(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】調整可能なフィッティング機構を有するゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20240913BHJP
A63B 53/06 20150101ALI20240913BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240913BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B53/06 D
A63B102:32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023014717
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2021535962の分割
【原出願日】2019-12-20
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレックス ジー. ウッドウォード
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-029498(JP,A)
【文献】特開2018-011937(JP,A)
【文献】特開2014-158644(JP,A)
【文献】米国特許第08870674(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0230275(US,A1)
【文献】米国特許第06213889(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0059086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00-53/14
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パター型ゴルフクラブヘッドであって、
トウ端部と、ヒール端部と、トップレールと、ソールと、ポストと、前方打撃面と、前記前方打撃面から離間された後面と、を備えるクラブヘッド本体であって、前記後面と、前記ソールと、前記トップレールとが、凹部を画定する、前記クラブヘッド本体と、
ホーゼル本体とホーゼルアームとを備えるホーゼルであって、前記ホーゼルアームが、第1のホーゼルアーム端部と、第2のホーゼルアーム端部と、ホーゼルタブと、を備える、前記ホーゼルと、
第1のライアーム端部と、第2のライアーム端部と、受け入れ幾何形状と、を備えるライアームであって、前記受け入れ幾何形状の一部が、前記ポストと相補的である窪みを画定する、前記ライアームと、
を備え、
前記ポストは、前記クラブヘッド本体の前記後面から延びており、
前記ホーゼルアームは、前記ホーゼル本体から延びており、
前記第1のライアーム端部は、前記ホーゼル本体に取り付けられ、実質的に前記ヒール端部から前記トウ端部に向かう方向に延在しており、
前記第2のライアーム端部は、前記受け入れ幾何形状を形成し、
前記ライアームの前記受け入れ幾何形状は、前記クラブヘッド本体の前記トップレールの下方で前記ポストに係合するように適合されており、前記ライアームが前記ソールから前記トップレールに向かう方向に回転すると、前記ライアームは、前記パター型ゴルフクラブヘッドのライ角を漸増的に調整するように構成されており、
前記ライ角は、60度~84度の間で漸増的に調整可能であり、
前記ホーゼルタブは、前記ホーゼル本体に取り付けられ、前記クラブヘッド本体の前記ヒール端部において部分的に露出される、
パター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記後面は、複数のプランジャ凹部をさらに形成し、
前記複数のプランジャ凹部は、前記ヒール端部の近位に位置しており、
前記ホーゼル本体は、少なくとも2つのねじ式受け入れポートを形成する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記パター型ゴルフクラブヘッドは、前記ホーゼル本体の前記少なくとも2つの
ねじ式受け入れポート内に固定されるように構成された少なくとも2つのばねプランジャをさらに備える、請求項2に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記少なくとも2つのばねプランジャのうちの少なくとも1つのばねプランジャは、前記後面の前記複数のプランジャ凹部のうちの1つの内部に受け入れられるとともに一時的にロックされるように構成されており、前記少なくとも2つのばねプランジャのうちの残りの少なくとも1つは、前記複数のプランジャ凹部の間の空間内にあるように構成されている、請求項3に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記後面の前記複数のプランジャ凹部は、2度刻みで離間されている、請求項2~4のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ホーゼル本体の前記少なくとも2つのねじ式受け入れポートは、互いから約5度離間されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記パター型ゴルフクラブヘッドは、ライ角調整処理中にユーザを視覚的に補助するための、複数のライ角アライメントマークを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記複数のライ角アライメントマークは、2個のマーカ、3個のマーカ、4個のマーカ、5個のマーカ、6個のマーカ、7個のマーカ、8個のマーカ、9個のマーカ、10個のマーカ、11個のマーカ、12個のマーカ、13個のマーカ、14個のマーカ、15個のマーカ、16個のマーカ、17個のマーカ、18個のマーカ、19個のマーカ、及び20個のマーカにより構成される群から選択される複数のマーカを備える、請求項7に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ホーゼル本体は、ねじ付き調整開口部を形成し、
前記パター型ゴルフクラブヘッドは、
前記前方打撃面を完全に貫通して延在する打撃面開口部と、
前記打撃面開口部を通って挿入されるとともに、前記ホーゼル本体の前記ねじ付き調整開口部に係合するように構成された締結具と、を備え、
前記締結具は、前記ホーゼル本体を前記
パター型ゴルフクラブヘッドの前記後面に取り外し可能に固定する、請求項1~8のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記前方打撃面の幾何中心は、少なくともz軸を有する座標系を画定し、
前記z軸は、前記前方打撃面の前記幾何中心を通って前記後面に向かって延びており、
前記ライアームは、前記ポストの周り及び前記z軸の周りを回転するように適合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記ライ角は、68度~72度の間で漸増的に調整可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記ライ角は、72度~76度の間で漸増的に調整可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ライ角は、76度~80度の間で漸増的に調整可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記ライ角は、1度刻みで変化する、請求項1~13のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記ライ角は、0.5度刻みで変化する、請求項1~13のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記ライアームは、前記第1のライアーム端部と前記第2のライアーム端部との間で測定される長さを有し、
前記ライアームの前記長さは、0.25インチ~5インチ(0.64センチメートル~12.7センチメートル)の間の範囲である、請求項1~15のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記ライアームは、前記第1のライアーム端部と前記第2のライアーム端部との間で測定される長さを有し、
前記ライアームの前記長さは、2.5インチ(6.4センチメートル)未満である、請求項1~15のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記ライアームの前記受け入れ幾何形状は、窪み表面領域を有する窪みであり、
前記クラブヘッド本体の前記ポストは、ポスト外面を備え、
前記窪み表面領域は、回転可能な接続で前記ポスト外面に係合する、請求項1~17のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記ライアームは、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金により構成される群から選択される材料を備える、請求項18に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記ホーゼル本体は、前記第2のホーゼルアーム端部に一体的に接続されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してゴルフクラブヘッドに関し、より詳細には、調整可能なフィッティング機構を有するパター型ゴルフクラブヘッドに関する。
【関連出願の相互参照】
【0002】
本願は、平成30年12月21日に出願された米国特許出願第62/783,987号及び令和1年9月9日に出願された米国特許出願第62/897,897号の優先権の利益を主張し、これらの全ての内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブは、ゴルフクラブのタイプ、個人の身体的特徴、及び/又は個人のプレースタイルに基づいて個人にフィットさせることができる。個人の身体的特徴やプレースタイルに応じて、個人を特定のライ角、ロフト角、及び/又はヘッド質量にフィットさせることで、個人に最適なパフォーマンスを提供することができる。したがって、各個人は、個人の身体的特徴及びプレースタイルに適合させるために、特定のライ角、ロフト角、及びヘッド質量を有するゴルフクラブを必要とし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的には、個人は、理想的なパター構成(ロフト角、ヘッド質量、及び/又はライ角)についてより多くを学ぶためにクラブフィッタに頼る。クラブフィッタによって使用される従来のフィッティングパターは、典型的には、ゴルフコースで使用されるパター型ゴルフクラブヘッドと比較すると、著しい構造的変化を必要とする。これは、クラブヘッドの美観、サイトライン、そして潜在的にはゴルファーのアドレス位置に悪影響を及ぼす。このため、個人が最も適切なパター構成に「フィット」されない又は最適化されない。ブレード型パターのような、ゴルフコースで使用されるパター型ゴルフクラブヘッドに類似する(ライ角、ロフト角、及びヘッド質量を変えることができる)フィッティングパターが本技術分野で必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、一実施形態による、調節可能なライ角機構の背面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の調節可能なライ角機構のヒール図を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態による、第2のライ角状態における調節可能なライ角機構の背面図を示す。
【
図4】
図4は、
図3の調節可能なライ角機構のヒール図を示す。
【
図5】
図5は、一実施形態による調整可能なロフト角機構のヒール図を示す。
【
図6】
図6は、
図5による調節可能なロフト角機構の背面図を示す。
【
図7】
図7は、第2のロフト角状態における調節可能なロフト角機構のヒール図を示す。
【
図8】
図8は、
図7による調節可能なロフト角機構の背面図を示す。
【
図9】
図9は、一実施形態による、調節可能なヘッド質量機構の後方斜視図を示す。
【
図10】
図10は、第2のパター質量構成における調節可能なヘッド質量機構の背面図を示す。
【
図11】
図11は、一実施形態によるパター型ゴルフクラブヘッドの前方分解図を示す。
【
図14】
図14は、一実施形態によるホーゼルの分解斜視図を示す。
【
図16】
図16は、一実施形態によるパター型ゴルフクラブヘッドのトウ斜視図を示す。
【
図18】
図18は、一実施形態によるホーゼルの正面図を示す。
【
図19】
図19は、一実施形態によるパター型ゴルフクラブヘッドの後方分解図を示す。
【
図20】
図20は、一実施形態によるロフトアームの部分図を示す。
【
図27】
図27は、一実施形態によるロフトアームのヒール図を示す。
【
図28】
図28は、一実施形態によるプランジャの斜視図を示す。
【
図29】
図29は、一実施形態による第1の構成における調整可能なロフト角機構の部分図を示す。
【
図30】
図30は、一実施形態による第2の構成における調整可能なロフト角機構の部分図を示す。
【
図31】
図31は、一実施形態によるパター型ゴルフクラブヘッドの部分図を示す。
【
図32】
図32は、一実施形態による第1の構成における調節可能なライ角機構の部分背面図を示す。
【
図33】
図33は、一実施形態による第2の構成における調節可能なライ角機構の部分背面図を示す。
【
図36】
図36は、別の実施形態によるパター型ゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
調整可能なフィッティング機構を有するゴルフクラブヘッドが本明細書に提示される。本明細書に記載のゴルフクラブヘッドは、構造的にパターに似ているが、ゴルフクラブヘッドの1つ又は複数のパラメータを独立して調整するように構成してもよい。ゴルフクラブヘッド(クラブヘッド)の1つ又は複数のパラメータを変更することにより、ゴルフクラブヘッドの構成を変更することができる。クラブヘッド構成を変更することができるパラメータは、ライ角、ロフト角、ヘッド質量、又はそれらの組み合わせであってよい。
【0007】
ゴルフクラブヘッドの1つ又は複数のパラメータを調節するために、ゴルフクラブヘッドは、少なくとも調節可能なライ角機構、調節可能なロフト角機構、及び調節可能なヘッド質量機構を備える。それぞれの調節可能なフィッティング機構(調節可能なライ角機構、調節可能なロフト角機構、調節可能なヘッド質量機構)は、他の1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構から独立し、ベース部品又は基礎部品に直接的又は間接的に接続する1つ又は複数の部分を備える。
【0008】
調整可能なライ角機構は、ホーゼル本体に取り付けられ、概してヒールからトウに向かう方向に延在するライアームを備える。調整可能なロフト角機構は、概してトップレールからソールに向かう方向に延在し、ホーゼル本体に間接的に取り付けられるロフトアームを備える。調整可能なヘッド質量機構は、実質的にヒールからトウに向かう方向に延在する交換可能な後部バラストを備える。ホーゼル本体及び調整可能なヘッド質量機構は、クラブヘッド本体に取り付けられ、及び/又は、連結される。これは、パター型ゴルフクラブにフィットされたユーザが、ゴルフコースで使用されるパター型ゴルフクラブヘッドと同様のアドレス位置、サイトライン、及び美観を維持する機会を提供する。
【0009】
本明細書で使用される用語又は語句「ライ角」は、ソールが競技面に接触したときのゴルフシャフト(不図示)と競技面との間の角度であると定義してもよい。ゴルフクラブヘッドのライ角は、ゴルフクラブヘッドのソールが競技面106上に置かれている場合に、ゴルフシャフト(不図示)の中心線と競技面との交差によって形成される角度であると称してもよい。
【0010】
本明細書で使用される用語又は語句「一体」は、それらが同じ材料片から構成されている場合、2つ以上の要素として定義してもよい。本明細書で定義されるように、各要素が異なる材料片から構成される場合、2つ以上の要素は「非一体」である。
【0011】
本明細書で使用される用語又は語句「連結する」、「連結される」、及び「連結」は、機械的又はそれ以外で、2つ以上の要素を接続するものとして定義してもよい。(機械的であれ、それ以外であれ、)連結は、任意の期間、例えば、永久的又は半永久的、又は一時的であってよい。機械的連結等は、広く理解されるべきであり、全ての種類の機械的連結を含む。「連結」という用語の近くに「取り外し可能で」、「取り外し可能な」等の用語がないことは、その連結が取り外し可能であるかないかを問題とすることを意味するものではない。
【0012】
本明細書で使用される用語又は語句「ヘッド重量」又は「ヘッド質量」は、パターの総質量又は総重量として定義してもよい。
【0013】
本明細書で使用される用語又は語句「取り付ける」、「取り付けられる」、及び「取り付け」は、何かに接続する、又は接合されるものとして定義してもよい。取り付けは、永久的であっても半永久的であってもよい。機械的取り付け等は、広く理解されるべきであり、全ての種類の機械的取り付け手段を含む。一体的取り付け手段は、広く理解されるべきであり、2つ以上の物体を一緒に永久的に接続する全ての種類の一体的取り付け手段を含む。
【0014】
本明細書で使用される用語又は語句「ロフト角」は、前方打撃面とゴルフシャフトとの間の角度として定義してもよい。他の実施形態では、ロフト角は、ロフト角は、本明細書では、以下のように定義してもよい:前方打撃面が打撃フェース中心点及びロフト平面を備える。打撃フェースの中心点は、(1)打撃フェースの下縁部及び上縁部から等距離であり、(2)パター型ゴルフクラブヘッドのヒール端部及びトウ端部から等距離である。ロフト平面は、パター型ゴルフクラブヘッドの打撃フェースに正接する。ゴルフシャフトは、ゴルフシャフトの全長にわたって延在する中心線軸を備える。ロフト角は、ゴルフシャフトの中心線軸とパターのロフト平面の間である。また、パター型ゴルフクラブヘッドのロフト角は、本明細書では、ゴルフシャフトの中心線が概して垂直である(すなわち、一般的に競技面と90度の角度を形成する)場合に、前方打撃面とゴルフシャフト(不図示)との間の角度として定義してもよい。
【0015】
明細書及び特許請求の範囲において、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等がある場合、これらは類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順番又は時系列順序を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書に記載される実施形態は、本明細書において図示される又は別の方法で説明されるもの以外の順序で動作することができることを理解されたい。さらに、用語「含む」、「有する」、及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含物をカバーすることを意図しており、要素を列記するプロセス、方法、システム、物品、機器、又は装置が、必ずしもそれらの要素に限定されず、明示的に列記されていない要素、又は、前述のようなプロセス、方法、システム、物品、機器、又は装置に固有の他の要素を含んでもよい。
【0016】
明細書及び特許請求の範囲において、用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上方」、「下方」等がある場合、これらは説明の目的で使用され、必ずしも恒久的な相対位置を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載される装置、方法、及び/又は製造物品の実施形態が、例えば、本明細書において図示される又は別の方法で説明されるもの以外の他の向きで動作することができることを理解されたい。
【0017】
本明細書に記載のクラブヘッド本体は、座標系によってさらに定義してもよい。クラブヘッドがアドレス位置にあるとき、前方打撃面の幾何学的中心は、x軸、y軸、及びz軸を有する座標系の原点を画定する。x軸は、前方打撃面の幾何学的中心を通って、ヒール端部の近くからトウ端部に向かって延びるとともに、競技面と平行に延びている。y軸は、トップレールの近くからソールまで、前方打撃面の幾何学的中心を通って延びており、ここでy軸は、x軸及び競技面に対して垂直である。z軸は、前方打撃面の幾何学的中心を通って後面に向かって延びている。z軸はx軸及びとy軸に垂直である。
【0018】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載される、又は、以下の図面に例示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。
【0019】
I.調整可能なフィッティング機構
1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構を有するゴルフクラブヘッドが、本明細書に記載される。調整対象の(ただし、網羅的ではない)パラメータは、ヘッド質量(又はヘッド重量)、ライ角、ロフト角、及びそれらの組合せからなる群から選択されてよい。ゴルフクラブヘッドのライ調整、ロフト調整、及び/又はヘッド質量調整のための機構は、それぞれ調整可能なライ角機構、調整可能なロフト角機構、及び調整可能なヘッド質量機構を介して行われてよい。調整可能なフィッティング機構を有するゴルフクラブヘッドは、パター型ゴルフクラブヘッドであってもよい。
【0020】
本明細書に記載されるパター型ゴルフクラブヘッド100、200は、1つ又は複数のクラブヘッドパラメータを独立して調整する機能を提供する。具体的には、パター型ゴルフクラブヘッドは、ライ角、ロフト角、及び/又はヘッド質量を調整するように構成されてよい。これは、少なくとも部分的には、調節可能なライ角機構101、調節可能なロフト角機構102、及び調節可能なヘッド質量機構103を有するパター型クラブヘッド100、200を作製することによって達成される。
【0021】
パター型ゴルフクラブヘッドのライ角を調節することを補助する調節可能なライ角機構101の構成要素は、(1)クラブヘッド本体112の後面118に接続されたポスト120と、(2)ホーゼル本体122を備えるホーゼルと、(3)クラブヘッド本体112のポスト120及びホーゼル本体122の両方と係合するように構成されたライアーム121と、を備える。パター型ゴルフクラブヘッド100のライアーム121は、ポスト120の外周面の周りをトップレールからソールに向かう方向に(又はz軸周りに)回転するように適合されている。このタイプの回転は、ゴルフクラブヘッド100、200のライ角を変える。
【0022】
パター型ゴルフクラブヘッドのロフト角を調整することを補助する調整可能なロフト角機構102の構成要素は、(1)ホーゼル本体122と、(2)概してソール対トップレール方向にホーゼル本体122から延びるホーゼルアーム127と、(3)ホーゼルアームに回転可能に接続されたロフトアーム128と、を備える。ホーゼルアーム127及びロフトアーム128は、ゴルフクラブヘッドのロフト角を漸増的に変更するために、互いに回動可能及び/又は回転可能に接続されるように配置される。
【0023】
多くの実施形態において、本明細書に記載されるパター型ゴルフクラブヘッド100、200は、従来のブレード型パターの設計を模倣する一方、調節可能なライ角機構101、調節可能なロフト角機構102、及び調節可能なヘッド質量機構103を通して1つ又は複数のクラブヘッドパラメータを独立して調節する機能を導入する。これにより、ゴルファーがゴルフのラウンドをプレーしているかのように、ゴルフボールにアドレスするのに「フィット」され、したがって同様のサイトライン及びクラブヘッド美観を有することが有益に可能となり、ゴルファーが正しいライ角、ロフト角、及び/又はヘッド質量にフィットすることをより高度に保証する。
【0024】
本明細書に記載されるパター型クラブヘッド100、200の別の有益な態様は、ライ角及び/又はロフト角を様々な増分で変更する機能である。例えば、調節可能なライ角機構101及び/又は調節可能なロフト角機構102は、0.5度又は1度刻みで調節可能であってよい。ライ角又はロフト角を0.5度又は1度刻みで調整することにより、ユーザが整数型ロフト角及びライ角構成に「フィット」するだけでなく、非整数型ロフト角及びライ角構成にも「フィット」することが保証される。
【0025】
本明細書に記載されるパター型ゴルフクラブヘッド100、200の別の有益な態様は、パター型ゴルフクラブヘッドのヘッド質量を調整する機能である。パター型ゴルフクラブヘッドのヘッド質量を調整することにより、異なるパターストロークテンポに適応して、ゴルファー及び/又は個人にフィットする機能が提供される。より遅いストロークテンポを有するゴルファー又は個人は、より重いパターにフィットすることができ、逆に、より速いストロークテンポを有する個人は、より軽いパターにフィットすることができる。
【0026】
本発明によるゴルフクラブヘッドの少なくともいくつかの例示的実施形態を以下に記載する。そのような装置は、上記の構成要素、特徴、及び利点のすべて又はいくつかを含むことができる。
【0027】
II.調整可能なフィッティング機構を有するパター型ゴルフクラブヘッド
多くの実施形態において、ゴルフクラブヘッドは、パター型ゴルフクラブヘッド(パター型ゴルフクラブヘッド100及び200)である。
図1~38は、1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構を有するパター型ゴルフクラブヘッドの例示的な実施形態を示す。具体的には、多くの実施形態において、パター型ゴルフクラブヘッドは、ヘッド質量(又はヘッド重量)、ライ角、及び/又はロフト角のうちの1つ又は複数を調整することができる。パター型ゴルフクラブヘッドは、マレット型パターヘッド、ミッドマレット型パターヘッド、ブレード型パターヘッド、高MOIパターヘッド、又は任意の他のパター型ゴルフクラブヘッドであってよい。
【0028】
1.ロフト角
多くの実施形態において、パター型ゴルフクラブヘッド(以下、「ゴルフクラブヘッド」又は「クラブヘッド」)は、10度未満のロフト角を有することができる。多くの実施形態では、クラブヘッドのロフト角は、0~5度、0~6度、0~7度、又は0~8度であってよい。例えば、クラブヘッドのロフト角は、10度未満、9度未満、8度未満、7度未満、6度未満、又は5度未満であってよい。さらに例えば、クラブヘッドのロフト角は、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、又は10度であってよい。
【0029】
2.重量
多くの実施形態において、パター型ゴルフクラブヘッドは、320~385グラムの範囲の重量を有することができる。他の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、320グラム~325グラム、325グラム~330グラム、330グラム~335グラム、335グラム~340グラム、340グラム~345グラム、345グラム~350グラム、350グラム~355グラム、355グラム~360グラム、360グラム~365グラム、365グラム~370グラム、370グラム~375グラム、375グラム~380グラム、又は380グラム~385グラムの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドの重量は、320グラム、321グラム、322グラム、323グラム、324グラム、325グラム、326グラム、327グラム、328グラム、329グラム、330グラム、331グラム、332グラム、333グラム、334グラム、335グラム、336グラム、337グラム、338グラム、339グラム、340グラム、341グラム、342グラム、343グラム、344グラム、345グラム、346グラム、347グラム、348グラム、349グラム、350グラム、351グラム、352グラム、353グラム、354グラム、355グラム、356グラム、357グラム、358グラム、359グラム、360グラム、361グラム、362グラム、363グラム、364グラム、365グラム、366グラム、367グラム、368グラム、369グラム、370グラム、371グラム、372グラム、373グラム、374グラム、375グラム、376グラム、377グラム、378グラム、379グラム、380グラム、381グラム、382グラム、383グラム、384グラム、又は385グラムであってよい。
【0030】
3.材料
パター型ゴルフクラブヘッドの材料は、従来のゴルフクラブヘッドを構成するために使用される任意の材料から構成してもよい。例えば、パター型ゴルフクラブヘッドの材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、又はゴルフクラブヘッドを作製するための任意の金属のうちの任意の1つ又は組み合わせから構成されてよい。多くの実施形態において、パター型ゴルフクラブヘッドは、ステンレス鋼から構成される。
【0031】
4.パター型ゴルフクラブヘッドの構成
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、クラブヘッド本体112を備える。クラブヘッド本体112は、トウ端部113、ヒール端部114、トップレール115、ソール116、前方打撃面117、後面118、及び背面119を備える。前方打撃面117は、ゴルフボール(不図示)を打撃するための打撃面を提供する。後面118は前方打撃面117から後方に離間している。背面119は、前方打撃面117及び後面118から反対側又は遠位側にある。ソール116は、背面119と前方打撃面117との間にあるものとして画定される。トップレール115は、ソール116の反対側に形成されてよい。前方打撃面117は、ヒール端部114と、ヒール端部114の反対側にあるトウ端部113とによって画定される。
【0032】
さらなる実施形態では、クラブヘッド本体112は、ポスト120を備える。ポスト120は、クラブヘッド本体の後面118からクラブヘッド本体112の背面119に向かって延びている。多くの実施形態では、ポスト120は、クラブヘッド本体112に一体的に形成される(又は、クラブヘッド本体112に取り付けられるか又は連結される)。好ましくは、ポスト120の幾何学的形状は、調節可能なライ角機構101の構成要素がポスト120の外周面上を摺動して、その上に置かれることを可能にするために、管状又は円筒状に伸長した形態である。調節可能なライ角機構101の構成要素、例えば、ライアーム121がポスト120の外周面上を摺動して、その上に置かれる場合、これは、調節可能なライ角機構101が回転する回動面を効果的に画定する。これにより、パター型ゴルフクラブヘッドのライ角が変更される。
【0033】
III.導入-調整可能なフィッティング機構
図1~10は、1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構(すなわち、調節可能なライ角機構101、調節可能なロフト角機構102、調節可能なヘッド質量機構103等)を備えるゴルフクラブヘッドの様々な実施形態を示す。調整可能なライのための機構101、調整可能なロフトのための機構102、及び、調整可能なヘッド質量のための機構103は、独立して調整又は変更されてもよい。各調節可能なフィッティング機構は、パター型ゴルフクラブヘッド100の第1の構成と、1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構101、102、103による調節時の第2のクラブヘッド構成と、を示す2つの図を含む。
【0034】
1.導入-調整可能なライ角機構
例えば、
図1~4は、第1の構成から第2の構成に変化する調整可能なライ角機構101を備えるゴルフクラブヘッドの例示的な実施形態を提供する。第1のライ角状態104の背面図及び側面図を
図1及び
図2に示す。
図3及び
図4は、調整可能なライ角機構101によって、第1のライ角状態104から第2のライ角状態105に変化するライ角の図示を提供する。この第2のライ角状態105は、パター型ゴルフクラブヘッドの構成を第2クラブヘッド構成に変更する。
図3及び
図4を参照すると分かるように、ゴルフクラブヘッドのライ角は、調整可能なライ角機構101の位置をトップレールからソールに向かう方向に(又はz軸周りに回転して)変更することによって調整されてもよい。
【0035】
2.導入-調整可能なロフト角機構
1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構を含むゴルフクラブヘッドの別の例が、
図5~
図8に示されている。
図5~
図8は、第1の構成から第2の構成に変化する調整可能なロフト角機構102の例示的な実施形態を提供する。第1のロフト角状態107の背面図及び側面図を
図5及び
図6に示す。第2のロフト角状態108の背面図及び側面図を
図7及び
図8に示す。
図7及び
図8は、調節可能なロフト角機構102によって、第1のロフト角状態107から第2のロフト角状態108へ変化するロフト角を図示する。第2のロフト角状態108は、パター型ゴルフクラブヘッドの構成を第2クラブヘッド構成に変更する。
図5~
図8を参照すると、パター型ゴルフクラブヘッドのロフト角は、調整可能なロフト角機構102の位置を前後方向に(又はx軸周りに回転して)変更することによって調整されてもよい。
【0036】
3.導入-調整可能なヘッド質量機構
1つ又は複数の調節可能なフィッティング機構を含むゴルフクラブヘッドの別の例が、
図9及び
図10に示されている。
図9及び
図10は、第1の構成から第2の構成に変化する調整可能なヘッド質量機構103の例示的な実施形態を提供する。
図9は、第1のパター質量構成109における調整可能なヘッド質量機構103の例示的な実施形態である。
図10は、調節可能なヘッド質量機構103によって、第1のパター質量構成109から第2のパター質量構成110に変化するヘッド質量を図示する。第2のパター質量構成110は、パター型ゴルフクラブヘッドの構成を第2のクラブヘッド構成に変更する。
図10に見られるように、パター型ゴルフクラブヘッド100のヘッド質量は、異なる重量又は質量を有するように構成された複数の交換可能な後部バラスト111を介して、パター型ゴルフクラブの重量を交換することによって調整されてもよい。
【0037】
4.調整可能なライ角機構の構成要素-ライアーム
記載されたように、調整機構の1つは、ライ角調整機構であってよい。調整可能なライ角機構101の1つの要素又は構成要素は、概してヒールからトウに向かう方向に延在するライアーム121である(
図13参照)。ライアーム121は、ライアーム121がポスト120の外周面の周りを回転するときに、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角を漸増的に調整するように構成されている。パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角は、60度~84度の間で調整することができる。多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角は、60度~64度、64度~68度、68度~72度、72度~76度、76度~80度、又は80度~84度の間で調整することができる。他の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角は、60度、61度、62度、63度、64度、65度、66度、67度、68度、69度、70度、71度、72度、73度、74度、75度、76度、77度、78度、79度、80度、81度、82度、83度、又は84度に調節することができる。好ましい実施形態では、パター型クラブヘッド100のライ角は、0.5度又は1度単位で66度から74度の間(すなわち、66度、66.5度、67度、67.5度、68度、68.5度、69度、69.5度、70度、70.5度、71度、71.5度、72度、72.5度、73度、73.5度、又は74度)に調整されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、ライアーム121は、ホーゼル本体122に連結されるか、又は一体的に結合される。ライアーム121のホーゼル本体122への連結及び一体的な結合のいずれもが、後述する有益な利点をもたらす。
【0039】
ホーゼル本体122及びライアーム121は、別個の構成要素(すなわち、別個のCNCフライス加工経路)として製造されてもよいので、ライアーム121をホーゼル本体122に連結又は取り付けることにより、製造材料の浪費が低減する。ライアーム121をホーゼル本体122に一体的に形成することにより、必要な構成要素がより少なくなる(すなわち、互いを接続する構成要素がより少なくなる)ので、より容易な組み立てが可能になる。
【0040】
ライアーム121は、第1の端部123(「第1のライアーム端部」123)、中央部分124(「ライアーム中央部分」)、及び、第2の端部125(「第2のライアーム端部」)を備える。第1のライアーム端部123は、(第2のライアーム端部125に対して)クラブヘッド本体112のヒール端部114のより近くにあり、(例えば、連結手段又は一体的な結合手段を介して)ホーゼル本体122に接続する。さらに、ライアーム121の第1の端部123とホーゼル本体122とを共に連結する(実施形態I)又は一体的に結合する(実施形態II)ことについては、以下でより詳細に説明する。ライアーム121の第2の端部125は、(第1のライアーム端部123に対して)クラブヘッド本体112のトウ端部113のより近くにあり、ポスト120の幾何学的形状と相補的な受け入れ幾何形状126を形成する。ライアーム121の受け入れ幾何形状126及びポスト120の配置によって、ライアーム121がポスト120の周りを回転及び/又は回動することが可能となる(すなわち、パター型ゴルフクラブヘッドのライ角を変更する)。ライアーム中央部分124は、第1のライアーム端部123と第2のライアーム端部125との間にある。
【0041】
いくつかの実施形態では、ライアーム121は、長さ、幅、及び高さを備える。ライアーム121の長さは、クラブヘッド本体112のヒール端部114からトウ端部113まで延在する方向に測定される。ライアーム121の幅は、クラブヘッド本体112の前方打撃面117から背面119まで延在する方向に測定される。ライアームの高さは、トップレール115からソール116に向かう方向に延在する方向に測定される。ライアーム121の長さ、幅、及び高さの寸法範囲については、以下に説明する。
【0042】
ライアーム121の長さは、クラブヘッド本体112の全長よりも短い。ライアーム121の長さは、0.25インチと5インチの間の範囲であってよい。多くの実施形態において、ライアーム121の長さは、0.25インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.75インチ、0.75インチ~1.0インチ、1.0インチ~1.25インチ、1.25インチ~1.5インチ、1.5インチ~2.0インチ、2.0インチ~2.5インチ、2.5インチ~3.0インチ、3.0インチ~3.5インチ、3.5インチ~4.0インチ、4.0インチ~4.5インチ、又は4.5インチ~5.0インチの範囲であってよい。代替的な実施形態では、ライアーム121の長さは、約5インチ未満、4.5インチ未満、4インチ未満、3.5インチ未満、3インチ未満、2.5インチ未満、2.0インチ未満、1.5インチ未満、1インチ未満、又は0.5インチ未満であってよい。特定の実施形態では、ライアーム121の長さは、約0.25インチ、0.50インチ、0.75インチ、1.0インチ、1.25インチ、1.50インチ、1.75インチ、2.0インチ、2.25インチ、2.50インチ、2.75インチ、3.0インチ、3.25インチ、3.5インチ、3.75インチ、4.0インチ、4.25インチ、4.5インチ、4.75インチ、又は約5.0インチであってよい。ライアーム121の長さは、所望の調整分解能(adjustment resolution)に基づいて変えることができる。例えば、ライアーム121の長さが長いほど、ライアーム121がポスト120の周りを回転する速度をユーザがより容易に制御する(すなわち、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角が変化する速度を制御する)ことができるので、より優れた調整分解能を可能にする。
【0043】
上述したように、ライアーム121の第2の端部125は、受け入れ幾何形状126を形成及び/又は画定する。ライアーム121の受け入れ幾何形状126は、ポスト120の幾何学的形状と相補的であってよい。多くの実施形態では、受け入れ幾何形状126の一部は、窪みによって画定されてよい。窪みの深さは、(クラブヘッド本体の前方打撃面と後端との間を延在する方向に測定される)ポスト120の深さと同様である。これにより、ライアームの受け入れ幾何形状126の十分な表面領域が、ポスト120の外面に係合又は接触することを確実にし、適切な回転可能な接続手段を生成する。ライアームの受け入れ幾何形状126、ライアーム121、及びポストの幾何形状の配置が、支点を形成する。
【0044】
ライアーム121の材料は、従来のクラブヘッド本体112を構成するために使用される任意の材料から構成されてよい。例えば、ライアーム121の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、又はゴルフクラブヘッド100を作製するための任意の金属のうちの任意の1つ又は組み合わせから構成されてよい。多くの実施形態において、ライアーム121は、ステンレス鋼合金又は303ステンレス鋼からなる。
【0045】
5.調整可能なロフト角機構-ホーゼルアーム
上述したように、調節可能なロフト角機構102は、ホーゼルアーム127を備える。ホーゼルアーム127は、ホーゼル本体122から概してトップレールからソールに向かう方向に延在する。ホーゼルアーム127は、長さ、幅、及び高さを備える。ホーゼルアーム127は、ホーゼル本体122から一体的に延在してもよく、又は、ホーゼル本体122に機械的に連結されてもよい。同様に、上述したように、ホーゼルアーム127の長さは、アドレス位置において、クラブヘッド本体112のヒール端部114からトウ端部113まで延在する方向に測定される。ホーゼルアーム127の幅は、アドレス位置において、クラブヘッド本体112の前方打撃面117から背面119まで延在する方向に測定される。ホーゼルアーム127の高さは、アドレス位置において、クラブヘッド本体112のトップレール115からソール116まで延在する方向に測定される。
【0046】
ホーゼルアーム127の長さ、幅、及び高さは、所望の機械的特性を達成するために変化させてもよい。ホーゼルアーム127の長さは、ユーザによって誘導されホーゼルアーム127に加えられる潜在的な曲げモーメント及び応力に抵抗するために変化させてもよい。例えば、永久変形を防止するために、ホーゼルアーム127の長さを長くしてもよい。ホーゼルアーム127の長さは、0.09インチ~0.5インチの範囲であってよい。多くの実施形態において、ホーゼルアーム127の長さは、0.09インチ~0.12インチ、0.12インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.18インチ、0.18インチ~0.21インチ、0.21インチ~0.24インチ、0.24インチ~0.27インチ、0.27インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.33インチ、0.33インチ~0.36インチ、0.36インチ~0.39インチ、0.39インチ~0.42インチ、0.42インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.48インチ、又は0.48インチ~0.5インチの範囲である。特定の実施形態では、ホーゼルアーム127の長さは、約0.193インチであってよい。
【0047】
ホーゼルアーム127の幅は、反りのような過度の摩耗の可能性を低減するために変化させてよい。ホーゼルアーム127の幅は、0.20インチと1.0インチとの間で変化させてよい。多くの実施形態では、ホーゼルアーム127の幅は、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.55インチ~0.60インチ、0.60インチ~0.65インチ、0.65インチ~0.70インチ、0.70インチ~0.75インチ、0.75インチ~0.80インチ、0.80インチ~0.85インチ、0.85インチ~0.90インチ、0.90インチ~0.95インチ、又は0.95インチ~1.00インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、ホーゼルアーム127の幅は、約0.250インチ、0.350インチ、0.450インチ、0.550インチ、0.650インチ、0.750インチ、0.850インチ、又は0.950インチであってよい。
【0048】
ホーゼルアーム127の高さは、ロフトアーム128の高さよりも低いことが好ましい。ロフトアーム128は、ホーゼルアーム127に回動可能に接続されている。この回動可能な接続手段は、パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角を変える。多くの実施形態において、ロフトアーム128及びホーゼルアーム127の構造的配置は、ブレード型のホーゼル設計(以下、「ホーゼル」という)を模倣するように構成される。ロフトアーム128及びホーゼルアーム127のこの配置は、コンパクトなホーゼル設計を作るために、ホーゼルの嵩高さを有益に低減する。ホーゼルアーム127の高さは、ロフトアーム128の高さに応じて変化させてもよい。
【0049】
ホーゼルアーム127の高さは、0.5インチと4インチの間の範囲であってよい。他の実施形態では、ホーゼルアーム127の高さは、0.5インチ~0.75インチ、0.75インチ~1.0インチ、1.0インチ~1.25インチ、1.25インチ~1.50インチ、1.50インチ~1.75インチ、1.75インチ~2.0インチ、2.0インチ~2.25インチ、2.25インチ~2.50インチ、2.50インチ~2.75インチ、2.75インチ~3.0インチ、3.0インチ~3.25インチ、3.25インチ~3.50インチ、3.50インチ~3.75インチ、又は3.75インチ~4.0インチの範囲であってよい。代替的な実施形態では、ホーゼルアーム127の高さは、0.5インチ、1.0インチ、1.5インチ、2.0インチ、2.5インチ、3.0インチ、3.5インチ、又は4インチであってよい。
【0050】
ホーゼルアーム127の材料は、従来のクラブヘッド本体112を構成するために使用される任意の材料から構成されてよい。例えば、ホーゼルアーム127の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、又はゴルフクラブヘッドを作製するための任意の金属のうちの任意の1つ又は組み合わせから構成されてよい。多くの実施形態では、ホーゼルアーム127は、ステンレス鋼合金又は303ステンレス鋼からなる。
【0051】
6.調整可能なロフト角機構-ロフトアーム
上述したように、調節可能なロフト角機構102は、ロフトアーム128をさらに備える。ロフトアーム128は、パター型ゴルフクラブヘッド100、200のロフト角を変えるためにホーゼルアーム127に回動可能に接続されている。多くの実施形態では、ロフトアーム128は、ゴルフシャフト(図示せず)に連結するように構成される。ロフトアーム128は、第1の端部129(「第1のロフトアーム端部」)及び第2の端部130(「第2のロフトアーム端部」)を備える。第1のロフトアーム端部129は、第2のロフトアーム端部130から離間している。第2のロフトアーム端部130は、第1のロフトアーム端部129よりもホーゼル本体122の近くに配置されている。具体的には、図示の実施形態の多くでは、ホーゼルアーム127及びロフトアーム128は、それぞれ第2のホーゼルアーム端部131及び第2のロフトアーム端部130において、互いに回動可能に係合される。ロフトアーム128は、ホーゼルアーム127を中心としてx軸回りに回転することができる。
【0052】
ロフトアーム128とホーゼルアーム127との間のこのタイプの回動可能に係合された接続手段は、ゴルフクラブヘッド100のロフト角の漸増的変化を可能にする。ゴルフクラブヘッドのロフト角は、ロフトアーム128がホーゼルアーム127を中心として前方打撃面から背面に向かう方向に(又はx軸を中心として)回動するときに調整される。一般に、より好ましくは、ロフトアーム128は、ホーゼル本体122の一部の上方に配置される。これにより、ロフトアーム128は、第2のホーゼルアーム端部131を中心に自由に回転又は回動することができ、これにより、パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角の漸増的な調節が可能となる。
【0053】
パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角は、0度と10度の間で調整されてよい。多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角は、0度~1度、1度~2度、2度~3度、3度~4度、4度~5度、5度~6度、6度~7度、7度~8度、8度~9度、又は9度~10度の間で調整されてよい。他の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角は、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、又は10度に調節されてよい。好ましい実施形態では、パター型クラブヘッド100のロフト角は、0.25度又は1度刻みで、0度~5度の間(すなわち、0度、0.25度、0.50度、0.75度、1度、1.25度、1.5度、1.75度、2.0度、2.25度、2.5度、2.75度、3度、3.25度、3.5度、3.75度、4度、4.25度、4.5度、4.75度、5度)で調整されてよい。
【0054】
7.調整可能なライ角機構、調整可能なロフト角機構-ホーゼル本体
調整可能なライ角機構101及び調整可能なロフト角機構102は、ホーゼル本体を備えてよい。ホーゼル本体122は、ホーゼルアーム127、ロフトアーム128、及びライアーム121を互いに間接的に接続する調整可能なライ角機構101及び調整可能なロフト角機構102の双方の構成要素であってよい。多くの実施形態では、ホーゼル本体122は、ホーゼル172の単一の領域又は部分に、ホーゼルアーム127、ロフトアーム128、及びライアーム121を調整、整列、及び/又は接続するのを助ける基礎部品又は基礎構造を提供する。換言すると、ホーゼル本体122は、1つ又は複数のクラブヘッドパラメータ(すなわち、ロフト角及びライ角)の独立した調整を依然として可能にしつつ、調整可能なライ角機構101を調整可能なロフト角機構102に効率的に接続する。
【0055】
多くの実施形態では、ホーゼル本体122は、実質的に矩形状の形態をとってよい。他の実施形態では、ホーゼル本体122は、実質的に正方形、長方形、多角形、半円形、曲線形、又はそれらの組合せであってよい。一般に、より好ましくは、ホーゼル本体122は実質的に長方形である。実質的に長方形であるホーゼル本体122を有することにより、ホーゼル本体122がクラブヘッド本体112に対して密着するための平坦なマット面が形成される。
【0056】
ホーゼル本体122の材料は、従来のクラブヘッド本体112を構成するために使用される任意の材料から構成してもよい。例えば、ホーゼル本体122の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、又はゴルフクラブヘッドを作製するための任意の金属のうちの任意の1つ又は組み合わせから構成されてよい。多くの実施形態では、ホーゼル本体122は、ステンレス鋼合金又は303ステンレス鋼からなる。
【0057】
I.第1実施形態-ホーゼル本体に関連するライ角機構及びロフト角機構を有するパター型クラブヘッド
パター型ゴルフクラブヘッド-クラブヘッド本体
図1~
図35は、本発明による実施形態を示す。より具体的には、
図1~
図35は、一貫した正確なパッティングストロークのための、ゴルファーの好ましいライ、ロフト、及び好ましいパター重量を特定するために、ゴルファー(図示せず)によって使用されるパター型ゴルフクラブヘッド100の一例を示す。パター型ゴルフクラブヘッド100は、クラブヘッド本体112を備える。クラブヘッド本体112は、前方打撃面117と、前方打撃面117から離間された後面118と、前方打撃面117に対向する背面119と、前方打撃面117と背面119との間に延在するソール116と、ソール116に対向するトップレール115と、を備え、前方打撃面117は、ヒール端部114とトウ端部113との間に配置される。
【0058】
パター型ゴルフクラブヘッドの後面118、ソール116、及びトップレール115は、第1の浅い凹部133及び第2のより深い凹部134を有する二重凹部配置132を画定することができる。第1の浅い凹部133は、第2のより深い凹部134を形成することができる。第1の浅い凹部133は、後面118から前面打撃面に向かって内方に約0.02インチ窪んでいる。他の実施形態では、第1の浅い凹部133は、後面118から内方に窪んでもよく、0.01インチから約0.75インチの間の深さで変化する。具体的には、多くの実施形態では、第1の浅い凹部133は、0.01インチ~0.05インチ、0.05インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.55インチ~0.60インチ、0.60インチ~0.65インチ、0.65インチ~0.70インチ、又は0.70インチ~0.75インチの範囲であってよい。
【0059】
上述したように、第1の浅い凹部133は、第2のより深い凹部134を形成する。第2のより深い凹部134は、第1の浅い凹部133よりも大きい深さを有する。引き続き
図12を参照すると、第2のより深い凹部134の深さは、後面118から約0.28インチである。他の実施形態では、第2のより深い凹部134は、後面118から前方打撃面117に向かって内方に窪んでよく、0.02インチと1.0インチの間の深さで変化する。別の実施形態では、第2のより深い凹部134の深さは、0.02インチ~0.12インチ、0.12インチ~0.22インチ、0.22インチ~0.32インチ、0.32インチ~0.42インチ、0.42インチ~0.52インチ、0.52インチ~0.62インチ、0.62インチ~0.72インチ、0.72インチ~0.82インチ、0.82インチ~0.92インチ、又は0.92インチ~約1.0インチの範囲であってよい。以下により詳細に説明するように、第2のより深い凹部134は、クラブヘッド構成要素及び/又は調節可能なフィッティング機構101、102、103をクラブヘッド本体112に固定するためのパズル係止幾何形状を提供する。
【0060】
クラブヘッド本体のポスト
図12及び
図19を参照すると、この実施形態は、第2のより深い凹部134の、前方打撃面117に近接する壁135(「底壁」135とも称されてよい)から延在するポスト120をさらに備えるパター型クラブヘッドを示す。ポスト120は、第2のより深い凹部134の底壁135に一体的に接続されてよく、概して前方打撃面117から背面119に向かう方向に延在する。この実施形態に示すように、ポスト120の幾何学的形状は、実質的に円筒形であってよい。しかしながら、他の代替的な実施形態では、それは、ポスト120の外周面に沿う(又はz軸周りの)ライアーム121の回転を可能にする任意の曲線形状であってもよい。ポスト120は、ライアーム121の受け入れ幾何形状126を受け入れるように構成されている。ポスト120の外面上に載置された受け入れ幾何形状126が係合すると、ライアーム121が回転できる。これにより、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角に影響を与える。
【0061】
ポスト120は、軸表面136(「後方ポスト表面」)、ポスト直径、及びポスト深さを有することによってさらに画定されてもよい。軸表面136の部分は、ねじが切られても切られていなくてもよい開口部137(以下、「ポスト開口部」137)を形成する。多くの実施形態において及び
図12に図示されるように、ポスト開口部137は、ねじが切られ、軸表面136上の中央に位置してもよく、背面119から前方打撃面117に向かう方向に延在する深さを有する。
【0062】
ポスト開口部137は、締結具138を受け入れるように構成されてよい。ポスト開口部137の直径及び深さは、締結具138の寸法特性に従って変化してよい。この特定の実施形態では、ポスト開口部137の直径は約0.107インチであり、ポスト開口部137の深さは約0.170インチである。締結具138は、ライアーム121の受け入れ幾何形状126を通して挿入され、ポスト開口部137と螺合するように構成される。これにより、ライアーム121がクラブヘッド本体112に固定される。
【0063】
ポスト120の直径は、より小さい直径(すなわち、よりコンパクトな設計)又はより大きい直径(すなわち、調節分解能の制御)を有するように変化してよい。ポスト120の直径は、0.05インチと1インチの間で変化してよい。多くの実施形態では、ポスト120の直径は、0.05インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.55インチ~0.60インチ、0.60インチ~0.65インチ、0.65インチ~0.70インチ、0.70インチ~0.75インチ、0.75インチ~0.80インチ、0.80インチ~0.85インチ、0.85インチ~0.90インチ、0.90インチ~0.95インチ、0.95インチ~1 .0インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、ポスト120の直径は、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、0.160インチ、0.170インチ、0.180インチ、0.190インチ、0.200インチ、0.210インチ、0.220インチ、0.230インチ、0.240インチ、0.250インチ、0.260インチ、0.270インチ、0.280インチ、0.290インチ、0.300インチ、0.310インチ、0.320インチ、0.330インチ、0.340インチ、0.350インチ、0.360インチ、0.370インチ、0.380インチ、0.390インチ、又は約0.400インチであってよい。
【0064】
加えて、上述したように、ポスト120の外周面の深さは、ライアーム121の受け入れ幾何形状126の深さに応じて変化してよい。ポスト120の深さと、ライアーム121の受け入れ幾何形状126とが類似するよう要求することによって、ライアーム121がポスト120の外側側壁の外周表面領域と十分に係合し、十分な回転を可能にすることを確実にする。ポスト120の深さは、0.05インチと1.5インチの間で変化してよい。多くの実施形態では、ポスト120の深さは、0.05インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.55インチ~0.60インチ、0.60インチ~0.65インチ、0.65インチ~0.70インチ、0.70インチ~0.75インチ、0.75インチ~0.80インチ、0.80インチ~0.85インチ、0.85インチ~0.90インチ、0.90インチ~0.95インチ、又は0.95インチ~1.0インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、ポストの深さは、約0.80インチ、0.90インチ、1.0インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、1.40インチ、1.50インチ、1.60インチ、1.70インチ、1.80インチ、1.90インチ、2.00インチ、2.10インチ、又は2.50インチであってよい。
【0065】
ポスト120の位置又は配置は、クラブヘッド本体112の後面118上の任意の場所に配置されてよい。具体的には、いくつかの実施形態では、ポスト120は、クラブヘッド本体112のヒール端部114とトウ端部113との間の中央に配置されてよい。他の実施形態では、ポスト120は、トウ端部113とヒール端部114との間で、クラブヘッド本体112の後面118上の任意の場所に配置されてよい。例えば、ポスト120は、トウ端部113の近位に配置されてもよく、又は、ポスト120は、ヒール端部114の近位に配置されてもよい。他の実施形態では、ポスト120は、ヒール端部114と前方打撃面117の幾何学的中心との間、又は、トウ端部113と前方打撃面117の幾何学的中心との間で、クラブヘッド本体112の後面118上に配置されてよい。代替的な実施形態では、ポスト120は、前方打撃面117の幾何学的中心の直ぐ後方に配置されてよい。
【0066】
上述したように、ポスト開口部137の直径は、締結具138の幾何学的形状に応じて変化してよい。ポスト開口部137の直径は、0.05インチと1.5インチの間で変化してよい。多くの実施形態では、ポスト開口部137の直径は、0.05インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.55インチ~0.60インチ、0.60インチ~0.65インチ、0.65インチ~0.70インチ、0.70インチ~0.75インチ、0.75インチ~0.80インチ、0.80インチ~0.85インチ、0.85インチ~0.90インチ、0.90インチ~0.95インチ、又は0.95インチ~1.0インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、ポスト開口部137の直径は、0.080インチ、0.081インチ、0.082インチ、0.083インチ、0.084インチ、0.085インチ、0.086インチ、0.087インチ、0.088インチ、0.089インチ、0.090インチ、0.091インチ、0.092インチ、0.093インチ、0.094インチ、0.095インチ、0.096インチ、0.097インチ、0.098インチ、0.099インチ、0.100インチ、0.101インチ、0.102インチ、0.103インチ、0.104インチ、0.105インチ、0.106インチ、0.107インチ、0.108インチ、0.109インチ、0.110インチ、0.111インチ、又は0.115インチであってよい。
【0067】
加えて、上述したように、ポスト開口部137の深さは、締結具138の幾何学的特性に従って変化してよい。ポスト開口部137の深さは、0.05インチと1.0インチとの間で変化してよい。多くの実施形態では、ポスト開口部137の深さは、0.05インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、0.45インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.55インチ~0.60インチ、0.60インチ~0.65インチ、0.65インチ~0.70インチ、0.70インチ~0.75インチ、0.75インチ~0.80インチ、0.80インチ~0.85インチ、0.85インチ~0.90インチ、0.90インチ~0.95インチ、又は0.95インチ~1.0インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、ポスト開口部137の深さは、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、0.160インチ、0.170インチ、0.180インチ、0.190インチ、0.200インチ、0.210インチ、又は0.250インチであってよい。
【0068】
調整可能なライ角機構
a.ホーゼル本体へのライアームの機械的接続
上述したように、パター型クラブヘッドは、調節可能なライ角機構101を備えることができる。このライ角機構は、パター型クラブヘッド用のホーゼル本体122に関連する構成要素を備える。調整可能なライ角機構101の構成要素の1つは、ライアーム121である。ライアーム121は、クラブヘッド本体112のポスト120とホーゼル本体122との両方に連結されている(
図11、
図12、
図14及び
図15参照)。ライアーム121、ポスト120、及びホーゼル本体122の間のこのタイプの接続手段は、調整可能なライ角機構101のいくつかの要素を形成することを補助する。上述したように、そしてさらに繰り返すと、受け入れ幾何形状126は、ポスト120の外面と係合し、ポスト120の上に載置される。ライアーム121とホーゼル本体122とが互いに連結されているので、クラブヘッドのライ角を変えるために、ライアーム121又はホーゼル本体122の一方をトップレールからソールに向かう方向に移動させる(又はz軸周りに回転させる)必要がある。それによって、ライアーム121の受け入れ幾何形状126をポスト120の外面の周りで回転させ、したがって、ライ角が変えられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、ホーゼル本体122は、ホーゼルタブ162をさらに含む(
図35参照)。ホーゼルタブは、ホーゼル本体122に一体的に接続されてよい。ホーゼルタブ162は、ヒール端部114からトウ端部113に向かう方向に延在する。いくつかの実施形態では、ホーゼルタブ162は、クラブヘッド本体112のヒール端部114において部分的に露出される。ホーゼルタブ162は、パター型ゴルフクラブヘッド100の現在のライ角の物理的指標となるように構成され、ライ角を調整するためのハンドル又はノブを提供する。例えば、フィッタの手(図示せず)をホーゼルタブ162にかけ、ホーゼルタブ162をトップレールからソールに向かう方向に操作することで、ライ角を異なる位置に変更してもよい。ホーゼルタブ162及びライアーム121は、(ホーゼル本体122を介して)互いに間接的に連結され、したがって、ホーゼルタブ162の移動時に、ライアーム121がポストの周りを回転し、それによって、クラブヘッド100のライ角及びホーゼルタブ162の移動を変更する。
【0070】
いくつかの実施形態では、ライアーム121及びホーゼル本体122は、機械的連結手段(すなわち、1つ又は複数の締結具)によって互いに固定される。締結具が、ホーゼル本体122と取り外し可能な係合接続手段を提供するだけでなく、締結具を介したライアーム121のホーゼル本体122への連結が、上記で概説したような有益な製造上の利点を提供する。これらの利点には、ホーゼル本体122及びライアーム121が別個の構成要素(すなわち、別個のCNCフライス加工経路)として製造されてもよいので、製造材料の浪費が低減されることが含まれるが、これに限定されるものではない。さらに繰り返すと、ライアーム121は、ホーゼル本体122とは別個の部分、要素、又は構成要素である。
【0071】
図11、
図12、
図14及び
図15を参照すると、ライアーム121の第1の端部123はホーゼル本体122に機械的に連結されている。このタイプの機械的連結手段は、ボルト、締結具等の形態であってよい。例えば、この実施形態では、複数のライアーム開口部139が、第1のライアーム端部123に近接して形成されている。多くの実施形態では、複数のライアーム開口部139は、1つ以上のライアーム開口部、2つ以上のライアーム開口部、3つ以上のライアーム開口部、4つ以上のライアーム開口部、5つ以上のライアーム開口部、6つ以上のライアーム開口部、又は7つ以上のライアーム開口部と称されてよい。複数のライアーム開口部139は、複数のホーゼル本体開口部140と位置合わせされるように配置される。ライアーム開口部139及びホーゼル本体開口部140は、ライアーム121をホーゼル本体122に、又はその逆で連結及び整列させるために、1つ又は複数の機械的締結具(すなわち、ボルト、ねじ、ピン、又は他の機械的締結具)を受け入れるように整列及び構成される。
【0072】
同様に、ホーゼル本体122は、ライアームの第1の端部123に形成された複数のライアーム開口部139と位置合わせされるように構成された複数のホーゼル本体開口部140を形成する。複数のホーゼル本体開口部140及び複数のライアーム開口部139は、それらのそれぞれの構造を完全に貫通するか、又は部分的に通るかのいずれかで延在する。複数のホーゼル本体開口部140及び複数のライアーム開口部139は、互いに位置合わせされるように構成され、よって、締結具、ボルト、ねじ、ピン、又はそれらの組み合わせが、ホーゼル本体122及びライアーム121の対応する位置合わせされた各開口内に受け入れられるように構成される。
【0073】
具体的な説明のために、
図23は、L字形突出部141に沿って少なくとも3つのホーゼル本体開口部140を形成するホーゼル本体122を示す。同様に、ライアーム121、より詳細には第1のライアーム端部123は、3つのホーゼル本体開口部140のうち少なくとも2つのホーゼル本体開口部140と同様の大きさである2つの対応する開口部139を形成する。第3のホーゼル本体開口部は、2つの同様のサイズのホーゼル本体開口部よりも大きい直径を有する。L字形突出部141に形成された各ホーゼル本体開口部140は、第1のライアーム端部123に形成された対応する開口部139を有する(
図11参照)。ホーゼル本体122及びライアーム121の2つの同様なサイズの開口部139、140(「ライアームアライメント開口部」及び「ホーゼル本体アライメント開口部」と称されてもよい)は、ピン(「アライメントピン」とも称されてよい)142を受け入れるように構成される。これらのピン142は、(圧入可能であってよく)ホーゼル本体122及びライアーム121の互いのアライメントを調整するのに役立つ。第1のライアーム端部に形成されたライアーム開口部と、ライアーム121及びホーゼル本体122の他の2つの開口部よりも径が大きい対応するホーゼル本体開口部とは、締結具(すなわち、ねじ、ボルト等)を受け入れるように構成されている。締結具は、ライアーム121及びホーゼル本体122を互いに接触させる、及び/又は、これらを固定する軸方向力を印加する。
【0074】
ライアーム121及びホーゼル本体122によって形成された複数のアライメント開口部139、140は、ねじが切られても切られていなくてもよい。ホーゼル本体122のアライメント開口部140及びライアームの対応するアライメント開口部139は、直径を備える。アライメント開口部139、140の直径は、約0.01インチ~約1.0インチの範囲であってよい。多くの実施形態では、アライメント開口部139、140の直径は、0.01インチ~0.015インチ、0.01インチ~0.02インチ、0.02インチ~0.025インチ、0.025インチ~0.030インチ、0.030インチ~0.035インチ、0.035インチ~0.040インチ、0.040インチ~0.045インチ、0.045インチ~0.050インチ、0.050インチ~0.055インチ、0.055インチ~0.060インチ、0.060インチ~0.065インチ、0.065インチ~0.070インチ、0.070インチ~0.075インチ、0.075インチ~0.080インチ、0.080インチ~0.085インチ、0.085インチ~0.090インチ、0.090インチ~0.095インチ、又は0.095インチ~1.000インチの範囲であってよい。多くの実施形態では、ホーゼル本体122及びライアーム121の複数のアライメント開口部139、140は、約0.06インチであってよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のピン142を受け入れるように構成されたホーゼル本体122とライアーム121の複数の開口部139、140とは、一対のアライメント開口部と称されてよい。一対のアライメント開口部は、互いに位置合わせされ、関連付けられ、及び/又は同心になるように構成されたホーゼル本体122及びライアーム121の両方に形成された開口部として画定されてよい。多くの実施形態では、ホーゼル本体122及びライアーム121は、組み合わされて、1対のアライメント対開口部、2対のアライメント対開口部、3対のアライメント対開口部、4対のアライメント対開口部、5対のアライメント対開口部、6対のアライメント対開口部、7対のアライメント開口部、又は8対のアライメント対開口部を形成することができる。
【0076】
図14及び
図15に示されるように、図示された実施形態は、各対のアライメント開口部がアライメントピン142を受け入れるように構成されるように、2対のアライメント開口部を形成する。アライメントピン142は、アライメント開口部の1つ又は複数の対に圧入されてよい。これにより、組み立てプロセス中に、ホーゼル本体122及びライアーム121を、互いに迅速に位置合わせすることが可能になる。一対または複数対のアライメント開口部は、別の対のアライメント開口部から離間されてよい。一対のアライメント開口部の間に形成される空間の一部は、連結開口部対143をさらに形成してもよい。
【0077】
連結開口部対143は、本明細書では、ライアーム121及びホーゼル本体122の両方に形成された、固定部品(すなわち、ねじ、締結具等)のための受け入れ開口部であると定義される。ライアーム121とホーゼル本体122の連結開口部対143は、直径によって規定されてもよい。ライアーム121上に形成された連結開口部143の直径は、ホーゼル本体122上に形成された連結開口部143の直径と等しくても、等しくなくてもよい。
【0078】
連結開口部143の直径は、0.02インチ~約0.5インチの範囲であってよい。連結開口部143の直径は、0.02インチ~0.04インチ、0.04インチ~0.06インチ、0.06インチ~0.08インチ、0.08インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.12インチ、0.12インチ~0.14インチ、0.14インチ~0.16インチ、0.16インチ~0.18インチ、0.18インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.22インチ、0.22インチ~0.24インチ、0.24インチ~0.26インチ、0.26インチ~0.28インチ、0.28インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.32インチ、0.32インチ~0.34インチ、0.34インチ~0.36インチ、0.36インチ~0.38インチ、0.38インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.42インチ、0.42インチ~0.44インチ、0.44インチ~0.46インチ、0.46インチ~0.48インチ、又は0.48インチ~0.50インチの範囲であってよい。
【0079】
図15及び
図23を参照すると、ホーゼル本体122の連結開口部143と、ライアーム121の連結開口部143とは、直径が異なるが、連結開口部対143を形成する。この例示的な実施形態では、ホーゼル本体連結開口部143の直径は、約0.089インチであり、ライアーム連結開口部143の直径は、約0.203インチである。ライアーム連結開口部143の直径は、単に締結具の幾何学的特性に起因して、ホーゼル本体連結開口部143よりも大きい。
【0080】
締結具幾何形状は、ヘッド部、シャンク部、及びねじ部を備える。ヘッド部は、シャンク部とねじ部の両方の直径よりも大きい。ねじ部は、ホーゼル本体122の連結開口部143に受け入れられるか、又はねじ込まれるように構成され、ヘッド部は、ライアーム121の連結開口部143に当接するように構成される。締結具がホーゼル本体122とライアーム121の両方にねじ込まれると、それぞれの部品を一緒に固定する軸方向力が働く。ライアーム121の連結開口部143は、皿穴又は座ぐり穴であってよいので、締結具幾何形状のヘッド部は、ライアーム121の連結開口部143に当接する。
【0081】
ホーゼル本体122は、(L字形突出部141によって図示されるように)一体的に接続されたレッジ又はフランジをさらに含んでよい。レッジ又はフランジは、ホーゼル本体122の任意の部分から延在又は突出してもよい。いくつかの実施形態では、レッジ又はフランジは、ヒールからトウに向かう方向にホーゼル本体122の底部から近位に延在する。ホーゼル本体122の底部は、ソール116の近位にある。ホーゼル本体122の頂部は、パター型ゴルフクラブヘッド100のトップレール115の近位にある。レッジ又はフランジは、曲線形状、放物線形状、湾曲形状、丸みを帯びた形状、L字形状、又はこれらの幾何学的組合せを備えてよい。
【0082】
調整可能なロフト角機構
ホーゼルアーム及びロフトアームの構成及び配置
上述したように、パター型クラブヘッドはまた、調節可能なロフト機構102を備えてよい。一般的に上述したように、調節可能なロフト角機構は、ホーゼル本体122、ホーゼルアーム127、及びロフトアーム128を備える。これらの構成要素は、パター型ゴルフクラブヘッドのロフト角を、前方打撃面から背面に向かう方向に(又はx軸周りに回転して)漸増的に調整するために組み込まれる。具体的には、多くの実施形態において、パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角は、ホーゼルアーム127及びロフトアーム128が、それぞれ第2のホーゼルアーム端部131及び第2のロフトアーム端部130において互いに回転可能又は回動可能に係合されることによって、漸増的に調節される。以下の段落では、調節可能なロフト角機構102の構成要素の構造及び配置をより詳細に説明する。
【0083】
いくつかの実施形態では、ホーゼルアーム127は、トップレール115からソール116に向かう方向にホーゼル本体122から一体的に突出してよい。ホーゼルアーム127の高さは、ロフトアーム128の高さよりも低い。ホーゼルアーム127は、ホーゼルアーム127の一部の下に位置し、クラブヘッド100の上面視において隠れているか、又は目立たないように構成される。ホーゼルアーム127の高さをロフトアーム128の高さよりも低くし、(アドレス位置における)クラブヘッドの上面視において隠れることは、ホーゼルに調整可能なフィッティング機構を設ける一方、ブレード型パターのホーゼルに構造的に似ている。
【0084】
この実施形態では、ホーゼルアーム127は、少なくとも4つのホーゼルアーム開口部144~146(ホーゼルアーム下部取付開口部144、ホーゼルアーム中央取付開口部145、及び少なくとも2つのホーゼルアーム最上部取付開口部146)を形成する。ホーゼルアーム下部取付開口部144は、ホーゼルアーム中央取付開口部145及びホーゼルアーム最上部取付開口部146よりも、ホーゼル本体122に近接して垂直方向に離間されている。ホーゼルアーム最上部取付開口部146は、ホーゼルアーム中央取付開口部145よりもホーゼル本体122からさらに垂直方向に離間されている。ホーゼルアーム中央取付開口部145は、ホーゼルアーム下部取付開口部144と、2つ以上のホーゼルアーム最上部取付開口部146との間に配置される。ホーゼルアームの各開口部の構造及び機能については、以下により詳細に説明する。
【0085】
ロフトアーム128とホーゼルアーム127は互いに隣接している。多くの実施形態では、ロフトアーム128は、ロフトアーム128の第2の端部130に開口部(すなわち、ロフトアーム下部開口部147)を形成する。ロフトアーム下部開口部147は、ホーゼルアーム下部取付開口部144と位置合わせされるように構成され、締結具を受け入れるように構成される。締結具は、ロフトアーム128とホーゼルアーム127を一緒に固定して、ロフト角回動点をさらに画定する。締結具がロフトアーム下部開口部147とホーゼルアーム下部取付開口部144の両方に係合されると、ゴルフクラブヘッドのロフト角を変更するために締結具を取り外す必要はない。いくつかの実施形態では、締結具は、段付きボルト148の形態である。段付きボルトが、ホーゼルアーム下部取付開口部144及びロフトアーム下部開口部147に係合すると、段付きボルト148、ホーゼルアーム127、及びロフトアーム128の配置は、ロフトアーム128が前方打撃面から後方へ向かう方向に(すなわち、x軸周りに回転して)回転するための回転面を画定する。このタイプの回転は、クラブヘッドのロフト角を変更することを可能にする。
【0086】
段付きボルト148がロフトアーム下部開口部147とホーゼルアーム下部取付開口部144の両方に係合すると、ロフトアーム下部開口部147の外面は、ねじ切りされていない段付きボルト部分149に載置される。段付きボルト148は、
図25に例示されているように、ねじ切りされていない段付きボルト部分149と、ねじ切りされた段付きボルト部分150とを有する。ねじ切りされた段付きボルト部分150は、ホーゼルアーム下部取付開口部144にねじ込まれる。ロフトアーム下部開口部147の外面と段付きボルト148との間の接触面は、ロフトアーム128が(ホーゼルアームに対して)x軸周りに回転し、パター型クラブヘッド100のロフト角を漸増的に変更するための回動面を提供する。
【0087】
上述したように、ロフトアーム下部開口部147は、皿穴又は座ぐり穴の形態であってよい。皿穴又は座ぐり又/開口部は、さらに、軸受151が配置されるための当接面を提供する。軸受151は、段付きボルト148によって誘発される固定応力と、ロフトアーム128及びホーゼルアーム127が互いに接触することによって生じる摩擦力とを同時に低減しながら、ホーゼルアーム127及びロフトアーム128に対して回転又は回動運動を提供する能力を強化する。軸受151は、ロフトアーム128及び段付きボルト148のヘッドによって誘発される接触/摩擦力をさらに低減する。これにより、段付きボルト148は、軸受がないアセンブリに対してより高い程度でホーゼルアーム127及びロフトアーム128を一緒に固定する。好ましくは、上述の利点のために、各回動面又は回転点において軸受151が存在するが、必要ではない。
【0088】
ロフトアーム下部開口部147を形成する第2のロフトアーム端部130に加えて、ロフトアーム128は、さらに、トップレールからソールに向かう方向にロフトアーム下部開口部147から垂直に離間されたロフトアーム中央開口部153を形成する。ロフトアーム中央開口部153は、ロフトアーム128を完全に貫通して、又はその一部を通って延在してよい。ロフトアーム中央開口部153は、実質的に円筒状であってもよく、直径によって画定されてよい。ロフトアーム中央開口部153の直径は、約0.107インチであってよい。しかしながら、他の実施形態では、ロフトアーム中央開口部153の直径は、0.02~0.75インチであってよい。
【0089】
多くの実施形態では、ロフトアーム中央開口部153は、ねじ切りされている。ホーゼルアーム中央取付開口部145とロフトアーム中央開口部153とが互いに位置合わせされると、締結具がホーゼルアーム中央取付開口部145を通して挿入され、ロフトアーム中央開口部153のねじとねじ係合するように構成される。このタイプの配置は、ホーゼルアーム127とロフトアーム128とをさらに補強し、共に固定する。ロフトアーム128とホーゼルアーム127とを共にロフトアーム下部開口部147及びホーゼルアーム下部取付開口部144において固定する他の締結具とは異なり、締結具は、ゴルフクラブヘッド100のロフト角を変更するためにロフトアーム中央開口部153からねじを外すか、又は緩める必要がある。ホーゼルアーム中央取付開口部145は、ロフトアーム中央開口部153よりも大きい。これにより、ホーゼルアーム中央取付開口部153によって様々なロフト角調整位置をとることができ、その一方で、ホーゼルアーム127及びロフトアーム128を一緒に固定することが可能になる(
図29及び
図30参照)。
【0090】
多くの実施形態では、ホーゼルアーム中央取付開口部145は、締結具の外径よりも大きくなるように構成されてよい。さらに、ホーゼルアーム中央取付開口部145は、最も極端なロフト角調整位置(
図29及び
図30参照)をとることができるような寸法とされてよい。
【0091】
ロフトアーム128はさらに、ロフトアーム128の第2の端部130よりもロフトアームの第1の端部129の近くに配置された複数のロフトアーム頂部開口部154を形成する。複数のロフトアーム頂部開口部154は、任意の形状であってよく、好ましくは、ロフトアーム128の本体を完全に貫通して延在する必要はない。複数のロフトアーム頂部開口部154は、円錐形、丸剤形、円筒形、ピラミッド形、漏斗形、尖形、及び/又は先細りの幾何学的形状を含むが、これらに限定されない、任意の形状であってよい。ロフトアーム頂部開口部154は、円錐形又は丸剤形であることが好ましい。このタイプの幾何学的形状は、ロフトアーム頂部開口部154が、プランジャ155(
図28参照)と迅速に係合及び係合解除することを可能にする。ロフトアーム頂部開口部154は、クラブヘッドのロフト角を正確に変更するのにさらに役立ち、これについては以下でより詳細に説明する。ロフトアーム頂部開口部154の各々は、一対のロフトアーム頂部開口部154の間に空間が存在するように、互いに離間/配置される。この特定の実施形態では、複数の頂部アーム開口部は、角度間隔で互いから離間している。
【0092】
ロフトアーム頂部開口部154の幾何学的形状を丸剤形状又は円錐形状にすることにより、(円形開口部に対して)ロフトアーム頂部開口部154の表面積が増大する。表面積が大きくなるにつれて、ロフトアーム頂部開口部154、ホーゼルアーム最上部取付開口部146、及びプランジャ155の間の累積公差が、それほど厳密又は正確である必要がなくなり、これにより、要求される機械加工公差、機械加工時間、及びコストが低減される。
【0093】
具体的には、
図27を参照すると、複数のロフトアーム頂部開口部154は、2度の間隔で互いから離間される。しかしながら、他の実施形態では、複数のロフトアーム頂部開口部154は、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、16度、17度、18度、19度、又は20度で互いから離間されてよい。この角度間隔距離は、ロフトアーム下部開口部147に中心を有し、複数のロフトアーム頂部開口部154のそれぞれの中心を通って延在する仮想円を基準としている(
図27参照)。
【0094】
図14に図示されているように、2つ以上のホーゼルアーム最上部取付開口部146は、ホーゼルアーム127の第1の端部156の近位に形成されている。ホーゼルアーム127の第1の端部156に形成された2つ以上の開口部(ホーゼルアーム最上部取付開口部146)を有するとともに、プランジャ155を受け入れるように構成された各ホーゼルアーム最上部取付開口部146を有することにより、ゴルフクラブヘッド100のロフト角を正確に調節するのを補助することができる。2つ以上のホーゼルアーム最上部取付開口部146は、好ましくは、1つ以上のプランジャ155(すなわち、第1のホーゼルアーム最上部取付開口部内の第1のプランジャと、第2のホーゼルアーム最上部取付開口部内の第2のプランジャ)を各開口部内に受け入れるように螺合される。代替的な実施形態では、1つ又は複数のプランジャ155は、ねじ係合される代わりに、1つ又は複数のホーゼルアーム最上部取付開口部146に圧入されてもよい。
【0095】
多くの実施形態では、プランジャ155は、ボールプランジャの形態であってよい。ボールプランジャは、中空のねじ付き本体と、中空のねじ付き本体の内側に配置されたばねと、ばねに連結されたボールとを備える。ボールプランジャは、複数のロフトアーム頂部開口部154と係合及び係合解除するように構成される。ボールプランジャ155、複数のロフトアーム頂部開口部154、及びホーゼルアーム最上部取付開口部146の間のこのタイプの配置は、ロフト角が調節されたときにユーザにフィードバックを与え、ロフト角をより正確に所定の位置に調節する。
【0096】
例えば、
図14を参照すると、ボールプランジャの本体は、ホーゼルアーム最上部取付開口部146の各々と螺合するように適合されている。
図14を引き続き参照すると、ホーゼルアーム127は、2つのホーゼルアーム最上部取付開口部146を備える。2つのホーゼルアーム最上部取付開口部146には、ねじが切られており、各ホーゼルアーム最上部取付開口部146は、ボールプランジャ155のねじ切り本体を受け入れるように構成されている。ボールプランジャ155が、ホーゼルアーム最上部取付開口部146に螺合されると、ボールプランジャ155のボールは、ロフトアーム128に接触するように構成され、より具体的には、複数のロフトアーム頂部開口部154のうちの1つと係合する。任意のときに、第1のボールプランジャ155は、複数のロフトアーム頂部開口部154のうちの1つと係合するように構成され、第2のボールプランジャ155は、一対のロフトアーム頂部開口部154の間の空間内に存在するように構成される。フィッタ又はユーザ(図示せず)がロフト角を変更することを望む場合、フィッタは、ホーゼルアームとロフトアームとの間の固定力を低減するために、ロフトアーム中央開口部153から締結具を締結解除/ねじ解除する必要がある。ボールプランジャ155、複数のロフトアーム頂部開口部154、及びホーゼルアーム最上部取付開口部146の間のこのタイプの配置は、ロフト角が調整されたときにユーザにフィードバックを与え、ロフト角をある所定の位置により正確に調整する。
【0097】
具体的には、ホーゼルアーム最上部取付開口部146は、5度の間隔で互いから離間されている。しかしながら、他の実施形態では、複数のホーゼルアーム最上部取付開口部146は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、16度、17度、18度、19度、又は20度で互いから離間されてもよい。この角度間隔距離は、ホーゼルアーム下部取付開口部144に中心を有し、複数のホーゼルアーム最上部取付開口部146の各々の中心を通って延在する仮想円を基準としている。
【0098】
ロフトアーム128とホーゼルアーム127との互いの連結が解除される(ホーゼルアーム中央取付開口部145とロフトアーム中央開口部153から締結具の締結を解除する)と、ボールプランジャ155が、ロフトアーム128の複数の頂部開口部154のうちの1つの内部で再配置可能に係合されるように構成されてよい。説明のために、
図29は、第1のロフト構成(すなわち、複数のロフトアーム頂部開口部154のうちの1つの内部に第1のボールプランジャ155が係合されており、2つの隣接するロフトアーム頂部開口部154の間の空間内に第2のボールプランジャ155が係合している)におけるゴルフクラブヘッド100を図示している。
図30は、(第1のロフト構成に対する)第2のロフト構成におけるゴルフクラブヘッド100を図示している。
【0099】
図29と
図30を比較すると、パター型ゴルフクラブヘッド100のロフト角を変更するために、ホーゼルアーム127及びロフトアーム128が、それぞれ第2のホーゼルアーム端部131及び第2のロフトアーム端部130において互いに対して回動し、回転すると、ボールプランジャ155が係合解除されてその現在位置から別の位置に移動する(すなわち、2つのロフトアーム頂部開口部の間の空間に移動する、又は別のロフトアーム開口部154に係合する)ことができることが分かる。ロフトアーム頂部開口部154内のボールプランジャ155のこのタイプの係合及び係合解除は、ロフト角が調整されたときにユーザにフィードバックを与え、ロフト角を所定の位置により正確に調整し、ホーゼルアーム127のロフトアーム128への一時的な「係止」位置を提供する。この一時的な係止位置は、ホーゼルアーム127をロフトアーム128に再固定するときに、パター型クラブヘッド100のロフト角が不注意で変更されないことを、フィッタ(又はユーザ)に保証する。
【0100】
調整可能なライ角機構-ホーゼル本体/プランジャの相互作用
上述したように、調整可能なライ角機構は、プランジャ/開口部をさらに備える。上述した説明と同様に、ホーゼル本体122は、パター型ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114に向かって、L字形突出部141の反対側に、又はL字形突出部141から遠位に、少なくとも2つの開口部(すなわち、ホーゼル本体開口部157の第2のセット)を形成する(
図23参照)。ホーゼル本体開口部157の第2のセットの各々は、ボールプランジャ155を受け入れるように構成されている。(任意のときに)1つのボールプランジャ155のみが、(
図31に示すように)ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114に近位のクラブヘッド本体の後面118によって形成された複数のキャッチ158に挿入されるように構成される。ボールプランジャ155は、第2のセットのホーゼル本体開口部157に螺合又は圧入されてよい。
【0101】
複数のキャッチ158は、クラブヘッド本体112の後面118に形成された凹部である。1つ又は複数のボールプランジャ155は、第2のセットのホーゼル本体開口部157に螺合されてよい。複数のキャッチ158は、上述したボールプランジャ155、ロフトアーム頂部開口部154、及びホーゼルアーム最上部取付開口部146の配置に関して、機能及び構造が類似している。複数のキャッチは、概して、トップレールからソールに向かう方向に互いから離間されている。
【0102】
ホーゼル本体122から打撃面締結具159の連結が解除される(ホーゼル本体122から打撃面締結具159のねじを解除する)と、ボールプランジャ155が、クラブヘッド本体112の後面118の複数のキャッチ158のうちの1つの内部で再配置可能に係合されるように構成されてよい。説明のために、
図32は、第1のライ構成(すなわち、クラブヘッド本体112の後面118に形成された複数のキャッチ158のうちの1つの内部に第1のボールプランジャ155が係合され、クラブヘッド本体112に形成された2つの隣接するキャッチ158の間の空間内に第2のボールプランジャ155が係合されている)におけるゴルフクラブヘッド100を図示している。
図33は、(第1のライ構成に対する)第2のライ構成におけるゴルフクラブヘッドを図示している。
図32と
図33を比較すると、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角を変更するために、ライアーム121がポスト120を中心に回転し、回転すると、第1及び第2のボールプランジャ155は、係合解除され、その現在位置から別の位置(すなわち、隣接するキャッチ158の間の空間、又はクラブヘッド本体112の後面118に形成された別のキャッチ158と係合する位置)に移動することが分かる。キャッチ158に出入りするボールプランジャ155は、フィッタにフィードバックを提供し、パター型ゴルフクラブヘッド100のライ角をより正確に調整する。さらに、複数のキャッチ158のうちの1つに一時的に係合するボールプランジャを有することにより、一時的な係止位置が形成される。この一時的な係止位置は、打撃面締結具159をホーゼル本体122に再固定するときに、パター型クラブヘッド100のライ角が不注意で変更されないことを、フィッタ(又はユーザ)に保証する。
【0103】
前方打撃面117は、前方打撃面開口部160を形成する。前方打撃面開口部は、パター型ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114の近位にある。前方打撃面開口部160は、楕円を含む任意の幾何学的形状であってよい。多くの実施形態では、前方打撃面開口部160の幾何学的形状は、丸形、円形、円筒形、長方形、正方形、多角形、曲線形、又はそれらの組み合わせであってよい。前方打撃面開口部160は、座ぐり穴又は皿穴の形態であってよい。前方打撃面開口部160は、前方打撃面117又はその一部を完全に貫通して延在してよい。
【0104】
打撃面開口部160は、パター型ゴルフクラブヘッド100の後面118に形成された第3のセットのホーゼル本体開口部161と位置合わせされる。第3のセットのホーゼル本体開口部161は、ねじが切られてもよく、第2のセットのホーゼル本体開口部157の近位にあってよい。打撃面締結具159は、打撃面開口部160の両方を通って挿入され、第3のセットのホーゼル本体開口部161と螺合するように構成されてよい。打撃面開口部160、第3のセットのホーゼル本体開口部161、及び打撃面締結具159のこのタイプの配置は、ホーゼル本体122をパター型ゴルフクラブヘッド100の後面118に機械的に連結又は固定する。
【0105】
クラブヘッド本体へのホーゼルの挿入
いくつかの実施形態では、ホーゼルタブ162は存在しなくてもよく、むしろ、締結具は、二重凹部開口部163に係合し、機械的係合によって(すなわち、ねじを介して)ホーゼル本体122に連結されるように構成されてよい。他の実施形態では、ホーゼルタブ162がホーゼル本体122から延在する場合、ホーゼルは、パター型ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114から離間した距離において、第2のより深い凹部134内に挿入され、次いで、ホーゼルタブが二重凹部開口部163と面一になるまで、ホーゼル本体122をクラブヘッドのヒール端部114に向けてホーゼルを移行、摺動、又は移動させる必要がある。これにより、上述したパズル係止幾何形状が形成される。一方、ホーゼルタブ162が存在せず、むしろ締結具が二重凹部開口部163とホーゼル本体122との両方に係合する場合、ホーゼル本体122は、第2のより深い凹部134の最もヒール側の端部に直接挿入されてよい。
【0106】
さらなる説明のために、ホーゼルタブ162が存在する実施形態では、ホーゼル本体122は、(ヒールからトウに向かう方向で測定される)少なくともホーゼルタブ162の長さだけ、第2のより深い凹部134の最もヒール側の境界から離間されてよい。ホーゼル本体122を第2のより深い凹部134のヒール側の境界に直接挿入すると、ホーゼルタブ162がクラブヘッド本体112の一部に接触するようになり、それによってホーゼル本体122の第2のより深い凹部134への挿入が制限される。
【0107】
ロフト角及びライ角の視覚的指標
フィッタ(図示せず)が、より迅速かつ意図してパター型ゴルフクラブヘッド100のライ角を調節するのを助けるために、二重凹部開口部163がパター型ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114に形成されてよい。二重凹部開口部163は、第1の部分及び第2の部分を有してよい。二重凹部開口部163の第1の部分は、クラブヘッド本体112のヒール端部114を完全に貫通して延在する開口部の一部を有するように画定されてよい。これにより、ボイドが形成される。二重凹部開口部163の第2の部分は、
図35の例示的な実施形態に示すように、キャビティ(すなわち、パター型ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114の一部を通り、ヒール端部114を完全には貫通しない)を画定してよい。
【0108】
多くの実施形態では、ホーゼルタブ162は、ホーゼルタブ162の端部に形成された溝又はスロット164を有してもよい。溝又はスロット164は、概して、前方打撃面から後方へ向かう方向に延在してよい。さらに、多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100のヒール端部114の一部を通って延在する二重凹部開口部163のキャビティ又は第2の部分は、複数のライ角アライメントマーカ165を含んでよい。ホーゼルタブ162上に設けられた溝164と、キャビティの表面内に形成されるか、又はキャビティの表面から延在する複数のアライメントマーカ165との組み合わせにより、視覚的補助が形成される。視覚的補助は、フィッタがパター型ゴルフクラブヘッドの現在のライ角を迅速に測定し、パター型ゴルフクラブヘッド100を別の所望のライ角構成に容易に調整することを可能にする。
【0109】
いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドのヒール端部を完全に貫通して延在しない二重凹部開口部のキャビティ又は第2の部分に、ライバッジ(図示せず)が取り付けられてよい。ライバッジは、ライバッジの表面内に形成されるか、又はライバッジの表面から突出する複数のライ角アライメントマーカ165を形成してよい。後述するように、複数のライ角アライメントマーカ165は、異なるライ角構成を表す。複数のライ角マーカ165の各々は、パター型ゴルフクラブヘッドの現在のライ角を容易に特定するために、互いに異なる色であってよい。ライバッジの幅は、約0.07インチから約1.4インチの間であってよい。いくつかの実施形態では、ライバッジは、約0.63インチであってよい。
【0110】
複数のライ角アライメントマーカ165は、異なるライ角を表すように構成される。例えば、1つのライ角調整マーカは、1つのライ角構成を画定してよく、別のライ角調整マーカは、別のライ角構成等を画定してよい。多くの実施形態では、複数のライ角アライメントマーカ165は、1つ以上の行、1つ以上の列、1つ以上のグループ、又は1つ以上のセットであってよい。他の実施形態では、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上のライ角アライメントマーカ165が存在してよい。
【0111】
ライ角アライメントマーカ165間の間隔又は距離は、アライメントマーカの別のグループと異なっていてもよく、又はライ角アライメントマーカ165間で等間隔であってもよい。アライメントマーカ間の間隔距離は、ライ角位置のスパン又は範囲をより広くするために、アライメントマーカ間で不定の間隔距離を有してもよい。
【0112】
図20を特に参照すると、複数のロフト角アライメントマーカ166が、ロフトアーム128の第1の端部129に近接して形成されてよい。ロフトアーム128の第1の端部129に形成された複数のロフト角アライメントマーカ166は、窪み又は突起の形態であってよい。多くの実施形態では、複数のロフト角アライメントマーカ166は、1つ以上の行、1つ以上の列、1つ以上のグループ、又は1つ以上のセットであってもよい。他の実施形態では、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、又は20以上のロフト角アライメントマーカ166が存在してよい。
【0113】
ロフト角アライメントマーカ166間の間隔又は距離は、ロフト角アライメントマーカ166の別のグループとは異なっていてもよく、又はロフト角アライメントマーカ166間で等間隔であってもよい。間隔距離は、ロフト角位置のスパン又は範囲をより広くするために、ロフト角アライメントマーカ166間で不定の間隔距離を有してもよい。
【0114】
別の実施形態では、ロフトバッジ(図示せず)が、ロフトアーム128の第1の端部129に取り付けられてよい。ロフトバッジは、ロフトバッジの表面内に形成されるか、又はロフトバッジの表面から突出する複数のロフト角アライメントマーカ166を形成してよい。後述するように、複数のロフト角アライメントマーカは、異なるロフト角構成を表す。複数のロフト角アライメントマーカ166の各々は、パター型ゴルフクラブヘッド100の現在のロフト角を容易に特定するために、互いに異なる色であってよい。ロフトバッジの幅は、約0.07インチから約1.4インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、ロフトバッジは、約0.63インチであってよい。
【0115】
多くの実施形態において、ホーゼルアーム127の第1の端部156は、その上に形成された溝、スロット、又は突起を有してもよい。ホーゼルアーム127の第1の端部156の近位に形成された溝、スロット、又は突起は、矩形を含む任意の形状であってよい。この溝、スロット、又は突起は、ロフトアーム128に連結したときに構築される、パター型ゴルフクラブヘッド100の現在のロフト角を表す。さらに、多くの実施形態では、溝、スロット又は突起は、概してトップレールからソールに向かう方向に延在してよい。ホーゼルアーム127の第1の端部156に設けられた溝、スロット、又は突起と、ロフトアーム128の第1の端部129内に形成されるか、又は第1の端部129から延在する複数のロフト角アライメントマーカ166との組み合わせにより、ロフト角視覚的補助が形成される。視覚的補助は、フィッタがパター型ゴルフクラブヘッド100の現在のロフト角を迅速に測定し、パター型ゴルフクラブヘッドを別の所望のロフト角に容易に調整することを可能にする。上述したように、クラブヘッドは、調整可能なヘッド質量機構をさらに備えてよい。
【0116】
調整可能なヘッド質量機構
調整可能なフィッティング機構は、クラブヘッドのヘッド質量を漸増的に調整する機能を可能にする。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、調節可能なヘッド質量フィッティング機構103を有さなくてもよい。パター型ゴルフクラブヘッド100の背面119は、締結具/開口部(
図16参照)を介して、クラブヘッド本体112に取り外し可能に係合された後部バラスト168を画定する。代替的な実施形態では、調節可能なヘッド質量機構103は、締結具ではなく、磁石を介してクラブヘッド本体112を係合及び係合解除してもよい。
【0117】
図12、
図16、及び
図26に示す実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド100の背面119は、少なくとも2つの背面開口部169を形成する。第1の背面開口部169は、ヒール端部114の近位に配置され、第2の背面開口部169は、トウ端部113の近位に配置される。各背面開口部169は、ねじが切られている。
【0118】
さらに、この例示的な実施形態では、後部バラスト168は、クラブヘッド本体112に取り外し可能に係合される。後部バラスト168は、1つ又は複数の貫通開口部170を形成し、好ましくは、同じ数の背面開口部169がクラブヘッド本体112の背面119に形成される。後部バラスト貫通開口部170は、背面開口部169と位置合わせされ、底部(ソール)から見ると、部分的に見えるように構成される。位置合わせされた後部バラスト貫通開口部170及び背面開口部169のそれぞれは、後部バラスト締結具171を受け入れるように構成されている。後部バラスト締結具171は、後部バラスト168をクラブヘッド本体112に固定又は連結するために、ねじが切られてよい。後部バラスト168は、後部バラスト締結具171の締結を解除するとき、異なる質量の別の後部バラスト168と交換可能であってよい。後部バラスト締結具171は、後部バラスト168の連結を解除するために、1/4回転だけ締結を緩める必要がある。他の実施形態では、後部バラスト168は、貫通開口部170(底部(ソール)又は頂部(トップレール)からは見えない)を全体に形成する。開口部170のこのタイプの配置は、締結具を1/4回転ではなく、開口部から完全に外す必要がある。
【0119】
II.第2実施形態-ライアーム及びホーゼル本体の一体的な連結
以下、本発明による他の実施形態について説明する。この実施形態は、上述した実施形態と実質的に同様である。以下、第1の実施形態と第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。ライアームをホーゼル本体に一体的に連結することは、機械加工時間、組立時間、及びライアームとホーゼル本体とを共に連結するために必要な技能を低減させることを含むが、これらに限定されない、多くの有益な利点を含む。
【0120】
図36~38は、本発明による別の実施形態を示す。
図36は、本発明のいくつかの態様による実施形態の正面図を示す。
図37は、本発明のいくつかの態様による実施形態の背面図を示す。
図38は、本発明のいくつかの態様による実施形態のヒール側面図を示す。
【0121】
パター型ゴルフクラブヘッド200は、クラブヘッド本体212を備える。クラブヘッド本体212は、前方打撃面217と、前方打撃面217から離間された後面218と、前方打撃面217に対向する背面219と、前方打撃面217と背面219との間に延在するソール216と、ソール216に対向するトップレール215と、を備え、前方打撃面217は、ヒール端部214とトウ端部213との間に配置される。
【0122】
図38は、パター型ゴルフクラブヘッド200のヒール側面図を示す。第1実施形態(ホーゼル本体へライアームを機械的に取り付ける)と第2実施形態(ホーゼル本体へライアームを一体的に連結する)との間の差異は、ライアーム121、221とホーゼル本体122、222との間の接続手段である。第1実施形態では、ライアーム121はホーゼル本体122に機械的に取り付けられており、ライアーム121とホーゼル本体122は別個の部品であることを意味する。第2実施形態では、ライアーム221は、ホーゼル本体222に一体的に連結されており、つまり、ホーゼル本体222及びライアーム221は、同じ材料片から形成されている。ホーゼル本体222に一体的に接続されたライアーム221を有することによって、2つの要素を互いに接続するための組立時間及び技能が低減される。
【0123】
ライアーム221がホーゼル本体222に一体的に接続されると、調整可能なライ角機構101のヒールからトウに向かう長さが増加し、固定される。この長さの増加を考慮するために、本体のヒール側の一部が、(閉じられていない)開口部又はボイド273を形成する。本体のヒール側における開口部又はボイド273は、一体的に接続されたホーゼル本体222及びライアーム221のクラブヘッド本体212への挿入を受け入れるための追加の空間を提供する。この開口部又はボイド273は、パター型ゴルフクラブヘッドのヒール側面図及び背面図の両方で見ることができる。
【0124】
引き続き
図38を参照すると、ロフトアーム頂部開口部254の幾何学的形状は丸剤形状である。第1実施形態と同様に、各ホーゼルアーム最上部取付開口部246は、プランジャ255を受け入れるように構成されている。プランジャ255は、丸剤形状のロフトアーム頂部開口部254と係合するように構成される。ロフトアーム頂部開口部254の幾何学的形状を丸剤形状とすることにより、(円形の幾何学的形状に対して)ロフトアーム頂部開口部254の表面積が増大する。表面積が大きくなるにつれて、ロフトアーム頂部開口部254、ホーゼルアーム最上部取付開口部246、及びプランジャ255の間の累積公差が、それほど厳密又は正確である必要がなくなり、これにより、要求される機械加工公差、機械加工時間、及びコストが低減される。
【0125】
加えて、この実施形態は、パター型ゴルフクラブヘッド200のヒール端部を完全に貫通して延在しない二重凹部開口部のキャビティ又は第2の部分に取り付けられたライバッジ274を示す。ライバッジ274は、ライバッジの表面内に形成されるか、又はライバッジの表面から突出する複数のライ角アライメントマーカ265を形成してよい。複数のライ角アライメントマーカ265は、異なるライ角構成を表す。複数のライ角マーカ265の各々は、パター型ゴルフクラブヘッド200の現在のライ角を容易に特定するために、互いに異なる色であってよい。ライバッジの幅は、約0.07インチから約1.4インチの間であってよい。いくつかの実施形態では、ライバッジは、約0.63インチであってよい。
【0126】
本開示の様々な特徴及び利点は、以下の項に記載される。
【0127】
項1.パター型ゴルフクラブヘッドであって、トウ端部と、ヒール端部と、トップレールと、ソールと、ポストと、前方打撃面と、前記前方打撃面から離間された後面と、を備えるクラブヘッド本体であって、前記後面と、前記ソールと、前記トップレールとが、凹部を画定する、前記クラブヘッド本体と、ホーゼルアームとロフトアームとを備えるホーゼルであって、前記ホーゼルアームが、第1のホーゼルアーム端部と、第2のホーゼルアーム端部と、ホーゼル本体と、ホーゼルタブと、を備え、前記ロフトアームが、第1のロフトアーム端部と、第2のロフトアーム端部と、を備える、前記ホーゼルと、第1のライアーム端部と、第2のライアーム端部と、受け入れ幾何形状と、を備えるライアームであって、前記受け入れ幾何形状の一部が、ポスト幾何形状と相補的である窪みを画定する、前記ライアームと、を備え、前記ロフトアームは、ゴルフシャフトに連結するように構成されており、前記ポストは、前記クラブヘッド本体の前記後面から延びており、前記ホーゼル本体は、第2のホーゼルアーム端部に一体的に接続されており、前記第1のライアーム端部は、前記ホーゼル本体に取り付けられており、前記ホーゼルアーム及び前記ロフトアームは、それぞれ前記第2のホーゼルアーム端部及び前記第2のロフトアーム端部において互いに回動可能に係合され、前記パター型ゴルフクラブヘッドのロフト角を漸増的に変化させるように構成されており、前記ライアームの前記受け入れ幾何形状は、前記ポストに係合するように適合されており、前記パター型ゴルフクラブヘッドのライ角を漸増的に調節するように構成されており、前記ホーゼルタブは、前記ホーゼル本体に取り付けられ、前記クラブヘッド本体の前記ヒール端部において部分的に露出される、パター型ゴルフクラブヘッド。
【0128】
項2.前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記ロフト角は、1度刻みで変化する、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0129】
項3.前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記ライ角は、1度刻みで変化する、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0130】
項4.前記クラブヘッド本体の後部が、後部バラストをさらに備える、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0131】
項5.前記後部バラストは、前記クラブヘッド本体の前記後部に取り外し可能に係合されるように配置され、前記パター型ゴルフクラブヘッドのヘッド質量を漸増的に調整するように構成されている、項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0132】
項6.前記後面は、複数の円錐形凹部をさらに形成し、前記ホーゼル本体は、少なくとも2つのねじ付き受け入れポートを形成する、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0133】
項7.前記パター型ゴルフクラブヘッドは、前記ホーゼル本体の前記少なくとも2つのねじ式受け入れポート内に受け入れられるように構成された少なくとも2つのばねプランジャをさらに備える、項6に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0134】
項8.少なくとも1つのばねプランジャは、前記後面の前記複数の円錐形凹部のうちの1つの内部に常に受け入れられるように構成されており、前記少なくとも1つのばねプランジャのうちの他の1つは、前記複数の円錐形凹部の間の空間内に常にあるように構成されている、項7に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0135】
項9.前記後面の前記複数の円錐形凹部は、2度又は3度刻みで離間されている、項8に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0136】
項10.前記ホーゼル本体の前記少なくとも2つのねじ式受け入れポートは、互いから約5度離間されている、項9に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0137】
項11.前記パター型ゴルフクラブヘッドは、ライ角調整処理中にユーザを視覚的に補助するための、複数のマークを含む、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0138】
項12.前記パター型ゴルフクラブヘッドは、ロフト角調整処理中にユーザを視覚的に補助するための、複数のマークを含む、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0139】
項13.前記第1のロフトアーム端部は、複数の円錐形凹部を形成する、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0140】
項14.前記第1のホーゼルアーム端部は、複数のねじ式開口部を形成する、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0141】
項15.少なくとも2つのばねプランジャは、前記第1のホーゼルアーム端部の少なくとも2つの前記ねじ式受け入れ開口部内に受け入れられるように構成されている、項14に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0142】
項16.少なくとも1つのばねプランジャは、前記ロフトアームの前記複数の円錐形凹部のうちの1つの内部に常に受け入れられるように構成されており、前記少なくとも1つのばねプランジャのうちの他の1つは、前記ロフトアームの前記複数の円錐形凹部の間の空間内に常にあるように構成されている、項15に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0143】
項17.前記ロフト角の調整は、前記少なくとも1つのばねプランジャが複数の円錐形凹部のいずれに収容されるかを再配置可能に調整する、項16に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0144】
項18.前記ライ角の調整は、前記少なくとも1つのばねプランジャが複数の円錐形凹部のいずれに収容されるかを再配置可能に調整する、項8に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0145】
項19.前記パター型ゴルフクラブヘッドは、ブレード型パターに構造的に類似するように構成されている、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0146】
項20.前記パターの前記ロフト角は7度未満である、項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。