(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】栄養関連商品レコメンド装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20240917BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20240917BHJP
【FI】
G16H20/60
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2020133278
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2020001748
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515029156
【氏名又は名称】株式会社ユカシカド
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】美濃部 慎也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬一郎
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-202833(JP,A)
【文献】特開2019-191626(JP,A)
【文献】特許第6586499(JP,B1)
【文献】特開2018-156123(JP,A)
【文献】特開2002-259571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの栄養状態に関連する商品を提案する装置であって、
ユーザの尿に浸けた尿検査紙の画像を取得して処理し得るカメラ手段を用いて、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
ユーザの質問情報を取得する質問情報取得手段と、
前記生体情報と前記質問情報に基づいて、ユーザの体内の栄養素の過不足に関する栄養情報を算出する栄養情報算出手段と、
算出された前記栄養情報に基づいて、過不足栄養素に関連する商品群を抽出する関連商品抽出手段と、
ユーザが有するアレルギー内容、ユーザの年齢、ユーザの性別の少なくとも何れかに基づいて、前記商品群からユーザに適さない不適切商品を除外する不適切商品除外手段と、
前記不適切商品が除外された前記商品群の各々の商品に対して優先度を設定する優先度設定手段と、
前記優先度に基づいて提案商品を決定する商品決定手段と、
前記提案商品に関するデータを出力する提案商品出力手段、
を備えたことを特徴とする栄養関連商品レコメンド装置。
【請求項2】
前記不適切商品除外手段は、
所定期間内に当該ユーザに提案した商品、又は、当該ユーザにより購入された商品を、前記商品群からユーザに適さない前記不適切商品
として決定し除外することを特徴とする請求項1に記載の栄養関連商品レコメンド装置。
【請求項3】
前記優先度設定手段は、
朝食、昼食、間食又は夕食の何れかに関する時間的食品分類、新商品、売れ筋商品、お薦め商品、
季節限定商品、セール商品の少なくとも何れかの判定項目と、それらの
商品毎に設定され、かつ全てのユーザに共通の重み付けを用いて、各商品について優先度を設定することを特徴とする請求項1
又は2に記載の栄養関連商品レコメンド装置。
【請求項4】
前記優先度設定手段は、ユーザによ
り指定された検索の条件に該当する商品である検索対象商品、ユーザによるお気に入り登録商品、ユーザによる購入商品と同一属性商品、及び、ユーザによ
りカートから削除された商品の少なくとも何れかの判定項目と、それらの
商品毎に設定され、かつ当該ユーザに関する重み付けを更に用いて、各商品について優先度を設定することを特徴とする請求項
3に記載の栄養関連商品レコメンド装置。
【請求項5】
前記生体情報は、尿検査を含む検査により得られるユーザの体液成分情報であり、前記栄養情報は、ビタミン、ミネラルを含む栄養素に関する情報であることを特徴とする請求項1~
4の何れかに記載の栄養関連商品レコメンド装置。
【請求項6】
コンピュータを用いて、コンピュータが備える各手段が、ユーザの栄養状態に関連する商品を提案する
処理を行う方法であって、
ユーザの尿に浸けた尿検査紙の画像を取得して処理し得るカメラ手段を用いて、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
ユーザの質問情報を取得する質問情報取得ステップと、
前記生体情報と前記質問情報に基づいて、ユーザの体内の栄養素の過不足に関する栄養情報を算出する栄養情報算出ステップと、
算出された前記栄養情報に基づいて、過不足栄養素に関連する
商品群を抽出する関連商品抽出ステップと、
ユーザが有するアレルギー内容、ユーザの年齢、ユーザの性別の少なくとも何れかに基づいて、前記商品群からユーザに適さない不適切商品を除外する不適切商品除外ステップと、
前記不適切商品が除外された前記商品群の各々の商品に対して優先度を設定する優先度設定ステップと、
前記優先度に基づいて提案商品を決定する商品決定ステップと、
前記提案商品に関するデータを出力する提案商品出力ステップ、
を備えたことを特徴とする栄養関連商品レコメンド方法。
【請求項7】
請求項
6における前記栄養情報算出ステップ、前記関連商品抽出ステップ、前記不適切商品除外ステップ、前記優先度設定ステップ、及び、前記商品決定ステップをコンピュータに実行させるための栄養関連商品レコメンドプログラム。
【請求項8】
ユーザ側のクライアント端末と、サービス提供者側のサーバとが、ネットワークを介して接続されデータを送受信するシステムにおいて、
前記サーバは、請求項1~
5の何れかの栄養関連商品レコメンド装置を備え、
前記クライアント端末は、
ユーザの質問情報を入力する手段と、ディスプレイ上に提案商品を表示する手段とを備えたことを特徴とする栄養関連商品レコメンドシステム。
【請求項9】
前記サーバは、前記提案商品を電子商取引におけるユーザのカートに自動追加する手段を更に備え、
前記クライアント端末は、カートに自動追加された前記提案商品から不要な商品を除外し、又は、必要な商品をカートに手動追加する商品変更手段を更に備えたことを特徴とする請求項
8に記載の栄養関連商品レコメンドシステム。
【請求項10】
前記クライアント端末は、
商品の定期的な送付を申し込む定期便サービス申込手段を更に備え、
前記サーバは、
ユーザによる定期便サービスの申込を承諾する定期便サービス承諾手段と、
所定期日又は所定期間の経過毎に商品を送付する手段を更に備えたことを特徴とする請求項
9に記載の栄養関連商品レコメンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報等を基に栄養関連商品の提案を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康意識の高まりから、健康食品やサプリメントを摂取する人が増加している。
しかしながら、一般のユーザにとっては、自身に不足する栄養素を正確に把握することが困難であり、またユーザの多くは栄養に関する専門的な知識を有しないため、自身の経験等によってサプリメント等を選択し摂取しているのが実情であった。
【0003】
そこで、分析組織の端末を用いてユーザの尿を分析し、分析結果からユーザに不足しているビタミン、ミネラルなどを指摘し、購入を推薦するサプリメント名をユーザの端末に送信するサプリメント購入システムが知られている(特許文献1を参照)。
上記特許文献1に開示されたサプリメント購入システムでは、推薦されたサプリメントの中から希望するサプリメントを選択して製造組織の端末に送信できるだけではなく、採尿容器を発送する状況をユーザの端末に送信できるため、定期的な検査を促す機能も有している。
かかるシステムによれば、ユーザは自身に不足する栄養素を正確に把握し、自分に合ったサプリメントを購入し、摂取することが可能である。
しかしながら、サプリメントは、ユーザの不足する栄養素を補うものではあるが、それ自体が美味しいというわけではないし、健康食品等の食品についても、必ずしもユーザの好みに合った味であるとは限らない。そのため、ユーザに合ったサプリメント等を提案したとしても、ユーザの購買意欲が高まらなければ、ユーザに購入してもらえず、結果としてユーザの健康増進が図られないという問題がある。
【0004】
ユーザに合ったサプリメントを提案する技術としては、ユーザの悩みに対するサプリメントの推薦度を記憶するサプリメント情報記憶部を備え、ユーザから受け付けた悩みとその度合いを基に、提案するサプリメントを絞り込むサプリメント提案システムが知られている(特許文献2を参照)。
上記サプリメント提案システムによれば、ダイエットや肌のアンチエイジング、疲労回復といったユーザの悩みに応じたサプリメントを提案でき、ユーザの購買意欲を高めることが可能である。
【0005】
しかしながら、ユーザの購買意欲を最大限に高めるためには、ユーザの悩みを解決するだけでは十分ではない。すなわち、ユーザが心身ともに健康で豊かな生活を送るためには、不足の栄養素を補ったり、ユーザの悩みを解決したりすればよいというものではなく、ユーザが積極的に興味を持ち、美味しく、そして楽しく摂取できる商品を提案する必要がある。ところが、上記サプリメント提案システムでは、悩み等に関わらず、ユーザが積極的に興味を持つことのできる商品を提案することはできないという問題がある。
また、特許文献2に開示されたサプリメント提案システムは、問診情報を基に不足栄養素を特定するものであり、尿などの生体情報を利用しないため、正確な不足栄養素の特定がなされないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-87192号公報
【文献】特許第6586499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる状況に鑑みて、本発明は、ユーザの栄養状態に適合し、かつ、ユーザの購買意欲を増進させる商品を提案する栄養関連商品レコメンド装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の栄養関連商品レコメンド装置は、ユーザの栄養状態に関連する商品を提案する装置であって、下記1)~8)の手段を備える。
1)ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段
2)ユーザの質問情報を取得する質問情報取得手段
3)生体情報と質問情報に基づいて、ユーザの体内の栄養素の過不足に関する栄養情報を算出する栄養情報算出手段
4)算出された栄養情報に基づいて、過不足栄養素に関連する商品群を抽出する関連商品抽出手段
5)商品群からユーザに適さない不適切商品を除外する不適切商品除外手段
6)不適切商品が除外された商品群の各々の商品に対して優先度を設定する優先度設定手段
7)優先度に基づいて提案商品を決定する商品決定手段
8)提案商品に関するデータを出力する提案商品出力手段
【0009】
1)生体情報取得手段における生体情報とは、尿、唾液、汗、血液、便、爪、毛髪又は皮膚など人体から採取できる生体情報を広く含むが、尿検査を含む検査により得られるユーザの体液成分情報であることが好ましく、更に好ましくは尿検査により得られるユーザの体液成分情報である。尿成分情報の取得方法としては、例えば、検査キットを用いて採尿された尿を郵送して成分を測定することでもよいし、試験紙による簡易検査により成分を測定することでもよい。
【0010】
2)質問情報取得手段における質問情報とは、ユーザへの質問につき、ユーザが回答した内容のことであり、氏名、住所、生年月日などユーザの個人情報や、喫煙、飲酒、アレルギー体質、持病の有無などの情報のことである。
【0011】
3)栄養情報算出手段において、栄養情報は、ビタミン、ミネラルを含む栄養素に関する情報であることが好ましいが、上記栄養素に限られない。
ここでのビタミンとは、具体的には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの脂溶性ビタミンや、B群ビタミンやビタミンCなどの水溶性ビタミンのことであり、B群ビタミンとしては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸およびビオチンの6種類である。B群ビタミンは、動物のエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素であり、炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に働き、互いに協力関係をもちながら、様々な物質代謝に関わっていることが知られている。そのため、B群ビタミンの尿中濃度を検査することにより、ユーザの体内の不足している栄養素を明らかにできる。
また、ミネラルとは、尿中のナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、リン、硫黄、塩素、コバルト、亜鉛、鉄、銅、セレン、マンガン、クロム、モリブデン、ヨウ素などのことである。
ビタミン、ミネラル以外の栄養素としては、例えば、ω-6脂肪酸やω-3脂肪酸などの必須脂肪酸が挙げられる。
【0012】
4)関連商品抽出手段では、サービス提供者が提案可能な全商品から、過不足栄養素に基づいて商品の絞込みを行う。具体的には、例えば、不足栄養素を補う栄養素を含む食品などを抽出する。また、不足栄養素を補うだけでなく、過剰に摂取されている栄養素を排出する効果を有する食品や、過剰に摂取されている栄養素を含まない食品を抽出することも可能である。
なお、本明細書において、商品とは、食品やサプリメント等の物品に限られず、サービスも含む意味で用いている。そのため、例えば、コンビニエンスストア、調剤薬局、ドラッグストア、飲食店又は運動施設などで利用できるクーポン等を提案することも可能である。
【0013】
5)不適切商品除外手段は、ユーザに関する過去の提案履歴と商品購入履歴に基づいて、商品を除外することが好ましく、更に好ましくは、ユーザが有するアレルギー内容、ユーザの年齢、ユーザの性別の少なくとも何れかに基づいて、商品を除外することである。また、上記項目に限られず、例えば、ユーザが質問情報を提供する際に、「サプリメントなし」を選択した場合には、サプリメントを除外するといったことが可能である。
過去の提案履歴と商品購入履歴に基づく除外とは、所定期間以内に当該ユーザに提案した商品や、当該ユーザにより購入された商品を除外することである。ユーザの年齢に基づく除外とは、例えば世代特化アイテムが当該ユーザの世代に合致しない場合に除外することであり、ユーザの性別に基づく除外とは、例えば性別特化アイテムが当該ユーザの性別に合致しない場合に当該アイテムを除外することである。さらに、3)栄養情報算出手段において過剰と判断された栄養素を含む商品を除外することもできる。
【0014】
6)優先度設定手段は、ユーザの興味を惹くと考えられる要素を判定項目として用い、それらの重み付けを用いて、各商品について優先度を設定するものであり、時間的食品分類、新商品、お気に入り商品、売れ筋商品、お薦め商品、戦略的商品、季節限定商品、セール商品の少なくとも何れかの判定項目と、それらの重み付けを用いて、各商品について優先度を設定することが好ましく、更に好ましくは、ユーザによる検索対象商品、ユーザによる購入商品と同一属性商品、及び、ユーザによる購入キャンセル商品の少なくとも何れかの判定項目と、それらの重み付けを更に用いて、各商品について優先度を設定することである。また、レビュー評価、すなわち、例えば当該ユーザに限らないユーザからの5段階評価等を判定項目として用いてもよい。
【0015】
7)商品決定手段は、提案商品の品目数及び提案順を決定することが好ましい。商品の品目数とは、ユーザに提案する商品の種類の数のことであり、商品の提案順とは、例えば、ユーザの保有する端末のディスプレイ上に表示する商品の順番のことであり、より優先的に表示したいと考える商品については、上位に表示するといった形で、提案の優先順序を決定することができる。提案の優先順序の決定においては、6)優先度設定手段においてなされた優先度設定結果と組み合わせて利用することが可能である。商品の提案順の例としては、主菜、主食、副菜、調味料、汁物の順のように、料理の組合せなどを基準とした提案順が挙げられる。ここで、主菜、主食、副菜又は汁物は、調味料やサプリメントのように、主菜、主食、副菜又は汁物に利用される食品も含むことでもよいし、上述のように調味料等を主菜等とは別の属性として扱うことでもよい。
したがって、例えば、6)優先度設定手段において優先度設定がなされた商品が10種類、提案したい商品の品目数が4種類である場合、7)商品決定手段において、商品の提案順及び優先度設定に従い、上位から4種類の商品を選択し、決定することができる。
【0016】
8)提案商品出力手段としては、インターネット等の通信手段を介して、ユーザの保有する端末のディスプレイ上に提案結果を表示することが好ましいが、例えば、サービス提供者の保有する端末のディスプレイ上に提案結果を表示することでもよいし、提案結果をプリントアウトして、郵送等によりユーザに提供することでもよい。また、コンビニエンスストアなどの店舗に設置されているレジにおいて、顧客側に表示されるディスプレイ上に表示するといったように、ユーザが操作または確認できる端末に提案結果を表示することでもよい。
【0017】
本発明の栄養関連商品レコメンド方法は、ユーザの栄養状態に関連する商品を提案する方法であって、下記1)~8)ステップを備える。
1)ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップ
2)ユーザの質問情報を取得する質問情報取得ステップ
3)生体情報と質問情報に基づいて、ユーザの体内の栄養素の過不足に関する栄養情報を算出する栄養情報算出ステップ
4)算出された栄養情報に基づいて、過不足栄養素に関連する商品群を抽出する関連商品抽出ステップ
5)商品群からユーザに適さない不適切商品を除外する不適切商品除外ステップ
6)不適切商品が除外された商品群の各々の商品に対して優先度を設定する優先度設定ステップ
7)優先度に基づいて提案商品を決定する商品決定ステップ
8)提案商品に関するデータを出力する提案商品出力ステップ
【0018】
本発明の栄養関連商品レコメンドプログラムは、上記の栄養関連商品レコメンド方法における3)栄養情報算出ステップ、4)関連商品抽出ステップ、5)不適切商品除外ステップ、6)優先度設定ステップ、及び、7)商品決定ステップをコンピュータに実行させるためのものである。
【0019】
本発明の栄養関連商品レコメンドシステムは、ユーザ側のクライアント端末と、サービス提供者側のサーバとが、ネットワークを介して接続されデータを送受信するシステムにおいて、サーバは、上記の何れかの栄養関連商品レコメンド装置を備え、クライアント端末は、ユーザの質問情報を入力する手段と、ディスプレイ上に提案商品を表示する手段とを備える。
上記構成とされることにより、ユーザは手持ちのクライアント端末を用いて、手軽に自身に合った商品の提案を受けることができる。なお、クライアント端末としては、スマートフォンや、タブレット端末、PCなど幅広い端末を利用可能である。
【0020】
本発明の栄養関連商品レコメンドシステムにおいて、サーバは、提案商品を電子商取引におけるユーザのカートに自動追加する手段を更に備え、クライアント端末は、カートに自動追加された提案商品から不要な商品を除外し、又は必要な商品をカートに手動追加する商品変更手段を更に備えたことが好ましい。
提案商品をカートに自動追加する手段を備えることにより、ユーザの手間を省くことができ利便性が向上する。また、商品変更手段を備えることにより、ユーザは自身に合った商品を容易に選択することが可能である。カートへの自動追加は、例えば、“合計金額が3800~4200円”といったように所定の金額の範囲内で行われることが好ましい。
【0021】
本発明の栄養関連商品レコメンドシステムにおいて、クライアント端末は、商品の定期的な送付を申し込む定期便サービス申込手段を更に備え、サーバは、ユーザによる定期便サービスの申込を承諾する定期便サービス承諾手段と、所定期日又は所定期間の経過毎に商品を送付する手段を更に備えたことが好ましい。
クライアント端末が定期便サービスの申込手段を備え、サーバが定期便サービス承諾手段を備えることにより、ユーザは簡易な手続きで定期便サービスを利用することが可能となる。ここで定期的とは、例えば1カ月毎、1週間毎などのことである。所定期日毎に商品を送付するとは、例えば毎月1日に商品を送付するといったことであり、所定期間の経過毎に商品を送付するとは、1週間毎に商品を送付するといったことである。なお、定期便サービス申込手段においては、商品の送付頻度についてユーザが自由に設定できることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の栄養関連商品レコメンド装置及び方法によれば、ユーザの栄養状態に適合し、かつ、ユーザの購買意欲を増進させる商品を提案できるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】栄養関連商品レコメンド装置の機能ブロック図
【
図3】栄養関連商品レコメンド方法の優先度設定フロー図
【
図4】栄養関連商品レコメンド方法の商品決定フロー図
【
図6】実施例1の栄養関連商品レコメンドシステムの概略構成図
【
図7】実施例1の栄養関連商品レコメンドシステムの機能ブロック図
【
図8】実施例2の栄養関連商品レコメンドシステムの機能ブロック図
【
図9】実施例2の栄養関連商品レコメンドシステムの概略フロー図
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例1】
【0025】
図1は、栄養関連商品レコメンド装置の機能ブロック図を示している。
図1に示すように、栄養関連商品レコメンド装置1は、生体情報取得手段2、質問情報取得手段3、栄養情報算出手段4、関連商品抽出手段5、不適切商品除外手段6、優先度設定手段7、商品決定手段8、商品調整手段9及び提案商品出力手段10を備える。
生体情報取得手段2は、ユーザの生体情報を取得するものであり、本実施例では尿検査により得られるユーザの尿成分情報を取得する。尿成分情報の取得方法としては、検査キットを用いて採尿された尿を郵送して成分を測定する方法を用いている。質問情報取得手段3は、ユーザに関する情報をアンケートに答える形で取得するものであり、例えば、“はい”又は“いいえ”などで回答するものでもよいし、具体的な内容を記入又は入力するものでもよい。栄養情報算出手段4は、生体情報取得手段2より取得された生体情報及び質問情報取得手段3により取得された質問情報に基づき、ユーザの体内の不足しているビタミン、ミネラル等の栄養素を算出する。
【0026】
関連商品抽出手段5は、栄養関連商品レコメンド装置1を使用するサービス提供者(図示せず)が提案可能な全商品から、過不足栄養素に基づき商品の絞込みを行う。不適切商品除外手段6は、ユーザにとって適切でないと判断される商品を除外するものである。優先度設定手段7は、ユーザの興味を惹くと考えられる要素を判定項目として用い、商品の重み付けを行うものである。商品決定手段8は、提案商品の品目数及び提案順を決定するものであり、商品調整手段9は、提案商品の品目の追加・変更・削除や、提案順・デザインの変更をサービス提供者の手により行うものである。
提案商品出力手段10は、提案商品に関するデータを出力するものであり、本実施例では、インターネットを介して、ユーザの保有する端末のディスプレイ上に提案結果を表示する。
【0027】
ここで、栄養関連商品レコメンド方法のフローについて説明する。
図2は、栄養関連商品レコメンド方法の概略フロー図を示している。
図2に示すように、まず、生体情報取得手段2により、ユーザの生体情報を取得する(ステップS01:生体情報取得ステップ)。次に、ユーザの質問情報を取得する(ステップS02:質問情報取得ステップ)。ここでは、ユーザの生体情報を取得(ステップS01)した後に、質問情報を取得する(ステップS02)としているが、質問情報を取得(ステップS02)した後に、生体情報を取得(ステップS01)してもよい。
取得した生体情報と質問情報に基づいて、ユーザの体内の栄養素の過不足に関する栄養情報を算出する(ステップS03:栄養情報算出ステップ)。算出された栄養情報に基づいて、過不足栄養素に関連する商品群を抽出する(ステップS04:関連商品抽出ステップ)。商品群からユーザに適さない商品を除外する(ステップS05:不適切商品除外ステップ)。
【0028】
(優先度設定ステップについて)
ユーザに適さない商品を除外した後、商品群の各々の商品に対して優先度を設定する(ステップS06:優先度設定ステップ)。ここで、優先度の設定方法について説明する。まず、前提として、算出された栄養情報に基づいて、過不足栄養素に関連する商品群を抽出し(ステップS04)、ユーザに適さない商品を除外(ステップS05)した結果、食品(A~D)、健康食品(E~G)及びサプリメント(H~J)の10種類の商品に絞り込まれたものとする。
食品(A~D)とは、米やパンなどの主食、肉・魚・卵・大豆など調理され主菜となる食材、野菜など調理され副菜となる食材などのことであり、具体的には、食品A及びBは主食となる食材、食品Cは主菜となる食材、食品Dは副菜となる食材である。
健康食品(E~G)とは、例えば、クロレラ、アロエ、プロテイン、酵素、コラーゲン、高麗人参又はローヤルゼリー等が含まれる食品のことであり、特定保健用食品や栄養機能食品、機能性表示食品も含まれる趣旨である。具体的には、健康食品Eは主食に利用できる食品、健康食品Fは主菜に利用できる食品、健康食品Gは副菜に利用できる食品である。
サプリメントとは、ビタミンやミネラル等の成分を濃縮し、錠剤、カプセル又は粉末状にしたもののことである。
【0029】
本実施例の優先度設定手段7には、No.1~11までの計11種類の判定項目を有し、これらの判定項目を満たす商品については、それぞれ1ポイントずつを付与し、各商品の合計ポイントを算出した結果、最高ポイントを獲得した商品を最も優先度が高い商品と設定する。
判定項目No.1の時間的食品分類は、朝食、昼食、間食又は夕食の何れかに適した商品に偏った優先度設定とならないように、設けられたものであり、1回目の判定においては、No.1の時間的食品分類を“朝食に適したもの”とし、2回目の判定においては、“昼食に適したもの”、3回目の判定においては、“間食に適したもの”、4回目の判定においては、“夕食に適したもの”と入れ替えて判定を行う。
なお、1回目の判定において最も優先度が高いと設定された商品については、2回目の判定においては判定対象から除外され、同様に、1回目及び2回目の判定において最も優先度が高いと設定された商品は、3回目の判定においては判定対象から除外され、1~3回目の判定において最も優先度が高いと設定された商品は、4回目の判定においては判定対象から除外される。
【0030】
図3は、栄養関連商品レコメンド方法の優先度設定フロー図である。
図3に示すように、まず、判定対象となる商品につき、第1の判定項目群を用いて重み付けを行う(ステップS11)。最優先の商品を決定し、判定対象から除外する(ステップS12)。下記表1は、第1の判定項目群を用いて1回目の判定を行った際の判定イメージを示している。
【0031】
【0032】
上記表1に示すように、判定項目は、時間的食品分類(No.1)、新商品(No.2)、お気に入り商品(No.3)、売れ筋商品(No.4)、お薦め商品(No.5)、検索履歴(No.6)、レビュー評価(No.7)、季節限定商品(No.8)、同一属性購入品(No.9)、購入キャンセル品(No.10)及び戦略的商品(No.11)から成る。
【0033】
第1の判定項目群では、時間的食品分類(No.1)は“朝食に適したもの”とされている。新商品(No.2)とは、当該商品の発売時期が所定期間内であることを指す。お気に入り商品(No.3)とは、当該ユーザがお気に入り商品として既に登録済みの商品であり、売れ筋商品(No.4)とは、当該ユーザに限らず、全ユーザ又は一定範囲のユーザにおいて、所定期間内に売れ行きが良かった商品のことである。ユーザに提案された商品が、既にお気に入り商品(No.3)として登録済みであれば、ユーザが興味を有している可能性は高いといえる。また、お気に入り商品ではなくとも、当該商品が新商品(No.2)や売れ筋商品(No.4)であれば、ユーザの眼を惹くものとなり、購買意欲を高めるといえる。
【0034】
お薦め商品(No.5)とは、例えば、サービス提供者が味や品質等を確認した上で、推薦を決めた商品等のことである。旬の果物などをスタッフが試食して、非常に美味しいので提案したいというような場合には、お薦め商品(No.5)とすることで、スタッフお薦めの商品として、ユーザの興味を惹くことができる。
検索履歴(No.6)とは、当該ユーザが過去に検索したことのある商品であるか否かを判定するものである。ユーザが過去に検索した履歴が存在する場合には、当該商品について興味を有している可能性が高いと考えられるからである。
【0035】
レビュー評価(No.7)とは、例えば、当該ユーザに限らず、ユーザから5段階評価で一定以上の評価を得た商品のことである。レビュー評価(No.7)が良い商品については、人気商品である可能性が高いといえるからである。
季節限定商品(No.8)とは、当該季節の一定期間に限定して販売している商品のことである。季節を感じさせる商品は、ユーザの興味を惹くものとなり、また、販売期間が限定されることにより、購買意欲を高めることができる。
【0036】
同一属性購入品(No.9)とは、例えば、当該ユーザと、性別や世代等の属性が同一である場合に判定項目を満たすとするものである。例えば、女性に人気のある商品や、高齢者に人気のある商品といったものが存在し、ユーザと同一属性が購入することが多い商品については、当該ユーザについても興味を持つ可能性が高いといえる。
購入キャンセル品(No.10)とは、所謂カゴ落ちのことであり、一旦購入を検討していたが、その後購入をキャンセルされた商品のことである。カートから削除された商品は、購入はされなかったものの、当該ユーザが興味を持っている可能性は高いといえる。
また、戦略的商品(No.11)とは、サービス提供者が大量に仕入れた商品や、低コストで仕入れた商品等のことである。お薦め商品(No.5)のように、サービス提供者がお薦めしたい商品については、大量に仕入れることがあるため、かかる商品についても判定項目としたものである。
【0037】
上記表1に示すように、食品Aについては、時間的食品分類(No.1)、新商品(No.2)、お気に入り商品(No.3)、お薦め商品(No.5)及びレビュー評価(No.7)につき、判定項目を満たすため、合計5ポイントが付与されている。食品Bについては、売れ筋商品(No.4)、レビュー評価(No.7)、季節限定商品(No.8)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計4ポイントが付与され、食品Cについては、検索履歴(No.6)、季節限定商品(No.8)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与され、食品Dについては、時間的食品分類(No.1)及び同一属性購入品(No.9)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0038】
健康食品Eについては、新商品(No.2)及び売れ筋商品(No.4)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、健康食品Fについては、時間的食品分類(No.1)、お気に入り商品(No.3)、売れ筋商品(No.4)、検索履歴(No.6)、レビュー評価(No.7)、同一属性購入品(No.9)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計7ポイントが付与され、健康食品Gについては、お薦め商品(No.5)、購入キャンセル品(No.10)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与されている。
【0039】
サプリメントHについては、レビュー評価(No.7)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、サプリメントIについては、お気に入り商品(No.3)、売れ筋商品(No.4)、お薦め商品(No.5)、検索履歴(No.6)及び同一属性購入品(No.9)につき、判定項目を満たすため、合計5ポイントが付与され、サプリメントJについては、売れ筋商品(No.4)及びお薦め商品(No.5)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0040】
以上より、合計ポイントが7ポイントと最も高い健康食品Fが、優先度が最も高い商品とされ、判定対象から除外される(ステップS12)。
なお、仮に、ステップS05においてユーザに適さない商品が除外され、1種類の商品のみに絞り込まれた場合には、ステップS12において当該商品が除外されることにより、判定対象となる商品が残存しないこととなり、優先度設定は完了する(ステップS13)。これに対して、判定対象となる商品が残存する場合には、次に、判定対象となる商品につき、第2の判定項目群を用いて重み付けを行う(ステップS14)。
本実施例では、食品(A~D)、健康食品(E,G)及びサプリメント(H~J)の9種類の商品が残存するため、上記商品を判定対象として、第2の判定項目群を用いて重み付けを行う(ステップS14)。ここでも1回目の判定と同様に、最優先の商品を決定し、判定対象から除外する(ステップS15)。下記表2は、第2の判定項目群を用いて2回目の判定を行った際の判定イメージを示している。
【0041】
【0042】
上記表2に示すように、第2の判定項目群では、時間的食品分類(No.1)は、“昼食に適したもの”とされている。なお、新商品(No.2)から戦略的商品(No.11)までの判定項目は第1の判定項目群と同様である。また、表1において判定対象とされていた健康食品Fは除外されている。
【0043】
上記表1に示すように、食品Aについては、新商品(No.2)、お気に入り商品(No.3)、お薦め商品(No.5)及びレビュー評価(No.7)につき、判定項目を満たすため、合計4ポイントが付与されている。食品Bについては、売れ筋商品(No.4)、レビュー評価(No.7)、季節限定商品(No.8)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計4ポイントが付与され、食品Cについては、検索履歴(No.6)、季節限定商品(No.8)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与され、食品Dについては、同一属性購入品(No.9)につき、判定項目を満たすため、1ポイントが付与されている。
【0044】
健康食品Eについては、時間的食品分類(No.1)、新商品(No.2)及び売れ筋商品(No.4)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与され、健康食品Gについては、お薦め商品(No.5)、購入キャンセル品(No.10)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与されている。
【0045】
サプリメントHについては、レビュー評価(No.7)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、サプリメントIについては、お気に入り商品(No.3)、売れ筋商品(No.4)、お薦め商品(No.5)、検索履歴(No.6)及び同一属性購入品(No.9)につき、判定項目を満たすため、合計5ポイントが付与され、サプリメントJについては、売れ筋商品(No.4)及びお薦め商品(No.5)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0046】
以上より、合計ポイントが5ポイントと最も高いサプリメントIが、優先度が最も高い商品とされ、判定対象から除外される(ステップS15)。
ここで判定対象としては、食品(A~D)、健康食品(E,G)及びサプリメント(H,J)の8種類の商品が残存するため(ステップS16)、上記商品を判定対象として、第3の判定項目群を用いて重み付けを行う(ステップS17)。ここでも1回目又は2回目の判定と同様に、最優先の商品を決定し、判定対象から除外する(ステップS18)。下記表3は、第3の判定項目群を用いて3回目の判定を行った際の判定イメージを示している。
【0047】
【0048】
上記表3に示すように、第3の判定項目群では、時間的食品分類(No.1)は、“間食に適したもの”とされている。なお、新商品(No.2)から戦略的商品(No.11)までの判定項目は第1又は第2の判定項目群と同様である。また、表1及び表2において判定対象とされていたサプリメントIは除外されている。
【0049】
上記表3に示すように、食品Aについては、新商品(No.2)、お気に入り商品(No.3)、お薦め商品(No.5)及びレビュー評価(No.7)につき、判定項目を満たすため、合計4ポイントが付与されている。食品Bについては、時間的食品分類(No.1)、売れ筋商品(No.4)、レビュー評価(No.7)、季節限定商品(No.8)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計5ポイントが付与され、食品Cについては、検索履歴(No.6)、季節限定商品(No.8)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与され、食品Dについては、時間的食品分類(No.1)及び同一属性購入品(No.9)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0050】
健康食品Eについては、新商品(No.2)及び売れ筋商品(No.4)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、健康食品Gについては、お薦め商品(No.5)、購入キャンセル品(No.10)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与されている。
【0051】
サプリメントHについては、レビュー評価(No.7)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、サプリメントJについては、売れ筋商品(No.4)及びお薦め商品(No.5)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0052】
以上より、合計ポイントが5ポイントと最も高い食品Bが、優先度が最も高い商品とされ、判定対象から除外される(ステップS18)。
ここで判定対象としては、食品(A,C,D)、健康食品(E,G)及びサプリメント(H,J)の7種類の商品が残存するため(ステップS19)、上記商品を判定対象として、第3の判定項目群を用いて重み付けを行う(ステップS20)。ここでも1~3回目の判定と同様に、最優先の商品を決定し、判定対象から除外する(ステップS21)。下記表4は、第4の判定項目群を用いて4回目の判定を行った際の判定イメージを示している。
【0053】
【0054】
上記表4に示すように、第4の判定項目群では、時間的食品分類(No.1)は、“夕食に適したもの”とされている。なお、新商品(No.2)から戦略的商品(No.11)までの判定項目は第1~3の判定項目群と同様である。また、表1~3において判定対象とされていた食品Bは除外されている。
【0055】
上記表4に示すように、食品Aについては、新商品(No.2)、お気に入り商品(No.3)、お薦め商品(No.5)及びレビュー評価(No.7)につき、判定項目を満たすため、合計4ポイントが付与されている。食品Cについては、時間的食品分類(No.1)、検索履歴(No.6)、季節限定商品(No.8)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計4ポイントが付与され、食品Dについては、時間的食品分類(No.1)及び同一属性購入品(No.9)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0056】
健康食品Eについては、新商品(No.2)及び売れ筋商品(No.4)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、健康食品Gについては、お薦め商品(No.5)、購入キャンセル品(No.10)及び戦略的商品(No.11)につき、判定項目を満たすため、合計3ポイントが付与されている。
【0057】
サプリメントHについては、レビュー評価(No.7)及び購入キャンセル品(No.10)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与され、サプリメントJについては、売れ筋商品(No.4)及びお薦め商品(No.5)につき、判定項目を満たすため、合計2ポイントが付与されている。
【0058】
以上より、合計ポイントが4ポイントと最も高い商品が、食品Aと食品Cの2種類となる。このように、最高ポイントの商品が複数存在する場合には、より上位の“No.”の判定項目を満たす商品が選択される。ここでは、食品Cは時間的食品分類(No.1)の判定項目を満たすのに対して、食品Aは時間的食品分類(No.1)の判定項目を満たしていないため、食品Cが、優先度が最も高い商品とされ、判定対象から除外される(ステップS21)。
ここで判定対象としては、食品(A,D)、健康食品(E,G)及びサプリメント(H,J)の6種類の商品が残存するため(ステップS22)、上記商品を判定対象として、再度、第1の判定項目群を用いて重み付けを行う(ステップS11)。ここでも1~4回目の判定と同様に、最優先の商品を決定し、判定対象から除外する(ステップS12)。
【0059】
以下、優先度設定については、全ての商品が除外されるまで、ステップS11~22を繰り返す。その結果、優先度は、1位が健康食品F、2位がサプリメントI、3位が食品B、4位が食品C、5位が食品A、6位が健康食品G、7位が食品D、8位が健康食品E、9位がサプリメントJ、10位がサプリメントHといった順に設定されることになった。
【0060】
(商品決定ステップについて)
図2に示すように、優先度が設定された後、優先度に基づいて提案商品を決定する(ステップS07:商品決定ステップ)。商品の決定とは、提案商品の品目数及び提案順を決定することである。ここでは提案商品の品目数は5品目とする。提案商品の提案順は、“主菜”、“主食”、“副菜”、“調味料”、“汁物”の属性順であることが好ましいが、上記属性の一部に絞ってもよいし、上記以外の属性を加えてもよい。品目数が上記属性の数より多い場合には、提案順に従い繰り返し選択が行われることになる。かかる説明を行うため、本実施例では、提案商品の提案順は、“主菜”、“主食”、“副菜”、“その他”の4つの属性順として説明する。
図4は、栄養関連商品レコメンド方法の商品決定フロー図を示している。
図4に示すように、まず、主菜となる食材又は主菜に利用できる食品を選択する(ステップS31)。ここで、主菜となる食材とは、肉や魚などのことであり、主菜に利用できる食品とは、肉や魚と共に調理する食材や調味料などのことである。本実施例では、優先度が1位であり、かつ主菜に利用できる食品である健康食品Fが選択されることになる。
【0061】
提案商品の品目数分、又は、全ての対象商品の選択が完了した場合(ステップS32)には商品の選択が完了することとなるが、本実施例では5品目の商品を選択するため、更に、主食となる食材又は主食に利用できる食品を選択する(ステップS33)。ここで、主食となる食材とは、米やパンなどのことであり、主食に利用できる食品とは、米やパンと共に調理する食材や調味料などのことである。本実施例では、優先度が3位であり、かつ主食となる食材である食品Bが選択されることになる。
提案商品の品目数分、又は、全ての対象商品の選択が完了した場合(ステップS34)には商品の選択が完了することとなるが、本実施例では5品目の商品を選択するため、更に、副菜となる食材又は副菜に利用できる食品を選択する(ステップS35)。ここで、副菜となる食材とは、野菜などのことであり、副菜に利用できる食品とは、野菜などと共に調理する食材や調味料などのことである。本実施例では、優先度が6位であり、かつ副菜に利用できる食品である健康食品Gが選択されることになる。
【0062】
提案商品の品目数分、又は、全ての対象商品の選択が完了した場合(ステップS36)には商品の選択が完了することとなるが、本実施例では5品目の商品を選択するため、更に、主菜、主食もしくは副菜となる食材、又は主菜、主食もしくは副菜に利用できる食品以外の商品を選択する(ステップS37)。ここで、上記商品とは、例えば、サプリメントや飲料などのことである。本実施例では、優先度が2位のサプリメントIが選択されることになる。
提案商品の品目数分、又は、全ての対象商品の選択が完了した場合(ステップS38)には商品の選択が完了することとなるが、本実施例では5品目の商品を選択するため、更に、主菜となる食材又は主菜に利用できる食品を選択する(ステップS31)。本実施例では、優先度が4位であり、かつ主菜となる食材である食品Cが選択されることになる。
本実施例では5品目の商品を選択するため、提案商品の品目数分の選択が完了したこととなる(ステップS36)。具体的には、健康食品F、食品B、健康食品G、サプリメントI、食品Cの順に提案することが決定する。
【0063】
(商品調整ステップについて)
提案商品の決定後に、提案商品の種類を手動で調整することができる(ステップS08:商品調整ステップ)。商品調整手段ステップでは、提案商品の品目の追加・変更・削除や、提案順・デザインの変更をサービス提供者の手により行うことができる。なお、商品調整は必ず行わなければならない訳ではなく、例えば、本実施例では調整を行わずにデータ出力を行っている。
【0064】
最後に、提案商品に関するデータを出力する(ステップS09)。
図5は、ユーザ端末の画面表示イメージ図を示している。
図5に示すように、ユーザの保有する端末のディスプレイ15上には、商品表示欄(11a~11e)が設定され、最上段の商品表示欄11aには、商品名12aとして健康食品Fが表示されている。また、商品表示欄11aには、商品画像13a及び商品説明14aが表示され、商品のイメージや魅力を伝える構成となっている。
同様に、商品表示欄11bには、商品名12bとして食品Bが表示され、商品画像13b及び商品説明14bが表示されている。商品表示欄11cには、商品名12cとして健康食品Gが表示され、商品画像13c及び商品説明14cが表示されている。商品表示欄11dには、商品名12dとしてサプリメントIが表示され、商品画像13d及び商品説明14dが表示されている。また、商品表示欄11eには、商品名12eとして食品Cが表示され、商品画像13e及び商品説明14eが表示されている。
このように、ディスプレイ15上には、上から順に、健康食品F、食品B、健康食品G、サプリメントI、食品Cの順に、商品名(12a~12e)、商品画像(13a~13e)及び商品説明(14a~14e)が表示され、ユーザの購買意欲を高める商品表示が実現されている。
【0065】
図6は、実施例1の栄養関連商品レコメンドシステムの概略構成図を示している。
図6に示すように、栄養関連商品レコメンドシステム100は、管理サーバ16、測定装置17、スマートフォン19a、タブレット端末19b及びPC19cから成り、管理サーバ16と、スマートフォン19a、タブレット端末19b及びPC19cは、インターネット22により通信可能となっている。また、管理サーバ16は、栄養関連商品レコメンド装置1(図示せず)及びデータベース18を備える。
ユーザ21aはスマートフォン19aを保有し、ユーザ21bはタブレット端末19b、ユーザ21cはPC19cを保有している。このように、ユーザはあらゆる端末を利用することが可能である。ここでは、ユーザ21aを例に説明する。
【0066】
ユーザ21aは、検査キット23を用いて採尿し、サービス提供者20に送付する。サービス提供者20は、測定装置17において、ユーザ21aの尿成分を測定し、測定結果を管理サーバ16に入力する。入力された測定結果に関するデータは、データベース18に保存される。
ユーザ21aは、スマートフォン19aを用いて、管理サーバ16が提供するアンケートに回答し、インターネット22を用いて管理サーバ16に送信する。回答結果は、データベース18に保存される。
管理サーバ16は、尿成分の測定結果とアンケートの回答結果を基に、栄養情報算出手段4を用いてユーザの体内の不足している栄養素を算出する。管理サーバ16は、算出された栄養素に関する情報を基に、関連商品抽出手段5、不適切商品除外手段6、優先度設定手段7及び商品決定手段8を用いて、提案商品を絞り込み決定する。更に、サービス提供者20は、管理サーバ16に設けられた商品調整手段9を用いて、提案商品の調整を行う。
ユーザ21aが、インターネット22を介して、サービス提供者20の提供するサービス(図示せず)にアクセスすると、管理サーバ16は提案商品出力手段10により提案商品に関するデータを出力し、ユーザ21aの保有するスマートフォン19aのディスプレイ上に、提案商品が表示される。
【0067】
図7は、実施例1の栄養関連商品レコメンドシステムの機能ブロック図を示している。
図7に示すように、栄養関連商品レコメンドシステム100は、ユーザ側のクライアント端末19と、サービス提供者側の管理サーバ16とが、インターネット22を介して接続されデータを送受信するシステムである。管理サーバ16は、栄養関連商品レコメンド装置1を備え、栄養関連商品レコメンド装置1は、生体情報取得手段2、質問情報取得手段3、栄養情報算出手段4、関連商品抽出手段5、不適切商品除外手段6、優先度設定手段7、商品決定手段8、商品調整手段9及び提案商品出力手段10を備える。また、クライアント端末19は、ユーザの質問情報を入力する質問情報入力手段24と、ディスプレイ上に提案商品を表示する提案商品表示手段25を備える。
【実施例2】
【0068】
図8は、実施例2の栄養関連商品レコメンドシステムの機能ブロック図を示している。
図8に示すように、栄養関連商品レコメンドシステム101は、ユーザ側のクライアント端末19と、サービス提供者側の管理サーバ16とが、インターネット22を介して接続されデータを送受信するシステムである。管理サーバ16は、栄養関連商品レコメンド装置1、提案商品を電子商取引におけるユーザのカートに自動追加するカート自動追加手段28、所定期日又は所定期間の経過毎に商品を送付する定期送付手段29及びユーザによる定期便サービスの申込を承諾する定期便サービス承諾手段30を備え、栄養関連商品レコメンド装置1は、生体情報取得手段2、質問情報取得手段3、栄養情報算出手段4、関連商品抽出手段5、不適切商品除外手段6、優先度設定手段7、商品決定手段8、商品調整手段9及び提案商品出力手段10を備える。また、クライアント端末19は、ユーザの質問情報を入力する質問情報入力手段24、ディスプレイ上に提案商品を表示する提案商品表示手段25、カートに自動追加された提案商品から不要な商品を除外し又は必要な商品をカートに手動追加する商品変更手段26及び商品の定期的な送付を申し込む定期便サービス申込手段27を備える。
【0069】
図9は、実施例2の栄養関連商品レコメンドシステムの概略フロー図を示している。
図9に示すように、まず、ユーザはクライアント端末19が備える定期便サービス申込手段27を用いて、送付頻度、初回送付日を選択して申込みを行う(ステップS41)。送付頻度の選択は、例えば“一週間に一回”、“一か月に一回”といった項目がクライアント端末19のディスプレイ上に表示され、ユーザは何れかを任意に選択して行う。初回送付日の選択は、定期便サービスにおける商品提案日や送付日に関する基準となるものである。
管理サーバ16が備える定期便サービス承諾手段30は、ユーザからの申込みが正常に行われた場合には、申込みの承諾を行い、これにより定期便サービスが適用される(ステップS42)。
【0070】
管理サーバ16は、栄養関連商品レコメンド装置1を用いて提案日に提案商品を出力し、カート自動追加手段28を用いて、提案商品を電子商取引上のユーザのカートに自動追加する(ステップS43)。具体的には、クライアント端末19が備える提案商品表示手段25により、クライアント端末19のディスプレイ上に、カートに自動追加された状態で提案商品が表示される。
なお、栄養関連商品レコメンド装置1の生体情報取得手段2による生体情報の取得は、尿試験紙をユーザの尿に浸けた後、クライアント端末19の備えるカメラ手段(図示せず)を用いて当該尿試験紙の画像を撮像して、尿成分を測定することが好ましい。また、実施例1の栄養関連商品レコメンドシステム100と同様に、検査キットを用いて採尿し、サービス提供者に送付し、測定装置において、ユーザの尿成分を測定し、測定結果を管理サーバ16に入力することでもよい。
また、栄養関連商品レコメンド装置1の質問情報取得手段3による質問情報の取得は、クライアント端末19の備える質問情報入力手段24を用いて入力された内容が、インターネット22を介して管理サーバ16に送信されることにより行われる。質問情報の入力は、商品提案日における商品の提案までに行われることが好ましく、商品提案日において質問情報の入力が完了していない場合には、質問情報の入力を待って、商品の提案がなされる。なお、質問情報の入力のタイミングは、定期便サービスの申込みの前後何れでも構わない。
【0071】
ユーザは、提案された商品を確認し、商品の要不要を検討することができる。不要な商品を除外したり、必要な商品を追加したりといったように、商品の変更が必要な場合は(ステップS44)、商品変更手段26を用いて商品を変更する(ステップS45)。商品の変更は、例えば“商品送付の3日前まで”といった所定の期限までに行われる必要がある。
サービス提供者は、定期送付手段29を用いて、ユーザに対して商品を送付する(ステップS46)。具体的には、定期送付手段29は、質問情報取得手段3により取得したユーザの氏名、住所などの情報に基づき、ユーザの住所に商品を送付する。なお、ユーザは住所以外の送付先を設定することも可能である。
その後、更に提案日が到来した時点で(ステップS47)、定期便サービスが解約されていない場合には(ステップS48)、再度商品を提案する(ステップS43)。ここでの提案日とは、次回の送付予定日から所定期間前の期日に設定されることが好ましい。
【0072】
実施例2の栄養関連商品レコメンドシステム101によれば、定期便サービスを一度申し込むだけで、定期的な商品の送付を受けることが可能となる。また、送付対象となる商品については、栄養関連商品レコメンド装置1により、ユーザの栄養状態等に適合した商品が自動的に提案され、かつ、ユーザのカートに自動追加されるため、ユーザとしては非常に簡単な操作を行うだけで、自身の栄養状態や嗜好に合った商品を選択可能である。このように、栄養関連商品レコメンドシステム101によれば、ユーザは簡単な操作で、質の高い定期便サービスが受けられることとなる。
【0073】
(その他の実施例)
関連商品抽出ステップ(ステップS04)、不適切商品除外ステップ(ステップS05)、優先度設定ステップ(ステップS06)、商品決定ステップ(ステップS07)及び商品調整ステップ(ステップS08)については、実施例1の順序に限られず、何れの順序で行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、生体情報等を基に栄養関連商品の提案を行う技術として有用である。
【符号の説明】
【0075】
1 栄養関連商品レコメンド装置
2 生体情報取得手段
3 質問情報取得手段
4 栄養情報算出手段
5 関連商品抽出手段
6 不適切商品除外手段
7 優先度設定手段
8 商品決定手段
9 商品調整手段
10 提案商品出力手段
11a~11e 商品表示欄
12a~12e 商品名
13a~13e 商品画像
14a~14e 商品説明
15 ディスプレイ
16 管理サーバ
17 測定装置
18 データベース
19 クライアント端末
19a スマートフォン
19b タブレット端末
19c PC
20 サービス提供者
21a~21c ユーザ
22 インターネット
23 検査キット
24 質問情報入力手段
25 提案商品表示手段
26 商品変更手段
27 定期便サービス申込手段
28 カート自動追加手段
29 定期送付手段
30 定期便サービス承諾手段
100,101 栄養関連商品レコメンドシステム