(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】二重コーティング単一硬化粉体コーティング
(51)【国際特許分類】
B05D 1/36 20060101AFI20240913BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20240913BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20240913BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20240913BHJP
C09D 5/03 20060101ALI20240913BHJP
C09D 5/08 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B05D1/36 B
B05D7/14 P
B05D3/00 D
C09D201/00
C09D5/03
C09D5/08
(21)【出願番号】P 2022076002
(22)【出願日】2022-05-02
(62)【分割の表示】P 2020026850の分割
【原出願日】2012-12-18
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2012-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2012-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503026211
【氏名又は名称】ヴァルスパー・ソーシング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】デッカー,オーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ロゴジンスキ,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレイツマン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】コンチャ,カルロス
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-256692(JP,A)
【文献】特開昭51-021908(JP,A)
【文献】特開昭59-215364(JP,A)
【文献】実開平02-093983(JP,U)
【文献】特開平09-075837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D1/00-7/26
C09D1/00-10/00
101/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基材を提供することと、
高分子バインダ樹脂を含有する第1粉体コーティング組成物を含む第1コーティングを塗布することと、
高分子バインダ樹脂を含有する第2粉体コーティング組成物を含む第2コーティングを塗布することと、
第1コーティングと第2コーティングが塗布された金属基材を、130℃~200℃の温度にて、多数回加熱でなく1工程で加熱して、硬化した耐食性コーティングを形成させることと、
を含む方法であって、
第1粉体コーティング組成物が40mm以下の流動性を有しており、硬化すると永続的な色の変化を起こす1以上の顔料を含み、第2粉体コーティングが
50mm超の流動性を有している、上記方法。
【請求項2】
第1粉体コーティング組成物の高分子バインダ樹脂が、カルボキシル官能性ポリエステルバインダ樹脂を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1のコーティング組成物が15mm~40mmの流動性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1のコーティング組成物が20mm~35mmの流動性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2のコーティング組成物が
70mm超の流動性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
硬化したコーティングが、表面被覆の少なくとも2%に等しい縁部被覆度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1と第2の粉体コーティング組成物の高分子バインダが、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロポリマー、シリコーンまたはこれらの組み合わせから作られる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1と第2のコーティング組成物が、150℃~180℃の温度にて1工程で加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
硬化したコーティングが、表面被覆の少なくとも5%に等しい縁部被覆度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
硬化したコーティングがPCI尺度で5以上の表面平滑度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
硬化したコーティングが、25%以上の20度光沢度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1粉体コーティング組成物と第2粉体コーティング組成物が異なる高分子バインダを含有し、高分子バインダが、下記:
エポキシド官能性化合物とカルボキシル官能性ポリエステル樹脂;
高分子エポキシ樹脂とカルボキシル官能性ポリエステル樹脂;
ヒドロキシアルキルアミドとカルボキシル官能性ポリエステル樹脂;
ブロック化イソシアネートまたはウレトジオンとヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂;
アミンとエポキシ樹脂;
フェノール官能性樹脂とエポキシ樹脂;
カルボキシル官能性硬化剤とエポキシ樹脂;
高分子エポキシ樹脂とカルボキシル官能性アクリル樹脂;
ブロック化イソシアネートまたはウレトジオンとヒドロキシル官能性アクリル樹脂;
フリーラジカル反応と不飽和樹脂;
を含む群から選択されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1粉体コーティング組成物が、第2粉体コーティング組成物よりも厚く金属基材に塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
硬化したコーティングの総厚さが60μm~100μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1粉体コーティング組成物が10μm~50μmのフィルムビルドで塗布され、第2粉体コーティング組成物が20μm~40μmのフィルムビルドで塗布される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[001]
本出願は、2012年5月4日出願の米国仮特許出願第61/642578号及び2012年3月21日出願の同第61/613647号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
[001]
粉体コーティングは、従来の液体コーティング及び塗料の低VOCかつ低コストの代替法として使用されている、溶剤を含まない固形分100%のコーティングシステムである。
【0003】
[002]
金属部品の粉体コーティングは一般的である。しかし、例えば、典型的な粉体コーティングプロセスを用いて均一なコーティングを得るための、縁部及び角部等の金属基材の特定の部品のコーティングは困難であり、縁部の腐食はよく見られる問題である。典型的には、粉体コーティングを金属部品に塗布するとき、良好な縁部被覆度をもたらす低流動コーティングが用いられる。しかしながら、このようなコーティングは、オレンジピール、つまり隆起した粒子を有する表面、すなわち平滑度が低い表面を特徴とする仕上げ面のうねりを引き起こす傾向がある。一方、流動性が上昇して平滑度が上がると、縁部被覆度が低くなって、完全に欠陥となる恐れがあり、金属部品の縁部腐食を起こしやすいままとなる。従来の、流動特性と表面平滑度の増大を組み合わせようと試みるシステムは、典型的に複数の硬化工程を必要とし、プロセスの非効率性や遅れにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[003]
前述より、複数の硬化サイクルをなくし、コーティングが優れた性能特性、例えば、縁部を含む優れた防食性及び最適な表面平滑度を示す、効率的な金属部品の粉体コーティングのニーズがあることが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[004]
本明細書に記載される本発明は、1種以上の粉体組成物を用いる金属基材のコーティング法を含む。ある実施形態では、この方法は、金属基材を提供する工程と、基材の上に第1粉体コーティングを塗布する工程であって、第1粉体コーティングが約40mm以下の流動性を有する工程と、を含む。次に、第2粉体コーティングが第1粉体コーティングの上に塗布されるが、このとき第2粉体コーティングは少なくとも約40mmの流動性を有する。次に、2層のコーティングを同時に硬化して、縁部を含む良好な耐食性と、表面平滑度を有するコーティングをもたらす。
【0006】
[005]
別の実施形態では、本発明は、金属基材のコーティングシステムを含む。このシステムは、約40mm以下の流動性を有する第1粉体組成物と、少なくとも約40mm流動性を有する第2粉体組成物と、を含む。第1及び第2粉体組成物が連続的に金属基材に塗布され、同時に硬化されるとき、得られるコーティングは、最適な耐食性及び表面平滑度を有する。
【0007】
[006]
別の実施形態では、本発明は、金属基材のコーティング方法であって、約40mm以下の流動性を有する少なくとも第1粉体組成物を提供する工程と、任意に、少なくとも約40mmの流動性を有する少なくとも第2粉体組成物を提供する工程と、を含む、方法を含む。この方法は更に、少なくとも第1組成物で金属基材をコーティングし、その後第2組成物でコーティングし、2種類の組成物を同時に硬化して硬化されたコーティングを形成するための説明書を含む。
【0008】
[007]
更に別の実施形態では、本発明は、金属基材をコーティングする方法及びシステムであって、少なくともマーカーを含む第1粉体組成物を提供する工程と、任意に、少なくとも第2粉体組成物を提供する工程と、を含む、方法及びシステムを含む。この方法又はシステムは、第1粉体組成物中にマーカーが存在することによって、第2粉体組成物の塗布のモニタリングを可能にする、少なくとも第1コーティングで金属基材をコーティングするための説明書を含む。
【0009】
[008]
本発明の1つ以上の実施形態及び態様の詳細を以下に記載する。本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲により明らかとなるであろう。
【選択的定義】
【0010】
[009]
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語は、以下に提示する意味を有する。
【0011】
[010]
用語「上に(on)」は、表面若しくは基材の上に(on)塗布されたコーティングとの関係においては、表面若しくは基材に直接塗布されたコーティング若しくは間接的に塗布されたコーティングの双方を含む。したがって、例えば、基材の上にあるプライマー層に塗布されたコーティングは、基材に塗布されたコーティングを構成する。更に、用語「金属基材」は、本明細書で使用されるとき、未処理の、プライマー塗布されていない、又はブラスト洗浄された基材を指し、また、プライマー塗布されている、つまり当業者には既知の様々な方法で前処理されている表面も指す。
【0012】
[011] 本明細書で使用されるとき、用語「流動性」は、加熱時の粉体組成物の相対流
出性を指す。流動性の測定には、粉体組成物の加圧ペレットを、65°の角度に傾斜している予熱したガラスパネル上に置き、流動かつゲル化させる。プレートを横切って組成物が移動した距離をmm単位で測定し、組成物の流動性を表す。ASTM法D3451に記載の手順に従って、流動性を測定できる。
【0013】
[012]
用語「平滑度」は、本明細書で使用されるとき、粉体コーティングされた表面の鏡面光沢度、つまり光反射率を指す。典型的には、コーティングされたサンプルの鏡面反射率を黒ガラス標準品の鏡面反射率と比較することによって得られる。本明細書で使用されるとき、平滑度は、Powder Coating Instituteが開発した視覚基準等の、粉体コーティング技術における当業者には既知である任意の手段によって表されてよい。この基準では、等級1(高度粗さ/オレンジピール)~10(非常に平滑、高度光沢仕上げ)の、10枚の粉体コーティングされたパネルの視覚尺度を用いる。相対平滑度を判定するには、粉体コーティングされたサンプルを基準パネルと視覚的に比較し、どの
基準パネルがサンプルに最も近いかを評価することによって、平滑度の等級を割り当てる。代替法として、ASTM法D523を用いて測定された20度又は60度の光沢度として、表面平滑度を表してもよい。更に、像の鮮明度(DOI)を観測することによって平滑度を評価してもよく、10枚のPCI試験パネルそれぞれにおいて粉体コーティングされたサンプルの鏡像を撮影し、表面から反射された光線の速度を特殊な器具で測定する。像を完全に反射する表面のDOI値は100であり、像の鮮明度がわずかであるか、又はない表面のDOI値は0である。平滑度の判定に使用される方法は、典型的には粉体コーティングされた基材の最終用途に依存する。
【0014】
[013]
本明細書で使用されるとき、用語「縁部被覆度」は、粉体コーティングによる基材の縁部又は角部を被覆する程度を指す。これは、ASTM法D2967に記載される手順を用いて測定され、正方形の試験棒の表面上のコーティング厚さに対する、縁部におけるコーティング厚さの割合として表される。本明細書に記載される方法では、この棒は、約75~100マイクロメートル(約3~4ミル)厚さに典型的にコーティングされていた。
【0015】
[014]
用語「マーカー」は、本明細書で使用されるとき、粉体コーティング組成物に含まれ、基材への粉体塗布中に物理的又は化学的手段によって検出できる、任意の化学的又は物理的物質又は構成成分を指す。物理的検出手段には、専用の観察装置、つまりメガネ等を用いる特定の照明条件下での肉眼での観察を含む。化学的検出手段には、コーティング中に目に見える、又は検出可能な変化をもたらし得る、マーカーと粉体コーティング中の別の構成成分との化学反応を含む。
【0016】
[015]
別途記載のない限り、用語「ポリマー」は、フォトポリマー及びコポリマー(すなわち、2種以上の異なるモノマーのポリマー)の双方を含む。
【0017】
[016]
「含む(comprises)」という用語及びその変形は、それらの用語が説明及び請求項に
出現する箇所において、限定的な意味を有するものではない。
【0018】
[017]
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、所定の状況下で所定の利益を提供し得る、本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ、又は他の状況下においては、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものでもない。
【0019】
[018]
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1以上の」は、互換可能に使用される。したがって、例えば「an」添加剤を含有するコーティング組成物は、コーティング組成物が、「1つ以上の」添加剤を含有することを意味すると解釈し得る。
【0020】
[019]
本明細書では更に、端点による数の範囲の記載には、その範囲内に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる)。更に、範囲の開示は、より広い範囲内に含まれる全ての部分範囲の開示を含む(例えば、1~5は、1~4、1.5~4.5、1~2等を開示する)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[020]
本明細書に記載される本発明の実施形態は、縁部を含む金属基材に粉体コーティングするための方法及びシステムを含む。この方法は、少なくとも第1粉体組成物を基材に塗布する工程と、少なくとも第2粉体組成物を第1組成物の上に塗布する工程と、を含む。この方法は更に、第1及び第2粉体組成物を同時に硬化し、最適な縁部被覆度及び平滑度を有するコーティングされた物品を得る工程を含む。
【0022】
[021]
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、単一硬化工程を使用するプロセスを有する、縁部を含む基材をコーティングするための方法又はシステムを提供する。これにより、複数の硬化サイクルがなくなり、より効率的なプロセスが得られる。その上、本明細書に記載される方法は基材の縁部に最適な縁部被覆度をもたらすため、コーティングに先立って縁部に丸みを付けるための機械的方法が必要なくなる。そのため、本明細書に記載される方法は、コーティングの耐食性又は表面平滑度を妥協することなく、縁部を含む基材の粉体コーティングの時間、エネルギー、及びコストを低減する。
【0023】
[022]
ある実施形態では、本明細書に記載される方法は、少なくとも第1粉体組成物を、例えば鋭角を有する基材等の基材に塗布する工程を含む。第1粉体組成物は、加熱によって融解してコーティングフィルムを形成する可溶性組成物である。例えば、静電塗装法等の当業者に既知の方法を用いて、約10~約50マイクロメートル、好ましくは20~40マイクロメートルのフィルム厚さに、粉体を塗布する。ある態様では、第1粉体組成物を、金属基材の洗浄された(すなわち、プライマー塗布されていない)表面又は前処理された表面のいずれかに塗布し、すなわち、プライマー塗布されていないブラスト洗浄されている金属表面、又は当業者に既知の様々な方法によって前処理されている表面に、第1粉体組成物を塗布してよい。
【0024】
[023]
ある実施形態では、本明細書に記載される方法は、少なくとも第1粉体組成物が塗布された後に、少なくとも第2粉体組成物を基材に塗布する工程を含む。ある態様では、第2粉体組成物は、加熱によって融解してコーティングフィルムを形成する可溶性組成物であり、第1組成物と同一の化学的組成を有してもよく、又は異なっていてもよい。第2粉体組成物を、例えば、静電塗装法等の当業者には既知の方法を用いて塗布する。第2粉体組成物は、好ましくは第1粉体組成物のコーティング上に、20~40マイクロメートル、好ましくは25~35マイクロメートルのフィルムビルドに塗布されるので、フィルムビルドを低くして塗布できる。第1及び第2粉体組成物により形成されるフィルムの総厚さは、約60~100、好ましくは75~95マイクロメートル(約3.0~3.7ミル)であってよい。理論に制限されることなく、基材に塗布された第1粉体組成物層は、金属界面を形成すると考えられる。硬化すると、第1粉体組成物の粒子は低流動性液体に融解し、基材の縁部上を含む付着した場所にとどまる。また理論に制限されることなく、第1組成物上に付着された第2粉体組成物層は、空気界面を形成すると考えられる。硬化すると、第2粉体組成物の粒子は基材の表面を平らにする高流動性液体に融解し、平滑なコーティングをもたらす。
【0025】
[024]
ある実施形態では、本明細書に記載される方法は、少なくとも第1粉体組成物が金属基材上に塗布された後に、少なくとも第2粉体組成物を基材に塗布する工程を含む。ある態様では、第2粉体組成物の均一コーティングが実質的に第1コーティング全体を覆う、す
なわち、露出された第1組成物部分がわずかな状態からない状態であるように、第1粉体組成物は第2粉体組成物によって好ましくは覆われる。したがって、ある態様では、第1粉体組成物は、塗布プロセス中に目に見えるマーカーを含み、塗布中にマーカーをモニタリングすることによって、第2粉体コーティングの規則性又は均一性を評価できる。例えば、マーカーが紫外線感受性構成成分である場合、既に第1粉体が塗布された基材をブラックライトで照射できる。第2粉体コーティングが第1のコーティング上に塗布されると、照射されたマーカーは、露出されたままの第1コーティングの任意の部分を同定し、それによって、塗布者に対して、第2粉体コーティングの再塗布又は補強が必要であることを警告する。
【0026】
[025]
理論に制限されることなく、コーティングの、縁部を含む耐食性及び平滑度は、流動性に関係すると考えられる。典型的かつ好ましくは、縁部被覆によってコーティングされた基材の耐食性が改善され、低流動性コーティングは、縁部被覆度の改善をもたらす、すなわち、流動性が上がると縁部被覆度が低下すると考えられる。反対に、流動性が上がると平滑度は上昇する。1種類のみの粉体組成物が基材に塗布されると、低流動性コーティングにより良好な縁部被覆度がもたらされるが、表面平滑度は低い。一方、高流動性組成物が用いられる場合、高表面平滑度が達成されるが、縁部被覆度が犠牲になる。そのため、金属基材をコーティングして最適な縁部被覆度及び平滑度をもたらすためには、コーティング組成物の流動性を変えることが好ましい。
【0027】
[026]
したがって、ある態様では、第1粉体組成物及び第2組成物を、これらの相対流動性に応じて選択する。ある態様では、第1粉体組成物は低流動性組成物であり、第2粉体組成物は相対的に高流動性組成物である。第1粉体組成物は、約40mm以下、好ましくは約10~30mm、より好ましくは約15~25mmの流動性を有する。別の態様では、第2粉体組成物は、少なくとも約40mm、好ましくは約50mm超、より好ましくは約70mm超の流動性を有する。
【0028】
[027]
従来は、基材は、低流動性粉体組成物でまずコーティングされ、そのコーティングを加熱して融解し、組成物を硬化する。次いで、第2粉体組成物、典型的には高流動性組成物を第1コーティング上に塗布し、融解して硬化する。これによって、良好な縁部被覆度及び平滑度を有するコーティングがもたらされるが、このプロセスは2つの別個の硬化工程を要し、対応して製造ラインスペース、時間、及びエネルギーコストが増加する。
【0029】
[028]
従来の方法及び製造業の偏見に反して、本明細書に記載される方法は、低流動性粉体組成物及び高流動性粉体組成物の連続的塗布工程を含むが、第2組成物の塗布後に単一硬化工程を伴う。意外にも、単一硬化法は、縁部を含む良好な耐食性と、表面平滑度をもたらす。ある態様では、本明細書に記載される方法は、表面被覆度の約2%、好ましくは約5%、より好ましくは約10%のオーダーの縁部被覆度をもたらす。
【0030】
[029]
ある態様では、本明細書に記載される方法は、最適な表面平滑度をもたらす。本明細書に記載される方法は、少なくとも4、好ましくは少なくとも5のPCI尺度の表面平滑度をもたらす。20度光沢度で測定すると、本明細書に記載される方法は、約25~90%、好ましくは60%を超える表面平滑度をもたらす。典型的かつ好ましくは、表面の平滑度は、粉体コーティングされた金属基材の所望の最終用途によって決定される。
【0031】
[030]
ある実施形態では、第1又は第2粉体組成物は、少なくとも1種の高分子バインダを含む。粉体組成物は、1種以上の顔料、不透明化剤、又は他の添加剤を任意に含んでもよい。
【0032】
[031]
好適な高分子バインダは通常、フィルム形成樹脂と、任意に樹脂用硬化剤と、を含む。バインダは、所望のフィルム特性をもたらす任意の樹脂又は樹脂の組み合わせから選択されてよい。高分子バインダの好適例は、熱硬化性及び/又は熱可塑性材料を含み、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロポリマー、シリコーン、その他樹脂類、又はこれらの組み合わせから作られてよい。粉体コーティング用途において高分子バインダとして使用するには、熱硬化性材料が好ましく、エポキシ、ポリエステル、及びアクリルが特に好ましい。必要に応じて、特定の用途にエラストマー樹脂を使用できる。ある態様では、特定の高分子バインダ、つまり樹脂は、粉体コーティングされた基材の所望の最終用途に応じて、本明細書に記載される粉体組成物中に含まれる。例えば、ある高分子量ポリエステルは、優れた耐食性を示し、内装用途及び外装用途で用いられる基材への使用に好適である。
【0033】
[032]
ある態様では、第1及び第2粉体組成物は、同一の高分子バインダを含む。別の態様では、第1及び第2粉体組成物は、異なる高分子バインダを含む。
【0034】
[033]
好ましいバインダの例として、エポキシド官能性化合物(例えば、トリグリシジルイソシアヌレート)で硬化されるカルボキシル官能性ポリエステル樹脂、高分子エポキシ樹脂で硬化されるカルボキシル官能性ポリエステル樹脂、ヒドロキシアルキルアミドで硬化されるカルボキシル官能性ポリエステル樹脂、ブロック化イソシアネート又はウレトジオンで硬化されるヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂、アミン(例えば、ジシアンジアミド)で硬化されるエポキシ樹脂、フェノール官能性樹脂で硬化されるエポキシ樹脂、カルボキシル官能性硬化剤で硬化されるエポキシ樹脂、高分子エポキシ樹脂で硬化されるカルボキシル官能性アクリル樹脂、ブロック化イソシアネート又はウレトジオンで硬化されるヒドロキシル官能性アクリル樹脂、フリーラジカル反応によって硬化される不飽和樹脂、及び唯一のバインダとして、又は有機樹脂と組み合わせて使用されるシリコーン樹脂が挙げられる。任意の硬化反応は、熱的に、又は放射線(例えば、UV、UV可視、可視光線、IR、近IR、及びeビーム)への曝露によって誘導され得る。
【0035】
[034]
第1又は第2粉体組成物を、染料又は顔料で任意に着色してもよい。様々な有機又は無機着色顔料を本発明で使用してよい。好適な着色顔料として、二酸化チタン(TiO2)、カーボンブラック、ベンガラ、鉄黄、生アンバー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ナフトールレッド、トルイジンレッド、様々な有機イエロー、カルバゾールバイオレット、及びキナクリドンが挙げられる。必要に応じて、加工した着色顔料、例えば高分子材料でコーティングされている顔料を使用してよい。このような好適な顔料として、Sun ChemicalのSURPASS製品が挙げられる。
【0036】
[035]
好ましい実施形態では、第1粉体組成物は、塗布時には第1の色であり、硬化すると第2の(異なる)色に変化する顔料を含む。好適なこの種の顔料として、本明細書に記載される粉体組成物の典型的な硬化温度、約130℃~200℃、好ましくは150℃~180℃に曝露されると、大きく永続的に色の変化を起こす顔料が挙げられる。このような顔
料の例として、Hansa Red GG 12-5000(Clariant)、Novaperm Red HF35 70(Clariant)等が挙げられるが、これらに限定されない。この種の顔料は、好ましくは第1粉体組成物中でマーカー構成成分として機能する。
【0037】
[036]
第1又は第2粉体組成物は、任意に他の添加剤を含んでよい。これら他の添加剤は、粉体コーティングの塗布性、コーティングの融解性及び/若しくは硬化性、又は最終コーティングの性能若しくは外観を改善できる。粉体中で有用であり得る任意の添加剤の例として、硬化触媒、酸化防止剤、着色安定剤、スリップ及び擦傷添加剤、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、光開始剤、導電性添加剤、摩擦帯電添加剤、防食添加剤、充填剤、質感剤、脱ガス添加剤、流動性調整剤、チキソトロープ剤、並びに縁部被覆添加剤が挙げられる。
【0038】
[037]
高分子バインダは、あらゆる任意の添加剤と共に乾式混合され、その後、押出成形機を通過させることによって典型的に溶融ブレンドされる。得られる押出物を冷却することによって凝固し、続いて粉砕又は微粉砕して粉体を形成する。他の方法を使用してもよい。例えば、1つの代替法では、液体二酸化炭素に可溶性のバインダを用いる。この方法では、乾燥した成分を液体二酸化炭素中に混合し、噴霧して粉体粒子を形成する。必要に応じて、粉体を選別、つまりふるい分けして、所望の粒径及び/又は粒径分布を得てよい。
【0039】
[038]
得られる粉体は、塗布プロセスによって効率的に使用できる大きさである。実際に、10マイクロメートル未満の大きさの粒子は、従来の静電塗装法を用いて効率的に塗布するのは困難である。したがって、約25マイクロメートル未満の中央粒径を有する粉体は、典型的に小粒子を大部分有するため、静電的に塗装するのは困難である。好ましくは、粉砕を調節し(又はふるい分け、つまり選別を実施し)、約25~150マイクロメートル、より好ましくは30~70マイクロメートル、最も好ましくは30~50マイクロメートルの中央粒径を有する粉体を得る。
【0040】
[039]
任意に、本発明において他の添加剤を使用してよい。上記のように、これら任意の添加剤を、押出前に加えてベース粉体の一部としてもよく、又は押出後に加えてもよい。押出後に添加するのに好適な添加剤として、押出前に添加した場合に良好に機能しないであろう材料、押出装置又は他の添加剤に対する、更なる摩耗の原因となるであろう材料が挙げられる。
【0041】
[040]
更に、任意の添加剤として、押出プロセス中に添加可能であるが、後に加えてもよい材料が挙げられる。添加剤は、単独で、又は他の添加剤と組み合わせて添加され、粉体最終物、つまり粉体組成物への所望の影響をもたらすことができる。これら他の添加剤は、粉体の塗布性、融解性及び/若しくは硬化性、又は最終性能若しくは外観を改善できる。有用であり得る任意の添加剤の例として、硬化触媒、酸化防止剤、着色安定剤、スリップ及び擦傷添加剤、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、光開始剤、導電性添加剤、摩擦帯電添加剤、防食添加剤、充填剤、質感剤、脱ガス添加剤、流動性調整剤、チキソトロープ剤、及び縁部被覆添加剤が挙げられる。
【0042】
[041]
好ましい実施形態では、本明細書に記載される組成物は、粉体コーティング組成物の静
電塗布性を改善する添加剤を含む。この種の好適な添加剤として、例えば、押出可能な塗布添加剤、ヒュームド金属酸化物、これらの組み合わせ等が挙げられる。ある態様では、塗布添加剤を押出前に原材料に加え、金属酸化物等の他の添加剤を、例えば、組成物の粉砕又は微粉砕中に後ほど加えてよい。
【0043】
[042]
他の好ましい添加剤として、ゴム引き剤、摩擦力低減剤、及びマイクロカプセル等の性能向上添加剤が挙げられる。更に、添加剤は、研磨剤、感熱性触媒、多孔質最終コーティングの形成を促進する、又は粉体の濡れ性を改善する剤であり得る。
【0044】
[043]
低流動性粉体組成物及び高流動性粉体組成物の調製技術は、当業者にとって既知である。混合は、任意の入手可能なメカニカルミキサーによって、又は手による混合によって、実施できる。考えられるミキサーのいくつかの例として、Henschelミキサー(例えば、Henschel Mixing Technology(Green Bay,WI)から入手可能)、Mixacoミキサー(例えば、Triad Sales(Greer,SC)又はDr.Herfeld GmbH(Neuenrade,Germany)から入手可能)Marionミキサー(例えば、Marion Mixers,Inc.(3575 3rd Avenue,Marion,IA)から入手可能)、反転ミキサー、Littlefordミキサー(Littleford Day,Inc.)、横軸ミキサー、及びボールミルが挙げられる。好ましいミキサーとして、最も容易に洗浄されるものが挙げられるだろう。
【0045】
[044]
粉体コーティングは通常、多工程プロセスで製造される。樹脂、硬化剤、顔料、添加剤、及び充填剤を含み得る様々な成分が、乾式ブレンドされプレミックスを形成する。次に、このプレミックスを押出成形機内に送り込み、熱、圧力、及び剪断力を組み合わせて用いて、可溶性成分を融解し、全ての成分を十分に混合する。押出物を脆い固体まで冷却し、その後粉体に粉砕する。所望のコーティング最終用途に応じて、粉砕条件を典型的に調節し、中央粒径が約25~150マイクロメートルの粉体を得る。
【0046】
[045]
その後、流動床及び噴霧アプリケータの使用等の様々な手段によって、最終粉体を物品に塗布してよい。最も一般的には、静電塗装プロセスが用いられ、粉体粒子が物品に引き寄せられてくっつくように、粒子を静電気的に帯電させて、下地塗り済み物品上に噴霧する。コーティング後、物品を加熱する。この加熱工程により、粉体粒子が融解して互いに流動し、物品をコーティングする。任意に、連続的な又は追加の加熱を用いて、コーティングを硬化してよい。コーティングのUV硬化等の別の代替法を使用してよい。
【0047】
[046]
コーティングは任意に硬化され、このような硬化は、連続的な加熱、後続の加熱、又は基材中の残留熱によって起こり得る。本発明の別の実施形態では、放射線硬化性粉体コーティングベースが選択される場合、比較的短い、又は低温の加熱サイクルによって粉体を融解でき、その後、放射線に曝露して硬化プロセスを開始してよい。この実施形態の一例は、UV硬化性粉体である。放射線硬化の別の例として、UV可視、可視光線、近IR、IR及びeビームの使用が挙げられる。
【0048】
[047]
本明細書に記載される組成物及び方法を、様々な基材と共に使用できる。典型的かつ好ましくは、本明細書に記載される粉体コーティング組成物を用いて、プライマー塗布され
ていない金属、ブラスト洗浄された金属、及び前処理された金属、例えばめっき基材、及び電着処理した金属基材が挙げられるが、これらに限定されない、金属基材をコーティングする。金属基材の典型的な前処理として、例えば、リン酸鉄、リン酸亜鉛等での処理が挙げられる。金属基材は、当該技術分野において既知の様々な標準的プロセスを用いて洗浄、かつ前処理できる。例として、基材上に清潔な汚染物質を含まない表面をもたらす、リン酸鉄処理、リン酸亜鉛処理、ナノセラミック処理、様々な周囲温度による前処理、ジルコニウムを含む前処理、酸洗い、又は当該技術分野において既知の任意のその他方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
[048]
本明細書に記載されるコーティング組成物及び方法は、化成被膜、すなわち、化成被膜で処理された部品又は表面に制限されない。その上、本明細書に記載されるコーティング組成物は、例えば、電着法、めっき法等を含む当業者に既知の様々なプロセスによって、予めコーティングされた基材に塗布できる。本明細書に記載される組成物でコーティングされる基材が、常に未処理の、つまりプライマー塗布されていない金属基材であることは、想定されていない。
【0050】
[049]
好ましくは、コーティングされた基材は、最適な鋭角の縁部被覆度及び表面平滑度等の、望ましい物理的特性及び機械的特性を有する。典型的には、最終フィルムコーティングは、25~200マイクロメートル、好ましくは50~150マイクロメートル、より好ましくは75~125マイクロメートルの厚さを有するであろう。
【0051】
[050]
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために提供するものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。別途記載のない限り、全ての部及びパーセンテージは重量基準である。
【実施例】
【0052】
[051]
別途記載のない限り、以下の試験方法を以下の実施例で用いた。
融解流動性測定
[052]
粉体組成物の融解流動性は、ASTM D3451(Standard Guide for Testing Coating Powders and Powder Coatings)を用いて試験する。
【0053】
縁部被覆度
[053]
粉体コーティングの縁部被覆度は、ASTM D2967(Standard Test Method for Corner Coverage of Powder Coatings)に記載される方法を用いて試験する。
【0054】
平滑度
[054]
コーティングの表面平滑度は、ASTM D523(Standard Test Method for Specular Gloss)に記載される手順を用いて20度光沢度として測定する。
【0055】
(実施例1)
コーティング種類の比較
[055]
表1に示すように粉体組成物を調製し、0.05cm(0.020インチ)の厚さの冷間圧延鋼パネルに塗布した。表1の各コーティングの総コーティング厚さ(単一層又は二重層のいずれの場合も)は、約75~90マイクロメートル(3.0~3.6ミル)であった。続いて、各コーティングの種類の流動性、縁部被覆度、及び平滑度を測定した。
【0056】
【0057】
(実施例2)
流動性に応じた縁部被覆度及び平滑度
[056]
単一粉体組成物(表2に示す流動性によって選択された組成物)のみを塗布する以外は、実施例1に記載の通りにパネルを調製した。続いて、各パネルについて縁部被覆度及び平滑度を測定する。
【0058】
【0059】
[057] 表2からわかるように、約40未満の流動性を有するコーティングが許容可能
な縁部被覆度をもたらす一方で、約40を超える流動性を有するコーティングは最適な表面平滑度をもたらす。
[1]
金属基材を提供することと、
約40mm以下の流動性を有する粉体コーティング組成物を含む第1コーティングを塗布することと、
少なくとも約40mmの流動性を有する粉体コーティング組成物を含む第2コーティングを塗布することと、
第1コーティング及び第2コーティングを同時に硬化し、硬化されたコーティングを形成することと、
を含む方法。
[2]
約40mm以下の流動性を有する少なくとも第1粉体組成物を提供することと、
任意に、少なくとも約40mmの流動性を有する少なくとも第2粉体組成物を提供することと、
少なくとも第1組成物で金属基材をコーティングし、その後第2組成物でコーティングし、2種類の組成物を同時に硬化して硬化されたコーティングを形成するための説明書を提供することと、
を含む方法。
[3]
約40mm以下の流動性を有する少なくとも第1粉体組成物を提供することと、
任意に、少なくとも約40mmの流動性を有する少なくとも第2粉体組成物を提供することと、
少なくとも第1組成物で金属基材をコーティングし、その後第2組成物でコーティングし、2種類の組成物を同時に硬化して硬化されたコーティングを形成するための説明書を提供することと、
を含むプロセスより成るコーティングシステム。
[4]
約40mm以下の流動性を有する粉体組成物を含む第1コーティング組成物と、
少なくとも約40mmの流動性を有する粉体組成物を含む第2コーティング組成物と、を含み、第1及び第2コーティング組成物が連続的に塗布され、共に硬化されて、金属基材にコーティングされる、コーティングシステム。
[5]
金属基材を提供することと、
第1コーティング組成物とマーカーとを含む第1コーティングを塗布することと、
第1コーティングの上に、第2コーティング組成物を含む第2コーティングを塗布することと、
を含み、第2コーティングの均一性が、第1コーティング中のマーカーをモニタリングすることによって評価される、方法。
[6]
第1コーティング組成物が約15mm~40mmの流動性を有する、前記1~5のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[7]
第1コーティング組成物が約20mm~35mmの流動性を有する、前記1~6のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[8]
第2コーティング組成物が約50mm超の流動性を有する、前記1~7のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[9]
第2コーティング組成物が約70mm超の流動性を有する、前記1~8のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[10]
第2コーティング組成物が約75mm超の流動性を有する、前記1~9のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[11]
硬化されたコーティングが、表面被覆度の少なくとも2%に等しい縁部被覆度を有する、前記1~10のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[12]
硬化されたコーティングが、少なくとも50%である20度光沢度を有する、前記1~11のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[13]
硬化されたコーティングが、表面被覆度の約10%に等しい縁部被覆度を有する、前記1~12のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[14]
金属基材がプライマー塗布されていない、前記1~13のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[15]
金属基材がブラスト洗浄されている、前記1~14のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[16]
金属基材が前処理されている、前記1~15のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[17]
第1コーティング組成物の塗布前に金属基材が加熱されてよい、前記1~16のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[18]
第1コーティング組成物が周囲温度において金属基材に塗布される、前記1~17のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[19]
マーカーが紫外線感受性顔料又は紫外線感受性染料である、前記1~18のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[20]
マーカーが、硬化すると色の変化を起こす顔料である、前記1~19のいずれか一項に記載の方法又はシステム。
[21]
マーカーが、ブラックライト下で見える検出可能な成分である、前記1~20のいずれか一項に記載の方法又はシステム。