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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/00 20060101AFI20240913BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
F04D29/00 B
F04D29/64 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022064704
(22)【出願日】2022-04-08
(65)【公開番号】P2023155008
(43)【公開日】2023-10-20
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】三宮 敬樹
(72)【発明者】
【氏名】有吉 直人
(72)【発明者】
【氏名】安江 将司
(72)【発明者】
【氏名】磯村 亮太
【審査官】森 秀太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/016106(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/273589(US,A1)
【文献】中国実用新案第207111484(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/00
F04D 29/64
H01R 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口及び吹出口が形成された外箱と、
前記外箱に収納され前記吸込口から前記吹出口へ向かう気流を形成する羽根車と、
前記外箱に収納され前記羽根車を駆動する電動機と、
前記外箱の側面に固定される端子台とを備え、
前記端子台は、
外部電源に接続される入力側電線と、前記電動機に接続される出力側電線とを電気的に接続する複数の端子部を有する直方体状の接続端子と、
前記接続端子を、前記外箱の側面との間に隙間がある状態で支持する端子固定台とを備え、
前記接続端子は、互いに隣接しない異なる二つの面に一つずつ形成された二つの溝に挟まれることによってくびれたくびれ部が設けられており、
前記端子固定台は、二股状の接続端子挿入部が設けられた接続端子載置板を有し、
前記接続端子は、前記二つの溝の各々に、前記接続端子挿入部が挿入されることによって前記接続端子載置板に固定されることを特徴とする送風機。
【請求項2】
前記接続端子は、前記端子部の接続口に挿入された前記入力側電線及び前記出力側電線をくわえ込んで電気的に接続する速結端子であることを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記速結端子は、前記入力側電線の挿入方向と同じ方向に押下することにより、前記入力側電線のくわえ込みを解除する解除ボタンと、前記出力側電線の挿入方向と同じ方向に押下することにより、前記出力側電線のくわえ込みを解除する解除ボタンとを備えることを特徴とする請求項2に記載の送風機。
【請求項4】
前記二つの溝は、前記外箱の側面と平行に延びており、
前記接続端子載置板は、前記外箱の側面と平行に設置されており、
前記端子固定台は、前記外箱の側面に垂直な方向における前記接続端子の移動を抑制することを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項5】
前記端子固定台に固定される固定金具を備え、
前記固定金具には、前記外箱の側面に垂直な軸回りに回転非対称に爪部が形成されており、
前記接続端子には、前記爪部と係合可能な切り欠き部が、前記外箱の側面に垂直な軸回りに回転非対称に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の送風機。
【請求項6】
前記外箱の側面と前記固定金具との隙間が、前記出力側電線の線径よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の送風機。
【請求項7】
前記外箱を水平軸回りに回動可能に支持する取付板を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物内に設置されて、空気を搬送する送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置及び換気扇といった設備機器の多くは、電源線を接続する端子台を備えている。特許文献1に開示される送風機のように、一般的には、端子台は、外箱の外部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-98703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送風機の設置場所と端子台の設けられる位置とによっては、端子台のスペースが限られることがある。端子台の設置スペースは限られている一方で、高機能化に対応するために、端子台の設置スペースを拡大することが求められている。このため、限られた設置スペースで多くの接続端子を固定できる端子台を備えた送風機が求められている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、限られた設置スペースで多くの接続端子を固定できる端子台を備えた送風機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る送風機は、吸込口及び吹出口が形成された外箱と、外箱に収納され吸込口から吹出口へ向かう気流を形成する羽根車と、外箱に収納され羽根車を駆動する電動機と、外箱の側面に固定される端子台とを備える。端子台は、外部電源に接続される入力側電線と、電動機に接続される出力側電線とを電気的に接続する複数の端子部を有する直方体状の接続端子と、接続端子を、外箱の側面との間に隙間がある状態で支持する端子固定台とを備える。接続端子は、互いに隣接しない異なる二つの面に一つずつ形成された二つの溝に挟まれることによってくびれたくびれ部が設けられている。端子固定台は、二股状の接続端子挿入部が設けられた接続端子載置板を有する。接続端子は、二つの溝の各々に、接続端子挿入部が挿入されることによって接続端子載置板に固定される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、限られた設置スペースで多くの接続端子を固定できる端子台を備えた送風機を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る送風機の斜視図
図2】実施の形態1に係る送風機の正面図
図3】実施の形態1に係る送風機の背面図
図4】実施の形態1に係る送風機の側面図
図5】実施の形態1に係る送風機の端子台のカバーを外した状態での側面図
図6】実施の形態1に係る送風機の端子台のカバーを取り外した状態での斜視図
図7】実施の形態1に係る送風機の端子台のカバーを取り外した状態での分解斜視図
図8】実施の形態1に係る送風機の端子台の分解図
図9】実施の形態1に係る送風機の端子台の断面図
図10】実施の形態1に係る送風機の電動機の回路図
図11】実施の形態2に係る送風機の端子台の斜視図
図12】実施の形態2に係る送風機の端子台の分解斜視図
図13】実施の形態2に係る送風機の端子台の側面図
図14】実施の形態2に係る送風機の端子台の分解図
図15】実施の形態2に係る送風機の端子台の断面図
図16】実施の形態3に係る送風機の端子台の側面図
図17】実施の形態3に係る送風機の端子台の模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施の形態に係る送風機を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る送風機の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る送風機の正面図である。図3は、実施の形態1に係る送風機の背面図である。実施の形態1に係る送風機100は、外郭を構成する中空直方体状の外箱1を有する。外箱1の正面には、吹出口2が形成されており、外箱1の背面には吸込口5が形成されている。吹出口2は、二段に分かれて形成されており、各々から空気を吹き出す。図1には、吹出口2から吹き出す空気を矢印Aで示している。外箱1は、両端部に取付板3が設けられている。外箱1は、取付板3を天井80などに固定することによって、天井80などから吊り下げた状態で設置される。
【0011】
天井80に固定された取付板3は、外箱1の両端部を回動自在に軸支する。このため、外箱1は、図1に矢印Bで示すように、外箱1の長手方向の中心軸回りに外箱1の向きを変更できる。
【0012】
送風機100は、天井80ではなく、壁面又は床面に設置されてもよい。
【0013】
送風機100は、外箱1の内部に設置されて吹出口2へ向かう気流を形成する羽根車6と、羽根車6を駆動する電動機7と、を備える。
【0014】
図4は、実施の形態1に係る送風機の側面図である。図5は、実施の形態1に係る送風機の端子台のカバーを外した状態での側面図である。取付板3は、本体部3aに貫通穴3dが形成されている。貫通穴3dに支持ボルト8を通し、支持ボルト8を外箱1にねじ止めすることで、外箱1は、取付板3によって水平軸回りに回動可能に支持される。本体部3aには、複数の角度調整穴3bが、11.25°ピッチで円弧上に形成されている。角度調整穴3bのいずれかに角度調整ボルト9を止めることにより、吹出口2の向きを11.25°ピッチで変えて外箱1を設置できる。
【0015】
送風機100は、外箱1の側面1aに固定される端子台16を備える。図6は、実施の形態1に係る送風機の端子台のカバーを取り外した状態での斜視図である。図7は、実施の形態1に係る送風機の端子台のカバーを取り外した状態での分解斜視図である。図8は、実施の形態1に係る送風機の端子台の分解図である。図9は、実施の形態1に係る送風機の端子台の断面図である。端子台16は、速結端子15と、絶縁シート17と、端子固定台19と、固定部品18と、ねじ13とを備える。また、図4に示したように、端子台16は、速結端子15を覆うカバー4を備える。なお、図8及び図9では、カバー4、固定部品18及びねじ13の図示を省略している。図4に示したように、カバー4には、外箱1の側面1aへのねじ止め用の貫通穴4aが形成されている。図5に示したように、速結端子15は、外部電源に接続される入力側電線21と、電動機7に接続される出力側電線14とを電気的に接続する接続端子である。
【0016】
速結端子15は、外部電源に接続される入力側電線21と、電動機7に接続される出力側電線14とを接続する端子部51が、四つ並列に並べられた構造である。端子部51には、入力側電線21と出力側電線14とが、互いに対向する2方向から接続口に挿入される。ここで、入力側電線21及び出力側電線14を端子部51の接続口に挿抜する方向をY方向とする。入力側電線21は、-Y方向から端子部51の接続口に挿入される。出力側電線14は、+Y方向から端子部51の接続口に挿入される。端子部51の接続口に対して入力側電線21及び出力側電線14を挿入する方向は、外箱1の側面1aに対して平行である。また、四つの端子部51が並ぶ方向をX方向とする。X方向及びY方向の両方に垂直な方向をZ方向とする。それぞれの端子部51は、外部電源に接続される入力側電線21が-Y方向から接続される。また、電動機7に接続される出力側電線14が+Y方向から接続される。入力側及び出力側の各々の接続口は、ドライバーなどの工具を用いることなく入力側電線21及び出力側電線14を取付可能な速結接続口となっている。速結端子15うち-Z方向の端面は、端子台16を外箱1の側面1aに取り付けた状態では、外箱1の側面1aに対向する。
【0017】
速結端子15は、外形が直方体状であり、-Z方向端部には、X方向における全長に渡って同一形状に窪み、-X方向の端面から+X方向の端面まで繋がった溝31a二つが形成されている。すなわち、速結端子15は、互いに隣接しない異なる二つの面に溝31aが一つずつ形成されている。溝31aに挟まれた部分は、くびれ部31となっている。端子台16を外箱1の側面1aに取り付けた状態では、二つの溝31aは、外箱1の側面1aと平行に延びる。したがって、速結端子15は、くびれ部31の部分でくびれており、くびれ部31での部分のY方向の幅は、くびれ部31以外の部分でのY方向の幅よりも小さくなっている。
【0018】
速結端子15は、くびれ部31よりも-Z方向の部分でのY方向の幅が、くびれ部31よりも+Z方向の部分での幅よりも小さくなっている。速結端子15のくびれ部31の部分でのY方向の幅は、くびれ部31よりも+Z方向の部分でのY方向の幅よりも小さくなっている。
【0019】
速結端子15は、入力側電線21及び出力側電線14を外す際に、入力側電線21の挿入方向又は出力側電線14の挿入方向と同じ方向に押下することにより動作する解除ボタン15aを備える。
【0020】
入力側電線21には、VVF(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable)と称されるビニル絶縁ビニルシース平形ケーブルが用いられる。VVFケーブルは、直径1.6mmから2.0mmの1本の銅線で心線が構成される。出力側電線14には、一般的に心線が撚り線の電線が用いられ、接続部にはピン端子が用いられる。撚り線とピン端子とは、ピン端子を撚り線にかしめて接続される。
【0021】
このように、速結端子15の入力側と出力側とで用いられる電線の種類及び線径が異なるため、入力側電線21又は出力側電線14を挿入する速結接続口も、入力側電線21又は出力側電線14に対応して形状及び内径が異なっている。
【0022】
端子固定台19は、XY方向に広がる長方形状の接続端子載置板33と、接続端子載置板33のY方向の両端部から-Z方向に延びる二つの脚側面部34と、それぞれの脚側面部34の-Z方向端部からY方向沿って互いに離れる方向に延びる脚底面部35とを有する。
【0023】
接続端子載置板33は、Y方向の中央部が切り欠かれて二股状の接続端子挿入部32が形成されている。接続端子挿入部32を形成する切り欠きは、接続端子載置板33の-X方向の端部から切り込まれている。接続端子挿入部32を形成する切り欠きは、X方向及びY方向に延びる辺を持つ矩形状である。接続端子挿入部32を形成する切り欠きのY方向の幅は、速結端子15のくびれ部31におけるY方向の幅と同じである。脚側面部34には、ねじ穴34aが形成されている。また、脚底面部35には、外箱1の側面1aへのねじ止め用の貫通穴19aが形成されている。端子台16を外箱1の側面1aに取り付けた状態において、接続端子載置板33は、外箱1の側面1aと平行に設置される。
【0024】
絶縁シート17は、XY方向に広がる長方形状であり、端子固定台19の接続端子載置板33と同程度の大きさである。絶縁シート17の中央部には、矩形状の穴が設けられて接続端子挿入部41が形成されている。接続端子挿入部41を形成する穴は、X方向及びY方向に延びる辺を持つ矩形状である。接続端子挿入部41のX方向の幅は、速結端子15のX方向の幅と同じである。接続端子挿入部41のY方向の幅は、速結端子15のうちくびれ部31よりも-Z方向の部分でのY方向の幅よりも大きく、かつ速結端子15のうちくびれ部31よりも+Z方向の部分でのY方向の幅よりも小さくなっている。絶縁シート17の-X方向端部は、+Z方向に折り曲げられることによって、折り曲げ片42が形成されている。
【0025】
固定部品18は、互いに対向する対向部18aと、対向部18a同士を連結する連結部18bとを備えている。対向部18aには、貫通穴18cが形成されている。
【0026】
カバー4と端子固定台19とは、同一方向からの作業で外箱1の側面1aに固定できる。
【0027】
図10は、実施の形態1に係る送風機の電動機の回路図である。電動機7は、コンデンサ型誘導電動機である。電動機7は、交流電源に主巻線91と補助巻線92とを並列併設に接続し、主巻線91に進相コンデンサ93を直列に接続して構成されている。補助巻線92には、第1変速巻線94と、第2変速巻線95とが直列に重ね巻きされる。電動機7の回路は、交流電源の一方を主巻線91と補助巻線92との共通部96に接続し、他方の接続位置を、補助巻線92のみ含む位置97と、補助巻線92と第1変速巻線94とを含む位置98と、補助巻線92と第1変速巻線94と第2変速巻線95とを含む位置99とで切り替えることで、電動機7は、3段階の速度調整を行う。したがって、交流電源と電動機7との間には、4本の出力側電線14が接続される。
【0028】
このように、送風機100の風量制御を多段階にするためには、電動機7の回転速度調整の段階を増やす必要があり、速結端子15の設置スペースを拡大する必要がある。
【0029】
端子台16の組立方法を説明する。まず、速結端子15のくびれ部31に、絶縁シート17の接続端子挿入部41を+Z方向から挿入する。速結端子15のうちくびれ部31よりも+Z方向の部分でのY方向の幅は、接続端子挿入部41のY方向の幅よりも大きいため、速結端子15は、くびれ部31よりも+Z方向の部分が絶縁シート17に当接する。
【0030】
次に、速結端子15のくびれ部31を形成する二つの溝31aの各々に、端子固定台19の接続端子挿入部32を+X方向から挿入する。これにより、図9に示すように、速結端子15のくびれ部31に絶縁シート17と端子固定台19の接続端子載置板33とが挿入され、絶縁シート17及び接続端子載置板33は、速結端子15のうちくびれ部31よりも+Z方向の部分と、くびれ部31よりも-Z方向の部分とに挟まれて、Z方向の移動が抑制される。
【0031】
最後に、固定部品18によって-X方向から絶縁シート17の折り曲げ片42と速結端子15とを挟んで、端子固定台19の脚側面部34に固定する。これにより、速結端子15のX方向の移動が抑制され、速結端子15が接続端子挿入部32から抜け出ることが抑制される。
【0032】
速結端子15の底面と端子固定台19とは、絶縁シート17によって絶縁される。絶縁シート17は、端子固定台19の接続端子載置板33と同程度の大きさを有するため、速結端子15に接続される入出力電線と端子固定台19とは、同様に絶縁シート17によって絶縁される。
【0033】
速結端子15の側面と固定部品18とは、絶縁シート17の折り曲げ片42によって絶縁される。
【0034】
このように、くびれ部31を形成する二つの溝31aの各々に、接続端子挿入部32を挿入して速結端子15を端子固定台19に固定することで、外箱1の側面1aに固定される部品である端子固定台19に速結端子15を固定するためのねじをねじ止めするスペースを確保する必要がなくなるため、端子台16のXY平面上の設置スペースを小さくすることができる。したがって、実施の形態1に係る送風機100が備える端子台16は、限られた設置スペースで多くの接続端子を固定できる。さらに、固定部品18の貫通穴18cを通したねじを端子固定台19の脚側面部34のねじ穴34aに締結することにより、速結端子15が端子固定台19の切り欠きから抜け出ることを防止できる。
【0035】
また、速結端子15は、外箱1の側面1aとの間に隙間が形成される状態で設置されるため、外箱1との絶縁距離を確保することができ、入力側電線21及び出力側電線14の挿入作業を容易にすることができる。
【0036】
実施の形態2.
図11は、実施の形態2に係る送風機の端子台の斜視図である。図12は、実施の形態2に係る送風機の端子台の分解斜視図である。図13は、実施の形態2に係る送風機の端子台の側面図である。図14は、実施の形態2に係る送風機の端子台の分解図である。図15は、実施の形態2に係る送風機の端子台の断面図である。実施の形態2に係る端子台16は、固定部品18の代わりに固定部品22を備えている。固定部品22は、XY方向に広がる長方形状の連結板61と、連結板61の+Y方向の側面から-Z方向に延びる脚部62と、連結板61のY方向の中心よりも-Y方向の位置から+Z方向に突出する爪部63とを有する。爪部63は、Z軸回りに回転非対称に形成されている。脚部62には、貫通穴62aが形成されている。また、速結端子15の-Z方向の端面には、爪部63と係合可能な切り欠き部52が形成されている。切り欠き部52は、-Z側端面のY方向の中心よりも-Y方向の端部よりの位置に形成されている。切り欠き部52は、Z軸回りに回転非対称に形成されている。絶縁シート17は、Y方向の端部から-Z方向に延びる舌片部17aを備えている。舌片部17aには、貫通穴17bが形成されている。
【0037】
切り欠き部52は、Z軸回りに回転非対称に設けられているため、速結端子15をZ軸回りに180°回転したときに、切り欠き部52は、回転前とは異なる位置に配置される。
【0038】
端子固定台19は、+Y方向側の脚側面部34にのみねじ穴34aが形成されていることを除き、実施の形態1に係る端子台16と同様である。
【0039】
実施の形態2に係る端子台16は、端子固定台19の接続端子挿入部32がくびれ部31に挿入された速結端子15に固定部品22を取り付けることで、速結端子15のZ方向の移動を抑制する構造である。
【0040】
実施の形態2に係る端子台16の組み立て方法について説明する。速結端子15のくびれ部31に絶縁シート17と端子固定台19とを挿入する方法は、実施の形態1と同様である。
【0041】
次に、固定部品22の爪部63を、速結端子15の切り欠き部52に差し込んだ状態で、固定部品22の脚部62に形成された貫通穴62a及び絶縁シート17の舌片部17aに形成された貫通穴17bにねじ13を通し、端子固定台19の脚側面部34に形成されたねじ穴34aにねじ13を締結する。これにより、固定部品22が速結端子15から外れることを防止できる。
【0042】
このように、速結端子15に設けたくびれ部31と、端子固定台19の接続端子載置板33に設けた接続端子挿入部32とを用いて速結端子15を端子固定台19に固定することで、外箱1の側面1aに固定される部品である端子固定台19に速結端子15を固定するためのねじをねじ止めするスペースを確保する必要がなくなるため、端子台16のXY平面上の設置スペースを小さくすることができる。
【0043】
また、固定部品22の脚部62の貫通穴62aを通して端子固定台19の+Y方向側の脚側面部34のねじ穴34aにねじ13を締結することにより、固定部品22の爪部63が+Y方向に引っ張られ、速結端子15は、+Y方向に引っ張られた状態で端子固定台19に固定される。このため、実施の形態2に係る端子台16は、1本のねじ13で速結端子15を端子固定台19に固定することができる。
【0044】
また、速結端子15は、-Z方向の端面の、Y方向の中心よりも-Y方向の位置に切り欠き部52が形成されている。切り欠き部52は、Y方向の中心に対して非対称の位置に形成されているため、速結端子15を誤ってZ軸回りに180°回転した向きで端子台16を組み立てようとしても、固定部品22の爪部63を速結端子15の切り欠き部52に挿入できないため、端子台16を組み立てることはできない。
【0045】
速結端子15の入力側に接続される入力側電線21と出力側に接続される出力側電線14とは、接続部の形状及び大きさが異なるため、入力側電線21と出力側電線14とを誤取付すると、引き抜き荷重の違いにより接続不良になる可能性があり、漏電が生じたり、電動機7が動作しなくなったりするおそれがある。実施の形態2に係る端子台16は、速結端子15と端子固定台19とが誤ってZ軸回りに180°回転して組み立てられることを防止することができるため、速結端子15が入力側速結接続口と出力側接続口とで形状及び線径が異なっていても、誤組立に起因する誤結線を防止することができる。
【0046】
実施の形態3.
図16は、実施の形態3に係る送風機の端子台の側面図である。図17は、実施の形態3に係る送風機の端子台の模式図である。実施の形態3に係る送風機の端子台16は、速結端子15と、絶縁シート17と、端子固定台19と、固定部品22とを備える。実施の形態3に係る端子台16は、実施の形態2に係る端子台16と比較すると、固定部品22の形状が異なっている。実施の形態3に係る端子台16の固定部品22は、実施の形態2に係る端子台16の固定部品22に比べ、脚部62が長くなっており、外箱1の側面1aとの隙間G2は、実施の形態2に係る端子台16の固定部品22の脚部62と外箱1の側面1aとの隙間G1よりも狭くなっている。
【0047】
固定部品22の脚部62の-Z方向の端部は、図17に示すように、端子台16を組み立てた状態では、端子固定台19の脚底面部35の上面に接する。すなわち、外箱1の側面1aと固定部品22の-Z方向の下端部との隙間G2は、図16に示すように、端子固定台19の脚底面部35の厚さと同程度である。
【0048】
外箱1の側面1aに形成された開口を通じてから出力側電線14が外箱1から引き出され、速結端子15の-Y側の出力側接続口に接続される。
【0049】
誤ってZ軸回りに180°回転させて外箱1の側面1aに端子固定台19を取り付けた場合、外箱1の側面1aと固定部品22の-Z方向の下端部との隙間G2は、図16に示すように、端子固定台19の脚底面部35の厚さと同程度となる。出力側電線14の線径Dは脚底面部35の厚さよりも大きい。このため、外箱1の側面1aと固定部品22の-Z方向の下端部との隙間G2に出力側電線14を通すことはできない。すなわち、誤ってZ軸回りに180°回転させて外箱1の側面1aに端子固定台19を取り付けても、出力側電線14を速結端子15の-Y方向側の接続口に接続することができない。したがって、実施の形態3に係る端子台16は、出力側電線14の誤接続を防止することができる。
【0050】
以上の実施の形態に示した構成は、内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0051】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0052】
(付記1)
吸込口及び吹出口が形成された外箱と、
前記外箱に収納され前記吸込口から前記吹出口へ向かう気流を形成する羽根車と、
前記外箱に収納され前記羽根車を駆動する電動機と、
前記外箱の側面に固定される端子台とを備え、
前記端子台は、
外部電源に接続される入力側電線と、前記電動機に接続される出力側電線とを電気的に接続する複数の端子部を有する直方体状の接続端子と、
前記接続端子を、前記外箱の側面との間に隙間がある状態で支持する端子固定台とを備え、
前記接続端子は、互いに隣接しない異なる二つの面に一つずつ形成された二つの溝に挟まれることによってくびれたくびれ部が設けられており、
前記端子固定台は、二股状の接続端子挿入部が設けられた接続端子載置板を有し、
前記接続端子は、前記二つの溝の各々に、前記接続端子挿入部が挿入されることによって前記接続端子載置板に固定されることを特徴とする送風機。
(付記2)
前記接続端子は、前記端子部の接続口に挿入された前記入力側電線及び前記出力側電線をくわえ込んで電気的に接続する速結端子であることを特徴とする付記1に記載の送風機。
(付記3)
前記速結端子は、前記入力側電線の挿入方向と同じ方向に押下することにより、前記入力側電線のくわえ込みを解除する解除ボタンと、前記出力側電線の挿入方向と同じ方向に押下することにより、前記出力側電線のくわえ込みを解除する解除ボタンとを備えることを特徴とする付記2に記載の送風機。
(付記4)
前記二つの溝は、前記外箱の側面と平行に延びており、
前記接続端子載置板は、前記外箱の側面と平行に設置されており、
前記端子固定台は、前記外箱の側面に垂直な方向における前記接続端子の移動を抑制することを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載の送風機。
(付記5)
前記端子固定台に固定される固定金具を備え、
前記固定金具には、前記外箱の側面に垂直な軸回りに回転非対称に爪部が形成されており、
前記接続端子には、前記爪部と係合可能な切り欠き部が、前記外箱の側面に垂直な軸回りに回転非対称に形成されていることを特徴とする付記4に記載の送風機。
(付記6)
前記外箱の側面と前記固定金具との隙間が、前記出力側電線の線径よりも小さいことを特徴とする付記5に記載の送風機。
(付記7)
前記外箱を水平軸回りに回動可能に支持する取付板を備えることを特徴とする付記1から6のいずれか一つに記載の送風機。
【符号の説明】
【0053】
1 外箱、1a 側面、2 吹出口、3 取付板、3a 本体部、3b 角度調整穴、3d,4a,17b,18c,19a,62a 貫通穴、4 カバー、5 吸込口、6 羽根車、7 電動機、8 支持ボルト、9 角度調整ボルト、13 ねじ、14 出力側電線、15 速結端子、15a 解除ボタン、16 端子台、17 絶縁シート、17a 舌片部、18,22 固定部品、18a 対向部、18b 連結部、19 端子固定台、21 入力側電線、31 くびれ部、31a 溝、32,41 接続端子挿入部、33 接続端子載置板、34 脚側面部、34a ねじ穴、35 脚底面部、42 折り曲げ片、51 端子部、52 切り欠き部、61 連結板、62 脚部、63 爪部、80 天井、91 主巻線、92 補助巻線、93 進相コンデンサ、94 第1変速巻線、95 第2変速巻線、96 共通部、97,98,99 位置、100 送風機。
図1
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図17