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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】電気エネルギーの貯蔵の管理
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/14 20060101AFI20240913BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240913BHJP
   B60L 7/14 20060101ALI20240913BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240913BHJP
   B60L 50/75 20190101ALI20240913BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240913BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20240913BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H02J7/14 H
B60L3/00 H
B60L7/14
B60L15/20 S
B60L50/75
B60L58/12
B60L58/18
H02J7/00 P
H02J7/00 302B
H02J7/00 302C
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023562990
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022023781
(87)【国際公開番号】W WO2022221119
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】17/230,223
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ローラ バウアー
(72)【発明者】
【氏名】ルーク エー.リッペルメイヤー
(72)【発明者】
【氏名】タケヒト ヨコオ
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0130511(US,A1)
【文献】特開2019-180211(JP,A)
【文献】特開2017-022896(JP,A)
【文献】特開2012-235610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/14
B60L 3/00
B60L 7/14
B60L 15/20
B60L 50/75
B60L 58/12
B60L 58/18
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトに接続されるように構成された単一の回転子と、単一の固定子とを有する電磁機械であって、前記単一の回転子又は前記単一の固定子の一方が第1の巻線と第2の巻線とを有する、電磁機械と、
コントローラであって、
第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線にエネルギーを流して前記シャフトを回転させるように第1の回路を制御し、
エネルギーを選択的に、第2のエネルギー貯蔵装置から前記第2の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように第2の回路を制御し、
第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態を上回るという判定に応答して、第2の回路を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にする、
ように構成されたコントローラと、
を具備する、システム。
【請求項2】
前記システムは車両上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方がバッテリを具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方がコンデンサを具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の回路は、エネルギーを選択的に、
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1の巻線から前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電する、ように構成され、
前記第1の回路又は前記第2の回路の少なくとも一方が、
前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方から前記第1の巻線又は前記第2の巻線の少なくとも一方にエネルギーを流すように構成された少なくとも1つのインバータと、
前記第1の巻線又は前記第2の巻線の少なくとも一方から前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方にエネルギーを流すように構成された少なくとも1つの整流器と、
前記少なくとも1つのインバータ又は前記少なくとも1つの整流器を介して、前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方を、前記第1の巻線又は前記第2の巻線のうちの少なくとも一方に選択的に接続するように構成された少なくとも1つのスイッチと、を具備する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電磁機械は、第1の電動発電機と第2の電動発電機とを具備し、
前記単一の回転子は、前記第1の電動発電機上に配置された第1の単一の回転子と、前記第2電動発電機上に配置された第2の単一の回転子とを具備し、
前記単一の固定子は、前記第1の電動発電機上に配置された第1の単一の固定子と、前記第2電動発電機上に配置された第2の単一の固定子とを具備し、
前記第1の単一の回転子又は前記第1の単一の固定子の一方が前記第1の巻線を有し、
前記第2の単一の回転子又は前記第2の単一の固定子の一方が前記第2の巻線を有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の単一の回転子及び前記第2の単一の回転子は、前記シャフトに接続されるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記シャフトは第1のシャフトと第2のシャフトとを具備し、
前記第1の単一の回転子は前記第1のシャフトに接続されるように構成され、
前記第2の単一の回転子は前記第2のシャフトに接続されるように構成され、
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトは、少なくとも1つのギアを介して第3のシャフトに接続されるように構成される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第3のシャフトは、車両のドライブシャフトを具備する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のシャフトの配置が前記第1のシャフト又は前記第2のシャフトの少なくとも一方の配置と一致する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
零度又は180度以外の角度を、前記第3のシャフトの配置と前記第1のシャフト又は前記第2のシャフトの少なくとも一方の配置との間に形成する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、
前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記充電状態を示す第1の情報を受信し、
前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記充電状態を示す第2の情報を受信する、ようにさらに構成され、
第2の回路を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流す状態にすることを保証する条件には、前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記充電状態が第2の閾値充電状態を下回ることがさらに含まれる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
エネルギーを選択的に、
前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成された第1の燃料電池システムと、
エネルギーを選択的に、
前記第2の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成された第2の燃料電池システムと、
をさらに具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記第1の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第1の情報を受信し、
前記第2の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第2の情報を受信する、
ようにさらに構成され、
第2の回路を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流す状態にすることを保証する条件には、前記第1の燃料電池システムの前記タンク内の前記燃料の量が第1の閾値を上回ることをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記条件は、前記第2の燃料電池システムの前記タンク内の燃料の量が第2の閾値量を下回ることをさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記第2の燃料電池システムの動作状態の測定を示す情報を受信するようにさらに構成され、
第2の回路を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流す状態にすることを保証する条件には、前記第2の燃料電池システムの前記動作状態の測定が、測定値の閾値範囲外であることをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは車両上に配置され、
前記コントローラは、
前記車両の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報を分析し、
前記車両の前記移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報の分析結果に基づいて、第2の回路を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流す状態にすることを保証する条件の存在を判定する、
ようにさらに構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは車両上に配置され、
前記コントローラは、
前記車両の移動経路に沿った交通流量の変化の測定に関する情報を分析し、
前記車両の前記移動経路に沿った前記交通流量の変化の測定の分析結果に基づいて、第2の回路を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流す状態にすることを保証する条件の存在を判定する、
ようにさらに構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成された第1の回路であって、前記電磁機械は単一の回転子と単一の固定子とを有し、前記単一の回転子はシャフトに接続され、前記単一の回転子又は前記単一の固定子の一方が第1の巻線と第2の巻線とを有する、第1の回路と、
エネルギーを選択的に、
第2のエネルギー貯蔵装置から前記第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、または、
前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電する、ように構成された第2の回路と、
前記第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態が前記第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態を上回るという判定に応答して、前記第2の回路を、エネルギーを前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にするように構成された第3の回路と、
を具備する、コントローラ。
【請求項20】
前記第1の回路は、エネルギーを選択的に、
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1の巻線から前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電する、
ように構成される、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項21】
コントローラによって、第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させることであって、前記電磁機械は単一の回転子と単一の固定子とを有し、前記単一の回転子は前記シャフトに接続され、前記単一の回転子又は前記単一の固定子の一方が前記第1の巻線と第2の巻線とを有する、ことと、
前記コントローラによって、エネルギーを選択的に、
第2のエネルギー貯蔵装置から前記第2の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電する、ことと、
前記第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態が前記第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態を上回るという判定に応答して、エネルギーを前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する、ことと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線にエネルギーを流すことは、エネルギーを選択的に、
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1の巻線から前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電することを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、電気エネルギーの貯蔵を管理することを対象としている。具体的には、開示の技術は、2つのエネルギー貯蔵装置間の電気エネルギーの貯蔵を管理することを対象としている。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車のエンジンでは、燃焼プロセスを通じて化石燃料を消費して推進力を生み出すことができる。燃焼プロセスの廃棄物には汚染物質が含まれることがあるため、さまざまな機構を通じて推進力を生成するために努力してきた。そのような努力の中には、推進力を生成するために電気モータを使用することができるものも含まれている。電気モータへの電力をエネルギー貯蔵装置から供給することができる。例えば、エネルギー貯蔵装置はバッテリであることがある。典型的には、バッテリは、再充電するために、必要に応じて、配線によって交流電源に接続されるように構成することができる。残念ながら、この方法でバッテリを再充電するには、20分から6時間におよぶことがある時間が必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムには、電磁機械及びコントローラが含まれることがある。電磁機械は回転子及び固定子を有することがある。回転子はシャフトに接続されるように構成されることがある。回転子又は固定子の一方が第1の巻線及び第2の巻線を有することがある。コントローラは、第1の回路及び第2の回路を制御するように構成されることがある。第1の回路は、第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成されることがある。第2の回路は、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、第2の回路は、第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成されることがある。第1の回路は、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1の巻線から第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。
【0004】
別の実施形態では、電気エネルギーの貯蔵を管理するためのコントローラが、第1の回路及び第2の回路を備えることがある。第1の回路は、第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成されることがある。電磁機械は回転子及び固定子を有することがある。回転子はシャフトに接続されるように構成されることがある。回転子又は固定子の一方が第1の巻線及び第2の巻線を有することがある。第2の回路は、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、第2の回路は、第2のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第2の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成されることがある。第1の回路は、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1の巻線から第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。
【0005】
別の実施形態では、電気エネルギーの貯蔵を管理する方法が、コントローラによって、第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させることを含むことがある。電磁機械は回転子及び固定子を有することがある。回転子はシャフトに接続されることがある。回転子又は固定子の一方が第1の巻線及び第2の巻線を有することがある。この方法は、コントローラによって、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを含むことがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、この方法は、コントローラによって、電磁機械の第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させることを含むことがある。この方法は、コントローラによって、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1の巻線から第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置に充電することを含むことがある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示のさまざまなシステム、方法をはじめとする実施形態を示す。図示の要素の境界(例えば、ボックス、ボックス群又は他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されよう。いくつかの実施形態では、1つの要素を複数の要素として設計しても、複数の要素を1つの要素として設計してもよい。いくつかの実施形態では、別の要素の内部部品として示している要素を、外部部品として実装してもよく、その逆も可能である。さらに、要素を一定の縮尺で描写していない場合がある。
【0007】
図1】開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムの第1の実装形態の一例を示す図である。
図2】開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムの第2の実装形態の一例を示す図である。
図3】開示の技術による、第1の実装形態又は第2の実装形態の構成の第1の変形形態を示す図である。
図4】開示の技術による、第1の実装形態又は第2の実装形態の構成の第2の変形形態を示す図である。
図5】開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理するためのコントローラの一例を示す図である。
図6A】開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理する方法の一例を示す流れ図を含む図である。
図6B】開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理する方法の一例を示す流れ図を含む図である。
図7】開示の技術による、車両に配置された要素の一例を示すブロック図を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの技術を使用して、車両上のエネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリ、コンデンサなど)の充電状態を維持し、再充電するためにワイヤでエネルギー貯蔵装置を交流電源に接続する必要に伴う負担を軽減することができる。例えば、車両は燃料電池システムを備えることがある。燃料電池システムは、1つ又は複数の燃料電池を備えることがある。1つ又は複数の燃料電池は、水素と酸素との間の化学反応から電気エネルギーを生成するように構成されることがある。燃料電池システムは、圧縮水素を貯蔵するように構成された水素燃料タンクを備えることがある。燃料電池システムは、大気から酸素を得るように構成されることがある。電気エネルギーにより、電動発電機が選択的に、(1)車両のドライブシャフトを回転させるか、(2)エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリ、コンデンサなど)を充電することができる。これとは別に、あるいはこれに加えて、例えば、電動発電機は、回生制動動作を実施するように構成されることがある。回生制動動作中は、電動発電機が車両に推進力を提供する必要がないとき(例えば、車両の速度が減速しているとき、車両の移動が重力によって提供されているとき、など)に、電動発電機は、回転するドライブシャフトの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換してエネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリ、コンデンサなど)を充電することができるように、発電機として動作するように構成されることがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、開示の技術は、エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリ、コンデンサなど)の充電状態を維持するための別の技術を提供することができる。
【0009】
開示の技術は、電気エネルギーの貯蔵を管理することができる。開示の技術は、例えば車両に配置することができる。車両は、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置を有することがある。例えば、第1のエネルギー貯蔵装置又は第2のエネルギー貯蔵装置の1つ又は複数は、バッテリ、コンデンサなどを備えることがある。開示の技術には、回転子及び固定子を有する電磁機械が含まれることがある。回転子はシャフトに接続されるように構成されることがある。例えば、シャフトは車両のドライブシャフトを含むことがある。回転子又は固定子の一方が第1の巻線及び第2の巻線を有することがある。第1の回路を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるようにコントローラを構成することがある。コントローラは、第2の回路を制御して、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。さらに、例えば、第1の回路は、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1の巻線から第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。このようにして、開示の技術は、第1のエネルギー貯蔵装置と第2のエネルギー貯蔵装置との間の電気エネルギーの貯蔵を管理することができる。
【0010】
例えば、コントローラは、エネルギーを第1のエネルギー貯蔵装置から第2のエネルギー貯蔵装置に転送させることを保証する条件の存在を判定するようにさらに構成されることがある。例えば、条件は、第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第1の閾値充電状態(例えば、90パーセント)を上回る状態又は第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第2の閾値充電状態(例えば、15パーセント)を下回る状態の1つ又は複数を含むことがある。
【0011】
例えば、電磁機械は、第1の電動発電機及び第2の電動発電機を備えることがある。回転子は、第1の電動発電機上に配置された第1の回転子と、第2の電動発電機上に配置された第2の回転子とを含むことがある。固定子は、第1の電動発電機上に配置された第1の固定子と、第2の電動発電機上に配置された第2の固定子とを含むことがある。第1の回転子又は第1の固定子の一方が第1の巻線を有することがある。第2の回転子又は第2の固定子の一方が第2の巻線を有することがある。例えば、第1のエネルギー貯蔵装置又は第2のエネルギー貯蔵装置の1つ又は複数がバッテリを含むことがある。例えば、バッテリは、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、亜鉛空気電池、ナトリウムニッケル電池などのうちの1つ又は複数を含むことがある。例えば、第1のエネルギー貯蔵装置又は第2のエネルギー貯蔵装置の1つ又は複数はコンデンサを備えることがある。例えば、コンデンサは、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサ、静電二重層コンデンサ、電気化学擬似コンデンサ、ハイブリッドコンデンサ、リチウムイオンコンデンサなどのうちの1つ又は複数を含むことがある。
【0012】
図1は、開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムの第1の実装形態100の一例を示す図である。図2は、開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムの第2の実装形態200の一例を示す図である。第1の実装形態100又は第2の実装形態200は、例えば、車両102上に配置されることがある。例えば、第1の実装形態100及び第2の実装形態200は、電磁機械104及びコントローラ106を含むことがある。
【0013】
例えば、電磁機械104は、回転子108及び固定子110を有することがある。例えば、回転子108は、シャフト112に接続されるように構成されることがある。例えば、シャフト112は、車両102のドライブシャフトを含むことがある。例えば、第1の実装形態100では、回転子108は、第1の巻線114及び第2の巻線116を有することがある。例えば、第2の実装形態200では、固定子110は、第1の巻線114及び第2の巻線116を有することがある。
【0014】
例えば、コントローラ106は、第1の回路118及び第2の回路120を制御するように構成されることがある。第1の回路118は、第1のエネルギー貯蔵装置122から第1の巻線114にエネルギーを流してシャフト112を回転させるように構成されることがある。第2の回路120は、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置124から第2の巻線116に流してシャフト112を回転させるか、(2)第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電するように構成されることがある。これとは別に、例えば、第1の回路118は、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置122から第1の巻線114に流してシャフト112を回転させるか、(2)第1の巻線114から第1のエネルギー貯蔵装置122に流して第1のエネルギー貯蔵装置122を充電するように構成されることがある。
【0015】
例えば、第1の回路118は、インバータ126、整流器128及びスイッチ130を備えることがある。例えば、インバータ126は、第1のエネルギー貯蔵装置122から第1の巻線114にエネルギーを流すように構成されることがある。例えば、整流器128は、第1の巻線114から第1のエネルギー貯蔵装置122にエネルギーを流すように構成されることがある。例えば、スイッチ130は、インバータ126又は整流器128を介して第1のエネルギー貯蔵装置122を第1の巻線114に選択的に接続するように構成されることがある。
【0016】
同じように、例えば、第2の回路120は、インバータ132、整流器134及びスイッチ136を備えることがある。例えば、インバータ132は、第2のエネルギー貯蔵装置124から第2の巻線116にエネルギーを流すように構成されることがある。例えば、整流器134は、第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124にエネルギーを流すように構成されることがある。例えば、スイッチ136は、インバータ132又は整流器134を介して第2のエネルギー貯蔵装置124を第2の巻線116に選択的に接続するように構成されることがある。
【0017】
例えば、第1のエネルギー貯蔵装置122又は第2のエネルギー貯蔵装置124の1つ又は複数は、バッテリを含むことがある。例えば、バッテリは、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、亜鉛空気電池、ナトリウムニッケル電池などのうちの1つ又は複数を含むことがある。
【0018】
例えば、第1のエネルギー貯蔵装置122又は第2のエネルギー貯蔵装置124のうちの1つ又は複数は、コンデンサを含むことがある。例えば、コンデンサは、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサ、静電二重層コンデンサ、電気化学擬似コンデンサ、ハイブリッドコンデンサ、リチウムイオンコンデンサなどのうちの1つ又は複数を含むことがある。
【0019】
例えば、第1のエネルギー貯蔵装置122は燃料電池を含むことがある。
【0020】
図3は、開示の技術による、第1の実装形態100又は第2の実装形態200の第1の構成302の第1の変形形態300の一例を示す図である。図4は、開示の技術による、第1の実装形態100又は第2の実装形態200の第1の構成302の第2の変形形態400の一例を示す図である。例えば、第1の構成302では、電磁機械104は、第1の電動発電機304及び第2の電動発電機306を含むことがあり、回転子108は、第1の回転子308及び第2の回転子310を含むことがあり、固定子110は、第1の固定子312及び第2の固定子314を含むことがある。例えば、第1の回転子308は第1の電動発電機304上に配置されることがあり、第1の固定子312は第1電動発電機304上に配置されることがある。例えば、第2の回転子310は第2電動発電機306上に配置されることがあり、第2の固定子314は第2の電動発電機306上に配置されることがある。
【0021】
図1図4を参照すると、例えば、第1の電動発電機304が第1の実装形態100に従って構成されている場合、第1の回転子308は第1の巻線114を有することがある。しかし、第1の電動発電機304が第2の実装形態200に従って構成されている場合、第1の固定子312は第1の巻線114を有することがある。
【0022】
例えば、第2の電動発電機306が第1の実装形態100に従って構成されている場合、第2の回転子310は第2の巻線116を有することがある。しかし、第2の電動発電機306が第2の実装形態200に従って構成されている場合、第2の固定子314は第2の巻線116を有することがある。
【0023】
第1の構成302では、例えば、コントローラ106が第1の回路118を制御する方法が、コントローラ106が第2の回路118を制御する方法とは独立であるように、コントローラ106を構成することがある。即ち、例えば、(1)コントローラ106が第1の回路118を制御して、エネルギーを選択的に、(a)第1のエネルギー貯蔵装置122から第1の巻線114に流してシャフト112を回転させるか、(b)第1の巻線114から第1のエネルギー貯蔵装置122に流して第1のエネルギー貯蔵装置122を充電するように構成される方法は、(2)コントローラ106が第2の回路120を制御して、エネルギーを選択的に、(a)第2のエネルギー貯蔵装置124から第2の巻線116に流してシャフト112を回転させるか、(b)第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電するように構成される方法とは無関係であることがある。
【0024】
第1の変形形態300では、第1の回転子308及び第2の回転子310は、シャフト112に接続されるように構成されることがある。これとは別に、シャフト112は、第1のシャフト316及び第2のシャフト318を含むことがある。第1の回転子308は、第1のシャフト316に接続されるように構成されることがある。第2の回転子310は、第2のシャフト318に接続されるように構成されることがある。例えば、第1のシャフト316及び第2のシャフト318は、1つ又は複数の歯車320を介して接続されるように構成されることがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、シャフト112は第3のシャフト322を含むことがある。例えば、第3のシャフト322は、1つ又は複数のギア324を介して、第1のシャフト316又は第2のシャフト318に接続されるように構成されることがある。例えば、第3のシャフト322は、車両102のドライブシャフトを含むことがある。
【0025】
第2の変形形態400では、シャフト112は、第1のシャフト316及び第2のシャフト318を含むことがある。第1の回転子308は、第1のシャフト316に接続されるように構成されることがある。第2の回転子310は、第2のシャフト318に接続されるように構成されることがある。例えば、第1のシャフト316及び第2のシャフト318は、1つ又は複数のギア402を介して第3のシャフト404に接続されるように構成されることがある。例えば、第3のシャフト404は、車両102のドライブシャフトを含むことがある。
【0026】
図1及び図2に戻ると、第1の実装形態100又は第2の実装形態200の第2の構成では、コントローラ106は、第2の回路120を、エネルギーが第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流れて第2のエネルギー貯蔵装置124を充電する状態にすることを保証する条件の存在を判定するようにさらに構成されることがある。
【0027】
第2の構成の第1の変形形態では、例えば、コントローラ106は、(1)第1のエネルギー貯蔵装置122の充電状態を示す第1の情報を受信し、(2)第2のエネルギー貯蔵装置124の充電状態を示す第2の情報を受信するようにさらに構成されることがある。例えば、(第2の回路120を、エネルギーを第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電する状態にすることを保証する)条件は、第1のエネルギー貯蔵装置122の充電状態が第1の閾値充電状態を上回る状態又は第2のエネルギー貯蔵装置124の充電状態が第2の閾値充電状態を下回る状態の1つ又は複数を含むことがある。例えば、第1の閾値充電状態は90パーセントであることがある。例えば、第2の閾値充電状態は15パーセントであることがある。
【0028】
第2の構成の第2の変形形態では、例えば、第1の実装形態100又は第2の実装形態200は、第1の燃料電池システム138及び第2の燃料電池システム140をさらに含むことがある。例えば、第1の燃料電池システム138は、エネルギーを選択的に、(1)第1の巻線114に流してシャフト112を回転させるか、(2)第1のエネルギー貯蔵装置122に流して第1のエネルギー貯蔵装置122を充電するように構成されることがある。第2の燃料電池システム140は、エネルギーを選択的に、(1)第2の巻線116に流してシャフト112を回転させるか、(2)第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電するように構成されることがある。
【0029】
例えば、コントローラ106は、(1)第1の燃料電池システム138のタンク142内の燃料の量を示す第1の情報を受信し、(2)第2の燃料電池システム140のタンク144内の燃料の量を示す第2の情報を受信するようにさらに構成されることがある。例えば、(第2の回路120を、エネルギーを第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電する状態にすることを保証する)条件には、第1の燃料電池システム138のタンク142内の燃料の量が第1の閾値量より多い状態又は第2の燃料電池システム140のタンク144内の燃料の量が第2の閾値量より少ない状態の1つ又は複数が含まれることがある。
【0030】
これに加えて、あるいはこれとは別に、例えば、コントローラ106は、第2の燃料電池システム140の動作状態の測定を示す情報を受信するようにさらに構成されることがある。例えば、(第2の回路120を、エネルギーを第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電する状態にすることを保証する)条件には、第2の燃料電池システム140の動作状態の測定が測定値の閾値範囲外である状態が含まれることがある。同じように、第1の回路118が、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置122から第1の巻線114に流してシャフト112を回転させるか、(2)第1の巻線114から第1のエネルギー貯蔵装置122に流して第1のエネルギー貯蔵装置122を充電するように構成される場合、コントローラ106は、(1)第1の回路118を、エネルギーを第1の巻線114から第1のエネルギー貯蔵装置122に流して第1のエネルギー貯蔵装置122を充電する状態にすることを保証する条件の存在を判定し、(2)第1の燃料電池システム138の動作状態の測定を示す情報を受信するようにさらに構成されることがある。例えば、(第1の回路118を、エネルギーを第1の巻線114から第1のエネルギー貯蔵装置122に流して第1のエネルギー貯蔵装置122を充電する状態にすることを保証する)条件には、第1の燃料電池システム138の動作状態の測定が測定値の閾値範囲外である状態が含まれることがある。
【0031】
第2の構成の第3の変形形態では、例えば、第1の実装形態100又は第2の実装形態200を車両102上に配置することがある。例えば、(第2の回路120を、エネルギーを第2の巻線116から第2のエネルギー貯蔵装置124に流して第2のエネルギー貯蔵装置124を充電する状態にすることを保証する)条件には、回生制動動作を実施するのに好ましい状況が含まれることがある。例えば、コントローラ106は、(1)車両102の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報を分析し、(2)車両102の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報の分析結果に基づいて、条件の存在を判定するように構成されることがある。例えば、車両102の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報は、車両102に配置された(図示しない)センサ、(図示しない)クラウドコンピューティングプラットフォーム、(図示しない)高精細地図などから取得することができる。これに加えて、あるいはこれとは別に、例えば、コントローラ106は、(1)車両102の移動経路に沿った交通流量の変化の測定に関する情報を分析し、(2)車両106の移動経路に沿った交通流量の変化の測定の分析結果に基づいて、条件の存在を判定するように構成されることがある。例えば、車両102の移動経路に沿った交通流量の変化の測定に関する情報は、(図示しない)車車間通信装置、(図示しない)路車間通信装置、(図示しない)クラウドコンピューティングプラットフォームなどから取得することができる。
【0032】
図5は、開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵を管理するためのコントローラ500の一例を示す図である。例えば、コントローラ500は、第1の回路502及び第2の回路504を備えることがある。例えば、第1の回路502は、第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成されることがある。例えば、電磁機械は回転子及び固定子を有することがある。回転子はシャフトに接続されることがある。回転子又は固定子の一方が第1の巻線及び第2の巻線を有することがある。例えば、第2の回路504は、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置から第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。
【0033】
これとは別に、例えば、第1の回路502は、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1の巻線から第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。
【0034】
さらに、例えば、コントローラ500は、第3の回路506をさらに備えることがある。第3の回路506は、第2の回路504を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にすることを保証する条件の存在を判定するように構成されることがある。
【0035】
コントローラ500の第1の変形形態では、例えば、コントローラ500は、第1のポート508及び第2のポート510をさらに備えることがある。例えば、第1のポート508は、第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態を示す第1の情報を受信するように構成されることがある。例えば、第2のポート510は、第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態を示す第2の情報を受信するように構成されることがある。例えば、(第2の回路504を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にすることを保証する)条件には、第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第1の閾値充電状態を上回る状態又は第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第2の閾値充電状態を下回る状態のうちの1つ又は複数が含まれることがある。例えば、第1の閾値充電状態は90パーセントであることがある。例えば、第2の閾値充電状態は15パーセントであることがある。
【0036】
コントローラ500の第2の変形形態では、例えば、コントローラ500は、第1のポート508及び第2のポート510をさらに備えることがある。例えば、第1のポート508は、第1の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第1の情報を受信するように構成されることがある。第1の燃料電池システムは、エネルギーを選択的に、(1)第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。例えば、第2のポート510は、第2の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第2の情報を受信するように構成されることがある。第2の燃料電池システムは、エネルギーを選択的に、(1)第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。例えば、(第2の回路504を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にすることを保証する)条件には、第1の燃料電池システムのタンク内の燃料の量が第1の閾値量を上回る状態又は第2の燃料電池システムのタンク内の燃料の量が第2の閾値量を下回る状態のうちの1つ又は複数が含まれることがある。
【0037】
コントローラ500の第3の変形形態では、例えば、コントローラ500は第1のポート508をさらに備えることがある。第1のポート508は、第2の燃料電池システムの動作状態の測定を示す情報を受信するように構成されることがある。例えば、(第2の回路504を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にすることを保証する)条件には、第2の燃料電池システムの動作状態の測定が測定値の閾値範囲外である状態が含まれることがある。
【0038】
コントローラ500の第4の変形形態では、例えば、コントローラ500は、車両に配置されるように構成されることがある。例えば、(第2の回路504を、エネルギーを第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にすることを保証する)条件には、回生制動動作を実施するのに好ましい状況が含まれることがある。例えば、第3の回路506は、(1)車両の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報を分析し、(2)車両の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報の分析結果に基づいて、条件の存在を判定するように構成されることがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、例えば、第3の回路506は、(1)車両の移動経路に沿った交通流量の変化の測定に関する情報を分析し、(2)車両の移動経路に沿った交通流量の変化の測定の分析結果に基づいて、条件の存在を判定するように構成されることがある。
【0039】
図6A及び図6Bは、開示の技術による、電気エネルギーの貯蔵の管理に関連する方法600の一例を示す流れ図を含む。方法600について、図5に示すコントローラ500の観点から説明する。方法600について、コントローラ500と組み合わせて説明しているが、本明細書の説明を考慮すると、方法600がコントローラ500によって実装されることに限定されないことが当業者には理解される。むしろ、コントローラ500は、方法600を実装するために使用され得るシステム又は装置の一例である。
【0040】
図6Bでは、方法600の動作602にて、例えば、コントローラ500は、第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させることができる。例えば、電磁機械は回転子及び固定子を有することがある。回転子は、シャフトに接続されることがある。回転子又は固定子の一方が第1の巻線及び第2の巻線を有することがある。
【0041】
これとは別に、動作602にて、例えば、コントローラ500は、エネルギーを選択的に、(1)第1のエネルギー貯蔵装置から第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1の巻線から第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電することができる。
【0042】
動作604にて、例えば、コントローラ500は、エネルギーを選択的に、(1)第2のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)電磁機械の第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することができる。
【0043】
さらに、図6Aでは、方法600の動作606にて、例えば、コントローラ500は、第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する条件の存在を判定することができる。
【0044】
方法600の第1の変形形態では、動作606-aにて、例えば、コントローラ500は、第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態を示す第1の情報を受信することができる。
【0045】
動作606-bにて、例えば、コントローラ500は、第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態を示す第2の情報を受信することができる。
【0046】
動作606-cにて、例えば、コントローラ500は、(第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する)条件には、第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第1の閾値充電状態を上回る状態又は第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態が第2の閾値充電状態を下回る状態の1つ又は複数が含まれ得ると判定することができる。例えば、第1の閾値充電状態は90パーセントであることがある。例えば、第2の閾値充電状態は15パーセントであることがある。
【0047】
方法600の第2の変形形態では、動作606-dにて、例えば、コントローラ500は、第1の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第1の情報を受信することができる。第1の燃料電池システムは、エネルギーを選択的に、(1)第1の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第1のエネルギー貯蔵装置に流して第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。
【0048】
動作606-eにて、例えば、コントローラ500は、第2の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第2の情報を受信することができる。第2の燃料電池システムは、エネルギーを選択的に、(1)第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、(2)第2のエネルギー貯蔵装置に流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されることがある。
【0049】
動作606-fにて、例えば、コントローラ500は、(第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する)条件には、第1の燃料電池システムのタンク内の燃料の量が第1の閾値量より多い状態又は第2の燃料電池システムのタンク内の燃料の量が第2の閾値量より少ない状態のうちの1つ又は複数が含まれ得ると判定することができる。
【0050】
方法600の第3の変形形態では、動作606-gにて、例えば、コントローラ500は、第2の燃料電池システムの動作状態の測定を示す情報を受信することができる。
【0051】
動作606-hにて、例えば、コントローラ500は、(第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する)条件には、第2の燃料電池システムの動作状態の測定が測定値の閾値範囲外である状態が含まれ得ると判定することができる。
【0052】
方法600の第4の変形形態では、例えば、コントローラ500は車両に配置されることがある。(第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する)条件には、回生制動動作を実施するのに好ましい状況が含まれることがある。
【0053】
動作606-iにて、例えば、コントローラ500は、車両の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報を分析することができる。
【0054】
動作606-jにて、例えば、コントローラ500は、車両の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報の分析結果に基づいて、第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する条件の存在を判定することができる。
【0055】
方法600の第5の変形形態では、例えば、コントローラ500は車両に配置されることがある。(第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する)条件には、回生制動動作を実施するのに好ましい状況が含まれることがある。
【0056】
動作606-kにて、例えば、コントローラ500は、車両の移動経路に沿った交通流量の変化の測定に関する情報を分析することができる。
【0057】
動作606-lにて、例えば、コントローラ500は、車両の移動経路に沿った交通流量の変化の測定の分析結果に基づいて、第2の巻線から第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して第2のエネルギー貯蔵装置を充電することを保証する条件の存在を判定することができる。
【0058】
図7は、開示の技術による、車両700上に配置された要素の一例を示すブロック図を含む。「車両」とは、本明細書で使用する場合、任意の形態の動力輸送機関である可能性がある。1つ又は複数の実装形態では、車両700は自動車であることがある。本明細書で説明する設備は自動車に関するものであるが、当業者であれば、本明細書の説明を考慮すれば、実施形態が自動車に限定されないことを理解する。
【0059】
いくつかの実施形態では、車両700は、自動化モード、1つ又は複数の半自動動作モード及び/又は手動モードの間で選択的に切り替えられるように構成されることがある。そのような切り替えを、現在知られているか、今後開発される適切な方法で実施することができる。「手動モード」とは、本明細書で使用する場合、車両700のナビゲーション及び/又は操縦の全部又は大部分が、ユーザ(例えば、人間の運転者)から受信した入力に従って実施されることを指すことがある。1つ又は複数の構造では、車両700は、手動モードのみで動作するように構成された従来の車両であることがある。
【0060】
1つ又は複数の実施形態では、車両700は自動化車両であることがある。「自動化車両」とは、本明細書で使用する場合、自動化モードで動作する車両を指すことがある。「自動化モード」とは、本明細書で使用する場合、人間の運転者からの入力が最小限であるか、全く入力されない状態で車両700を制御するために1つ又は複数の計算システムを使用して、移動ルートに沿って車両700をナビゲートしたり、及び/又は操縦したりすることを指すことがある。1つ又は複数の実施形態では、車両700は高度に自動化するか、完全に自動化することができる。一実施形態では、車両700は、1つ又は複数の計算システムが移動ルートに沿った車両のナビゲーション及び/又は操縦の一部を実施し、車両操作者(即ち、車両の運転者)が、移動ルートに沿った車両700のナビゲーション及び/又は操縦の一部を実施するための車両700への入力を提供する1つ又は複数の半自動動作モードで構成されることがある。
【0061】
例えば、Society of Automotive Engineers(SAE)Internationalが2014年1月16日に発行し、2018年6月15日に最新の改訂を実施した「規格J3016、路上自動車の運転自動化システムに関連する用語の分類法及び定義」では、運転自動化の6つのレベルを定義している。このような6つのレベルは、(1)レベル0(自動化なし)であって、動的運転タスクの全態様が人間の運転者によって実施されるレベル0と、(2)レベル1(運転者支援)であって、運転者支援システムが選択された場合、運転環境に関する情報を使用して、ステアリング又は加速/減速のタスクのいずれかを実行することができるが、残りの動的運転タスクはいずれも人間の運転者が実施するレベル1と、(3)レベル2(一部自動化)であって、1つ又は複数の運転者支援システムが選択された場合、運転環境に関する情報を使用して、ステアリングと加速/減速の両方のタスクを実行することができるが、残りの運転動的タスクはいずれも人間の運転者が実施するレベル2と、(4)レベル3(条件付き自動化)であって、自動運転システムが選択された場合、人間の運転者が介入要求に適切に応答することを期待して、動的運転タスクの全態様を実行することができるレベル3と、(5)レベル4(高度な自動化)であって、自動運転システムが選択された場合、人間の運転者が介入要求に適切に応答しなくても、動的運転タスクの全態様を実行することができるレベル4と、(6)レベル5(完全な自動化)であって、自動運転システムが、人間の運転者が管理することができるあらゆる道路条件及び環境条件の下で、動的運転タスクの全態様を実行することができるレベル5と、を含む。
【0062】
車両700は、さまざまな要素を含むことがある。車両700は、図7に示すさまざまな要素の任意の組み合わせを有することがある。さまざまな実施形態では、車両700が図7に示す要素の全部を含む必要はない場合がある。さらに、車両700は、図7に示す要素のほかに要素を有することがある。さまざまな要素は、車両700内に配置されているものとして図7に示しているが、このような要素の1つ又は複数を車両700の外部に配置することがある。さらに、図示の要素は、物理的に分離されている距離が長い場合がある。例えば、記載のように、開示のシステムの1つ又は複数の構成要素を車両700内に実装することがあるのに対し、システムの他の構成要素を、後述するようにクラウド計算環境内に実装することがある。例えば、要素は、1つ又は複数のプロセッサ710と、1つ又は複数のデータストア715と、センサシステム720と、入力システム730と、出力システム735と、車両システム740と、1つ又は複数のアクチュエータ750と、1つ又は複数の自動運転モジュール760と、通信システム770と、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステム780と、を含むことがある。例えば、システム780は、電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムの第1の実装形態100又は電気エネルギーの貯蔵を管理するシステムの第2の実装形態200の1つ又は複数を含むことがある。
【0063】
1つ又は複数の構造では、1つ又は複数のプロセッサ710は、車両700のメインプロセッサであることがある。例えば、1つ又は複数のプロセッサ710は電子制御ユニット(ECU)であることがある。例えば、(図1及び図2に示す)コントローラ106又は(図5に示す)コントローラ500の機能及び/又は動作を1つ又は複数のプロセッサ710によって実現することができる。
【0064】
1つ又は複数のデータストア715は、例えば、1つ又は複数のタイプのデータを保存することができる。1つ又は複数のデータストア715は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことがある。1つ又は複数のデータストア715に適したメモリの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、あるいはその任意の組み合わせが挙げられる。1つ又は複数のデータストア715は1つ又は複数のプロセッサ710の構成要素であることがある。これに加えて、あるいはこれとは別に、1つ又は複数のデータストア715は、それ自体による使用のために、1つ又は複数のプロセッサ710に動作可能に接続されることがある。「動作可能に接続された」は、本明細書で使用する場合、直接の物理的接触を伴わない接続をはじめとする直接的又は間接的な接続を含むことがある。本明細書で使用する場合、動作を実施するように構成要素が「構成」されることがあるという記述を、構成要素が構造的な変更を必要とせず、動作を実施するために、動作状態にする(例えば、電力が供給される、基本的なオペレーティングシステムを実行している、など)必要があるだけであることを意味すると理解することができる。
【0065】
1つ又は複数の構造では、1つ又は複数のデータストア715は地図データ716を保存することができる。地図データ716は1つ又は複数の地理的エリアの地図を含むことがある。場合によっては、地図データ716は、1つ又は複数の地理的エリア内の道路、交通規制装置、路面標識、構造物、特徴及び/又はランドマークに関する情報又はデータを含むことがある。地図データ716は任意の適切な形式であることがある。場合によっては、地図データ716はエリアの航空写真を含むことがある。場合によっては、地図データ716は、360度の地上視界をはじめとする、エリアの地上視界を含むことがある。地図データ716は、地図データ716に含まれる1つ又は複数の項目及び/又は地図データ716に含まれる他の項目に関連する1つ又は複数の項目についての測定値、寸法、距離及び/又は情報を含むことがある。地図データ716は、道路形状に関する情報を有するデジタル地図を含むことがある。地図データ716は、高品質及び/又は非常に詳細であることがある。
【0066】
1つ又は複数の構造では、地図データ716は1つ又は複数の地形図717を含むことがある。1つ又は複数の地形図717は、1つ又は複数の地理的エリアの地面、地形、道路、表面及び/又は他の特徴に関する情報を含むことがある。1つ又は複数の地形図717は、1つ又は複数の地理的エリアの標高データを含むことがある。地図データ716は、高品質及び/又は非常に詳細であることがある。1つ又は複数の地形図717は、舗装道路、未舗装道路、土地をはじめとする地表面を画定するものを含み得る1つ又は複数の地表面を画定することがある。
【0067】
1つ又は複数の構造では、地図データ716は、1つ又は複数の固定障害物地図(static obstacle map)718を含むことがある。1つ又は複数の固定障害物地図718は、1つ又は複数の地理的エリア内に位置する1つ又は複数の固定障害物に関する情報を含むことがある。「固定障害物」とは、一定期間にわたって位置が変化しない(あるいは実質的に変化しない)物理的物質及び/又は一定期間にわたってサイズが変化しない(あるいは実質的に変化しない)物理的物質であることがある。固定障害物の例には、樹木、建物、縁石、フェンス、手すり、中央分離帯、電柱、彫像、記念碑、看板、ベンチ、家具、郵便受け、大きな岩及び塚を挙げることができる。固定障害物は、地面より上方に延びる物体であることがある。1つ又は複数の固定障害物地図718に含まれる1つ又は複数の固定障害物は、位置データ、サイズデータ、寸法データ、材料データ及び/又はそのようなデータに関連する他のデータを有することがある。1つ又は複数の固定障害物地図718は、1つ又は複数の固定障害物についての測定値、寸法、距離及び/又は情報を含むことがある。1つ又は複数の固定障害物地図718は、高品質及び/又は非常に詳細であることがある。1つ又は複数の固定障害物地図718は、地図化されたエリア内の変化を反映するために、更新されることがある。
【0068】
1つ又は複数の構造では、1つ又は複数のデータストア715は、センサデータ719を保存することができる。「センサデータ」とは、本明細書で使用する場合、車両700に装備することができるセンサに関する任意の情報を指すことがあり、そのようなセンサの能力及びそのようなセンサに関する他の情報を含む。センサデータ719は、センサシステム720の1つ又は複数のセンサに関連することがある。例えば、1つ又は複数の構造では、センサデータ719は、センサシステム720の1つ又は複数のライダーセンサ724に関する情報を含むことがある。
【0069】
いくつかの構造では、地図データ716及び/又はセンサデータ719の少なくとも一部を、車両700に搭載された1つ又は複数のデータストア715に配置することがある。これとは別に、あるいはこれに加えて、地図データ716及び/又はセンサデータ719の少なくとも一部を、車両700から離れて位置づけられた1つ又は複数のデータストア715に配置することがある。
【0070】
センサシステム720は1つ又は複数のセンサを含むことがある。「センサ」は、本明細書で使用する場合、何かを検出したり、及び/又は感知したりすることができる任意の装置、構成要素及び/又はシステムを指すことがある。1つ又は複数のセンサは、リアルタイムで検出したり、及び/又は感知したりするように構成されることがある。「リアルタイム」という用語は、本明細書で使用する場合、特定のプロセス又は判定が実施されるのに充分に即時であるとユーザ又はシステムによって認識されるか、プロセッサがいくつかの外部プロセスに遅れずについていくことを可能にする処理応答性のレベルを指すことがある。
【0071】
センサシステム720が複数のセンサを含む構造では、センサは互いから独立して稼働することがある。これとは別に、センサのうちの2つ以上が互いに組み合わされて稼働することがある。そのような場合、2つ以上のセンサはセンサネットワークを形成することがある。センサシステム720及び/又は1つ又は複数のセンサは、1つ又は複数のプロセッサ710、1つ又は複数のデータストア715及び/又は車両700の(図7に示す要素のいずれかを含む)別の要素に動作可能に接続されることがある。センサシステム720は、車両700の外部環境の少なくとも一部(例えば、近くの車両)のデータを取得することがある。センサシステム720は、任意の適切なタイプのセンサを含むことがある。異なるタイプのセンサのさまざまな例を本明細書に記載する。しかし、当業者であれば、実施形態が本明細書に記載の特定のセンサに限定されないことを理解する。
【0072】
センサシステム720は、1つ又は複数の車両センサ721を含むことがある。1つ又は複数の車両センサ721は、車両700自体に関する情報を検出したり、判定したり、及び/又は感知したりすることができる。1つ又は複数の構造では、1つ又は複数の車両センサ721は、例えば、慣性加速度に基づいて、車両700の位置及び向きの変化を検出したり、及び/又は感知したりするように構成されることがある。1つ又は複数の構造では、1つ又は複数の車両センサ721は、1つ又は複数の加速度計、1つ又は複数のジャイロスコープ、慣性計測ユニット(IMU)、推測航法システム、全地球的航法衛星システム(GNSS)、全地球測位システム(GPS)、ナビゲーションシステム747及び/又は他の適切なセンサを含むことがある。1つ又は複数の車両センサ721は、車両700の1つ又は複数の特性を検出したり、及び/又は感知したりするように構成されることがある。1つ又は複数の構造では、1つ又は複数の車両センサ721は、車両700の現在の速度を判定する速度計を含むことがある。
【0073】
これとは別に、あるいはこれに加えて、センサシステム720は、運転環境データを取得したり、及び/又は感知したりするように構成された1つ又は複数の環境センサ722を含むことがある。「運転環境データ」は、本明細書で使用する場合、車両が位置する外部環境又はその1つ又は複数の部分に関するデータ又は情報を含むことがある。例えば、1つ又は複数の環境センサ722は、車両700の外部環境の少なくとも一部での障害物及び/又はそのような障害物に関する情報/データを検出したり、定量化したり、及び/又は感知したりするように構成されることがある。そのような障害物は、固定物質及び/又は動的物質であることがある。1つ又は複数の環境センサ722は、例えば、車線標識、標識、信号機、交通標識、車線ライン、横断歩道、車両700に近接する縁石、道路外の物体など、車両700の外部環境での他のものを検出したり、測定したり、定量化したり、及び/又は検知したりするように構成されることがある。
【0074】
センサシステム720のセンサのさまざまな例を本明細書に記載する。例示的なセンサは、1つ又は複数の車両センサ721及び/又は1つ又は複数の環境センサ722の一部であってもよい。しかし、当業者であれば、実施形態が記載の特定のセンサに限定されないことを理解する。
【0075】
1つ又は複数の構造では、1つ又は複数の環境センサ722は、1つ又は複数のレーダセンサ723、1つ又は複数のライダーセンサ724、1つ又は複数のソナーセンサ725及び/又は1つ又は複数のカメラ726を含むことがある。1つ又は複数の構造では、1つ又は複数のカメラ726は、1つ又は複数の高ダイナミックレンジ(HDR)カメラ又は1つ又は複数の赤外線(IR)カメラであることがある。例えば、1つ又は複数のカメラ726は、デジタル地図に現れ得る情報の項目の状態の現実を記録するために使用されることがある。
【0076】
入力システム730は、情報/データを機械に入力することを可能にする任意の装置、構成要素、システム、要素、配置、あるいはそのグループを含むことがある。入力システム730は、車両の乗員(例えば、運転者又は同乗者)から入力を受信することができる。出力システム735は、情報/データを車両の乗員(例えば、運転者又は同乗者)に提示することを可能にする任意の装置、構成要素、システム、要素、配置、あるいはそのグループを含むことがある。
【0077】
1つ又は複数の車両システム740のさまざまな例を図7に示す。しかし、当業者であれば、車両700が、これより多い車両システム、これより少ない車両システム、あるいはこれとは異なる車両システムを含み得ることを理解する。特定の車両システムを別々に定義することがあるが、システム又はその一部のそれぞれ又はいずれかは、車両700内のハードウェア及び/又はソフトウェアを介して、別の方法で組み合わされても、分離されてもよい。例えば、1つ又は複数の車両システム740は、推進システム741、制動システム742、ステアリングシステム743、スロットルシステム744、伝達システム745、信号伝達システム(signaling system)746及び/又はナビゲーションシステム747を含むことがある。このようなシステムのそれぞれは、現在知られているか、後に開発される1つ又は複数の装置、構成要素及び/又はその組み合わせを含むことがある。
【0078】
ナビゲーションシステム747は、車両700の地理的位置を判定したり、及び/又は車両700の移動ルートを判定したりするように構成された、現在知られているか、今後開発される、1つ又は複数の装置、アプリケーション及び/又はその組み合わせを含むことがある。ナビゲーションシステム747は、車両700の移動ルートを判定するために、1つ又は複数の地図作成アプリケーションを含むことがある。ナビゲーションシステム747は、全地球測位システム、局所的測位システム、地理位置情報システム及び/又はその組み合わせを含むことがある。
【0079】
1つ又は複数のアクチュエータ750は、1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760から信号又は他の入力を受信することに応答して、車両システム740又はその構成要素のうちの1つ又は複数を変更したり、調整したり、及び/又は変化させたりするように動作可能な任意の要素又は要素の組み合わせであることがある。任意の適切なアクチュエータを使用することができる。例えば、1つ又は複数のアクチュエータ750は、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド及び/又は圧電アクチュエータを含むことがある。
【0080】
1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760は、さまざまな車両システム740及び/又はその個々の構成要素と通信するように動作可能に接続されることがある。例えば、1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760は、通信して、さまざまな車両システム740から情報を送信したり、及び/又は受信したりして、車両700の移動、速度、操縦、進行方向、方向などを制御することができる。1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760は、このような車両システム740の一部又は全部を制御してもよく、このため、部分的又は全体的に自動化されてもよい。
【0081】
1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760は、車両システム740及び/又はその構成要素のうちの1つ又は複数を制御することによって、車両700のナビゲーション及び/又は操縦を制御するように動作可能であってもよい。例えば、自動化モードで動作する場合、1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760は、車両700の方向及び/又は速度を制御することができる。1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は1つ又は複数の自動運転モジュール760は、車両700を、(例えば、エンジンへの燃料の供給量を増大させることによって)加速させたり、(例えば、エンジンへの燃料の供給量を減少させたり、及び/又は制動をかけたりすることによって)減速させたり、及び/又は(例えば、前方の2つの車輪を旋回させることによって)方向転換させたりすることができる。「~させる」又は「~させている」は、本明細書で使用する場合、事象又は行動が発生すること、あるいは少なくともそのような事象又は行動が直接的又は間接的な方法で発生し得る状態になることを促したり、強制したり、強いたり、指図したり、命令したり、指示したり、及び/又は可能にしたりすることを意味することがある。
【0082】
通信システム770は、1つ又は複数の受信機771及び/又は1つ又は複数の送信機772を含むことがある。通信システム770は、1つ又は複数の無線通信チャネルを介して1つ又は複数のメッセージを送受信することができる。例えば、1つ又は複数の無線通信チャネルは、車両環境での無線アクセス(WAVE)(専用短距離通信(DSRC)の基礎)を加えるための電気電子技術者協会(IEEE)802.11p規格、(モバイル通信装置とUniversal Mobile Telecommunications SystemのEvolved Node Bとの間のLTE Uuインターフェースをはじめとする)3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標)Long-Term Evolution(LTE)Vehicle-to-Everything(V2X)(LTE-V2X)規格、(5G NR Uuインターフェイスをはじめとする)3GPP(登録商標)第5世代(5G)New Radio(NR)Vehicle-to-Everything(V2X)規格、などに従うものであることがある。例えば、通信システム770は、「コネクテッドカー」技術を含むことがある。「コネクテッドカー」技術には、例えば、車両とパケット交換ネットワーク内の他の装置との間で通信を交換するための装置が含まれることがある。そのような他の装置には、例えば、別の車両(例えば、「車両対車両」(V2V)技術)、路側インフラ(例えば、「車両対インフラ」(V2I)技術)、クラウドプラットフォーム(例えば、「車両対クラウド」(V2C)技術)、歩行者(例えば、「車両対歩行者」(V2P)技術)又はネットワーク(例えば、「車両対ネットワーク」(V2N)技術)が含まれることがある。「車両対あらゆるもの」(V2X)技術が、このような個々の通信技術の態様を統合することができる。
【0083】
車両700は、1つ又は複数のモジュールを含むことができ、その少なくとも一部を本明細書に記載している。モジュールは、1つ又は複数のプロセッサ710によって実行されると、本明細書に記載のさまざまなプロセスのうちの1つ又は複数を実施するコンピュータ可読プログラムコードとして実装することができる。モジュールのうちの1つ又は複数が、1つ又は複数のプロセッサ710のコンポーネントであることがある。これとは別に、あるいはこれに加えて、モジュールのうちの1つ又は複数を、1つ又は複数のプロセッサ710を動作可能に接続することができる他の処理システム上で実行したり、及び/又は同処理システム間で分散したりすることができる。モジュールは、1つ又は複数のプロセッサ710によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含むことがある。これとは別に、あるいはこれに加えて、1つ又は複数のデータストア715はそのような命令を含んでもよい。
【0084】
1つ又は複数の構成では、本明細書に記載のモジュールのうちの1つ又は複数には、人工知能要素又は計算知能要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジー論理又は他の機械学習アルゴリズムが含まれることがある。さらに、1つ又は複数の構造では、モジュールのうちの1つ又は複数を、本明細書に記載の複数のモジュールに分散させることができる。1つ又は複数の構造では、本明細書に記載のモジュールのうちの2つ以上を組み合わせて単一のモジュールにすることがある。
【0085】
車両700は、1つ又は複数の自動運転モジュール760を含むことがある。1つ又は複数の自動運転モジュール760は、車両700及び/又は車両700の外部環境に関する情報を取得可能なセンサシステム720及び/又は任意の他のタイプのシステムからデータを受信するように構成されることがある。1つ又は複数の構造では、1つ又は複数の自動運転モジュール760は、そのようなデータを使用して、1つ又は複数の運転情景モデルを生成することができる。1つ又は複数の自動運転モジュール760は、車両700の位置及び速度を判定することができる。1つ又は複数の自動運転モジュール760は、障害物の位置、障害物、あるいは交通標識、樹木、低木、近隣の車両、歩行者などをはじめとする他の環境特徴を判定することができる。
【0086】
1つ又は複数の自動運転モジュール760は、1つ又は複数のプロセッサ710及び/又は本明細書に記載のモジュールのうちの1つ又は複数によって使用される、車両700の外部環境内の障害物の位置情報を受信したり、及び/又は判定したりして、車両700の位置及び向き、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標での車両位置、あるいは車両700の現在の状態を判定するか、地図の作成又は地図データに関する車両700の位置の判定の際に使用するために、車両700のその環境に対する位置を判定するために使用されることがあり得る任意の他のデータ及び/又は信号を推定するように構成されることがある。
【0087】
1つ又は複数の自動運転モジュール760は、1つ又は複数の移動経路や、車両700の現在の自動運転操縦や、将来の自動運転操縦や、及び/又はセンサシステム720によって取得されたデータ、運転情景モデル及び/又はセンサデータ719からの判定などの任意の他の適切なソースからのデータに基づいた現在の自動運転操縦に対する変更を判定するように構成されることがある。「運転操縦」は、本明細書で使用する場合、車両の移動に影響を及ぼす1つ又は複数の行動を指すことがある。運転操縦の例には、いくつかの可能性を挙げると、車両700の加速、減速、制動、方向転換、横方向への移動、移動車線の変更、移動車線への合流及び/又は後退が挙げられる。1つ又は複数の自動運転モジュール760は、判定された運転操縦を実施するように構成されることがある。1つ又は複数の自動運転モジュール760は、直接的又は間接的に、そのような自動運転操縦を実施させることができる。「~させる」又は「~させている」は、本明細書で使用する場合、事象又は行動が発生すること、あるいは少なくともそのような事象又は行動が直接的又は間接的な方法で発生し得る状態になることを促したり、命令したり、指示したり、及び/又は可能にしたりすることを意味する。1つ又は複数の自動運転モジュール760は、さまざまな車両機能を実行したり、及び/又は車両700又はその1つ又は複数のシステム(例えば、車両システム740のうちの1つ又は複数)にデータを送信したり、同車両又は同システムからデータを受信したり、同車両又は同システムと相互作用したり、及び/又は同車両又は同システムを制御したりするように構成されることがある。例えば、自動ナビゲーションシステムの機能及び/又は動作を、1つ又は複数の自動運転モジュール760によって実現することができる。
【0088】
詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかし、当業者であれば、本明細書の説明に照らして、開示した実施形態が単なる例として意図されていることを理解する。このため、本明細書に開示した特定の構造的及び機能的な詳細を、限定として解釈するべきではなく、特許請求の範囲の根拠としてのみ解釈し、当業者に本明細書の態様を事実上任意の適切に詳細な構造でさまざまに採用することを教示するための代表的根拠としてのみ解釈するべきである。さらに、本明細書で使用する用語及び語句は、限定することを意図したものではなく、むしろ可能な実装の理解可能な説明を提供することを意図したものである。さまざまな実施形態を図1図5図6A図6B及び図7に示しているが、実施形態は図示の構造又は用途に限定されない。
【0089】
図中のフローチャート及びブロック図は、さまざまな実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実施可能な命令を含む、モジュール、セグメント又はコードの一部を表してもよい。当業者であれば、本明細書の説明に照らして、いくつかの代替実装形態では、ブロックに記載された機能が、図が示す順序から外れる可能性があることを理解する。例えば、関与する機能に応じて、連続して示す2つのブロックが実際には実質的に同時に実行されても、ブロックが逆の順序で実行されてもよい。
【0090】
上記のシステム、コンポーネント及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現することができ、1つの処理システムで集中化された方式か、さまざまな要素がいくつかの相互接続された処理システムに分散される分散方式で実現することができる。本明細書に記載の方法を実施するように構成された任意の種類の処理システム又は別の装置が適している。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組み合わせが、読み込まれて実行されると、本明細書に記載の方法を実施するように処理システムを制御するコンピュータ可読プログラムコードを有する処理システムであることがある。システム、コンポーネント及び/又はプロセスはこのほか、機械によって読み取り可能であり、本明細書に記載の方法及びプロセスを実施するために機械によって実行可能な命令のプログラムを有形に具体化するコンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶装置などのコンピュータ可読ストレージに埋め込むことができる。このような要素はこのほか、本明細書に記載の方法の実施を可能にする全特徴を備え、処理システムに読み込まれたときにこのような方法を実施可能なアプリケーション製品に埋め込むことができる。
【0091】
さらに、本明細書に記載の構造が、コンピュータ可読プログラムコードが具体化された、例えば、記憶された1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。「コンピュータ可読記憶媒体」という語句は、本明細書で使用する場合、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体が、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体のシステム、機器又は装置、あるいは前述の任意の適切な組み合わせであってもよいが、ここに挙げたものに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例には、包括的でないリストとして、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、可搬型コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光記憶装置、磁気記憶装置、あるいは前述の任意の適切な組み合わせが挙げられるであろう。コンピュータ可読記憶媒体とは、本明細書で使用する場合、命令実行システム、機器又は装置によって使用されるか、命令実行システム、機器又は装置に関連して使用するためのプログラムを包含するか、保存することができる任意の有形の媒体であってもよい。
【0092】
一般に、本明細書で使用する場合、モジュールには、特定のタスクを実施するか、特定のデータ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。追加の態様では、メモリがそのようなモジュールを概ね保存する。モジュールに関連付けられたメモリは、バッファであっても、プロセッサ内に埋め込まれたキャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ROM、フラッシュメモリ、あるいは別の適切な電子記憶媒体であってもよい。さらに追加の態様では、本明細書で使用するモジュールを、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)のハードウェアコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、あるいは開示した機能を実施するための規定の構成セット(例えば、命令)と共に埋め込まれた別の適切なハードウェアコンポーネントとして実装してもよい。
【0093】
コンピュータ可読媒体に具体化されたプログラムコードを、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、無線周波数(RF)など、あるいは前述の任意の適切な組み合わせを含むがここに挙げたものに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信してもよい。開示した技術の態様の操作を実施するためのコンピュータプログラムコードを、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は類似するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語をはじめとする1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込んでもよい。プログラムコードは、全体的にユーザのコンピュータ上で実行されても、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されても、独立型のソフトウェアパッケージとして実行されても、部分的にユーザのコンピュータ上、部分的にリモートコンピュータ上で実行されても、全体的にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。全体的にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行される場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)をはじめとする任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されても、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネット経由で)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0094】
本明細書で使用する「a」及び「an」という用語は、1つ又は複数として定義される。本明細書で使用する「複数」という用語は、2つ以上として定義される。本明細書で使用する「別の」という用語は、少なくとも2番目以降として定義される。本明細書で使用する「含む」及び/又は「有する」という用語は、具備(即ち、オープン言語)として定義される。「~又は~の少なくとも1つ」という語句は、本明細書で使用する場合、関連付けられたリスト項目の1つ又は複数の可能なあらゆる組み合わせを指し、包含する。例えば、「A、B又はCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、あるいはその任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BC又はABC)を含む。
【0095】
本明細書の態様を、その精神又は本質的な属性から逸脱することなく、他の形態で具体化することができる。このため、本明細書の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく、以下の特許請求の範囲を参照する必要がある。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
シャフトに接続されるように構成された回転子と、固定子とを有する電磁機械であって、前記回転子又は前記固定子の一方が第1の巻線と第2の巻線とを有する、電磁機械と、
コントローラであって、
第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線にエネルギーを流して前記シャフトを回転させる第1の回路と、
エネルギーを選択的に、第2のエネルギー貯蔵装置から前記第2の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電する第2の回路と、を制御するように構成されたコントローラと、
を具備する、システム。
〔態様2〕
前記システムは車両上に配置される、態様1に記載のシステム。
〔態様3〕
前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方がバッテリを具備する、態様1に記載のシステム。
〔態様4〕
前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方がコンデンサを具備する、態様1に記載のシステム。
〔態様5〕
前記第1の回路は、エネルギーを選択的に、
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1の巻線から前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電する、ように構成され、
前記第1の回路又は前記第2の回路の少なくとも一方が、
前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方から前記第1の巻線又は前記第2の巻線の少なくとも一方にエネルギーを流すように構成された少なくとも1つのインバータと、
前記第1の巻線又は前記第2の巻線の少なくとも一方から前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方にエネルギーを流すように構成された少なくとも1つの整流器と、
前記少なくとも1つのインバータ又は前記少なくとも1つの整流器を介して、前記第1のエネルギー貯蔵装置又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の少なくとも一方を、前記第1の巻線又は前記第2の巻線のうちの少なくとも一方に選択的に接続するように構成された少なくとも1つのスイッチと、を具備する、
態様1に記載のシステム。
〔態様6〕
前記電磁機械は、第1の電動発電機と第2の電動発電機とを具備し、
前記回転子は、前記第1の電動発電機上に配置された第1の回転子と、前記第2電動発電機上に配置された第2の回転子とを具備し、
前記固定子は、前記第1の電動発電機上に配置された第1の固定子と、前記第2電動発電機上に配置された第2の固定子とを具備し、
前記第1の回転子又は前記第1の固定子の一方が前記第1の巻線を有し、
前記第2の回転子又は前記第2の固定子の一方が前記第2の巻線を有する、
態様1に記載のシステム。
〔態様7〕
前記第1の回転子及び前記第2の回転子は、前記シャフトに接続されるように構成される、態様6に記載のシステム。
〔態様8〕
前記シャフトは第1のシャフトと第2のシャフトとを具備し、
前記第1の回転子は前記第1のシャフトに接続されるように構成され、
前記第2の回転子は前記第2のシャフトに接続されるように構成され、
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトは、少なくとも1つのギアを介して第3のシャフトに接続されるように構成される、
態様6に記載のシステム。
〔態様9〕
前記コントローラは、前記第2の回路を、前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置にエネルギーを流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電する状態にすることを保証する条件の存在を判定するようにさらに構成される、態様1に記載のシステム。
〔態様10〕
前記コントローラは、
前記第1のエネルギー貯蔵装置の充電状態を示す第1の情報を受信し、
前記第2のエネルギー貯蔵装置の充電状態を示す第2の情報を受信する、ようにさらに構成され、
前記条件は、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記充電状態が第1の閾値充電状態を上回る状態又は前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記充電状態が第2の閾値充電状態を下回る状態の少なくとも一方を含む、
態様9に記載のシステム。
〔態様11〕
エネルギーを選択的に、
前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成された第1の燃料電池システムと、
エネルギーを選択的に、
前記第2の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成された第2の燃料電池システムと、
をさらに具備する、態様9に記載のシステム。
〔態様12〕
前記コントローラは、
前記第1の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第1の情報を受信し、
前記第2の燃料電池システムのタンク内の燃料の量を示す第2の情報を受信する、
ようにさらに構成され、
前記条件は、前記第1の燃料電池システムの前記タンク内の前記燃料の量が第1の閾値量を上回る状態又は前記第2の燃料電池システムの前記タンク内の前記燃料の量が第2の閾値量を下回る状態の少なくとも一方を含む、態様11に記載のシステム。
〔態様13〕
前記コントローラは、前記第2の燃料電池システムの動作状態の測定を示す情報を受信するようにさらに構成され、
前記条件は、前記第2の燃料電池システムの前記動作状態の測定が、測定値の閾値範囲外である状態を含む、態様11に記載のシステム。
〔態様14〕
前記システムは車両上に配置され、
前記条件は、回生制動動作を実施するのに好ましい状況を含む、
態様9に記載のシステム。
〔態様15〕
前記コントローラは、
前記車両の移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報を分析するようにさらに構成され、
前記車両の前記移動経路に沿ったトポロジカルレリーフに関する情報の分析結果に基づいて、前記条件の存在を判定するように構成される、
態様14に記載のシステム。
〔態様16〕
前記コントローラは、
前記車両の移動経路に沿った交通流量の変化の測定に関する情報を分析するようにさらに構成され、
前記車両の前記移動経路に沿った前記交通流量の変化の測定の分析結果に基づいて、前記条件の存在を判定するように構成される、
態様14に記載のシステム。
〔態様17〕
第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させるように構成された第1の回路であって、前記電磁機械は回転子と固定子とを有し、前記回転子はシャフトに接続され、前記回転子又は前記固定子の一方が第1の巻線と第2の巻線とを有する、第1の回路と、
エネルギーを選択的に、
第2のエネルギー貯蔵装置から前記第2の巻線に流してシャフトを回転させるか、または、
前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電する、ように構成された第2の回路と、
を具備する、コントローラ。
〔態様18〕
前記第1の回路は、エネルギーを選択的に、
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1の巻線から前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電する、
ように構成される、態様17に記載のコントローラ。
〔態様19〕
コントローラによって、第1のエネルギー貯蔵装置から電磁機械の第1の巻線にエネルギーを流してシャフトを回転させることであって、前記電磁機械は回転子と固定子とを有し、前記回転子は前記シャフトに接続され、前記回転子又は前記固定子の一方が前記第1の巻線と第2の巻線とを有する、ことと、
前記コントローラによって、エネルギーを選択的に、
第2のエネルギー貯蔵装置から前記第2の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第2の巻線から前記第2のエネルギー貯蔵装置に流して前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電する、ことと、
を含む、方法。
〔態様20〕
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線にエネルギーを流すことは、エネルギーを選択的に、
前記第1のエネルギー貯蔵装置から前記第1の巻線に流して前記シャフトを回転させるか、または、
前記第1の巻線から前記第1のエネルギー貯蔵装置に流して前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電することを含む、態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7