(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】PVT追跡を用いる広帯域同調可能周波数単側波帯コンバータ
(51)【国際特許分類】
H03D 7/14 20060101AFI20240913BHJP
H03C 3/40 20060101ALI20240913BHJP
H03H 7/20 20060101ALI20240913BHJP
H03H 11/20 20060101ALI20240913BHJP
H03K 17/693 20060101ALI20240913BHJP
H04B 1/26 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H03D7/14 A
H03C3/40
H03H7/20 D
H03H11/20 A
H03K17/693 A
H04B1/26 M
(21)【出願番号】P 2022531064
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(86)【国際出願番号】 US2020062110
(87)【国際公開番号】W WO2021108465
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-05
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521353388
【氏名又は名称】チュービス テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Tubis Technology Inc.
【住所又は居所原語表記】8611 Balboa Avenue,San Diego,CA 92123,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ケニー クン-ロン
【審査官】石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-198329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0342267(US,A1)
【文献】国際公開第2019/202685(WO,A1)
【文献】特開2006-345018(JP,A)
【文献】特開2011-155357(JP,A)
【文献】特開2011-130186(JP,A)
【文献】特開2010-021826(JP,A)
【文献】特開2013-118555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0065179(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106605366(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03D 7/00- 9/06
H03C 3/00- 7/04
H03H 7/18- 7/21
H03H 11/00-11/54
H03K 17/00-17/70
H04B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバータであって、
f
IFの周波数を有する入力信号(IF)を受信し、前記入力信号をIF
I及びIF
Qに変換する、多相フィルタと、
IF
I及びIF
Qを受信し、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成する一対の増幅器と、
前記増幅された入力信号をf
LOの周波数を有する局部発振器(LO)信号と乗算する一対の両側波帯ミキサと、
前記ミキサに結合され、出力信号(RF)を出力する出力加算器であって、前記出力信号は、前記極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO)又は(f
IF-f
LO)のいずれかの影像周波数を有する出力加算器と、
帯域ギャップ回路、演算増幅器、およびトランジスタを備える定Gm(R)バイアス発生器
と、を備え
、
前記トランジスタは、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって一定のチャネル抵抗値を有し、
前記定Gm(R)バイアス発生器は、ゲートバイアスを供給することにより、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって前記多相フィルタが備える複数の三極管モードトランジスタの抵抗値を安定させる
コンバータ。
【請求項2】
前記多相フィルタは、周波数同調制御信号によって制御される複数の多相抵抗器を備える、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項3】
前記複数の三極管モードトランジスタは異なるトランジスタサイズを有する、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項4】
各三極管モードトランジスタの抵抗値は、対応するトランジスタサイズ及び
前記定Gm(R)バイアス発生器が備える前記
トランジスタの前記チャネル抵抗値に基づいて決定される、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項5】
スイッチドRは、前記複数の三極管モードトランジスタによって構成され、
前記定Gm(R)バイアス発生器が備える前記
トランジスタのサイズは、前記スイッチドRのトランジスタサイズと同じまたは前記スイッチドRのトランジスタサイズでスケーリングされる、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項6】
前記定Gm(R)バイアス発生器
の前記帯域ギャップ回路の電流基準I
Referenceは、
前記トランジスタのドレイン-ソース電流I
DSを規定する、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項7】
前記定Gm(R)バイアス発生器
の前記演算増幅器は、前記
トランジスタのゲート電圧V
GSを上昇又は下降させることによって前記
トランジスタのドレイン電圧V
DSを
前記帯域ギャップ回路の電圧基準V
Referenceに等しくする、請求項
1に記載のコンバータ。
【請求項8】
前記増幅器は、周波数同調性を達成するための帯域スイッチを有する入力変圧器及び出力変圧器を備える、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項9】
前記増幅器は、IF
I及びIF
Qの位相反転を達成するための相補差動トランジスタ対を備える、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項10】
前記多相フィルタは、交差接続された抵抗器及びキャパシタの対の1つ又は複数のセットを備え、各抵抗器及びキャパシタの対のRC時定数は、精密クロック発生器を使用して較正される、請求項1に記載のコンバータ。
【請求項11】
コンバータであって、
f
IFの周波数を有する入力信号(IF)を受信し、前記入力信号をIF
I及びIF
Qに変換する多相フィルタと、
IF
I及びIF
Qを受信し、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成する一対の増幅器と、
前記増幅された入力信号をf
LOの周波数を有する局部発振器(LO)信号と乗算する一対の両側波帯ミキサと、
前記ミキサに結合され、出力信号(RF)を出力する出力加算器であって、前記出力信号は、前記極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO) 又は(f
IF-f
LO)のいずれかの影像周波数を有する出力加算器と、を備え、
前記多相フィルタが備える複数の三極管モードトランジスタのゲートバイアスは、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって抵抗値を安定させるために
、帯域ギャップ回路、演算増幅器、およびトランジスタを備え、該トランジスタがプロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって一定のチャネル抵抗値を有する定Gm(R)バイアス発生器から供給される、コンバータ。
【請求項12】
無線周波数集積回路(RFIC)であって、
f
IFの周波数を有する入力信号(IF)を受信し、前記入力信号をIF
I及びIF
Qに変換する多相フィルタと、
IF
I及びIF
Qを受信し、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成する一対の増幅器と、
前記増幅された入力信号をf
LOの周波数を有する局部発振器(LO)信号と乗算する一対の両側波帯ミキサと、
前記ミキサに結合され、出力信号(RF)を出力する出力加算器であって、前記出力信号は、前記極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO) 又は(f
IF-f
LO)のいずれかの影像周波数を有する出力加算器と、
帯域ギャップ回路、演算増幅器、およびトランジスタを備える定Gm(R)バイアス発生器とを備え
、
前記トランジスタは、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって一定のチャネル抵抗値を有し、
前記定Gm(R)バイアス発生器は、ゲートバイアスを供給することにより、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって前記多相フィルタが備える複数の三極管モードトランジスタの抵抗値を安定させる
無線周波数集積回路。
【請求項13】
無線周波数集積回路(RFIC)であって、
f
IFの周波数を有する入力信号(IF)を受信し、前記入力信号をIF
I及びIF
Qに変換する多相フィルタと、
IF
I及びIF
Qを受信し、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成する一対の増幅器と、
前記増幅された入力信号をf
LOの周波数を有する局部発振器(LO)信号と乗算する一対の両側波帯ミキサと、
前記ミキサに結合され、出力信号(RF)を出力する出力加算器であって、前記出力信号は、前記極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO) 又は(f
IF-f
LO)のいずれかの影像周波数を有する出力加算器と、を備え、
前記多相フィルタが備える複数の三極管モードトランジスタのゲートバイアスは、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって抵抗値を安定させるために
、帯域ギャップ回路、演算増幅器、およびトランジスタを備え、該トランジスタがプロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって一定のチャネル抵抗値を有する定Gm(R)バイアス発生器から供給される、無線周波数集積回路。
【請求項14】
プロセス、電圧、及び温度(PVT)の追跡を用いて広帯域無線周波数(RF)信号を変換するための方法であって、
多相フィルタによってf
IFの周波数を有する入力信号(IF)を受信し、前記入力信号をIF
I及びIF
Qに変換することと、
一対の増幅器によって、IF
I及びIF
Qを増幅し、それによって、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成することと、
一対の両側波帯ミキサによって、前記増幅された入力信号を局部発振器(LO)信号と乗算することであって、前記局部発振器信号は、f
LOの周波数を有することと、
前記ミキサに結合された出力加算器から出力信号(RF)を出力することであって、前記出力信号は、前記極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO)又は(f
IF-f
LO)の周波数を有することと、
帯域ギャップ回路、演算増幅器、およびトランジスタを備える定Gm(R)バイアス発生器によって、
ゲートバイアスを供給することにより、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって前記多相フィルタが備える複数の三極管モードトランジスタの抵抗値
を安定
させること
であって、定Gm(R)バイアス発生器の前記トランジスタは、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって一定のチャネル抵抗値を有することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記多相フィルタは、周波数同調制御信号によって制御される複数の多相抵抗器を備える、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の三極管モードトランジスタは異なるトランジスタサイズを有する、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
各三極管モードトランジスタの抵抗値は、対応するトランジスタサイズ及び
前記定Gm(R)バイアス発生器が備える前記トランジスタの前記チャネル抵抗値に基づいて決定される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
スイッチドRは、前記複数の三極管モードトランジスタによって構成され、
前記定Gm(R)バイアス発生器が備える前記トランジスタのサイズは、前記スイッチドRのトランジスタサイズと同じまたは前記スイッチドRのトランジスタサイズでスケーリングされる、請求項
14に記載の方法。
【請求項19】
前記定Gm(R)バイアス発生器
の前記帯域ギャップ回路の電流基準I
Referenceは、
前記トランジスタのドレイン-ソース電流I
DSを規定する、請求項
14に記載の方法。
【請求項20】
前記定Gm(R)バイアス発生器
の前記演算増幅器は、前記
トランジスタのゲート電圧V
GSを上昇又は下降させることによって前記
トランジスタのドレイン電圧V
DSを
前記帯域ギャップ回路の電圧基準V
Referenceに等しくする、請求項
14に記載の方法。
【請求項21】
前記増幅器は、周波数同調性を達成するための帯域スイッチを有する入力変圧器及び出力変圧器を備える、請求項
14に記載の方法。
【請求項22】
前記増幅器は、IF
I及びIF
Qの位相反転を達成するための相補差動トランジスタ対を備える、請求項
14に記載の方法。
【請求項23】
前記多相フィルタは、交差接続された抵抗器及びキャパシタの対の1つ又は複数のセットを備え、各抵抗器及びキャパシタの対のRC時定数は、精密クロック発生器を使用して較正される、請求項
14に記載の方法。
【請求項24】
プロセス、電圧、及び温度(PVT)の追跡を用いて広帯域無線周波数(RF)信号を変換するための方法であって、
多相フィルタによってf
IFの周波数を有する入力信号(IF)を受信し、前記入力信号をIF
I及びIF
Qに変換することと、
一対の増幅器によって、IF
I及びIF
Qを増幅し、それによって、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成することと、
一対の両側波帯ミキサによって、前記増幅された入力信号を局部発振器(LO)信号と乗算することであって、前記局部発振器信号は、f
LOの周波数を有することと、
前記ミキサに結合された出力加算器から出力信号(RF)を出力することであって、前記出力信号は、前記極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO)又は(f
IF-f
LO)の周波数を有することと、
前記多相フィルタが備える複数の三極管モードトランジスタのゲートバイアスは、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって抵抗値を安定させるために
、帯域ギャップ回路、演算増幅器、およびトランジスタを備え、該トランジスタがプロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって一定のチャネル抵抗値を有する定Gm(R)バイアス発生器から供給されることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月26日に出願された「Wideband Tunable Frequency Single-Sideband Converter with PVT Tracking」と題する米国仮出願第62/940,716号からの米国特許法第119条の下での優先権を主張し、その主題は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示される実施形態は、概して、ワイヤレスネットワーク通信に関し、より詳細には、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の追跡を伴う周波数同調可能コンバータに関する。
【背景技術】
【0003】
無線周波数(RF)コンバータは、更なる処理のためにマイクロ波信号をより低い(又は中間の)周波数範囲、又はより高い周波数範囲に変換するために必要とされる集積構成要素アセンブリである。それらは概して、入力フィルタ、局部発振器フィルタ、IFフィルタ、ミキサ、及びしばしばLO周波数逓倍器と、1又は複数のIF増幅段とから構成される。RF周波数コンバータはまた、局部発振器、利得補償(GC)構成要素、及びRF前置増幅器を組み込むことができる。システムとして、RF周波数コンバータは、受信したマイクロ波信号を異なる周波数範囲に変更して、その後に続く可能性のある幅広い処理オプションを可能にするように機能する。RF周波数コンバータは、それらが出力する周波数のタイプによって定義される複数の構成で利用可能である。アップコンバータは、マイクロ波信号をより高い周波数範囲に変更する。概して、アップコンバータは、特定の周波数帯域に対する出力信号周波数を生成するように設計される。対照的に、ダウンコンバータは、マイクロ波信号を中間周波数(IF)範囲に変更し、再び特定の周波数帯域に同調させる。一部の種類のRF周波数コンバータには、デュアル型のアップコンバータ及びダウンコンバータがある。つまり、周波数を上又は下のいずれかに変調することができるが、ここでも、スペクトルのいずれかの側の特定の範囲内にのみ変調することができる。最後のタイプのコンバータは可変コンバータであり、これは入力信号の周波数を動作範囲内の任意の周波数に変更することができる。それらは、アップコンバータ及びダウンコンバータの場合のように、特定の周波数帯域の信号を生成するように制約されることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広帯域同調可能周波数コンバータは、その動作周波数を同調させながら、広帯域で動作することができる。無線周波数集積回路(RFIC)を使用して構成されたRFコンバータは、1)PVT変動(ウェハプロセス、供給電圧、及び温度の変動)(典型的には、補償されない場合、数dBの変動をもたらす)と、2)トランジスタ又は受動素子サイズ変動によるランダム変動とを受けやすく、この要件は、通常、RFIC内で使用されるトランジスタ、キャパシタ、抵抗器の最小サイズを制限することで対応される。広帯域周波数同調性を達成し、PVT追跡を用いて広帯域同調可能周波数コンバータの性能を改善するための解決策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
広帯域同調可能周波数単一サブバンドコンバータが提案される。広帯域周波数同調可能コンバータは、広帯域及び同調可能の周波数範囲内で動作し、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の追跡能力を有する。一実施形態において、広帯域コンバータは、複数の切り替え可能な多相抵抗器を有する周波数同調可能な多相フィルタを備える。多相抵抗器は、広帯域周波数同調性を達成するために、周波数同調制御信号によって制御される。好ましい実施形態では、三極管モードトランジスタが多相抵抗器として使用され、多相フィルタの異なる抵抗値は、三極管モードにおいて異なるトランジスタのうちの1つ又は複数をオンにすることによって実現される。加えて、定Gm(R)バイアス発生器は、PVT及び他の変動にわたって一定かつ安定な抵抗値を維持するために、ゲートバイアスを三極管モードトランジスタに供給するために使用される。
【0006】
一実施形態において、PVT追跡を用いる広帯域周波数同調可能コンバータは、広帯域周波数同調可能多相フィルタによってfIFの周波数を有する入力信号(IF)を受信する。多相フィルタは、IF信号をIFI及びIFQに変換する。コンバータは、一対の広帯域周波数同調可能増幅器によってIFI及びIFQを増幅し、それによって、IFI及びIFQの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成する。コンバータは、一対の両側波帯ミキサによって、増幅された入力信号を局部発振器(LO)信号と乗算し、LO信号はfLOの周波数を有する。コンバータは、ミキサに結合された出力加算器から出力信号(RF)を出力する。RF信号は、極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(fIF+fLO)又は(fIF-fLO)の影像周波数を有する。
【0007】
1つの好ましい実施形態では、多相フィルタは、単一又は複数の段を備える複素領域フィルタであり、各段は、シングルエンド信号又は差動信号を特定の周波数の直交差動信号に変換する、又はその逆の、交差接続された抵抗器及びキャパシタの対のセットを含む。広帯域多相フィルタは、周波数同調制御信号によって制御される、異なる値の抵抗器の切り替え可能なものを用いて実現することができる。PVTによる抵抗変動を克服するために、多相抵抗器は、異なるトランジスタサイズを有する複数の三極管モードトランジスタを備え、各三極管モードトランジスタのゲート電圧は、定Gm(R)バイアス発生器によって供給される。定Gm(R)バイアス発生器は、各三極管モードトランジスタの抵抗値が、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって安定したままとなるように、バイアスを供給する。
【0008】
他の実施形態及び利点は、以下の詳細な説明において説明される。この概要は、本発明を定義するものではない。本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、1つの新規な態様による広帯域同調可能周波数単側波帯コンバータの簡略化された回路図である。
【
図2】
図2は、単側波帯ミキサの動作を示す単側波帯シングルバランスコンバータの簡略化回路図である。
【
図3】
図3は、構成可能な信号極性反転器及び広帯域周波数同調可能増幅器の一実施形態を示す。
【
図4】
図4は、1つの新規な態様による広帯域周波数同調可能多相フィルタの簡略化された回路図を示す。
【
図5】
図5は、多相フィルタ内のスイッチドRの好ましい実施形態を示す。
【
図6】
図6は、多相フィルタ内の多相抵抗器を制御するためのスイッチの好ましい実施形態を示す。
【
図7】
図7は、多相フィルタ内の多相抵抗器を制御するスイッチに一定のバイアス電圧を供給するための定Gm(R)バイアス発生器の好ましい実施形態を示す。
【
図8】
図8は、単側波帯ミキサ変換における位相又は振幅誤差に対するイメージレベルを示す。
【
図9A】
図9Aは、多相フィルタに使用されるRC時定数較正を示す。
【
図9B】
図9Bは、スイッチRバンクの状態インクリメントに対するRC時定数較正手順の一実施形態を示す。
【
図10】
図10は、1つの新規な態様による、広帯域コンバータによって、同調可能な周波数及びPVT追跡を用いて広帯域無線周波数信号を変換する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本発明の一部の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。
【0011】
図1は、新規な一態様による広帯域同調可能周波数単側波帯コンバータ100の簡略化された回路図である。広帯域同調可能周波数単側波帯コンバータ100は、広帯域周波数同調可能多相フィルタ110と、2つの構成可能な信号極性反転器120と、2つの広帯域周波数同調可能増幅器130と、2つの両側波帯ミキサ140と、出力加算器150とを備える。
図1の例では、入力信号IFは、50~7000Hzの広帯域周波数範囲を有する周波数f
IFを有し、局部発振器信号LOは、周波数f
LOを有する。出力信号RFは、極性反転器120が極性非反転(下側波帯モード)であるか極性反転(上側波帯モード)であるかに依存して、アップコンバージョンのための(f
IF+f
LO)又は(f
IF-f
LO)のいずれかである影像周波数を有する。
【0012】
1つの新規な態様によれば、広帯域周波数同調可能コンバータ100は、広帯域かつ同調可能な周波数範囲内で動作し、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の追跡能力を有する。一実施形態では、広帯域周波数同調可能多相フィルタ110は、複数の切り替え可能な多相抵抗器を備える。多相抵抗器は、広帯域周波数同調性を達成するために、周波数同調制御信号、例えば、
図1の抵抗器スイッチ制御信号160によって制御される。好ましい実施形態では、三極管モードトランジスタが多相抵抗器として使用され、多相フィルタの異なる抵抗値は、三極管モードにおいて異なるトランジスタのうちの1つ又は複数をオンにすることによって実現される。更に、定Gm(R)バイアス発生器を使用して、三極管モードトランジスタにゲートバイアスを供給し、PVT変動にわたって一定で安定した抵抗値を維持する。
【0013】
単側波帯ダブルバランスコンバータの動作原理は、簡略化された単側波帯シングルバランスコンバータを用いて説明することができる。
図2は、単側波帯ミキサの動作を示す単側波帯シングルバランスコンバータ200の簡略回路図である。単側波帯シングルバランスコンバータ200は、2つの周波数同調可能増幅器230と、シングルバランスミキサ240と、出力加算器250とを備える。
図2の例において、入力信号IFはf
IFの周波数を有し、局部発振器信号LOはf
LOの周波数を有する。出力信号RFは、信号極性反転によって選択可能な、アップコンバージョンのための(f
IF+f
LO)及び(f
LO-f
IF)のいずれかである2つの影像周波数を有する。ダウンコンバージョンの場合、信号は、
図2において反対方向(RFとしてマークされる)から入り、イメージIF周波数は、信号極性反転によって選択可能な(f
RF-f
LO)又は(f
LO-f
RF)である。
【0014】
差動信号入力IFI及びIFQは、位相が90度異なる直交差動信号、すなわち
IFI=(COS(2πfIFt),-COS(2πfIFt))
IFQ=(SIN(2πfIFt),-SIN(2πfIFt))
である。
【0015】
周波数同調可能増幅器230内の構成可能な信号極性反転器は、IFI及びIFQの信号極性を反転させるか、又は信号極性を変更しないようにするものであり、すなわち、
+/-IFI=+/-1*(COS(2πfIFt),-COS(2πfIFt))
+/-IFQ=+/-1*(SIN(2πfIFt),-SIN(2πfIFt))
である。
【0016】
LO信号は局部発振器から出力され、位相が90度異なる直交差動信号LOI及びLOQ、すなわち
LOI=(COS(2πfLOt),-COS(2πfLOt))
LOQ=(SIN(2πfLOt),-SIN(2πfLOt))
を含む。
【0017】
アップコンバータから影像周波数の1つを除去するために、同相成分及び直交位相成分の両方が、入力周波数及びLO周波数の両方に対して必要とされる。シングルバランスミキサ240及び出力加算器250の動作は、230における極性反転器が極性非反転(下側波帯モード)であるとき、式(1)によって表すことができ、230における極性反転器が極性反転(上側波帯モード)であるとき、式(2)によって表すことができる。
RF=(COS(2πfIFt)*COS(2πfLOt)+SIN(2πfIFt)*SIN(2πfLOt),-COS(2πfIFt)*COS(2πfLOt)-SIN(2πfIFt)*SIN(2πfLOt))
=(COS(2π[fIF-fLO]t),-COS(2π[fIF-fLO]t))(1)
RF=(COS(2πfIFt)*COS(2πfLOt)-SIN(2πfIFt)*SIN(2πfLOt),-COS(2πfIFt)*COS(2πfLOt)+SIN(2πfIFt)*SIN(2πfLOt))
=(COS(2π[fIF+fLO]t),-COS(2π[fIF+fLO]t))(2)
【0018】
図3は、構成可能な信号極性反転器及び広帯域周波数同調可能増幅器300の一実施形態を示す。増幅器300は、
図1に示されるような構成可能な信号極性反転器120及び広帯域周波数同調可能増幅器130の例示的な実施形態であり、
図1に示されるような広帯域同調可能周波数単側波帯コンバータ100において使用することができる。
図3の実施形態では、入力無線周波数信号RFinは入力変圧器310に結合され、出力無線周波数信号RFoutは出力変圧器320に結合される。積層変圧器310及び320は、それぞれ帯域スイッチ311及び312(スイッチドC)によって制御され、増幅器300の周波数同調性を実現する。スイッチドC及びトランスの異なる値は、異なる周波数で入力及び出力において整合条件を達成するために共振する。増幅器300は、2つの相補差動トランジスタ対によって形成される主相互コンダクタンス対330を備える。増幅器の位相反転器を実現するために、位相スイッチ340を使用して、相補差動対のどちらをオンにするか、又はオフにするかを選択する。結果として、入力信号RFinの極性は、反転され得るか、又は同じままであり得る。更に、トランジスタにおけるドレイン-ゲート容量、例えば、Cgdの自己中和は、優れた逆方向絶縁性及び安定性を提供する。寄生容量Cgdの中和がない場合、RF信号は入力から出力にリークするか、又は出力から入力にリークする。自己中和によって、負のフィードバック、すなわち反対の入力信号極性への制御された量の交差接続を介して、ドレイン-ゲート容量が除去される。
【0019】
図4は、1つの新規な態様による広帯域周波数同調可能多相フィルタ400の簡略化された回路図を示す。多相フィルタ400は、
図1に示される広帯域周波数同調可能多相フィルタ110の例示的な実施形態であり、
図1に示される広帯域同調可能周波数単側波帯コンバータ100において使用することができる。
図4の実施形態では、多相フィルタ400は、4つの象限(多相)信号、例えば、(I,Q,I_bar,Q_bar)、又は(0°,90°,180°,270°)位相及び等しい大きさを有する4つの信号を生成する。I信号及びQ信号は(0°,90°)であり、他の2つの信号I_bar及びQ_barは(180°,270°)であることに留意されたい。4つの出力信号(0°,90°,180°,270°)は、直交信号である。
【0020】
多相フィルタ400は、多相信号を生成し得る複数の多相抵抗器及びキャパシタから構成される複数のRCネットワークを備える。RC時定数は、動作周波数を決定する。広帯域周波数同調性を達成するために、各多相抵抗器は、周波数同調制御信号によって制御されるように切り替え可能である。各多相抵抗器は、概念的に410によって示されるように、スイッチドRと称される。スイッチドR410は、それぞれスイッチC1、C2、C3、及びC4によって制御される4つの並列抵抗器R1、R2、R3、及びR4を備える。異なるスイッチを制御することによって、多相フィルタ400の異なる抵抗器値を実現することができる。一例では、各ビットが4つのスイッチのうちの1つを制御する4ビット周波数同調制御信号は、多相抵抗器410の対応する抵抗値の最大24=16の可能性まで制御することができる。
【0021】
図5は、多相フィルタ内の多相抵抗器(スイッチドR)510の好ましい実施形態を示す。
図5の実施形態では、スイッチドR510は、定Gm(R)バイアス発生器520によって供給される4つの三極管モードMOSFETトランジスタを備える。MOSFETは、I-V曲線530に示されるように、ソースとドレインとの間に存在する反転層の状態に基づいて、3つの領域、すなわちカットオフ領域、三極管領域、及び飽和領域で動作すると言える。三極管領域は、反転領域が存在して電流が流れる動作領域であるが、この領域はソース付近でテーパ形状になり始めている。ここで必要な電位は、Vds<Vgs-Vthである。ここで、ドレインソース電流は、ドレインソース電位に対して放物線状の関係を有する。MOSFETは、オフにされたときに「オフ」モードで、三極管領域にあるときに「オン」モードで、スイッチとして同時に動作することができる。MOSFETの線形領域は、三極管領域の特別な部分とみなすことができる。ここで、印加されるドレイン-ソース電位の値が非常に小さいため、VdsとIdsとの間にはほぼ線形の関係が存在し、MOSFETは電圧依存抵抗器のように挙動する。線形領域又は「深い三極管」領域の電位条件は、Vds≪Vgs-Vthである。
【0022】
図5に示すように、スイッチドR510の異なる抵抗器値Rは、各トランジスタが(対応するトランジスタサイズに応じて)異なるGm値を有する異なるトランジスタのうちの1又は複数を三極管モードでオンにすることによって実現される。すなわち、R
1=(1/Gm1)、R
2=(1/Gm2)、R
3=(1/Gm3)、R
4=(1/Gm4)である。例えば、C1及びC2がオンである場合、R=R
1||R
2であり、C2及びC3がオンである場合、R=R
2||R
3である。プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって各R(又はGm)値を維持するために、定Gm(R)バイアス電圧発生器520が、ゲートバイアスV
GS(C1、C2、C3、C4)を三極管モードトランジスタに供給するために使用される。
【0023】
図6は、多相フィルタ内の多相抵抗器を制御するためのスイッチ610の好ましい実施形態を示す。先に
図4に示したように、多相抵抗器(例えば、410)は、4つの並列抵抗器R1、R2、R3、及びR4を備えるスイッチドRであり、各抵抗器は、それぞれスイッチC1、C2、C3、及びC4によって制御される。
図6の実施形態では、スイッチ610(C4)は、一定のバイアス電圧V
GSを生成する定Gm(R)バイアス発生器620によって制御される。MOSFETは、オフにされたときに「オフ」モードで、三極管領域にあるときに「オン」モードで、スイッチとして同時に動作することができる。
【0024】
典型的な半導体プロセスにおいて、抵抗器値は、プロセス及び温度の変動とともに著しく変動する。
図7は、多相フィルタ内の多相抵抗器を制御するスイッチに一定のバイアス電圧V
GSを供給するための定Gm(R)バイアス発生器710の好ましい実施形態を示す。定Gm(R)バイアス発生器回路710の構造は、3つの部分、すなわち、レプリカトランジスタ711、演算増幅器(OPA)712、及び帯域ギャップ回路713を有する。レプリカトランジスタサイズは、スイッチドRのトランジスタサイズと同じであってもよく、又は、スイッチドRのトランジスタサイズでスケーリングされてもよい。帯域ギャップ回路713の電流基準I
Referenceは、レプリカトランジスタ711のドレイン-ソース電流I
DSを規定する。負帰還接続されたOPA712は、レプリカトランジスタ711のゲート電圧V
GSを上昇又は下降させることによって、レプリカトランジスタ711のドレイン電圧V
DSを帯域ギャップ回路713の電圧基準V
Referenceに等しくする。レプリカトランジスタ711の平衡バイアスは、V
DS=V
reference及びI
DS=I
Referenceである。同じ帯域ギャップ回路713からの電圧と電流との比は全て、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変動にわたって非常に安定しているので、レプリカトランジスタ711のチャネル抵抗(V
DS/I
DS)は一定である。次いで、V
GSが多相フィルタ内の他のスイッチドRトランジスタに印加され、これにより、プロセス、電圧、及び温度(PVT)並びに他のコーナーの変動にわたって一定のチャネル抵抗が生じる。多相フィルタにおけるチャネル抵抗の値を設計するために、レプリカトランジスタサイズのn倍であるトランジスタサイズが選択され得る。例えば、選択されたトランジスタのチャネル抵抗は、(V
DS/I
DS)/nである。n=2の場合、多相フィルタにおけるチャネル抵抗は(V
DS/I
DS)/2である。
【0025】
図8は、810によって示されるように、単側波帯ミキサ変換における位相又は振幅誤差に対するイメージレベルを示す。位相誤差及び振幅誤差は、イメージが単側波帯ミキサ変換において生じるシステム障害を引き起こす。イメージレベルは、
図8に示されるように、位相誤差及び振幅誤差がどの程度良好であるかに依存する。多相フィルタは、コーナー周波数Fcで完全な位相誤差及び振幅誤差を有する。周波数同調可能な多相フィルタを実現するために、多相フィルタにおけるコーナー周波数Fc、R又はCが調整される。好ましい実施形態では、先に説明したように、Rは三極管トランジスタを介して調整される。Rは、定Gm(R)バイアス発生器によって調節される。
【0026】
図9Aは、多相フィルタに使用されるRC時定数較正を示す。RC回路の場合、Rは、プロセス、電圧及び温度(PVT)変動にわたって生成される定Gm(R)バイアスによって調節される。しかしながら、キャパシタCは温度に高感度ではないにもかかわらず、キャパシタCは依然としてプロセス変動を有する。RC時定数較正は、プロセス変動にわたって多相フィルタのFcを較正するためのものであり、チップ製造後に1回だけ較正を行う必要がある。
図9Aにおいて、精密クロック902は、2つの周期T、振幅Vpeakを生成するが、ただし逆位相の方形波を生成して、スイッチドキャパシタ抵抗器に供給する。スイッチドキャパシタ抵抗器903の等価抵抗はT/Cである。Rバンク、スイッチドキャパシタ抵抗器は、正確なDC基準のための分圧器である。R1、R2は、正確なDC基準のための別の分圧器である。バイパスキャパシタは、ノードXにおけるクロックフィードスルーを減衰させるためのものである。
【0027】
正確なDC基準のレベルは、三極管トランジスタがスイッチRバンクにおいて常に有効であることを確実にするべきである。すなわち、Vref-V
X<Vov(トランジスタのオーバードライブ電圧)である。値R及びCは、多相フィルタの値R及びCと比較して増大又は減少させることができる。周期T/2は、数RC時定数である必要があり、較正がどの程度の精度を必要とするかに依存する。例えば、T/2が3RC時定数より大きい場合、誤差は5%より小さくなり得る。
【数1】
【0028】
較正アルゴリズムは以下の通りである。目標は、R1/R2値に最も近いRC/T値を検索することである。Rは、精密クロックの特定の数サイクルごとに最小から最大まで、又はいずれかの方法で検索することができる。DC比較器905がその出力符号をローからハイにフリップすると、精密クロックが停止し、較正が完了する。DC比較器の極性、すなわち、V
X-V
Y又はV
Y-V
Xは、Rバンク内のRを検索する方向に依存する。例えば、Rが最小から最大まで探索される場合、DC比較器の極性はV
X-V
Yであり、逆もまた同様である。
【数2】
ここで、nは、Rバンクにおけるアレイ番号である。
【0029】
図9Bは、スイッチRバンクの状態インクリメントに対するRC時定数較正手順の一実施形態を示す。
図9Bの例では、4ビット状態インクリメントの実施形態が910及び920によって示されている。精密クロック902は、T2周期クロックを生成し、Tよりも大きくなる。T2周期が長いほど、DC比較器はより低速で使用され得る。より遅いDC比較器は、より高い精度が達成され得ることを意味する。4ビットカウンタ911は、各立ち下がりエッジがカウンタに到着すると、次の状態に変化する。Rバンクがnビットの三極管トランジスタを有する場合、カウンタはnビットになる。
【0030】
図10は、1つの新規な態様による、広帯域コンバータによって、同調可能な周波数及びPVT追跡を用いて広帯域無線周波数信号を変換する方法のフローチャートである。ステップ1001において、コンバータは、広帯域周波数同調可能多相フィルタによって周波数f
IFを有する入力信号(IF)を受信する。多相フィルタは、IF信号をIF
I及びIF
Qに変換する。ステップ1002において、広帯域コンバータは、信号極性反転器を有する一対の広帯域周波数同調可能増幅器によってIF
I及びIF
Qを増幅し、それによって、IF
I及びIF
Qの極性反転の有無にかかわらず増幅された入力信号を生成する。ステップ1003において、広帯域コンバータは、一対の両側波帯ミキサによって、増幅された入力信号を局部発振器(LO)信号と乗算し、LO信号はf
LOの周波数を有する。ステップ1004において、広帯域コンバータは、ミキサに結合された出力加算器から出力信号(RF)を出力する。RF信号は、極性反転によって選択可能な、アップコンバージョン下の(f
IF+f
LO)又は(f
IF-f
LO)の影像周波数を有する。
【0031】
本発明を教示目的のために特定の実施形態に関連して説明してきたが、本発明はそれに限定されない。したがって、説明された実施形態の種々の特徴の種々の修正、適合、及び組み合わせが、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく実施され得る。