(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】基板処理装置およびパーティクル除去方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 648K
H01L21/304 648F
H01L21/304 647Z
(21)【出願番号】P 2022150056
(22)【出願日】2022-09-21
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】西出 基
(72)【発明者】
【氏名】東 克栄
(72)【発明者】
【氏名】森 隆
(72)【発明者】
【氏名】平田 哲也
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-016856(JP,A)
【文献】特開2017-069345(JP,A)
【文献】特開2015-204302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための基板処理ユニットと、
前記基板処理ユニットに処理液を流通する処理液配管と、
前記処理液配管に配置され、前記処理液中のパーティクルを捕捉するフィルタを有するフィルタユニットと、
前記処理液を含む液を加圧して前記フィルタに通過させる加圧部と、
前記フィルタを通過する前記液を加熱する加熱部と、
を備え、
前記加圧部は、前記フィルタに対する前記液の圧力を変更可能であり、
前記加圧部は、
前記基板を前記処理液により処理する基板処理中に、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を加圧し、
前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理中に、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を加圧
し、
前記基板処理中に、前記フィルタを通過する前記処理液の温度は、第1温度であり、
前記加熱部は、前記非基板処理中に、前記フィルタを通過する前記液の温度が前記第1温度よりも高い第2温度となるように、前記液を加熱する、基板処理装置。
【請求項2】
基板を処理するための基板処理ユニットと、
前記基板処理ユニットに処理液を流通する処理液配管と、
前記処理液配管に配置され、前記処理液中のパーティクルを捕捉するフィルタを有するフィルタユニットと、
前記処理液を含む液を加圧して前記フィルタに通過させる加圧部と、
前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される上流側配管と、
前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される下流側配管と、
前記上流側配管および前記下流側配管の一方に接続され、前記フィルタに詰まったパーティクルを除去する除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方に供給する除去液供給部と
を備え、
前記加圧部は、前記フィルタに対する前記液の圧力を変更可能であり、
前記加圧部は、
前記基板を前記処理液により処理する基板処理中に、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を加圧し、
前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理中に、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を加圧し、
前記液は、前記除去液を含み、
前記非基板処理中に、前記除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる
、基板処理装置。
【請求項3】
前記フィルタの上流側で前記処理液配管に配置される第1バルブと、
前記フィルタの下流側で前記処理液配管に配置される第2バルブと、
前記上流側配管に配置される第3バルブと、
前記下流側配管に配置される第4バルブと
をさらに備え、
前記基板処理中に、前記第3バルブおよび前記第4バルブを閉じ、前記第1バルブおよび前記第2バルブを開くことにより、前記処理液を、前記処理液配管の上流側から、前記フィルタを介して前記処理液配管の下流側に通過させ、
前記非基板処理中に、前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じ、前記第3バルブおよび前記第4バルブを開くことにより、前記除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記除去液は、前記処理液とは異なる種類の液である、請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記非基板処理中に、前記除去液を、前記下流側配管から前記フィルタを介して前記上流側配管に通過させる、請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
基板を処理するための基板処理ユニットと、
前記基板処理ユニットに処理液を流通する処理液配管と、
前記処理液配管に配置され、前記処理液中のパーティクルを捕捉するフィルタを有するフィルタユニットと、
前記処理液を含む液を加圧して前記フィルタに通過させる加圧部と、
前記処理液配管または前記フィルタユニットに接続される排出配管と、
を備え、
前記加圧部は、前記フィルタに対する前記液の圧力を変更可能であり、
前記加圧部は、
前記基板を前記処理液により処理する基板処理中に、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を加圧し、
前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理中に、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を加圧
し、
前記非基板処理中に、前記フィルタを通過した前記液を前記排出配管を通じて排出する、基板処理装置。
【請求項7】
前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側に配置される上流室と、前記フィルタの下流側に配置される下流室とをさらに有し、
前記
排出配管は、前記下流室に接続される
下流側配管を含む、請求項
6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理液配管に配置され、前記フィルタを通過する前記処理液の圧力または流量を検出する検出器をさらに備え、
前記検出器の検出値が閾値未満である場合、前記加圧部は、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第2圧力となるように、前記液を加圧する、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記加圧部は、定期的に、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第2圧力となるように、前記液を加圧する、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板処理ユニットに繋がる処理液配管に配置されたフィルタユニットのフィルタを介して、処理液を前記基板処理ユニットに通液し、前記処理液により基板を処理する基板処理工程と、
前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理工程と
を含み、
前記基板処理工程において、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を前記フィルタに対して通液し、
前記非基板処理工程において、前記フィルタに対する前記
処理液を含む液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を前記フィルタに対して通液
し、
前記基板処理工程において、前記フィルタを通過する前記処理液の温度は、第1温度であり、
前記非基板処理工程において、前記第1温度よりも高い第2温度である前記液を、前記フィルタに対して通液する、パーティクル除去方法。
【請求項11】
基板処理ユニットに繋がる処理液配管に配置されたフィルタユニットのフィルタを介して、処理液を前記基板処理ユニットに通液し、前記処理液により基板を処理する基板処理工程と、
前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理工程と
を含み、
前記基板処理工程において、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を前記フィルタに対して通液し、
前記非基板処理工程において、前記フィルタに対する前記処理液を含む液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を前記フィルタに対して通液し、
前記液は、前記フィルタに詰まったパーティクルを除去する除去液を含み、
前記非基板処理工程において、前記除去液を、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される上流側配管と前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される下流側配管との一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる
、パーティクル除去方法。
【請求項12】
前記除去液は、前記処理液とは異なる種類の液である、請求項
11に記載のパーティクル除去方法。
【請求項13】
前記非基板処理工程において、前記除去液を、前記下流側配管から前記フィルタを介して前記上流側配管に通過させる、請求項
11に記載のパーティクル除去方法。
【請求項14】
基板処理ユニットに繋がる処理液配管に配置されたフィルタユニットのフィルタを介して、処理液を前記基板処理ユニットに通液し、前記処理液により基板を処理する基板処理工程と、
前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理工程と
を含み、
前記基板処理工程において、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を前記フィルタに対して通液し、
前記非基板処理工程において、前記フィルタに対する前記
処理液を含む液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を前記フィルタに対して通液
し、
前記非基板処理工程において、前記フィルタを通過した前記液を、前記処理液配管または前記フィルタユニットに接続された排出配管を通じて排出する、パーティクル除去方法。
【請求項15】
前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側に配置される上流室と、前記フィルタの下流側に配置される下流室とを有し、
前記
排出配管は、前記下流
室に接続される
下流側配管を含む、請求項
14に記載のパーティクル除去方法。
【請求項16】
前記基板処理工程において前記フィルタを通過する前記処理液の圧力または流量が閾値未満である場合に、前記非基板処理工程を実行する、請求項
10または請求項
11に記載のパーティクル除去方法。
【請求項17】
定期的に、前記非基板処理工程を実行する、請求項
10または請求項
11に記載のパーティクル除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置およびパーティクル除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の製造に好適に用いられる。基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する。処理液は、フィルタおよびバルブ等が取り付けられた配管を流通して基板を処理する。フィルタは、配管内部を通過する処理液に含まれるパーティクルを捕捉する。所定時間使用されたフィルタは、新しいフィルタに交換される。このような基板処理装置として、処理液を貯留するタンクと、タンクから出てタンクに戻る循環ラインとを備え、循環ラインを介して液処理ユニットに処理液が供給される液処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。液処理装置は、処理液に含まれるパーティクルを除去するフィルタを備える。フィルタは、循環ラインに配置される。フィルタに対して長期間にわたって処理液を流通すると、パーティクルによりフィルタに目詰まりが生じる。このため、特許文献1の液処理装置では、フィルタに対して下流側から上流側に洗浄用流体を流通することによって、フィルタからパーティクルを除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の半導体の微細化に伴い、フィルタは、物理的な捕捉機能に加え、静電気的な捕捉機能を有する。具体的には、フィルタは、フィルタの孔よりも大きいパーティクルを捕捉することに加え、孔よりも小さいパーティクルを静電気的な効果で捕捉する。このため、特許文献1のように、フィルタに対して下流側から上流側に洗浄用流体を流通すると、孔よりも大きいパーティクルをフィルタから除去することは可能である。その一方、静電気的な効果で捕捉されたパーティクルについては、フィルタに対して下流側から上流側に洗浄用流体を流通したとしても、フィルタから除去することは困難である。従って、フィルタに目詰まりが生じると、目詰まりしたフィルタを新しいフィルタに交換する必要がある。
【0005】
しかしながら、フィルタを交換することは環境負荷の増大に繋がるので、環境負荷低減の観点から、フィルタの交換頻度を抑えることが望ましい。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルタの交換頻度を抑えることが可能な基板処理装置およびパーティクル除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板処理ユニットと、処理液配管と、フィルタユニットと、加圧部とを備える。前記基板処理ユニットは、基板を処理する。前記処理液配管は、前記基板処理ユニットに処理液を流通する。前記フィルタユニットは、前記処理液配管に配置される。前記フィルタユニットは、前記処理液中のパーティクルを捕捉するフィルタを有する。前記加圧部は、前記処理液を含む液を加圧して前記フィルタに通過させる。前記加圧部は、前記フィルタに対する前記液の圧力を変更可能である。前記加圧部は、前記基板を前記処理液により処理する基板処理中に、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を加圧する。前記加圧部は、前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理中に、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を加圧する。
【0008】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記フィルタを通過する前記液を加熱する加熱部をさらに備える。前記基板処理中に、前記フィルタを通過する前記処理液の温度は、第1温度である。前記加熱部は、前記非基板処理中に、前記フィルタを通過する前記液の温度が前記第1温度よりも高い第2温度となるように、前記液を加熱する。
【0009】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、上流側配管と、下流側配管と、除去液供給部とをさらに備える。前記上流側配管は、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される。前記下流側配管は、前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される。前記除去液供給部は、前記上流側配管および前記下流側配管の一方に接続される。前記除去液供給部は、前記フィルタに詰まったパーティクルを除去する除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方に供給する。前記液は、前記除去液を含む。前記基板処理装置は、前記非基板処理中に、前記除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0010】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、第1バルブと、第2バルブと、第3バルブと、第4バルブとをさらに備える。前記第1バルブは、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に配置される。前記第2バルブは、前記フィルタの下流側で前記処理液配管に配置される。前記第3バルブは、前記上流側配管に配置される。前記第4バルブは、前記下流側配管に配置される。前記基板処理装置は、前記基板処理中に、前記第3バルブおよび前記第4バルブを閉じ、前記第1バルブおよび前記第2バルブを開くことにより、前記処理液を、前記処理液配管の上流側から、前記フィルタを介して前記処理液配管の下流側に通過させる。前記基板処理装置は、前記非基板処理中に、前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じ、前記第3バルブおよび前記第4バルブを開くことにより、前記除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0011】
ある実施形態では、前記除去液は、前記処理液とは異なる種類の液である。
【0012】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記非基板処理中に、前記除去液を、前記下流側配管から前記フィルタを介して前記上流側配管に通過させる。
【0013】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、下流側配管をさらに備える。前記下流側配管は、前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される。前記基板処理装置は、前記非基板処理中に、前記液を、前記フィルタの上流側から、前記フィルタを介して前記下流側配管に通過させる。
【0014】
ある実施形態では、前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側に配置される上流室と、前記フィルタの下流側に配置される下流室とをさらに有する。前記下流側配管は、前記下流室を介して前記処理液配管に接続される。
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記処理液配管または前記フィルタユニットに接続される排出配管をさらに備える。前記基板処理装置は、前記非基板処理中に、前記フィルタを通過した前記液を前記排出配管を通じて排出する。
ある実施形態では、前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側に配置される上流室と、前記フィルタの下流側に配置される下流室とをさらに有する。前記排出配管は、前記下流室に接続される下流側配管を含む。
【0015】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、検出器をさらに備える。前記検出器は、前記処理液配管に配置される。前記検出器は、前記フィルタを通過する前記処理液の圧力または流量を検出する。前記検出器の検出値が閾値未満である場合、前記加圧部は、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第2圧力となるように、前記液を加圧する。
【0016】
ある実施形態では、前記加圧部は、定期的に、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第2圧力となるように、前記液を加圧する。
【0017】
本発明の別の局面によれば、パーティクル除去方法は、基板処理ユニットに繋がる処理液配管に配置されたフィルタユニットのフィルタを介して、処理液を前記基板処理ユニットに通液し、前記処理液により基板を処理する基板処理工程と、前記基板を前記処理液により処理しない非基板処理工程とを含み、前記基板処理工程において、前記フィルタに対する前記処理液の圧力が第1圧力となるように、前記処理液を前記フィルタに対して通液し、前記非基板処理工程において、前記フィルタに対する前記液の圧力が前記第1圧力よりも高い第2圧力となるように、前記液を前記フィルタに対して通液する。
【0018】
ある実施形態では、前記基板処理工程において、前記フィルタを通過する前記処理液の温度は、第1温度であり、前記非基板処理工程において、前記第1温度よりも高い第2温度である前記液を、前記フィルタに対して通液する。
【0019】
ある実施形態では、前記液は、前記フィルタに詰まったパーティクルを除去する除去液を含み、前記非基板処理工程において、前記除去液を、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される上流側配管と前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される下流側配管との一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0020】
ある実施形態では、前記除去液は、前記処理液とは異なる種類の液である。
【0021】
ある実施形態では、前記非基板処理工程において、前記除去液を、前記下流側配管から前記フィルタを介して前記上流側配管に通過させる。
【0022】
ある実施形態では、前記非基板処理工程において、前記液を、前記フィルタの上流側から前記フィルタを介して、前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続された下流側配管に通過させる。
【0023】
ある実施形態では、前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側に配置される上流室と、前記フィルタの下流側に配置される下流室とを有し、前記下流側配管は、前記下流室を介して前記処理液配管に接続される。
ある実施形態では、前記非基板処理工程において、前記フィルタを通過した前記液を、前記処理液配管または前記フィルタユニットに接続された排出配管を通じて排出する。
ある実施形態では、前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側に配置される上流室と、前記フィルタの下流側に配置される下流室とを有し、前記排出配管は、前記下流室に接続される下流側配管を含む。
【0024】
ある実施形態では、前記基板処理工程において前記フィルタを通過する前記処理液の圧力または流量が閾値未満である場合に、前記非基板処理工程を実行する。
【0025】
ある実施形態では、定期的に、前記非基板処理工程を実行する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、フィルタの交換頻度を抑えることが可能な基板処理装置およびパーティクル除去方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図2】第1実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図3】第1実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図4】第1実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図5】第1実施形態のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図6A】第1実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図6B】第1実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図7】第2実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図8】第2実施形態のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図9】第3実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図10】第3実施形態のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図11A】第3実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図11B】第3実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図12】第1変形例の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図13】第1変形例のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図14】第4実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図15】第4実施形態のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図16A】第4実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図16B】第4実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図17】第2変形例の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図18】第2変形例のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図19】第3変形例の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図20】第4変形例の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図21】第5実施形態のフィルタのパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
【
図22】第6実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置およびパーティクル除去方法の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0029】
(第1実施形態)
図1~
図5、
図6A、および
図6Bを参照して、本発明の第1実施形態による基板処理装置100について説明する。
図1は、第1実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
【0030】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去、および、洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0031】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0032】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
【0033】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、例えば、薬液、洗浄液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
【0034】
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(
図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
【0035】
基板処理装置100において、センターロボットCRおよび基板処理ユニット10の設置された領域と、処理液キャビネット110の設置された領域との間には、境界壁BWが配置される。処理液キャビネット110は、基板処理装置100のうちの境界壁BWの外側部分の領域の一部の空間を区画する。
【0036】
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルタを有する。
【0037】
ここでは、処理液キャビネット110は、第1処理液キャビネット110Aと、第2処理液キャビネット110Bとを有する。第1処理液キャビネット110Aおよび第2処理液キャビネット110Bは互いに対向して配置される。
【0038】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。
【0039】
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0040】
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0041】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0042】
次に、
図2を参照して、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。
図2は、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
【0043】
基板処理ユニット10は、チャンバー11と、基板保持部20と、処理液供給部30とを備える。
【0044】
チャンバー11は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー11は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー11には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー11内に収容され、チャンバー11内で処理される。チャンバー11には、基板保持部20および処理液供給部30のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0045】
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。例えば、基板Wの上面Waには、リセスの形成された積層構造が設けられている。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0046】
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0047】
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、電動モーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
【0048】
シャフト23は、中空軸である。シャフト23は、回転軸線Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
【0049】
スピンベース21は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。電動モーター24は、シャフト23に回転力を与える。電動モーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸線Axを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23および電動モーター24の周囲を囲んでいる。
【0050】
処理液供給部30は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液供給部30の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0051】
処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液は、いわゆる薬液を含んでもよい。薬液は、例えば、希フッ酸(DHF)、フッ酸(HF)、フッ硝酸(フッ酸と硝酸(HNO3)との混合液)、バファードフッ酸(BHF)、フッ化アンモニウム、HFEG(フッ酸とエチレングリコールとの混合液)、燐酸(H3PO4)、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(例えば、クエン酸、シュウ酸)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、硫酸過酸化水素水混合液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合液(SC1)、塩酸過酸化水素水混合液(SC2)、イソプロピルアルコール(IPA)、界面活性剤、腐食防止剤、または、疎水化剤のいずれかを含んでもよい。
【0052】
または、処理液は、いわゆる洗浄液(リンス液)を含んでもよい。例えば、洗浄液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。
【0053】
処理液供給部30は、配管32と、ノズル34と、バルブ36とを含む。なお、配管32は、本発明の「処理液配管」の一例である。ノズル34は基板Wの上面Waに処理液を吐出する。ノズル34は、配管32に接続される。配管32には、供給源から処理液が供給される。バルブ36は、配管32内の流路を開閉する。ノズル34は、基板Wに対して移動可能に構成されていることが好ましい。
【0054】
バルブ36は、配管32内の流路を開閉する。バルブ36は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ36は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0055】
ノズル34は移動可能であってもよい。ノズル34は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動できる。なお、本明細書において、図面が過度に複雑になることを避けるために移動機構を省略していることに留意されたい。
【0056】
基板処理ユニット10は、カップ80をさらに備える。カップ80は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ80は昇降する。例えば、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ80は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0057】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、基板保持部20、処理液供給部30および/またはカップ80を制御する。一例では、制御部102は、電動モーター24、バルブ36および/またはカップ80を制御する。
【0058】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0059】
なお、
図2に示した基板処理ユニット10では、処理液供給部30は、1種類の処理液を供給可能である。ただし、本実施形態はこれに限定されない。処理液供給部30は、複数種類の処理液を供給してもよい。例えば、処理液供給部30は、用途の異なる複数種類の処理液を基板Wに順次供給可能であってもよい。あるいは、処理液供給部30は、用途の異なる複数種類の処理液を基板Wに同時に供給可能であってもよい。
【0060】
次に、
図1~
図3を参照して、第1実施形態の基板処理装置100の配管構成を説明する。
図3は、第1実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。なお、
図1および
図2から理解されるように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10を有しており、基板Wは複数種の処理液で処理され得ることが好ましい。ただし、ここでは、説明が過度に複雑になることを避ける目的で、1つの基板処理ユニット10に対して1種類の処理液が供給される態様を説明する。
【0061】
図3に示すように、基板処理装置100は、調製槽112と、ポンプ114と、バルブ115と、フィルタユニット140と、検出器116と、バルブ117とを備える。なお、ポンプ114は、本発明の「加圧部」の一例である。バルブ115は、本発明の「第1バルブ」の一例である。バルブ117は、本発明の「第2バルブ」の一例である。
【0062】
調製槽112は、処理液を貯留する。処理液は、基板処理ユニット10に供給され、基板Wを処理する。典型的には、処理液は、薬液である。ただし、処理液は、洗浄液であってもよい。処理液は、調製槽112において調製される。典型的には、調製槽112は、処理液キャビネット110に配置される。
【0063】
配管32は、調製槽112と基板処理ユニット10とを連絡する。配管32には、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、検出器116、バルブ117およびバルブ36が取り付けられる。ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、検出器116、バルブ117およびバルブ36は、処理液供給部30を構成する。なお、
図3では、バルブ36は1つだけ描かれているが、バルブ36は、ノズル34毎に設けられる。このため、1つのフィルタユニット140に対して複数のバルブ36が配置されている。
【0064】
処理液キャビネット110は、筐体111を有する。典型的には、筐体111内に、調製槽112、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、検出器116およびバルブ117が収容される。
【0065】
処理液ボックス120は、筐体121を有する。典型的には、バルブ36は、筐体121に収容される。
【0066】
配管32は、処理液キャビネット110から処理液ボックス120を通過して基板処理ユニット10まで延びる。処理液は、調製槽112において調製された後、調製槽112から配管32を通って基板処理ユニット10まで流れる。例えば、配管32は、樹脂から形成される。
【0067】
ポンプ114は、調製槽112の処理液をノズル34に向けて送る。第1実施形態では、ポンプ114は、処理液に対する加圧力を変更可能である。つまり、ポンプ114は、出力を変更可能である。また、第1実施形態では、後述するように、ポンプ114は、基板Wを処理液により処理する基板処理中に、フィルタ141に対する処理液の圧力が第1圧力となるように、処理液を加圧する。また、ポンプ114は、基板Wを処理液により処理しない非基板処理中に、フィルタ141に対する処理液の圧力が第1圧力よりも高い第2圧力となるように、処理液を加圧する。なお、第2圧力は、第1圧力よりも高ければ、特に限定されるものではないが、例えば、処理液の圧力が作用する部品または機器等の耐圧の最小値であってもよい。言い換えると、第2圧力は、例えば、バルブ115、フィルタユニット140、検出器116、バルブ117のうち、最も耐圧性の低い部品または機器等の耐圧と同じ大きさであってもよい。具体的には、例えば、バルブ115、フィルタユニット140、検出器116、バルブ117のうち、最も耐圧性の低い部品または機器等の耐圧が0.5MPaである場合、第2圧力は、0.5MPaであってもよい。
【0068】
バルブ115は、後述するフィルタ141の上流側で配管32に接続される。バルブ115は、配管32内の流路を開閉する。詳細には、バルブ115は、配管32のうちフィルタユニット140よりも上流側の上流部分32aの流路を開閉する。バルブ115は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ115は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0069】
フィルタユニット140は、配管32に取り付けられる。フィルタユニット140は、配管32に対して着脱可能である。フィルタユニット140が配管32に取り付けられた場合、処理液は、フィルタユニット140を流れる。一方で、フィルタユニット140は、配管32から取り外しできる。このため、フィルタユニット140が劣化すると、フィルタユニット140は交換される。
【0070】
フィルタユニット140は、例えば、樹脂から形成される。典型的には、フィルタユニット140は、樹脂成型によって形成される。一例では、フィルタユニット140は、樹脂成形物を金属の加工具で切削することによって作製される。なお、フィルタユニット140は、金属から形成されてもよい。
【0071】
フィルタユニット140は、配管32内を流れる処理液をろ過する。フィルタユニット140は、フィルタ141と、フィルタハウジング142とを含む。フィルタ141は、配管32に配置される。フィルタ141は、例えば、多孔質形状を有する。フィルタ141は、処理液の液体成分を通過させる。一方、フィルタ141は、処理液に含有されるパーティクルを捕捉する。具体的には、フィルタ141は、多数の孔を有する。第1本実施形態では、フィルタ141は、パーティクルを物理的に捕捉することに加え、静電気的にも捕捉する。つまり、フィルタ141は、孔よりも大きいパーティクルを捕捉することに加え、孔よりも小さいパーティクルを静電気的な効果で捕捉する。なお、パーティクルは、例えば、固体である。パーティクルは、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂または金属からなる。
【0072】
フィルタハウジング142は、フィルタ141を収容する。フィルタハウジング142は、フィルタ141の上流側に配置される上流室142aと、フィルタ141の下流側に配置される下流室142bとを有する。なお、上流室142aおよび下流室142bに、気体を外部に排出するためのベント管、および、液体を外部に排出するためのドレイン管が接続されていてもよい。
【0073】
検出器116は、フィルタ141を通過する処理液の圧力または流量を検出する。つまり、検出器116は、例えば、フィルタ141を通過する処理液の圧力を検出する圧力計、または、フィルタ141を通過する処理液の流量を検出する流量計である。第1実施形態では、検出器116は、流量計である。なお、検出器116は、フィルタ141に対して下流側に配置されることが好ましいが、上流側に配置されてもよい。
【0074】
バルブ117は、フィルタ141の下流側で配管32に配置される。バルブ117は、配管32内の流路を開閉する。詳細には、バルブ117は、配管32のうちフィルタユニット140よりも下流側の下流部分32bの流路を開閉する。バルブ117は、配管32の開度を調節して、配管32を通過する処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ117は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0075】
基板処理装置100は、下流側配管161と、バルブ162とを備える。
【0076】
下流側配管161は、フィルタ141の下流側で配管32に接続される。下流側配管161は、フィルタ141の下流側で、配管32の下流部分32bに接続される。第1実施形態では、下流側配管161は、配管32に直接接続される。言い換えると、下流側配管161は、フィルタユニット140を介さずに配管32に接続される。
【0077】
バルブ162は、下流側配管161に配置される。バルブ162は、下流側配管161内の流路の開度を調節して、下流側配管161を通過する液体の流量を調節する。具体的には、バルブ162は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。なお、バルブ162は、本発明の「第4バルブ」の一例である。
【0078】
次に、
図1~
図4を参照して、第1実施形態の基板処理装置100を説明する。
図4は、第1実施形態の基板処理装置100のブロック図である。
【0079】
図4に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30およびバルブ162を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30およびバルブ162に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30およびバルブ162を制御する。
【0080】
さらに具体的には、制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0081】
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数の基板処理ユニット10のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wを基板処理ユニット10から受け取って、基板Wを搬出する。
【0082】
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転数を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20の電動モーター24の回転数を変更することによって、基板Wの回転数を変更できる。
【0083】
制御部102は、バルブ115、バルブ117およびバルブ36を制御して、バルブ115、バルブ117およびバルブ36の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ115を開状態または閉状態にすることによって、配管32の上流部分32a内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。また、制御部102は、バルブ117を開状態または閉状態にすることによって、配管32の下流部分32b内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。また、制御部102は、バルブ36を開状態または閉状態にすることによって、バルブ117を通過した液体をノズル34に供給したり、供給しなかったりすることができる。
【0084】
制御部102は、ポンプ114を制御して、調製槽112内の液体を下流側に送り出す。具体的には、制御部102は、ポンプ114を駆動することによって、調製槽112内の液体をノズル34に向けて送り出す。制御部102には、検出器116の計測結果が送られる。
【0085】
制御部102は、バルブ162を制御して、バルブ162の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ162を開状態または閉状態にすることによって、下流側配管161内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。
【0086】
上述したように、記憶部104は、複数のレシピデータを記憶してもよい。複数のレシピは、フィルタユニット140に詰まったパーティクルを除去する処理内容および処理手順を規定してもよい。パーティクルを除去するレシピは、例えば、処理液キャビネット110の動作内容および動作手順を規定するレシピに含まれていてもよい。
【0087】
第1実施形態の基板処理装置100は、半導体素子を形成するために好適に用いられる。例えば、基板処理装置100は、積層構造の半導体素子として用いられる基板Wを処理するために好適に利用される。半導体素子は、いわゆる3D構造のメモリ(記憶装置)である。一例として、基板Wは、NAND型フラッシュメモリとして好適に用いられる。
【0088】
次に、
図5、
図6Aおよび
図6Bを参照して、第1実施形態の基板処理装置100によるフィルタ141のパーティクル除去方法について説明する。
図5は、第1実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
図6Aおよび
図6Bは、第1実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット140周辺における液の流れを矢印で示す図である。第1実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS101~ステップS104を含む。ステップS101~ステップS104は、制御部102によって実行される。なお、ステップS101は、本発明の「基板処理工程」の一例である。また、ステップS103は、本発明の「非基板処理工程」の一例である。
【0089】
図5に示すように、ステップS101において、制御部102は、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であるか否かを判定する。閾値は、予め決められた値である。具体的には、ステップS101では、バルブ115およびバルブ117は、開状態になっており、バルブ162は、閉状態になっている(
図6A参照)。バルブ36は、基板Wに対して処理液を吐出するタイミングに合わせて開状態と閉状態とに切り替えられる。つまり、ステップS101では、配管32に配置されたフィルタ141に対して処理液を通液する。また、ステップS101では、処理液を配管32に流通して基板処理ユニット10に供給することによって、基板Wを処理液により処理することが可能である。なお、ステップS101(基板処理工程)において、フィルタ141に対する処理液の圧力は、第1圧力である。
【0090】
ステップS101で、制御部102は、配管32を処理液が通過可能な状態(例えば、バルブ36が開状態)において、検出器116の計測値が閾値未満であるか否かを判定する。なお、例えば、フィルタ141が新品の状態では、検出器116の計測値は閾値以上を示す。一方、フィルタ141にパーティクルが詰まると、フィルタ141を通過する処理液の流量が低下するため、検出器116の計測値は低下する。そして、フィルタ141に詰まるパーティクルの量が所定量以上になると、検出器116の計測値は、閾値未満になる。なお、計測値は、本発明の「検出値」の一例である。
【0091】
ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS101を繰り返す。言い換えると、検出器116の計測値が閾値以上である場合、処理はステップS101を繰り返す。
【0092】
一方、ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。言い換えると、検出器116の計測値が閾値未満である場合、処理はステップS102に進む。
【0093】
次に、ステップS102において、制御部102は、処理液の供給を停止する。具体的には、制御部102は、バルブ117を開状態から閉状態に切り替える。
【0094】
次に、ステップS103において、制御部102は、液を加圧してフィルタ141に通液する。第1実施形態では、制御部102は、処理液を加圧してフィルタ141に通液する。具体的には、制御部102は、バルブ162を閉状態から開状態に切り替える。また、制御部102は、ポンプ114の出力をステップS101(基板処理工程)に比べて高くする。これにより、
図6Bに示すように、調製槽112内の処理液は、配管32およびフィルタユニット140を通過した後、
排出配管の一例である下流側配管161を介して排出される。このとき、フィルタ141に対する処理液の圧力(第2圧力)は、ステップS101におけるフィルタ141に対する処理液の圧力(第1圧力)に比べて高い。このため、処理液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まったパーティクルが除去される。つまり、フィルタ141の通液性能が回復する。なお、ステップS103(非基板処理工程)において、フィルタ141に対する処理液の圧力は、第2圧力である。そして、制御部102は、所定時間経過後、バルブ162を開状態から閉状態に戻す。また、制御部102は、ポンプ114の出力をステップS101におけるポンプ114の出力と同じ大きさにする。
【0095】
次に、ステップS104において、制御部102は、処理液の供給を再開する。具体的には、制御部102は、バルブ117を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図6Aに示すように、調製槽112内の処理液は、フィルタユニット140およびバルブ117を通過する。
【0096】
以上のようにして、第1実施形態のフィルタ141のパーティクル除去が終了する。
【0097】
以上、
図1~
図5、
図6Aおよび
図6Bを参照して本発明の第1実施形態を説明した。第1実施形態では、上記のように、ポンプ114は、基板Wを処理しない非基板処理中(例えば、ステップS103)に、フィルタ141に対する処理液の圧力が、基板処理中(例えば、ステップS101)の第1圧力よりも高い第2圧力となるように、処理液を加圧する。従って、フィルタ141に詰まったパーティクルを除去できる。つまり、フィルタ141の通液性能を回復することができる。よって、フィルタ141の交換頻度を抑制できる。その結果、環境負荷を低減できる。
【0098】
なお、フィルタ141に対する処理液の圧力を第2圧力にすることによって、フィルタ141の通液性能を回復することができるのは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、処理液の圧力を第1圧力よりも高い第2圧力にすることによって、フィルタ141がパーティクルを静電気的に捕捉する力よりも大きい力がパーティクルに作用し、パーティクルがフィルタ141の孔を通過するためであると考えられる。
【0099】
また、フィルタ141の交換頻度を抑制することによって、フィルタ141の交換および復旧のための時間(ダウンタイムともいう)を少なくできる。
【0100】
また、上記のように、非基板処理中に、処理液を、フィルタ141の上流側から、フィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、処理液を用いてフィルタ141に詰まったパーティクルを除去することができる。よって、後述するように除去液を用いる場合と異なり、除去液を供給するための配管を設ける必要がない。また、除去液を用いる場合と異なり、処理液と除去液とが混ざる、または、接触することがない。
【0101】
また、上記のように、フィルタ141を通過する処理液の流量を計測する。従って、直接的に観察することが困難なパーティクルの詰まりを、検出器116を用いて容易に確認することができる。そして、処理液の流量が閾値未満である場合に、除去液を、調製槽112からフィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、大量のパーティクルが詰まる前に、パーティクル除去を行うことができる。よって、パーティクル除去の際に、フィルタ141に対する処理液の通液にかかる時間が長くなることを抑制できる。
【0102】
(第2実施形態)
次に、
図7および
図8を参照して、本発明の第2実施形態による基板処理装置100について説明する。
図7は、第2実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第2実施形態では、配管32の上流部分32aにヒータ113を設ける例について説明する。
【0103】
図7に示すように、基板処理装置100は、ヒータ113を備える。なお、ヒータ113は、本発明の「加熱部」の一例である。
【0104】
ヒータ113は、フィルタ141を通過する液を加熱する。第2実施形態では、ヒータ113は、フィルタ141を通過する処理液を加熱する。また、第2実施形態では、ヒータ113は、配管32の上流部分32aに配置される。なお、第2実施形態では、ヒータ113は、ポンプ114よりも上流側に配置されるが、フィルタ141よりも上流側に配置されるのであれば、ヒータ113の配置位置は特に限定されない。つまり、ヒータ113は、例えば、ポンプ114とバルブ115との間に配置されてもよいし、バルブ115とフィルタ141との間に配置されてもよい。
【0105】
また、第2実施形態では、ヒータ113は、基板処理中に、フィルタ141を通過する処理液の温度が第1温度となるように、処理液を加熱する。なお、第2実施形態において、ヒータ113は、調製槽112からの処理液が第1温度である場合、処理液を加熱しなくてもよい。また、ヒータ113は、非基板処理中に、フィルタ141を通過する処理液の温度が第1温度よりも高い第2温度となるように、処理液を加熱する。第2温度は、第1温度よりも、例えば5℃以上15℃以下高い温度である。ヒータ113は、制御部102に制御される。なお、第1温度および第2温度の各々は、所定の温度範囲を有してもよい。
【0106】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0107】
次に、
図6A、
図6Bおよび
図8を参照して、第2実施形態の基板処理装置100によるフィルタ141のパーティクル除去方法について説明する。
図8は、第2実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。第2実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS101、S102、S1021、S103、S1031、S104を含む。
【0108】
図8に示すように、ステップS101において、制御部102は、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であるか否かを判定する。なお、基板処理中であるステップS101(基板処理工程)において、ヒータ113は、フィルタ141を通過する処理液の温度が第1温度となるように、処理液を加熱する。また、ステップS101において、フィルタ141に対する処理液の圧力は、第1圧力である。
【0109】
ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS101を繰り返す。
【0110】
一方、ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。
【0111】
次に、ステップS102において、制御部102は、処理液の供給を停止する。
【0112】
次に、ステップS1021において、制御部102は、ヒータ113を制御して液を加熱する。第2実施形態では、制御部102は、ヒータ113を制御して処理液を加熱する。具体的には、制御部102は、ヒータ113の出力を、ステップS101(基板処理中)に比べて高くする。これにより、処理液の温度は、第2温度、または、第2温度よりも高い温度になる。
【0113】
次に、ステップS103において、制御部102は、液を加圧してフィルタ141に通液する。第2実施形態では、制御部102は、処理液を加圧してフィルタ141に通液する。これにより、調製槽112内の処理液は、ヒータ113によって加熱されポンプ114によって加圧された状態で、フィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。このとき、フィルタ141を通過する処理液の温度は、ステップS101においてフィルタ141を通過する処理液の温度に比べて高い。このため、フィルタ141の温度が高くなることに起因して孔のサイズが大きくなり、パーティクルが孔を通過しやすくなる。また、パーティクルの温度が高くなることに起因してパーティクルが変形しやすくなり、パーティクルが孔を通過しやすくなる。よって、処理液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まったパーティクルが除去される。
【0114】
次に、ステップS1031において、制御部102は、ヒータ113の出力を、ステップS101における出力に戻す。つまり、制御部102は、ヒータ113の出力をステップS101におけるヒータ113の出力と同じ大きさにする。
【0115】
次に、ステップS104において、制御部102は、処理液の供給を再開する。
【0116】
以上のようにして、第2実施形態のフィルタ141のパーティクル除去が終了する。
【0117】
第2実施形態では、上記のように、ヒータ113は、非基板処理中(ステップS103)に、フィルタ141を通過する処理液の温度が第1温度よりも高い第2温度となるように、処理液を加熱する。従って、フィルタ141に詰まったパーティクルがより除去されやすくなる。よって、フィルタ141に詰まったパーティクルを容易に除去できる。つまり、フィルタ141の通液性能を容易に回復することができる。よって、フィルタ141の交換頻度を容易に抑制できる。その結果、環境負荷を容易に低減できる。
【0118】
第2実施形態のその他のパーティクル除去方法およびその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0119】
(第3実施形態)
次に、
図9、
図10、
図11Aおよび
図11Bを参照して、本発明の第3実施形態による基板処理装置100について説明する。
図9は、第3実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態とは異なり、基板処理装置100が上流側配管151および除去液供給部165をさらに備える例について説明する。
【0120】
図9に示すように、基板処理装置100は、上流側配管151および除去液供給部165をさらに備える。なお、ポンプ114および除去液供給部165は、本発明の「加圧部」の一例である。
【0121】
上流側配管151は、フィルタ141の上流側で配管32に接続される。上流側配管151は、フィルタ141の上流側で、配管32の上流部分32aに接続される。第3実施形態では、上流側配管151は、配管32に直接接続される。言い換えると、上流側配管151は、フィルタユニット140を介さずに配管32に接続される。
【0122】
基板処理装置100は、バルブ152を備える。バルブ152は、上流側配管151に配置される。バルブ152は、上流側配管151内の流路の開度を調節して、上流側配管151を通過する液体の流量を調節する。具体的には、バルブ152は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。なお、バルブ152は、本発明の「第3バルブ」の一例である。
【0123】
除去液供給部165は、上流側配管151および下流側配管161の一方に接続される。除去液供給部165は、フィルタ141に詰まったパーティクルを除去する除去液を、上流側配管151および下流側配管161の一方に供給する。第3実施形態では、除去液供給部165は、上流側配管151に接続され、除去液を上流側配管151に供給する。除去液供給部165は、例えば、除去液を加圧して送り出すポンプを含む。除去液供給部165は、除去液を貯留するタンクを含んでもよい。除去液は、パーティクルを除去する液であれば特に限定されないが、例えば、脱イオン水(DIW)、塩酸を含む液、IPA(イソプロピルアルコール)またはPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含む。第3実施形態では、除去液は、DIWを含む。
【0124】
また、除去液は、処理液とは異なる種類の液であることが好ましい。例えば、除去液としてDIWを用いる場合、フィルタ141に詰まったパーティクルを除去する際の処理液の使用量を削減できる。よって、環境負荷をより低減できる。また、例えば、除去液は、処理液が溶かさないパーティクルを溶かす種類の液であってもよい。この場合、除去液をフィルタ141に通液することによって、パーティクルを溶かすことができるので、フィルタ141に詰まったパーティクルを効率良く除去することができる。
【0125】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0126】
次に、
図10、
図11Aおよび
図11Bを参照して、第3実施形態の基板処理装置100によるフィルタ141のパーティクル除去方法について説明する。
図10は、第3実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
図11Aおよび
図11Bは、第3実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット140周辺における液の流れを矢印で示す図である。第3実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS101、S102、S103a、S104を含む。第3実施形態のステップS103aは、第1実施形態のステップS103に対応している。なお、ステップS103aは、本発明の「非基板処理工程」の一例である。
【0127】
図10に示すように、ステップS101において、制御部102は、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であるか否かを判定する。なお、ステップS101では、バルブ115およびバルブ117は、開状態となっており、バルブ152およびバルブ162は、閉状態となっている(
図11A参照)。
【0128】
ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS101を繰り返す。
【0129】
一方、ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。
【0130】
次に、ステップS102において、制御部102は、処理液の供給を停止する。
【0131】
次に、ステップS103aにおいて、制御部102は、除去液を加圧してフィルタ141に通液する。具体的には、制御部102は、バルブ152およびバルブ162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図11Bに示すように、除去液供給部165の除去液は、上流側配管151およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。このとき、除去液供給部165は、フィルタ141に対する除去液の圧力が、ステップS101におけるフィルタ141に対する処理液の圧力に比べて高くなるように、除去液を加圧する。このため、除去液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まったパーティクルが除去される。そして、制御部102は、所定時間経過後、バルブ152およびバルブ162を開状態から閉状態に戻す。
【0132】
次に、ステップS104において、制御部102は、処理液の供給を再開する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図11Aに示すように、調製槽112内の処理液は、フィルタユニット140およびバルブ117を通過する。
【0133】
以上のようにして、第3実施形態のフィルタ141のパーティクル除去が終了する。
【0134】
第3実施形態のその他のパーティクル除去方法は、第1実施形態と同様である。
【0135】
第3実施形態では、上記のように、除去液は、処理液とは異なる種類の液である。つまり、フィルタ141に詰まったパーティクルを除去する際に、フィルタ141に処理液とは異なる除去液を通液する。従って、処理液の使用量を削減できる。よって、環境負荷をより低減することが可能である。
【0136】
また、第3実施形態では、上記のように、フィルタ141の上流側で配管32に接続される上流側配管151と、フィルタ141の下流側で配管32に接続される下流側配管161とを設けることによって、処理液とは異なる種類の除去液を、容易にフィルタ141に通液することができる。
【0137】
第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0138】
(第1変形例)
次に、
図12および
図13を参照して、本発明の第1変形例による基板処理装置100について説明する。
図12は、第1変形例の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第1変形例では、第3実施形態とは異なり、配管32の上流部分32aにヒータ113が設けられるとともに、上流側配管151にヒータ153が設けられる例について説明する。
【0139】
図12に示すように、基板処理装置100は、ヒータ113およびヒータ153を備える。なお、ヒータ113およびヒータ153は、本発明の「加熱部」の一例である。
【0140】
ヒータ113の構成は、第2実施形態のヒータ113と同様である。ただし、第1変形例では、非基板処理中におけるヒータ113の出力は、基板処理中におけるヒータ113の出力と同じであってもよい。
【0141】
ヒータ153は、フィルタ141を通過する除去液を加熱する。また、ヒータ153は、上流側配管151に配置される。なお、第1変形例では、ヒータ153は、バルブ152よりも上流側に配置されるが、フィルタ141よりも上流側に配置されるのであれば、ヒータ153の配置位置は特に限定されない。つまり、ヒータ153は、例えば、バルブ152よりも下流側に配置されてもよい。
【0142】
また、第1変形例では、ヒータ153は、非基板処理中に、フィルタ141を通過する除去液の温度が第1温度よりも高い第2温度となるように、除去液を加熱する。なお、ヒータ153は、制御部102に制御される。
【0143】
第1変形例のその他の構成は、第3実施形態と同様である。
【0144】
次に、
図13を参照して、第1変形例の基板処理装置100によるフィルタ141のパーティクル除去方法について説明する。
図13は、第1変形例のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。第1変形例のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS101、S102、S1022、S103a、S1032、S104を含む。
【0145】
図13に示すように、ステップS101およびS102は、第2実施形態と同様である。ステップS102の後、処理は、ステップS1022に進む。
【0146】
次に、ステップS1022において、制御部102は、ヒータ153を駆動(オン)して除去液を加熱する。具体的には、制御部102は、非基板処理中に、フィルタ141を通過する除去液の温度が第1温度よりも高い第2温度となるように、除去液を加熱する。例えば、ヒータ153の出力は、ヒータ113の出力よりも高い。
【0147】
次に、ステップS103aにおいて、制御部102は、除去液を加圧してフィルタ141に通液する。具体的には、制御部102は、バルブ152およびバルブ162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、除去液供給部165の除去液は、上流側配管151およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。このとき、ヒータ153は、フィルタ141を通過する除去液の温度が、ステップS101においてフィルタ141を通過する処理液の温度に比べて高くなるように、除去液を加熱する。このため、除去液は、ヒータ153によって加熱され除去液供給部165によって加圧された状態で、フィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。また、このとき、フィルタ141を通過する除去液の温度は、ステップS101においてフィルタ141を通過する処理液の温度に比べて高い。このため、フィルタ141の温度が高くなることに起因して孔のサイズが大きくなり、パーティクルが孔を通過しやすくなる。また、パーティクルの温度が高くなることに起因してパーティクルが変形しやすくなり、パーティクルが孔を通過しやすくなる。よって、除去液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まったパーティクルが除去される。そして、制御部102は、所定時間経過後、バルブ152およびバルブ162を開状態から閉状態に戻す。
【0148】
次に、ステップS1032において、制御部102は、ヒータ153を駆動停止(オフ)して除去液の加熱を停止する。
【0149】
次に、ステップS104において、制御部102は、処理液の供給を再開する。
【0150】
以上のようにして、第1変形例のフィルタ141のパーティクル除去が終了する。
【0151】
第1変形例のその他のパーティクル除去方法およびその他の効果は、第2実施形態および第3実施形態と同様である。
【0152】
(第4実施形態)
次に、
図14、
図15、
図16Aおよび
図16Bを参照して、本発明の第4実施形態による基板処理装置100について説明する。
図14は、第4実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第4実施形態では、第3実施形態とは異なり、除去液が下流側配管161から上流側配管151に向かって流れる例について説明する。
【0153】
図14に示すように、基板処理装置100は、第3実施形態と同様、上流側配管151、下流側配管161および除去液供給部165を備える。
【0154】
第4実施形態では、除去液供給部165は、下流側配管161に接続され、除去液を下流側配管161に供給する。つまり、第4実施形態では、除去液は、下流側配管161から上流側配管151に向かって流れる。
【0155】
第4実施形態のその他の構成は、第3実施形態と同様である。
【0156】
次に、
図15、
図16Aおよび
図16Bを参照して、第4実施形態の基板処理装置100によるフィルタ141のパーティクル除去方法について説明する。
図15は、第4実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。
図16Aおよび
図16Bは、第4実施形態のパーティクル除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット140周辺における液の流れを矢印で示す図である。第4実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS101、S102、S103b、S104を含む。第4実施形態のステップS103bは、第3実施形態のステップS103aに対応している。なお、ステップS103bは、本発明の「非基板処理工程」の一例である。
【0157】
図15に示すように、ステップS101およびS102は、第3実施形態と同様である。なお、ステップS101では、バルブ115およびバルブ117は、開状態となっており、バルブ152およびバルブ162は、閉状態となっている(
図16A参照)。ステップS102の後、処理は、ステップS103bに進む。
【0158】
次に、ステップS103bにおいて、制御部102は、除去液を加圧してフィルタ141に通液する。具体的には、制御部102は、バルブ152およびバルブ162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図16Bに示すように、除去液供給部165の除去液は、下流側配管161およびフィルタユニット140を通過した後、
排出配管の一例である上流側配管151を介して排出される。このとき、除去液供給部165は、フィルタ141に対する除去液の圧力が、ステップS101におけるフィルタ141に対する処理液の圧力に比べて高くなるように、除去液を加圧する。このため、除去液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まったパーティクルが除去される。そして、制御部102は、所定時間経過後、バルブ152およびバルブ162を開状態から閉状態に戻す。
【0159】
次に、ステップS104において、制御部102は、処理液の供給を再開する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図16Aに示すように、調製槽112内の処理液は、フィルタユニット140およびバルブ117を通過する。
【0160】
以上のようにして、第4実施形態のフィルタ141のパーティクル除去が終了する。
【0161】
第4実施形態のその他のパーティクル除去方法は、第3実施形態と同様である。
【0162】
第4実施形態では、上記のように、非基板処理中に、除去液を、下流側配管161からフィルタ141を介して上流側配管151に通過させる。従って、フィルタ141の孔よりも大きく物理的に捕捉されたパーティクルも、フィルタ141から除去することができる。
【0163】
第4実施形態のその他の効果は、第3実施形態と同様である。
【0164】
(第2変形例)
次に、
図17および
図18を参照して、本発明の第2変形例による基板処理装置100について説明する。
図17は、第2変形例の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第2変形例では、第4実施形態とは異なり、配管32の上流部分32aにヒータ113が設けられるとともに、下流側配管161にヒータ163が設けられる例について説明する。
【0165】
図17に示すように、基板処理装置100は、ヒータ113およびヒータ163を備える。なお、ヒータ113およびヒータ163は、本発明の「加熱部」の一例である。
【0166】
ヒータ113の構成は、第2実施形態のヒータ113と同様である。ただし、第1変形例では、非基板処理中におけるヒータ113の出力は、基板処理中におけるヒータ113の出力と同じであってもよい。
【0167】
ヒータ163は、フィルタ141を通過する除去液を加熱する。また、ヒータ163は、下流側配管161に配置される。なお、第2変形例では、ヒータ163は、バルブ162よりも上流側に配置されるが、フィルタ141よりも上流側に配置されるのであれば、ヒータ163の配置位置は特に限定されない。つまり、ヒータ163は、例えば、バルブ162よりも下流側に配置されてもよい。
【0168】
また、第2変形例では、ヒータ163は、非基板処理中に、フィルタ141を通過する除去液の温度が第1温度よりも高い第2温度となるように、除去液を加熱する。なお、ヒータ163は、制御部102に制御される。
【0169】
第2変形例のその他の構成は、第4実施形態と同様である。
【0170】
次に、
図18を参照して、第2変形例の基板処理装置100によるフィルタ141のパーティクル除去方法について説明する。
図18は、第2変形例のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。第2変形例のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS101、S102、S1023、S103b、S1033、S104を含む。
【0171】
図18に示すように、ステップS101およびS102は、第4実施形態と同様である。ステップS102の後、処理は、ステップS1022に進む。
【0172】
次に、ステップS1023において、制御部102は、ヒータ163を駆動(オン)して除去液を加熱する。具体的には、制御部102は、非基板処理中に、フィルタ141を通過する除去液の温度が第1温度よりも高い第2温度となるように、除去液を加熱する。例えば、ヒータ163の出力は、ヒータ113の出力よりも高い。
【0173】
次に、ステップS103bにおいて、制御部102は、除去液を加圧してフィルタ141に通液する。具体的には、制御部102は、バルブ152およびバルブ162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、除去液供給部165の除去液は、下流側配管161およびフィルタユニット140を通過した後、上流側配管151を介して排出される。このとき、ヒータ163は、フィルタ141を通過する除去液の温度が、ステップS101においてフィルタ141を通過する処理液の温度に比べて高くなるように、除去液を加熱する。このため、除去液は、ヒータ163によって加熱され除去液供給部165によって加圧された状態で、フィルタユニット140を通過した後、上流側配管151を介して排出される。また、このとき、フィルタ141を通過する除去液の温度は、ステップS101においてフィルタ141を通過する処理液の温度に比べて高い。このため、フィルタ141の温度が高くなることに起因して孔のサイズが大きくなり、パーティクルが孔を通過しやすくなる。また、パーティクルの温度が高くなることに起因してパーティクルが変形しやすくなり、パーティクルが孔を通過しやすくなる。よって、除去液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まったパーティクルが除去される。そして、制御部102は、所定時間経過後、バルブ152およびバルブ162を開状態から閉状態に戻す。
【0174】
次に、ステップS1033において、制御部102は、ヒータ163を駆動停止(オフ)して除去液の加熱を停止する。
【0175】
次に、ステップS104において、制御部102は、処理液の供給を再開する。
【0176】
以上のようにして、第2変形例のフィルタ141のパーティクル除去が終了する。
【0177】
第2変形例のその他のパーティクル除去方法およびその他の効果は、第2実施形態および第4実施形態と同様である。
【0178】
(第3変形例)
次に、
図19を参照して、本発明の第3変形例による基板処理装置100について説明する。
図19は、第3変形例の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第3変形例では、例えば、第1実施形態~第4実施形態とは異なり、下流側配管161がフィルタユニット140に接続される例について説明する。なお、ここでは、
図3に示した第1実施形態の配管構成の一部を変更して説明するが、第1実施形態以外の配管構成の一部を変更してもよい。
【0179】
図19に示すように、第3変形例の基板処理装置100では、下流側配管161は、フィルタ141の下流側で、配管32の下流部分32bに接続される。具体的には、下流側配管161は、フィルタユニット140を介して配管32に接続される。下流側配管161は、フィルタユニット140の下流室142bを介して配管32に接続される。
【0180】
第3変形例では、第1実施形態~第3実施形態と同様、フィルタ141を通過した液を、下流側配管161を介して排出できる。
【0181】
下流側配管161は、例えば、下流室142bの下部に接続される。例えば、フィルタユニット140の下流室142bに、フィルタ141を通過した液体を外部に放出するためのドレイン管が接続されている構成においては、ドレイン管を下流側配管161として用いてもよい。言い換えると、予め設けられているドレイン管が、下流側配管161を兼ねてもよい。このように構成すれば、別途、下流側配管161を設ける必要がないため、基板処理装置100の部品点数が増加することを抑制できる。
【0182】
第3変形例のその他の構成、パーティクル除去方法、および、その他の効果は、第1実施形態~第3実施形態と同様である。
【0183】
(第4変形例)
次に、
図20を参照して、本発明の第4変形例による基板処理装置100について説明する。
図20は、第4変形例の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第4変形例では、第3変形例とは異なり、下流側配管161がフィルタユニット140の下流室142bの上部に接続される例について説明する。なお、ここでは、
図3に示した第1実施形態の配管構成の一部を変更して説明するが、第1実施形態以外の配管構成の一部を変更してもよい。
【0184】
図20に示すように、第4変形例の基板処理装置100では、第3変形例と同様、下流側配管161は、フィルタユニット140の下流室142bを介して配管32に接続される。第4変形例では、第3変形例と同様、フィルタ141を通過した液を、下流側配管161を介して排出できる。
【0185】
第4変形例では、下流側配管161は、例えば、下流室142bの上部に接続される。例えば、フィルタユニット140の下流室142bに、フィルタ141を通過した気体を外部に放出するためのベント管が接続されている構成においては、ベント管を下流側配管161として用いてもよい。言い換えると、予め設けられているベント管が、下流側配管161を兼ねてもよい。このように構成すれば、別途、下流側配管161を設ける必要がないため、基板処理装置100の部品点数が増加することを抑制できる。
【0186】
第4変形例のその他の構成、パーティクル除去方法、および、その他の効果は、第3変形例と同様である。
【0187】
なお、第3変形例および第4変形例では、下流側配管161がフィルタユニット140を介して配管32に接続される例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、上流側配管151が、フィルタユニット140を介して配管32に接続されてもよい。具体的には、上流側配管151が、フィルタユニット140の上流室142aを介して配管32に接続されてもよい。また、フィルタユニット140の上流室142aに、ドレイン管またはベント管が接続されている構成においては、ドレイン管またはベント管を上流側配管151として用いてもよい。また、例えば、第4実施形態と同様、除去液を、下流側配管161およびフィルタ141を通過した後に、上流側配管151を介して排出してもよい。
【0188】
(第5実施形態)
次に、
図21を参照して、本発明の第5実施形態による基板処理装置100について説明する。第5実施形態では、第1実施形態~第4実施形態等とは異なり、定期的にパーティクル除去を行う例について説明する。なお、ここでは、
図5に示した第1実施形態のパーティクル除去方法の一部を変更して説明するが、第1実施形態以外のパーティクル除去方法の一部を変更してもよい。
【0189】
第5実施形態の基板処理装置100の構成は、第1実施形態と同様である。ただし、第5実施形態では、基板処理装置100は、検出器116を備えなくてもよい。
【0190】
図21は、第5実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法を示すフローチャートである。第5実施形態のフィルタ141のパーティクル除去方法は、ステップS201、S102~S104を含む。なお、ステップS201は、本発明の「基板処理工程」の一例である。ステップS201では、上記ステップS101と同様、フィルタ141に対して処理液を通液する。また、ステップS201では、処理液を配管32に流通して基板処理ユニット10に供給することによって、基板Wを処理液により処理することが可能である。なお、ステップS201(基板処理工程)において、フィルタ141に対する処理液の圧力は、第1圧力である。
【0191】
図21に示すように、ステップS201において、制御部102は、所定期間経過したか否かを判定する。所定期間は、予め決められた期間である。所定期間は、例えば、前回、フィルタ141が交換またはパーティクル除去されてからの、経過時間または基板処理装置100の積算駆動時間である。また、所定期間は、例えば、前回、フィルタ141が交換またはパーティクル除去されてからの、処理液を通液した積算時間であってもよい。処理液を通液した積算時間は、処理液の流量に対応する。上記所定期間を計測するために、基板処理装置100は、タイマーまたは流量計を備えることが好ましい。
【0192】
また、前回、フィルタ141が交換された場合の所定期間と、フィルタ141がパーティクル除去された場合の所定期間とは、異なっていてもよい。この場合、フィルタ141が交換された場合の所定期間は、フィルタ141がパーティクル除去された場合の所定期間に比べて長く設定されてもよい。
【0193】
ステップS201で、所定期間が経過していないと制御部102が判定した場合、処理はステップS201を繰り返す。
【0194】
一方、ステップS201で、所定期間が経過したと制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。
【0195】
そして、ステップS102~ステップS104が実行される。
【0196】
第5実施形態のその他のパーティクル除去方法は、第1実施形態と同様である。
【0197】
第5実施形態では、上記のように、定期的に、除去液を、上流側配管151からフィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、大量のパーティクルが詰まる前に、パーティクル除去を行うことができる。よって、フィルタ141に対して処理液または除去液を通液する際にかかる時間が長くなることを抑制できる。
【0198】
第5実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。なお、第5実施形態のステップS201を、第2実施形態~第4実施形態に適用してもよい。
【0199】
(第6実施形態)
次に、
図22を参照して、本発明の第6実施形態による基板処理装置100について説明する。
図22は、第6実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第6実施形態では、バルブ117を通過した処理液の一部が調製槽112に戻る例について説明する。つまり、第6実施形態では、処理液が循環するように配管32が構成される例について説明する。なお、ここでは、
図3に示した第1実施形態の配管構成の一部を変更して説明するが、第1実施形態以外の配管構成の一部を変更してもよい。
【0200】
図22に示すように、第6実施形態では、配管32は、共通配管32c、分岐配管32d、戻り配管32e、共通配管32fおよび分岐配管32gを含む。共通配管32cは、配管32の下流部分32bに接続される。共通配管32cには、複数(ここでは、4つ)の分岐配管32dが接続される。分岐配管32dは、共通配管32cから分岐する。分岐配管32dは、バルブ117を通過した処理液を処理液ボックス120に供給する。
【0201】
戻り配管32eは、共通配管32cに接続される。戻り配管32eは、調製槽112まで延びる。戻り配管32eは、共通配管32cを通過した処理液を調製槽112に戻す。
【0202】
共通配管32fは、例えば、処理液ボックス120内に配置される。共通配管32fは、分岐配管32dに接続される。また、共通配管32fには、複数(ここでは、3つ)の分岐配管32gが接続される。分岐配管32gは、共通配管32fから分岐する。分岐配管32gは、共通配管32fを通過した処理液をノズル34に供給する。
【0203】
第6実施形態では、バルブ117を開状態から閉状態に切り替える場合、全ての基板処理ユニット10における基板処理工程が終了した後に、バルブ117を開状態から閉状態に切り替える。
【0204】
第6実施形態のその他の構成、その他のパーティクル除去方法および効果は、第1実施形態と同様である。なお、第6実施形態の配管構成を第2実施形態~第5実施形態に適用してもよい。
【0205】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0206】
例えば第1実施形態および第2実施形態では、調製槽112内の処理液を用いてパーティクルを除去するため、調製槽112内の処理液を消費する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、調製槽112内の処理液を実質的に消費することなく、パーティクルを除去することも可能である。具体的には、調製槽112内の処理液は、例えば定期的に、新しい処理液に交換される。調製槽112内の処理液を新しい処理液に交換する際に、排液する処理液を用いてパーティクルを除去してもよい。このように構成すれば、パーティクルを除去するために調製槽112内の処理液を消費する必要がない。その結果、処理液の使用量を抑制できるので、環境負荷をより低減できる。
【0207】
また、例えば第3実施形態および第4実施形態では、処理液とは異なる種類の除去液を用いる例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、処理液と同じ種類の除去液、または、処理液と同じ成分の除去液を用いてもよい。
【0208】
また、上記実施形態では、バルブ36、115、117、152および162が、液の流量を調整可能なバルブである例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、バルブ36、115、117、152および162は、液の流量を調節できないバルブであってもよい。つまり、バルブ36、115、117、152および162は、流路を開状態または閉状態のみに切り替え可能であってもよい。
【0209】
また、上記実施形態では、処理液を加圧する加圧部として、ポンプ114を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、調製槽112内に圧縮気体を送り込み、圧縮気体によって調製槽112内の処理液を配管32に送り出す構成においては、調製槽112内に圧縮空気を送り込むコンプレッサ等の装置を、加圧部として用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明は、基板処理装置およびパーティクル除去方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0211】
10 :基板処理ユニット
32 :配管(処理液配管)
100 :基板処理装置
113、153、163 :ヒータ(加熱部)
114 :ポンプ(加圧部)
115 :バルブ(第1バルブ)
116 :検出器
117 :バルブ(第2バルブ)
140 :フィルタユニット
141 :フィルタ
142a :上流室
142b :下流室
151 :上流側配管
152 :バルブ(第3バルブ)
161 :下流側配管
162 :バルブ(第4バルブ)
165 :除去液供給部(加圧部)
S101、S201 :ステップ(基板処理工程)
S103、S103a、S103b :ステップ(非基板処理工程)
W :基板