Aとは異なっている。図示された実施形態の変形例は、ユーザがプログラム可能な電圧VREFNを生成するように構成されており、これにより、たとえば、TXモード動作中の電圧スイングについてのプログラム可能な下限を提供し得る。
【0063】
プログラム可能な電圧レギュレータ650はオペアンプ655およびpチャンネルトランジスタ660を含む。TXモードスイッチSW2と直列の抵抗器665と組合わせることで、プログラム可能な電圧レギュレータは、アナログ制御信号Vnを追跡するように応答し得る。プログラム可能な電圧レギュレータ650は、トランジスタ660の出力ソース上でプログラム可能な基準電圧源VREFNを生成および調整し得る。VREFNは、Vnのプログラム可能な基準電圧と実質的に整合するように調整され得る。Vnは、TXドライバ回路の出力において電圧スイングの下限を定めるための任意の所望の電圧となるように(たとえば、マルチプレクサ、デジタル-アナログ変換器で)生成され得る。
【0064】
図6Aおよび図6Bを参照して説明される実施形態を参照すると、さまざまな実施形態は、たとえばTXドライバ回路325の安全な動作マージンを超える可能性があるソースによって生成される入来信号によって誘発される電圧ストレスに対して強化された保護を事前対応的にもたらすように構成され得る。さまざまな実装例においては、このような事前対応的な保護は、有利には、たとえば、双方向ポート上で誘導される信号によって与えられる電圧ストレスへの曝露からデバイスを積極的に保護することによって、薄酸化物デバイスを用いて、より高速性能を可能にし得る。いくつかの実装例においては、これにより、たとえば、0.8Vの薄酸化物プロセスで構築されたFPGAまたはASIC(または他の集積回路タイプ)が(たとえばコモンモードとピーク差動電圧とを組合わせた)1.5V電圧スイングを出力するより高電圧のデバイスに対して双方向ポートにおいてインターフェイスされるように直接互換性をもつことを可能にし得る。いくつかの例においては、AC結合された低電圧信号によるピーク間差動電圧スイングは、少なくとも最大で約2.4Vppまでであり得る。
【0065】
受信モードでは、スイッチSW1が開かれると、Q4のソースは電圧VF1 615にまで浮動し得る。スイッチSW2が開かれると、Q5のソースは電圧VF2 620にまで浮動し得る。U4およびU5の入力への論理信号は、ゲート制御信号605のU4出力上で論理ハイVS(たとえば、Vsupply)を生成するとともに、ゲート制御信号610のU5出力上で論理ハイVSを生成するように、予め定められたレベルに設定される。さまざまな例においては、VSは、たとえば約0.9Vなどのコア電圧Vcoreであってもよい。
【0066】
外部ソースからP1に信号が入力されると、Q4のドレインとQ5のドレインと抵抗器R4の第2の端子との間の共通接続から形成される共通ノードVIN625に入力電圧が生じる。電圧VS、VF1、VF2およびVINは、トランジスタQ4およびQ5にわたって以下の差動電圧を発生させる。同様に、これらの差動電圧はトランジスタQ6およびQ7にわたって生じてもよい。
【0067】
GD(Q4)=VGD(Q5)=VIN-VS
GS(Q4)=VS-VF1
DS(Q4)=VIN-VF1
GS(Q5)=VS-VF2
DS(Q5)=VIN-VF2
さまざまな実施形態は、1つ以上の利点を達成し得る。たとえば、いくつかの実施形態は、さまざまなTXドライバ回路600Aの劣化および/またはストレスを実質的に回避または排除するために安全な動作仕様内でデバイス電圧ストレスを維持し得る差動電圧を生成し得る電圧を、さまざまなトランジスタ端子上で実現し得る。
【0068】
具体的な例においては、スイッチSW1およびSW2が開かれるように、一体型双方向ポート300(図3)などの一体型双方向ポートが受信モード用に構成される。信号は差動ポート315(図3)によって受信される。当該信号はRXバッファ回路330(図3)によって受信されてもよい。TXドライバ回路325(図3)は、差動ポート315に結合されているので、差動ポート315上に存在する電圧も受ける。具体的には、差動ポート315上の電圧はP1およびP2に存在する(図3図6A)。P1およびP2に存在する電圧ストレスからの保護については同様に対処され得る。たとえば、図6Bを参照すると、P1は、差動ポート315上に存在する信号から1.4Vの電圧を受ける可能性もある。この1.4Vは共通ノードVIN625に存在する可能性がある。電圧VF1 615およびVF2 620は、たとえば0.8Vまで浮動し得る。VS=0.9Vのコア供給電圧の場合、トランジスタQ4およびQ5にわたる差動電圧はたとえば以下のとおりであってもよい。
【0069】
GD(Q4)=VGD(Q5)=VIN-VS=1.4V-0.9V=0.5V
GS(Q4)=VS-VF1=0.9V-0.8V=0.1V
DS(Q4)=VIN-VF1=1.4V-0.8V=0.6V
GS(Q5)=VS-VF2=0.9V-0.8V=0.1V
DS(Q5)=VIN-VF2=1.4V-0.8V=0.6V
さまざまなIC作製プロセスでは、印加される電圧に限界があり得る。たとえば、薄酸化物技術を用いて作製されるトランジスタは、1Vを超える電圧によってストレスを受ける可能性および/または損傷を受ける可能性がある。開示された例においては、トランジスタの両端にわたって印加される電圧の各々は1V未満である。いくつかの実施形態においては、トランジスタの両端にわたって印加される電圧は、送信ドライバ回路(325)における2つ以上のトランジスタの各々の制御端子に供給される予め定められた動作電圧であってもよく、これは、限定ではなく一例として、約0.6V~約1.0V、たとえば、約0.7V~約0.95V、または約0.75V~約0.85Vなどである。
【0070】
図6Bの開示された例においては、トランジスタQ4およびQ5は、薄酸化物プロセスにおいて破損しないように保護され得る。したがって、TXドライバ回路325(図3)は、RXモード中の広い電圧スイングによる電圧ストレスから保護され得る。広い電圧スイングは、たとえば、一体型双方向ポート300(図3)を駆動する外部デバイスから生じる可能性もある。
【0071】
図7は例示的なインピーダンス制御ループを示す。インピーダンス制御ループ回路700は、VREFPと回路接地との間に直列に接続された抵抗器RS1~RS12で構成される抵抗器ラダーを含む。いくつかの実施形態においては、抵抗器ラダーは、VREFPとVREFNとの間に延在し得る。その実施形態を図6Bを参照してさらに説明する。抵抗器RS1~抵抗器RS6の間におけるいくつかのノードのうちの1つは、上側セレクタ705に選択的に結合され得る。抵抗器RS6~抵抗器RS12の間におけるいくつかのノードのうちの1つは、下側セレクタ710に選択的に結合され得る。セレクタ705、710は、独立して選択可能なスイッチ、またはたとえばアナログマルチプレクサを含み得る。
【0072】
上側セレクタ705の選択された出力は、オペアンプU1の非反転入力に結合される。オペアンプU1の出力は、pチャネルトランジスタQR1のゲートに結合されるとともに、P7、P3を介してQ1のゲートに結合される。QR1は、QR1を介して定められる電流によりQ1を同様の線形抵抗特性で動作させ得るように、Q1の実質的な複製となるように形成され得る。同様に、下側セレクタ710の選択された出力は、オペアンプU2の非反転入力に結合される。オペアンプU2の出力は、nチャネルトランジスタQR2のゲートに結合されるとともに、P8、P4を介してQ2のゲートに結合される。QR2は、QR2を介して定められる電流によりQ2を同様の線形抵抗特性で動作させ得るように、Q2の実質的な複製となるように形成され得る。QR1、QR2を通る電流は、pチャネルQR4、抵抗器RR4、RCALおよびRR5、ならびにnチャネルトランジスタQR7からなる直列接続構成により定められてもよい。QR4のゲートは回路接地に繋げられた状態で示されており、QR7のゲートはVREFPに引上げられるものとして示されている。U1の反転入力はRR4とRCALとの間のノードに結合されており、U2の反転入力はRCALとRR5との間のノードに結合されている。回路は、さまざまな実施形態においては、上側セレクタ705における選択された電圧と下側セレクタ710における選択された電圧との間の電圧差に応じて、QR1、QR2を通る電流を定めるように動作し得る。この場合、電流はRCALにわたって印加されるその電圧差によって設定される。
【0073】
インピーダンス制御ループ回路700は、「微調節」インピーダンス制御を実現し得る。インピーダンス制御ループ回路700は、2つの閉制御ループを、オペアンプU1およびU2の反転入力の各々において1つずつ、採用している。閉制御ループは、Q1を制御するための制御電圧をP7で生成し(図6A)、Q2を制御するための制御電圧をP8で生成する(図6A)。閉ループは、P1およびP2においてTXドライバ回路内を調べるインピーダンスを制御する(図3図6A)。さまざまな例においては、入力P1およびP2内を調べるインピーダンスは、それぞれ終端抵抗RpおよびRnを表し得る。いくつかの実装例においては、インピーダンス制御ループ回路700は、たとえば、50オームのリターンロス規格を満たすようにTXドライバ回路600Aの入力インピーダンスを調整し得る。いくつかの実装例においては、制御プロセッサは、測定された自己診断性能特性に基づいてセレクタ705、710の位置を選択するように動作し得る。
【0074】
インピーダンス制御ループ回路700は、Q1を介してTXドライバ回路600Aの出力インピーダンスを調整するために(図6A)、制御電圧を、TXドライバ回路325(図3図6A)の入力端子P3に至るインピーダンス制御ループ回路700上の出力端子P7(図3図7)に供給し得る。同様に、インピーダンス制御ループ回路700は、Q2を介してTXドライバ回路600Aの出力インピーダンスを調整するために(図6A)、制御電圧を、TXドライバ325回路上の入力端子P4(図3、6A)に至るインピーダンス制御ループ回路700上の出力端子P8(図3、7)に供給し得る。
【0075】
いくつかの実装例においては、上側セレクタ705は、オペアンプU1の非反転入力がプログラム可能な基準電圧VREFPの約3/4に結合され得るように構成され得る。同様に、下側セレクタ710は、オペアンプU2の非反転入力がプログラム可能な基準電圧VREFPの約1/4に結合され得るように構成され得る。RR4およびRR5の各々がRCALの抵抗の1/2に構成される場合、この実装例は、有利には、QR1およびQR2の抵抗を調節し得るとともに、関連するトランジスタQ1およびQ2(図6A)の抵抗を調節し得ることで、TXドライバ回路600A(図6A)の出力インピーダンスがセレクタ705、710の状態に応じて制御され得るようにする。
【0076】
さまざまな実装例においては、精度(たとえば、約1%、0.5%、0.2%、または約0.1%の許容差のある)抵抗器は、TXドライバの粗い出力インピーダンスを設定するための基準としての役割を果たし得る。いくつかの例においては、基準抵抗器は、双方向ポートを具現化するFPGAまたはASICの外部にあってもよい。いくつかの実装例は、外部基準抵抗器に基づくルックアップテーブルを用いて、何個のスライスをイネーブルすべきかを判断し得る。イネーブルにすべきいくつかのスライスを選択することにより、プログラム可能な抵抗器に対する粗い調節をもたらし得る。いくつかの実装例においては、イネーブルにされたスライスの数はさまざまであり得る。たとえば、イネーブルにされたスライスの数は、たとえば、TX出力抵抗特性におけるプロセス関連の変化を追跡するために、52から68まで変化し得る。
【0077】
図8は、TX出力ドライバのためのプログラム可能な抵抗の粗い制御および微細な制御のための例示的なプロセスを示す。図示される例においては、プロセスフロー800は、プロセッサによる状態機械または命令のプログラムの実行によってTXドライバ出力抵抗に対する近似(粗い)調節とさらには微細な調節とを定めるための、例示的な自動化された自己較正シーケンスを提供する。自動化されたプロセスフロー800は、イネーブルにすべきTXドライバ回路325のスライスの数を決定し、その後、セレクタ705、710などのプログラム可能な選択回路に応答して微細な調節を行うステップを含む。プロセッサ、たとえば、マイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ、または状態機械などは、たとえばプロセスフロー800の動作を実行するように構成され得る。動作のうちのいくつかは、データストア(たとえば、メモリ空間位置)に格納され得るデータおよび/または命令を検索することによって実行され得る。いくつかの動作は、双方向ポートを含むICの内部または外部のデータストアに存在し得るメモリ位置(たとえば、レジスタ)に、決定されたパラメータデータ値を格納するステップを含み得る。
【0078】
粗い抵抗値を定めるために、プロセスフロー800は、805において、双方向ポート300を含むICの外部に位置し得る基準抵抗器(Rref)の抵抗測定を決定することから開始される。さまざまな実施形態において、基準抵抗器は精密抵抗器であってもよい。810において、プロセスは、予め定められたルックアップテーブルから検索すべきRref値を用いて、TXドライバ回路325内でイネーブルにすべきスライスの数(E)を決定する。ルックアップテーブルは、TXドライバ回路325についての粗い出力抵抗または近似の出力抵抗を達成するために、Rref値範囲をイネーブルにすべきスライスの数にまでマッピングし得る。815において、プロセスは、TXドライバ回路325のE個のスライスを送信用にアクティブにするために、適切な選択的イネーブル信号を生成する。図6Aおよび図6Bに示される実施形態を参照すると、図示されるスライスについてのイネーブル信号はEN、ENbである。
【0079】
粗い抵抗値をより微細な許容範囲に調節するために、プロセスフロー800は、出力ドライバトランジスタ(たとえば、図6AのQ1~Q4)と直列な要素の抵抗を制御するための制御信号を印加してもよい。具体的な例においては、微細な調節は、Q1、Q2のそれぞれのゲートを介して第1および第2のプログラム可能な抵抗回路を制御することによって行われてもよい(図6Aおよび図6B)。これらの微調整制御信号は、たとえば、図7のインピーダンス制御ループ回路700によって生成されてもよい。選択的にイネーブルにされたE個のTXドライバ回路325の抵抗を調節するための自動プロセスは、820aにおいて、上側可変抵抗器Rupperのための第1のセレクタ入力を受信するステップを含む。最初に、第1のセレクタ入力(たとえば、上側セレクタ705)は、予め定められたデフォルト値(たとえば、RS1とRS2との間のノード)に設定されてもよい。並行して、選択的にイネーブルにされたE個のTXドライバ回路325の抵抗を調節するための自動プロセスはさらに、820bにおいて、下側可変抵抗器Rlowerのための第2のセレクタ入力を受信するステップを含む。最初に、第2のセレクタ入力(たとえば、下側セレクタ710)は、予め定められたデフォルト値(たとえば、RS11とRS12との間のノード)に設定されてもよい。
【0080】
820aにおいて第1のセレクタ入力が受信されると、825aにおいて、反射性能が仕様内であるか否かが判断される。仕様内であれば、850において、Rupper値がデータストアに格納される。仕様内でなければ、830aにおいて、Rupperを増加させる必要があるかどうかが判断される。Rupperを増加させる必要がある場合、835aにおいて、セレクタ入力を(たとえば、抵抗器ラダーRS1~RS5における低電位ノードにまで)低下させるための措置が取られ、次いで、制御が820aに戻る。Rupperを低下させる必要がある場合、840aにおいて、セレクタ入力を(たとえば、抵抗器ラダーRS7~RS12の高電位ノードにまで)増加させるための措置が取られ、次いで、制御が820aに戻る。
【0081】
820bにおいて第2のセレクタ入力が受信されると、825bにおいて、反射性能が仕様内であるか否かが判断される。仕様内であれば、850において、Rlower値がデータストアに格納される。仕様内でなければ、830bにおいて、Rlowerを増加させる必要があるかどうかが判断される。Rlowerを増加させる必要がある場合、835bにおいて、セレクタ入力を(たとえば、抵抗器ラダーRS1~RS5における低電位ノードにまで)低下させるための措置が取られ、次いで、制御が820bに戻る。Rlowerを低下させる必要がある場合、840bにおいて、セレクタ入力を(たとえば、抵抗器ラダーRS7~RS12の高電位ノードにまで)増加させる措置が取られ、次いで、制御が820bに戻る。
【0082】
いくつかの実施形態においては、825a、825bにおける性能に関する決定は、たとえば、試験期間にわたるビットエラーレートに基づいて間接的に性能を評価するステップを含み得る。繰り返し調節することで、たとえば、低下または増加させること(たとえば、835a、840a)により、反射性能とこれによりビットエラーレートとが改善されるかまたはより悪化するかを判断してもよい。
【0083】
図9は、双方向ポート制御方法の例示的なフローチャートを示す。双方向ポート制御方法900は、送信モードまたは受信モードでの動作のために、さまざまな実施形態に従って双方向ポート300を構成するためのものである。方法900は決定ブロック905から開始される。方法900は決定ブロック905においてモードを判断する。モードが「受信」である場合、方法900はプロセスブロック910に進む。プロセスブロック910において、方法900は、スイッチSW1およびSW2をオフにする。方法はブロック915に進む。プロセスブロック915において、方法900は、スイッチSW3、SW4およびSW5をオンにする。方法900は920に進む。920において、方法900は、EN=0に設定し、ENb=1に設定する。方法は925に進む。925において、方法900はDIN=0に設定し、DINb=1に設定する。方法は930に進む。930において、プロセス900はデータを受信する。
【0084】
905において、モードが「送信」である場合、方法900は935に進む。935において、方法900はスイッチSW1およびSW2をオンにする。方法は940に進む。940において、方法900はスイッチSW3、SW4、およびSW5をオフにする。方法900は945に進む。945において、方法900はEN=1に設定し、ENb=0に設定する。方法900は950に進む。950において、方法900は、DINにデータを適用し、補完されたデータをDINbに適用する。方法は955に進む。955において、プロセス900はデータを送信する。
【0085】
図を参照してさまざまな実施形態を説明してきたが、他の実施形態も実現可能である。たとえば、いくつかの実施形態は複数のスライスに並列化され得る。これらのスライスは、さまざまなパラメータを調節するためにイネーブルおよびディスエーブルにされ得る。TXモードで動作する双方向ポート付きのFPGAファブリックにおいては、いくつかの実施形態は、たとえば、動作中に、またはユーザによって、動的に設定され得るプログラム可能な電圧スイングをもたらし得る。電圧スイングは、たとえば、当該電圧スイングが発生している回路の駆動およびインピーダンス特性に従って、電圧のインターフェイス仕様に対応するように調節され得る。いくつかの実施形態においては、識別アルゴリズムは、現場で判断される回路構成との互換性のために必要とされる電気的特性を識別するのに十分な情報を受信し得る。このため、潜在的な電圧スイングおよび出力インピーダンス特性の予めプログラムされたアレイにアクセスすることで、現場での展開中に起こり得るさまざまな潜在的な実装によりインターフェイスを最適化し得る。同様に、RX電気的特性は、現場での動作時に遭遇する可能性がある電気的特性に整合させるように、予め定められた基準に従ってフィールド構成されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態においては、電圧スイング、出力インピーダンスおよび/または入力/コモンモード特性のために静的設定が符号化され得る。いくつかの実施形態においては、静的な構成設定は、FPGAのプログラムされたファブリックにおけるハードウェア構成として実装され得る。データ記憶媒体を採用する実装例の場合、静的な設定は、たとえば、メモリレジスタ内の構成ファイルにロードされて電源投入時に取出され得るとともに適用され得ることでハードウェアを構成し得る。
【0087】
さまざまな実施形態を用いて、データ信号および/またはクロック信号が受信され得る。外部信号は、たとえば直列コンデンサを介して双方向ポートにAC結合されてもよい。動作時に、いくつかの実施形態は、差動信号を受信および/または送信するように構成され得る。いくつかの差動信号は、終端回路におけるコモンモード電圧の印加によって実質的に補償され得るコモンモードオフセットを呈し得る。
【0088】
いくつかの実施形態は、シングルエンド信号で動作し得る。シングルエンド入力により、図3を参照して説明されるピン305、310などのポートのうちの1つが省かれ得る。
【0089】
実施形態のいくつかの局面は、コンピュータシステムとして実装され得る。たとえば、さまざまな実装例は、デジタルおよび/またはアナログ回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを含み得る。装置要素は、プログラム可能なプロセッサによる実行のために、情報キャリアにおいて(たとえば、機械可読記憶装置において)有形に具現化されたコンピュータプログラム製品において実装され得る。また、方法は、入力データに対して動作するとともに出力を生成することによってさまざまな実施形態の機能を実行するための命令のプログラムを実行するプログラム可能なプロセッサによって実行され得る。いくつかの実施形態は、データストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび/または少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信するとともにそれらにデータおよび命令を送信するように結合された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムにおいて有利に実装され得る。コンピュータプログラムは、特定のアクティビティを実行するかまたは特定の結果をもたらすために、コンピュータにおいて直接的または間接的に使用され得る命令のセットである。コンピュータプログラムは、コンパイルされた言語または解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、またはコンピューティング環境での使用に適したモジュール、コンポーネント、サブルーチンもしくは他のユニットとして含む任意の形態で展開することができる。
【0090】
命令のプログラムを実行するのに適したプロセッサは、任意の種類のコンピュータのうち単一のプロセッサまたは複数のプロセッサのうちの1つを含み得る汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサをともに、限定ではなく一例として含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはこれら両方から命令およびデータを受信するだろう。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つ以上のメモリである。コンピュータプログラム命令およびデータを有形に具現化するのに適した記憶装置は、一例として、半導体メモリデバイス、たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、たとえば、内部ハードディスクおよび取外し可能ディスクなど、光磁気ディスク、ならびに、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含むあらゆる形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit:ASIC)によって補なわれてもよく、またはASICに組込まれてもよい。いくつかの実施形態においては、プロセッサおよびメンバーは、たとえばFPGAなどのハードウェアプログラム可能デバイスによって補なわれてもよく、またはハードウェアプログラム可能デバイスに組込まれてもよい。
【0091】
いくつかの実装例においては、各システムは、同じ情報もしくは同様の情報でプログラムされてもよく、ならびに/または、揮発性メモリおよび/もしくは不揮発性メモリに格納された実質的に同一の情報で初期化されてもよい。たとえば、1つのデータインターフェイスは、デスクトップコンピュータまたはサーバなどの適切なホストデバイスに結合されたときに自動設定、自動ダウンロードおよび/または自動更新機能を実行するように構成されてもよい。
【0092】
さまざまな実施形態においては、コンピュータシステムは非一時的メモリを含み得る。メモリは、プロセッサ実行可能プログラム命令を含むデータおよびコンピュータ可読命令を符号化するように構成され得る1つ以上のプロセッサに接続され得る。当該データおよびコンピュータ可読命令には1つ以上のプロセッサがアクセス可能であり得る。プロセッサ実行可能プログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサにさまざまな動作を実行させ得る。
【0093】
さまざまな実施形態においては、コンピュータシステムは、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)デバイスを含み得る。IoTデバイスは、電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータおよびネットワーク接続に埋込まれたオブジェクトを含み得ることで、これらのオブジェクトがデータを収集してやり取りすることを可能にし得る。IoTデバイスは、データをインターフェイスを介して別のデバイスに送信することによって有線デバイスまたは無線デバイスとともに使用され得る。IoTデバイスは、有用なデータを収集し得るとともに、他のデバイス間で当該データを自律的に流動させ得る。
【0094】
いくつかの実装例においては、1対の電気ノードは、差動電気信号を送信ドライバ回路(325)から1対の端子(305,310)に双方向に伝達するとともに、差動電気信号を1対の端子(305,310)から受信機バッファ回路(330)に伝達するように構成される。
【0095】
いくつかの実施形態は、たとえばTXドライバ回路内に薄いゲート誘電体構造を組込んでいてもよい。いくつかの実装例においては、薄いゲート誘電体は、誘電体として酸化物を含み得る。限定ではなく例示を目的として、薄いゲート誘電体は、たとえばSiN(窒化シリコン)などの他の誘電材料を含んでいてもよい。
【0096】
いくつかの実装例を説明してきたが、さまざまな変更が加えられ得ることが理解されるだろう。たとえば、開示される技術のステップが異なる順序で実行された場合、または開示されるシステムの構成要素が異なる方法で組み合わされた場合、または構成要素が他の構成要素で補なわれた場合でも、有利な結果が達成され得る。したがって、他の実装例は添付の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9