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特許7555535電話自動応答システムおよび電話自動応答プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】電話自動応答システムおよび電話自動応答プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/50 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
H04M3/50 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024068284
(22)【出願日】2024-04-19
【審査請求日】2024-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510197173
【氏名又は名称】株式会社ナレッジフロー
(72)【発明者】
【氏名】林 良生
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-073198(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101730013(CN,A)
【文献】特開2004-247829(JP,A)
【文献】特開2016-171071(JP,A)
【文献】特開2007-235774(JP,A)
【文献】特開2022-172354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24- 1/82
3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持部と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信部と、
前記メッセージ送信部がメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録部と、
通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミングに対するメッセージの文面を生成するためのテンプレートの規則を保持するテンプレート規則保持部と、
電話着信の自動応答の処理において、前記テンプレート規則保持部に保持されている規則に従って決定されたテンプレートから生成された文面のメッセージを送信するかどうかを判定するメッセージ送信判定部を備え、
前記メッセージ送信判定部は、ある電話番号からの電話着信の自動応答の処理において、前記特定メッセージ送信済記録部を参照して、過去一定時間の間に該電話番号に対して該テンプレートから生成されたメッセージ文面のメッセージをすでに送信していた場合は、メッセージを送信しないと判定することを特徴とする電話自動応答システム。
【請求項2】
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持部と、
音声データを保持する音声データ保持部と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信部と、
前記メッセージ送信部がメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録部と
ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、前記特定メッセージ送信済記録部に過去一定期間内に特定のテンプレートから生成された文面のメッセージを該電話番号に送信した記録があるかどうかに対する自動応答の処理の規則を保持するメッセージ送信済自動応答処理規則保持部を備え、
該自動応答の処理は複数の処理の組み合わせであり、
処理の一つとして、テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するという処理を含めることができ、
処理の一つとして、音声データを再生するという処理を含めることができる
ことを特徴とする電話自動応答システム。
【請求項3】
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持処理と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信処理と、
前記メッセージ送信処理においてメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録処理と、
通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミングに対するメッセージの文面を生成するためのテンプレートの規則を保持するテンプレート規則保持処理と、
電話着信の自動応答の処理において、前記テンプレート規則保持処理において保持されている規則に従って決定されたテンプレートから生成された文面のメッセージを送信するかどうかを判定するメッセージ送信判定処理を備え、
前記メッセージ送信判定処理は、ある電話番号からの電話着信の自動応答の処理において、前記特定メッセージ送信済記録処理を参照して、過去一定時間の間に該電話番号に対して該テンプレートから生成されたメッセージ文面のメッセージをすでに送信していた場合は、メッセージを送信しないと判定することを特徴とする電話自動応答プログラム。
【請求項4】
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持処理と、
音声データを保持する音声データ保持処理と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信処理と、
前記メッセージ送信処理においてメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録処理と
ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、前記特定メッセージ送信済記録処理において過去一定期間内に特定のテンプレートから生成された文面のメッセージを該電話番号に送信した記録があるかどうかに対する自動応答の処理の規則を保持するメッセージ送信済自動応答処理規則保持処理を備え、
該自動応答の処理は複数の処理の組み合わせであり、
処理の一つとして、テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するという処理を含めることができ、
処理の一つとして、音声データを再生するという処理を含めることができる
ことを特徴とする電話自動応答プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電話着信に自動的に応答し、受信した音声やDTMF信号、送信済みメッセージの形態に応じて、メッセージの送信や自動音声対応を自動で行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電話によるカスタマーサポートを行う企業は多い。その一つとして、音声による自動応答を行い、通話中の特定のDTMF信号に反応してSMSを送信することがある。これにより、多くの顧客に対して効率的にサポートを行うことができる。
【0003】
こうした形態の自動応答サポートでは、同じ人から何度も電話がかかってきたときに同じ内容のSMSを何度も送ってしまうことがある。また、カスタマーサポートは人手不足なことが多く、1つの案件に時間を取られたくないことから、顧客からの問い合わせはできれば電話よりもチャットで対応したいという事情がある。
【0004】
自動音声とメッセージの送信を組み合わせることに関するシステムについて、以下の技術が知られている。特許文献1には、自動音声に対してユーザが入力した入力情報に対応するテキストを取得し、ユーザの携帯電話番号宛にテキストメッセージを送信するシステムが公開されている。特許文献2には、IVRを利用した自動音声によるメッセージサービスと、SMSなどの電話番号を宛先とするメッセージサービスとを効果的に提供するシステムが公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-72414号公報
【文献】特開2020-088491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしこれらは、1日に同じ人から何度も電話がかかってきたときに、同じ内容のメッセージを送信することを防ぐための対策を含んでいない。
【0007】
本発明は、1日に同じ人から何度も電話がかかってきたときに、同じ内容のメッセージを送信して、コストがかかりすぎたり、顧客の心証が悪くなったりすることを防ぐこと、およびチャットサポートを効果的に活用することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電話自動応答システムは、
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持部と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信部と、
前記メッセージ送信部がメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録部と、
通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミングに対するメッセージの文面を生成するためのテンプレートの規則を保持するテンプレート規則保持部と、
電話着信の自動応答の処理において、前記テンプレート規則保持部に保持されている規則に従って決定されたテンプレートから生成された文面のメッセージを送信するかどうかを判定するメッセージ送信判定部を備え、
前記メッセージ送信判定部は、ある電話番号からの電話着信の自動応答の処理において、前記特定メッセージ送信済記録部を参照して、過去一定時間の間に該電話番号に対して該テンプレートから生成されたメッセージ文面のメッセージをすでに送信していた場合は、メッセージを送信しないと判定することを特徴とする。
【0009】
この特徴によれば、メッセージのテンプレートおよび送信の規則を保持し、ある電話番号からの電話着信の自動応答の処理において、過去一定時間の間にその電話番号に対して前記の規則で定められたテンプレートから生成された文面のメッセージをすでに送信していた場合は、メッセージを送信しないことが可能である。
【0010】
これにより、1日に同じ人から何度も電話がかかってきたときに、同じ内容のメッセージを送信することを防ぐことができ、コストを抑えることができる。また、テンプレートが異なれば2通以上同じ番号宛にメッセージを送信することもできる。
【0011】
本発明の電話自動応答システムは、
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持部と、
音声データを保持する音声データ保持部と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信部と、
前記メッセージ送信部がメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録部と
ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、前記特定メッセージ送信済記録部に過去一定期間内に特定のテンプレートから生成された文面のメッセージを該電話番号に送信した記録があるかどうかに対する自動応答の処理の規則を保持するメッセージ送信済自動応答処理規則保持部を備え、
該自動応答の処理は複数の処理の組み合わせであり、
処理の一つとして、テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するという処理を含めることができ、
処理の一つとして、音声データを再生するという処理を含めることができることを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、電話をかけてきた人に自動応答で対応してメッセージを送信するシステムで、同じ人から1日に2回以上電話がかかってきた場合、1回目と2回目で音声メッセージなど自動応答の対応を変えることができる。
【0013】
本発明の電話自動応答システムは、
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持部と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信部と、
チャットサポートの対応可否の状態を保持するチャットサポート対応可否保持部と、
ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、前記チャットサポート対応可否保持部に保持されているチャットサポート対応可否の状態に対する自動応答の処理の規則を保持するチャットサポート自動応答処理規則保持部を備え、
該自動応答の処理は複数の処理の組み合わせであり、
処理の一つとして、テンプレートから生成され、チャットサポートを受けるためのアドレスが記載された文面のメッセージを送信するという処理を含めることができることを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、チャットサポートの対応可否によって、送信するメッセージの文面を変えるなど自動応答の対応を変えることができる。これにより、本当に対応可能な場合のみ、チャットサポートを案内することができる。
【0015】
本発明の電話自動応答システムは、
チャットサポートが設置されているウェブサイトのURLおよび、該ウェブサイト上において担当者がサポート可能な場合の表示の条件を設定するウェブサイト担当可能表示設定部と、
ウェブサイトの表示が前記の担当者がサポート可能な場合の表示の条件を満たしているかどうかを調べ、チャットサポート対応可否の状態を前記チャットサポート対応可否保持部に保持するチャットサポート対応可否判定部を備えることを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、チャットサポートが設置されているWEBサイトにアクセスしてオペレーターがオンラインかどうか調べ、チャットのオペレーターが対応可能な場合にのみ、チャットに誘導することができる。チャットサポートの対応オペレーターが無人の場合にチャットに案内すると印象が悪いが、それを防ぐことができる。
【0017】
本発明の電話自動応答プログラムは、
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持処理と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信処理と、
前記メッセージ送信処理においてメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録処理と、
通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミングに対するメッセージの文面を生成するためのテンプレートの規則を保持するテンプレート規則保持処理と、
電話着信の自動応答の処理において、前記テンプレート規則保持処理において保持されている規則に従って決定されたテンプレートから生成された文面のメッセージを送信するかどうかを判定するメッセージ送信判定処理を備え、
前記メッセージ送信判定処理は、ある電話番号からの電話着信の自動応答の処理において、前記特定メッセージ送信済記録処理を参照して、過去一定時間の間に該電話番号に対して該テンプレートから生成されたメッセージ文面のメッセージをすでに送信していた場合は、メッセージを送信しないと判定することを特徴とする。
【0018】
本発明の電話自動応答プログラムは、
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持処理と、
音声データを保持する音声データ保持処理と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信処理と、
前記メッセージ送信処理においてメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する特定メッセージ送信済記録処理と
ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、前記特定メッセージ送信済記録処理において過去一定期間内に特定のテンプレートから生成された文面のメッセージを該電話番号に送信した記録があるかどうかに対する自動応答の処理の規則を保持するメッセージ送信済自動応答処理規則保持処理を備え、
該自動応答の処理は複数の処理の組み合わせであり、
処理の一つとして、テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するという処理を含めることができ、
処理の一つとして、音声データを再生するという処理を含めることができることを特徴とする。
【0019】
本発明の電話自動応答プログラムは、
メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持処理と、
テンプレートから生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信処理と、
チャットサポートの対応可否の状態を保持するチャットサポート対応可否保持処理と、
ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、前記チャットサポート対応可否保持処理において保持されているチャットサポート対応可否の状態に対する自動応答の処理の規則を保持するチャットサポート自動応答処理規則保持処理を備え、
該自動応答の処理は複数の処理の組み合わせであり、
処理の一つとして、テンプレートから生成され、チャットサポートを受けるためのアドレスが記載された文面のメッセージを送信するという処理を含めることができる
ことを特徴とする。
【0020】
この特徴によれば、コンピュータを電話自動応答プログラムとして動作させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、1日に同じ人から何度も電話がかかってきたときに同じ内容のメッセージを送信して、コストがかかりすぎたり、顧客の心証が悪くなったりすることを防ぎ、さらに、チャットサポートを効果的に活用することを可能にする電話自動応答システムおよびコンピュータを本発明の電話自動応答システムとして機能させる電話自動応答プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第1実施形態における電話自動応答システム1の構成を示す図である。
図2図2は、メッセージテンプレート保持部11が保持する情報を示す図である。
図3図3は、特定メッセージ送信済記録部14が記録する情報を示す図である。
図4図4は、テンプレート規則保持部12が保持するテンプレートを示す図である。
図5図5は、第2実施形態における電話自動応答システム1の構成を示す図である。
図6図6は、メッセージ送信済自動応答処理規則保持部112が保持する自動応答の処理を行う流れを示すフローチャートである。
図7図7は、第3実施形態における電話自動応答システム1の構成を示す図である。
図8図8は、チャットサポート対応可否保持部1111が保持する情報を示す図である。
図9図9は、チャットサポート自動応答処理規則保持部1112が保持する自動応答の処理を行う流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施形態における実施例を説明する。
(実施例:第1実施形態)
【0024】
図1は、第1実施形態における電話自動応答システム1の構成を示す図である。
【0025】
電話自動応答システム1は、ユーザ端末、利用者端末2及び顧客端末3と通信ネットワークで繋がっている。
【0026】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0027】
電話自動応答システム1は、メッセージテンプレート保持部11、テンプレート規則保持部12、メッセージ送信部13、特定メッセージ送信済記録部14、メッセージ送信判定部15を備える。
【0028】
電話自動応答システム1の各構成部(メッセージテンプレート保持部11、テンプレート規則保持部12、メッセージ送信部13、特定メッセージ送信済記録部14、メッセージ送信判定部15)に対応する処理を実行する装置は、それぞれ物理的に離れた位置にあってもよい。
【0029】
メッセージテンプレート保持部11は、メッセージの文面を生成するためのテンプレートを保持する。
【0030】
メッセージ送信部13は、テンプレートから生成された文面のメッセージを送信する。
【0031】
特定メッセージ送信済記録部14は、メッセージ送信部13がメッセージを送信したときに、送信日時、テンプレートの識別子、宛先電話番号を記録する。
【0032】
テンプレート規則保持部12は、通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミングに対するメッセージの文面を生成するためのテンプレートの規則を保持する。
【0033】
メッセージ送信判定部15は、電話着信の自動応答の処理において、テンプレート規則保持部12に保持されている規則に従って決定されたテンプレートから生成された文面のメッセージを送信するかどうかを判定する。
(第1実施形態:自動応答およびメッセージ送信の工夫)
【0034】
以下、電話自動応答システム1による自動応答およびメッセージ送信の処理の一例を示す。
【0035】
図2は、メッセージテンプレート保持部11が保持する情報を示す図である。
【0036】
メッセージテンプレート保持部11は、メッセージの文面を生成するためのテンプレート「A:「ネットで予約を取るためのURLはこちらです。https://○○」B:「営業時間は10:00-23:00、アクセスはこちらです。https://××」」を保持する。
【0037】
メッセージ送信部13は、テンプレートから生成された文面「ネットで予約を取るためのURLはこちらです。https://○○」のメッセージを「08012345678」宛に送信する。
【0038】
図3は、特定メッセージ送信済記録部14が記録する情報を示す図である。
【0039】
特定メッセージ送信済記録部14は、メッセージ送信部13がメッセージを送信したときに、「送信日時2023/01/01 10:00 00」、テンプレートの識別子「A」、宛先電話番号「08012345678」を記録する。
【0040】
図4は、テンプレート規則保持部12が保持するテンプレートを示す図である。
【0041】
テンプレート規則保持部12は、通話中に受信した音声「はい」やDTMF信号の列「1」、音声「はい」やDTMF信号を受信したタイミング「自動音声11を再生中」に対するメッセージの文面を生成するためのテンプレートの規則「音声「はい」またはDTMF信号1かつ自動音声11を再生中ならばAを送信する」を保持する。
【0042】
メッセージ送信判定部15は、電話着信の自動応答の処理において、テンプレート規則保持部12に保持されている規則「音声「はい」またはDTMF信号1かつ自動音声11を再生中ならばAを送信する」に従って決定されたテンプレート「A」から生成された文面のメッセージ「ネットで予約を取るためのURLはこちらです。https://○○」を送信するかどうかについて、特定メッセージ送信済記録部14を参照して、過去一定時間の間に該電話番号「08012345678」に対して該テンプレート「A」から生成された文面「ネットで予約を取るためのURLはこちらです。https://○○」のメッセージをすでに送信していた場合は、メッセージを「送信しない」と判定する。
【0043】
本実施例を変更し、メッセージ送信判定部15の判定基準となる一定時間は、テンプレートごとに異なっていてもよい。
【0044】
また、本実施例を変更し、メッセージ送信判定部15は、メッセージを「送信しない」と判定する条件として、一定期間内のメッセージ送信件数もしくは送信費用が予め定められた上限に達しているという条件が上記の条件に追加であってもよい。
【0045】
以下、本発明の第2実施形態における実施例を説明する。
(実施例:第2実施形態)
【0046】
図5は、第2実施形態における電話自動応答システム1の構成を示す図である。
【0047】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0048】
電話自動応答システム1は、メッセージテンプレート保持部11、テンプレート規則保持部12、メッセージ送信部13、特定メッセージ送信済記録部14、音声データ保持部111、メッセージ送信済自動応答処理規則保持部112を備える。
【0049】
電話自動応答システム1の各構成部(メッセージテンプレート保持部11、テンプレート規則保持部12、メッセージ送信部13、特定メッセージ送信済記録部14、音声データ保持部111、メッセージ送信済自動応答処理規則保持部112)に対応する処理を実行する装置は、それぞれ物理的に離れた位置にあってもよい。
【0050】
音声データ保持部111は、音声データを保持する。
【0051】
メッセージ送信済自動応答処理規則保持部112は、ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTFM信号を受信したタイミング、特定メッセージ送信済記録部14に過去一定期間内に特定のテンプレートから生成された文面のメッセージを該電話番号に送信した記録があるかどうかに対する自動応答の処理の規則を保持する。
(第2実施形態:自動応答の対応規則)
【0052】
以下、電話自動応答システム1による 自動応答の対応規則に即した処理の一例を示す。
【0053】
音声データ保持部111は、音声データ101:「メッセージをお送りいたしますのでご確認ください。お問い合わせ内容をご返信でお送りください。折り返しご連絡いたします。」、102:「先ほどのお電話の際にメッセージを送信しました。順番にご連絡させていただいております。緊急の場合は、メッセージの返信で緊急事態であることをご連絡ください。」を保持する。
【0054】
図6は、メッセージ送信済自動応答処理規則保持部112が保持する自動応答の処理を行う流れを示すフローチャートである。
【0055】
メッセージ送信済自動応答処理規則保持部112は、電話番号「08012345678」からの電話着信による通話中に音声「はい」またはDTMF信号の列「1」を受信し、該音声または該DTFM信号を受信したタイミングについて「自動音声11を再生中」である場合、特定メッセージ送信済記録部14に過去一定期間内に特定のテンプレート「A」から生成された文面「ネットで予約を取るためのURLはこちらです。https://○○」のメッセージを該電話番号「08012345678」に送信した記録があるかどうかに対して、「送信済」の場合には、「「先ほどのお電話の際にメッセージを送信しました。順番にご連絡させていただいております。緊急の場合は、メッセージの返信で緊急事態であることをご連絡ください。」という音声を再生してメッセージを送信しない」、「未送信」の場合には、「「メッセージをお送りいたしますのでご確認ください。お問い合わせ内容をご返信でお送りください。折り返しご連絡いたします。」という音声を再生して該メッセージを送信する」という自動応答の処理の規則を保持する。
(実施例:第3実施形態)
【0056】
図7は、第3実施形態における電話自動応答システム1の構成を示す図である。
【0057】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0058】
電話自動応答システム1は、メッセージテンプレート保持部11、メッセージ送信部13、チャットサポート対応可否保持部1111、チャットサポート自動応答処理規則保持部1112、ウェブサイト担当可能表示設定部1113、チャットサポート対応可否判定部1114を備える。
【0059】
電話自動応答システム1の各構成部(メッセージテンプレート保持部11、メッセージ送信部13、チャットサポート対応可否保持部1111、チャットサポート自動応答処理規則保持部1112、ウェブサイト担当可能表示設定部1113、チャットサポート対応可否判定部1114)に対応する処理を実行する装置は、それぞれ物理的に離れた位置にあってもよい。
【0060】
チャットサポート対応可否保持部1111は、チャットサポートの対応可否の状態を保持する。
【0061】
チャットサポート自動応答処理規則保持部1112は、ある電話番号からの電話着信による通話中に受信した音声やDTMF信号の列、音声やDTMF信号を受信したタイミング、チャットサポート対応可否判定部1114に保持されているチャットサポート対応可否の状態に対する自動応答の処理の規則を保持する。
【0062】
ウェブサイト担当可能表示設定部1113は、チャットサポートが設置されているウェブサイトのURLおよび、該ウェブサイト上において担当者がサポート可能な場合の表示の条件を設定する。
【0063】
チャットサポート対応可否判定部1114は、ウェブサイトの表示が前記の担当者がサポート可能な場合の表示の条件を満たしているかどうかを調べ、チャットサポート対応可否の状態をチャットサポート対応可否保持部1111に保持する。








【0064】
以下、電話自動応答システム1によるチャットサポートによる対応を考慮する場合の処理の一例を示す。
【0065】
図8は、チャットサポート対応可否保持部1111が保持する情報を示す図である。
【0066】
チャットサポート対応可否保持部1111は、チャットサポート「CTIチャットサポート」の対応可否の状態「対応可」を保持する。
【0067】
図9は、チャットサポート自動応答処理規則保持部1112が保持する自動応答の処理を行う流れを示すフローチャートである。
【0068】
チャットサポート自動応答処理規則保持部1112は、電話番号「08012345678」からの電話着信による通話中に受信した音声「はい」またはDTMF信号の列「1」を受信し、該音声または該DTFM信号を受信したタイミングについて「自動音声11を再生中」である場合、チャットサポート対応可否保持部1111に保持されているチャットサポート対応可否の状態について、「対応可」の場合には「CTIサポートからの自動応答メッセージです。お電話をとれず申し訳ございません。順次対応させていただいております。ご質問内容をご返信ください。ただいま以下からチャットによるサポートも可能となっております。お急ぎの方は以下からチャットサポートをご利用ください。https://xxx.xxx.com/」を送信し、「対応不可」の場合には、「CTIサポートからの自動応答メッセージです。お電話をとれず申し訳ございません。順次対応させていただいております。ご質問内容をご返信ください。」を送信するという自動応答の処理の規則を保持する。
【0069】
ウェブサイト担当可能表示設定部1113は、チャットサポートが設置されているウェブサイト「CTIサポート」のURL「https://○○」および、該ウェブサイト上において担当者がサポート可能な場合の表示の条件「チャット画面上に「オンライン」と表示されている」を設定する。
【0070】
チャットサポート対応可否判定部1114は、ウェブサイト「https://○○」の表示が前記の担当者がサポート可能な場合の表示の条件「チャット画面上に「オンライン」と表示されている」を満たしているかどうかを調べ、チャット画面上に「オンライン」と表示されている場合に、チャットサポート対応可否の状態「対応可」をチャットサポート対応可否保持部1111に保持する。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、1日に同じ人から何度も電話がかかってきたときに同じ内容のメッセージを送信して、コストがかかりすぎたり、顧客の心証が悪くなったりすることを防ぎ、さらに、チャットサポートを効果的に活用することを可能にする電話自動応答システムおよび電話自動応答プログラムである。カスタマーサポートを行う企業による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0072】
1 電話自動応答システム
11 メッセージテンプレート保持部
12 テンプレート規則保持部
13 メッセージ送信部
14 特定メッセージ送信済記録部
15 メッセージ送信判定部
111 音声データ保持部
112 メッセージ送信済自動応答処理規則保持部
1111 チャットサポート対応可否保持部
1112 チャットサポート自動応答処理規則保持部
1113 ウェブサイト担当可能表示設定部
1114 チャットサポート対応可否判定部
2 利用者端末
3 顧客端末
【要約】      (修正有)
【課題】1日に同じ人から何度も電話がかかってきたときに、同じ内容のメッセージを送信して、顧客の心証が悪くなったりすることを防ぐ電話自動応答システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】電話自動応答システム1は、メッセージの文面を生成するテンプレートを保持するメッセージテンプレート保持部12、生成された文面のメッセージを送信するメッセージ送信部13、特定メッセージ送信済記録部14及び電話着信の自動応答処理において、テンプレート規則保持部に保持されている規則に従って決定したテンプレートから生成した文面のメッセージを送信するかどうかを判定するメッセージ送信判定部15を備え、メッセージ送信判定部は、ある電話番号からの電話着信の自動応答の処理において、過去一定時間の間に該電話番号に対して該テンプレートから生成されたメッセージ文面のメッセージをすでに送信していた場合、メッセージを送信しないと判定する。
【選択図】図1
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図9