(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】熱交換器洗浄システム及び熱交換器洗浄方法
(51)【国際特許分類】
F28G 1/16 20060101AFI20240913BHJP
F23J 3/00 20060101ALI20240913BHJP
F28D 19/04 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
F28G1/16 C
F23J3/00 101C
F28D19/04 F
(21)【出願番号】P 2022503949
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(86)【国際出願番号】 KR2019011806
(87)【国際公開番号】W WO2021020642
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】10-2019-0090749
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516145600
【氏名又は名称】ジースコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ソン ホ
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-289296(JP,A)
【文献】特表2016-540953(JP,A)
【文献】特開2011-017524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B7/00
F23J3/00
F28D19/04
F28G1/16,9/00,15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延長された仮想の回転軸を中心として回転する標的回転体;
前記標的回転体の上部に位置し、第1気体が前記標的回転体に向かって流入される第1入口;
前記標的回転体の下部に前記第1入口と対向して位置し、前記標的回転体を通過した前記第1気体が排出される第1出口;
前記標的回転体の下部に前記第1出口と離隔して位置し、前記第1気体より温度の低い第2気体が前記標的回転体に向かって流入される第2入口;
前記標的回転体の上部に前記第2入口と対向して位置し、前記標的回転体を通過した前記第2気体が排出される第2出口;及び
前記第1入口の内部空間に位置する第1スートブロワを含み、
前記第1スートブロワは、
第1物質が前記標的回転体に向かって噴射される第1噴射口;及び前記第1噴射口から一定間隔離隔して位置し、第2物質が前記標的回転体に向かって噴射される第2噴射口を含み、
前記第1噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第1距離は、前記第2噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第2距離と実質的に同一
であり、
前記第1物質は高温の蒸気であり、前記第2物質はドライアイスペレットであり、
前記第1スートブロワは、前記第2出口に隣接するように位置する熱交換器洗浄システム。
【請求項2】
前記第1物質及び前記第2物質は、前記標的回転体が前記仮想の回転軸を中心として回転するにつれて、前記標的回転体の一標的地点に順次に噴射される請求項1に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項3】
前記第1噴射口と前記第2噴射口のそれぞれは、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合って位置する請求項1に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項4】
前記第1出口の内部空間に位置する第2スートブロワを更に含み、
前記第2スートブロワは、
前記第1物質が前記標的回転体に向かって噴射される第3噴射口;及び前記第3噴射口から一定間隔離隔して位置し、前記第2物質が前記標的回転体に向かって噴射される第4噴射口を含み、
前記第3噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第3距離は、前記第4噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第4距離と実質的に同一の請求項1に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項5】
前記第2スートブロワは、前記第2入口に隣接するように位置する請求項
4に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項6】
前記第3噴射口と前記第4噴射口のそれぞれは、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合って位置する請求項
4に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項7】
前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワの位置を調節する駆動部を更に含み、
前記駆動部は、前記標的回転体の前記仮想の回転軸から遠くなるか又は近くなるように前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワを移動させ、
前記第1噴射口及び前記第2噴射口の間の離隔距離を調節して、前記第1距離と前記第2距離が実質的に互いに同一になるように前記第1スートブロワを配置させ、前記第3噴射口と前記第4噴射口の間の離隔距離を調節して、前記第3距離と前記第4距離が実質的に互いに同一になるように前記第2スートブロワを配置させる請求項
4に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項8】
前記標的回転体が回転する間、前記第1物質及び前記第2物質は、同時かつ連続的に噴射される請求項1に記載の熱交換器洗浄システム。
【請求項9】
一方向に延長された仮想の回転軸を中心として回転する標的回転体;
前記標的回転体の上部に位置し、第1気体が前記標的回転体に向かって流入される第1入口;
前記標的回転体の下部に前記第1入口と対向して位置し、前記標的回転体を通過した前記第1気体が排出される第1出口;
前記標的回転体の下部に前記第1出口と離隔して位置し、前記第1気体より温度の低い第2気体が前記標的回転体に向かって流入される第2入口;及び
前記標的回転体の上部に前記第2入口と対向して位置し、前記標的回転体を通過した前記第2気体が排出される第2出口を含む熱交換器洗浄方法であって、
前記第1入口の内部空間に第1スートブロワを位置させるステップ;
前記標的回転体が回転する間、前記標的回転体に向かって前記第1スートブロワの第1噴射口を通じて第1物質を、前記第1スートブロワの前記第1噴射口から一定間隔離隔して位置する第2噴射口を通じて第2物質を同時に噴射させるステップ;及び
前記標的回転体の一地点に前記第1物質及び前記第2物質が順次に到達して異物質を除去するステップを含み、
前記第1噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第1距離は、前記第2噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第2距離と実質的に同一
であり、
前記第1物質は高温の蒸気であり、前記第2物質はドライアイスペレットであり、
前記第1スートブロワを位置させるステップにおいて、
前記第2出口に隣接するように前記第1スートブロワを位置させる熱交換器洗浄方法。
【請求項10】
前記第1スートブロワを位置させるステップにおいて、
前記第1噴射口と前記第2噴射口のそれぞれが、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合うように位置される請求項
9に記載の熱交換器洗浄方法。
【請求項11】
前記第1出口の内部空間に第2スートブロワを位置させるステップ;及び
前記標的回転体が回転する間、前記標的回転体に向かって前記第2スートブロワの第3噴射口を通じて前記第1物質を、前記第2スートブロワの前記第3噴射口から一定間隔離隔して位置する第4噴射口を通じて前記第2物質を同時に噴射させるステップを更に含み、
前記第3噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第3距離は、前記第4噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第4距離と実質的に同一の請求項
9に記載の熱交換器洗浄方法。
【請求項12】
前記第2スートブロワを位置させるステップにおいて、
前記第2入口に隣接するように前記第2スートブロワを位置させる請求項
11に記載の熱交換器洗浄方法。
【請求項13】
前記第2スートブロワを位置させるステップにおいて、
前記第3噴射口と前記第4噴射口のそれぞれが、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合うように位置される請求項
11に記載の熱交換器洗浄方法。
【請求項14】
前記標的回転体が回転する間、前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワと連結されている駆動部によって、前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワのそれぞれの位置が調節されるステップを更に含み、
前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワのそれぞれの位置が調節されるステップにおいて、
前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワのそれぞれは、前記標的回転体の前記仮想の回転軸から遠くなるか又は近くなるように移動され、
前記第1距離と前記第2距離が実質的に互いに同一になるように、前記第1スートブロワの前記第1噴射口及び前記第2噴射口の間の離隔距離が調節され、
前記第3距離と前記第4距離が実質的に互いに同一になるように、前記第2スートブロワの前記第3噴射口及び前記第4噴射口の間の離隔距離が調節される請求項
11に記載の熱交換器洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器洗浄システム及び熱交換器洗浄方法に関し、更に詳しくは、熱交換器の一構成である標的回転体の洗浄効率が向上された熱交換器洗浄システム及び熱交換器洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラーなどの燃焼機関から排出される排気ガス中には、窒素酸化物(NOx)が含まれており、このような窒素酸化物は公害を誘発するため、大気中に排出される前に除去する必要がある。排気ガス中に含まれている窒素酸化物を除去するための1つの方法として、選択的触媒還元法(SCR:selective catalytic reduction)が主に利用されている。一方、排気ガスがSCR装置を通過すると、排気ガス中の三酸化硫黄の濃度が増加し、SCR装置の触媒反応に利用されるアンモニア(NH3)は、三酸化硫黄及び排気ガス中に含まれている水分(H2O)と反応して、硫酸水素アンモニウム(NH4HSO4:ammonium hydrogen sulfate)-重硫酸アンモニウム(ammonium bisulfate)ともいう-を形成する。SCR装置の後段に設けられる熱交換器(GAH(gas air heater)又はGGH(gas gas heater))を長時間連続運転させると、熱交換器の内部に硫酸水素アンモニウムを含む異物質(反応物)が蓄積され、熱交換器内の通風性が低下する問題がある。
【0003】
このような問題を解消するために、熱交換器の上部及び/又は下部に熱交換器洗浄装置(スートブロワ)を設け、熱交換器の内部に蓄積されている異物質を除去することができる。
【0004】
従来には、熱交換器の内部に高温の蒸気や高圧水を噴射することによって異物質を除去する方法が利用されていたが、高圧水を噴射する場合、排気ガス中の水分の濃度が高くなり、熱交換器の後段に設けられている装置(例えば、集塵機)の性能と寿命が低下する問題があり、また、これから発生する多量の廃水を回収するための装置を別に備える必要があった。
【0005】
韓国登録特許第10-1555227号公報(特許文献1)は、従来の高圧水を噴射する方式に代え、ドライアイスペレットを利用する乾式洗浄方法を開示する。この方法は、硫酸水素アンモニウムのみが異物質として存在する場合は有効であるが、燃料の質の低下などによる様々な成分の組み合わせからなる異物質を除去することは難しく、特に、大気の温度が非常に低くて異物質が凍結された場合は、前記乾式洗浄方法のみでは異物質を效果的に除去することができないという問題がある。
【0006】
韓国登録特許第10-1387024号公報(特許文献2)は、熱交換器の内部に高温の蒸気及びドライアイスペレットを噴射することによって、熱交換器の内部から異物質を除去する方法を開示する。この方法によると、熱交換器の入口側に配置されている洗浄装置から、供給空気及び/又は排気ガスの流れ方向に、高温の蒸気及びドライアイスペレットが噴射される。しかしながら、排気ガスが流入される熱交換器の入口での温度が高いため、ドライアイスペレットの昇華速度が加速されることがあり、それでむしろ洗浄効果が減少することがある。供給空気が流入される熱交換器の入口に配置されている洗浄装置から噴射された高温の蒸気がボイラーの内部に流入される場合は、ボイラーの損傷が誘発される可能性があり、それによってボイラーの熱効率も低下され得る。また、高温の蒸気とドライアイスペレットを噴射しても、標的は回転しており、洗浄器も動いているので、特定の標的地点での洗浄効果が低下され得る問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国登録特許第10-1555227号公報
【文献】韓国登録特許第10-1387024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、熱交換器の一構成である標的回転体の洗浄効率が向上された熱交換器洗浄システム及び熱交換器洗浄方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムは、一方向に延長された仮想の回転軸を中心として回転する標的回転体、前記標的回転体の上部に位置する第1入口、前記標的回転体の下部に前記第1入口と対向して位置する第1出口、前記標的回転体の下部に前記第1出口と離隔して位置する第2入口、前記標的回転体の上部に前記第2入口と対向して位置する第2出口、及び前記第1入口の内部空間に位置する第1スートブロワを含むことができる。
【0010】
前記第1入口は、第1気体が前記標的回転体に向かって流入される通路であり得る。前記第1出口は、前記標的回転体を通過した前記第1気体が排出される通路であり得る。前記第2入口は、前記第1気体より温度の低い第2気体が前記標的回転体に向かって流入される通路であり得る。前記第2出口は、前記標的回転体を通過した前記第2気体が排出される通路であり得る。
【0011】
前記第1スートブロワは、第1物質が前記標的回転体に向かって噴射される第1噴射口及び第2物質が前記標的回転体に向かって噴射される第2噴射口を含むことができる。前記第2噴射口は、前記第1噴射口から一定間隔離隔して位置することができる。
【0012】
前記第1噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第1距離は、前記第2噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第2距離と実質的に同一であり得る。
【0013】
前記第1噴射口と前記第2噴射口のそれぞれは、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合って位置することができる。
【0014】
前記第1物質及び前記第2物質は、前記標的回転体が前記仮想の回転軸を中心として回転するにつれて、前記標的回転体の一標的地点に順次に噴射されることができる。
【0015】
前記第1物質は高温の蒸気であり、前記第2物質はドライアイスペレットであり得る。
【0016】
前記第1スートブロワは、前記第2出口に隣接するように位置することができる。
【0017】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムは、前記第1出口の内部空間に位置する第2スートブロワを更に含むことができる。
【0018】
前記第2スートブロワは、前記第1物質が前記標的回転体に向かって噴射される第3噴射口及び前記第2物質が前記標的回転体に向かって噴射される第4噴射口を含むことができる。前記第4噴射口は、前記第3噴射口から一定間隔離隔して位置することができる。
【0019】
前記第3噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第3距離は、前記第4噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第4距離と実質的に同一であり得る。
【0020】
前記第3噴射口と前記第4噴射口のそれぞれは、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合って位置することができる。
【0021】
前記第2スートブロワは、前記第2入口に隣接するように位置することができる。
【0022】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムは、前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワの位置を調節する駆動部を更に含むことができる。
【0023】
前記駆動部は、前記標的回転体の前記仮想の回転軸から遠くなるか又は近くなるように前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワを移動させることができる。前記駆動部は、前記第1噴射口及び前記第2噴射口の間の離隔距離を調節して、前記第1距離と前記第2距離が実質的に互いに同一になるように前記第1スートブロワを配置させることができる。前記駆動部は、前記第3噴射口と前記第4噴射口の間の離隔距離を調節して、前記第3距離と前記第4距離が実質的に互いに同一になるように前記第2スートブロワを配置させることができる。
【0024】
前記標的回転体が回転する間、前記第1物質及び前記第2物質は同時かつ連続的に噴射されることができる。
【0025】
本発明の一実施例に係る前記熱交換器洗浄システムを利用した熱交換器洗浄方法は、前記第1入口の内部空間に前記第1スートブロワを位置させるステップ、前記標的回転体が回転する間、前記標的回転体に向かって前記第1スートブロワの前記第1噴射口を通じて前記第1物質を、前記第1スートブロワの前記第2噴射口を通じて前記第2物質を同時に噴射させるステップ、及び前記標的回転体の一地点に前記第1物質及び前記第2物質が順次に到達して異物質を除去するステップを含むことができる。
【0026】
前記第1噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている前記第1距離は、前記第2噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている前記第2距離と実質的に同一であり得る。
【0027】
前記第1物質は高温の蒸気であり、前記第2物質はドライアイスペレットであり得る。
【0028】
前記第1スートブロワを位置させるステップにおいて、前記第2出口に隣接するように前記第1スートブロワを位置させることができる。また、前記第1噴射口と前記第2噴射口のそれぞれが、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合うように位置することができる。
【0029】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄方法は、前記第1出口の内部空間に第2スートブロワを位置させるステップ、及び前記標的回転体が回転する間、前記標的回転体に向かって前記第2スートブロワの第3噴射口を通じて前記第1物質を、前記第4噴射口を通じて前記第2物質を同時に噴射させるステップを更に含むことができる。
【0030】
ここにおいて、前記第3噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第3距離は、前記第4噴射口の前記標的回転体の前記仮想の回転軸から離隔されている第4距離と実質的に同一であり得る。
【0031】
前記第2スートブロワを位置させるステップにおいて、前記第2入口に隣接するように前記第2スートブロワを位置させることができる。また、前記第3噴射口と前記第4噴射口のそれぞれが、前記標的回転体の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合うように位置することができる。
【0032】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄方法は、前記標的回転体が回転する間、前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワと連結されている駆動部によって、前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワのそれぞれの位置が調節されるステップを更に含むことができる。
【0033】
前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワのそれぞれの位置が調節されるステップにおいて、前記第1スートブロワ及び前記第2スートブロワのそれぞれは、前記標的回転体の前記仮想の回転軸から遠くなるか又は近くなるように移動することができる。また、前記第1距離と前記第2距離が実質的に互いに同一になるように前記第1スートブロワの前記第1噴射口及び前記第2噴射口の間の離隔距離が調節されることができる。また、前記第3距離と前記第4距離が実質的に互いに同一になるように前記第2スートブロワの前記第3噴射口及び前記第4噴射口の間の離隔距離が調節されることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システム及び熱交換器洗浄方法は、高温の蒸気及びドライアイスペレットが標的回転体の同一地点に噴射されることにより、標的回転体から異物質を效果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの概略模式図。
【
図2】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する斜視図。
【
図3】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する平面図。
【
図4】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する底面図。
【
図5】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する斜視図。
【
図6】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する斜視図。
【
図7】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する平面図。
【
図8】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する平面図。
【
図9】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する底面図。
【
図10】本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する底面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することが可能であるところ、特定の実施例を図に例示し、本文に詳しく説明しようとする。しかしながら、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0037】
本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたもの等の存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。また、ある構成(又は部分)が他の構成(又は部分)の「上に」(又は「上部に」)あるとする場合、これは他の構成(又は部分)の「真上に」ある場合だけでなく、その中間に更に他の構成(又は部分)がある場合も含む。同様に、ある構成(又は部分)が他の構成(又は部分)の「下に」(又は「下部に」)あるとする場合、これは他の構成(又は部分)の「真下に」ある場合だけでなく、その中間に更に他の構成(又は部分)がある場合も含む。また、前記「上」(又は「上部」)及び「下」(又は「下部」)は、水平状態の熱交換器を側面(観点によって正面又は背面と呼ぶこともある。)から見た時の位置を示す(本出願の
図1参考)。よって、熱交換器の使用状態により、傾けたりひっくり返して配置されても、本発明を理解するにあたっては、熱交換器が本来の水平状態にあると仮定して各構成(又は部分)の位置を把握しなければならない。
【0038】
各図面を説明するにあたって、類似な参照符号を類似な構成要素に対して使用した。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いられることができるが、構成要素は用語によって限定されてはいけない。用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで用いられる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱しない限り、第1構成要素は第2構成要素で命名されることができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。単数の表現は文脈上、明らかに違うように示さない限り、多数の表現を含む。
【0039】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例を更に詳しく説明しようとする。
【0040】
図1は、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの概略模式図(観点によって正面図、側面図又は背面図と呼ぶこともある。)で、
図2は、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する斜視図である。
【0041】
まず、
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムは、標的回転体10、第1気体G1が移動する第1入口20及び
第1出口23、第2気体G2が移動する第2入口30及び第2出口33、スートブロワ100、及び駆動部50を含むことができる。
【0042】
前記標的回転体10は、第1方向DR1に延長された仮想の回転軸1を中心として回転することができる。前記標的回転体10は、前記仮想の回転軸1を中心として回転する間、前記標的回転体10を通過した高温の気体と低温の気体の間に相互熱交換が行われるようにする装置であって、例えば、空気予熱器(air preheater)又はガス予熱器(gas preheater)であり得る。
【0043】
前記標的回転体10は、外部フレーム11、内部フレーム13、及び熱交換プレート15を含むことができる。
【0044】
前記外部フレーム11は、前記第1方向DR1に延長された所定の高さを有しており、前記第1方向DR1と交差し、互いに交差する第2方向DR2及び第3方向DR3がなす平面に対応する内部空間を有する環状のフレームであり得る。
【0045】
前記内部フレーム13は、前記外部フレーム11の前記内部空間を半径方向及び円周方向に区画するフレームであり得る。
【0046】
前記熱交換プレート15は、前記外部フレーム11と前記内部フレーム13によって区画された領域内に備えられることができる。前記熱交換プレート15は、格子形状又はしわ形状の金属プレートであり得る。
【0047】
前記第1入口20は、前記標的回転体10の上部に位置することができる。前記第1入口20は、前記第1気体G1が前記標的回転体10に向かって流入される通路であり得る。ここにおいて、前記第1入口20は、ボイラーのような設備(図示せず)に連結することができ、この際、前記第1気体G1は、前記設備(図示せず)の内部から排出された高温の気体であることができ、例えば、前記第1気体G1は実質的に排気ガスであり得る。
【0048】
前記第1出口23は、前記標的回転体10の下部に配置することができる。前記第1出口23は、前記標的回転体10を挟んで前記第1入口20と対向して位置することができる。前記第1出口23は、前記第1入口20に流入された前記第1気体G1が前記標的回転体10を通過した後、外部に排出される通路であり得る。前記第1出口23を通じて排出された前記第1気体G1の温度は、前記第1入口20を通じて流入された前記第1気体G1の温度より低いことがある。
【0049】
前記第2入口30は、前記標的回転体10の下部に位置することができる。前記第2入口30は、前記第1出口23と離隔して位置することができる。前記第2入口30は、前記第2気体G2が前記標的回転体10に向かって流入される通路であり得る。ここにおいて、前記第2気体G2は、前記第1気体G1より温度の低い気体であって、例えば、外部から供給された空気であり得る。
【0050】
前記第2出口33は、前記標的回転体10の上部に位置することができる。前記第2出口33は、前記第1入口20と離隔して位置することができる。前記第2出口33は、前記標的回転体10を挟んで前記第2入口30と対向して位置することができる。前記第2出口33は、前記第2入口30を通じて流入された前記第2気体G2が前記標的回転体10を通過した後、排出される通路であり得る。前記第2出口33を通じて排出された前記第2気体G2の温度は、前記第2入口30を通じて流入された前記第2気体G2の温度より高いことがある。また、前記第2出口33を通じて排出された前記第2気体G2の温度は、前記第1入口20を通じて流入された前記第1気体G1の温度より低いことがある。
【0051】
前記第2出口33は、前記設備(図示せず)に連結することができ、この際、前記第2気体G2は、前記設備(図示せず)の内部に供給されることができる。
【0052】
前記スートブロワ100は、前記標的回転体10を洗浄するための装置であって、前記標的回転体10の上部及び/又は下部の一領域に位置することができる。
【0053】
本発明の一実施例において、前記スートブロワ100は、第1スートブロワ101及び第2スートブロワ102を含むことができる。
【0054】
前記第1スートブロワ101は、前記標的回転体10の上部の一領域に位置し、前記第1入口20の内部空間に配置されることができる。
【0055】
前記第2スートブロワ102は、前記標的回転体10の下部の一領域に位置し、前記第1出口23の内部空間に配置されることができる。前記第2スートブロワ102は、前記第1スートブロワ101と対向して位置することができる。
【0056】
前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102は、より具体的に後述する。
【0057】
前記駆動部50は、前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102の位置を共に/同時に又はそれぞれ調節することができる。前記駆動部50は、前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102の位置を前記仮想の回転軸1から遠くなるか又は近くなるように調節することができる。ここにおいて、前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102は、前記標的回転体10から一定間隔の離隔距離を維持しながら、前記第2方向DR2及び前記第3方向DR3がなす平面に平行な方向に移動されることができる。
【0058】
図3は、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する平面図で、
図4は、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する底面図である。
図5及び
図6は、それぞれ、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する斜視図である。以下、
図3ないし
図6を参照して、前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102を詳しく説明する。
【0059】
まず、
図3及び
図5を参照すると、前記第1スートブロワ101は、前記標的回転体10の第1領域R1に重なって位置することができる。ここにおいて、前記第1領域R1は、前記標的回転体10上に前記第1入口20が配置される領域であり得る。前記第1スートブロワ101は、前記標的回転体10が回転する間、前記標的回転体10の上部の異物質を除去することができる。
【0060】
前記第1スートブロワ101は、第1物質M1が供給される第1供給部110及び第2物質M2が供給される第2供給部120を含むことができる。本発明の一実施例において、前記第1物質M1は高温の蒸気であることができ、前記第2物質M2はドライアイスペレットであり得る。
【0061】
前記第1供給部110は、前記第1物質M1が移動する第1供給路111及び前記第1物質M1が噴射される第1噴射口113を含むことができる。前記第1噴射口113は、前記仮想の回転軸1から第1距離D1だけ離隔して位置することができる。
【0062】
前記第2供給部120は、前記第2物質M2が移動する第2供給路121及び前記第2物質M2が噴射される第2噴射口123を含むことができる。前記第2噴射口123は、前記第1噴射口113から一定間隔離隔して位置することができる。前記第2噴射口123は、前記仮想の回転軸1から第2距離D2だけ離隔して位置することができる。
【0063】
本発明の一実施例において、前記第1噴射口113と前記第2噴射口123が、それぞれ、前記第2方向DR2及び前記第3方向DR3がなす平面に実質的に平行な平面に位置する際、前記第1距離D1と前記第2距離D2は、実質的に同一であり得る。すなわち、前記第1噴射口113と前記第2噴射口123は、それぞれ、前記標的回転体10の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合って位置することができる。
【0064】
前記標的回転体10が回転する間、第1物質M1及び前記第2物質M2が同時かつ連続的に噴射されることができる。これにより、前記標的回転体10の一同心円上において、前記第1物質M1が噴射された一地点に、前記第2物質M2が順次に到達することが可能である。
【0065】
前記第1スートブロワ101は、前記標的回転体10上に前記第2出口33が配置される領域である第2領域R2に隣接するように位置することができる。
【0066】
前記第1気体G1が高温の状態で前記第1入口20に流入される場合、前記第1入口20の内部空間の温度は、前記第1気体G1の温度と類似に高温の状態で維持されることができる。前記第1スートブロワ101が前記第1入口20の内部空間で前記第1物質M1及び前記第2物質M2を噴射する場合、前記第1入口20の内部空間の温度によって、前記第1物質M1及び前記第2物質M2が前記標的回転体10上に到達することは難しいことがあり得る。特に、前記第2物質M2が前記ドライアイスペレットで提供される場合、高温状態の前記第1入口20の内部空間の温度によって、前記ドライアイスペレットが昇華することがある。
【0067】
これで、前記第1スートブロワ101は、前記第1領域R1内でも相対的に温度の低いところに位置することができる。すなわち、前記第1スートブロワ101は、前記第1領域R1内でも極力前記第2領域R2に近く位置することによって、前記ドライアイスペレットが昇華する量を極力少なくすることができる。
【0068】
図3において、前記第1スートブロワ101は、前記第1供給部110が前記第2供給部120よりも前記第2領域R2により近く位置すると図示して説明したが、これに限定されることなく、前記第1スートブロワ101は、前記第2供給部120が前記第1供給部110よりも前記第2領域R2により近く位置することもできる。
【0069】
図3において、前記第1スートブロワ101内に、前記第1供給部110と前記第2供給部120が一体として形成されていると図示したが、これに限定されることはない。前記第1供給部110と前記第2供給部120は互いに分離され、一定間隔離隔して位置することもできる。
【0070】
図4を参照すると、前記第2スートブロワ102は、前記標的回転体10の第3領域R3に重なって位置することができる。ここにおいて、前記第3領域R3は、前記標的回転体10の下部に前記第1出口23が配置される領域であり得る。前記第2スートブロワ102は、前記標的回転体10が回転する間、前記標的回転体10の下部の異物質を除去することができる。
【0071】
前記第2スートブロワ102は、前記第1物質M1が供給される第3供給部130及び前記第2物質M2が供給される第4供給部140を含むことができる。
【0072】
前記第3供給部130は、前記第1物質M1が移動する第3供給路131及び前記第1物質M1が噴射される第3噴射口133を含むことができる。前記第3噴射口133は、前記仮想の回転軸1から第3距離D3だけ離隔して位置することができる。
【0073】
前記第4供給部140は、前記第2物質M2が移動する第4供給路141及び前記第2物質M2が噴射される第4噴射口143を含むことができる。前記第4噴射口143は、前記第3噴射口133から一定間隔離隔して位置することができる。前記第4噴射口143は、前記仮想の回転軸1から第4距離D4だけ離隔して位置することができる。
【0074】
本発明の一実施例において、前記第3噴射口133と前記第4噴射口143が、それぞれ、前記第2方向DR2及び前記第3方向DR3がなす平面に実質的に平行な平面に位置する際、前記第3距離D3と前記第4距離D4は、実質的に同一であり得る。すなわち、前記第3噴射口133と前記第4噴射口143は、それぞれ、前記標的回転体10の一同心円の円周上に位置して互いに離隔して位置する標的地点のそれぞれに向い合って位置することができる。
【0075】
前記標的回転体10が回転する間、第1物質M1及び前記第2物質M2が同時かつ連続的に噴射されることができる。これにより、前記標的回転体10の一同心円上において、前記第1物質M1が噴射された一地点に、前記第2物質M2が順次に到達することが可能である。
【0076】
前記第2スートブロワ102は、前記標的回転体10の下部に前記第2入口30が配置される領域である第4領域R4に隣接するように位置することができる。
【0077】
前記標的回転体10を通過した後、前記第1出口23を通じて排出された前記第1気体G1の温度は、前記第1入口20を通じて流入された前記第1気体G1の温度より低いが、前記第2入口30を通じて流入される前記第2気体G2の温度より高いことがある。
【0078】
これで、前記第2スートブロワ102は、前記第3領域R3内で極力前記第4領域R4に近く位置することにより、前記第2物質M2である前記ドライアイスペレットが昇華する量を極力少なくすることができる。
【0079】
また、前記第2スートブロワ102は、前記第1スートブロワ101より多い量の前記第1物質M1及び前記第2物質M2を噴射することができる。
【0080】
前記第1出口23を通じて前記第1気体G1が排出される方向と反対の方向に前記第1物質M1及び前記第2物質M2が噴射されることにより、前記第2スートブロワ102から噴射された前記第1物質M1及び前記第2物質M2が前記標的回転体10に到達することは難しいことがある。
【0081】
これは、前記第2スートブロワ102から噴射される第1物質M1及び前記第2物質M2の量を増加させることにより、前記標的回転体10の下部の異物質を容易に除去することが可能である。
【0082】
図4において、前記第2スートブロワ102は、前記第4供給部140が前記第3供給部130よりも前記第4領域R4により近く位置することを図示して説明したが、これに限定されることなく、前記第2スートブロワ102は、前記第3供給部130が前記第4供給部140よりも前記第4領域R4により近く位置することができる。
【0083】
従来は、前記第2スートブロワ102を前記第4領域R4に重なるように位置させたが、この場合、前記第2スートブロワ102から噴射された前記第1物質M1及び前記第2物質M2が前記設備(図示せず)の内部に流入され、設備の特性が低下される問題が発生していた。しかしながら、本発明の一実施例は、前記第2スートブロワ102を前記第3領域R3に重なるように位置させることにより、前記第2スートブロワ102から噴射された前記第1物質M1及び前記第2物質M2が前記設備(図示せず)の内部に流入されることを防止することができる。すなわち、本発明においては、例えば、外部から供給される空気が流入されて通過する第2領域R2及び第4領域R4にはスートブロワを配置しない。
【0084】
図4において、前記第2スートブロワ102内に前記第3供給部130と前記第4供給部140が一体として形成されていることを図示したが、これに限定されることはない。前記第3供給部130と前記第4供給部140は互いに分離され、一定間隔離隔して位置することもできる。
【0085】
図5及び
図6を参照すると、前記標的回転体10は、前記仮想の回転軸(1、
図1参考)を中心として反時計回りに回転することができる。前記第1物質M1及び前記第2物質M2は、前記標的回転体10が回転する間、前記標的回転体10に向かって同時かつ連続的に噴射されることができる。
【0086】
前記標的回転体10の一地点に前記第1物質M1及び前記第2物質M2が順次に到達することにより、前記標的回転体10の異物質が容易に除去されることができる。
【0087】
まず、前記第1物質M1が前記標的回転体10の第1地点P1に到達することができる。前記標的回転体10が反時計回りに回転するにつれて、前記第1地点P1が反時計方向に移動し、前記第1物質M1は新しい第2地点P2に到達し、前記第2物質M2は前記第1地点P1に到達することができる。
【0088】
これにより、前記第1物質M1及び前記第2物質M2が順次に到達された前記第1地点P1から異物質を容易に除去することが可能である。
【0089】
図7及び
図8は、それぞれ、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する平面図である。以下、
図7及び8を参照して、前記駆動部50によって前記第1スートブロワ101の位置が調節されることを説明する。
【0090】
図1及び
図7を参照すると、前記第1スートブロワ101の位置は、前記駆動部50によって前記仮想の回転軸1から遠くなるか又は近くなるように調節されることができる。前記第1スートブロワ101の位置が調節される間、前記第1距離D1と前記第2距離D2は実質的に同一間隔を維持することができる。
【0091】
図8を参照すると、前記第1スートブロワ101の前記第1噴射口113と第2噴射口123の間の離隔距離である第5距離D5は、前記駆動部50によって調節されることができる。前記第5距離D5は、前記標的回転体10の回転速度によって短くなるか又は長くなることができる。
【0092】
図9及び
図10は、それぞれ、本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄システムの一部分に対する底面図である。以下、
図9及び10を参照して、前記駆動部50によって前記第2スートブロワ102の位置が調節されることを説明する。
【0093】
図1及び
図9を参照すると、前記第2スートブロワ102の位置は、前記駆動部50によって前記仮想の回転軸1から遠くなるか又は近くなるように調節されることができる。前記第2スートブロワ102の位置が調節される間、前記第3距離D3と前記第4距離D4は実質的に同一間隔を維持することができる。
【0094】
図10を参照すると、前記第2スートブロワ102の前記第3噴射口133と第4噴射口143の間の離隔距離である第6距離D6は、前記駆動部50によって調節されることができる。前記第6距離D6は、前記標的回転体10の回転速度によって短くなるか又は長くなることができる。
【0095】
以下、前記熱交換器洗浄システムを利用して前記標的回転体10を洗浄する熱交換器洗浄方法について説明する。説明の便宜のため、前述した前記熱交換器洗浄システムの説明と重複する説明は省略する。
【0096】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄方法は、前記第1入口20の内部空間に前記第1スートブロワ101を位置させるステップ、前記標的回転体10が回転する間、前記標的回転体10に向かって前記第1スートブロワ101の前記第1噴射口113を通じて前記第1物質M1を、前記第1スートブロワ101の前記第2噴射口123を通じて前記第2物質M2を同時に噴射させるステップ、及び前記標的回転体10の一地点に前記第1物質M1及び前記第2物質M2が順次に到達して異物質を除去するステップを含むことができる。
【0097】
ここにおいて、前記第1噴射口113の前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から離隔されている前記第1距離D1は、前記第2噴射口123の前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から離隔されている前記第2距離D2と実質的に同一であり得る。
【0098】
前記第1物質M1は高温の蒸気であり、前記第2物質M2はドライアイスペレットであり得る。
【0099】
前記第1スートブロワ101を位置させるステップにおいて、前記第1スートブロワ101は、前記標的回転体10の上部の前記第2出口33に隣接するように位置することができる。
【0100】
前記第1噴射口113の前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から離隔されている第1距離D1は、前記第2噴射口123の前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から離隔されている第2距離D2と実質的に同一であり得る。
【0101】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄方法は、前記標的回転体10の下部の前記第1出口23の内部空間に前記第2スートブロワ102を位置させるステップ、及び前記標的回転体10が回転する間、前記標的回転体10に向かって前記第2スートブロワ102の前記第3噴射口133を通じて前記第1物質M1を、前記第2スートブロワ102の前記第4噴射口143を通じて前記第2物質M2を同時に噴射させるステップを更に含むことができる。
【0102】
前記第3噴射口133の前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から離隔されている前記第3距離D3は、前記第4噴射口143の前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から離隔されている前記第4距離D4と実質的に同一であり得る。
【0103】
前記第2スートブロワ102を位置させるステップにおいて、前記第2スートブロワ102は、前記標的回転体10の下部の前記第2入口30に隣接するように位置することができる。
【0104】
本発明の一実施例に係る熱交換器洗浄方法は、前記標的回転体10が回転する間、前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102と連結されている駆動部50によって、前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102のそれぞれの位置が調節されるステップを更に含むことができる。
【0105】
前記第1スートブロワ101及び前記第2スートブロワ102のそれぞれは、前記標的回転体10の前記仮想の回転軸1から遠くなるか又は近くなるように移動することができる。この際、前記第1距離D1と前記第2距離D2が実質的に互いに同一になるように、前記第1スートブロワ101の前記第1噴射口113及び前記第2噴射口123の間の離隔距離が調節され、前記第3距離D3と前記第4距離D4が実質的に互いに同一になるように、前記第2スートブロワ102の前記第3噴射口133及び前記第4噴射口143の間の離隔距離が調節されることができる。
【0106】
以上、本発明の好ましい実施例を基準として説明したが、当該技術分野の熟練した当業者又は当該技術分野における通常の知識を有する者でれば、後述する特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できることを理解することができる。
【0107】
よって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0108】
10:標的回転体 20:第1入口
23:第1出口 30:第2入口
33:第2出口 101:第1スートブロワ
102:第2スートブロワ 50:駆動部
113:第1噴射口 123:第2噴射口
133:第3噴射口 143:第4噴射口
M1:第1物質 M2:第2物質