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特許7555406電圧を用いてコンビナトリアル薬物送達デバイスにおいて直列接続された薬物モジュールの精度を判定するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】電圧を用いてコンビナトリアル薬物送達デバイスにおいて直列接続された薬物モジュールの精度を判定するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240913BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
A61J3/00 310Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022526222
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2020058499
(87)【国際公開番号】W WO2021091813
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】62/932,805
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】マクローリン,マーティン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジーミンスキー,スティーブン ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】グナーソン,ジェフリー マンフレッド
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-519141(JP,A)
【文献】特表2018-536946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンビナトリアル薬物送達デバイスであって、
それぞれが少なくとも1つの薬物構成要素を含む複数の直列接続可能なモジュールと、
電源及びグランドを有するマスタコントローラと、を備え、
前記モジュールのそれぞれは、
電源線と、
グランド線と、
複数の識別された入力チャネル及び単一の出力を有するマルチプレクサと、
前記入力チャネルを選択するように構成された第1のデジタル論理線と、
知の値の第1の抵抗器及び既知の値の第2の抵抗器を有する電圧基準線と、
前記電圧基準線に接続された分岐線と、を含み、
前記第1の抵抗器は、第1の端子及び第2の端子を備え、
前記第2の抵抗器は、第3の端子及び第4の端子を備え、
前記第1の抵抗器の前記第1の端子は、前記マルチプレクサの出力に接続され、前記第2の端子は、前記第2の抵抗器の前記第3の端子に接続され、
前記モジュールが直列接続されると、前記電源線は、前記モジュール間で直列接続され、直列接続された前記電源線は、前記電源に接続され、
前記モジュールが直列接続されると、前記グランド線は、前記モジュール間で直列接続され、直列接続された前記グランド線は、前記グランドに接続され、
前記入力チャネルの少なくとも一部は、対応するモジュールの前記電源線及び前記グランド線のいずれかに選択的に接続され、
前記モジュールが直列接続されると、前記第1のデジタル論理線は、前記モジュール間で直列接続され、直列接続された前記第1のデジタル論理線は、前記マスタコントローラに接続され、
前記モジュールが直列接続されると、前記電圧基準線は、前記モジュール間で直列接続され、直列接続された前記電圧基準線は、前記マスタコントローラに接続され、
前記分岐線は、既知の値の第3の抵抗器と、前記分岐線を前記グランド線に接続するための常閉のスイッチとを有し、
前記スイッチは、更なるモジュールへ接続することで開放され、
前記マスタコントローラは、前記第1のデジタル論理線を用いて、全ての前記モジュール間で同一の識別された入力チャネルを順番に選択し、全てのモジュール間で前記同一の識別された入力チャネルのそれぞれについて基準電圧を測定する、
コンビナトリアル薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記スイッチは、nチャネルMOSFETである、請求項1に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイス。
【請求項3】
各モジュールは、二次分岐線を含み、
前記二次分岐線は、前記電源線と、前記対応するモジュールのMOSFETのゲートと、に接続され、
第4の抵抗器が、前記電源線と前記MOSFETのゲートとの間で前記二次分岐線上に配置され、
前記二次分岐線は、前記MOSFETのゲートを常閉に保つための電力を伝達する、
請求項2に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイス。
【請求項4】
更なるモジュールと接続すると、前記二次分岐線がグランド接続され、前記MOSFETのゲートが開く、請求項3に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記入力チャネルを選択するように構成された第2のデジタル論理線を更に備え、
前記モジュールが直列接続されると、前記第2のデジタル論理線は、前記モジュール間で直列接続され、直列接続された前記第2のデジタル論理線は、前記マスタコントローラに接続され、
前記マスタコントローラは、前記第1及び第2のデジタル論理線を選択的に用いて、全ての前記モジュール間で同一の識別された入力チャネルを順番に選択し、全てのモジュール間で前記同一の識別された入力チャネルのそれぞれについて基準電圧を測定する、
請求項1に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンビナトリアル薬物送達デバイス及びシステムは、2018年5月11日に出願された米国仮特許出願第62/670,266号、2019年5月10日に出願されたPCT出願番号PCT/US2019/031727、2019年5月10日に出願されたPCT出願番号PCT/2019/031762、及び、2019年5月10日に出願されたPCT出願番号PCT/US2019/031791に示されて説明されている。前述の特許出願はいずれも本明細書と同一の譲受人による。前述の特許出願に示されているように、様々な液体薬物の薬物モジュールは、様々な(個別化された)薬物の組合せを提供するために、様々な組合せで提供されてもよい。薬物モジュールは、トレイ又は他のベース構造上で、ネスト化、すなわち、直列又は並列に接続されてもよい。あるいは、薬物モジュールは、互いに直接的に(垂直方向及び/又は水平方向に)直列接続されてもよい。米国仮特許出願第62/670,266号、PCT出願番号PCT/US2019/031727、PCT出願番号PCT/2019/031762、及び、PCT出願番号PCT/US2019/031791は、それぞれの全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
直列接続されたコンビナトリアルシステムは、流体接続するために別個のトレイ部品を必要とせず、したがって、部品、ひいてはサプライチェーンにおいてより効率的であるという点で、ネステッド設計と比較して有利である。
【0003】
ネステッドシステムにおいて、トレイ設計は、トレイ設計の固有の設計とレイアウトとを通じて、モジュールの正しい構成に関する情報を「保存」することができる。例えば、トレイは、正しい薬物モジュールのみがトレイのネストに挿入され、正しい薬物モジュールが正しい順序で配置されるようにする構成(例えば、「ロック及びキー」機能のような機械的協働機能)を提供し得る。これは、薬物モジュールを使用するための準備をする際の安全確認として機能する。これに対して、直列接続システムは、トレイ式の要素を有しないため、これに基づく安全確認の機能を欠く。
【0004】
直列接続された事例においては、トレイを用いる機械的なエラー防止手段は不可能であるため、直列接続システムにおいて、構成エラーを検出する他の手段を実施し、もって投薬エラーの発生を防止することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書において提供されるコンビナトリアル薬物送達デバイスは、それぞれが少なくとも1つの薬物構成要素を含む複数の直列接続可能なモジュールと、電源及びグランドを有するマスタコントローラと、を含む。前記モジュールのそれぞれは、電源線(ここで、モジュールが直列接続されると、電源線は、モジュール間で直列接続され、直列接続された電源線は、電源に接続される。)と、グランド線(ここで、モジュールが直列接続されると、グランド線は、モジュール間で直列接続され、直列接続されたグランド線は、グランドに接続される。)と、複数の識別された入力チャネル及び単一の出力を有するマルチプレクサ(ここで、入力チャネルの少なくとも一部は、対応するモジュールの電源線及びグランド線のいずれかに選択的に接続される。)と、入力チャネルを選択するように構成された第1のデジタル論理線(ここで、モジュールが直列接続されると、第1のデジタル論理線は、モジュール間で直列接続され、直列接続された第1のデジタル論理線は、マスタコントローラに接続される。)と、マルチプレクサの出力に並ぶ既知の値の第1の抵抗器、及び第1の抵抗器に並列である既知の値の第2の抵抗器を有する電圧基準線(ここで、モジュールが直列接続されると、電圧基準線は、モジュール間で直列接続され、直列接続された電圧基準線は、マスタコントローラに接続される。)と、電圧基準線に接続され、既知の値の第3の抵抗器及び分岐線をグランド線に接続するための常閉のスイッチを有する分岐線と、を含み、スイッチは、更なるモジュールへ接続することで開放される。マスタコントローラは、第1のデジタル論理線を用いて、全てのモジュール間で同一の識別された入力チャネルを順番に選択し、全てのモジュールにわたって、同一の識別された入力チャネルのそれぞれについて基準電圧を測定する。有利には、測定された基準電圧は、モジュールに関連するバイナリコードを識別するために使用され、したがって、各モジュールの内容及びモジュールの順序の表示を提供することができる。
【0006】
本発明のこれらの及び他の特徴は、詳細な説明及び添付の図面の検討を通じてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図2】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図3】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図4】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図5】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図6】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図7】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図8】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図9】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図10】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図11】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図12】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図13A】本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
図13B本発明に従って形成された装置の様々な特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~3を参照すると、コンビナトリアル薬物送達デバイス14の直列接続された複数の薬物モジュール12の精度を検証するために使用可能な配置が示されている。各薬物モジュール12は、液体薬物18を収容するための薬物容器16を含む。薬物容器16は、薬物モジュール12の部分によって規定されてもよく、又は薬物モジュール12の中に挿入されるバイアルなどの構成要素によって規定されてもよい。その任意の態様を含むコンビナトリアル薬物送達デバイス14は、米国仮特許出願第62/670,266号、PCT出願番号PCT/US2019/031727、PCT出願番号PCT/2019/031762、及び、PCT出願番号PCT/US2019/031791のいずれかに開示された実施形態に従って形成されてもよい。例示の目的で、コンビナトリアル薬物送達デバイス14の例示的な特徴を本明細書で説明する。当業者によって認識されるように、本発明は、コンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかと共に使用可能であり、前述の特許出願のいずれかに開示された要素(例えば、システム10、薬物モジュール12、薬物モジュール12の接続方法、フローコントローラ34など)のいずれかと共に使用可能であることを含む。
【0009】
図1に示すように、薬物モジュール12は、一連の薬物モジュール12を通る薬物送達デバイス14のための単一の流路を規定するように直列接続され、この流路を介して、各薬物モジュール12の液体薬物18が引き出され得る。図1に示すように、入口チューブ20及び出口チューブ22は、液体薬物18が各薬物モジュール12から連続して引き出されてもよいように、各薬物モジュール12に設けられてもよい。図3に示すように、入口チューブ20及び出口チューブ22は、薬物容器16のうちの1つの出口及び次の薬物容器16のための入口の両方の役割を果たす長さのチューブが提供されるように、薬物容器16間に連続的に形成されてもよい。図1は、6個の薬物モジュール12(12A~12F)を示す。当業者によって理解されるように、任意の量の薬物モジュール12が利用されてもよい。ベント13は、(最後の薬物モジュール内の)流路の終端に設けられてもよい。
【0010】
1以上のバイパス薬物モジュール12BYが、シリーズ内の場所に適合するために、しかし液体薬物を含まないように、シリーズ内に必要とされてもよいことに注意すべきである。図2に示すように、バイパス薬物モジュール12BYは、入口から出口まで延びるバイパスチューブ24を有してもよく、これにより、流れは、薬物容器なしにバイパスチューブ24を通ることができる。あるいは、図3に示すように、薬物モジュール12うちの2つ、又は薬物モジュール12のうちの1つ、及び後述のコントローラハウジングなど、薬物送達デバイス14の2つの構成要素を接続するために、バイパスチューブ24は、薬物モジュール12のうちの1つに代えて提供されてもよい。
【0011】
薬物モジュール12に含まれる液体薬物18は、種類及び濃度が異なっていてもよい。モジュール12のうちのいくつかの中の液体薬物18は、薬学的又は生物学的に活性な薬剤を含まない希釈剤であってもよい。薬物モジュール12は、液体薬物を形成するために希釈剤を流して再構成可能な1以上の固体成分を含んでもよい。直列接続された薬物モジュール12が様々な薬物種類及び濃度を含むことができるため、薬物送達デバイス14がコンビナトリアル薬物送達デバイス14となり、様々な液体薬物の混合を提供することができる。ある患者用の特定の組合せのために意図された液体薬物18は、医師によって処方される。本発明は、薬物送達デバイス14に特定の薬物モジュール12が正確に含まれることの確認、及び、薬物モジュール12の順序を提供するものである。薬物モジュール14の順序は重要であり、最終的に得られる組合せの効能に影響を与える可能性がある。
【0012】
薬物送達デバイス14は、好ましくはコントローラハウジング26を含み、コントローラハウジング26には直列接続された薬物モジュール12が接続される。(コントローラハウジング26に最も近い)第1の薬物モジュール12Aの出口チューブ22は、コントローラハウジング26に形成された入口28と連通し、そこに薬物モジュール12から液体薬物18が流れ込み得る。送達チューブ30は、入口28から延びて、コントローラハウジング26を通して液体薬物18を出口32に搬送する。液体薬物18を貯蔵デバイス(例えば、IVバッグ、注射器)又は患者に接続された薬物送達デバイス(例えば、バタフライ針)に導くために、チューブ又は搬送装置が出口32に固定されてもよい。
【0013】
コントローラハウジング26内には、送達チューブ30を通る流れを選択的に調節するフローコントローラ34が設けられている。一実施形態では、フローコントローラ34は、液体薬物18を入口28から引き込み、出口32から送達チューブ30(これは不連続でもよい)を介して液体薬物18を排出するために、コントローラハウジング26に設けられたポンプなどの作動可能な負圧源36を含んでもよい。静止状態では、負圧源36は、負圧を発生させず、したがって、液体薬物18を吸引しない。更なる実施形態では、フローコントローラ34は、コントローラハウジング26に設けられたボールバルブなどの1以上の調節可能なバルブ38を含んでもよく、バルブ38は、送達チューブ30を通る流れを選択的に調節するように構成され、特に、開放状態と閉状態との間で選択的に調節できるように構成される。バルブ38の使用により、コントローラハウジング26の外部の負圧源が利用されてもよい。負圧源は、出口32に負圧を加えることによりそこから液体薬物18を引き出すように構成される。
【0014】
演算処理装置(CPU)42を含む制御ユニット40が、コントローラハウジング26内に設けられてもよい。フローコントローラ34は、電気的に動力供給されてCPU42によって制御されることが好ましい。例えば、CPU42によって制御されるように構成されたスイッチを有する電気モータ又はアクチュエータが提供されてもよい。モータの作動は、負圧源30を作動させる(例えば、ポンプをオンにする)一方で、アクチュエータの作動は、バルブ38を開放状態に調整する(例えば、バルブステムを回転させて開放状態にする)原因となり得る。スイッチは、モータをオフにし、又はバルブを閉鎖するために、CPU42によってオフ位置に調整されてもよい。
【0015】
薬物モジュール12は、使用の準備ができたときに直列接続されることが想定される。したがって、薬物モジュール12の組立ては、ユーザによって、又はユーザのために行われることが必要である。フェールセーフ機構として、薬物モジュール12が薬物送達デバイス14に適切に、正しい順序で含まれることをより確実にするために、各薬物モジュール12は、その中に、薬物モジュール12に含まれる薬物18を代表する回路を有してもよい。回路は、マルチプレクサの複数のバイナリ入力チャネルであってもよく、入力チャネルの電源状態/グランド状態は、各モジュールにバイナリユニットの列を提供するために一緒にグループ化され得る個々のバイナリユニットを定義する。バイナリユニットの列は、薬物の種類と、場合によっては薬物の濃度又は強度を指定することができる。入力チャネルがモジュール12のオン/オフ(電源/グランド位置)に同時に調整された状態で、製造施設又は薬局において薬物モジュール12に液体薬物18が装填されてもよい。薬物モジュール12における入力チャネルの設定には注意が必要である。
【0016】
具体的な液体薬物18(種類、濃度)は、処方箋により指定される。薬物モジュール12は、指定された液体薬物18を収容するために用意される。利用される薬物モジュール12の数は、処方箋によって指定された薬物成分の数に少なくとも等しい。薬物モジュール12は、コントローラハウジング26と共に、組立てのために、キットとして、ユーザ又はユーザに関連する場所に届けられてもよい。薬物モジュール12の組立てに関して、薬物モジュール12の順序、例えば、第1の位置(コントローラハウジング26に最も近い位置)、第2の位置、などを含む指示が提供される。
【0017】
図4~6を参照すると、各モジュール12は、既知の値を有する3つの抵抗器1a、1b、1cを備えている。好ましくは、(2R抵抗器と表示された)抵抗器1cは、(R抵抗器と表示された)抵抗器1a、1bの2倍の抵抗値を有する。複数の入力チャネル3a、3b、3c、3dのうちの1つを単一の出力に接続するアナログマルチプレクサ2の出力に抵抗器1cの片側が接続される。所望のチャネル3a、3b、3c、3dは、1以上のデジタル論理線4によって選択される。このアプリケーションでは、マルチプレクサ2は、4つの入力チャネル3a、3b、3c、3dのうちの1つから電圧を通過させる。これらの入力チャネルのうちの1つ(3a)は電源に接続され、残りのチャネル3b、3c、3dは、スイッチを介して電源又はグランドのいずれかに接続されてもよい。これらのスイッチは、対応するモジュール12の液体薬物18を代表するバイナリユニットの列に構成されている。スイッチは、ハードウェアジャンパ、抵抗器ショート、又は小型SPDTスイッチのうちの1以上の形態であってもよい。
【0018】
図4~6は、3つのスイッチを示しているが、より多くのスイッチが可能である。 以下の式は、マルチプレクサのチャネル数(N)に基づいて構成され得る可能な固有の薬物ID(D)(すなわち、バイナリユニットの列)の個数に関連する。
D=2N-1
【0019】
N-1の指数は、好ましい実施形態において、マルチプレクサ2の1つの入力チャネルが、スイッチではなく電源に直接的に接続されてもよいという事実を説明するために使用される。後述のように、これにより、事前通知なしに、直列接続されたモジュール12の数を決定することができる。
【0020】
マルチプレクサは、少なくとも1つのバイナリ論理線4によって制御される。論理線4の論理状態の各バイナリの組合せは、マルチプレクサ2の入力チャネル3b、3c、3dのうちのどのチャネルがマルチプレクサ2の出力に通されるべきかを示す。マルチプレクサ選択線(S)(すなわち、論理線4)の数は、チャネル数(N)と次のような関係にある。
N=2S
【0021】
図4~6では、S=2の選択線(論理線4)が2=4個のマルチプレクサのチャネル3a、3b、3c、3dに対応するが、この値は選択線を追加するごとに2倍にされ得る。この関係は、可能な固有の薬物IDの数が、次式によって選択線の数に関係することを意味する。
D=2^[(2^S)-1]
【0022】
この関係から、数個の選択線を追加することで、実質的に無限の数の薬物IDを符号化することができることがわかる。下記の表1は、この概念を示している。スイッチ3b、3c、3dは、抵抗の短絡又は破断可能な銅トレースの形状を取ることができ、これらはいずれも安価でありかつ薄型であるため、15又は31のスイッチカウントが費用的に達成可能であることを意味する。
【0023】
表1
選択線 バイナリスイッチ 薬物ID
2 3 8
3 7 128
4 15 32,768
5 31 >20億
【0024】
モジュール12が直列接続されると、各モジュールのバイナリコードに対応するアナログ電圧がそれらの結合された抵抗ネットワークによって生成されてもよい。モジュール12が接続されると、それらの嵌合コネクタは、図5に示される接続を形成する。
【0025】
コントローラハウジング26に最も近いモジュール12Aは、制御ユニット40との動作可能な通信に接続する。図6に示すように、制御ユニット40は、モジュール12Aに電源25及びグランドを供給する。次のモジュール12Bは、第1のモジュール12AのコネクタBが第2のモジュール12BのコネクタAに嵌合するように、第1のモジュール12Aに接続する。第1のモジュール12Aは、電力を第2のモジュールに渡す。この接続スキームは、制御ユニット40からの電力が、全ての直列接続されたモジュール12に接続されるように続く。同様に、マルチプレクサ選択線4は、制御ユニット40が、各モジュール12のマルチプレクサチャネル3a、3b、3c、又は3dのいずれを各モジュールのマルチプレクサ2の出力に通すかをグローバルに選択できるように、全てのモジュール12に通される。選択線4は、線23を通って制御ユニット40に動作可能に連結される。
【0026】
電源が供給され接続されると、各モジュール12は、アナログ抵抗ネットワークを構成し、その出力がコネクタAの接続を介して次のモジュール12に通される。逆に、各モジュール12は、対応するコネクタBの接続を介して、前のモジュール12からアナログ入力を受ける。全ての直列接続されたモジュール12の抵抗ネットワークは、コントローラハウジング26内の電子機器が標準的なアナログ-デジタル変換器(ADC)21を使用してアナログ電圧を読み取ることができるように、第1のモジュール12Aの出力接続部においてアナログ電圧を形成するために結合する。図13A及び図13Bに示すように、コネクタA及びBは、8ピンのソケットコネクタであってもよい。
【0027】
抵抗接続スキームは、しばしばR-2R抵抗ラダーと呼ばれる電気的構成に基づく。この回路が機能するために、チェーンの最後のモジュールは、追加の抵抗器1aを介して、ラダーをグランドに終端しなければならない。所定のモジュール12に下流のモジュールが接続されていない場合(例えば、12F)、その終端抵抗1aは、電子スイッチとして機能するnチャネルMOSFET9を介してグランドへ引き込まれる。MOSFET9は、プルアップ抵抗10によって電源に保持されている。別のモジュール12が接続されると、その第2のモジュール12は、グランド13へのコネクタAの接続を介してこのMOSFETのゲートをグランドにショートさせ、これにより、第1のモジュールの終端抵抗1aがグランドから切り離される。新しいモジュールは、下流のモジュールが接続されていないことによって、終端抵抗1aを実装している。
【0028】
前述のように、制御ユニット40は、S選択線4にバイナリコードを設定することによって、N個のマルチプレクサの入力チャネル3a、3b、3c、3dのいずれでも選択することができる。所定のバイナリコードsに対して、M個のモジュールによって生成されるアナログ電圧Vout(s)を算出することができる。bmsが、マルチプレクサのチャネルsのスイッチが電源(bms=1)又はグランド(bms=0)に接続されているか否かを示すバイナリ値を表し、Vrefが基準電圧を表すとすると、

【0029】
例えば、M=6個のモジュールを接続し、それらのマルチプレクサのチャネルsのスイッチを1、0、0、1、0、1に設定した場合、アナログ出力電圧は、基準電圧の0.578125倍となる。マルチプレクサのセレクトコードs毎に異なる電圧値を得ることができ、制御ユニット40は、N個全てのマルチプレクサの入力を繰り返すことができる。
【0030】
モジュール数に加えて、このスキームによって符号化される情報のビット数はM(N-1)に等しい。例えば、M=6かつN=4の値に対して、このスキームは、薬物ID(0から7まで)及び薬物のモジュール位置(1から6まで)の合計262,144個の順列を符号化する。選択線の数をS=2からS=3に増やすと(したがって、マルチプレクサのチャネル数をN=4からN=8に増やすと)、薬物IDの範囲は0から127に増え、総順列数は4兆を超える。
【0031】
しかしながら、上記の出力電圧の式は、制御ユニット40がモジュール数Mを知っていることを必要とすることに留意されたい。代替的な実施形態では、電子機器は、各モジュール12の1つのマルチプレクサ入力(例えば、3a)を電源専用とすることによって、モジュール12の数を自己決定することができる。このように、マルチプレクサチャネルが選択されると、出力電圧Vcountはモジュール数に一致し、次式に等しくなる。
【0032】
例えば、制御ユニット40が基準電圧の0.875倍の電圧を読み取ると、1/2+1/4+1/8=0.875であるので、接続モジュール数は3であると判断することができる。同様に、モジュール数が6の場合、基準電圧の0.984375倍の電圧を得る。
【0033】
図6は、コントローラハウジング26の中に制御電子機器を有する6個のモジュール12を全て積み上げた状態を示している。制御ユニット40は、電池などの電源25を有し、この電源は、全ての直列接続されたモジュール12に通されている。組込ファームウェアを実行するマイクロコントローラ、CPLD、又はFPGAであり得る制御ユニット40は、マルチプレクサのチャネル選択線23を所定の値に設定し、これは次に選択線4を通じて送信され、次に、アナログ/デジタル変換器(ADC)21を介してモジュールからアナログ電圧の結果を読み出す。次に、制御ユニット40は、マルチプレクサのチャネル選択線23を次のバイナリ値に更新し、次のアナログ電圧を読み取り、全てのモジュール12にわたる各マルチプレクサのチャネル3a、3b、3c、3dについて1つのアナログ電圧が得られるまで継続する。これらの電圧から、制御ユニット40は、Vout(s)及びVcountに関する前述の関係を使用して、接続されたモジュール12の数及び各モジュール12のバイナリドラッグID(図6では、モジュール1のb11、b12、b13、モジュール2のb21、b22、23など)を決定することができる。
【0034】
図7~8は、モジュール12のマルチプレクサ2の異なる入力チャネルに対する異なるバイナリコードの読み取りを表す様々な基準電圧を示す。例えば、図7において、最上行では、11で始まるバイナリユニットの列を表すVout=.75*Vrefが示されており、これは、この入力チャネルにおける両方のモジュールが電源を供給された状態を有することに対応する。一方、2行目では、左側のモジュールがグランド接続された入力チャネルを有し、右側のモジュールが電源接続された入力チャネルを有し、これは10のバイナリ読み取り値をもたらす。最下行は、2行目とは逆の電源及びグランドの状態があるため、01の読み取り値をもたらす。これらの読み取り値を並べると、左モジュールのバイナリユニットの列は101(下から上へ)と読み取れ、右モジュールは011と読み取れる。このように、各モジュール12のバイナリユニットの列は、モジュール12の配列と共に特定され得る。図8は、同様の動作原理の5つのモジュールの図を提供する。
【0035】
図9図12は、様々なバイナリユニットの列の指標として使用可能な電圧比を提供する。前述のようにアナログ電圧を測定することによって、各入力チャネルに対するバイナリユニットの列が決定され、次いで、各モジュール12に対する薬物ID及び順序付けを識別するために組み合わされてもよい。
【0036】
図13A及び図13Bは、各モジュール12において使用可能な候補のプリント回路基板(PCB)回路配置を示す。
【0037】
各モジュール12についてのバイナリユニットの列は、活性化コードを生成するために順番に配置されてもよい。活性化コードは、その正確さを判定するために、認証コードとの比較に使用されてもよい。一実施形態では、認証コードは、コントローラハウジング26内のCPU42に関連する非一時的なメモリ41に格納されてもよい。あるいは、認証コードは、(例えば、コントローラハウジング26の受信機を介して)CPU42に送信され、CPU42が比較を実行して一致を判定してもよい。活性化コードと認証コードとが一致すると、CPU42は、液体薬物18の送達を可能にするためにフローコントローラ34を作動させてもよい。
【0038】
フローコントローラ34は、貯蔵(すなわち、非使用)状態、例えば、流れが送達チューブ30を通って出口32へ到達しないように、1以上の調節可能なバルブ38が閉位置である状態を有するように提供されてもよい。さらに、又は代わりに、貯蔵状態において、負圧源36は静止状態である。活性化コードと認証コードとが一致すると、前述のように、CPU42は、フローコントローラ34を作動させ、これにより、フローコントローラ34を使用状態にしてもよい。フローコントローラ34が使用状態であるときは、薬物送達デバイス14からの液体薬物18の送達が達成されてもよい。特に、1以上の調節可能なバルブ38は、流れが送達チューブ30を通って出口32へ到達できるように、開位置に調節されてもよい。さらに、負圧源36は、作動されてもよく、又は、その代わりに、(例えば、コントローラハウジング26上のスイッチによる)作動を待って、活性状態に置かれてもよい。
【0039】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、広範囲の疾患又は状態、例えば、がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、心血管疾患又は線維性疾患のいずれかを患っている患者の利益のために、2以上の薬物を送達することができる。一実施形態では、1以上の薬物モジュール12は、単一の薬物を含んでもよい。一実施形態では、1以上の薬物モジュール12は、2以上の共配合薬物を含んでもよい。一実施形態では、1以上の薬物モジュール12は、(錠剤、カプセル、粉末、凍結乾燥、噴霧乾燥などの)固体形状の薬物を含んでもよく、これらは液体薬物を形成するためにそこに希釈剤を流して再構成され得る。
【0040】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、免疫チェックポイント阻害剤である。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム死-1(PD-1)経路阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)アンタゴニスト、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG3)アンタゴニスト、CD80アンタゴニスト、CD86アンタゴニスト、T細胞免疫グロブリンムチンドメイン(Tim-3)アンタゴニスト、IgとITIMドメインを持つT細胞免疫受容体(TIGIT)アンタゴニスト、CD20アンタゴニスト、CD96アンタゴニスト、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)アンタゴニスト、インターフェロン遺伝子刺激剤(STING)アンタゴニスト、GARPアンタゴニスト、CD40アンタゴニスト、アデノシンA2A受容体(A2aR)アンタゴニスト、CEACAM1(CD66a)アンタゴニスト、CEAアンタゴニスト、CD47アンタゴニスト。受容体関連免疫グロブリンドメイン含有タンパク質(PVRIG)アンタゴニスト、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)アンタゴニスト、T細胞活性化のVドメインIg抑制性(VISTA)アンタゴニスト、又はキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)アンタゴニストである。
【0041】
一実施形態では、PD-1経路阻害剤は、抗PD-1抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA;MK-3475)、ピディリズマブ(CT-011)、ニボルマブ(OPDIVO;BMS-936558)、PDR001、MEDI0680(AMP-514)、TSR-042、REGN2810、JS001、AMP-224(GSK-2661380)、PF-06801591、BGB-A317、BI754091、又はSHR-1210である。
【0042】
一実施形態では、PD-1経路阻害剤は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(TECENTRIQ;RG7446;MPDL3280A;RO5541267)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559、アベルマブ(bavencio)、LY3300054、CX-072(Proclaim-CX-072)、FAZ053、KN035、又はMDX-1105である。
【0043】
一実施形態では、PD-1経路阻害剤は、低分子薬物である。特定の実施形態では、PD-1経路阻害剤は、CA-170である。他の実施形態では、PD-1経路阻害剤は、細胞ベースの治療法である。一実施形態では、細胞ベースの治療法は、MiHA搭載PD-L1/L2サイレンス化樹状細胞ワクチンである。他の実施形態では、細胞ベースの治療法は、抗プログラム細胞死タンパク質1抗体発現多能性キラーTリンパ球、自己PD-1標的キメラ型スイッチ受容体修飾Tリンパ球、又はPD-1ノックアウト自己Tリンパ球である。
【0044】
一実施形態では、PD-1経路阻害剤は、抗PD-L2抗体又はその抗原結合断片である。他の実施形態では、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7である。
【0045】
一実施形態では、PD-1経路阻害剤は、可溶性PD-1ポリペプチドである。特定の実施形態では、可溶性PD-1ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。特定の実施形態では、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合断片を含む。他の実施形態では、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合断片を含む。別の実施形態では、可溶性PD-1ポリペプチドは、Fcドメインを更に含む。
【0046】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4アンタゴニストである。特定の実施形態では、CTLA-4アンタゴニストは、抗CTLA-4抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ(チシリムマブ;CP-675,206)、AGEN-1884、又はATOR-1015である。一実施形態では、本明細書において開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、CTLA-4アンタゴニスト、例えば、イピリムマブ(YERVOY)、及びPD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)を含む。
【0047】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、LAG3のアンタゴニストである。特定の実施形態では、LAG3アンタゴニストは、抗LAG3抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗LAG3抗体は、レラトリマブ(BMS-986016)、MK-4280(28G-10)、REGN3767、GSK2831781、IMP731(H5L7BW)、BAP050、IMP-701(LAG-5250)、IMP321、TSR-033、LAG525、BI754111、又はFS-118である。
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、LAG3アンタゴニスト、例えば、レラトリマブ又はMK-4280、及びPD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)を含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、LAG3アンタゴニスト、例えば、レラトリマブ又はMK-4280、及びCTLA-4アンタゴニスト、例えば、イピリムマブ(YERVOY)を含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、LAG3アンタゴニスト、例えば、レラトリマブ又はMK-4280、CTLA-4アンタゴニスト、例えば、イピリムマブ(YERVOY)、及びPD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)を含む。
【0048】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、KIRアンタゴニストである。特定の実施形態では、KIRアンタゴニストは、抗KIR抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗KIR抗体は、リリルマブ(1-7F9、BMS-986015、IPH2101)又はIPH4102である。
【0049】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、TIGITアンタゴニストである。一実施形態では、TIGITアンタゴニストは、抗TIGIT抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗TIGIT抗体は、BMS-986207、AB154、COM902(CGEN-15137)、又はOMP-313M32である。
【0050】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、Tim-3アンタゴニストである。特定の実施形態では、Tim-3アンタゴニストは、抗Tim-3抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗Tim-3抗体は、TSR-022又はLY3321367である。
【0051】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、IDO1アンタゴニストである。他の実施形態では、IDO1アンタゴニストは、インドキシモド(NLG8189;1-メチル-D-TRP)、エパカドスタット(INCB-024360、INCB-24360)、KHK2455、PF-06840003、ナボックスシモド(RG6078、GDC-0919、NLG919)、BMS-986205(F001287)、又はピロリジン-2,5-ジオン誘導体である。
【0052】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、STINGアンタゴニストである。特定の実施形態では、STINGアンタゴニストは、2’又は3’-モノフルオロ置換環状ジヌクレオチド、2’3’-ジフルオロ置換混合連結2’,5’-3’,5’環状ジヌクレオチド、2’-フルオロ置換、ビス-3’,5’シクロジヌクレオチド、2’,2’’-diF-Rp,Rp,ビス-3’,5’シクロジヌクレオチド、又はフッ化環状-ジヌクレオチドである。
【0053】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CD20アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、CD20アンタゴニストは、抗CD20抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブ(RITUXAN;IDEC-102;IDEC-C2B8)、ABP798、オクタムマブ、又はオビヌツズマブである。
【0054】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CD80アンタゴニストである。特定の実施形態では、CD80アンタゴニストは、抗CD80抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CD80抗体は、ガリキシマブ又はAV1142742である。
【0055】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、GARPアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、GARPアンタゴニストは、抗GARP抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗GARP抗体は、ARGX-115である。
【0056】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CD40アンタゴニストである。特定の実施形態では、CD40アンタゴニストは、その抗原結合断片のための抗CD40抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、BMS3h-56、ルカツムマブ(HCD122及びCHIR-12.12)、CHIR-5.9、又はダケツズマブ(huS2C6、PRO64553、RG3636、SGN14、SGN-40)である。他の実施形態では、CD40アンタゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施形態では、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施形態では、可溶性CD40リガンドは、CD40-L/FC2又は単量体CD40-Lである。
【0057】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、A2aRアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、A2aRアンタゴニストは、低分子である。
特定の実施形態では、A2aRアンタゴニストは、CPI-444、PBF-509、イストラデフィリン(KW-6002)、プレラデナン(SCH420814)、トザデナン(SYN115)、ビパデナン(BIIB014)、HTL-1071、ST1535、SCH412348、SCH442416、SCH58261、ZM241385、又はAZD4635である。
【0058】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CEACAM1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、CEACAM1アンタゴニストは、抗CEACAM1抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CEACAM1抗体は、CM-24(MK-6018)である。
【0059】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CEAアンタゴニストである。一実施形態では、CEAアンタゴニストは、抗CEA抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗CEA抗体は、セルグツズマブアムナレウキン(RG7813、RO-6895882)又はRG7802(RO6958688)である。
【0060】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CD47アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、CD47アンタゴニストは、抗CD47抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗CD47抗体は、HuF9-G4、CC-90002、TTI-621、ALX148、NI-1701、NI-1801、SRF231、又はEffi-DEMである。
【0061】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PVRIGアンタゴニストである。特定の実施形態では、PVRIGアンタゴニストは、抗PVRIG抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗PVRIG抗体は、COM701(CGEN-15029)である。
【0062】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、TDOアンタゴニストである。一実施形態では、TDOアンタゴニストは、4-(インドール-3-イル)-ピラゾール誘導体、3-インドール置換誘導体、又は3-(インドール-3-イル)-ピリジン誘導体である。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストである。一実施形態では、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストは、低分子である。
【0063】
一実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、VISTAアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、VISTAアンタゴニストは、CA-170又はJNJ-61610588である。
【0064】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤である。
【0065】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、CD28アゴニスト、4-1BBアゴニスト、OX40アゴニスト、CD27アゴニスト、CD80アゴニスト、CD86アゴニスト、CD40アゴニスト、ICOSアゴニスト、CD70アゴニスト、又はGITRアゴニストである。
【0066】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、OX40アゴニストである。特定の実施形態では、OX40アゴニストは、抗OX40抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗OX40抗体は、タボリキシズマブ(MEDI-0562)、ポガリズマブ(MOXR0916、RG7888)、GSK3174998、ATOR-1015、MEDI-6383、MEDI-6469、BMS986178、PF-04518600、又はRG7888(MOXR0916)である。他の実施形態では、OX40アゴニストは、細胞ベースの治療法である。特定の実施形態では、OX40アゴニストは、GINAKIT細胞(iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球)である。
【0067】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、CD40アゴニストである。いくつかの実施形態では、CD40アゴニストは、抗CD40抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CD40抗体は、ADC-1013(JNJ-64457107)、RG7876(RO-7009789)、HuCD40-M2、APX005M(EPI-0050)、又はChi Lob7/4である。他の実施形態では、CD40アゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施形態では、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。特定の実施形態では、可溶性CD40リガンドは、三量体CD40-L(AVREND(登録商標))である。
【0068】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、GITRアゴニストである。特定の実施形態では、GITRアゴニストは、抗GITR抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗GITR抗体は、BMS-986156、TRX518、GWN323、INCAGN01876、又はMEDI1873である。一実施形態では、GITRアゴニストは、可溶性GITRリガンド(GITRL)である。いくつかの実施形態では、可溶性GITRリガンドは、融合ポリペプチドである。他の実施形態では、GITRアゴニストは、細胞ベースの治療法である。一実施形態では、細胞ベースの治療法は、抗CTLA4 mAb RNA/GITRL RNA導入自己樹状細胞ワクチン又はGITRL RNA導入自己樹状細胞ワクチンである。
【0069】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、4-1BBアゴニストである。いくつかの実施形態では、4-1BBアゴニストは、抗4-1BB抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗4-1BB抗体は、ウレルマブ又はPF-05082566である。
【0070】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストである。いくつかの実施形態では、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、可溶性CD80リガンド又はCD86リガンド(CTLA-4)である。特定の実施形態では、可溶性CD80又はCD86リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施形態では、CD80又はCD86リガンドは、CTLA4-Ig(CTLA4-IgG4m、RG2077、又はRG1046)又はアバタセプト(ORENCIA、BMS-188667)である。他の実施形態では、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、細胞ベースの治療法である。一実施形態では、細胞ベースの治療法は、MGN1601(同種腎細胞癌ワクチン)である。
【0071】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、CD28アゴニストである。いくつかの実施形態では、CD28アゴニストは、抗CD28抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗CD28抗体は、TGN1412である。
【0072】
一実施形態では、CD28アゴニストは、細胞ベースの治療法である。特定の実施形態では、細胞ベースの治療法は、JCAR015(抗CD19-CD28-ゼータ改変CAR CD3+Tリンパ球)、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、同種CD4+メモリTh1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、抗CD19/CD28/CD3ゼータCARガンマレトロウィルスベクタ導入自己Tリンパ球KTE-19、抗CEA IgCD28TCR導入自己Tリンパ球、抗EGFRvIII CAR導入同種Tリンパ球、自己CD123CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD171特異的CAR-CD28ゼータ-4-1-BB-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm濃縮T細胞、自己PD-1標的キメラ型スイッチレセプター修飾Tリンパ球(CD28とのキメラ)、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm濃縮Tリンパ球、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tn/mem濃縮Tリンパ球、CD19CAR-CD28ゼータ-4-1BB発現同種Tリンパ球、CD19CAR-CD3ゼータ-4-1BB-CD28発現自己Tリンパ球、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、CD3/CD28共刺激ワクチンプライミング化自己Tリンパ球、又はiC9-GD2-CD28-OX40-発現Tリンパ球である。
【0073】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、CD27アゴニストである。特定の実施形態では、CD27アゴニストは、抗CD27抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CD27抗体は、バルリルマブ(CDX-1127)である。
【0074】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、CD70アゴニストである。いくつかの実施形態では、CD70アゴニストは、抗CD70抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CD70抗体は、ARGX-110である。
【0075】
一実施形態では、免疫チェックポイントのエンハンサ又は刺激剤は、ICOSアゴニストである。特定の実施形態では、ICOSアゴニストは、抗ICOS抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗ICOS抗体は、BMS986226、MEDI-570、GSK3359609、又はJTX-2011である。他の実施形態では、ICOSアゴニストは、可溶性ICOSリガンドである。いくつかの実施形態では、可溶性ICOSリガンドは、融合ポリペプチドである。特定の実施形態では、可溶性ICOSリガンドは、AMG750である。
【0076】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、抗CD73抗体又はその抗原結合断片である。特定の実施形態では、抗CD73抗体は、MEDI9447である。
【0077】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、TLR9アゴニストである。一実施形態では、TLR9アゴニストは、アガトリモドナトリウムである。
【0078】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、サイトカインである。特定の実施形態では、サイトカインは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンパカイン、又は腫瘍壊死因子ファミリのメンバである。いくつかの実施形態では、サイトカインは、IL-2、IL-15、又はインターフェロン-ガンマである。
【0079】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、TGF-βアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、TGF-βアンタゴニストは、フレソリムマブ(GC-1008)、NIS793、IMC-TR1(LY3022859)、ISTH0036、トラベデルセン(AP12009)、組換トランスフォーミング成長因子-ベータ-2、自己HPV-16/18 E6/E7特異的TGF-ベータ耐性Tリンパ球、又はTGF-ベータ耐性LMP特異的細胞傷害性Tリンパ球である。
【0080】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、iNOSアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、iNOSアンタゴニストは、N-アセチル-システイン(NAC)、アミノグアニジン、L-ニトロアルギニンメチルエステル、又はS,S-1,4-フェニレン-ビス(1,2-エタンジイル)ビスイソチオ尿素である。
【0081】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、SHP-1アンタゴニストである。
【0082】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)アンタゴニストである。特定の実施形態では、CSF1Rアンタゴニストは、抗CSF1R抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗CSF1R抗体は、エマクツズマブである。
【0083】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、TNFファミリメンバのアゴニストである。いくつかの実施形態では、TNFファミリメンバのアゴニストは、ATOR1016、ABBV-621、又はアダリムマブである。
【0084】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、アルデスロイキンなどのインターロイキン-2(IL-2)である。好ましくは、IL-2又はコンジュゲートIL-2(例えば、ペギル化)は、ベムペガルデスロイキンなどの制御性T細胞上のTエフェクタ細胞(T-eff IL-2)を選択的に活性化させるように改変されている。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、PD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)とを含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、LAG3アンタゴニスト、例えば、レラトリマブ又はMK-4280とを含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、PD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)と、LAG3アンタゴニスト、例えば、レラトリマブ又はMK-4280とを含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、CTLA-4アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(YERVOY)とを含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、PD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)と、CTLA-4アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(YERVOY)とを含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、CTLA-4アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(YERVOY)と、LAG3アンタゴニスト、例えばレラトリマブ又はMK-4280とを含む。一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞上のTエフェクタ細胞を選択的に活性化させるベムペガルデスロイキンなどの改変IL-2と、PD-1経路阻害剤、例えばニボルマブ(OPDIVO)又はペムブロリズマブ(KEYTRUDA)と、CTLA-4アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(YERVOY)と、LAG3アンタゴニスト、例えばレラトリマブ又はMK-4280である。
【0085】
一実施形態では、本明細書に開示されるコンビナトリアル薬物送達デバイスのいずれかにおける1以上の薬物は、CD160(NK1)アゴニストである。特定の実施形態では、CD160(NK1)アゴニストは、抗CD160抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、抗CD160抗体は、BY55である。
【0086】
一実施形態では、1以上の薬物モジュール12は、可溶性CTLA-4ポリペプチドを含んでもよく、これは、例えば、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、移植片対宿主病、及び移植拒絶などのT細胞媒介自己免疫疾患を治療するのに有用であり得る。一実施形態では、可溶性CTLA-4ポリペプチドは、アバタセプト(ORENCIA)、ベラタセプト(NULOJIX)、RG2077、又はRG-1046である。特定の実施形態では、本明細書に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、可溶性CTLA-4ポリペプチド、例えば、アバタセプト(ORENCIA)と、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ブレーンブルチニブを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、可溶性CTLA-4ポリペプチド、例えば、アバタセプト(ORENCIA)と、チロシンキナーゼ-2阻害剤、例えば、BMS-986165とを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のコンビナトリアル薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、可溶性CTLA-4ポリペプチド、例えば、アバタセプト(ORENCIA)と、Tエフェクタ細胞とは対照的に制御性T細胞を選択的に活性化させるインターロイキン2(IL-2)又は「T-reg IL-2」、例えばBMS-986326及びNKTR-358とを含む。
図1
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