IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7555357画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネル、表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネル、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240913BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240913BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240913BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 621K
G09G3/20 622D
G09G3/20 623B
G09G3/20 623D
G09G3/20 624B
H10K59/12
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021568315
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020119367
(87)【国際公開番号】W WO2021082869
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】201911061511.3
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リウ ドンニー
(72)【発明者】
【氏名】スアン ミンフア
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオチュアン
(72)【発明者】
【氏名】ドン シュエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ハオリアン
(72)【発明者】
【氏名】ユエ ハン
(72)【発明者】
【氏名】コン ニン
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-077812(JP,A)
【文献】特開2000-347622(JP,A)
【文献】特開2005-010741(JP,A)
【文献】特開2000-284751(JP,A)
【文献】特開2015-049335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0049125(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0240400(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104795026(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H01L33/00-33/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ書き込みサブ回路、駆動サブ回路、及び制御サブ回路を備え、前記駆動サブ回路は、駆動トランジスタを含み、
前記データ書き込みサブ回路は、第1走査信号端子、第2走査信号端子、第3走査信号端子、第1データ信号端子、第2データ信号端子、及び駆動サブ回路に接続されており;前記データ書き込みサブ回路は、受信された前記第1走査信号端子からの第1走査信号及び前記第3走査信号端子からの第3走査信号に応答して、前記第1データ信号端子から提供された第1データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように、且つ、受信された前記第2走査信号端子からの第2走査信号及び前記第3走査信号端子からの第3走査信号に応答して、第2データ信号端子から提供された第2データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように、配置されており、
前記制御サブ回路は、イネーブル信号端子、第1電源電圧信号端子、前記駆動サブ回路、及び駆動待ち素子に接続されており;前記制御サブ回路は、受信された前記イネーブル信号端子からのイネーブル信号に応答して、前記第1電源電圧信号端子と前記駆動トランジスタとを接続させ、前記駆動トランジスタと前記駆動待ち素子とを接続させるように配置されており、
前記駆動サブ回路は、さらに前記第1電源電圧信号端子に接続されており;前記駆動サブ回路は、前記第1データ信号と前記第1電源電圧信号端子から提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を前記駆動待ち素子に出力して、前記駆動待ち素子の動作を駆動するように、且つ、前記第2データ信号と前記第1電源電圧信号に応じて、前記駆動待ち素子を動作状態又は非動作状態に制御するように、配置されている、画素駆動回路。
【請求項2】
前記駆動サブ回路は、キャパシタをさらに含み、
前記駆動トランジスタのゲートはノードに接続され、前記駆動トランジスタの第1極は、前記データ書き込みサブ回路及び前記制御サブ回路に接続され、前記駆動トランジスタの第2極は、前記データ書き込みサブ回路及び前記制御サブ回路に接続されており、
前記キャパシタの一端は前記ノードに接続され、前記キャパシタの他端は前記第1電源電圧信号端子に接続されている、請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項3】
前記データ書き込みサブ回路は、第1データ書き込みサブ回路と、第2データ書き込みサブ回路とを含み、
前記第1データ書き込みサブ回路は、前記第1走査信号端子、前記第3走査信号端子、前記第1データ信号端子、及び駆動サブ回路に接続されており;前記第1データ書き込みサブ回路は、受信された前記第1走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第1データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように配置されており、
前記第2データ書き込みサブ回路は、前記第2走査信号端子、前記第3走査信号端子、前記第2データ信号端子、及び駆動サブ回路に接続されており;前記第2データ書き込みサブ回路は、受信された前記第2走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第2データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように配置されている、請求項2に記載の画素駆動回路。
【請求項4】
前記第1データ書き込みサブ回路は、第2トランジスタと第3トランジスタとを含み、
前記第2トランジスタのゲートは前記第1走査信号端子に接続され、前記第2トランジスタの第1極は前記第1データ信号端子に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続されており、
前記第3トランジスタのゲートは前記第3走査信号端子に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記ノードに接続されている、請求項3に記載の画素駆動回路。
【請求項5】
前記第2データ書き込みサブ回路は、第4トランジスタと第3トランジスタとを含み、
前記第4トランジスタのゲートは前記第2走査信号端子に接続され、前記第4トランジスタの第1極は前記第2データ信号端子に接続され、前記第4トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続されており、
前記第3トランジスタのゲートは前記第3走査信号端子に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記ノードに接続されている、請求項3に記載の画素駆動回路。
【請求項6】
前記制御サブ回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを含み、
前記第5トランジスタのゲートは前記イネーブル信号端子に接続され、前記第5トランジスタの第1極は前記第1電源電圧信号端子に接続され、前記第5トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続されており、
前記第6トランジスタのゲートは前記イネーブル信号端子に接続され、前記第6トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に接続され、前記第6トランジスタの第2極は前記駆動待ち素子の第1極に接続されている、請求項1~請求項5のいずれかに記載の画素駆動回路。
【請求項7】
前記画素駆動回路はリセットサブ回路をさらに含み、
前記リセットサブ回路は、第1リセット信号端子、初期電圧信号端子、及び前記駆動サブ回路に接続されており;前記リセットサブ回路は、受信された前記第1リセット信号端子からの第1リセット信号に応答して、前記初期電圧信号端子から提供された初期電圧信号を前記駆動サブ回路に伝送するように配置されている、請求項1~請求項6のいずれかに記載の画素駆動回路。
【請求項8】
前記リセットサブ回路は、第7トランジスタを含み、
前記第7トランジスタのゲートは、前記第1リセット信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第1極は、前記初期電圧信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第2極は、前記駆動サブ回路に接続されている、請求項7に記載の画素駆動回路。
【請求項9】
前記リセットサブ回路は、さらに第2リセット信号端子及び前記駆動待ち素子に接続されており;前記リセットサブ回路は、さらに、受信された前記第2リセット信号端子からの第2リセット信号に応答して、前記初期電圧信号を前記駆動待ち素子に伝送するように配置されている、請求項7に記載の画素駆動回路。
【請求項10】
前記リセットサブ回路は、第7トランジスタと第8トランジスタとを含み、
前記第7トランジスタのゲートは、前記第1リセット信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第1極は、前記初期電圧信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第2極は、前記駆動サブ回路に接続されており、
前記第8トランジスタのゲートは、前記第2リセット信号端子に接続され、前記第8トランジスタの第1極は、前記初期電圧信号端子に接続され、前記第8トランジスタの第2極は、前記駆動待ち素子に接続されている、請求項9に記載の画素駆動回路。
【請求項11】
複数の請求項1~請求項10のいずれかに記載の画素駆動回路と、
複数の駆動待ち素子であって、駆動待ち素子の各々は、対応する1つの画素駆動回路に接続されている複数の駆動待ち素子と、を備える、表示パネル。
【請求項12】
前記表示パネルは、複数のサブ画素領域を有し、画素駆動回路の各々は、1つのサブ画素領域に設けられ、
前記表示パネルは、
複数の第1走査信号線であって、同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第1走査信号端子は、対応する1つの第1走査信号線に接続されている、複数の第1走査信号線と、
複数の第2走査信号線であって、同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第2走査信号端子は、対応する1つの第2走査信号線に接続されている、複数の第2走査信号線と、
複数の第3走査信号線であって、同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第3走査信号端子は、対応する1つの第3走査信号線に接続されている、複数の第3走査信号線と、をさらに備える、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
複数の第1データ線であって、同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第1データ信号端子は、対応する1つの第1データ線に接続されている、複数の第1データ線と、
複数の第2データ線であって、同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第2データ信号端子は、対応する1つの第2データ線に接続されている、複数の第2データ線とをさらに備える、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
複数のデータ線であって、同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第1データ信号端子及び第2データ信号端子は、いずれも対応する1つのデータ線に接続されている、複数のデータ線をさらに備える、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項15】
複数のイネーブル信号線であって、同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続されたイネーブル信号線は、対応する1つのイネーブル信号線に接続されている、複数のイネーブル信号線をさらに備える、請求項12~請求項14のいずれかに記載の表示パネル。
【請求項16】
請求項11~請求項15のいずれかに記載の表示パネルを備える、表示装置。
【請求項17】
請求項1~請求項10のいずれかに記載の画素駆動回路の駆動方法であって、
第1段階で、前記データ書き込みサブ回路は、受信された前記第1走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第1データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うことと、
第2段階で、前記制御サブ回路は、受信された前記イネーブル信号に応答して、前記駆動トランジスタと前記第1電源電圧信号端子とを接続させ、前記駆動トランジスタと前記駆動待ち素子とを接続させ;前記駆動サブ回路は、前記第1データ信号と前記第1電源電圧信号に応じて、前記駆動信号を前記駆動待ち素子に出力して、前記駆動待ち素子の動作を駆動することと、
第3段階で、前記データ書き込みサブ回路は、受信された前記第2走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第2データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うことと、
第4段階で、前記制御サブ回路は、受信された前記イネーブル信号に応答して、前記駆動トランジスタと前記第1電源電圧信号端子とを接続させ、前記駆動トランジスタと前記駆動待ち素子とを接続させ;前記駆動サブ回路は、前記第2データ信号と前記第1電源電圧信号に応じて、前記駆動待ち素子を動作状態又は非動作状態に制御することとを備える、画素駆動回路の駆動方法。
【請求項18】
前記画素駆動回路は、第1リセット信号端子、初期電圧信号端子、及び前記駆動サブ回路に接続されているリセットサブ回路をさらに含み、
前記第1段階の前に、前記画素駆動回路の駆動方法は、
リセット段階で、前記リセットサブ回路が、受信された前記第1リセット信号端子からの第1リセット信号に応答して、前記初期電圧信号端子から提供された初期電圧信号を前記駆動サブ回路に伝送することをさらに備える、請求項17に記載の画素駆動回路の駆動方法。
【請求項19】
前記リセットサブ回路は、さらに第2リセット信号端子及び前記駆動待ち素子に接続されており、
前記画素駆動回路の駆動方法は、
前記リセット段階で、前記リセットサブ回路が、受信された前記第2リセット信号端子からの第2リセット信号に応答して、前記初期電圧信号を前記駆動待ち素子に伝送することをさらに備える、請求項18に記載の画素駆動回路の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、2019年11月1日に出願された出願番号が201911061511.3である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、特に画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネル、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
Micro LED(マイクロ発光ダイオード)及びMini LED(ミニ発光ダイオード)表示装置は、有機発光ダイオード(OLED)よりも発光効率及び信頼性が高く、消費電力が低いため、今後の表示製品の主流になる可能性がある。Micro LED表示装置及びMini LED表示装置は、画素駆動回路を用いて、LEDを駆動して発光させ、表示を実現するため、Micro LED表示装置及びMini LED表示装置の表示効果を確保するには、画素駆動回路の構造は非常に重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、データ書き込みサブ回路、駆動サブ回路、及び制御サブ回路を備える画素駆動回路が提供される。前記駆動サブ回路は、駆動トランジスタを含む。前記データ書き込みサブ回路は、第1走査信号端子、第2走査信号端子、第3走査信号端子、第1データ信号端子、第2データ信号端子、及び駆動サブ回路に接続されている。前記データ書き込みサブ回路は、受信された前記第1走査信号端子からの第1走査信号及び前記第3走査信号端子からの第3走査信号に応答して、前記第1データ信号端子から提供された第1データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように、且つ、受信された前記第2走査信号端子からの第2走査信号及び前記第3走査信号端子からの第3走査信号に応答して、第2データ信号端子から提供された第2データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように、配置されている。
【0005】
前記制御サブ回路は、イネーブル信号端子、第1電源電圧信号端子、前記駆動サブ回路、及び前記駆動待ち素子に接続されている。前記制御サブ回路は、受信された前記イネーブル信号端子からのイネーブル信号に応答して、前記第1電源電圧信号端子と前記駆動トランジスタとを接続させ、前記駆動トランジスタと前記駆動待ち素子とを接続させるように配置されている。
【0006】
前記駆動サブ回路は、前記第1電源電圧信号端子に接続されている。前記駆動サブ回路は、前記第1データ信号と前記第1電源電圧信号端子から提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を前記駆動待ち素子に出力して、前記駆動待ち素子の動作を駆動するように、且つ、前記第2データ信号と前記第1電源電圧信号に応じて、前記駆動待ち素子を動作状態又は非動作状態に制御するように、配置されている。
【0007】
幾つかの実施例において、前記駆動サブ回路は、キャパシタをさらに含む。前記駆動トランジスタのゲートはノードに接続され、前記駆動トランジスタの第1極は、前記データ書き込みサブ回路及び前記制御サブ回路に接続され、前記駆動トランジスタの第2極は、前記データ書き込みサブ回路及び前記制御サブ回路に接続されている。前記キャパシタの一端は前記ノードに接続され、前記キャパシタの他端は前記第1電源電圧信号端子に接続されている。
【0008】
幾つかの実施例において、前記データ書き込みサブ回路は、第1データ書き込みサブ回路と、第2データ書き込みサブ回路とを含む。前記第1データ書き込みサブ回路は、前記第1走査信号端子、前記第3走査信号端子、前記第1データ信号端子、及び駆動サブ回路に接続されている。前記第1データ書き込みサブ回路は、受信された前記第1走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第1データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように配置されている。前記第2データ書き込みサブ回路は、前記第2走査信号端子、前記第3走査信号端子、前記第2データ信号端子、及び駆動サブ回路に接続されている。前記第2データ書き込みサブ回路は、受信された前記第2走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第2データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行うように配置されている。
【0009】
幾つかの実施例において、前記第1データ書き込みサブ回路は、第2トランジスタと第3トランジスタとを含む。前記第2トランジスタのゲートは前記第1走査信号端子に接続され、前記第2トランジスタの第1極は前記第1データ信号端子に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続されている。前記第3トランジスタのゲートは前記第3走査信号端子に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記ノードに接続されている。
【0010】
幾つかの実施例において、前記第2データ書き込みサブ回路は、第4トランジスタと第3トランジスタとを含む。前記第4トランジスタのゲートは前記第2走査信号端子に接続され、前記第4トランジスタの第1極は前記第2データ信号端子に接続され、前記第4トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続されている。前記第3トランジスタのゲートは前記第3走査信号端子に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記ノードに接続されている。
【0011】
幾つかの実施例において、前記制御サブ回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを含む。前記第5トランジスタのゲートは前記イネーブル信号端子に接続され、前記第5トランジスタの第1極は前記第1電源電圧信号端子に接続され、前記第5トランジスタの第2極は前記駆動トランジスタの第1極に接続されている。前記第6トランジスタのゲートは前記イネーブル信号端子に接続され、前記第6トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの第2極に接続され、前記第6トランジスタの第2極は前記駆動待ち素子の第1極に接続されている。
【0012】
幾つかの実施例において、前記画素駆動回路はリセットサブ回路をさらに含む。前記リセットサブ回路は、第1リセット信号端子、初期電圧信号端子、及び前記駆動サブ回路に接続されている。前記リセットサブ回路は、受信された前記第1リセット信号端子からの第1リセット信号に応答して、前記初期電圧信号端子から提供された初期電圧信号を前記駆動サブ回路に伝送するように配置されている。
【0013】
幾つかの実施例において、前記リセットサブ回路は、第7トランジスタを含む。前記第7トランジスタのゲートは、前記第1リセット信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第1極は、前記初期電圧信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第2極は、前記駆動サブ回路に接続されている。
【0014】
幾つかの実施例において、前記リセットサブ回路は、さらに第2リセット信号端子及び前記駆動待ち素子に接続されている。前記リセットサブ回路は、さらに、受信された前記第2リセット信号端子からの第2リセット信号に応答して、前記初期電圧信号を前記駆動待ち素子に伝送するように配置されている。
【0015】
幾つかの実施例において、前記リセットサブ回路は、第7トランジスタと第8トランジスタとを含む。前記第7トランジスタのゲートは、前記第1リセット信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第1極は、前記初期電圧信号端子に接続され、前記第7トランジスタの第2極は、前記駆動サブ回路に接続されている。前記第8トランジスタのゲートは、前記第2リセット信号端子に接続され、前記第8トランジスタの第1極は、前記初期電圧信号端子に接続され、前記第8トランジスタの第2極は、前記駆動待ち素子に接続されている。
【0016】
別の態様では、複数の上記のような画素駆動回路及び複数の駆動待ち素子を備える表示パネルが提供される。駆動待ち素子の各々は、対応する1つの画素駆動回路に接続されている。
【0017】
幾つかの実施例において、前記表示パネルは、複数のサブ画素領域を有し、画素駆動回路の各々は、1つのサブ画素領域に設けられている。前記表示パネルは、複数の第1走査信号線、複数の第2走査信号線、及び複数の第3走査信号線をさらに備える。同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第1走査信号端子は、対応する1つの第1走査信号線に接続されている。同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第2走査信号端子は、対応する1つの第2走査信号線に接続されている。同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第3走査信号端子は、対応する1つの第3走査信号線に接続されている。
【0018】
幾つかの実施例において、前記表示パネルは、複数の第1データ線及び複数の第2データ線をさらに備える。同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第1データ信号端子は、対応する1つの第1データ線に接続されている。同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第2データ信号端子は、対応する1つの第2データ線に接続されている。
【0019】
幾つかの実施例において、前記表示パネルは、複数のデータ線をさらに備える。同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第1データ信号端子及び第2データ信号端子は、いずれも対応する1つのデータ線に接続されている。
【0020】
幾つかの実施例において、前記表示パネルは、複数のイネーブル信号線をさらに含む。同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続されたイネーブル信号端子は、対応する1つのイネーブル信号線に接続されている。
【0021】
さらに別の態様では、上記のような表示パネルを備える表示装置が提供される。
【0022】
さらに別の態様では、以下のような手順を含む、上記のような画素駆動回路の駆動方法が提供される。第1段階で、前記データ書き込みサブ回路は、受信された前記第1走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第1データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行う。第2段階で、前記制御サブ回路は、受信された前記イネーブル信号に応答して、前記駆動トランジスタと前記第1電源電圧信号端子とを接続させ、前記駆動トランジスタと前記駆動待ち素子とを接続させ;前記駆動サブ回路は、前記第1データ信号と前記第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を前記駆動待ち素子に出力して、前記駆動待ち素子の動作を駆動する。第3段階で、前記データ書き込みサブ回路は、受信された前記第2走査信号及び前記第3走査信号に応答して、前記第2データ信号を前記駆動サブ回路に書き込み、前記駆動トランジスタに対して閾値電圧補償を行う。第4段階で、前記制御サブ回路は、受信された前記イネーブル信号に応答して、前記駆動トランジスタと前記第1電源電圧信号端子とを接続させ、前記駆動トランジスタと前記駆動待ち素子とを接続させ;前記駆動サブ回路は、前記第2データ信号と前記第1電源電圧信号に応じて、前記駆動待ち素子を動作状態又は非動作状態に制御する。
【0023】
幾つかの実施例において、前記画素駆動回路は、リセットサブ回路をさらに備え、前記リセットサブ回路は、第1リセット信号端子、初期電圧信号端子、及び前記駆動サブ回路に接続されている。前記第1段階の前に、前記画素駆動回路の駆動方法は、リセット段階で、前記リセットサブ回路が、受信された前記第1リセット信号端子からの第1リセット信号に応答して、初期電圧信号端子から提供された初期電圧信号を前記駆動サブ回路に伝送することをさらに備える。
【0024】
幾つかの実施例において、前記リセットサブ回路は、さらに第2リセット信号端子及び前記駆動待ち素子に接続されている。前記画素駆動回路の駆動方法は、前記リセット段階で、前記リセットサブ回路が、受信された前記第2リセット信号端子からの第2リセット信号に応答して、前記初期電圧信号を前記駆動待ち素子に伝送することをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の幾つかの実施例又は先行技術における技術案をより明確に説明するために、以下は本開示の幾つかの実施例又は先行技術の説明に用いられる図面について簡単に紹介する。以下の説明における図面は、本開示の幾つかの実施例の図面に過ぎないことは明らかである。当業者であれば、これらの図面によって他の図面が取得することができる。さらに、以下の説明における図面は、概略図と見なすことができ、本開示の実施例に係る製品の実際の寸法、方法の実際のプロセス、信号の実際のタイミングなどを限定するものではない。
図1A】関連技術におけるOLEDを駆動する画素駆動回路の回路構成図である。
図1B】関連技術におけるOLEDを駆動する画素駆動回路のタイミング図である。
図2A】OLED及びMicro LED又はMini LEDの色座標と階調との関係図である。
図2B】Micro LED又はMini LEDが赤色光を発する時の発光効率と電流密度との関係図である。
図2C】Micro LED又はMini LEDが緑色光を発する時の発光効率と電流密度との関係図である。
図2D】Micro LED又はMini LEDが青色光を発する時の発光効率と電流密度との関係図である。
図3】本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路の構造ブロック図である。
図4】本開示の幾つかの実施例に係る別の画素駆動回路の構造ブロック図である。
図5】本開示の幾つかの実施例に係る更に別の画素駆動回路の構造ブロック図である。
図6】本開示の幾つかの実施例に係る更に別の画素駆動回路の構造ブロック図である。
図7】本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路の回路構造図である。
図8】本開示の幾つかの実施例に係る別の画素駆動回路の回路構造図である。
図9】本開示の幾つかの実施例に係る更に別の画素駆動回路の回路構造図である。
図10】本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路の駆動方法のフローチャートである。
図11A】本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路のタイミング図である。
図11B】本開示の幾つかの実施例に係る別の画素駆動回路のタイミング図である。
図12】本開示の幾つかの実施例に係る更に別の画素駆動回路の回路構造図である。
図13A】本開示の幾つかの実施例に係る表示パネルの構造図である。
図13B】本開示の幾つかの実施例に係る別の表示パネルの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下は、図面を参照し、本開示の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。無論、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではないと理解されるべきである。本開示における実施例に基づき、当業者が取得する他のすべての実施例は、本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【0027】
文脈上別段の解釈を要しない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体において、用語「含む(comprise)」及びその他の形式、例えば、第三人称の単数形である「含む(comprises)」及び現在分詞の形式である「含む(comprising)」は、開放、包括的な意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。明細書の説明において、用語「1つの実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施例(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定の例(specific example)」、又は「幾つかの例(some examples)」などは、この実施例又は例に関連する特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことが意図される。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれ得る。
【0028】
以下、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示する、又は技術的特徴の数を明示又は暗示すると理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の実施例の説明では、特に説明がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0029】
幾つかの実施例を説明する時、「接続」及びそれに由来する表現を使用する場合がある。例えば、幾つかの実施例を説明する時、2つ又は2つ以上の構成要素がお互いに直接的な物理的又は電気的接触を有することを示すように、「接続」という用語を使用する場合がある。ここに開示された実施例は、必ずしも本明細書の内容に限定されない。
【0030】
本開示の実施例に係る回路では、ノードは実際に存在する部品を表すものではなく、回路図における関連する電気接続の合流点を表すものであり、即ち、ノードは、回路図における関連する電気接続の合流点によって等価に形成される点である。
【0031】
本明細書で使用されるように、文脈に応じて、用語「……場合」は、「……時」又は「……際」又は「……の決定に応答して」又は「……の検出に応答して」を意味すると任意選択的に解釈される。
【0032】
本明細書において、「…ように配置される」は、追加のタスク又はステップを実行するように適用又は配置される装置を排除しない開放的且つ包括的な言語を意味する。
【0033】
また、「に基づいて」の使用は、1つ又は複数の前記条件に「基づいて」行われる手順、ステップ、計算、又は他の動作が、実際には、追加の条件に基づき得るため、開放的且つ包括的であることを意味する。
【0034】
本明細書で使用されるように、「約」、「程度」、又は「近く」は、記載された値、及び特定値の許容可能な偏差範囲内の平均値を含み、ここで、前記許容可能な偏差範囲は、当業者によって、検討されている測定及び特定量の測定に関連する誤差(即ち、測定システムの限界)を考慮して決定される。
【0035】
表示技術分野において、発光ダイオード表示装置は、高輝度、広色域の利点を有するため、今後の表示分野への適用が益々拡大すると考えられる。
【0036】
発光ダイオード表示装置は、複数のサブ画素領域を有する表示パネルを含む。サブ画素領域の各々には、いずれも画素駆動回路及びこの画素駆動回路に接続された駆動待ち素子が設けれられ、駆動待ち素子は、例えば、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro LED)、ミニ発光ダイオード(Mini Light Emitting Diode、Mini LED)、又は有機エレクトロルミネッセンスダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)などの電流型発光ダイオードである。
【0037】
図1Aは、関連技術におけるOLED(Organic Light-Emitting Diode、有機エレクトロルミネッセンスダイオード)を駆動する画素駆動回路の回路構造図であり、図1Bは、その画素駆動回路のタイミング図である。図1A及び図1Bを参照すると、当該画素駆動回路の動作段階は、リセット段階、閾値電圧補償段階、及び発光段階を順次に含む。リセット段階で、この画素駆動回路は、受信されたリセット信号端子RSTからのリセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号をトランジスタM3及びOLEDのアノードに伝送する。リセットの目的は、現フレームの表示に影響を与えないように、前フレーム表示時のデータを消去することである。閾値電圧補償段階で、この画素駆動回路は、受信された走査信号端子GATEからの走査信号に応答して、データ信号端子DATAから提供されたデータ信号とトランジスタM3の閾値電圧をトランジスタM3のゲートに書き込む。発光段階で、この画素駆動回路は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、トランジスタM3の第1極と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、トランジスタM3の第2極とOLEDとを接続させる。この時、トランジスタM3は、第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号とデータ信号端子DATAから提供されたデータ信号に応じて、駆動信号(駆動電流)をOLEDに出力し、OLEDを発光させる。
【0038】
上記の関連技術では、発光段階の持続時間は固定され、駆動電流の大きさを変化させることで、駆動待ち素子の輝度を制御し、異なる階調の表示を実現する。即ち、OLEDの発光過程全体において、駆動電流の大きさを制御するだけで、異なる階調の表示を実現する。即ち、高階調表示を実現する場合、OLEDに入力する駆動電流を増加させることにより、OLEDの輝度を増加させ、低階調表示を実現する場合、OLEDに入力する駆動電流を減少させることにより、OLEDの輝度を減少させる。
【0039】
上記の画素駆動回路がMicro LED又はMini LEDを駆動して発光させるように配置される場合、高階調表示を実現する時、Micro LED又はMini LEDに入力された駆動電流は大きく、Micro LED又はMini LEDは、高電流密度になり、低階調表示を実現する時、Micro LED又はMini LEDに入力された駆動電流は小さく、Micro LED又はMini LEDは、低電流密度になる。
【0040】
しかしながら、Micro LEDやMini LEDの発光効率や色座標は、電流密度に大きく影響されている。Micro LEDを例とすると、図2Aに示すように、Micro LEDが低階調になる時、即ちMicro LEDが低電流密度になる時、Micro LEDの色座標は、OLEDの色座標よりもオフセットが大きく、表示効果に与える影響が大きい。Micro LEDの発光色が異なると、その発光効率が受ける電流密度の影響も異なる。以下は、それぞれMicro LEDが赤色光、緑色光、青色光を発する場合を例として説明する。図2Bに示すように、Micro LEDが赤色光を発する時、その発光効率は3.9%であり、この時の電流密度は約1A/cmである。図2Cに示すように、Micro LEDが緑色光を発する時、その発光効率は18%であり、この時の電流密度は約0.3A/cmである。図2Dに示すように、Micro LEDが青色光を発する時、その発光効率は18%であり、この時の電流密度は約0.6A/cmである。Micro LEDが低階調表示を行う場合、その赤色光を発する時の電流密度は通常0.5A/cm以下であり、その緑色光を発する時及び青色光を発する時の電流密度は通常0.1A/cm程度である。上記の図2Bから図2Dを参照して分かるように、Micro LEDは、赤色光、緑色光、青色光のいずれを発する場合も、低階調表示時の電流密度が低く、発光効率が低い。従って、Micro LEDについては、電流密度が低いと、低階調表示を実現する時の発光効率が低くなる。Mini LEDは、Micro LEDDと似た性能を有しているため、Mini LEDについても、電流密度が低いと、低階調表示を実現する時の発光効率が低くなる。
【0041】
以上のように、Micro LED又はMini LEDは、低階調表示を実現する時、一方では、低い電流密度によってMicro LED又はMini LEDの発光効率が低くなり、発光効率が低いと、消費電力が高くなるだけでなく、表示時の階調が設定値よりも小さくなり、これによって、表示輝度が低くなり、表示効果が悪くなる。他方では、電流密度が低い場合、階調が小さいほど色座標のオフセットが大きくなり、Micro LEDやMini LEDの表示効果が悪くなる。
【0042】
これに基づいて、本開示の幾つかの実施例は、画素駆動回路1を提供し、図3に示すように、この画素駆動回路1は、データ書き込みサブ回路10、駆動サブ回路11、及び制御サブ回路12を含む。駆動サブ回路11は、駆動トランジスタT1を含む。
【0043】
データ書き込みサブ回路10は、第1走査信号端子G1、第2走査信号端子G2、第3走査信号端子G3、第1データ信号端子Data1、第2データ信号端子Data2、及び駆動サブ回路11に接続されている。第1走査信号端子G1は、第1走査信号を受信して、この第1走査信号をデータ書き込みサブ回路10に入力するように配置されている。第2走査信号端子G2は、第2走査信号を受信して、この第2走査信号をデータ書き込みサブ回路10に入力するように配置されている。第3走査信号端子G3は、第3走査信号を受信して、この第3走査信号をデータ書き込みサブ回路10に入力するように配置されている。第1データ信号端子Data1は、第1データ信号を受信して、この第1データ信号をデータ書き込みサブ回路10に入力するように配置されている。第2データ信号端子Data2は、第2データ信号を受信して、この第2データ信号をデータ書き込みサブ回路10に入力するように配置されている。
【0044】
データ書き込みサブ回路10は、受信された第1走査信号端子G1からの第1走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行うように、且つ、受信された第2走査信号端子G2からの第2走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行うように、配置されている。
【0045】
制御サブ回路12は、イネーブル信号端子EM、第1電源電圧信号端子VDD、駆動サブ回路11、及び駆動待ち素子Dに接続されている。イネーブル信号端子EMは、イネーブル信号を受信して、このイネーブル信号を制御サブ回路12に入力するように配置されている。第1電源電圧信号端子VDDは、第1電源電圧信号を受信して、この第1電源電圧信号を制御サブ回路12に入力するように配置されている。
【0046】
制御サブ回路12は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1とを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させるように配置されている。
【0047】
幾つかの実施例において、制御サブ回路12は、駆動待ち素子Dの第1極に接続され、駆動待ち素子Dの第2極は、第2電源電圧信号端子VSSに接続されている。
【0048】
幾つかの例において、駆動待ち素子Dの第1極及び第2極は、それぞれアノード及びカソードである。
【0049】
駆動サブ回路11は、さらに第1電源電圧信号端子VDDに接続されている。即ち、第1電源電圧信号端子VDDは、さらに駆動サブ回路11に第1電源電圧信号を入力する。
【0050】
なお、駆動サブ回路11が第1電源電圧信号端子VDDに接続されていることは、駆動トランジスタT1が第1電源電圧信号端子VDDに直接接続されている場合を含まない。即ち、駆動トランジスタT1は、制御サブ回路12によって第1電源電圧信号端子VDDとの電気的接続を実現する。
【0051】
駆動サブ回路11は、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動するように、且つ、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動待ち素子Dを動作状態又は非動作状態に制御するように、配置されている。
【0052】
本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路1の動作手順は、第1段階~第4段階を備える。
【0053】
第1段階で、データ書き込みサブ回路10は、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。この間、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとの間、及び駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとの間は切断状態、即ち駆動待ち素子Dは非動作状態にある。
【0054】
第2段階で、制御サブ回路12は、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1とを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動サブ回路11は、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動する。
【0055】
第3段階で、データ書き込みサブ回路10は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。この間、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとの間、及び駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとの間は切断状態、即ち駆動待ち素子Dは再び非動作状態にある。
【0056】
第4段階で、制御サブ回路12は、再び第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1とを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動サブ回路11は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動待ち素子Dを動作状態又は非動作状態に制御する。即ち、第2データ信号及び第1電源電圧信号が駆動トランジスタT1をオンにできない場合、第4段階で、駆動待ち素子Dは第3段階の非動作状態を保持し続ける。第2データ信号及び第1電源電圧信号が駆動トランジスタT1をオンにする場合、第4段階で、駆動待ち素子Dは再び動作を開始する。
【0057】
これで分かるように、駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号及び第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号によって決定される。第1電源電圧信号が一定の直流電圧信号である場合、駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号によって決定される。即ち、駆動待ち素子Dが第4段階で非動作状態にある場合、第2段階の持続時間は即ち駆動待ち素子Dの動作持続時間となる。駆動待ち素子Dが第4段階で動作状態にある場合、第2段階の持続時間と第4段階の持続時間との和は即ち駆動待ち素子Dの動作持続時間となる。
【0058】
本開示の幾つかの実施例において、駆動待ち素子Dが動作することは、電流型発光ダイオードが発光することと理解され得る。駆動待ち素子Dが動作状態にあることは、電流型発光ダイオードが発光状態にあると理解され得る。駆動待ち素子Dが非動作状態にあることは、電流型発光ダイオードが非発光状態にあると理解され得る。駆動サブ回路11が駆動信号を出力して駆動待ち素子Dの動作を駆動することは、駆動サブ回路11が駆動電流を電流型発光ダイオードに出力して、電流型発光ダイオードの発光を駆動することと理解され得る。駆動待ち素子Dの動作持続時間は、電流型発光ダイオードの発光持続時間であることと理解され得る。
【0059】
幾つかの例において、駆動待ち素子Dは、Micro LED又はMini LEDである。
【0060】
本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路1では、データ書き込みサブ回路10は、第1段階で、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行い;且つ、第3段階で、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。制御サブ回路12は、第2段階と第4段階で、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1とを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動サブ回路11は、第2段階で、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動し、さらに第4段階で、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動待ち素子Dを動作状態又は非動作状態に制御する。駆動サブ回路11は、駆動待ち素子Dを第4段階で動作状態または非動作状態に制御することにより、駆動待ち素子Dの動作持続時間を変化させることができる。こうして、低階調表示を実現する時、駆動待ち素子Dに大きい駆動電流、短い発光期間(第2段階の持続時間)を提供することにより、駆動待ち素子Dの輝度を低下させる。高階調表示を実現する時、駆動待ち素子Dに大きい駆動電流、長い動作持続時間(第2段階の持続時間と第4段階の持続時間との和)を提供することにより、駆動待ち素子Dの輝度を向上させる。即ち、階調表示過程全体において、駆動待ち素子Dに伝送された駆動電流は常に大きく、これにより駆動待ち素子Dは常に高い電流密度になる。こうして、駆動待ち素子Dの発光効率が大きく、色座標のオフセットが小さく、消費電力が低く、表示効果が良い。
【0061】
幾つかの実施例において、図7図9に示すように、駆動サブ回路11は、駆動トランジスタT1とキャパシタC1とを含む。
【0062】
駆動トランジスタT1のゲートはノードN1に接続され、駆動トランジスタT1の第1極は、データ書き込みサブ回路10及び制御サブ回路12に接続され、駆動トランジスタT1の第2極は、データ書き込みサブ回路10及び制御サブ回路12に接続されている。
【0063】
キャパシタC1の一端はノードN1に接続され、キャパシタC1の他端は第1電源電圧信号端子VDDに接続されている。
【0064】
キャパシタC1は、第1段階で、データ書き込みサブ回路10によって書き込まれた第1データ信号及び駆動トランジスタT1の閾値電圧を受信して保存して、この第1データ信号及び閾値電圧を駆動トランジスタT1のゲートに伝送するように、かつ、第3段階で、データ書き込みサブ回路10によって書き込まれた第2データ信号及び駆動トランジスタT1の閾値電圧を受信して保存して、この第2データ信号及び閾値電圧を駆動トランジスタT1のゲートに伝送するように、配置されている。
【0065】
駆動トランジスタT1は、第2段階で、キャパシタC1に保存された第1データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて駆動信号を出力するように、且つ、第4段階で、キャパシタC1に保存された第2データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を出力し、又は駆動信号を出力しないように、配置されている。
【0066】
幾つかの実施例において、図4に示すように、データ書き込みサブ回路10は、第1データ書き込みサブ回路100と、第2データ書き込みサブ回路101とを含む。
【0067】
第1データ書き込みサブ回路100は、第1走査信号端子G1、第3走査信号端子G3、第1データ信号端子Data1、及び駆動サブ回路11に接続されている。第1データ書き込みサブ回路100は、受信された第1走査信号端子G1からの第1走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第1段階で第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行うように配置されている。
【0068】
第1段階で、第1データ書き込みサブ回路100は、駆動サブ回路11に第1データ信号と駆動トランジスタT1の閾値電圧を書き込み、駆動トランジスタT1に対する閾値電圧の補償を実現する。さらに、第2段階で、第1電源電圧信号端子VDDが駆動トランジスタT1に接続され、駆動トランジスタT1が駆動待ち素子Dに接続される時、駆動トランジスタT1は、第1データ信号及び第1電源電圧信号に応じて駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動する。
【0069】
第2データ書き込みサブ回路101は、第2走査信号端子G2、第3走査信号端子G3、第2データ信号端子Data2、及び駆動サブ回路11に接続されている。第2データ書き込みサブ回路101は、受信された第2走査信号端子G2からの第2走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第3段階で第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行うように配置されている。
【0070】
第3段階で、第2データ書き込みサブ回路101は、駆動サブ回路11に第2データ信号と駆動トランジスタT1の閾値電圧を書き込み、駆動トランジスタT1に対する閾値電圧の補償を実現する。さらに、第4段階で、第1電源電圧信号端子VDDが駆動トランジスタT1に接続され、駆動トランジスタT1が駆動待ち素子Dに接続される時、第2データ信号及び第1電源電圧信号は駆動トランジスタT1をオンさせるように制御でき、これにより駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動する、又は、第2データ信号及び第1電源電圧信号が駆動トランジスタT1をオンにできず、駆動待ち素子Dは非動作状態を維持する。
【0071】
幾つかの例において、図7図9に示すように、第1データ書き込みサブ回路100は、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とを含む。
【0072】
第2トランジスタT2のゲートは第1走査信号端子G1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は第1データ信号端子Data1に接続され、第2トランジスタT2の第2極は駆動トランジスタT1の第1極に接続されている。
【0073】
第3トランジスタT3のゲートは第3走査信号端子G3に接続され、第3トランジスタT3の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に接続され、第3トランジスタT3の第2極はノードN1に接続されている。
【0074】
第1段階で、第2トランジスタT2は、受信された第1走査信号端子G1からの第1走査信号に応答してオンされ、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動トランジスタT1の第1極に伝送するように配置されている。第3トランジスタT3は、受信された第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1の第2極とゲートを短絡して、駆動トランジスタT1を飽和状態にさせるように配置されている。第1データ信号と駆動トランジスタT1の閾値電圧(Vthと記す)はノードN1に伝送され、ノードN1の電圧は第1データ信号の電圧(VData1と記す)と閾値電圧との和、即ちVData1+Vthである。
【0075】
幾つかの例において、図7図9に示すように、第2データ書き込みサブ回路101は、第4トランジスタT4と第3トランジスタT3とを含む。
【0076】
第4トランジスタT4のゲートは第2走査信号端子G2に接続され、第4トランジスタT4の第1極は第2データ信号端子Data2に接続され、第4トランジスタT4の第2極は駆動トランジスタT1の第1極に接続されている。
【0077】
第3トランジスタT3のゲートは第3走査信号端子G3に接続され、第3トランジスタT3の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に接続され、第3トランジスタT3の第2極はノードN1に接続されている。
【0078】
第3段階で、第4トランジスタT4は、受信された第2走査信号端子G2からの第2走査信号に応答してオンされ、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動トランジスタT1の第1極に伝送するように配置されている。第3トランジスタT3は、受信された第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1の第2極とゲートを短絡して、駆動トランジスタT1を飽和状態にさせるように配置されている。第2データ信号と駆動トランジスタT1の閾値電圧はノードN1に伝送され、ノードN1の電圧は第2データ信号の電圧(VData2と記す)と閾値電圧との和、即ちVData2+Vthである。
【0079】
以上に基づいて、第1データ書き込みサブ回路100における第3トランジスタT3と第2データ書き込みサブ回路101における第3トランジスタT3の効果が同じであるため、第1データ書き込みサブ回路100と第2データ書き込みサブ回路101とは、1つの第3トランジスタT3を共用することができ、即ちデータ書き込みサブ回路10は、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4を含む。
【0080】
幾つかの実施例において、図7図9に示すように、制御サブ回路12は、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6とを含む。
【0081】
第5トランジスタT5のゲートはイネーブル信号端子EMに接続され、第5トランジスタT5の第1極は第1電源電圧信号端子VDDに接続され、第5トランジスタT5の第2極は駆動トランジスタT1の第1極に接続されている。
【0082】
第6トランジスタT6のゲートはイネーブル信号端子EMに接続され、第6トランジスタT6の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に接続され、第6トランジスタT6の第2極は駆動待ち素子Dの第1極に接続されている。
【0083】
第2段階及び第4段階で、第5トランジスタT5は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答してオンされ、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1とを接続させるように配置されている。第2段階及び第4段階で、第6トランジスタT6は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させるように配置されている。
【0084】
以上の画素駆動回路1において、第1段階で、第1データ書き込みサブ回路100は、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号と駆動トランジスタT1の閾値電圧をノードN1に書き込み、ノードN1の電圧をVData1+Vthにする。駆動トランジスタT1のゲート電圧はノードN1の電圧に等しいため、駆動トランジスタT1のゲート電圧はV=VData1+Vthとなる。
【0085】
第2段階で、制御サブ回路12は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。第5トランジスタT5の第1極は第1電源電圧信号端子VDDに接続され、第5トランジスタの第2極は駆動トランジスタT1の第1極に接続されているため、第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号は駆動トランジスタT1の第1極に伝送され、駆動トランジスタT1の第1極の電圧を第1電源電圧信号の電圧(Vddと記す)にする。こうして、駆動トランジスタT1がP型トランジスタである場合を例とすると、駆動トランジスタT1のゲート電圧VData1+Vthと第一極の電圧VddがVData1+Vth-Vdd<Vth、即ちVData1-Vdd<0を満たす時、駆動トランジスタT1はオンされ、駆動信号を出力して駆動待ち素子Dを発光させる。
【0086】
これで分かるように、第2段階で、駆動トランジスタT1のターンオンはその閾値電圧の影響を受けない。
【0087】
第3段階で、第2データ書き込みサブ回路101は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号と駆動トランジスタT1の閾値電圧をノードN1に書き込み、ノードN1の電圧をVData2+Vthにする。駆動トランジスタT1のゲート電圧はノードN1の電圧に等しいため、駆動トランジスタT1のゲート電圧はV=VData2+Vthとなる。
【0088】
第4段階で、制御サブ回路12は、再び、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。上記の第2段階と似たように、第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号は駆動トランジスタT1の第1極に伝送され、駆動トランジスタT1の第1極の電圧を第1電源電圧信号の電圧にする。こうして、駆動トランジスタT1がP型トランジスタである場合を例とすると、駆動トランジスタT1のゲート電圧VData2+Vthと第一極の電圧VddがVData2+Vth-Vdd<Vth、即ちVData2-Vdd<0を満たす時、駆動トランジスタT1はオンされ、駆動信号を出力して駆動待ち素子Dを発光させる。VData2+Vth-Vdd≧Vth、即ちVData2-Vdd≧0の場合、駆動トランジスタT1をオンにできず、駆動待ち素子Dを非動作状態に保持する。
【0089】
これで分かるように、第4段階で、駆動トランジスタT1のターンオンはその閾値電圧の影響を受けなく、且つ駆動トランジスタT1のターンオンの有無はVData2によって決定される。
【0090】
駆動トランジスタとして高移動度薄膜トランジスタ(例えば低温ポリシリコン薄膜トランジスタ)を用いる場合、高移動度薄膜トランジスタは製造プロセスの影響を受けるため、通常、その閾値電圧は設計値から一定のずれが存在して、このタイプの薄膜トランジスタの動作安定性に影響を与える。これに伴い駆動信号も影響を受ける。
【0091】
本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路1において、第2段階及び第4段階では、いずれも駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行うため、駆動トランジスタT1が出力する駆動信号はその閾値電圧と関係なく、駆動トランジスタT1の動作安定性の確保、駆動待ち素子Dの発光効率、輝度の安定性及び表示効果の向上に有利である。また、Vddを固定値として設計でき、こうして、VData1又はVData2に応じて駆動トランジスタT1から出力された駆動信号を制御することができ、制御が簡単で精確になる。
【0092】
各サブ画素領域における画素駆動回路について、第2データ信号によって駆動トランジスタT1をオンにできない場合、即ち、駆動待ち素子Dが第4段階で非動作状態にある場合、1画像フレームにおいて、第2段階の持続時間が即ち駆動待ち素子Dの動作持続時間であり、この過程は、ショートスキャン動作モードと称する。第2データ信号によって駆動トランジスタT1をオンにできる場合、即ち駆動待ち素子Dが第4段階で動作状態にある場合、1画像フレームにおいて、第2段階の持続時間と第4段階の持続時間との和が即ち駆動待ち素子Dの動作持続時間であり、この過程は、ロングスキャン動作モードと称する。これで分かるように、本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路1は、駆動待ち素子Dの動作持続時間を2つのモード、即ちショートスキャン動作モードとロングスキャン動作モードを含むようにする。
【0093】
なお、第3段階の持続時間が一般的に短く(42ms未満)、人間の目で視認できないため、ロングスキャン動作モードにおいて、人間の目には、駆動待ち素子Dが第2段階から第4段階まで発光し続けることが観察される。
【0094】
上記の画素駆動回路1は、駆動待ち素子Dに入力された駆動電流(駆動信号)の大きさを制御してショートスキャン動作モードと合わせることにより、低階調表示を実現し、駆動待ち素子Dに入力された駆動電流の大きさを制御してロングスキャン動作モードと合わせることにより、高階調表示を実現する。
【0095】
駆動待ち素子Dが高階調表示を行う場合、第1データ信号端子Data1から提供される第1データ信号は、駆動待ち素子Dに高くて安定した発光効率を持たせる固定信号であり得る。ロングスキャン動作モードにおいて、第2データ信号の電圧は、一定の電圧区間範囲内で変化することができ、この電圧区間範囲内の第2データ信号は、駆動待ち素子Dが高い発光効率を有することを保証できる。この場合、第2データ信号によって駆動電流の大きさを制御することで、画素駆動回路1は、第2データ信号によって階調を制御することができる。
【0096】
駆動待ち素子Dが低階調表示を行う場合、第1データ信号の電圧は、一定の電圧区間範囲内で変化することができ、この電圧区間範囲内の第1データ信号は、駆動待ち素子Dが高い発光効率を有することを保証できる。ショートスキャン動作モードにおいて、第2データ信号は、駆動トランジスタT1がオンされないように制御するための固定信号であり得る。この場合、第1データ信号によって駆動電流の大きさを制御することで、画素駆動回路1は第1データ信号と第2データ信号との両方によって階調を制御することができる。
【0097】
幾つかの実施例において、図5及び図6に示すように、画素駆動回路1はリセットサブ回路13をさらに含む。リセットサブ回路13は、第1リセット信号端子RST1、初期電圧信号端子Vint、及び駆動サブ回路11に接続されている。第1リセット信号端子RST1は、第1リセット信号を受信して、リセットサブ回路13にこの第1リセット信号を入力するように配置されている。初期電圧信号端子Vintは、初期電圧信号を受信して、リセットサブ回路13にこの初期電圧信号を入力するように配置されている。
【0098】
リセットサブ回路13は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動サブ回路11に伝送するように配置されている。
【0099】
幾つかの例において、図8に示すように、リセットサブ回路13は、第7トランジスタT7を含む。第7トランジスタT7のゲートは、第1リセット信号端子RST1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は、初期電圧信号端子Vintに接続され、第7トランジスタT7の第2極は、駆動サブ回路11に接続されている。ここで、第7トランジスタT7の第2極は、ノードN1、即ち駆動トランジスタT1のゲートに接続されている。
【0100】
第7トランジスタT7は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号をノードN1に伝送し、駆動トランジスタT1のゲート電圧を初期電圧信号の電圧にリセットさせるように配置されている。
【0101】
他の幾つかの実施例において、図6に示すように、リセットサブ回路13は、第1リセット信号端子RST1、第2リセット信号端子RST2、初期電圧信号端子Vint、駆動サブ回路11、及び駆動待ち素子Dに接続されている。
【0102】
リセットサブ回路13は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動サブ回路11に伝送するように、且つ、受信された第2リセット信号端子RST2からの第2リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動待ち素子Dに伝送するように、配置されている。
【0103】
幾つかの例において、図9に示すように、リセットサブ回路13は、第7トランジスタT7と第8トランジスタT8とを含む。
【0104】
第7トランジスタT7のゲートは、第1リセット信号端子RST1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は、初期電圧信号端子Vintに接続され、第7トランジスタT7の第2極は、駆動サブ回路11に接続されている。ここで、第7トランジスタT7の第2極は、ノードN1、即ち駆動トランジスタT1のゲートに接続されている。
【0105】
第8トランジスタT8のゲートは、第2リセット信号端子RST2に接続され、第8トランジスタT8の第1極は、初期電圧信号端子Vintに接続され、第8トランジスタT8の第2極は、駆動待ち素子Dに接続されている。ここで、第8トランジスタT8の第2極は、駆動待ち素子Dの第1極に接続されている。
【0106】
第7トランジスタT7は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号をノードN1に伝送し、駆動トランジスタT1のゲート電圧を初期電圧信号の電圧にリセットさせるように配置されている。
【0107】
第8トランジスタT8は、受信された第2リセット信号端子RST2からの第2リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動待ち素子Dの第1極に伝送し、駆動待ち素子Dの第1極の電圧を初期電圧信号の電圧にリセットするように配置されている。
【0108】
本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路において、リセットサブ回路13は、駆動サブ回路11及び駆動待ち素子Dをリセットし、前フレームの画面表示時の駆動サブ回路11及び駆動待ち素子Dに残留する信号を消去し、残留する信号が現フレームの画面表示の駆動電流に影響を与えることを回避することができ、これにより画面表示効果の向上に有利である。
【0109】
本開示の実施例は、初期電圧信号の電圧の大きさを限定せず、この初期電圧信号の電圧は、リセットサブ回路13が動作している時に駆動トランジスタT1がオフ状態にあることを保証すればよい。例えば、この初期電圧信号は、ローレベル信号又はハイレベル信号である。
【0110】
本開示の実施例は、駆動トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7及び第8トランジスタT8のタイプを限定しない。例えば、図7図9に示すように、駆動トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7及び第8トランジスタT8は、いずれもP型トランジスタである。また例えば、駆動トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7及び第8トランジスタT8は、いずれもN型トランジスタである。
【0111】
例示的には、図9に示すように、画素駆動回路1は、駆動トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7、第8トランジスタT8及びキャパシタC1を含む。
【0112】
駆動トランジスタT1のゲートはノードN1に接続され、駆動トランジスタT1の第1極は、第2トランジスタT2の第2極、第4トランジスタT4の第2極、及び第5トランジスタT5の第2極に接続され、駆動トランジスタT1の第2極は、第3トランジスタT3の第1極、及び第6トランジスタT6の第1極に接続されている。
【0113】
キャパシタC1の一端はノードN1に接続され、キャパシタC1の他端は第1電源電圧信号端子VDDに接続されている。
【0114】
第2トランジスタT2のゲートは第1走査信号端子G1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は第1データ信号端子Data1に接続されている。
【0115】
第3トランジスタT3のゲートは第3走査信号端子G3に接続され、第3トランジスタT3の第2極はノードN1に接続されている。
【0116】
第4トランジスタT4のゲートは第2走査信号端子G2に接続され、第4トランジスタT4の第1極は第2データ信号端子Data2に接続されている。
【0117】
第5トランジスタT5のゲートはイネーブル信号端子EMに接続され、第5トランジスタT5の第1極は第1電源電圧信号端子VDDに接続されている。
【0118】
第6トランジスタT6のゲートはイネーブル信号端子EMに接続され、第6トランジスタT6の第2極は駆動待ち素子Dの第1極に接続されている。
【0119】
第7トランジスタT7のゲートは、第1リセット信号端子RST1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は、初期電圧信号端子Vintに接続され、第7トランジスタT7の第2極は、ノードN1に接続されている。
【0120】
第8トランジスタT8のゲートは、第2リセット信号端子RST2に接続され、第8トランジスタT8の第1極は、初期電圧信号端子Vintに接続され、第8トランジスタT8の第2極は、駆動待ち素子Dの第1極に接続されている。
【0121】
本開示の幾つかの実施例は、上述した画素駆動回路の駆動方法をさらに提供する。図11A及び図11Bに示すように、1画像フレームは、第1段階~第4段階を含む。幾つかの実施例において、図10に示すように、この駆動方法は、S1~S4を含む。
【0122】
S1:1画像フレームの第1段階で、データ書き込みサブ回路10は、受信された第1走査信号端子G1からの第1走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。
【0123】
幾つかの例において、図4に示すように、画素駆動回路1は、駆動サブ回路11、制御サブ回路12及びデータ書き込みサブ回路10を含む。駆動サブ回路11は、駆動トランジスタT1を含む。データ書き込みサブ回路10は、第1データ書き込みサブ回路100と、第2データ書き込みサブ回路101とを含む。制御サブ回路12は、イネーブル信号端子EM、第1電源電圧信号端子VDD、駆動サブ回路11、及び駆動待ち素子Dに接続されている。第1データ書き込みサブ回路100は、第1走査信号端子G1、第3走査信号端子G3、第1データ信号端子Data1、及び駆動サブ回路11に接続されている。第2データ書き込みサブ回路101は、第2走査信号端子G2、第3走査信号端子G3、第2データ信号端子Data2、及び駆動サブ回路11に接続されている。駆動サブ回路11は、さらに第1電源電圧信号端子VDDに接続されている。
【0124】
図4及び図11A図11Bを参照すると、上記のS1は、以下を含む。
【0125】
S11:第1段階で、第1データ書き込みサブ回路100は、受信された第1走査信号端子G1からの第1走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。
【0126】
第1段階で、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1との間、及び駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとの間は切断状態にある。
【0127】
例示的には、図7に示すように、駆動サブ回路11は、駆動トランジスタT1とキャパシタC1とを含む。第1データ書き込みサブ回路100は、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とを含む。第2データ書き込みサブ回路101は、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4とを含む。制御サブ回路12は、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6とを含む。駆動トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、及び第6トランジスタT6は、いずれもP型トランジスタである。駆動トランジスタT1、キャパシタC1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6の接続方式は、上記の説明を参照するため、ここで説明を省略する。
【0128】
ショートスキャン動作モードについて、図7及び図11Aを参照すると、上記のS11は、以下を含む。
【0129】
S111:第1段階で、第2トランジスタT2は、受信された第1走査信号端子G1からの第1走査信号に応答してオンされ、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号を駆動トランジスタT1の第1極に伝送する。第3トランジスタT3は、受信された第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1の第2極とゲートを短絡して、第1データ信号(その電圧はVData1と記す)と駆動トランジスタT1の閾値電圧を駆動トランジスタT1のゲートに書き込み、駆動トランジスタT1に対する閾値電圧の補償を実現する。
【0130】
こうして、駆動トランジスタT1のゲート電圧はVData1+Vthに等しい。
【0131】
第1段階で、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6はオフ状態にある。第5トランジスタT5はオフ状態にあり、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1の第1電極との間は切断され、こうして、第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号は駆動トランジスタT1の第1極に伝送できない。第6トランジスタT6はオフ状態にあり、駆動トランジスタT1の第2極と駆動待ち素子Dの第1極との間は切断される。
【0132】
図7及び図11Bを参照すると、ロングスキャン動作モードの第1段階とショートスキャン動作モードの第1段階とは全く同じであり、ここで説明を省略する。
【0133】
S2:1画像フレームの第2段階で、制御サブ回路12は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動サブ回路11は、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号及び第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動する。
【0134】
幾つかの例において、図4及び図11A図11Bを参照すると、上記のS2は、以下を含む。
【0135】
S21:第2段階で、制御サブ回路12は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動トランジスタT1は、第1データ信号端子Data1から提供された第1データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動信号を駆動待ち素子Dに出力して、駆動待ち素子Dの動作を駆動する。
【0136】
ショートスキャン動作モードについて、図7及び図11Aを参照すると、上記のS21は、以下を含む。
【0137】
S211:第2段階で、第5トランジスタT5は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答してオンされ、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1の第1極とを接続させて、第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号を駆動トランジスタT1の第1極に伝送する。第6トランジスタT6は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1の第2極と駆動待ち素子Dの第1極とを接続させる。
【0138】
こうして、駆動トランジスタT1の第1極の電圧は第1電源電圧信号の電圧Vddである。駆動トランジスタT1のゲート電圧VData1+Vthと第一極の電圧VddがVData1+Vth-Vdd<Vth、即ちVData1-Vdd<0を満たす時、駆動トランジスタT1はオンされ、駆動信号を出力する。
【0139】
図7及び図11Bを参照すると、ロングスキャン動作モードの第2段階とショートスキャン動作モードの第2段階とは全く同じであり、ここで説明を省略する。
【0140】
S3:1画像フレームの第3段階で、データ書き込みサブ回路10は、受信された第2走査信号端子G2からの第2走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。
【0141】
第3段階で、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行った後、駆動トランジスタT1はオフされる。イネーブル信号の電圧を同期制御し、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1との間、及び駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとの間は切断状態にある。
【0142】
幾つかの例において、図4及び図11A図11Bを参照すると、上記のS3は、以下を含む。
【0143】
S31:第3段階で、第2データ書き込みサブ回路101は、受信された第2走査信号端子G2からの第2走査信号及び第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答して、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動サブ回路11に書き込み、駆動トランジスタT1に対して閾値電圧補償を行う。
【0144】
ショートスキャン動作モードについて、例示的には、図7及び図11Aを参照すると、上記のS31は、以下を含む。
【0145】
S311:第3段階で、第4トランジスタT4は、受信された第2走査信号端子G2からの第2走査信号に応答してオンされ、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号を駆動トランジスタT1の第1極に伝送する。第3トランジスタT3は、受信された第3走査信号端子G3からの第3走査信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1の第2極とゲートを短絡して、第2データ信号(その電圧はVData2と記す)と駆動トランジスタT1の閾値電圧を駆動トランジスタT1のゲートに書き込み、駆動トランジスタT1に対する閾値電圧の補償を実現する。
【0146】
こうして、駆動トランジスタT1のゲート電圧はVData2+Vthに等しい。
【0147】
第3段階で、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6はオフ状態にある。第5トランジスタT5はオフ状態にあることで、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1の第1電極との間は切断され、これにより第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号は駆動トランジスタT1の第1極に伝送できない。第6トランジスタT6はオフ状態にあることで、駆動トランジスタT1の第2極と駆動待ち素子Dの第1極との間は切断される。
【0148】
ショートスキャン動作モードでは、図11Aに示すように、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号の電圧VData2は第1電源電圧信号の電圧Vdd以上であり、これにより駆動トランジスタT1は第4段階でオフ状態にある。
【0149】
図7及び図11Bを参照すると、ロングスキャン動作モードの第3段階の過程とショートスキャン動作モードの第3段階の過程とは同じであり、ここで説明を省略する。ただし、ロングスキャン動作モードでは、図11Bに示すように、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号VData2は、第1電源電圧信号の電圧Vddよりも小さく、これにより駆動トランジスタT1はオンされる。
【0150】
S4:1画像フレームの第4段階で、制御サブ回路12は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動サブ回路11は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動待ち素子Dを動作状態又は非動作状態に制御する。
【0151】
幾つかの例において、図4及び図11A図11Bを参照すると、上記のS4は、以下を含む。
【0152】
S41:第4段階で、制御サブ回路12は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答して、駆動トランジスタT1と第1電源電圧信号端子VDDとを接続させ、駆動トランジスタT1と駆動待ち素子Dとを接続させる。駆動トランジスタT1は、第2データ信号端子Data2から提供された第2データ信号と第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号に応じて、駆動待ち素子Dを動作状態又は非動作状態に制御する。
【0153】
ショートスキャン動作モードについて、例示的には、図7及び図11Aを参照すると、上記のS41は、以下を含む。
【0154】
S411:第4段階で、第5トランジスタT5は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答してオンされ、第1電源電圧信号端子VDDと駆動トランジスタT1の第1極とを接続させ、第1電源電圧信号端子VDDから提供された第1電源電圧信号を駆動トランジスタT1の第1極に伝送する。第6トランジスタT6は、受信されたイネーブル信号端子EMからのイネーブル信号に応答してオンされ、駆動トランジスタT1の第2極と駆動待ち素子Dの第1極とを接続させる。
【0155】
こうして、駆動トランジスタT1の第1極の電圧は第1電源電圧信号の電圧Vddである。VData2がVdd以上であるため、駆動トランジスタT1のゲートと第1極との間の電圧差VData2+Vth-Vdd≧Vth、即ちVData2-Vdd≧0であり、駆動トランジスタT1はオフ状態にある。従って、駆動トランジスタT1は駆動信号を出力できず、駆動待ち素子Dは非動作状態にある。これで分かるように、ショートスキャン動作モードでは、駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第2段階の持続時間に等しい。
【0156】
上記の過程において、第2段階の持続時間は、第2データ信号が駆動サブ回路11に書き込まれる時点によって決定され、即ち、第2データ信号が駆動サブ回路11に書き込まれるのが遅いほど、第2段階の持続時間は長くなる。第2データ信号の書き込み時点は、ICチップ(Integrated Circuit、集積回路)によって決定され得る。従って、ICチップのアルゴリズムを変更することにより、第2データ信号の書き込み時点を制御して、ショートスキャン動作モードにおける駆動待ち素子Dの動作持続時間を調整する。
【0157】
例示的には、ショートスキャン動作モードの動作持続時間の範囲は、T/V~Tであり、ここで、Tは1画像フレームの時間であり、Vは表示パネルの縦方向解像度である。
【0158】
図7及び図11Bを参照すると、ロングスキャン動作モードでは、VData2がVddよりも小さいため、駆動トランジスタT1のゲートと第1極との間の電圧差VData2+Vth-Vdd<Vth、即ち、VData2-Vdd<0であり、駆動トランジスタT1がオンされて駆動信号を出力し、駆動待ち素子Dが動作状態にある。従って、ロングスキャン動作モードでは、駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第2段階の持続時間と第4段階の持続時間との和に等しい。
【0159】
ロングスキャン動作モードにおける駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第2段階の持続時間を調整することにより調整することができ、第2段階の持続時間の調整方法は、上記のショートスキャン動作モードにおける第2段階の持続時間の調整方法を参考し得る。
【0160】
例示的には、ロングスキャン動作モードにおける駆動待ち素子Dの動作持続時間は、1Tに近接する。
【0161】
なお、第1段階の持続時間は、第1データ信号が画素駆動回路に書き込まれる時間に等しく、第3段階の持続時間は、第2データ信号が画素駆動回路に書き込まれる時間に等しく、且つ第1データ信号の書き込み時間と第2データ信号の書き込み時間とがいずれも短いため、第1段階の持続時間及び第3段階の持続時間は、1画像フレーム全体の持続時間1Tに占める割合が小さい。
【0162】
他の幾つかの実施例において、図5及び図6に示すように、画素駆動回路1は、リセットサブ回路13をさらに含み、リセットサブ回路13は、第1リセット信号端子RST1、初期電圧信号端子Vint、及び駆動サブ回路11に接続されている。
【0163】
1画像フレームの第1段階の前に、この画素駆動回路の駆動方法はさらにS0を含む。
【0164】
S0:1画像フレームのリセット段階で、リセットサブ回路13は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答して、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動サブ回路11に伝送する。
【0165】
例示的には、図8に示すように、リセットサブ回路13は、第7トランジスタT7を含み、第7トランジスタT7の接続方式は、上記の説明を参照し、ここで説明を省略する。
【0166】
図8及び図11A、又は図8及び図11Bを参照すると、上記のS0は、S011を含む。
【0167】
S011:リセット段階で、第7トランジスタT7は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答してオンされ、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号をノードN1に伝送し、駆動トランジスタT1のゲート電圧を初期電圧信号の電圧にリセットさせる。
【0168】
他の幾つかの例において、図6に示すように、リセットサブ回路13は、第1リセット信号端子RST1、第2リセット信号端子RST2、初期電圧信号端子Vint、駆動サブ回路11、及び駆動待ち素子Dに接続されている。
【0169】
S0において、リセットサブ回路13は、受信された第2リセット信号端子RST2からの第2リセット信号に応答して、さらに初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動待ち素子Dに伝送する
【0170】
例示的には、図9に示すように、リセットサブ回路13は、第7トランジスタT7と第8トランジスタT8とを含み、第7トランジスタT7と第8トランジスタT8の接続方式は、上記の説明を参照し、ここで説明を省略する。
【0171】
図9及び図11A、又は図9及び図11Bを参照すると、上記のS0は、S011’を含む。
【0172】
S011’:第7トランジスタT7は、受信された第1リセット信号端子RST1からの第1リセット信号に応答してオンされ、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号をノードN1に伝送し、駆動トランジスタT1のゲート電圧を初期電圧信号の電圧にリセットさせる。第8トランジスタT8は、受信された第2リセット信号端子RST2からの第2リセット信号に応答してオンされ、初期電圧信号端子Vintから提供された初期電圧信号を駆動待ち素子Dの第1極に伝送し、駆動待ち素子Dの第1極の電圧を初期電圧信号の電圧にリセットする。
【0173】
本開示の幾つかの実施例に係る画素駆動回路の駆動方法は、上記の画素駆動回路1と同様の有益な効果を有するため、ここでその説明を省略する。
【0174】
なお、上記の画素駆動回路1に関する説明及び画素駆動回路の駆動方法に関する説明は、いずれも第1データ信号端子Data1と第2データ信号端子Data2とがそれぞれ異なるデータ線に接続されることに基づくものである。もちろん、第1データ信号端子Data1と第2データ信号端子Data2とは、同じデータ線に接続され得る。
【0175】
幾つかの実施例において、図7図9を参照すると、第1データ信号端子Data1は第1データ線に接続され、第2データ信号端子Data2は第2データ線に接続されている。即ち、第1データ信号は第1データ線を介して伝送され、第2データ信号は第2データ線を介して伝送される。
【0176】
幾つかの例において、複数の第1データ線を介して第1データ信号を表示パネルのうちの任意の行のサブ画素領域における各画素駆動回路1に入力して、当該行のサブ画素領域における駆動待ち素子Dが発光した後に、複数の第2データ線を介して第2データ信号を当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1に入力し得る。従って、表示パネルの各行のサブ画素領域における各画素駆動回路1は、第1段階から第4段階までを独立して連続的に行うことができ、即ち、当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1に対して、第1段階を行った後に第2段階、第3段階、第4段階を順次に行うことができる。
【0177】
以上により、第1データ信号と第2データ信号の伝送は互いに干渉せず、伝送効率が高い。
【0178】
他の幾つかの実施例において、図12を参照すると、第1データ信号端子Data1と第2データ信号端子Data2とは、同じデータ線に接続されている。即ち、第1データ信号と第2データ信号とは、同じデータ線を介して伝送される。
【0179】
第1データ信号と第2データ信号とが同じデータ線を介して伝送されるため、表示パネルの動作時、まず複数のデータ線を介して第1データ信号を各サブ画素領域における画素駆動回路1に入力した後、当該複数のデータ線を介して第2データ信号を各サブ画素領域における画素駆動回路1に入力する必要がある。
【0180】
幾つかの例において、表示パネルの動作時、第1行から、複数のデータ線を介して第1データ信号を各行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に入力し、最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に入力するまでそれを実行する。第1データ信号を1行のサブ画素領域における各画素駆動回路1に入力する毎に、当該行のサブ画素領域における駆動待ち素子Dが発光し始める。そして、第1行から、複数のデータ線を介して、第2データ信号を各行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に入力し、第2データ信号を最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に入力するまでそれを実行する。
【0181】
以上により、第1データ信号と第2データ信号とを同じデータ線を介して送信伝送することにより、データ線の数を減少し、画素駆動回路1の回路構成を簡素化し、製造コストを低減することができる。
【0182】
例示的には、図12に示すように、データ書き込みサブ回路10は、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4を含む。駆動サブ回路11は、駆動トランジスタT1とキャパシタC1とを含む。制御サブ回路12は、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6とを含む。リセットサブ回路13は、第7トランジスタT7を含む。駆動トランジスタT1、キャパシタC1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7の接続方式は、上記の説明を参照するため、ここで説明を省略する。以下、第1データ信号端子Data1と第2データ信号端子Data2とが同じデータ線に接続されている場合の画素駆動回路1の駆動過程について説明する。
【0183】
図12の画素駆動回路について、図11Aを合わせて示すように、ショートスキャン動作モードにおいて、第1段階で、第1行のサブ画素領域に位置する画素駆動回路1から、第1データ信号(その電圧はVData1と記す)を当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1のノードN1に入力し、かつ当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1の駆動トランジスタT1の閾値電圧を、対応する画素駆動回路1のノードN1に書き込み、最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1のノードN1に第1データ信号を入力し、かつ当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1の駆動トランジスタT1の閾値電圧を、対応する画素駆動回路1のノードN1に書き込むまでそれを実行する。この時、各画素駆動回路1における駆動トランジスタT1のゲート電圧はVData1+Vthに等しい。
【0184】
なお、各行のサブ画素領域における画素駆動回路1に入力された第1データ信号の電圧VData1は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0185】
上記の第1段階で、第1段階の持続時間は、第1データ信号を第1行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に入力するから、最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に入力するまでに要する持続時間の合計である。従って、ICチップを用いて、第1データ信号を各行のサブ画素領域における画素駆動回路1に入力するのにかかる時間を短縮して、第1段階の持続時間を短縮することができる。1図形フレームの持続時間が固定値である場合、第1段階の持続時間を短縮することは、後続の各段階のための時間をより多く確保することに有利であり、例えば第2段階の持続時間を増加することができる。
【0186】
図12の画素駆動回路について、図11Bに合わせて示すように、ロングスキャン動作モードの第1段階と上記のショートスキャン動作モードの第1段階とは全く同じであり、ここで説明を省略する。
【0187】
第2段階で、ショートスキャン動作モードについて、各画素駆動回路1の駆動トランジスタT1のゲート電圧は、VData1+Vthに等しく、VData1+Vth-Vdd<Vthの時、駆動トランジスタT1がオンされて、駆動信号を駆動待ち素子Dに出力し、これにより、第2段階の終了まで駆動待ち素子Dの発光を駆動する。即ち、第2段階で、複数の駆動待ち素子Dが同時に発光し始める。
【0188】
図12の画素駆動回路について、図11Bに合わせて示すように、ロングスキャン動作モードの第2段階とショートスキャン動作モードの第2段階とは全く同じであり、ここで説明を省略する。
【0189】
第3段階で、図12及び図11Aを合わせて示すように、ショートスキャン動作モードにおいて、第1行のサブ画素領域に位置する画素駆動回路1から、第2データ信号(その電圧はVData2と記す)を当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1のノードN1に入力し、かつ当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1の駆動トランジスタT1の閾値電圧を、対応する画素駆動回路1のノードN1に書き込み、最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1のノードN1に第2データ信号を入力し、かつ当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1の駆動トランジスタT1の閾値電圧を、対応する画素駆動回路1のノードN1に書き込むまでそれを実行する。この時、各駆動トランジスタT1のゲート電圧はVData2+Vthに等しい。
【0190】
ショートスキャン動作モードでは、画素駆動回路1に入力された第2データ信号の電圧VData2は、第1電源電圧信号の電圧Vdd以上である。
【0191】
図12及び図11Bを合わせて示すように、ロングスキャン動作モードの第3段階の過程とショートスキャン動作モードの第3段階の過程とは同じであり、ここで説明を省略する。しかしながら、ロングスキャン動作モードでは、画素駆動回路に入力された第2データ信号の電圧VData2は、第1電源電圧信号の電圧Vddよりも小さい。
【0192】
第4段階で、図12及び図11Aに示すように、ショートスキャン動作モードにおいて、各画素駆動回路1における駆動トランジスタT1のゲート電圧がVData2+Vthに等しくなり、VData2+Vth-Vdd≧Vthの時、駆動トランジスタT1はオンにできず、これにより、対応する駆動待ち素子Dが非発光の状態を保持する。
【0193】
以上から分かるように、ショートスキャン動作モードでは、駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第2段階の持続時間に等しく、第2段階の持続時間の調整方法は上記の説明を参考できる。
【0194】
図12及び図11Bを参照すると、ロングスキャン動作モードにおいて、第2データ信号の電圧VData2は、第1電源電圧信号の電圧Vddよりも小さく、即ちVData2+Vth-Vdd<Vthとなる。従って、駆動トランジスタT1がオンされ、対応する駆動待ち素子Dが再び発光する。
【0195】
なお、ロングスキャン動作モードにおいて、第4段階で、全ての画素駆動回路1に入力された第2データ信号が異なっていてもよく、従って、一部の画素駆動回路1に入力されたVData2がVdd以上であり、こうして、一部の駆動待ち素子Dが発光し、他部の駆動待ち素子Dが非発光となる。具体的にどの駆動待ち素子Dが発光するか、どの駆動待ち素子Dが発光しないかは、表示画像の階調に応じて決定することができる。
【0196】
ロングスキャン動作モードにおける駆動待ち素子Dの動作持続時間は、第4段階の持続時間を調整することにより調整することができ、第4段階の持続時間は、実際の状況に応じて設定され得る。
【0197】
本開示の幾つかの実施例は、複数の上記のような画素駆動回路1及び複数の駆動待ち素子Dを備える表示パネルをさらに提供する。駆動待ち素子Dの各々は、対応する1つの画素駆動回路1に接続されている。
【0198】
幾つかの実施例において、この表示パネルは、複数のサブ画素領域を有し、画素駆動回路1の各々は、1つのサブ画素領域に設けられる。
【0199】
この表示パネルは、複数の第1走査信号線、複数の第2走査信号線、複数の第3走査信号線、複数の第1データ線、及び複数の第2データ線をさらに含む。幾つかの例において、同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第1走査信号端子G1は、対応する1つの第1走査信号線に接続され;同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第2走査信号端子G2は、対応する1つの第2走査信号線に接続され;同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第3走査信号端子G3は、対応する1つの第3走査信号線に接続され;同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第1データ信号端子Data1は、対応する1つの第1データ線に接続され;同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路に接続された第2データ信号端子Data2は、対応する1つの第2データ線に接続されている。
【0200】
ここで、画素駆動回路1に接続された第1走査信号端子G1は、第1走査信号線と画素駆動回路1とが接続された後の等価的な接続点と理解し得る。第2走査信号端子G2と第3走査信号端子G3とは同様である。同様に、画素駆動回路1に接続された第1データ信号端子Data1は、第1データ線と画素駆動回路1とが接続された後の等価的な接続点と理解し得る。第2データ信号端子Data2についても同様である。
【0201】
例示的には、図13Aに示すように、この表示パネルは、複数の第1走査信号線G1(1)~G1(n)、複数の第2走査信号線G2(1)~G2(n)、複数の第3走査信号線G3(1)~G3(n)、複数のイネーブル信号線EM(1)~EM(n)、複数のリセット信号線RST(1)~RST(n)を含む。この第1走査信号線は、画素駆動回路1に第1走査信号を提供するように配置されている。この第2走査信号線は、画素駆動回路1に第2走査信号を提供するように配置されている。この第3走査信号線は、画素駆動回路1に第3走査信号を提供するように配置されている。このイネーブル信号線EM(1)~EM(n)は、画素駆動回路1にイネーブル信号を提供するように配置されている。このリセット信号線RST(1)~RST(n)は、画素駆動回路1にリセット信号を提供するように配置されている。
【0202】
同一行のサブ画素領域Pにおける各画素駆動回路1は、上記の複数の第1走査信号線G1(1)~G1(n)のうちの同一の第1走査信号線、複数の第2走査信号線G2(1)~G2(n)のうちの同一の第2走査信号線、複数の第3走査信号線G3(1)~G3(n)のうちの同一の第3走査信号線、複数のイネーブル信号線EM(1)~EM(n)のうちの同一のイネーブル信号線、複数のリセット信号線RST(1)~RST(n)のうちの同一のリセット信号線に接続されている。
【0203】
この表示パネルは、複数の第1データ線Data1(1)~Data1(n)、複数の第2データ線Data2(1)~Data2(n)、複数の第1電源電圧線VDDL、及び複数の初期電圧信号線Vintlをさらに含む。この第1データ線は、画素駆動回路1に第1データ信号を提供するように配置されている。この第2データ線は、画素駆動回路1に第2データ信号を提供するように配置されている。この第1電源電圧配線VDDLは、画素駆動回路1に第1電源電圧信号を提供するように配置されている。この初期電圧信号線Vintlは、画素駆動回路1に初期電圧信号を提供するように配置されている。
【0204】
同一列のサブ画素領域Pにおける各画素駆動回路1は、上記の複数の第1データ線Data1(1)~Data1(n)のうちの同一の第1データ線、複数の第2データ線Data2(1)~Data2(n)のうちの同一の第2データ線、複数の第1電源電圧線VDDLのうちの同一の第1電源電圧線、複数の初期電圧信号線Vintlのうちの同一の初期電圧信号線に接続されている。
【0205】
例示的には、図13Aに示すように、同一列のサブ画素領域Pにおける各画素駆動回路1は、第1データ線と第2データ線とに同時に接続されている。
【0206】
図13Aに示す表示パネルの動作時、複数の第1データ線Data1(1)~Data1(n)を介して第1データ信号を表示パネルのうちの任意の行のサブ画素領域における各画素駆動回路1に入力した後、当該行のサブ画素領域における駆動待ち素子Dが発光した後に、複数の第2データ線Data1(1)~Data1(n)を介して第2データ信号を当該行のサブ画素領域における各画素駆動回路1に入力し得る。従って、全てのサブ画素領域Pにおける駆動待ち素子Dは、行ごとに発光し始める。各行のサブ画素領域Pにおける各画素駆動回路1は、第1段階、第2段階、第3段階及び第4段階を独立して連続的に行う。1画像フレームがリセット段階を含む場合、各行のサブ画素領域Pにおける画素駆動回路1は、リセット段階を同期的に行うことができる。
【0207】
他の幾つかの実施例において、この表示パネルは、複数のサブ画素領域を有し、画素駆動回路1の各々は、1つのサブ画素領域に設けられる。
【0208】
この表示パネルは、複数の第1走査信号線、複数の第2走査信号線、複数の第3走査信号線、複数のデータ線をさらに含む。同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第1走査信号端子G1は、対応する1つの第1走査信号線に接続され;同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第2走査信号端子G2は、対応する1つの第2走査信号線に接続され;同一行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第3走査信号端子G3は、対応する1つの第3走査信号線に接続され;同一列のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1に接続された第1データ信号端子Data1と第2データ信号端子Data2とは、いずれも対応する1つのデータ線に接続されている。
【0209】
ここで、画素駆動回路1に接続された第1走査信号端子G1は、第1走査信号線と画素駆動回路1とが接続された後の等価的な接続点と理解し得る。第2走査信号端子G2と第3走査信号端子G3とは同様である。同様に、画素駆動回路1に接続された第1データ信号端子Data1は、データ線と画素駆動回路1とが接続された後の等価的な接続点と理解し得る。第2データ信号端子Data2についても同様である。
【0210】
例示的には、図13Bに示すように、図13Aと異なるのは、複数のデータ線Data(1)~Data(n)が上記の複数の第1データ線Data1(1)~Data1(n)及び複数の第2データ線Data2(1)~Data2(n)を置き換えることである。各列のサブ画素領域Pにおける各画素駆動回路1は、複数のデータ線Data(1)~Data(n)のうちの1つのデータ線のみに接続され、このデータ線は、当該列のサブ画素領域Pにおける各画素駆動回路1に第1データ信号及び第2データ信号を提供するように配置されている。
【0211】
図13Bに示す表示パネルの動作時、複数のデータ線Data(1)~Data(n)を介して、第1行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1から、最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1まで、第1データ信号を入力する。従って、全てのサブ画素領域Pにおける駆動待ち素子Dは、行ごとに発光し始める。そして、複数のデータ線Data(1)~Data(n)を介して、第1行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1から、最終行のサブ画素領域に位置する各画素駆動回路1まで、第2データ信号を入力する。ここで、各行のサブ画素領域における画素駆動回路1に入力された第1データ信号は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、各行のサブ画素領域における画素駆動回路1に入力された第2データ信号は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。1画像フレームがリセット段階を含む時、各行のサブ画素領域Pにおける画素駆動回路1は、リセット段階を同期的に行うことができる。
【0212】
本開示の幾つかの実施例に係る表示パネルは、上記の画素駆動回路1と同様の有益な効果を有するため、ここでその説明を省略する。
【0213】
なお、上記の表示パネルに含まれる複数の信号線の配置、及び図13及び13に示す表示パネルの配線図は幾つかの例示に過ぎなく、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0214】
本開示の幾つかの実施例は、表示装置をさらに提供する。この表示装置は、上記のような表示パネルを備える。
【0215】
この表示装置が上記の表示パネルを備えるため、この表示装置は、発光効率が大きく、色座標のオフセットが小さく、消費電力が低く、表示効果が良いなどの特徴を有する。
【0216】
幾つかの実施例において、上記の表示装置は、テレビ、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、ディスプレイ、デジタルフォトフレーム、又はナビゲーション等の表示機能を有する製品であり、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0217】
上記は本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、いかなる当業者であれば本開示の技術的範囲内で容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された保護範囲を準拠するものとする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B