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  • 特許-微粒化装置ユニット 図1
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  • 特許-微粒化装置ユニット 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】微粒化装置ユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/14 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
F04B53/14 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019197906
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021071084
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000146445
【氏名又は名称】株式会社常光
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】佐野 恵一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良一
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-173655(JP,A)
【文献】実開昭52-168154(JP,U)
【文献】特開2019-070355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒化する試料を供給する供給容器と、
料を微粒化する微粒化流路有する微粒化装置と、
前記供給容器から供給される試料を前記微粒化装置へ押し出して供給するプランジャポンプと、を有し、
前記供給容器と前記プランジャポンプが配管により接続され、前記プランジャポンプと前記微粒化装置が配管により接続されて試料が前記供給容器から前記プランジャポンプを経由して前記微粒化装置へ供給され、前記微粒化装置を通過した後の試料が前記供給容器へ充填される微粒化装置ユニットであって、
前記微粒化装置は、
上流側の第1ブロックと下流側の第2ブロックと、前記第1ブロックと前記第2ブロックの間に介装される第3ブロックと、
前記第1ブロックに形成される複数の流路部と、前記第2ブロックに形成される複数の流路部と、
前記第1ブロックと前記第3ブロックとの接合面に形成され前記第1ブロックの前記複数の流路部を単一に集合させる集合部と、
前記第1ブロックに形成される前記複数の流路部と反対側の前記第3ブロック内に前記第1ブロックの前記複数の流路部の内直径よりも狭小に形成されるオリフィス流路部と、
前記第3ブロックと前記第2ブロックとの接合面に形成され前記オリフィス流路部を分岐させる分岐部と、を備え、
前記第1ブロックの前記複数の流路部と、前記オリフィス流路部と、前記第2ブロックの前記複数の流路部とを、試料を微粒化する、前記微粒化流路として有し、
前記プランジャポンプは、
円筒状の加圧室、および外部から前記加圧室の内側に向けて、前記加圧室を構成する壁面の外部と内部とを連通する洗浄流路が形成されたシリンダと、
前記シリンダにおける前記加圧室内を、前記シリンダの軸方向に往復動可能に配置され、外周面が前記洗浄流路と径方向に対向する円筒状のプランジャと、
前記加圧室内のうち、前記シリンダの内周面と、前記プランジャの外周面と、の間に位置する部分に配置され、前記プランジャの外周面と全周にわたって接触する高圧シールと、
前記加圧室内のうち、前記シリンダの内周面と、前記プランジャの外周面と、の間であって、前記高圧シールよりも加圧室における前記軸方向の奥側に位置する部分に配置され、全周にわたって前記高圧シールと接触し、かつゲル状の高分子材料により形成された環状の弾性体であるシールリングと、を備え、
前記高圧シールおよび前記シールリングは、前記プランジャが前記加圧室内を往復動する際に、常に前記プランジャの外周面と接触している
ことを特徴とする微粒化装置ユニット
【請求項2】
前記微粒化装置と前記供給容器とを接続する配管に熱交換器がさらに接続されることを特徴とする請求項1に記載の微粒化装置ユニット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプランジャポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料を微粒化して均一化させるホモジナイザーユニットとして、微粒化装置ユニットが知られている。
【0003】
このような微粒化装置ユニットとして、例えば下記特許文献1には、内部に微粒化流路が形成された微粒化装置を備え、容器から供給された試料を、高圧ポンプにより微粒化装置の微粒化流路内に供給して通過させることで、試料を均一化させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3149371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、プランジャポンプのシリンダ内において、試料中の粒子が、プランジャの外周面に付着することで、プランジャのシリンダ内での動作に支障がでるおそれがあった。
このような支障を抑制するために、シリンダの内部につながり、プランジャの外周面を洗浄する洗浄液が流下する洗浄流路を形成し、シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に高圧シールを配置することで、試料と洗浄液とを隔離する構成が考えられる。
しかしながら、このような構成を採用すると、試料中の粒子が、高圧シールのうち、周辺部材との接触部分に目詰まりを起こし、高圧シールのシール性が次第に悪くなるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、プランジャポンプのシリンダ内において、シリンダの内周面と、プランジャの外周面と、の間に配置された高圧シールのシール性を維持することができるプランジャポンプを備える微粒化装置ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るプランジャポンプは、円筒状の加圧室、および外部から加圧室の内側に向けて、加圧室を構成する壁面の外部と内部とを連通する洗浄流路が形成されたシリンダと、シリンダにおける加圧室内を、シリンダの軸方向に往復動可能に配置され、外周面が洗浄流路と径方向に対向する円筒状のプランジャと、加圧室内のうち、シリンダの内周面と、プランジャの外周面と、の間に位置する部分に配置され、プランジャの外周面と全周にわたって接触する高圧シールと、加圧室内のうち、シリンダの内周面と、プランジャの外周面と、の間であって、高圧シールよりも加圧室における軸方向の奥側に位置する部分に配置され、全周にわたって高圧シールと接触し、かつゲル状の高分子材料により形成された環状のシールリングと、を備え、高圧シールおよびシールリングは、プランジャが加圧室内を往復動する際に、常にプランジャの外周面と接触している。
【0008】
また、シールリングは、弾性体であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の微粒化装置ユニットのプランジャポンプでは、加圧室内のうち、シリンダの内周面と、プランジャの外周面と、の間に位置する部分に高圧シールが配置され、高圧シールに対して加圧室の奥側に位置する部分に、高圧シールと全周にわたって接触するシールリングが配置されている。このため、試料が充填される加圧室側から、試料中の粒子が流れてきても、高圧シール側に流れ込むのをシールリングにより遮ることができる。これにより、プランジャポンプのシリンダ内において、シリンダの内周面と、プランジャの外周面と、の間に配置された高圧シールのシール性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】微粒化装置ユニットの構成例を示す概念図である。
図2】オリフィスホモジナイザの構造を示す断面図である。
図3】オリフィスホモジナイザの径方向の断面図である。
図4図1におけるA部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一態様に係るプランジャポンプ51について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、プランジャポンプ51が利用される微粒化装置ユニット1の構成例を模式的に示す概念図である。図1に示すように、微粒化装置ユニット1は、試料を微粒化して均一化させるホモジナイザーユニットである。微粒化装置ユニット1は主に、供給容器30、プランジャポンプ51、微粒化装置10、熱交換器80、およびこれらを接続する配管40、41、42、43を備えている。
【0013】
微粒化装置10は、試料が内部を通過することで、該試料を微粒化する微粒化流路を有している。微粒化装置10は、オリフィスホモジナイザあるいは単にオリフィスと呼称されることもある。ここで、微粒化装置10の構造について、図2および図3を用いて詳述する。
【0014】
図2は微粒化装置10の縦断面図であり、図2のA-A線における断面図が図3(a)であり、図2のB-B線における断面図が図3(b)であり、図2のC-C線における断面図が図3(c)である。
【0015】
微粒化装置10は、第1ブロック21と第2ブロック22、そして第1ブロック21と第2ブロック22の間に介装される第3ブロック23により形成されている。第1ブロック21において、複数の流路部11、12が形成されている(図2および図3(a)参照)。また、第2ブロック22においても、複数の流路部18、19が形成されている。
【0016】
第1ブロック21と第3ブロック23との接合面に、第1空隙部14が形成されている。この第1空隙部14が複数の流路部11、12を単一に集合させる集合部13となる(図2および図3(b)参照)。集合部13(第1空隙部14)のうち、流路方向における流路部11、12と反対側は第3ブロック23となり、第3ブロック23内にオリフィス流路部15が形成されている(図2および図3(c)参照)。
【0017】
オリフィス流路部15の下流側においても、第3ブロック23と第2ブロック22との接合面にも、第2空隙部16が形成されている。この第2空隙部16がオリフィス流路部15を分岐させて複数の流路部18、19と接続する分岐部17となる。すなわち、微粒化流路は、流路部11、12、オリフィス流路部15、および流路部18、19により構成されている。
【0018】
流路部11、12および流路部18、19の内直径(D1)は相互に同一であり、オリフィス流路部15の内直径(D2)よりも大きく形成されている。具体的には、内直径(D1)は、内直径(D2)の5ないし7倍である。また、第1空隙部14の距離(D3)は内直径(D1)と同等に規定される。従って、オリフィス流路部15は小径流路部である。
【0019】
次に、微粒化装置10を用いた際の作用を説明する。被処理物を有機溶媒中に分散させた試料は、流路部11、12を経由して集合部13(第1空隙部14)に進入する。ここで、オリフィス流路部15は流路部11、12よりも狭小であるため、試料の流量は低下する。そして、試料(圧送流体)の圧力変化が生じ、それぞれの流路部11、12から流入した試料は集合部13において衝突する。このときの試料中の被処理物同士は衝突時のエネルギーにより破砕される。このように、試料が流路部11、12からオリフィス流路部15へ流動するごとに、試料中の被処理物同士の衝突が進み、結果として試料は粉砕される。
【0020】
図示の流路部11、12および流路部18、19それぞれは、ともに2つずつ形成されているが、流路部11、12および流路部18、19の形成数は、試料が流れればよいので、1以上あればよい。ただし、試料中の被処理物の衝突を促すため、流路部11、12および流路部18、19それぞれの形成数は、ともに2以上であることがさらに望ましい。
【0021】
次に、微粒化装置ユニット1における試料の流れについて図1を用いて説明する。
まず、メインルートである微粒化流路について説明する。
図1に示すように、供給容器30は、微粒化流路に試料を供給する。供給容器30には、微粒化前の試料および微粒化流路を通過した後であって、まだ十分に微粒化されていない試料が充填される。
【0022】
供給容器30は、微粒化流路の最も上流側に設けられており、図示の通り、弁70を備えた配管40を介して、プランジャポンプ51と接続されている。
プランジャポンプ51のうち、配管40が接続される部分には、弁71が介在されている。
【0023】
プランジャポンプ51は、配管40を介して弁71並びに微粒化装置10に接続されている。弁71を開くことで、供給容器30からの試料を、配管41に流すことができ、弁71を閉じることで、供給容器30からの試料が配管41に流出するのを防止するとともに、プランジャポンプ51により押し出された試料が供給容器30側に逆流するのを防止することができる。
【0024】
プランジャポンプ51は、シリンダ51Aとプランジャ51Bとにより構成されている。シリンダ51Aの内部をプランジャ51Bが往復動することで、シリンダ51Aの内部に試料を充填し、シリンダ51A内の試料を外部に送り出すことができる。
【0025】
本実施形態に係るプランジャポンプ51のシリンダ51Aの内部には、円筒状の加圧室が形成されている。プランジャ51Bは円筒状をなし、シリンダ51Aの加圧室内を往復動可能に挿入、配置されている。
プランジャ51Bは、例えば図示しないクランク機構の回転により、図4に示す軸線Oの延びる方向に往復道する。これにより、プランジャポンプ51は、試料を配管41から吸引することができるとともに、試料を配管41に押し出すことができる。
【0026】
プランジャポンプ51には更に、配管41が弁71を介して接続されている。配管41は、弁72を介して、微粒化装置10の一方側の端部と接続されている。微粒化装置10の他方側の端部は、弁72を介して配管42と接続されている。配管42は更に熱交換器80の一方側の端部に接続されている。
【0027】
熱交換器80は、微粒化装置10による微粒化工程によって、試料が熱をもった場合に、その熱を除去する機能を果たす。そして、熱交換器80の他方側の端部に接続された配管43が、供給容器30内に接続されている。
このようにして、供給容器30、プランジャポンプ51、微粒化装置10、および熱交換器80の内部を試料が循環する微粒化流路が形成されている。
【0028】
なお、図示の例では、微粒化装置ユニット1は取出容器を備えておらず、供給容器30から複数回にわたって微粒化流路を通過することにより、充分に微粒化された試料を取り出す構成を示しているが、このような態様に限られない。供給容器30とは別に、取出容器を設けてもよい。
また、微粒化装置ユニット1は、例えば配管41に接続されたドレン(不図示)等を介して、均一化された試料を取出すような構成であってもよい。
【0029】
微粒化装置ユニットが備える各弁70、71、72を開閉することで、それぞれの位置において、試料を流したり、試料の流れを堰き止めたりすることができる。
微粒化装置ユニット1はまた、プランジャポンプ51の動作や、各弁70、71、72等の開閉を制御する制御部(図示せず)を備えてもよい。制御部は、微粒化装置ユニット1において、試料が、微粒化流路をループして、目標とする粒度まで微粒化流路を流動するように、プランジャポンプ51および各弁70、71、72の開閉を制御する。
【0030】
以上のような構成を有する微粒化装置ユニット1において、試料を微粒化する処理手順について説明する。
【0031】
はじめに、被処理物は有機溶媒中に分散されて試料となる。分散は供給容器30で行われる。
微小化の対象である被処理物は、例えば、セルロース、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、複合金属酸化物(スピネル、ペロブスカイト等の結晶質)等の多岐にわたる物質である。分散を通じて微小化することにより、樹脂等に混合する際の均一な分散性が高まる。そのため、素材の性能向上が見込まれる。
【0032】
次に、弁70、および配管40と接続された弁71を開くともに、プランジャ51Bをシリンダ51A内から引き出すことで、プランジャポンプ51のシリンダ51A内に試料を充填する。そして、配管40と接続された弁71を閉じるとともに、配管41と接続された一対の弁72を開いた状態で、プランジャ51Bをシリンダ51A内に押し込むことで、試料を、配管41を介して、微粒化装置10に供給する(高圧で押し出す)。
【0033】
これにより、前述の構造を有する微粒化装置10を通過することで微粒化(均一化)された試料が、熱交換器80の内部を通過する。ここで、試料からの放熱が行われる。そして、試料は配管43を経由して、供給容器30に充填される。
【0034】
この動作を複数回繰り返すことにより、試料が微粒化流路を複数回通過する。即ち、複数回にわたって試料が微粒化されるとともに、試料の均一化が実現される。
なお、当該処理は、微粒化装置ユニット1に設けられた制御部により実行されてもよいし、オペレータからの指示を受け付けた制御部が実行することとしてもよい。そして、試料が充分に均一化されると、供給容器30から資料が取り出される。
【0035】
次に、サブルートである洗浄液流路について説明する。
図1に示すように、プランジャポンプ51には洗浄液配管91を介して、フラッシングポンプ92および洗浄液弁93が連結されている。洗浄液配管91は、洗浄液タンク90に接続されている。フラッシングポンプ92および洗浄液弁93は、制御部(図示せず)に接続され、それぞれの駆動や開閉が制御される。
すなわち、洗浄液弁93を開いた状態で、フラッシングポンプ92を駆動させることで、洗浄液タンク90内の有機溶媒を洗浄液として、プランジャポンプ51に供給することができる。ここで、有機溶媒は、試料に用いられるものと同じものが使用される。
【0036】
図1に示すように、シリンダ51Aには、外部から加圧室の内側に向けて連通する洗浄流路51Cが形成されている。洗浄流路51Cは、プランジャ51Bが往復移動する方向であるシリンダ51Aの軸方向に対して直交する径方向に延びている。洗浄流路51Cは、加圧室を構成する壁面の外部と内部とを連通している。洗浄流路51Cは、プランジャ51Bの外周面と、径方向に対向している。
洗浄流路51Cは、プランジャ51Bを径方向に挟む位置に一対配置されている。一対の洗浄流路51Cには、洗浄液配管91がそれぞれ接続されている。
【0037】
図4は、図1におけるA部拡大図である。図4に示すように、シリンダ51Aの加圧室内において、シリンダ51Aの内周面とプランジャ51Bの外周面との間には、径方向の隙間が形成されている。この径方向の隙間のうち、洗浄流路51Cよりも加圧室の奥側に位置する部分には、高圧シール60が配置されている。ここで、加圧室において、シリンダ51Aの軸方向に沿って、プランジャ51Bの先端部側を奥側といい、プランジャ51Bの基端部側を手前側という。高圧シール60は、試料と洗浄液とを隔離し、高圧に加圧された試料が、洗浄液側に漏れるのを防いでいる。
【0038】
高圧シール60は、シリンダ51Aの内周面、およびプランジャ51Bの外周面と全周にわたって接触している。高圧シール60の軸方向の端面には、軸方向に窪む凹部が形成されている。高圧シール60は、凹部の空間が小さくなるように、径方向に押圧されて僅かに弾性変形した状態で、シリンダ51Aの内周面と、プランジャ51Bの外周面と、の間に配置されている。このため、高圧シール60は、径方向の外側に向けて広がるように付勢されている。
【0039】
シリンダ51Aの内周面と、プランジャ51Bの外周面と、の間のうち、高圧シール60よりも加圧室の手前側に位置する部分にシールリング61が配置されている。シールリング61は、環状を呈している。シールリング61は、全周にわたって高圧シール60と接触している。また、シールリング61は、高圧シール60の軸方向の端面の全域に接触している。
そして高圧シール60およびシールリング61は、プランジャ51Bが加圧室内を往復動する際に、常にプランジャ51Bの外周面と接触している。
【0040】
シールリング61は、弾性体である。本実施形態では、シールリング61は、ゲル状の高分子材料により形成されている。このような高分子材料としては、シリコーンゲル、ポリアクリル酸ナトリウムゲル、ポリウレタンゲル等が挙げられる。また、その他の材料として、例えば、スチレンブタジエンゴム又はフッ素樹脂ゴム等を採用してもよい。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係るプランジャポンプ51によれば、加圧室内のうち、シリンダ51Aの内周面と、プランジャ51Bの外周面と、の間に位置する部分に高圧シール60が配置され、高圧シール60に対して加圧室の手前側に位置する部分に、高圧シール60と全周にわたって接触するシールリング61が配置されている。このため、試料が充填される加圧室側から、試料中の粒子が流れてきても、高圧シール60側に流れ込むのをシールリング61により遮ることができる。これにより、プランジャポンプ51のシリンダ51A内において、シリンダ51Aの内周面と、プランジャ51Bの外周面と、の間に配置された高圧シール60のシール性を維持することができる。
【0042】
また、シールリング61が、弾性体であるので、シールリング61を高圧シール60に対して軸方向に押し付けるように配置することで、シールリング61が弾性的に変形しながら、高圧シール60と接触することができる。これにより、高圧シール60とシールリング61との間に隙間が生じるのを抑制し、シールリング61によるシール性能を高めることができる。
【0043】
また、シールリング61が、ゲル状の高分子材料により形成されているので、高圧シール60に対するシールリング61の密着性を顕著に確保することができる。このため、より一層効果的に、シールリング61により高圧シール60周辺へのシール性能を高めることができる。
【0044】
なお、上記実施形態においては、シールリング61がゲル状の合成樹脂材料により形成されている構成を示したが、このような態様に限られない。シールリング61の材質は例えばエラストマ等の弾性体であってもよい。
また、微粒化装置10の流路の構造については、任意に変更可能である。
【0045】
また、前述した変形例に限られず、これらの変更例を選択して適宜組み合わせてもよいし、その他の変形を施してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 微粒化装置ユニット
10 微粒化装置
30 供給容器
51 プランジャポンプ
51A シリンダ
51B プランジャ
51C 洗浄流路
60 高圧シール
61 シールリング
図1
図2
図3
図4