IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッドの特許一覧

特許7555360無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム
<>
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図1
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図2
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図3
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図4
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図5
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図6
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図7
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図8
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図9
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図10
  • 特許-無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/34 20060101AFI20240913BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20240913BHJP
   H01Q 25/04 20060101ALI20240913BHJP
   H01Q 5/385 20150101ALI20240913BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20240913BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALN20240913BHJP
【FI】
H01Q3/34
H01Q21/24
H01Q25/04
H01Q5/385
H04B7/08 802
H01Q1/38
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021570302
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 US2020039271
(87)【国際公開番号】W WO2020263914
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】62/868,294
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/954,135
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519006872
【氏名又は名称】エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】バーオナガリ,ドアバル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥリパッラ,アラビンド
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シン,アビシェーク
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0131990(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0277253(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0042281(US,A1)
【文献】国際公開第2011/000090(WO,A1)
【文献】米国特許第09913130(US,B2)
【文献】特表2015-530054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
H04B 1/60
H04B 3/46- 3/493
H04B 7/02- 7/12
H04B 7/24- 7/26
H04B 17/00-17/40
H04L 1/02- 1/06
H04N 5/38- 5/46
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線(OTA)コンテンツを配信するために使用するアンテナ・システムであって、
ネットワーク・アクセス・ポイントと、
メディア・コンテンツに関連付けられたOTA信号を受信するように構成されたOTAアンテナ・システムであって、前記OTA信号がVHF信号またはUHF信号を含み、前記OTAアンテナ・システムが、前記ネットワーク・アクセス・ポイントに、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続を介して結合される、OTAアンテナ・システムと、を備え、
前記ネットワーク・アクセス・ポイントが、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリ・デバイスとを備え、前記1つ以上のメモリ・デバイスがコンピュータ読み取り可能命令を格納し、前記1つ以上のプロセッサによって前記コンピュータ読み取り可能命令が実行されると、前記1つ以上のプロセッサに動作を実行させ、前記動作が、
前記メディア・コンテンツと関連付けられた信号を前記OTAアンテナ・システムから、前記ユニバーサル・シリアル・バス接続を介して受信する動作と、
前記メディア・コンテンツを、ネットワーク通信リンクを介して、1つ以上のクライアント・デバイスに伝達する動作と、を含み、
前記OTAアンテナ・システムが、複数のアンテナ・モードに構成可能なモーダル・アンテナを備え、各アンテナ・モードが別個の放射パターンまたは偏波と関連付けられ、
前記動作が、更に、前記モーダル・アンテナを、前記複数のアンテナ・モードから選択されるモードに構成するために、制御信号を前記ネットワーク・アクセス・ポイントから前記OTAアンテナ・システムに、前記USB接続を介して伝達する動作を含み、
前記ネットワーク・アクセス・ポイントが、前記複数のアンテナ・モードにおける品質スコアに少なくとも部分的に基づいて、前記選択されるモードを決定するように構成され、
各前記品質スコアが、複数のチャネルのそれぞれに関連するOTA信号の前記モーダル・アンテナによる受信に関する、前記各アンテナ・モードにおける1つ以上のチャネル品質指標に基づいて決定される、アンテナ・システム。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記ネットワーク通信リンクがワイヤレス通信リンクである、アンテナ・システム。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記ネットワーク通信リンクが802.11ネットワーク通信リンクである、アンテナ・システム。
【請求項4】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記1つ以上のクライアント・デバイスが、前記ネットワーク通信リンクを介して前記ネットワーク・アクセス・ポイントに接続されたスマートフォンまたはタブレットを含む、アンテナ・システム。
【請求項5】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記OTAアンテナ・システムが、
OTA信号を受信するための1つ以上の動作チャネルを、前記モーダル・アンテナに選択するように構成されたチューナを備える、アンテナ・システム。
【請求項6】
請求項記載のアンテナ・システムにおいて、前記OTAアンテナ・システムが、前記OTA信号を復調し、前記メディア・コンテンツと関連付けられた信号を生成するように構成された復調器を備える、アンテナ・システム。
【請求項7】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記モーダル・アンテナが、
第1放射エレメントと、
前記第1放射エレメントに隣接する第1寄生エレメントと、
前記第1寄生エレメントに結合され、前記第1寄生エレメントを開放する、短絡させる、またはリアクタンスによって同調させる(reactively tune)ように構成された第1能動エレメントと、
を備える、アンテナ・システム。
【請求項8】
請求項記載のアンテナ・システムにおいて、前記モーダル・アンテナが、更に、
第2放射エレメントと、
前記第1放射エレメントに隣接する第2寄生エレメントと、
前記第1寄生エレメントに結合され、前記第2寄生エレメントを開放する、短絡させる、またはリアクタンスによって同調させるように構成された第2能動エレメントと、
を備える、アンテナ・システム。
【請求項9】
請求項記載のアンテナ・システムにおいて、前記第1放射エレメントが前記第2放射エレメントに接続される、アンテナ・システム。
【請求項10】
無線(OTA)コンテンツをネットワークを通じて配信する方法であって、
ネットワーク・アクセス・ポイントにおいて、メディア・コンテンツと関連付けられた信号をOTAアンテナ・システムから、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続を介して受信するステップであって、前記メディア・コンテンツが前記OTAアンテナ・システムで受信されたOTA信号に関連付けられる、ステップと、
前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、前記メディア・コンテンツを、1つ以上のクライアント・デバイスに、ネットワーク通信リンクを介して伝達するステップと、を含み、
前記OTAアンテナ・システムが、複数のアンテナ・モードに構成可能なモーダル・アンテナを備え、各アンテナ・モードが別個の放射パターンまたは偏波と関連付けられ、
当該方法が、更に、前記モーダル・アンテナを、前記複数のアンテナ・モードから選択されるモードに構成するために、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、制御信号を前記ネットワーク・アクセス・ポイントから前記OTAアンテナ・システムに、前記USB接続を介して伝達するステップと、
前記複数のアンテナ・モードにおける品質スコアに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ・モードから選択されるモードを決定するステップであって、各前記品質スコアが、複数のチャネルのそれぞれに関連するOTA信号の前記モーダル・アンテナによる受信に関する、前記各アンテナ・モードにおける1つ以上のチャネル品質指標に基づいて決定される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、選択されるモードを決定するステップが、
複数のチャネルの各々について、前記複数のアンテナ・モードの各々に対するチャネル品質指標のデータベースにアクセスすることと、
前記チャネル品質指標のデータベースに少なくとも部分的に基づいて、選択されるモードを決定することと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、前記データベースが、前記ネットワーク・アクセス・ポイントの1つ以上のメモリ・デバイスに格納される、方法。
【請求項13】
請求項10記載の方法において、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、前記OTA信号に関連するメディア・コンテンツを、1つ以上のクライアント・デバイスに、ネットワーク通信リンクを介して伝達するステップが、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、前記OTA信号に関連するメディア・コンテンツを、1つ以上のクライアント・デバイスに、ワイヤレス・ネットワーク通信リンクを介して伝達することを含む、方法。
【請求項14】
請求項10記載の方法において、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、前記OTA信号に関連するメディア・コンテンツを、1つ以上のクライアント・デバイスに、ネットワーク通信リンクを介して伝達するステップが、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、前記OTA信号に関連するメディア・コンテンツを、1つ以上のクライアント・デバイスに、802.11ネットワーク通信リンクを介して伝達することを含む、方法。
【請求項15】
請求項10記載の方法において、前記1つ以上のクライアント・デバイスが、前記ネットワーク通信リンクを介して前記ネットワーク・アクセス・ポイントに接続されたスマートフォンまたはタブレットを含む、方法。
【請求項16】
請求項11記載の方法であって、更に、
チャネルに関連するOTA信号の前記モーダル・アンテナによる受信に関するチャネル品質指標に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ・モードから選択されるモードを決定する動作を実施するために、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、コンピュータ読み取り可能命令を得るステップと、
前記OTAアンテナ・システムが、前記USB接続を介して、前記ネットワーク・アクセス・ポイントに接続されるとき、前記モーダル・アンテナを、前記複数のアンテナ・モードから選択されたモードに構成するために、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、前記制御信号を前記ネットワーク・アクセス・ポイントから前記OTAアンテナ・システムに、前記USB接続を介して伝達するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項10記載の方法であって、更に、
前記OTAアンテナ・システムが、前記USB接続を介して、前記ネットワーク・アクセス・ポイントに接続されるとき、ネットワーク・アクセス・ポイントにおいて、メディア・コンテンツと関連付けられた信号をOTAアンテナ・システムから、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続を介して、受信する動作を実施するために、前記ネットワーク・アクセス・ポイントによって、コンピュータ読み取り可能命令を得るステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001] 本願は、“Active Antenna System for Distributing Over the Air Content”(無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム)と題し、2019年12月27日に出願された米国仮特許出願第62/954,135号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。本願は、“Active Antenna System for Distributing Over the Air Content”(無線コンテンツを配信するための能動アンテナ・システム)と題し、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,294号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
分野
[0002] 本開示は、一般的に、OTA信号をメディア・デバイスに配信するためのアンテナ・システムに関する。
【従来技術】
【0003】
[0003] テレビジョン受信用アンテナは、周知であり、テレビジョン放送信号を受信するために日常使用されており、別名無線(OTA:over the air)アンテナとしても知られている。テレビジョンは、一般に、内蔵チューナまたは外部チューナ(例えば、セット・トップ・ボックス)を含む。OTAアンテナは、チューナ(例えば、内蔵または外部)に接続することができる。ある実例では、OTAアンテナは、OTA信号を増幅するように構成することができる。OTAアンテナは、着信信号を増幅する必要がある田舎の設定において有用である。
【0004】
[0004] ケーブル・テレビジョン・サービスはOTAアンテナの必要性を排除したが、消費者は、ケーブル・テレビジョン・サービスから、もっと価格効率的なインターネット・ベースのストリーミング・サービスに移行することを選択しつつある。しかしながら、インターネット・ベースのストリーミング・サービスに関して認められている欠点の1つは、ローカル放送局によって提供されるローカル番組(programming)(例えば、ローカル・ニュース)を視聴できないことである。OTAアンテナは、ローカル番組に関連するOTA信号を受信することができるので、インターネット・ベースのストリーミング・サービスの消費者はOTAアンテナに投資することを選択しつつある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態の態様および利点は、部分的に以下の説明において明記され、またはこの説明から学習することができ、または実施形態の実施によって習得することができる。
【0006】
[0006] 本開示の一態様例は、無線(OTA)コンテンツを配信するために使用するためのアンテナ・システムを対象とする。このアンテナ・システムは、ネットワーク・アクセス・ポイントを含むことができる。このアンテナ・システムは、メディア・コンテンツに関連するOTA信号を受信するように構成されたOTAアンテナ・システムを含むことができる。OTA信号は、VHF信号またはUHF信号とすることができる。OTAアンテナ・システムは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続を介して、ネットワーク・アクセス・ポイントに結合することができる。アクセス・ポイントは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリ・デバイスとを含むことができる。1つ以上のメモリ・デバイスは、コンピュータ読み取り可能命令を格納し、このコンピュータ読み取り可能命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに動作を実行させる。これらの動作には、メディア・コンテンツと関連付けられた信号を、ユニバーサル・シリアル・バス接続を介して、OTAアンテナ・システムから受信する動作を含むことができる。これらの動作には、ネットワーク通信リンクを介してメディア・コンテンツを1つ以上のクライアント・デバイスに伝達する動作を含むことができる。OTAアンテナ・システムは、複数のアンテナ・モードに構成可能なモーダル・アンテナを含むことができる。各アンテナ・モードには、別個の放射パターンまたは偏波と関連付けることができる。
【0007】
[0007] 種々の実施形態のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付した請求項を参照すると、一層深く理解されよう。本明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を例示し、説明と共に、関係する原理を説明する役割を果たす。
【0008】
[0008] 添付図面を参照する明細書において、当業者を対象とする実施形態の詳細な論述を明記する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態例によるアンテナ例を示す。
図2】本開示の実施形態例によるシステム例を示す。
図3】本開示の実施形態例によるOTAアンテナ・システム例を示す。
図4】本開示の実施形態例によるOTAアンテナ・システムにおいて使用されるモーダルOTAアンテナ例を示す。
図5】本開示の実施形態例によるネットワーク・アクセス・ポイント例を示す。
図6】本開示の実施形態例によるチャネル品質指標のデータベース例を示す。
図7】本開示の実施形態例による方法例を示す。
図8】本開示の実施形態例による方法例を示す。
図9】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナの態様例を示す。
図10】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナの態様例を示す。
図11】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナの態様例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0018] これより実施形態について詳しく説明し、その1つ以上の例を図面に示す。各例を提示するのは、本開示の限定ではなく、実施形態の説明のためである。実際、本開示の範囲からも主旨からも逸脱せずに、実施形態に種々の変更および変形が可能であることは、当業者には明白であろう。実例をあげると、一実施形態の一部として例示または記載された特徴が、他の実施形態と共に使用されて、更に他の実施形態を生み出すことができる。つまり、本開示の態様はこのような変更および変形もその範囲内に含むことを意図している。
【0011】
[0019] 本開示の態様例は、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)のようなネットワークにおいて、OTAコンテンツ(例えば、OTAメディア)を1つ以上のクライアント・デバイスに配信するためのアンテナ・システムを対象とする。本開示の態様例によれば、OTAアンテナ・システムは、VHF(30MHzから300MHzまで)および/またはUHF(例えば、約450MHzから900MHzまで)周波数帯域におけるRF帯域上で、メディア・コンテンツ(例えば、ローカル放送テレビジョン・メディア)を受信するように構成することができる。VHFおよびUHF帯域におけるチャネルを受信するように、OTAアンテナ・システムを同調させることができる。チャネルを通じて受信したメディア・コンテンツ(例えば、テレビジョン・メディア)を復調し、ローカル・エリア・ネットワークにおけるクライアント・デバイス(例えば、802.11WiFiネットワークに接続された家庭用デバイス)間で再送信することができる。
【0012】
[0020] 更に特定すれば、OTAアンテナ・システムは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続または他の着脱可能な接続を介して、ネットワーク・アクセス・ポイント(例えば、ルータ)に結合することができる。VHFおよび/またはUHF周波数帯域における1つ以上のチャネルを通じて受信したメディア・コンテンツは、ユニバーサル・シリアル・バス接続を介して、受信し、復調し、ネットワーク・アクセス・ポイントに供給することができる。ネットワーク・アクセス・ポイントは、メディア・コンテンツを、ネットワーク・アクセス・ポイントに接続された1つ以上のクライアント・デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、テレビジョン、IoTデバイス等)に、通信リンク(例えば、802.11ワイヤレス・ネットワーク通信リンク)を介して伝達することができる。
【0013】
[0021] ある実施形態では、OTAアンテナ・システムは、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)を含むことができる。モーダル・アンテナ(1つまたは複数)は、モーダル・アンテナの放射パターンのビーム・ステアリング(beam steering)を設けるために、 複数の異なるアンテナ・モードに構成することができる。各アンテナ・モードには異なる放射パターンおよび/または偏波と関連付けることができる。OTAアンテナ・システムにおけるモーダル・アンテナ(1つまたは複数)は、1つ以上のチャネルを通じてメディア・コンテンツを受信するときの通信リンク品質を高める(例えば、最適化)(例えば、複数のチャネルに対して最適化する、1つのチャネルに対して最適化する等)放射パターンが得られるアンテナ・モードに構成することができる。
【0014】
[0022] ネットワーク・アクセス・ポイントは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のメモリ・デバイスとを含むことができる。1つ以上のメモリ・デバイスは、コンピュータ読み取り可能命令を含むことができ、このコンピュータ読み取り可能命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに動作を実行させる。ある実施形態では、これらの動作には、OTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナ(1つまたは複数)のために選択するモードを決定する動作を含むことができる。モードの選択は、少なくとも部分的に、複数のアンテナ・モードの中の特定のアンテナ・モードにおいてチャネルを通じて伝達するときのチャネル品質指標(CQI)に基づいて決定することができる。CQIは、実例をあげると、チャネル品質指標(CQI)のようなメトリックとすることができ、例えば、受信電力(RP)、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、強度誤差比(MER:magnitude error ratio)、誤差ベクトル強度(EVM:error vector magnitude)、ビット・エラー率(BER)、ブロック・エラー率(BLER:block error rate)、またはパケット・エラー率(PER)等、または当技術分野において知られている他のメトリックとすることができる。
【0015】
[0023] 実例をあげると、ある実施形態では、1つ以上のメモリ・デバイスは、モーダル・アンテナのアンテナ・モード毎に、1つ以上のCQI(1つまたは複数)を示すデータをチャネル毎に格納することができる。CQI(1つまたは複数)は、モーダル・アンテナが選択されたモードに構成されたときに、チャネルを通じてメディア・コンテンツを受信するときの品質スコアに相関付けることができる。命令は、選択されたチャネルとの通信または複数のチャネルに対して最良の品質スコアを得るためおよび/または品質スコアを高めるために選択されるモードを決定するように指定することができる。一旦チャネルを通じて通信するために選択されるモードが決定したなら、ネットワーク・アクセス・ポイントは、モーダル・アンテナを選択されたモードに構成するために、USB接続を介して制御信号を伝達するように構成することができる。このように、USB接続を介してネットワーク・アクセス・ポイントに結合されたOTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナを構成するように動作可能なコンピュータ読み取り可能命令(例えば、ソフトウェア)は、ネットワーク・アクセス・ポイントに内在することができる。
【0016】
[0024] 実例をあげると、ある実施形態では、ユーザはOTAアンテナ・システムをネットワーク・アクセス・ポイントに、USB接続(例えば、USB1.0、USB1.1、USB2.0、USB3.0、USB3.1、USB3.2、USB Type A、USB Type C)または他の着脱可能な接続(例えば、HDMI(登録商標)、Thunderbolt、DisplayPort、Ehternetポート等)を介して接続することができる。OTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナ(1つまたは複数)の構成および駆動に関連するソフトウェアは、USB接続を介して入手し、ネットワーク・アクセス・ポイントの1つ以上のメモリ・デバイスに格納することができる。動作中、ネットワーク・アクセス・ポイントはVHFおよび/またはUHF帯域における1つ以上のチャネルからOTAメディア・コンテンツを受信するように、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)を構成する、またそうでなければOTAアンテナ・システムを制御することができる。ネットワーク・アクセス・ポイントは、メディア・コンテンツを1つ以上のクライアント・デバイスに、ネットワーク通信リンク(例えば、イーサネット、802.11等)を介して伝達することができる。
【0017】
[0025] 本開示の態様例によるシステムおよび方法は、多数の技術的効果および利点を有することができる。実例をあげると、ネットワーク・アクセス・ポイント(例えば、ワイヤレス・ルータ)は、単にOTAアンテナ・システムをネットワーク・アクセス・ポイントに、USB接続または他の適した接続を介して接続することによって、自宅または建物においてOTAメディア・コンテンツを複数のクライアント・デバイスに配信するプラットフォームとして構成することができる。OTAアンテナ・システムは、1つ以上のモーダル・アンテナを含むことができ、OTAメディア・コンテンツを受信するときの通信リンク品質を高める方向に放射パターンを合わせる(point)ビーム・ステアリングができるように、ネットワーク・アクセス・ポイントによって、1つ以上のモーダル・アンテナを構成することができ、エラーを低減し、更に家庭または業務におけるメディア・コンテンツ配信の品質向上をもたらすことができる。
【0018】
[0026] 「モーダル・アンテナ」(modal antenna)とは、複数のアンテナ・モードで動作することができるアンテナを意味する。各アンテナ・モードは、別個の放射パターンおよび/または特性と関連付けられる。「チャネル品質指標」(CQI)は、チャネル上における通信リンク品質を示すメトリックを示す。CQIの例には、受信電力(RP)、信号対ノイズ比(SNR)、 信号対干渉+ノイズ比(SINR)、強度誤差比(MER)、誤差ベクトル強度(EVM)、ビット・エラー率(BER)、ブロック・エラー率(BLER)、またはパケット・エラー率(PER)が含まれる。[チャネル」(channel)とは、テレビジョン・メディア・コンテンツを放送することができるVHFおよび/またはUHF帯域における特定の周波数チャネルを意味する。数値に付随する「約」(about)という用語の使用は、記載される数値の20%以内を意味する。
【0019】
[0027] 図1は、本開示の実施形態例によるOTAメディア・コンテンツ配信システム例100を示す。システム100は、OTAアンテナ・システム200を含む。OTAアンテナ・システム200は、実例をあげると、放送塔50からVHFおよび/またはUHF帯域における異なるチャネルを通じてテレビジョン・メディア・コンテンツ放送を受信するように動作可能である。OTAアンテナ・システム200は、ネットワーク・アクセス・ポイント110(例えば、WLANルータ)に結合することができる。
【0020】
[0028] OTAアンテナ・システム200は、USBポート152におけるUSB接続150を介して、ネットワーク・アクセス・ポイント110に結合することができる。USB接続150は、実例をあげると、USB1.0、USB1.1、USB2.0、USB3.0、USB3.1、USB3.2、USB Type A、USB Type C、または他のUSB接続とすることができる。本開示の態様については、USB接続を参照しながら論ずることにする。本明細書において提示する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他の着脱可能な接続も使用できることは、当業者には理解できよう。
【0021】
[0029] OTAアンテナ・システム200は、1つ以上のチャネルを通じて放送されるメディア・コンテンツに関連するOTA信号を受信することができる。OTAアンテナ・システム200は、これらの信号を復調し、メディア・コンテンツと関連付けられた信号をネットワーク・アクセス・ポイント110に供給することができる。ネットワーク・アクセス・ポイント110は、メディア・コンテンツと関連付けられた信号をOTAアンテナ・システム200から、USB接続150を介して受信することができる。次いで、ネットワーク・アクセス・ポイント110は、サーバとして機能し、メディア・コンテンツを1つ以上のクライアント・デバイス130にネットワーク160を通じて配給することができる。
【0022】
[0030] ネットワーク160は、有線および/またはワイヤレス通信リンクの任意の組み合わせを含むことができる。実例をあげると、ネットワーク160は、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークを家庭、建物、または他の空間において提供する802.11(WiFi)ネットワークとすることができる。ネットワーク160は、更に、イーサネットまたは他の有線通信リンクのような、有線通信リンクも含むことができる。ネットワーク160を通じた通信は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の適したプロトコルおよび/または保護方式を使用して、遂行することができる。
【0023】
[0031] クライアント・デバイス130は、実例をあげると、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル・デバイス、ラップトップ、デスクトップ、テレビジョン、1つ以上のプロセッサを有するディスプレイ、IoTデバイス、またはネットワーク160を通じてネットワーク・アクセス・ポイント110と通信することができる他の適した電子デバイスとすることができる。クライアント・デバイス130は、1つ以上のプロセッサと1つ以上のメモリ・デバイスとを含むことができる。1つ以上のメモリ・デバイスは、コンピュータ読み取り可能命令(例えば、ソフトウェア)を格納することができ、1つ以上のメモリ・デバイスによってコンピュータ読み取り可能命令が実行されると、1つ以上のプロセッサに動作を実行させる。その動作には、実例をあげると、ネットワーク160を通じてネットワーク・アクセス・ポイント110からメディア・コンテンツ通信を得る(obtain)動作と、ディスプレイ・デバイス上における表示のために、ユーザが視聴するメディア・コンテンツを供給する動作とを含むことができる。
【0024】
[0032] 図2は、本開示の態様例による、OTAアンテナ・システムによるOTA信号の受信、およびネットワーク・アクセス・ポイントによる信号の伝達を示す。図示のように、OTAアンテナ・システム200は、モーダル・アンテナ220を含むことができる。OTAアンテナ・システムにおいて使用するモーダル・アンテナの構成例について、以下で詳しく論ずる。モーダル・アンテナ220は、放送塔50aからの信号52a(例えば、チャネルX)、放送塔50bからの信号52b(例えば、チャネルY)、および放送塔50cからの信号52c(例えば、チャネルZ)というようなOTA信号を受信するリンクの品質を高めるために、ビーム・ステアリング機能を設けるように構成することができる。
【0025】
[0033] 更に特定すると、OTAアンテナ・システム200のモーダル・アンテナ220は、複数のアンテナ・モードAM-1、AM-2、AM-nに構成可能にすることができる。各アンテナ・モードは、異なる放射パターンおよび/または偏波と関連付けることができる。モーダル・アンテナ220は、所望のOTA信号受信のために、チャネルに応じて、特定のアンテナ・モードで動作するように制御することができる。実例をあげると、一例として、モーダル・アンテナ220は、放送塔50aから信号52a(例えば、チャネルX)を受信するためにモードAM-1に構成することができる。モーダル・アンテナ220は、放送塔50bからの信号52b(例えば、チャネルY)を受信するために、モードAM-1に構成することができる。モーダル・アンテナ220は、放送塔50cからの信号52c(例えば、チャネルZ)を受信するために、モードAM-nに構成することができる。以下で詳しく説明するが、ネットワーク・アクセス・ポイント110は、コンピュータ読み取り可能命令(例えば、ソフトウェア)を含むことができる。コンピュータ読み取り可能命令は、モーダル・アンテナ220をチャネル毎に選択されたモードに構成するために、制御信号をOTAアンテナ・システム200にUSB接続150を介して供給するように構成される。
【0026】
[0034] ある実施形態では、図2に示すように、ネットワーク・アクセス・ポイント110もモーダル・アンテナ112を含むことができる。モーダル・アンテナ112も同様に、複数のアンテナ・モードに構成可能であり、1つ以上のクライアント・デバイス130との通信リンク品質を高めるためにビーム・ステアリング機能(capability)を設けることができる。モーダル・アンテナ112は、複数のアンテナ・モードWAM-1、WAM-2、WAM-nに構成可能にすることができる。各アンテナ・モードには、異なる放射パターンおよび/または偏波と関連付けることができる。モーダル・アンテナ112は、ネットワーク・アクセス・ポイント110が通信しているクライアント・デバイス120に応じて、特定のアンテナ・モードで動作するように制御することができる。実例をあげると、一例として、モーダル・アンテナ112は、第1クライアント・デバイスと通信するためにモードWAM-1に構成し、第2クライアント・デバイスとの通信のためにモードWAM-2に構成することができる。以下で詳しく説明するが、ネットワーク・アクセス・ポイント110は、コンピュータ読み取り可能命令(例えば、ソフトウェア)を含むことができる。コンピュータ読み取り可能命令は、1つ以上のクライアント・デバイス130との通信リンク品質を高めるために、モーダル・アンテナ112を制御して、選択されたモードで動作するように構成される。
【0027】
[0035] 図2に示すように、クライアント・デバイス130の内1つ以上も、複数の異なるモードで動作可能なモーダル・アンテナ132を含むことができる。各モードには、異なる放射パターンおよび/または偏波と関連付けることができる。クライアント・デバイス130は、モーダル・アンテナ132を制御して、ネットワーク・アクセス・ポイント110との通信リンク品質を高めるように構成することができる。また、クライアント・デバイス130は受動アンテナ134も含むことができる。受動アンテナ134は、実例をあげると、ビーム・ステアリングまたはビーム形成が可能でない静止放射パターンを発生する(provide)ことができる。
【0028】
[0036] 図3は、本開示の実施形態例によるOTAアンテナ・システム例200の模式図を示す。先に論じたように、OTAアンテナ・システム200は、ビーム・ステアリング機能を実装するために複数のアンテナ・モードで動作することができるモーダル・アンテナ212を含む。VHFおよび/またはUHF帯域においてOTA信号を受信することができるモーダル・アンテナ212の一例を図4に示す。
【0029】
[0037] 図3に示すように、モーダル・アンテナ212はRF回路214(例えば、フロント・エンド)に結合される。RF回路214は、インピーダンス整合、モーダル・アンテナ212のモード選択、低ノイズ増幅器等に合わせて構成された1つ以上の回路を含むことができる。以下で更に詳しく論ずるが、モーダル・アンテナは1つ以上の寄生エレメントを含むことができる。ある実施態様では、モーダル・アンテナのアンテナ・モードを調節するために、モーダル・アンテナの寄生エレメントおよび/または放射エレメントを、スイッチ、インダクタ、キャパシタ、調整可能な(tunable)インダクタ、調整可能なキャパシタ、またはソリッド・ステート・デバイスのような、1つ以上のコンポーネントに結合することができる。これらのコンポーネントは、RF回路214の内部に含ませることができるが、OTAアンテナ・システム200の他のいずれかの場所に配置してもよい。
【0030】
[0038] ある実施態様では、モーダル・アンテナが受信したVHFおよび/またはUHF信号(例えば、OTA信号)をチューナ216に供給することができる。チューナ216は、モーダル・アンテナによって受信される特定のチャネル(例えば、周波数帯域)を選択する(例えば、濾波する)ことができる。ある実施形態では、チューナ216は、ネットワーク・アクセス・ポイントからの1つ以上のコマンド(例えば、USB接続を介して受信された)に基づいて、OTAメディア・コンテンツをネットワーク・アクセス・ポイントに供給する特定のチャネルを選択するように、コントローラ224によって制御することができる。
【0031】
[0039] 特定的な一例として、ユーザは、OTAメディア・コンテンツを視聴することを可能にするクライアント・デバイス上に実装されたアプリケーションにアクセスすることができ、このアプリケーションと対話処理して、特定のOTAチャネルを視聴のために要求することができる。クライアント・デバイスは、この要求をネットワーク・アクセス・ポイントに、ネットワーク(例えば、802.11 WiFiネットワーク)を通じて送ることができる。ネットワーク・アクセス・ポイントは、USB接続を介してOTAシステムにコマンドを送り、要求チャネル(1つまたは複数)と関連付けられた信号を受信および復調するために、OTAシステム200を同調させるように、チューナ216を制御することができる。ある実施形態では、ユーザは、ディジタル・アシスタント・サービスと関連付けられたデバイスから受信される音声コマンドによって、アンテナを制御することができる。
【0032】
[0040] OTAシステムは、復調器218を含むことができる。復調器218は、チューナから受け取った信号を復調して、メディア・コンテンツを抽出することができる。次いで、メディア・コンテンツと関連付けられた信号を通信インターフェース230に供給することができる。通信インターフェース230は、メディア・コンテンツと関連付けられた信号をネットワーク・アクセス・ポイントに、実例をあげると、USB接続を介して伝達するように構成することができる。通信インターフェース230は、復調器218から抽出されたコンテンツを、USB接続を介して伝達するのに適したフォーマットにパッケージ化する回路を含むことができる。
【0033】
[0041] また、通信インターフェース230は、コマンドをネットワーク・アクセス・ポイントから、USB接続を介して受信するように構成することができる。コマンドは、実例をあげると、OTAシステムを特定のチャネルに同調させる要求を含むことができる。コマンドは、実例をあげると、モーダル・アンテナ212を特定のアンテナ・モードに構成する(例えば、通信リンク品質を高めるため)コマンドを含むことができる。コマンドは、コントローラ224に供給することができる。次いで、コントローラ224は、OTAアンテナ・システム200の態様(例えば、RF回路214、チューナ216、復調器218)を制御して、コマンドを実行することができる。
【0034】
[0042] 図4は、本開示の実施形態例によるOTAアンテナ・システム200において使用することができるモーダル・アンテナ例300を示す。図示のように、モーダル・アンテナ300は、基板310と、基板310上に形成された接地面320とを含む。ある実施態様では、モーダル・アンテナ300は第1放射エレメント330を含む。モーダル・アンテナは、第1放射エレメント330に隣接して位置付けられた第1寄生エレメント332を含むことができる。能動エレメント(例えば、スイッチ、調整可能なインダクタ、調整可能なキャパシタ、キャパシタ、および/またはこれらの組み合わせ)334を、第1寄生エレメント332と接地面320との間に結合することができる。能動エレメント334は、放射エレメント330の放射パターンを調節するために、開放回路、短絡回路、または第1寄生エレメント332に無効負荷をかける(reactively load)ように構成されたマルチポート・スイッチを含むことができる。このように、モーダル・アンテナ300のアンテナ・モードを調節するように、能動エレメント334を制御することができる。
【0035】
[0043] ある実施態様では、アンテナ300は第2放射エレメント340を含むことができる。モーダル・アンテナ300は、第2アンテナ340に隣接して位置付けられた第2寄生エレメント342を含むことができる。第1寄生エレメント342と接地面320との間に、能動エレメント(例えば、スイッチ、調整可能なインダクタ、調整な可能キャパシタ、キャパシタ、および/またはこれらの組み合わせ)344を結合することができる。能動エレメント344は、放射エレメント330の放射パターンを調節するために、第1寄生エレメント342を開放回路にする、短絡回路にする、または無効負荷をかけるように構成されたマルチポート・スイッチを含むことができる。このように、モーダル・アンテナ300のアンテナ・モードを調節するように、能動エレメント344を制御することができる。
【0036】
[0044] 図5は、本開示の実施形態例によるネットワーク・アクセス・ポイント例110の模式図を示す。先に論じたように、ネットワーク・アクセス・ポイント110は、情報を1つ以上のクライアント・デバイスにワイヤレスで伝達するために、複数の異なるモードで動作可能なモーダル・アンテナ112を含むことができる。ネットワーク・アクセス・ポイント110は、1つ以上のプロセッサ114と1つ以上のメモリ・デバイス120とを含むことができる。1つ以上のメモリ・デバイスは、コンピュータ読み取り可能命令122とデータ126とを格納することができる。
【0037】
[0045] ネットワーク・アクセス・ポイント110は、OTAアンテナ・システムとの通信に対応するように構成された通信インターフェース115を含むことができる。通信インターフェース115は、実例をあげると、USBインターフェースとすることができる。USBインターフェースは、USB接続を受け入れるのに適した機械ポートと、USB接続を介して通信するのに適したインターフェース回路とを含むことができる。USB接続および通信インターフェース115を介して伝達される情報の例には、実例をあげると、OTAアンテナ・システムから得られたメディア・コンテンツと関連付けられた信号、OTAアンテナ・システムから得られるソフトウェア、OTAアンテナ・システムを構成するための制御信号等を含むことができる。
【0038】
[0046] ネットワーク・アクセス・ポイント110は、通信インターフェース117を含むことができる。通信インターフェース117は、モーダル・アンテナ112および/または他の通信リンク(例えば、受動アンテナ、ハードワイヤ接続リンク(イーサネット)等)を介した通信を制御するために、実例をあげると、1つ以上の送受信機、受信機、送信機、フロント・エンド・モジュール、ベースバンド・プロセッサ、RF回路、アンテナ制御モジュール等を含むことができる。ある実施形態では、通信インターフェース117は、モーダル・アンテナ112を複数の異なるモードの1つに構成するように動作可能な、アンテナ制御モジュールまたはアンテナ同調モジュールを含むことができる。モーダル・アンテナ(1つまたは複数)112の例について、以下で更に詳しく論ずる。
【0039】
[0047] コンピュータ読み取り可能命令122は、ネットワーク・アクセス・ポイントに所望の機能を設けるように構成された異なるソフトウェア・エンジンを含むことができる。実例をあげると、コンピュータ読み取り可能命令122は、ワイヤレス・ルーティングおよびネットワーク・アクセス・ポイント機能(例えば、ネットワークを通じた情報の受信および送信)を設けることに関連する第1組の命令123を含むことができる。コンピュータ読み取り可能命令122は、OTAアンテナ・システムに関連する第2組の命令124を含むことができる。実例をあげると、第2組の命令124は、OTAアンテナ・システムのアンテナ(1つまたは複数)を動作させるためのアンテナ・ドライバを含むことができる。第2組の命令124は、OTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナ(1つまたは複数)を、複数のアンテナ・モードから選択したモードに構成することに関連する命令を含むことができる。
【0040】
[0048] データ126は、実例をあげると、アンテナ・モードの各々におけるモーダル・アンテナの各々の動作と関連付けられた情報のデータベースを含むことができる。実例をあげると、データ126は、1つ以上のCQI(1つまたは複数)および/またはモーダル・アンテナ(1つまたは複数)の中のモード毎に、OTA信号の受信と関連付けられたCQI(1つまたは複数)に基づいて計算された、各チャネルに対する品質スコアを識別するデータベース127(例えば、参照表、行列、相関)を含むことができる。プロセッサ(1つまたは複数)114は、少なくとも部分的にデータベース127における情報に基づいて、OTAシステムのモーダル・アンテナ(1つまたは複数)を動作させるために選択されるモードを決定することができる。
【0041】
[0049] 本明細書において使用する場合、「プロセッサ」(processor)という用語は、コンピュータに含まれるものとして当技術分野において呼ばれる集積回路を指すだけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、および他のプログラマブル回路も指すものとする。メモリ・デバイス(1つまたは複数)は、メモリ・エレメント(1つまたは複数)を含むことができる。メモリ・エレメント(1つまたは複数)は、コンピュータ読み取り可能媒体(例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM))、コンピュータ読み取り可能不揮発性媒体(例えば、フラッシュ・メモリ)、および/または他の適したメモリ・エレメント、もしくはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるのではない。
【0042】
[0050] これより図6を参照すると、ある実施形態では、ネットワーク・アクセス・ポイント110のプロセッサ(1つまたは複数)114によって実行される命令124は、OTAアンテナ・システムが複数のモードの各々で動作している間におけるモーダル・アンテナの性能を示す情報または「データ」を、参照表またはデータベース400に入力するように構成することができる。以下で更に詳しく論ずるが、命令124は、ネットワーク・アクセス・ポイント110のプロセッサ114によって実行され、少なくとも部分的にデータベース400に含まれるデータに基づいて、OTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナに選択される動作モードを決定することができる。
【0043】
[0051] ある実施態様では、データベース400は、チャネル番号1からMまでに対する検出ステータス410を含むことができる。尚、Mはモーダル・アンテナによって検出されるチャネルの総数を示す変数であることは認められるはずである。例えば、モーダル・アンテナが合計6つの異なるチャネルを、異なる動作モードに跨がって検出できる場合、変数Mには数値「6」がデータベース400において割り当てられる。図6に示すように、モーダル・アンテナはチャネル1を検出できない(例えば、チャネル1から十分に強い信号を受信できない)。したがって、チャネル1に対する検出ステータス410はNoとなる。対照的に、モーダル・アンテナはチャネル2、3、およびMを検出することができる。したがって、チャネル2、3、およびMに対する検出ステータスはYesとなる。
【0044】
[0052] ある実施態様では、本システムは、所与のチャネル(例えば、チャネル1からMまで)、およびモーダル・アンテナが動作することができる複数のアンテナ・モードの中の所与のアンテナ・モード(例えば、モード1からNまで)に対してCQIを判定することができる。尚、Nはアンテナ・モードの総数を示す変数であることは認められるはずである。例えば、モーダル・アンテナが4つの異なるモードで動作することができる場合、変数Nには数値「4」が割り当てられる。尚、本システムは、少なくとも部分的に、OTAアンテナ・システムからの信号を通じて得られるメトリック(1つまたは複数)に基づいて、CQIを判定できることは認められてしかるべきである。
【0045】
[0053] 図6に示すように、本システムは、モーダル・アンテナがモード1で動作しているときには、チャネル2に対するCQIが28に等しいと判定することができる。これに対して、本システムは、モーダル・アンテナ602がモード2で動作しているときには、チャネル2に対するCQIが29に等しいと判定することができる。
【0046】
[0054] ある実施態様では、重み係数420をチャネル1からMまでに適用することができる。例えば、重み係数420は、所与のチャネルの検出ステータス410に基づいて決定することができる。実例をあげると、チャネル1のような、検出できないチャネルには、ゼロの重み係数を割り当てることができる。このように、 検出ステータス410が「No」であるチャネルは、モード毎(例えば、モード1からNまで)に判定される品質スコアSに影響を及ぼすことができない。他の例として、重み係数420は、所与のチャネルに対するCQIの大きさ(magnitude)に応じて、変化することができる。実例をあげると、チャネル2に対するCQIはチャネル3よりも大きい。したがって、チャネル2に割り当てられる重み係数420は、チャネル3に割り当てられる重み係数420よりも小さくすることができる。更に具体的には、チャネル2には1/4(例えば、0.25)の重み係数420を割り当てることができ、一方チャネル3には1(例えば、1)の重み係数4を割り当てることができる。このように、品質スコアSをモード(例えば、モード1からNまで)の各々について計算するとき、チャネル3にはチャネル2よりも大きな重み付けを行うことができる。
【0047】
[0055] ある実施態様では、モード(例えば、モード1からMまで)の各々に対する品質スコアSは、数1に示すように判定することができる。
【0048】
【数1】
【0049】
[0056] 上記の式において、wは、チャネル1からMまでに割り当てられる重み係数に対応する。加えて、CQIm,nは、所与のチャネルmおよびモードnに対するチャネル品質指標に対応する。したがって、第1モードに対する品質スコアSは、数2に示すように計算することができる。
【0050】
【数2】
【0051】
[0057] ある実施態様では、モーダル・アンテナに選択される動作モードは、最も高い品質スコアSを有するモードに対応することができる。更に具体的には、選択されるモードnselectedは、数3において以下に示すように決定することができる。
【0052】
【数3】
【0053】
[0058] 図6は、本開示の実施形態例によるOTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナを構成するために使用することができるCQIデータベース形式の一例を示す。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他の形式のデータ、CQI、および品質スコアも使用できることは、当業者には理解されよう。
【0054】
[0059] 図7は、本開示の実施形態例にしたがって提供されるアンテナ・システムのモーダル・アンテナに選択される動作モードを決定する方法(600)の流れ図を示す。方法(600)は、実例をあげると、図1を参照して先に論じたアンテナ・システムを使用して(例えば、ネットワーク・アクセス・ポイントによって)実施することができる。図7は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示す。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、方法(600)の種々のステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、適応させることができ、修正でき、並び替えることができ、同時に実行でき、または種々の方法で修正できることは、当業者には理解されよう。
【0055】
[0060] (602)において、方法(600)は、モーダル・アンテナをN通りの動作モードの中の1つに構成するステップを含む。加えて、モード・カウンタ変数nに、1の値を割り当てることができる。(604)において、方法(600)は、モーダル・アンテナがモードnで動作している間に検出された各チャネル(例えば、チャネル1からMまで)に対してCQIを判定するステップを含む。(606)において、方法(600)は各チャネルに重み係数を割り当てるステップを含む。先に論じたように、重み係数は、種々の要因に基づいて割り当てることができる。実例をあげると、モーダル・アンテナによって検出されないチャネルに対する重み係数には、ゼロの重み係数を割り当てることができる。あるいはおよび/または加えて、モーダル・アンテナによって検出されたチャネルには、少なくとも部分的に、(604)において判定されたCQI値に基づいて、重み係数を割り当てることができる。実例をあげると、所定量だけ最小値よりも大きいCQIを有するチャネルに割り当てられる重み係数は、最小量だけ最小値よりも大きくないCQIを有するチャネルに割り当てられる重み係数とは異なることが可能である。ある実施形態では、最小値は、チャネル上で放送される信号および視聴コンテンツをデコードするために要求される最小CQIに対応することができる。
【0056】
[0061] (608)において、方法(600)は、モーダル・アンテナが動作している現在のモードに対する品質スコアを判定するステップを含む。(610)において、方法(600)は、モード変数カウンタが、モーダル・アンテナが動作することができるモードの総数N未満か否か判定するステップを含む。nがN未満である場合、この方法は(612)に進む。しかしながら、nがN以上である場合、この方法は(616)に進む。
【0057】
[0062] (612)において、方法(600)は、モード変数カウンタnを増分するステップを含む。実例をあげると、モーダル・アンテナの現在のモードが第1モードに対応する場合、モード変数カウンタに1の値を割り当てることができる。したがって、(610)において、以下の数4にしたがってモード変数カウンタを増分することができる。
【0058】
【数4】
【0059】
[0063] (614)において、方法(600)は、少なくとも部分的にモード・カウンタ変数に基づいて、モーダル・アンテナを再構成するステップを含む。一例として、モード・カウンタ変数が2に等しい場合、N通りの異なるモードの中の第2モードに、モーダル・アンテナを構成することができる。このように、モーダル・アンテナの現在のモードを第1モードから第2モードに変更することができる。一旦モーダル・アンテナの現在のモードが再構成されたなら、方法は(604)に戻る。
【0060】
[0064] (616)において、方法(600)は、選択された動作モードで動作するように、モーダル・アンテナを構成するステップを含む。ある実施態様では、選択された動作モードは、(608)において判定された最も高い品質スコアを有するモード(例えば、1からNまで)に対応することができる。 一旦モーダル・アンテナが選択された動作モードに構成されたなら、この方法は(618)に進む。
【0061】
[0065] (618)において、方法(600)は、イベント検出の発生(occurrece of a detected event)まで、スタンバイ・モードに入るステップを含む。ある実施態様では、モーダル・アンテナが(616)において選択された動作モードに構成されてから所定の時間量が経過したときに、イベント検出が行われるとしてよい。代わりにまたは加えて、得られたメトリックが、閾値を超えた信号と関連付けられた干渉量を示すときに、イベント検出が行われるとしてもよい。ある実施態様では、検出されたアンテナの位置変化に基づいて、イベント検出が.行われるとしてもよい。ある実施態様では、OTAアンテナ・システムがネットワーク・アクセス・ポイントにUSB接続を介して接続されるときに、イベント検出が行われるとしてもよい。イベント検出は、特定のチャネルを視聴するユーザの要求としてもよい。尚、方法(600)は、イベント検出の出現に応答して、(602)に戻ることは認められてしかるべきである。
【0062】
[0066] ある実施態様では、ユーザ入力が入力デバイスによって受け取られたときに、イベント検出が行われるとしてもよい。更に具体的には、入力デバイスは、コントローラと動作可能に通信する1つ以上の機械インターフェース・エレメント(例えば、プッシュ・ボタン)を含むことができる。代わりにまたは加えて、入力デバイスは、任意の適した有線またはワイヤレス通信リンクを介してコントローラに通信可能に結合される移動体デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ等)を含むことができる。
【0063】
[0067] 図7は、本開示の実施形態例にしたがって、ネットワーク・アクセス・ポイントを使用してOTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナを構成する方法の一例を示す。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ以上のチャネルとの通信リンク品質を高めるために、他の適した方法、プロセス、および/またはアルゴリズムも使用できることは、当業者には理解されよう。例えば、1つのチャネルからOTAメディア・コンテンツを受信するために、CQIおよび/または品質スコアを最適化するように、アンテナ・モードを選択することができる。他の例として、最も多くのチャネルから、および/または最良の通信リンク品質で、OTAメディア・コンテンツを受信するために、アンテナ・モードを選択することができる。
【0064】
[0068] 図8は、本開示の実施形態例による方法例(700)の流れ図を示す。方法(700)は、実例をあげると、図1図2、および図5のネットワーク・アクセス・ポイントによって実施することができる。図8は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示す。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、方法(700)の種々のステップを適応させることができ、修正でき、並び替えることができ、同時に実行でき、または種々の方法で修正できることは、当業者には理解されよう。
【0065】
[0069] (702)において、この方法は、実例をあげると、USB接続または他の着脱可能な接続を介して、OTAアンテナ・システムのネットワーク・アクセス・ポイントへの接続を検出するステップを含むことができる。実例をあげると、ネットワーク・アクセス・ポイントは、OTAアンテナ・システムがネットワーク・アクセス・ポイントのUSBポートに物理的に接続されていると判定することができる。
【0066】
[0070] (704)において、この方法は、USB接続を介して、OTAアンテナ・システムの動作に関連する命令(例えば、ソフトウェア)を得る(例えば、ダウンロードする)ことができる。実例をあげると、ネットワーク・アクセス・ポイントを介してOTAアンテナを構成および/または制御する命令は、ダウンロードしてネットワーク・アクセス・ポイントにおいてメモリに格納することができる。
【0067】
[0071] (706)において、この方法は、OTAアンテナ・システムのモーダル・アンテナを構成するために選択するモードを決定するステップを含むことができる。選択されるモードは、1つのチャネルおよび/または複数のチャネルからOTAコンテンツを受信するときの通信リンク品質を高めるように決定することができる。
【0068】
[0072] (708)において、この方法は、モーダル・アンテナを選択されたモードに構成するために、制御信号をUSB接続を介して伝達するステップを含むことができる。実例をあげると、制御信号は、USB接続を介して、OTAアンテナ・システムと関連付けられたコントローラに伝達することができる。コントローラは、モーダル・アンテナを複数のアンテナ・モードの中から選択したモードに構成するために、モーダル・アンテナに付随するRF回路(例えば、能動エレメント)を構成することができる。
【0069】
[0073] (710)において、この方法は、OTAメディア・コンテンツと関連付けられた信号を、OTAアンテナ・システムからUSB接続を介して受信するステップを含むことができる。実例をあげると、OTAアンテナ・システムからの復調OTA信号をネットワーク・アクセス・ポイントに、USB接続を介して伝達することができる。
【0070】
[0074] (712)において、この方法は、メディア・コンテンツをネットワーク・アクセス・ポイントから1つ以上のクライアント・デバイスに、通信リンクを介して伝達するステップを含むことができる。通信リンクは、有線および/またはワイヤレス通信リンクとすることができる。実例をあげると、通信リンクは802.11通信リンクとすることができる。
【0071】
[0075] 図9は、実例をあげると、ネットワーク・アクセス・ポイントおよび/または1つ以上のクライアント・デバイスと共に使用することができる、本開示の態様によるモーダル・アンテナ810の実施形態例を示す。モーダル・アンテナ810は、回路ボード812(例えば、接地面を含む)と、回路ボード812上に配置された被駆動アンテナ・エレメント814とを含むのでもよい。回路ボードと(例えば、接地面と)被駆動アンテナ・エレメントとの間に、アンテナ空間(volume)を定めることができる。
【0072】
[0076] ある実施形態では、第1寄生エレメント815を少なくとも部分的にアンテナ空間内に位置付けてもよい。第1能動エレメント816は、寄生エレメント815と結合することができる。第1能動エレメント816は、受動または能動コンポーネントもしくは一連のコンポーネントとすることもでき、可変リアクタンス、または接地への短絡のいずれかによって、第1寄生エレメント815上のリアクタンスを変化させるように構成することができ、その結果アンテナの周波数偏移が生じる。
【0073】
[0077] ある実施形態では、第2寄生エレメント818は、回路ボード812に近接して配置されてもよく、アンテナ空間の外側に位置付けられてもよい。第2寄生エレメント818は、更に、第2能動エレメント820を含んでもよい。第2能動エレメント820は、個別に1つ以上の能動および/または受動コンポーネントを含んでもよい。第2能動エレメント820は、受動または能動コンポーネントもしくは一連のコンポーネントとすることもでき、可変リアクタンスまたは接地への短絡のいずれかによって第2寄生エレメント818上のリアクタンスを変化させるように構成することができ、その結果アンテナの周波数偏移が生ずる。第2寄生エレメント818は、被駆動エレメント814に隣接して配置されてもよく、更にアンテナ空間の外側に位置付けられてもよい。
【0074】
[0078] 説明した構成は、リアクタンスを変化させることによって、被駆動アンテナ・エレメントの放射パターン特性を偏移させる機能(ability)を設けることができる。アンテナ放射パターンを偏移させることを「ビーム・ステアリング」(beam steering)と呼ぶことができる。アンテナ放射パターンがヌルを含む実例では、同様の動作を「ヌル・ステアリング」(null steering)と呼ぶことができる。何故なら、アンテナを中心とした交互位置にヌルを偏移させることができるからである(例えば、干渉を低減するため)。ある実施形態では、第2能動エレメント820が、「オン」のときには第2寄生を接地に接続し、「オフ」のときには短絡を終結させるスイッチを含んでもよい。しかしながら、第1または第2寄生エレメントのいずれかにおける可変リアクタンスが、例えば、可変キャパシタまたは他の調整可能なコンポーネントを使用することによって、更に、アンテナ・パターンまたは周波数応答の可変偏移に対応できるようにしてもよいことは、注記してしかるべきである。例えば、第1能動エレメント716および/または第2能動エレメント820は、調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含んでもよい。
【0075】
[0079] 図10は、図11のモーダル・アンテナに伴う二次元アンテナ放射パターンを示す。放射パターンは、モーダル・アンテナ810の第1および/または第2寄生エレメント815、818の内少なくとも1つに伴う電気特性を制御することによって、偏移させることができる。例えば、ある実施形態では、放射パターンを第1モード822から第2モード824、または第3モード826等に偏移させることができる。
【0076】
[0080] 図11は、本開示の態様例による、図11のモーダル・アンテナの周波数プロット例を示す。モーダル・アンテナ810の第1および/または第2寄生エレメント815、818の内少なくとも1つに伴う電気特性を制御することによって、 アンテナの周波数を偏移させることができる。例えば、第1および第2寄生エレメントが「オフ」に切り替えられたときにアンテナの第1周波数(f)に達することができ、第2寄生が接地に短絡されたときに周波数(f)および(f)を生成することができ、第1および第2寄生エレメントが各々接地に短絡されたときに周波数(f;f)を生成することができる。尚、本開示の範囲内において他の構成も可能であることは理解されてしかるべきである。例えば、もっと多い寄生エレメントまたはもっと少ない寄生エレメントを採用してもよい。寄生エレメントの位置付けは、異なる周波数および/または周波数の組み合わせを呈することができる追加のモードを達成するために、変更することもできる。
【0077】
[0081] 図9図11は、例示および論述の目的に限って、複数のモードを有するモーダル・アンテナの一例を示す。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他のモーダル・アンテナおよび/またはアンテナ構成も使用できることは、当業者には理解されよう。
【0078】
[0082] 以上、本発明の主題を、その具体的な実施形態例に関して詳細に説明したが、以上のことの理解が得られれば、当業者はこのような実施形態に対する変更、変形、および等価物は容易に生み出すことができることは認められよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく一例であり、当業者には容易に認められるように、本開示は、本発明の主題に対するこのような変更、変形、および/または追加の包含を除外することはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11