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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/2338 20110101AFI20240913BHJP
B60R 21/207 20060101ALI20240913BHJP
B60N 2/42 20060101ALI20240913BHJP
【ＦＩ】
B60R21/2338
B60R21/207
B60N2/42
【請求項の数】
12
(21)【出願番号】P 2023514522
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2022011207
(87)【国際公開番号】W WO2022219983
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2021069707
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110003155
【氏名又は名称】弁理士法人バリュープラス
(72)【発明者】
【氏名】清水 貴之
(72)【発明者】
【氏名】中島 敦
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽介
(72)【発明者】
【氏名】別府 義則
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第２０２１／０６５３０４（ＷＯ，Ａ１）
【文献】国際公開第２０２１／０５９７６６（ＷＯ，Ａ１）
【文献】国際公開第２０２１／０３３４３３（ＷＯ，Ａ１）
【文献】特開２０２１－０２４５５８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２０－１６４１３１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２０－１６４１２９（ＪＰ，Ａ）
【文献】欧州特許出願公開第３５８１４４１（ＥＰ，Ａ１）
【文献】特開２０１９－０１８５９３（ＪＰ，Ａ）
【文献】米国特許出願公開第２０１８／０１９４３１７（ＵＳ，Ａ１）
【文献】特表２０２０－５０１９７１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１６－２０３９４５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１３－２２０７１４（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００９－１５４８１２（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ６０Ｒ ２１／１６ － ２１／３３
Ｂ６０Ｎ ２／４２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の座席に着座した乗員の一方の側部を覆うように前方に膨張展開する第１サイドクッションと、前記乗員の他方の側部を覆うように前方に膨張展開する第２サイドクッションと、
前記第１サイドクッション及び第２サイドクッションを膨張させるガスを噴射する、少なくとも１つのインフレータと、
前記第１サイドクッションと前記第２サイドクッションとを連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記各サイドクッションの膨張展開が完了した膨張完了状態において前記座席の座面の上方における前記座席と前記乗員との間の背面側領域を通る状態となるように展開し、前記乗員により押しとどめられることで前記各サイドクッションを内側に引き寄せる、エアバッグ装置。
【請求項2】
前記膨張完了状態において、前記連結部は、前記第１サイドクッションの前部と前記第２サイドクッションの前部とを連結する、請求項１に記載のエアバッグ装置。【請求項3】
前記膨張完了状態において、前記第１サイドクッションにおける前記連結部の連結箇所、及び、前記第２サイドクッションにおける前記連結部の連結箇所はともに、前後方向において前記乗員の胴部よりも前側に位置している、請求項２に記載のエアバッグ装置。【請求項4】
前記膨張完了状態において、前記背面側領域では、前記連結部が前記乗員の腰部から肩部までの高さ範囲に位置している、請求項１乃至３の何れか１つに記載のエアバッグ装置。【請求項5】
前記膨張完了状態において前記第１サイドクッションの後部と前記第２サイドクッションの後部とを接続するクッション接続部をさらに備え、前記第１サイドクッション、前記第２サイドクッション、及び、前記クッション接続部は、互いに一体化されることで、１つのエアバッグを構成し、
前記連結部は、前記エアバッグのうち前記膨張完了状態で下側となる側に重ねられた状態で、前記エアバッグとともに折り畳まれて前記座席に収納される、請求項１乃至４の何れか１つに記載のエアバッグ装置。
【請求項6】
前記膨張完了状態において前記第１サイドクッションの後部と前記第２サイドクッションの後部とを接続するクッション接続部をさらに備え、前記連結部は、前記第１サイドクッションの前部と前記クッション接続部又は第２サイドクッションの後部とを連結する、請求項１に記載のエアバッグ装置。
【請求項7】
前記第１サイドクッションは、前記乗員の頭部の一方の側方を覆うように膨張展開する第１頭部用クッション部を有し、前記第２サイドクッションは、前記乗員の頭部の他方の側方を覆うように膨張展開する第２頭部用クッション部を有し、
前記連結部は、前記第１頭部用クッション部の上部と前記第２頭部用クッション部の上部とを連結する、請求項１に記載のエアバッグ装置。
【請求項8】
前記連結部は、前記膨張完了状態において、前記乗員の一方の側部の側から前記他方の側部の側に亘って前記背面側領域を通る、請求項１乃至７の何れか１つに記載のエアバッグ装置。【請求項9】
前記連結部は、前記膨張完了状態において、前記座席の内部を部分的に通る、請求項１乃至４の何れか１つに記載のエアバッグ装置。【請求項10】
前記連結部は、一端部が前記第１サイドクッションに連結されて他端部が前記座席に連結された第１部材と、一端部が前記第２サイドクッションに連結されて他端部が前記座席に連結された第２部材とを有し、前記座席を介して前記第１サイドクッションと前記第２サイドクッションを連結する、請求項１乃至４の何れか１つに記載のエアバッグ装置。【請求項11】
前記第１サイドクッション及び第２サイドクッションに連通するようにそれぞれの前部に取り付けられ、前記膨張完了状態で前記乗員を前方から覆う前方保護用クッション部をさらに備え、前記連結部は、前記第１サイドクッション側の前方保護用クッション部の前部と前記第２サイドクッション側の前方保護用クッション部の前部とを連結する、請求項１に記載のエアバッグ装置。
【請求項12】
前記第１サイドクッションと前記第２サイドクッションとに跨るように設けられ、前記膨張完了状態で前記第１サイドクッション及び第２サイドクッションを外側から拘束する第１ベルト及び第２ベルトを備え、前記第１ベルトと前記第２ベルトの結合部が前記座席に固定されている、請求項１１に記載のエアバッグ装置。【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員の側部等を保護するエアバッグ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の側面衝突や横転時に乗員を保護するためのエアバッグ装置が知られている。この種のエアバッグ装置では、座席に着座した乗員の側部を覆うように、エアバッグが膨張展開する。
【0003】
特許文献１には、この種のエアバッグ装置として、乗員に対してニアサイドからの衝撃に対してもファーサイドからの衝撃に対しても保護することができる乗員拘束装置が記載されている。この乗員拘束装置は、ニアサイドからの衝撃に対して乗員を保護するエアバッグと、ファーサイドからの衝撃に対して乗員を保護する上胴部拘束部材とを備えている。上胴部拘束部材は、乗員の肩部又は胸部に車両前側から当接して、乗員を座席に拘束する。特許文献１の図６には、上胴部拘束部材としてエアバッグを用いる形態が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開２０１８－１３５０１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献１に記載のエアバッグ装置では、ニアサイド側のエアバッグが乗員の胴部の側部を覆うように膨張展開し、ファーサイド側のエアバッグが乗員の肩部の上側を通って胸部の前側まで膨張展開する。ニアサイド側のエアバッグは、乗員から少し離れた位置にある（特許文献１の図１参照）。従来のエアバッグ装置は、乗員の両側方で乗員を早期に拘束できるものではない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車両の側面衝突時などに乗員の両側方で乗員を早期に拘束することができるエアバッグ装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るエアバッグ装置は、車両の座席に着座した乗員の一方の側部を覆うように前方に膨張展開する第１サイドクッションと、乗員の他方の側部を覆うように前方に膨張展開する第２サイドクッションと、第１サイドクッション及び第２サイドクッションを膨張させるガスを噴射する、少なくとも１つのインフレータと、第１サイドクッションと第２サイドクッションとを連結する連結部とを備えている。連結部は、各サイドクッションの膨張展開が完了した膨張完了状態において座席の座面の上方における座席と乗員との間の背面側領域を通る状態となるように展開し、乗員により押しとどめられることで各サイドクッションを内側に引き寄せる。
【0008】
本発明は、膨張完了状態において、連結部は、第１サイドクッションの前部と第２サイドクッションの前部とを連結するようにしてもよい。
【0009】
本発明は、膨張完了状態において、第１サイドクッションにおける連結部の連結箇所、及び、第２サイドクッションにおける連結部の連結箇所はともに、前後方向において乗員の胴部よりも前側に位置するようにしてもよい。
【0010】
本発明は、膨張完了状態において、背面側領域では、連結部が乗員の腰部から肩部までの高さ範囲に位置するようにしてもよい。
【0011】
本発明は、膨張完了状態において第１サイドクッションの後部と第２サイドクッションの後部とを接続するクッション接続部をさらに備え、第１サイドクッション、第２サイドクッション、及び、クッション接続部は、互いに一体化されることで、１つのエアバッグを構成し、連結部は、エアバッグのうち膨張完了状態で下側となる側に重ねられた状態で、エアバッグとともに折り畳まれて座席に収納されるようにしてもよい。
【0012】
本発明は、膨張完了状態において第１サイドクッションの後部と第２サイドクッションの後部とを接続するクッション接続部をさらに備え、連結部は、第１サイドクッションの前部とクッション接続部又は第２サイドクッションの後部とを連結するようにしてもよい。
【0013】
本発明は、第１サイドクッションは、乗員の頭部の一方の側方を覆うように膨張展開する第１頭部用クッション部を有し、第２サイドクッションは、乗員の頭部の他方の側方を覆うように膨張展開する第２頭部用クッション部を有し、連結部は、第１頭部用クッション部の上部と第２頭部用クッション部の上部とを連結するようにしてもよい。
【0014】
本発明は、連結部は、膨張完了状態において、乗員の一方の側部の側から他方の側部の側に亘って背面側領域を通るようにしてもよい。
【0015】
本発明は、連結部は、膨張完了状態において、座席の内部を部分的に通るようにしてもよい。
【0016】
本発明は、連結部は、一端部が第１サイドクッションに連結されて他端部が座席に連結された第１部材と、一端部が第２サイドクッションに連結されて他端部が座席に連結された第２部材とを有し、座席を介して第１サイドクッションと第２サイドクッションを連結するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、車両の衝突が生じると、乗員の両側方でサイドクッションが膨張展開する。また、両側方のサイドクッション同士を連結する連結部は、膨張完了状態において座席の座面の上方における座席と乗員との間の背面側領域を通る状態となるように展開する。連結部は、乗員により押しとどめられることで、各サイドクッションを内側に引き寄せる。これにより、各サイドクッションは乗員に近づく。本発明によれば、車両の側面衝突時などに乗員の両側方で乗員を早期に拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図4】図４は、実施形態１に係るエアバッグの効果を説明するために座席を上方から見た模式図であり、図４（ａ）及び（ｂ）は、連結部材を設けない場合の図であり、図４（ｃ）及び（ｄ）は、連結部材を設けた場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0020】
また、本明細書において、「上」、「上側」とは座席１の正規の位置に着座した乗員５の頭部方向を、「下」、「下側」とは乗員５の足元方向を意味する場合がある。ここで、「正規の位置」とは、座席１におけるシートクッション２の左右方向の中心位置で、背もたれ部３に乗員５の背中が上下に亘って接する位置をいう。また、「前」、「前側」とは座席１の正規の位置に着座した乗員５の正面方向を、「後」、「後側」とは乗員５の背面方向を意味する場合がある。また、「左」、「左側」とは座席１の正規の位置に着座した乗員５の左手方向を、「右」、「右側」とは乗員５の右手方向を意味する場合がある。また、乗員５は、ＷｏｒｌｄＳＩＤ（国際統一側面衝突ダミー：World Side Impact Dummy）のＡＭ５０（米国人成人男性の５０パーセンタイル）を想定したものである。
【0021】
＜実施形態１＞
本実施形態は、車両の座席１の両サイドに設けられる第１サイドクッション２１及び第２サイドクッション２２が１つのエアバッグ１１に集約されたエアバッグ装置１０である。エアバッグ装置１０は、各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せるための連結部材２６を備えている。以下では、エアバッグ装置１０について説明を行う前に、エアバッグ装置１０が搭載される座席１について説明を行う。
本実施形態は、車両の座席１の両サイドに設けられる第１サイドクッション２１及び第２サイドクッション２２が１つのエアバッグ１１に集約されたエアバッグ装置１０である。エアバッグ装置１０は、各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せるための連結部材２６を備えている。以下では、エアバッグ装置１０について説明を行う前に、エアバッグ装置１０が搭載される座席１について説明を行う。
【0022】
［座席の概略構成について］
座席１は、図１Ａ～図１Ｃに示すように、シートクッション２と、背もたれ部３とを備えている。シートクッション２には、シートフレームの一部を構成するシートパン（図示省略）が内蔵され、背もたれ部３には、シートフレームの一部を構成するシートバックフレーム３ａが内蔵されている（図３参照）。背もたれ部３の上端部には、棒状の支持部材６を介して、ヘッドレスト４が取り付けられている。なお、座席１は、背もたれ部３とヘッドレスト４とが一体形成されたものであってもよい。また、以下では、座席１用のドアに近い側を「ニアサイド」、座席１用のドアから遠い側を「ファーサイド」と言う場合がある。
座席１は、図１Ａ～図１Ｃに示すように、シートクッション２と、背もたれ部３とを備えている。シートクッション２には、シートフレームの一部を構成するシートパン（図示省略）が内蔵され、背もたれ部３には、シートフレームの一部を構成するシートバックフレーム３ａが内蔵されている（図３参照）。背もたれ部３の上端部には、棒状の支持部材６を介して、ヘッドレスト４が取り付けられている。なお、座席１は、背もたれ部３とヘッドレスト４とが一体形成されたものであってもよい。また、以下では、座席１用のドアに近い側を「ニアサイド」、座席１用のドアから遠い側を「ファーサイド」と言う場合がある。
【0023】
［エアバッグ装置の構成について］
エアバッグ装置１０は、エアバッグ１１と、インフレータ１２（図１Ｃ参照）とを備えている。エアバッグ１１は、布製の袋体である。インフレータ１２は、エアバッグ１１を膨張させるガスを噴射する装置である。以下では、左右に隣り合う運転席又は助手席に設けられるエアバッグ装置１０を例にして説明を行う。
エアバッグ装置１０は、エアバッグ１１と、インフレータ１２（図１Ｃ参照）とを備えている。エアバッグ１１は、布製の袋体である。インフレータ１２は、エアバッグ１１を膨張させるガスを噴射する装置である。以下では、左右に隣り合う運転席又は助手席に設けられるエアバッグ装置１０を例にして説明を行う。
【0024】
［膨張完了状態のエアバッグについて］
まず、膨張展開が完了した状態（以下、「膨張完了状態」と言う。）のエアバッグ１１について、図１を参照しながら説明を行う。なお、膨張完了状態のエアバッグ１１の説明では、乗員５は正規の位置に着座しているものとしている。
まず、膨張展開が完了した状態（以下、「膨張完了状態」と言う。）のエアバッグ１１について、図１を参照しながら説明を行う。なお、膨張完了状態のエアバッグ１１の説明では、乗員５は正規の位置に着座しているものとしている。
【0025】
エアバッグ１１は、図１Ａに示すように、乗員５の一方の側部を覆うように前方に膨張展開する第１サイドクッション２１と、乗員５の他方の側部を覆うように前方に膨張展開する第２サイドクッション２２と、第１サイドクッション２１と第２サイドクッション２２とを接続するクッション接続部２４とを備えている。クッション接続部２４は、エアバッグ１１の膨張展開中に、内部をガスが流通可能な管状のダクトとして機能する。
【0026】
第１サイドクッション２１は、座席１のファーサイドに設けられている。第１サイドクッション２１は、後端部が座席１のファーサイドに固定されている。第１サイドクッション２１は、座席１への固定箇所から前方に延びている（図１Ｃ参照）。第１サイドクッション２１は、乗員５の頭部における一方の側部を覆うように膨張展開する第１頭部用クッション部３１と、乗員５の胴部５ａ（肩部）における一方の側部を覆うように膨張展開する第１胴部用クッション部４１とを備えている。第１頭部用クッション部３１は、第１胴部用クッション部４１の前側部分から、後ろ向きの斜め上方に立設されている。
【0027】
第２サイドクッション２２は、座席１のニアサイドに設けられている。第２サイドクッション２２は、後端部が座席１のニアサイドに固定されている。第２サイドクッション２２は、座席１への固定箇所から前方に延びている（図１Ｃ参照）。第２サイドクッション２２は、乗員５の頭部における他方の側部を覆うように膨張展開する第２頭部用クッション部３２と、乗員５の胴部５ａ（肩部から腹部）における他方の側部を覆うように膨張展開する第２胴部用クッション部４２とを備えている。第２頭部用クッション部３２は、第２胴部用クッション部４２の前側部分から、後ろ向きの斜め上方に立設されている。
【0028】
クッション接続部２４は、第１サイドクッション２１の後部と第２サイドクッション２２の後部とを接続する。クッション接続部２４は、図１Ｂに示すように、背もたれ部３の上端面に沿って座席１の幅方向に延びている。クッション接続部２４の一端は第１サイドクッション２１内に開口し、クッション接続部２４の他端は第２サイドクッション２２内に開口している。
【0029】
クッション接続部２４の上下方向の高さ位置について、クッション接続部２４は、座席１の上部の高さ範囲に位置している。ここで、「座席１の上部の高さ範囲」とは、上下方向における背もたれ部３の真ん中よりも上側の範囲を言う。本実施形態では、クッション接続部２４が、背もたれ部３とヘッドレスト４との間に形成された隙間と同じ高さに位置している。クッション接続部２４は、背もたれ部３の上端部からヘッドレスト４の下端部までの範囲を覆う程度の太さを有する。
【0030】
また、クッション接続部２４の前後方向の位置について、クッション接続部２４は、背もたれ部３とヘッドレスト４との隙間における前側領域に位置している。なお、クッション接続部２４は、図１Ｃに示す位置よりもさらに前側に位置していてもよいし、背もたれ部３とヘッドレスト４との隙間における後側領域に位置していてもよい。また、クッション接続部２４に支持部材６を貫通させて、クッション接続部２４が、この隙間における前側領域と後側領域に跨るように設けてもよい。この場合、支持部材６を貫通させる貫通孔は、その縁部を縫製等することによりダクトの流路とは区画される。
【0031】
エアバッグ装置１０は、図１Ｂ等に示すように、第１サイドクッション２１と第２サイドクッション２２とを連結する連結部として、連結部材２６をさらに備えている。連結部材２６は、紐状又は細い帯状の部材（例えば、テザー）である。なお、連結部材２６には、エアバッグ１１に連続する基布、又は、エアバッグ１１に連結された布材（基布と同一材料）を用いることもできる。連結部材２６には、例えば非伸縮性の素材を好適に用いることができるが、伸縮性の素材を用いることもできる。
【0032】
連結部材２６の一端部２６ａは、第１サイドクッション２１の前部（例えば、前端又はその近傍）に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、第２サイドクッション２２の前部（例えば、前端又はその近傍）に固定されている。ここで、各サイドクッション２１，２２の「前部」とは、前後方向における各サイドクッション２１，２２の真ん中よりも前側部分を言う。なお、本実施形態では、一端部２６ａ及び他端部２６ｂの各々が、頭部用クッション部３１，３２に固定されるが、胴部用クッション部４１，４２に固定されるようにしてもよい。
【0033】
連結部材２６は、座席１の座面（シートクッション２の上面）の上方における座席１と乗員５との間の背面側領域３０を通る状態（本実施形態では、背もたれ部３と乗員５の胴部５ａとの間を通る状態）となるように展開する（図４（ｄ）参照）。背面側領域３０では、連結部材２６が、乗員５の腰部から肩部までの高さ範囲（例えば、肩部の高さ範囲）に位置している。具体的に、連結部材２６の一端側は、第１サイドクッション２１の内面と乗員５の一方の側部の間を通り、背もたれ部３と乗員５の胴部５ａの間に至る。連結部材２６の他端側は、第２サイドクッション２１の内面と乗員５の他方の側部の間を通り、背もたれ部３と乗員５の胴部５ａの間に至る。連結部材２６の中央部は、乗員５のファーサイド側からニアサイド側に亘って、背面側領域３０を通る。なお、エアバッグ１１の膨張展開に伴って、連結部材２６は、その一部が背面側領域３０を通る状態になればよく、連結部材２６の中央部の一部又は全部が、座席３内（例えば、背もたれ部３のクッション材と、そのクッション材を覆うカバー（表皮材）との間）に留まるようにしてもよい。
【0034】
ここで、連結部材２６は、乗員５が不在の状態でエアバッグ１１が膨張展開する場合、一端部２６ａと他端部２６ｂとの間が座席１の幅方向に張られた状態となる（図４（ｃ）参照）。一方、連結部材２６は、乗員５が着座している状態でエアバッグ１１が膨張展開する場合、背面側領域３０を通るため、座席１の幅方向に張られた状態にはならず、乗員５の胴部５ａの背面等により後側に押しとどめられた状態（連結部材２６が乗員５に取り付いた状態）となる。これにより、連結部材２６の一端側が、内側斜め後方に第１サイドクッション２１を引っ張る。また、連結部材２６の他端側も、内側斜め後方に第２サイドクッション２２を引っ張る。なお、各サイドクッション２１，２２における連結部材２６の固定箇所２１ａ，２２ａは、引張力が作用しており、固定箇所２１ａ，２２ａの周辺が少し窪んだ状態となる（図１Ａ等参照）。
【0035】
連結部材２６の長さは、背面側領域３０を通る分、第１サイドクッション２１における連結部材２６の固定箇所（連結箇所）２１ａから、第２サイドクッション２２における連結部材２６の固定箇所（連結箇所）２２ａまでの直線距離よりも長い。
【0036】
［平置き状態のエアバッグについて］
次に、未膨張のエアバッグ１１を広げて平坦面に平置きした状態（以下、「平置き状態」と言う。）におけるエアバッグ１１の構成について、図２を参照しながら説明を行う。
次に、未膨張のエアバッグ１１を広げて平坦面に平置きした状態（以下、「平置き状態」と言う。）におけるエアバッグ１１の構成について、図２を参照しながら説明を行う。
【0037】
エアバッグ１１は、同じ形状で同じ大きさの２枚の基布を重ねた状態で、外周部など所定の箇所を縫製することにより構成された袋体である。図２では、太線の破線により縫製箇所を表す。エアバッグ１１は、図２に示すように、横長の略長方形状を呈する。平置き状態のエアバッグ１１では、エアバッグ１１の長手方向を「左右方向」、短手方向を「前後方向」と言い、その前後方向において、各サイドクッション２１，２２が座席１に固定される側（図２において上側）を「後側」、その反対側を「前側」と言う。エアバッグ１１は、図２の上側が膨張完了状態でも後側となる。また、図２において紙面上側を「表側」、紙面下側を「裏側」と言う。各サイドクッション２１，２２は、紙面上側が膨張完了状態で外側となり、紙面下側が膨張完了状態で内側（乗員５側）となり、クッション接続部２４は、紙面上側が膨張完了状態でも上側となり、紙面下側が膨張完了状態でも下側となる。
【0038】
エアバッグ１１は、左右方向に延びるクッション接続部２４と、クッション接続部２４の一端に接続された第１サイドクッション２１と、クッション接続部２４の他端に接続された第２サイドクッション２２とを備えている。また、エアバッグ１１の裏側には、第１サイドクッション２１及び第２サイドクッション２２同士を連結する連結部材２６が配置されている。
【0039】
クッション接続部２４は、横長の略長方形状を呈する。クッション接続部２４は、エアバッグ１１の後側に設けられている。クッション接続部２４の前端（図２において、横スリット３５の位置）は、第１サイドクッション２１及び第２サイドクッション２２の各々の前端より後側に位置している。クッション接続部２４の前後方向の寸法（太さ）は、各サイドクッション２１，２２の前後方向の寸法の半分以下である。
【0040】
第１サイドクッション２１は、左右方向においてクッション接続部２４の外側に位置する第１胴部用クッション部４１と、クッション接続部２４の前側に位置する第１頭部用クッション部３１とを有する。第１胴部用クッション部４１は、クッション接続部２４の前端よりも前側に延び出ている。第１頭部用クッション部３１は、第１胴部用クッション部４１のうち前側に延び出た部分から、左右方向の内側（図２において右側）に延びている。
【0041】
第１頭部用クッション部３１は、略長方形状を呈する。第１頭部用クッション部３１は、上述の横スリット３５を介して、クッション接続部２４に隣り合う。また、第１胴部用クッション部４１は、やや縦長の略長方形状を呈する。第１胴部用クッション部４１は、乗員５の肩部の側部を保護するための部分である。なお、本明細書において「長方形」は正方形を含む。
【0042】
第２サイドクッション２２は、左右方向においてクッション接続部２４の外側に位置する第２胴部用クッション部４２と、クッション接続部２４の前側に位置する第２頭部用クッション部３２とを有する。第２胴部用クッション部４２は、クッション接続部２４の前端よりも前側に延び出ている。第２頭部用クッション部３２は、第２胴部用クッション部４２のうち前側に延び出た部分から、左右方向の内側（図２において左側）に延びている。
【0043】
第２頭部用クッション部３２は、略長方形状を呈する。第２頭部用クッション部３２は、左右方向に延びる横スリット３５を介して、クッション接続部２４に隣り合う。また、第２胴部用クッション部４２は、横長の略長方形状を呈する。厳密には、第２胴部用クッション部４２は、左右方向における外側部分で、前後方向の寸法が外端に近づくに従って徐々に短くなっている。第２胴部用クッション部４２におけるクッション接続部２４側の部分は、乗員５の肩部の側部を保護するための上側クッション部４２ａを構成している。第２胴部用クッション部４２におけるクッション接続部２４とは反対側の部分は、乗員５の胸部及び腹部の側部を保護するための下側クッション部４２ｂを構成している。
【0044】
第２胴部用クッション部４２の後側には、インフレータ１２の収納部４５が形成されている。収納部４５内には、ガスガイド１８が設けられている。ガスガイド１８は、インフレータ１２から噴射されるガスの出口として、上側クッション部４２ａに開口する第１出口１８ａと、下側クッション部４２ｂに開口する第２出口１８ｂを有する。本実施形態では、ニアサイドの衝突時に、衝突から乗員５を保護するまでに時間の猶予の少ない第２胴部用クッション部４２を、他のクッション部に先んじて膨張展開させることができる。
【0045】
第１頭部用クッション部３１と第２頭部用クッション部３２とは、前後方向に延びる縦スリット３６を介して、互いの先端が隣り合う。第１頭部用クッション部３１と第２頭部用クッション部３２は、縦スリット３６を挟んで左右対称に形成されている。縦スリット３６は、エアバッグ１１の前端から前後方向に延びる切れ込みであり、後側で横スリット３５の中心位置に繋がる。横スリット３５は、縦スリット３６の後ろ端の位置から、左右にそれぞれ延びている。横スリット３５及び縦スリット３６を合わせると、略Ｔ字状の切れ込みとなる。なお、本実施形態では、各スリット３５，３６が、隙間がほとんどない切れ込みであるが、ある程度の隙間がある切れ込みであってもよい。
【0046】
図２に示すように、連結部材２６の一端部２６ａは、縫い付け等により、第１頭部用クッション部３１の前端部に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、縫い付け等により、第２頭部用クッション部３２の前端部に固定されている。連結部材２６は、１箇所で鋭角に折り曲げた状態でエアバッグ１１の裏側に重ねられている。連結部材２６は、一端部２６ａから右側斜め上に真っすぐ延び、クッション接続部２４の裏側の折り曲げ箇所２６ｃに至る。そして、その折り曲げ箇所２６ｃから右側斜め下に真っすぐ延びて、他端部２６ｂに至る。連結部材２６は左右対称に設けられている。なお、連結部材２６は、２箇所以上で折り曲げた状態でエアバッグ１１に重ねられていてもよい。
【0047】
エアバッグ１１には、座席１のシートバックフレーム３ａにエアバッグ１１を固定するための固定部として、タブ１６が設けられている。タブ１６は、エアバッグ１１の外周部のうち後側部分に取り付けられている。本実施形態では、タブ１６が、第１サイドクッション２１の外端部（図２において左端部）に設けられている。なお、エアバッグ１１におけるタブ１６の設置位置及び設置個数は、本実施形態に限定されない。
【0048】
［座席内におけるエアバッグ等の収納状態について］
続いて、座席１内にエアバッグ１１が収納されている収納状態について、図３を参照しながら説明を行う。
続いて、座席１内にエアバッグ１１が収納されている収納状態について、図３を参照しながら説明を行う。
【0049】
エアバッグ１１は、平置き状態における前後方向の寸法が短くなるように折り畳むことにより、座席１に収納される時の収納形態となる。連結部材２６は、エアバッグ１１と共に折り畳まれる。エアバッグ１１の折り畳み方法としては、例えば、前側から後側に向かってロール状に巻く方法を採用することができる。なお、エアバッグ１１の折り畳み方法は、蛇腹状に折り畳む方法など他の方法を採用してもよい。
【0050】
収納形態のエアバッグ１１は、図３に示すように、シートバックフレーム３ａに沿って折り曲げられた状態で座席１に収納される。クッション接続部２４及び連結部材２６は背もたれ部３の上端部に収納され、第１サイドクッション２１は座席１のファーサイドに収納され、第２サイドクッション２２は座席１のニアサイドに収納される。
【0051】
座席１に収納された収納状態のエアバッグ１１は、タブ１６と、インフレータ１２の収納部４５との２箇所で、座席１のシートバックフレーム３ａに固定される。具体的に、タブ１６により、第１胴部用クッション部４１がシートバックフレーム３ａに固定される。また、収納部４５には、インフレータ１２から突出するスタッドボルトの挿通孔が形成されている（図示省略）。インフレータ１２がスタッドボルトによりシートバックフレーム３ａに固定されることで、挿通孔にスタッドボルトが通された収納部４５も、シートバックフレーム３ａに固定される。
【0052】
［エアバッグ装置の動作］
続いて、エアバッグ装置１０の動作について説明を行う。
続いて、エアバッグ装置１０の動作について説明を行う。
【0053】
衝突や横転などによって車両に衝撃が加わると、センサーからの信号を受けたインフレータ１２が、第２サイドクッション２２内にガスを噴射する。これにより、第２サイドクッション２２が膨張展開する。また、第２サイドクッション２２に噴射されたガスの一部は、クッション接続部２４を通じて第１サイドクッション２１に供給される。これにより、第１サイドクッション２１が膨張展開する。本実施形態では、１つのインフレータ１２により両サイドクッション２１，２２が膨張完了状態となる。
【0054】
ここで、車両の側面衝突が生じると、衝突初期は、慣性力により乗員５が衝突発生側に移動し、その後、衝突の衝撃力により、その反対側に移動する。具体的に、ファーサイドの側面衝突の場合、衝突初期に、乗員５は、第１サイドクッション２１に衝突する。そして、この衝突に伴って、第１サイドクッション２１と共に、クッション接続部２４を介して接続された第２サイドクッション２２もファーサイド側に移動する。その後、乗員５が衝突初期とは反対側に移動する時、乗員５は第２サイドクッション２２に衝突する。一方、ニアサイドの側面衝突の場合、衝突初期に、乗員５が第２サイドクッション２２に衝突し、第２サイドクッション２２及び第１サイドクッション２１がニアサイド側に移動する。その後、乗員５が衝突初期とは反対側に移動する時、乗員５は第１サイドクッション２１に衝突する。
【0055】
［実施形態１の効果等］
本実施形態では、衝突初期に、衝突発生側の一方のサイドクッション２１，２２が、乗員５の衝突荷重を受けて外側に移動するものの、クッション接続部２４によりある程度引き止められ、座席１の外側方向への移動量が抑制される。乗員５は、衝突発生側で早期に拘束される。また、一方のサイドクッション２１，２２の外側方向への移動に伴って、他方のサイドクッション２１，２２は、クッション接続部２４を介して横方向に引っ張られて乗員５側に移動する。そのため、衝突発生側とは反対側に移動する乗員５が他方のサイドクッション２１，２２に衝突するまでの移動距離は短くなる。衝突発生側とは反対側でも、乗員５は早期に拘束される。このように、各サイドクッション２１，２２は、側面衝突に対して優れた拘束性能を発揮する。
本実施形態では、衝突初期に、衝突発生側の一方のサイドクッション２１，２２が、乗員５の衝突荷重を受けて外側に移動するものの、クッション接続部２４によりある程度引き止められ、座席１の外側方向への移動量が抑制される。乗員５は、衝突発生側で早期に拘束される。また、一方のサイドクッション２１，２２の外側方向への移動に伴って、他方のサイドクッション２１，２２は、クッション接続部２４を介して横方向に引っ張られて乗員５側に移動する。そのため、衝突発生側とは反対側に移動する乗員５が他方のサイドクッション２１，２２に衝突するまでの移動距離は短くなる。衝突発生側とは反対側でも、乗員５は早期に拘束される。このように、各サイドクッション２１，２２は、側面衝突に対して優れた拘束性能を発揮する。
【0056】
本実施形態では、衝突初期に乗員５がサイドクッション２１，２２に衝突する高さ範囲（肩部の高さ範囲）の近傍に、クッション接続部２４が位置する。そのため、クッション接続部２４を介して横方向の荷重が伝わりやすい。両サイドクッション２１，２２の挙動の一体性に優れており、側面衝突に対して優れた拘束性能を発揮する。
【0057】
なお、車両が横転する場合、車両の回転に応じて乗員５は左右に移動する。この場合においても、エアバッグ装置１０は、両サイドのサイドクッション２１，２２が一体的に挙動するため、乗員５を早期に拘束することができる。
【0058】
本実施形態では、第１サイドクッション２１と第２サイドクッション２２を連結する連結部材２６が、エアバッグ１１の膨張展開に伴って、図４（ｄ）に示すように、上述の背面側領域３０を通る状態となるように展開する。そのため、連結部材２６が、乗員５により押しとどめられることで、各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せる。特に、本実施形態では、連結部材２６が、乗員５の胴部５ａにより押しとどめられることで、各サイドクッション２１，２２を大きく引き寄せる。
【0059】
ここで、各サイドクッション２１，２２は、連結部材２６を設けない場合、図４（ａ）及び図４（ｂ）に示すように、背もたれ部３の各側部から斜め外方向（矢印の方向）に膨張展開する。この場合、各サイドクッション２１，２２の前部は、乗員５から離れてしまう。それに対し、本実施形態では、連結部材２６により、図４（ｄ）に示すように、各サイドクッション２１，２２が内側に引き寄せられる。従って、各サイドクッション２１，２２が乗員５に近づき、乗員５に対する各サイドクッション２１，２２の密着度（接触面積）が増大する。本実施形態によれば、乗員５の両側方で乗員をさらに早期に拘束することができる。
【0060】
特に、本実施形態では、膨張完了状態において、連結部材２６が、第１サイドクッション２１の前部と第２サイドクッション２２の前部とを連結する。各サイドクッション２１，２２における連結部材２６の連結箇所２１ａ，２２ａはともに、前後方向において乗員５の胴部５ａ及び頭部よりも前側に位置している。そのため、各サイドクッション２１，２２は、乗員５の胴部５ａ及び頭部を斜め前側から覆うように引き寄せられる。従って、乗員５の斜め前方での衝突により乗員５が斜め前に移動する場合においても、優れた拘束性能を発揮する。
【0061】
本実施形態では、連結部材２６が、膨張完了状態において、乗員５の一方の側部の側から他方の側部の側に亘って背面側領域３０を通るため、連結部材２６のうち乗員５に押しとどめられる範囲が長くなる。そのため、乗員５の着座位置及び姿勢に拘わらず、各サイドクッション２１，２２を内側に確実に引き寄せることができる。
【0062】
本実施形態では、連結部材２６が、クッション接続部２４のうち膨張完了状態で下側となる側（図２において裏側）に重ねられた状態で折り畳まれて、座席１に収納されている。そのため、エアバック１１の膨張展開時に、連結部材２６が下方に押し出されるため、連結部材２６が確実に背面側領域３０を通る状態となって各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せることができる。
【0063】
ところで、従来のエアバック構成としては、側面衝突に対して乗員を保護するために、ニアサイド衝突時に乗員の頭部を保護するカーテンエアバッグ、ニアサイド衝突時に乗員の胴部を保護するニアサイドエアバッグ、及び、ファーサイド衝突時に頭部を保護するファーサイドエアバッグをそれぞれ設ける場合がある。一方、今後、自動運転に対応できるエアバッグ装置が求められるようになる。自動運転では、乗員が座席の背もたれ部を後方に倒して安楽姿勢をとったり、乗員が座席の向きを車両の前方と後方で切り替えたりすることが想定される。しかし、上述の従来のエアバッグの構成で、自動運転に対応できるようにするためには、各エアバッグの保護範囲を拡張する必要があり、コスト面及び意匠面で課題が生じる。
【0064】
それに対し、本実施形態では、乗員５を早期に拘束できるため、各サイドクッション２１，２２のサイズを小型化でき、またインフレータ１２も小型化できるため、エアバッグ装置１０のパッケージ性を向上させることができる。さらに、各サイドクッション２１，２２の小型化により意匠性が良好なエアバッグ１１を構成することができる。また、第２サイドクッション２２が乗員５の頭部から腹部までを保護範囲としているため、カーテンエアバッグを省略することができる。これにより、車両のルーフにエアバッグを搭載する必要がなくなり、車両レイアウトの自由度が向上する。さらに、座席１の両サイドに別々のサイドクッションを設ける場合に比べて、コスト及び重量を低減させることも可能である。
【0065】
また、乗員５の胴部５ａに、シートベルトが、ニアサイド側からファーサイド側に斜め下向きに掛け渡される場合、膨張完了状態では、第２サイドクッション２２が、シートベルトと乗員５の間に介在する。そのため、ニアサイド側のサイドクッション２２の反力面について、上述の従来のエアバッグの構成では車両トリムであったところが、シートベルトになる。従って、ニアサイド側で乗員５を早期に拘束することができる。
【0066】
なお、エアバッグ装置１０は、車両のフロントシートとリアシートの何れにも設置することができるし、１人乗りの車両の座席にも設置することができる。また、エアバッグ装置１０は、車両レイアウトに依存したものとはならないため、エアバッグ装置１０の一部又は全部について、複数車種に適用できるようにモジュール化が可能である。
【0067】
［実施形態１の第１変形例］
本変形例では、連結部材２６が、膨張完了状態において、図５（ａ）に示すように、座席５の内部を部分的に通る。なお、図５（ａ）では、背もたれ部３についてクッションの記載を省略して内部構造を記載している。この点は、図５（ｂ）も同様である。
本変形例では、連結部材２６が、膨張完了状態において、図５（ａ）に示すように、座席５の内部を部分的に通る。なお、図５（ａ）では、背もたれ部３についてクッションの記載を省略して内部構造を記載している。この点は、図５（ｂ）も同様である。
【0068】
膨張完了状態において、連結部材２６の一端側は、第１サイドクッション２１に固定された一端部２６ａから内側斜め後方に延び、背もたれ部３のクッション前面から内部に侵入する。連結部材２６の他端側は、第２サイドクッション２２に固定された他端部２６ｂから内側斜め後方に延び、背もたれ部３のクッション前面から内部に侵入する。背もたれ部３の内部では、連結部材２６が、シートバックフレーム３ａに固定された２本の支持部材６の後ろ側を通り、２本の支持部材６に引っ掛かった状態になる。なお、連結部材２６は、左右に動くことがないように支持部材６に固定してもよいし、左右に動くことができるように支持部材６に引っ掛かっただけの状態となるようにしてもよい。
【0069】
本変形例では、連結部材２６のうち、背もたれ部３のクッション前面から飛び出して各サイドクッション２１，２２まで延びる部分の後側が、座席１の座面の上方における座席１と乗員５との間の背面側領域３０を通る。背面側領域３０では、連結部材２６が、乗員５の腰部から肩部までの高さ範囲に位置している。そのため、実施形態１と同様に、連結部材２６は、乗員５により押しとどめられることで、各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せる。従って、乗員５の両側方で乗員を早期に拘束することができる。また、連結部材２６が支持部材６に引っ掛かった状態となるため、収納状態から展開する連結部材２６により乗員５が前方に押されることがなく、前面衝突時の乗員５の前方への移動を抑制できる。
【0070】
なお、図５（ｂ）に示すように、連結部材２６のうち２本の支持部材６の間の部分を省略してもよい。つまり、連結部は、一端部２７ａが第１サイドクッション２１に連結されて他端部２７ｂが支持部材６に連結された第１部材２７と、一端部２８ａが第２サイドクッション２２に連結されて他端部２８ｂが支持部材６に連結された第２部材２８により構成されるようにしてもよい。連結部は、座席１のシートバックフレーム３ａを介して第１サイドクッション２１と第２サイドクッション２２を連結することになる。この場合も、背もたれ部３のクッション前面から飛び出して各サイドクッション２１，２２まで延びる部分の後側が、背面側領域３０を通るため、連結部材２６は、乗員５により押しとどめられることで、各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せる。
【0071】
また、図５（ａ）において連結部材２６を引っ掛ける部材、及び、図５（ｂ）において各部材２７，２８を固定する部材は、シートバックフレーム３ａに固定された部材であればよく、支持部材６以外の部材（例えば、タブ、バネ部材など）を選択してもよい。
【0072】
［実施形態１の第２変形例］
本変形例では、連結部材２６の各端部２６ａ，２６ｂの固定箇所が実施形態１とは異なる。具体的に、連結部材２６の一端部２６ａは、図６Ａ及び図６Ｂに示すように、膨張完了状態で、第１頭部用クッション部３１の上部（例えば、上端又はその近傍）に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、膨張完了状態で、第２頭部用クッション部３２の上部（例えば、上端又はその近傍）に固定されている。本変形例では、一端部２６ａ及び他端部２６ｂの各々が、前後方向において各頭部用クッション部３１，３２の中央部に固定されているが、前部又は後部に固定されていてもよい。
本変形例では、連結部材２６の各端部２６ａ，２６ｂの固定箇所が実施形態１とは異なる。具体的に、連結部材２６の一端部２６ａは、図６Ａ及び図６Ｂに示すように、膨張完了状態で、第１頭部用クッション部３１の上部（例えば、上端又はその近傍）に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、膨張完了状態で、第２頭部用クッション部３２の上部（例えば、上端又はその近傍）に固定されている。本変形例では、一端部２６ａ及び他端部２６ｂの各々が、前後方向において各頭部用クッション部３１，３２の中央部に固定されているが、前部又は後部に固定されていてもよい。
【0073】
平置き状態のエアバッグ１１では、図７（ａ）に示すように、連結部材２６が、エアバッグ１１の表側に重ねられている。連結部材２６は、図７（ｂ）に示すように、長さ方向の複数箇所で折り畳まれた状態で、各端部２６ａ，２６ｂが各頭部用クッション部３１，３２に固定されている。
【0074】
本変形例では、連結部材２６が、膨張完了状態において背面側領域３０を通る状態（本実施形態では、ヘッドレスト４と乗員５の頭部との間を通る状態）となるように展開する。背面側領域３０では、連結部材２６が、乗員５の頭部の高さ範囲に位置している。そのため、連結部材２６が、乗員５の後頭部等により押しとどめられることで、各サイドクッション２１，２２を内側に引き寄せる。本変形例では、特に各頭部用クッション部３１，３２が内側に引き寄せられる。
【0075】
［実施形態１の第３変形例］
本変形例では、連結部材２６の各端部２６ａ，２６ｂの固定箇所が実施形態１とは異なる。具体的に、連結部材２６の一端部２６ａは、図８に示すように、膨張完了状態で、第１頭部用クッション部３１の前部（例えば、前端又はその近傍）に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、膨張完了状態で、クッション接続部２４の第２サイドクッション２２側に固定されている。
本変形例では、連結部材２６の各端部２６ａ，２６ｂの固定箇所が実施形態１とは異なる。具体的に、連結部材２６の一端部２６ａは、図８に示すように、膨張完了状態で、第１頭部用クッション部３１の前部（例えば、前端又はその近傍）に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、膨張完了状態で、クッション接続部２４の第２サイドクッション２２側に固定されている。
【0076】
平置き状態のエアバッグ１１では、図９に示すように、連結部材２６が、エアバック１１の裏側に重ねられている。連結部材２６の一端部２６ａは、第１頭部用クッション部３１の前端部に固定されている。連結部材２６の他端部２６ｂは、クッション接続部２４の前端部における第２サイドクッション２２側に固定されている。
【0077】
本変形例では、連結部材２６が、背面側領域３０を通る状態となるように展開する。背面側領域３０では、連結部材２６が、乗員５の肩部から頭部までの高さ範囲に位置している。そのため、連結部材２６が、乗員５により押しとどめられることで、第１サイドクッション２１を内側に引き寄せる。
【0078】
なお、連結部材２６の一端部２６ａは、第１胴部用クッション部４１の前部に固定されていてもよい。また、連結部材２６の他端部２６ｂは、クッション接続部２４ではなく、第２サイドクッション２２の後部に固定されていてもよい。
【0079】
また、膨張完了状態において、連結部材２６の一端部２６ａが、第２サイドクッション２２の前部に固定され、連結部材２６の他端部２６ｂが、クッション接続部２４の第１サイドクッション２２側又は第１サイドクッション２１の後部に固定されるようにしてもよい。
【0080】
＜実施形態２＞
本実施形態に係るエアバッグ装置６０は、実施形態１とは異なり、第１サイドクッション７１と第２サイドクッション７２との間にクッション接続部２４はなく、第１サイドクッション７１と第２サイドクッション７２が別体となっている。各サイドクッション７１，７２には、インフレータ１２がそれぞれ設けられている。第１サイドクッション７１はファーサイドに設けられ、第２サイドクッション７２はニアサイドに設けられている。以下では、第１サイドクッション７１及び第２サイドクッション７２が左右対称に形成されているため、両サイドクッション７１，７２の説明をまとめて行う。
本実施形態に係るエアバッグ装置６０は、実施形態１とは異なり、第１サイドクッション７１と第２サイドクッション７２との間にクッション接続部２４はなく、第１サイドクッション７１と第２サイドクッション７２が別体となっている。各サイドクッション７１，７２には、インフレータ１２がそれぞれ設けられている。第１サイドクッション７１はファーサイドに設けられ、第２サイドクッション７２はニアサイドに設けられている。以下では、第１サイドクッション７１及び第２サイドクッション７２が左右対称に形成されているため、両サイドクッション７１，７２の説明をまとめて行う。
【0081】
［膨張完了状態のサイドクッションについて］
膨張完了状態のサイドクッション７１，７２について、図１０を参照しながら説明を行う。なお、図１０は、ニアサイド側（図１０の右側）から矢印の向きに衝突を受けた直後の状態を示す。
膨張完了状態のサイドクッション７１，７２について、図１０を参照しながら説明を行う。なお、図１０は、ニアサイド側（図１０の右側）から矢印の向きに衝突を受けた直後の状態を示す。
【0082】
各サイドクッション７１，７２は、乗員５の胴部５ａを側方から覆う胴部用クッション部８０と、胴部用クッション部８０に一体化されて乗員５の頭部を側方から覆う頭部用クッション部９０と、胴部用クッション部８０の前部に取り付けられた前方保護用クッション部７７とを備えている。なお、前方保護用クッション部７７を省略することもできる。
【0083】
胴部用クッション部８０は、後端部が座席１の側部に固定されている。胴部用クッション部８０は、座席１への固定箇所から前方に延びている。胴部用クッション部８０には、乗員５の肩部から斜め下に延びる状態（ハンドルを掴む状態）の上腕部に対面する領域に、胴部用クッション部８０の厚みを抑制するための厚み抑制部６５が形成されている。厚み抑制部６５は貫通孔である。なお、厚み抑制部６５は凹部により構成してもよい。また、胴部用クッション部８０に厚み抑制部６５を形成しなくてもよい。
【0084】
頭部用クッション部９０は、胴部用クッション部８０の上側に位置している。頭部用クッション部９０は、胴部用クッション部８０に比べて小さい。また、前方保護用クッション部７７は、胴部用クッション部８０の前部の内面に接続されている。前方保護用クッション部７７は、縦長形状に形成されている。一対の前方保護用クッション部７７は、一対の胴部用クッション部８０の間の隙間（前側の隙間）を塞ぐように膨張展開する。
【0085】
［平置き状態のサイドクッションについて］
次に、未膨張のサイドクッション７１，７２を広げて平坦面に平置きにした状態（以下、「平置き状態」と言う。）におけるサイドクッション７１，７２の構成について、図１１を参照しながら説明を行う。
次に、未膨張のサイドクッション７１，７２を広げて平坦面に平置きにした状態（以下、「平置き状態」と言う。）におけるサイドクッション７１，７２の構成について、図１１を参照しながら説明を行う。
【0086】
なお、平置き状態のサイドクッション７１，７２の説明では、膨張完了状態で前側となる前方保護用クッション部７７側を「内側」、膨張完了状態で後ろ側となるインフレータ１２側を「外側」と言う。また、膨張完了状態で乗員５側となる側を「裏側」、その反対側を「表側」と言う。図１１は、裏側から一対のサイドクッション７１，７２を見た図である。図１１では、太線の破線が縫製箇所を表す。但し、図１１では、ベルト５１，５２又は前方保護用クッション部７７により覆われた縫製箇所は、細線の破線で表している。
【0087】
各サイドクッション７１，７２は、同じ形状で同じ大きさの２枚の基布を重ねた状態で、外周部など所定の箇所を縫製することにより構成された袋体である。各サイドクッション７１，７２は、外寄りの位置に厚み抑制部６５が形成された胴部用クッション部８０と、胴部用クッション部８０に一体化された頭部用クッション部９０と、胴部用クッション部８０の内側部分の裏面に重ねられた前方保護用クッション部７７とを備えている。
【0088】
胴部用クッション部８０は、外側から内側に向かって斜め上方に延びている。胴部用クッション部８０には、膨張ガスにより膨張する領域に囲まれた島状に、厚み抑制部６５が形成されている。
【0089】
胴部用クッション部８０の外側には、インフレータ１２の収納部４５が形成されている。また、胴部用クッション部８０における外側部分の上部の内部には、ガスガイド１８が収納されている。ガスガイド１８は、厚み抑制部６５の外周部分で胴部用クッション部８０に固定されている。胴部用クッション部８０には、インフレータ１２からの膨張ガスが厚み抑制部６５の上方部分を通って厚み抑制部６５の前方部分へ流れる上側流路と、膨張ガスが厚み抑制部６５の後方部分を通って厚み抑制部６５の下方部分へ流れる下側流路とが形成される。
【0090】
頭部用クッション部９０は、厚み抑制部６５の上方の位置で胴部用クッション部８０に連通している。頭部用クッション部９０は、胴部用クッション部８０に繋がる頭部用流路９０ａ側から、胴部用クッション部８０の上端部に沿って内側に延びている。サイドクッション７１，７２では、頭部用流路９０ａよりも内側に、非膨張のシート部９１が設けられている。
【0091】
前方保護用クッション部７７は、例えば長円状の接合部２９により胴部用クッション部８０に接合されている。前方保護用クッション部７７は、接合部２９内に設けられた複数の連通部２５を通じて、胴部用クッション部８０に連通している。各連通部２５は、ベントホールにより構成されている。
【0092】
ここで、エアバッグ装置６０は、膨張完了状態で胴部用クッション部８０を外側から拘束する第１ベルト５１及び第２ベルト５２をさらに備えている。各ベルト５１，５２は、第１サイドクッション７１と第２サイドクッション７２に跨って設けられている。なお、図１０では、各ベルト５１，５２にドットハッチングを付けている。
【0093】
各サイドクッション７１，７２には、ベルト５１，５２を挿通させる挿通部５５が設けられている。各ベルト５１，５２は、頭部用クッション部９０の裏面側を通り、且つ、胴部用クッション部８０の表面側を通るように、各挿通部５５に挿通されている。各ベルト５１，５２は、例えば固定部５１ａ，５２ａによって、胴部用クッション部８０の表面側に固定されている。また、２本のベルト５１，５２では、ベルト５１の一端部とベルト５２の一端部とが結合されて第１結合部５０ａが構成され、ベルト５１の他端部とベルト５２の他端部とが結合されて第２結合部５０ｂが構成されている。各結合部５０ａ，５０ｂは座席１に固定される。
【0094】
エアバッグ装置１０は、図１１に示すように、第１サイドクッション７１と第２サイドクッション７２とを連結する連結部として、連結部材２６をさらに備えている。連結部材２６の一端部２６ａは、第１サイドクッション７１の前部（例えば、前端又はその近傍）に固定されている。具体的に、一端部２６ａは、前方保護用クッション部７７に固定されている。一方、連結部材２６の他端部２６ｂは、第２サイドクッション７２の前部（例えば、前端又はその近傍）に固定されている。他端部２６ｂは、前方保護用クッション部７７に固定されている。連結部材２６は、座席１の座面の上方における座席１と乗員５との間の背面側領域３０を通る状態となるように展開する（図１２（ｂ）参照）。なお、連結部材２６の各端部２６ａ，２６ｂは、前方保護用クッション部７７以外の箇所（胴部用クッション部８０など）に固定されるようにしてもよい。
【0095】
［座席内におけるサイドクッション等の収納状態について］
各サイドクッション７１，７２は、折り畳まれた状態で、座席１の背もたれ部３の側部に収納される（図示省略）。各サイドクッション７１，７２を背もたれ部３に収納をする際、各サイドクッション７１，７２の後端部は、タブ等の固定具（図示省略）を用いてシートバックフレーム３ａに固定される。各サイドクッション７１，７２は、実施形態１と同様に、各収納部４５でもシートバックフレーム３ａに固定される。また、連結部材２６は、背もたれ部３の内部において両側部間を延びる状態で収納される。
各サイドクッション７１，７２は、折り畳まれた状態で、座席１の背もたれ部３の側部に収納される（図示省略）。各サイドクッション７１，７２を背もたれ部３に収納をする際、各サイドクッション７１，７２の後端部は、タブ等の固定具（図示省略）を用いてシートバックフレーム３ａに固定される。各サイドクッション７１，７２は、実施形態１と同様に、各収納部４５でもシートバックフレーム３ａに固定される。また、連結部材２６は、背もたれ部３の内部において両側部間を延びる状態で収納される。
【0096】
２本のベルト５１，５２は、各結合部５０ａ，５０ｂが左右の支持部材６（又はシートバックフレーム３ａの上端部）にそれぞれ固定される。そして、各ベルト５１，５２における結合部５０ａ，５０ｂの間は、シートバックフレーム３ａの縦フレームに沿って延び、シートクッション２の内部（又は下側）を通過する。なお、各ベルト５１，５２は、シートクッション２には固定されない。
【0097】
［実施形態２の効果等］
衝突や横転などによって車両に衝撃が加わると、センサーからの信号を受けた各インフレータ１２がガスを噴射することで、各サイドクッション７１，７２が膨張展開する。その際、連結部材２６が、各サイドクッション７１，７２の膨張展開に伴って、図１２（ｂ）に示すように、背面側領域３０を通る状態となるように展開する。背面側領域３０では、連結部材２６が、乗員５の腰部から肩部までの高さ範囲に位置している。そのため、連結部材２６が、乗員５により押しとどめられることで、各サイドクッション７１，７２を内側に引き寄せる。
衝突や横転などによって車両に衝撃が加わると、センサーからの信号を受けた各インフレータ１２がガスを噴射することで、各サイドクッション７１，７２が膨張展開する。その際、連結部材２６が、各サイドクッション７１，７２の膨張展開に伴って、図１２（ｂ）に示すように、背面側領域３０を通る状態となるように展開する。背面側領域３０では、連結部材２６が、乗員５の腰部から肩部までの高さ範囲に位置している。そのため、連結部材２６が、乗員５により押しとどめられることで、各サイドクッション７１，７２を内側に引き寄せる。
【0098】
ここで、連結部材２６を設けない場合、図１２（ａ）に示すように、一対の前方保護用クッション部７７が、乗員５前方の隙間を塞ぐように膨張展開するものの、ある程度隙間が残る。それに対し、本実施形態では、連結部材２６により、各サイドクッション７１，７２が内側に引き寄せられ、一対の前方保護用クッション部７７の間の隙間が狭くなる。そのため、乗員５の前方へのすり抜けを防止でき、前面衝突に対する拘束性能を向上させることができる。また、乗員５に対する各サイドクッション７１，７２の密着度が増加するため、側面衝突に対する拘束性能も向上させることができる。
【0099】
［その他の変形例］
上述の実施形態１では、第１サイドクッション２１と第２サイドクッション２２とを接続するクッション接続部２４がダクトであったが、クッション接続部２４は、内部をガスが流通不能な部材であってもよい。この場合、例えば第１サイドクッション２１に第２のインフレータを取り付けることができる。
上述の実施形態１では、第１サイドクッション２１と第２サイドクッション２２とを接続するクッション接続部２４がダクトであったが、クッション接続部２４は、内部をガスが流通不能な部材であってもよい。この場合、例えば第１サイドクッション２１に第２のインフレータを取り付けることができる。
【0100】
上述の実施形態１、２では、連結部材２６に、紐状又は細い帯状の部材を用いるが、幅広で帯状の布材を用いてもよい。
【0101】
上述の実施形態１、２では、連結部材２６が、背面側領域３０で乗員５の肩部又はその付近の高さを通るが、乗員５の腰部の高さを通るようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、乗員の側部等を保護するエアバッグ装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
１ 座席
５ 乗員
１０ エアバッグ装置
１１ エアバッグ
１２ インフレータ
２１ 第１サイドクッション
２２ 第２サイドクッション
２４ クッション接続部
２６ 連結部材
２６ａ 一端部
２６ｂ 他端部
３０ 背面側領域
５ 乗員
１０ エアバッグ装置
１１ エアバッグ
１２ インフレータ
２１ 第１サイドクッション
２２ 第２サイドクッション
２４ クッション接続部
２６ 連結部材
２６ａ 一端部
２６ｂ 他端部
３０ 背面側領域
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】