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特許7555503極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 21/00 20060101AFI20240913BHJP
   B63G 8/38 20060101ALI20240913BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G01D21/00 M
B63G8/38
H04B1/04 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023573406
(86)(22)【出願日】2023-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2023093256
(87)【国際公開番号】W WO2023231727
(87)【国際公開日】2023-12-07
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】202310063772.9
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522388545
【氏名又は名称】シノマック センシング テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SINOMACH SENSING TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】242 Beihai Street, Dadong District Shenyang, Liaoning 110043 China
(73)【特許権者】
【識別番号】522388556
【氏名又は名称】シェンヤン アカデミー オブ インストゥルメンテーション サイエンス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENYANG ACADEMY OF INSTRUMENTATION SCIENCE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】242 Beihai Street, Dadong District Shenyang, Liaoning 110043 China
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジーチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュンガン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、グァンゲン
(72)【発明者】
【氏名】チュ、シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ジアルイ
(72)【発明者】
【氏名】アン、レイ
(72)【発明者】
【氏名】スン、ジータオ
(72)【発明者】
【氏名】ゴン、インジァオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ジアフイ
(72)【発明者】
【氏名】リ、シャンキン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ユビン
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114866153(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103106417(CN,A)
【文献】特開2001-237737(JP,A)
【文献】特開平8-54928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00
G08C 17/00-17/06
H04B 1/00- 1/30
B63G 8/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御モジュールと、アンテナモジュールと、フィルタモジュールと、インターフェース変換モジュールと、を備え、
前記アンテナモジュールは、前記フィルタモジュールと前記制御モジュールとに接続され、
前記インターフェース変換モジュールは、前記フィルタモジュールと前記アンテナモジュールと前記制御モジュールとに接続され、
前記インターフェース変換モジュールは、アナログ信号からデジタル信号へ変換させ、差動伝送により信号を伝送し、
前記制御モジュールは、
命令情報を書き込む際に、送信用データを取得し、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って、前記送信用データをデジタル信号に変換させ、前記極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で前記送信用データを表現し、前記シンボルエンベロープには、先頭シンボル、データシンボル、検証シンボル、末尾シンボルおよび不感帯が含まれ、
前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得し、前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであり、
命令情報を読み取る際に、前記アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、前記アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得し、
前記相互誘導信号を前記フィルタモジュールと前記インターフェース変換モジュールとを順に通過させてデジタル信号に変換させ、
前記極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記デジタル信号を読み取ることにより、前記命令情報を取得する、
ように構成されることを特徴とする極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項2】
前記アンテナモジュールは、アンテナ本体と、励磁ユニットと、相互誘導ユニットと、を備え、
前記励磁ユニットと相互誘導ユニットとは、一体的構造であり、前記アンテナ本体に接続されることを特徴とする請求項1に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項3】
前記アンテナモジュールは、前記アンテナ本体と前記励磁ユニットと前記相互誘導ユニットとの接地端を同一の接地点に集中させるための1点アースユニットをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項4】
前記アンテナモジュールは、前記アンテナ本体と前記制御モジュールと前記励磁ユニットと前記相互誘導ユニットとに接続され、前記アンテナ本体の状態を切り替えるための切り替え制御ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項5】
前記アンテナモジュールは、前記アンテナモジュールの内部に設けられ、信号の入力インピーダンスを増加させ、信号の出力インピーダンスを減少させるためのボルテージフォロワをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項6】
前記フィルタモジュールは、二重周波数選択フィルタモジュールであり、前記相互誘導信号を2つの極低周波中心周波数信号に変換させるために使用され、前記2つの極低周波中心周波数は、それぞれ第1の周波数及び第2の周波数であり、前記第1の周波数と前記第2の周波数とは、等しくないことを特徴とする請求項1に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項7】
前記インターフェース変換モジュールは、第1の変換ユニットと、第2の変換ユニットと、を備え、
前記第1の変換ユニットは、前記アンテナモジュールと前記フィルタモジュールとに接続され、前記励磁信号及び前記相互誘導信号を差動信号に変換させ、
前記第2の変換ユニットは、前記制御モジュールに接続され、前記差動信号をデジタル信号に変換させることを特徴とする請求項1に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項8】
前記先頭シンボルは、前記シンボルエンベロープの先頭に位置し、データ伝送の開始を示すためのものであり、
前記データシンボルは、前記シンボルエンベロープの中部に位置し、伝送用データコンテンツを示すためのものであり、
前記検証シンボルは、前記データシンボルの後に位置し、前記データシンボルの正確度を検証するためのものであり、
前記末尾シンボルは、前記シンボルエンベロープの最後に位置し、データ伝送の終了を示すためのものであり、
前記不感帯は、各シンボル間に位置し、タイムシリーズの安定を維持するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項9】
前記制御モジュールは、さらに、
前記命令情報を実行して、対応するフィードバックデータを生成し、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記フィードバックデータをデジタル信号に変換させ、
前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得する、
ように構成され、
前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであることを特徴とする請求項1に記載の極低周波電磁波半二重磁気センシングシステム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の極低周波半二重磁気センシングシステムに適用される極低周波電磁波半二重磁気センシング方法であって、
命令情報を書き込む際に、送信用データを取得するステップと、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って、前記送信用データをデジタル信号に変換させるステップであって、前記極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で前記送信用データを表現するステップと、
前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得するステップであって、前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであるステップと、
命令情報を読み取る際に、前記アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、前記アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得するステップと、
相互誘導信号を前記インターフェース変換モジュールを通過させて前記デジタル信号に変換させるステップと、
前記極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記デジタル信号を読み取ることにより、前記命令情報を取得するステップと、を含むことを特徴とする極低周波電磁波半二重磁気センシング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2023年2月6日に国家知識産権局に出願された、出願番号が202310063772.9であり、発明名称が「極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、励磁駆動の技術分野に関し、特に極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
極低周波(Extremely low frequency,ELF)とは、周波数が3Hzから30Hzであり、波長が100,000キロメートルから1,000,000キロメートルの無線電波である。極低周波信号は、海水、岩石、金属などの媒体を透過することができ、資源調査、地震予知、掘削調査、および潜水艦通信などの分野で使用される。極低周波電磁波は、伝播損失が小さく、大気中での減衰が1dB/千キロメートル未満であるため、主に渦流探傷検査(eddy current inspection)に使用される。渦流探傷検査は、電磁誘導の原理を利用し、検査対象物内の誘導される渦電流の変化を測定することにより、導電性材料および特定の性能を非破壊的に評価し、探傷、材料選別、厚さ測定、寸法測定、および物理量測定(例えば、径方向の振幅、軸方向の変位、運動軌跡の測定)などに使用される。
【0004】
極低周波(ELF)の応用は、磁気センシングの分野においてまだ初期段階にある。極低周波(ELF)磁気センシング信号の送信システムは、コントローラI/Oインターフェースに基づいて極低周波(ELF)励磁を直接制御する機能は実現したが、複雑な作業工程の実時間の交互要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、複雑な環境およびシールド媒体の内外側での実時間の励磁と相互誘導とを実現することができないとの問題を解決するために、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本願の第1の態様に係る、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムは、制御モジュールと、アンテナモジュールと、フィルタモジュールと、インターフェース変換モジュールと、を備え、前記アンテナモジュールは、前記フィルタモジュールと前記制御モジュールとに接続され、前記インターフェース変換モジュールは、前記フィルタモジュールと前記アンテナモジュールと前記制御モジュールとに接続され、前記インターフェース変換モジュールは、アナログ信号からデジタル信号へ変換させ、差動伝送により信号を伝送する。
【0007】
前記制御モジュールは、
命令情報を書き込む際に、送信用データを取得し、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記送信用データをデジタル信号に変換させ、前記極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で前記送信用データを表現し、前記シンボルエンベロープには、先頭シンボル、データシンボル、検証シンボル、末尾シンボルおよび不感帯が含まれ、
前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得し、前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであり、
命令情報を読み取る際に、前記アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、前記アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得し、
前記相互誘導信号を前記フィルタモジュールと前記インターフェース変換モジュールとを順に通過させてデジタル信号に変換させ、
前記極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記デジタル信号を読み取ることにより、前記命令情報を取得する、
ように構成される。
【0008】
上記の技術的構成では、前記制御モジュールの命令の書き込みや読み取りについて、前記インターフェース変換モジュールを制御してコーディングし、前記フィルタモジュールがフィルタリングし、前記アンテナモジュールを制御して励磁や相互誘導することとにより、シールド媒体の内外側間での極低周波の実時間の励磁と相互誘導とを実現することができる。
【0009】
選択的に、前記アンテナモジュールは、アンテナ本体と、励磁ユニットと、相互誘導ユニットと、を備え、前記励磁ユニットと相互誘導ユニットとは、一体的構造であり、前記アンテナ本体に接続され、デジタル信号を制御することによりアンテナ本体に対する直接的な制御を実現する。
【0010】
選択的に、前記アンテナモジュールは、前記アンテナ本体と前記励磁ユニットと前記相互誘導ユニットとの接地端を同一の接地点に集中させるための1点アースユニットをさらに備える。これにより、各種のグランドを区別し、ループ電流を効果的に抑制し、ノイズの前記制御モジュールへの影響を低減することができる。
【0011】
選択的に、前記アンテナモジュールは、前記アンテナ本体と前記制御モジュールと前記励磁ユニットと前記相互誘導ユニットとに接続され、前記アンテナ本体の状態を切り替えるための切り替え制御ユニットをさらに備える。これにより、励磁と相互誘導との一体化を実現し、信号の別途の切り替えが必要せず、前記制御モジュールのみで制御することができ、便利かつ高速であり、通信プロセスがより効率的である。
【0012】
選択的に、前記アンテナモジュールは、前記アンテナモジュールの内部に設けられ、前段(front end)と後段(back end)とが関連付けられるように、信号の入力インピーダンスを増加させ、信号の出力インピーダンスを減少させるためのボルテージフォロワをさらに備える。
【0013】
選択的に、前記フィルタモジュールは、二重周波数選択フィルタモジュールであり、前記相互誘導信号を2つの極低周波中心周波数信号に変換させるために使用され、前記2つの極低周波中心周波数は、それぞれ第1の周波数及び第2の周波数であり、前記第1の周波数と前記第2の周波数とは、等しくない。極低周波相互誘導信号の高ゲインを増幅させることを実現し、2つの極低周波中心周波数点を選択して主周波数とすることができる。
【0014】
選択的に、前記インターフェース変換モジュールは、第1の変換ユニットと、第2の変換ユニットと、を備え、前記第1の変換ユニットは、前記アンテナモジュールと前記フィルタモジュールとに接続され、前記励磁信号または前記相互誘導信号を差動信号に変換させ、前記第2の変換ユニットは、前記制御モジュールに接続され、前記差動信号をデジタル信号に変換させる。
【0015】
選択的に、前記先頭シンボルは、前記シンボルエンベロープの先頭に位置し、データ伝送の開始を示すためのものであり、前記データシンボルは、前記シンボルエンベロープの中部に位置し、伝送用データコンテンツを示すためのものであり、前記検証シンボルは、前記データシンボルの後に位置し、データシンボルの正確度を検証するためのものであり、前記末尾シンボルは、前記シンボルエンベロープの最後に位置し、データ伝送の終了を示すためのものであり、前記不感帯は、各シンボル間に位置し、タイムシリーズの安定を維持するためのものでありる。
【0016】
選択的に、前記制御モジュールは、さらに、
前記命令情報を実行して、対応のフィードバックデータを生成し、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記フィードバックデータをデジタル信号に変換させ、
前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得する、
ように構成され、
前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものである。
【0017】
上記の技術的構成では、命令情報で対応するフィードバックデータを生成し、デジタル信号に変換させて励磁を行うことにより、シールドエリアの内外側間での実時間の双方向通信を実現することができる。
【0018】
本願の第2の態様に係る、前記極低周波半二重磁気センシングシステムに適用される極低周波電磁波双方向磁気センシング方法は、
命令情報を書き込む際に、送信用データを取得するステップと、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記送信用データをデジタル信号に変換させるステップであって、前記極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で前記送信用データを表現するステップと、
前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得するステップであって、前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであるステップと、
命令情報を読み取る際に、前記アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、前記アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得するステップと、
前記相互誘導信号を前記インターフェース変換モジュールを通過させてデジタル信号に変換させるステップと、
前記極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記デジタル信号を読み取ることにより、前記命令情報を取得するステップと、を含む。
【0019】
上記の技術的構成では、前記制御モジュールの命令の書き込みや読み取りについて、前記インターフェース変換モジュールを制御してコーディングし、前記フィルタモジュールがフィルタリングし、前記アンテナモジュールを制御して励磁や相互誘導することとにより、複雑な環境およびシールド媒体の内外側間での極低周波の実時間の励磁と相互誘導とを実現することができないとの問題を解決することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上の技術的構成によれば、本願は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法を提供し、前記システムは、制御モジュールと、アンテナモジュールと、フィルタモジュールと、インターフェース変換モジュールと、を備え、前記アンテナモジュールは、前記フィルタモジュールと前記制御モジュールとに接続され、前記インターフェース変換モジュールは、前記フィルタモジュールと前記アンテナモジュールと前記制御モジュールとに接続され、前記インターフェース変換モジュールは、アナログ信号からデジタル信号へ変換させ、差動伝送により信号を伝送する。前記制御モジュールが命令情報を書き込む際に、送信用データを取得し、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記送信用データをデジタル信号に変換させ、前記極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で前記送信用データを表現し、前記シンボルエンベロープには、先頭シンボル、データシンボル、検証シンボル、末尾シンボルおよび不感帯が含まれ、前記アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、前記インターフェース変換モジュールを介して前記デジタル信号を前記アンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得し、前記励磁信号は、前記アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであり、命令情報を読み取る際に、前記アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、前記アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得し、前記相互誘導信号を前記フィルタモジュールと前記インターフェース変換モジュールとを順に通過させてデジタル信号に変換させ、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って前記デジタル信号を読み取ることにより、前記命令情報を取得する。これにより、複雑な環境およびシールド媒体の内外側間での実時間の励磁と相互誘導とを実現することができないとの問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、本願の技術的構成をより明確に説明するために、実施例に必要な図面を簡単に説明する。また、当業者であれば、創造的な動力無しで、これらの図面から他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのアンテナモジュールの構造模式図である。
図2】本願の実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのフィルタモジュールの構造模式図である。
図3】本願の実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのインターフェース変換モジュールの構造模式図である。
図4】本願の実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムの主局及び従局のタイムシリーズ図である。
図5】本願の実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムの極低周波シンボルエンベロープおよび対応するパルスシーケンスのタイムシリーズ図である。
図6】本願の実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を詳細に説明し、その例示は、図面に示される。以下の説明が図面を参照する場合、別段の説明がない限り、異なる図面における同じ番号は、同じまたは類似の要素を指す。以下の実施例で説明する実施形態は、本願と一致するすべての実施形態を示すものではない。あくまで特許請求の範囲に詳細に説明される、本願のいくつかの態様と一致するシステムおよび方法の例示である。
【0023】
本願の実施例の技術的構成をより容易に理解するために、本願の実施例の具体的な実施形態の説明に先立ち、本願の実施例が属する技術分野のいくつかの用語について簡単に説明する。
【0024】
極低周波:極低周波は、周波数が3Hzから30Hzであり、波長が100,000キロメートルから1,000,000キロメートルの無線電波である。
【0025】
磁気コア:磁気コアは、電磁石の磁気誘導強度を高めるために、誘導コイルの磁気回路に設けられる磁気伝導性材料である。
【0026】
コイル:コイルは、通常、環状の巻線であり、モータ、インダクタンス、トランスおよびループアンテナなどに用いられる。
【0027】
励磁:電磁誘導の原理で動作する発電機などの電気デバイスに動作磁界を与えるものが、励磁である。
【0028】
ドット端:一次コイルと二次コイルとの巻き方向が同じであると、両コイルの始端(または終端)同士がドット端となる。ここで、矩形鉄心の一対の辺にそれぞれ一次コイル及び二次コイルとを巻く場合、巻き始める際に、両導線がいずれも観察者側から鉄心に挿通されることを、巻き方向が同じであると規定する。
【0029】
相互誘導:1方のコイルの電流が変化した場合、隣接する他方のコイルに誘導起電力が発生する現象を、相互誘導とする。
【0030】
中心周波数:通常、バンドパスフィルタ(またはバンドストップフィルタ)の両3dBポイント間の中間点と定義され、相加平均と示される。
【0031】
1点アース:動作周波数が低い(1MHz未満)場合、2点アースによる共通インピーダンスの回路結合を防ぐために、1点アースを採用する。つまり、回路システム全体における1つの構造点を接地基準点とみなし、すべての接地接続をこの点に接続して安全的な接地ボルトを設定する。
【0032】
電圧フォロワ:電圧増幅率が常に1未満かつ1に近い値であり、その顕著な特徴は、入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いことである。
【0033】
差動信号:差動伝送は、1種の信号伝送技術であり、1本を信号線とし、1本を接地線とする方式とは異なり、両線で信号を伝送し、この両信号の振幅は等しく、位相差は180度であり、極性は逆であり、差動伝送により伝送される信号が差動信号である。
【0034】
デジタル信号:デジタル信号は、自変数も従属変数も離散的である信号であり、このような信号の自変数は、整数で示され、従属変数は、数値の有限セットからの1数値で示される。例えば、デジタル信号は、有限ビット数の2進数で示され、例えば、ワード長が2ビットである2進数は、00、01、10、11の4つのサイズのデジタル信号を示すことができる。
【0035】
シンボル:同じ時間間隔の符号で1つの2進数を示し、このような時間間隔内の信号を2進シンボルと称する。この間隔をシンボル長と称する。
【0036】
パルスシーケンス:パルスシーケンスは、特定の帯域幅および特定の振幅を持つRF(無線周波、高周波)パルスと勾配パルスとで構成されるパルスプログラムである。
【0037】
不感帯:不感帯は、中立帯(neutral zone)または非作用領域と呼ばれる場合もあり、機械システムにおける不感帯の概念は、ギアセットのバックラッシュなどである。
【0038】
半二重:半二重は、磁気センシング時のいずれかの時刻において、情報は、AからBへまたはBからAへ伝送されることできるが、一方向への伝送のみが存在する。半二重方式を使用する場合、磁気センシングシステムの各端の励磁回路と受信回路とは、受信/送信スイッチを介して切り替えられる。
【0039】
極低周波信号は、海水、岩石、金属などの媒体を透過することができ、資源調査、地震予知、掘削調査および潜水艦通信などの分野で使用される。極低周波電波は、土壌、海水および金属パイプラインを透過することができるため、パイプライン検査およびパイプラインの内外側間の通信などの分野で使用される。
【0040】
いくつかの実施例において、制御モジュールは、入力される命令に基づいて、周期的な電圧信号である周期パルス信号を生成し、駆動モジュールは、入力される周期パルス信号に対して駆動電圧制御を行って、駆動電圧信号を取得し、アンテナ励磁モジュールは、入力される駆動電圧信号に基づいて励磁制御を行って、送信用の磁気センシング信号を取得する。コントローラI/Oインターフェースに基づいて極低周波励磁を直接制御する機能は実現したが、複雑な作業工程の実時間の交互要件を満たすことができない。
【0041】
本願は、複雑な環境およびシールド媒体の内外側間での実時間の励磁と相互誘導とを実現することができないとの問題を解決するために、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法を提供する。
【0042】
図1図5を参照すると、図1は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのアンテナモジュールの構造模式図であり、図2は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのフィルタモジュールの構造模式図であり、図3は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのインターフェース変換モジュールの構造模式図であり、図4は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムの主局及び従局のタイムシリーズ図であり、図5は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムの極低周波シンボルエンベロープおよび対応するパルスシーケンスのタイムシリーズ図である。
【0043】
本願の一部実施例に係る極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムは、制御モジュールと、アンテナモジュールと、フィルタモジュールと、インターフェース変換モジュールと、を備える。アンテナモジュールは、フィルタモジュールと制御モジュールとに接続され、インターフェース変換モジュールは、フィルタモジュールとアンテナモジュールと制御モジュールとに接続され、インターフェース変換モジュールは、アナログ信号からデジタル信号へ変換させ、差動伝送により信号を伝送する。
【0044】
なお、極低周波電波がシールドエリアの内外側間の通信を行う場合、前記極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムは、主局または従局として機能することができ、一部の実施例において、主局は、1つのみであり、シールドエリアの外部に設けられ、従局は、複数個存在することができ、シールドエリアの内部に設けられる。主局が従局に命令を書き込んだ後、従局は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムを介して命令情報を実時間に取得して読み取ることができる。
【0045】
図6を参照すると、図6は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムのフローチャートである。命令の書き込みおよび読み取りのプロセスは、以下のステップS100~ステップS600を含む。
【0046】
ステップS100では、主局/従局が命令情報を書き込む際に、送信用データを取得する。
【0047】
ステップS200では、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って、送信用データをデジタル信号に変換させるステップであって、極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で送信用データを表現し、シンボルエンベロープには、先頭シンボル、データシンボル、検証シンボル、末尾シンボルおよび不感帯が含まれる。
【0048】
ステップS300では、アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、インターフェース変換モジュールを介してデジタル信号をアンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得するステップであって、励磁信号は、アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものである。
【0049】
ステップS400では、従局/主局が命令情報を読み取る際に、アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得する。
【0050】
ステップS500では、相互誘導信号をフィルタモジュールとインターフェース変換モジュールとを順に通過させてデジタル信号に変換させる。
【0051】
ステップS600では、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従ってデジタル信号を読み取ることにより、命令情報を取得する。
【0052】
上記の技術的構成では、制御モジュールの命令の書き込みや読み取りについて、インターフェース変換モジュールを制御してコーディングし、フィルタモジュールがフィルタリングし、アンテナモジュールを制御して励磁や相互誘導することとにより、シールド媒体の内外側間での極低周波の実時間の励磁と相互誘導とを実現することができる。
【0053】
インターフェース変換モジュールは、アナログ信号をデジタル信号に変換させ、差動伝送方式により信号を伝送するためのものであり、具体的には、シングルエンドTTL信号を差動信号に変換し、さらに差動信号をデジタル信号に変換するものである。
【0054】
いくつかの実施例において、アンテナモジュールは、アンテナ本体と、励磁ユニットと、相互誘導ユニットと、を備え、励磁ユニットと相互誘導ユニットとは、一体的構造であり、アンテナ本体に接続される。
【0055】
アンテナ本体は、ソレノイドコイルと、磁気コアと、を備え、ソレノイドコイルの上側がコイルのドット端であり、ソレノイドコイルの下側がコイルの非ドット端であると規定し、いくつかの実施例において、磁気コアは、パーマロイ材であり、パーマロイは、磁気コアが渦電流損失を効果的に低減するように、高い透磁率を有する。
【0056】
励磁ユニットと相互誘導ユニットとは、上部PMOSと、アンテナ本体と、下部NMOSと、を備え、励磁ユニットと相互誘導ユニットとは、一体化されて励磁と相互誘導とを実現し、このような構造により、主局と従局との間の通信中の同一チャネル干渉が軽減され、ハードウェアを別途に追加して信号をスイッチングする必要がなく、ハードウェア回路の簡素化を実現することができる。
【0057】
いくつかの実施例において、アンテナモジュールは、アンテナ本体と並列に接続され、アンテナ本体が励磁状態と相互誘導状態との切り替えにあるときに磁気リセットを完了するための磁気リセット用ダイオードD3をさらに備える。
【0058】
図1に示すように、アンテナ本体が励磁状態にある場合、信号の流れは、電源5Vから上部PMOS、ソレノイドコイルのドット端、下部NMOS、基準グランドGNDを順に経由し、アンテナ本体が相互誘導状態にある場合、信号の流れは、ソレノイドコイルのドット端、フィルタモジュール、ソレノイドコイルの非ドット端を順に経由する。
【0059】
いくつかの実施例において、アンテナモジュールは、アンテナ本体と励磁ユニットと相互誘導ユニットとの接地端を同一の接地点に集中させるための1点アースユニットをさらに備える。
【0060】
図1に示すように、3つの基準グランド_GNDは、直接接続されずに同一の接地点に集中され、ここに安全接地ボルトを設けることにより、各種のグランドを区別し、ループ電流を効果的に抑制し、ノイズの制御モジュールへの影響を低減することができる。
【0061】
いくつかの実施例において、アンテナモジュールは、アンテナ本体と制御モジュールと励磁ユニットと相互誘導ユニットとに接続され、アンテナ本体の状態を切り替えるための切り替え制御ユニットをさらに備える。これにより、励磁と相互誘導との一体化を実現し、信号の別途の切り替えが必要せず、制御モジュールのみで制御することができ、便利かつ高速であり、通信プロセスがより効率的である。
【0062】
いくつかの実施例において、切り替え制御ユニットは、プルアップ抵抗R0と、ゲート抵抗Rg2と、第2のゲート・ソース間抵抗Rgs2と、第1のゲート・ソース間抵抗Rgs1と、上アーム駆動用NMOSと、を備える。プルアップ抵抗R0は、論理状態を「1」に初期化して、正確な送受信状態を確保し、ゲート抵抗Rg2と第2のゲート・ソース間抵抗Rgs2は、電圧を分圧した後に、上アーム駆動用NMOSと下部NMOSとのスイッチング信号を取得し、第1のゲート・ソース間抵抗Rgs1と上アーム駆動用NMOSとは、上部PMOSのスイッチングを共同で制御することができる。
【0063】
他の実施例において、上アーム駆動用NMOSは、フォトカプラドライバーに置き換えることができる。
【0064】
いくつかの実施例において、アンテナモジュールは、励磁ユニットの内部に設けられ、前段(front end)と後段(back end)とが関連付けられるように、信号の入力インピーダンスを増加させ、信号の出力インピーダンスを減少させるためのボルテージフォロワOP_1をさらに備える。
【0065】
いくつかの実施例において、フィルタモジュールは、二重周波数選択フィルタモジュールであり、相互誘導信号を2つの極低周波中心周波数信号に変換させるために使用され、2つの極低周波中心周波数は、それぞれ第1の周波数及び第2の周波数であり、第1の周波数と第2の周波数とは、等しくない。極低周波相互誘導信号の高ゲインを増幅させることを実現し、2つの極低周波中心周波数点を選択して主周波数とすることができる。
【0066】
図2に示すように、いくつかの実施例において、第1の周波数は、12.5Hzであり、第2の周波数は、25Hzである。
【0067】
12.5Hz周波数選択回路サブステージは、第1の抵抗R1_iと、第2の抵抗R2_iと、第3の抵抗R3_iと、第1のコンデンサC1_iと、第2のコンデンサC2_iと、を備え、入力相互誘導信号Vi_iは、第1の抵抗R1_iと第2の抵抗R2_iとにより分圧された後、それぞれ第3の抵抗R3_iと、第1のコンデンサC1_iと、第2のコンデンサC2_iとに組み合わせて、ゲイン値、高抵抗周波数値および低抵抗周波数値の相互誘導信号Vo_iを取得し、25Hz周波数選択回路サブステージは、第4の抵抗R1_jと、第5の抵抗R2_jと、第6の抵抗R3_jと、第3のコンデンサC1_jと、第4のコンデンサC2_jと、を備え、入力相互誘導信号Vi_jは、第4の抵抗R1_jと第5の抵抗R2_jとにより分圧された後、それぞれ第5の抵抗R3_jと、第3のコンデンサC1_jと、第4のコンデンサC2_jとに組み合わせて、ゲイン値、高抵抗周波数値および低抵抗周波数値の相互誘導信号Vo_jを取得する。この回路により、中心周波数点が12.5Hz及びb25Hzであり、他の周波数成分は減衰する双峰状のスペクトルエンベロープを取得する。また、12.5Hzの伝送遅延が短いという特性と、両中心周波数の整数倍間の比例関係を十分に利用して、後続のパルスシーケンスに対する処理に保障を提供する。
【0068】
他の実施例においては、フィルタモジュールは、12.5Hzと25Hzとの間の周波数をさらに減衰させるためのノッチフィルタユニットをさらに備えることができる。
【0069】
いくつかの実施例において、インターフェース変換モジュールは、第1の変換ユニットと、第2の変換ユニットと、を備え、第1の変換ユニットは、アンテナモジュールとフィルタモジュールとに接続され、励磁信号及び相互誘導信号を差動信号に変換させ、第2の変換ユニットは、制御モジュールに接続され、差動信号をデジタル信号に変換させる。
【0070】
図3に示すように、励磁信号及び相互誘導信号は、いずれもTTLのシングルエンド信号であり、第1の変換ユニットは、TTLのシングルエンド信号Vsを差動信号に変換させる、電源5Vが、LDOを経由して安定した低電圧を取得し、さらに第1の分圧抵抗R1と第2の分圧抵抗R2とに分圧されて高精度基準電圧を取得し、さらにボルテージフォロアOP_2を経由して差動信号Vo-になり、シングルエンドTTL信号Vsが、電流制限抵抗R3及びボルテージフォロワOP_3を経由して直接補正差動信号Vo+になる。ここで、第1の増幅抵抗R5と第2の増幅抵抗R4とは、比例係数を形成し、この比例係数は、基準信号と補正差動信号Vo+との差を増幅させる。第2の変換ユニットは、差動信号がフォトダイオードを通過して最終的にデジタル信号Vdに変換されるようにする。
【0071】
例えば、入力信号範囲を[0,5]Vに設定し、補正差動信号範囲を[-5,5]Vとする場合、これらから基準電圧が2.5Vと推算され、比例係数(第1の増幅抵抗_R5と第2の増幅抵抗_R4との比率)が2になる。抵抗R6は、ボルテージフォロワOP_2入力側電流制限抵抗として、500Ωとすることができる。
【0072】
補正差動信号Vo+および差動信号Vo-の値の範囲が変更されると、それに応じて電流制限抵抗R6も変更する必要がある。
【0073】
いくつかの実施例において、先頭シンボルは、シンボルエンベロープの先頭に位置し、データ伝送の開始を示すためのものであり、データシンボルは、シンボルエンベロープの中部に位置し、伝送用データコンテンツを示すためのものであり、検証シンボルは、データシンボルの後に位置し、データシンボルの正確度を検証するためのものでありし、末尾シンボルは、シンボルエンベロープの最後に位置し、データ伝送の終了を示すためのものであり、不感帯は、各シンボル間に位置し、タイムシリーズの安定を維持するためのものである。
【0074】
図4に示すように、以下の4部分を含む。
丸付き数字1は、主局が書き込み、従局が読み取る部分である。
丸付き数字2は、従局が書き込み、主局が読み取る部分である。
丸付き数字3は、主局の伝送遅延が従局のタイムシリーズに対する影響を緩和するための第1の不感帯である。
丸付き数字4は、従局の伝送遅延が主局のタイムシリーズに対する影響を緩和するための第2の不感帯である。
【0075】
図5に示すように、シンボルエンベロープBLは、合計12ビットのシンボルを有し、丸付き数字1、丸付き数字2は、1ビットの先頭シンボルであり、主局が書き込み、従局が読み取る場合、丸付き数字1は、主局が伝送を開始したことを示し、丸付き数字2は、従局が受信を開始したことを示す。なお、他のシンボルも、前後の2つの領域に分割され、主局が書き込み、従局が読み取り、または従局が書き込み、主局が読み取るとの図4の2つの状況を示す。先頭シンボルの後は、伝送用データコンテンツを示す8ビットのデジタルシンボルであり、ここで、丸付き数字5は、8ビットのデータシンボルの第1位に位置し、丸付き数字6、丸付き数字7は、データシンボルの正確度を検証するための2ビットの検証シンボルである。丸付き数字8は、データ伝送の終了を示す1ビットの末尾シンボルであり、不感帯は、各シンボルの間(例えば、丸付き数字3)に設けられ、タイムシリーズの安定を維持するためのものである。
【0076】
いくつかの実施例において、各シンボル内における前方寄りの領域(例えば、丸付き数字1)は、シンボルのタイムシリーズを識別するための12.5Hzパルスシーケンスであり、各シンボル内における後方寄りの領域(例えば、丸付き数字2、丸付き数字4)は、パルスのデューティ比を調整することにより、先頭シンボル、末尾シンボルおよび各データビットの論理状態をさらに区別するための25Hzパルスシーケンスでる。
【0077】
図6を参照すると、いくつかの実施例において、命令のフィードバックのプロセスは、以下のステップS700~ステップS300を含む。
【0078】
ステップS700では、命令情報を実行して、対応するフィードバックデータを生成する。
【0079】
ステップS800では、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従ってフィードバックデータをデジタル信号に変換させる。
【0080】
ステップS300では、アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、インターフェース変換モジュールを介してデジタル信号をアンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得する。
【0081】
ここで、励磁信号は、アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするものである。
【0082】
主局、従局は、システムタスクの要求により、その命令及び状態の送信が双方向的であり、循環して送信を行うことができる。具体的には、アプリケーションプロトコル及びデータビットの定義は、多様的であることができる。
【0083】
いくつかの実施例において、従局は、シールドエリア内でキャリア状態のフィードバックを検出することに適用され、主局は、シールドエリア外でシステム命令の入力に適用されることができる。本願は、極低周波半二重駆動アルゴリズムを使用することにより、命令情報と状態情報との実時間の磁気センシングの交互を完了することができ、例えば、伝送用データビットの前方の4ビットは、命令情報であり、後方の4ビットは、状態情報であり、図4に示すように、丸付き数字1は、主局が書き込み、従局が読みとのとのタスク期間であり、主局は、主にデータビットの前方の4ビットの命令情報を従局に送信し、従局の丸付き数字2の期間における主なタスクは、データビットの後方の4ビットの状態情報を主局にフィードバックすることである。
【0084】
本願の別の実施例に係る極低周波半二重磁気センシングシステムに適用される極低周波電磁波双方向磁気センシング方法は、
命令情報を書き込む際に、送信用データを取得するステップと、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って、送信用データをデジタル信号に変換させるステップであって、極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で送信用データを表現するステップと、
アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、インターフェース変換モジュールを介してデジタル信号をアンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得するステップであって、励磁信号は、アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするものであるステップと、
命令情報を読み取る際に、アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得するステップと、
相互誘導信号をインターフェース変換モジュールを通過させてデジタル信号に変換させるステップと、
極低周波半二重駆動アルゴリズムに従ってデジタル信号を読み取ることにより、命令情報を取得するステップと、を含む。
【0085】
上記の技術的構成では、制御モジュールの命令の書き込みや読み取りについて、インターフェース変換モジュールを制御してコーディングし、フィルタモジュールがフィルタリングし、アンテナモジュールを制御して励磁や相互誘導することとにより、複雑な環境でおよびシールド媒体の内外側間での極低周波の実時間の励磁と相互誘導とを実現することができる。
【0086】
以上の技術的構成によれば、本実施例は、極低周波電磁波半二重磁気センシングシステムおよび方法を提供し、システムは、制御モジュールと、アンテナモジュールと、フィルタモジュールと、インターフェース変換モジュールと、を備え、アンテナモジュールは、フィルタモジュールと制御モジュールとに接続され、インターフェース変換モジュールは、フィルタモジュールとアンテナモジュールと制御モジュールとに接続され、インターフェース変換モジュールは、アナログ信号からデジタル信号へ変換させ、差動伝送により信号を伝送する。制御モジュールが命令情報を書き込む際に、送信用データを取得し、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従って、送信用データをデジタル信号に変換させ、極低周波半二重駆動アルゴリズムは、シンボルエンベロープ内のシンボル数、シンボル位置およびシンボル配列方式で送信用データを表現し、シンボルエンベロープには、先頭シンボル、データシンボル、検証シンボル、末尾シンボルおよび不感帯が含まれ、アンテナモジュールが励磁状態となるように制御し、インターフェース変換モジュールを介してデジタル信号をアンテナモジュールに送信し、励磁制御して励磁信号を取得し、励磁信号は、アンテナモジュールが電磁波を送信するようにするためのものであり、命令情報を読み取る際に、アンテナモジュールが相互誘導状態となるように制御し、アンテナモジュールの受信による相互誘導信号を取得し、相互誘導信号をフィルタモジュールとインターフェース変換モジュールとを順に通過させてデジタル信号に変換させ、極低周波半二重駆動アルゴリズムに従ってデジタル信号を読み取ることにより、命令情報を取得する。これにより、複雑な環境およびシールド媒体の内外側間での実時間の励磁と相互誘導とを実現することができないとの問題を解決する。
【0087】
本願に係る実施例間の類似部分は、相互に参照することができ、上記に言及された具体的な実施形態は、本願の一般的なアイデアに基づくいくつかの例示にすぎず、本願の保護範囲を限定するものではない。当業者であれば、本願の技術的構成に基づいて、創造な努力無しで得られた他のすべての実施形態も本願の保護範囲に属することを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6