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特許7555572金型製造方法およびその金型製造方法によって生産された金型を用いて発泡樹脂材を成型する発泡樹脂材製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】金型製造方法およびその金型製造方法によって生産された金型を用いて発泡樹脂材を成型する発泡樹脂材製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/38 20060101AFI20240917BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
B29C33/38
B29C44/00 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020171011
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022062852
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】503206019
【氏名又は名称】三興技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎吉 清一
(72)【発明者】
【氏名】原田 実
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-283428(JP,A)
【文献】特表2011-518060(JP,A)
【文献】特開2006-064982(JP,A)
【文献】特開平02-283429(JP,A)
【文献】特開平05-239681(JP,A)
【文献】特開平11-058533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 39/26-39/36
B29C 41/38-41/44
B29C 43/36-43/42
B29C 43/50
B29C 44/00-44/60
B29C 45/26-45/44
B29C 45/64-45/68
B29C 45/73
B29C 49/48-49/56
B29C 49/70
B29C 51/30-51/40
B29C 51/44
B29C 67/20
B29D 30/00-30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型本体の蒸気通路にコアベントを埋め込み、必要なレジストをかけたうえで腐食凹版処理を施す金型製造方法であって、
前記腐食凹版処理前に、前記コアベントの通気孔に熱可塑性レジストを充填する充填工程と、
前記腐食凹版処理後に、前記充填工程により前記通気孔に充填された熱可塑性レジストを、加熱により消失させる加熱消失工程と
を含んだ金型製造方法。
【請求項2】
前記熱可塑性レジストはミツロウ粘土である請求項1に記載の金型製造方法。
【請求項3】
前記充填工程は、
融解した前記ミツロウ粘土に前記コアベントを浸す浸漬工程と、
前記浸漬工程によって前記コアベントに被覆された前記ミツロウ粘土を冷却する冷却工程と
を含む請求項2に記載の金型製造方法。
【請求項4】
前記充填工程において、前記熱可塑性レジストは、前記コアベントにおけるキャビティ形成面の裏面から充填される請求項1または2に記載の金型製造方法。
【請求項5】
前記充填工程は、
前記通気孔を前記コアベントにおける前記キャビティ形成面側にて閉鎖する閉鎖工程と、
前記熱可塑性レジストを前記キャビティ形成面の裏面側から前記通気孔に注入する注入工程と、
前記通気孔に注入された前記熱可塑性レジストを冷却する冷却工程と、
前記閉鎖工程により閉鎖された前記通気孔を開放する開放工程と
を含む請求項4に記載の金型製造方法。
【請求項6】
前記充填工程は、
前記通気孔を前記コアベントにおける前記キャビティ形成面側にて閉鎖する閉鎖工程と、
前記熱可塑性レジストを前記キャビティ形成面の裏面側から前記通気孔に圧入する圧入工程と、
前記閉鎖工程により閉鎖された前記通気孔を開放する開放工程と
を含む請求項4に記載の金型製造方法。
【請求項7】
前記充填工程において、前記熱可塑性レジストは、前記コアベントにおけるキャビティ形成面から充填される請求項1または2に記載の金型製造方法。
【請求項8】
前記充填工程は、
前記熱可塑性レジストを前記キャビティ形成面側から前記通気孔に圧入する圧入工程と、
前記コアベントにおけるキャビティ形成面上に残った熱可塑性レジストを除去する除去工程と
を含む請求項7に記載の金型製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の金型製造方法によって生産された金型を用いて発泡樹脂材を成型する発泡樹脂材製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発泡樹脂成型材料を成型するための金型の製造方法、および、その金型製造方法により製造された金型を用いた発泡樹脂材製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡樹脂成型においては、金型に発泡ビーズなどの材料を投入し、金型内に高温の蒸気を送り込んで材料を加熱する。加熱された材料は、膨張し、互いに融着しつつ当該金型内に充満するため、その型に応じた形状の発泡樹脂材が成型される。なお、材料が投入される(あるいは材料が充満する)金型内の空間はキャビティと呼ばれる。
【0003】
金型にはキャビティに蒸気を送り込むための通路(金型表面から金型内壁までの貫通孔)が設けられており、その通路にはコアベントと呼ばれる略円筒形状の部材が、金型内壁と面一となって埋め込まれる。蒸気は、金型に設けられたこの蒸気通路を通り、最終的にはこのコアベントに設けられた通気孔を通過してキャビティに送り込まれる。
【0004】
ところで、このように成型された発泡樹脂材について、その意匠性を高めるため、金型に腐食凹版処理を施すことが知られている。具体的には、ウェットエッチングなどの処理を施して金型の内壁に模様を付け、そのうえで発泡樹脂材を成型することで、その模様に応じた発泡樹脂材表面を得るというものである。例えば、シボや幾何学的な模様を施すことにより、発泡樹脂材の意匠性をより高めることができる。
【0005】
ただ、発泡樹脂材表面には、このような意図した模様のほかに、成型工程上どうしても「コアベント跡」が付いてしまう。この跡は、発泡樹脂材の商品としての意匠性に影響を与えてしまうため、従来、できる限りこれを目立たなくするような技術が考案されている。
【0006】
例えば特許文献1は、コアベントの通気孔を格子状のスリットとすることで、コアベントにおけるキャビティ形成面(コアベント表面のうち、充満した材料が接触する面)と材料との接触面積を小さくしている。その結果、材料の軟化速度を抑え、スリット間への材料の溶け出し量が少なくなるため、コアベント跡が目立たなくなるというものである。なお、図11は、従来の金型により成型された発泡樹脂材を示す図である。発泡樹脂材表面に付いたシボ模様のなかに、コアベント跡100が見受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-112811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術においては、コアベントの通気孔の形状に対しては各種加工を施せても、コアベントにおけるキャビティ形成面自体には何ら加工を施すことができなかった。
【0009】
本開示は、このような点に鑑みて創案されたものであり、腐食凹版処理対象にコアベントにおけるキャビティ形成面を含めつつ、腐食により当該コアベントの通気孔が広がるのを抑制することができる金型製造方法、および、コアベント跡を目立たなくさせて意匠性を高めることができる発泡樹脂材製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するために本開示による金型製造方法は、金型本体の蒸気通路にコアベントを埋め込み、必要なレジストをかけたうえで腐食凹版処理を施す金型製造方法であって、前記腐食凹版処理前に、前記コアベントの通気孔に熱可塑性レジストを充填する充填工程を含む。
【0011】
これによれば、通気孔に熱可塑性レジストが充填されているので、金型の内壁とコアベントにおけるキャビティ形成面それぞれが腐食される一方で、コアベントの通気孔には腐食凹版処理に使用するエッチング液やエッチングガスが侵入せず、腐食が抑制される。したがって、腐食凹版処理対象にコアベントにおけるキャビティ形成面を含めつつ、腐食により当該コアベントの通気孔が広がるのを抑制することができる金型製造方法を得ることができる。
【0012】
上記金型製造方法において、前記腐食凹版処理後に、前記充填工程により前記通気孔に充填された熱可塑性レジストを、加熱により消失させる加熱消失工程を含んでも良い。
【0013】
これによれば、化学溶剤で熱可塑性レジストを溶解洗浄する方法と比較して廃液処理などの後処理が不要でコストを抑えることができる。
【0014】
上記金型製造方法において、前記熱可塑性レジストはミツロウ粘土としても良い。
【0015】
これによれば、ミツロウ以外を主成分とする熱可塑性レジストに比べて通気孔に注入・圧入しやすく、通気孔から消失もしやすい。
【0016】
上記金型製造方法において、前記充填工程は、融解した前記ミツロウ粘土に前記コアベントを浸す浸漬工程と、前記浸漬工程によって前記コアベントに被覆された前記ミツロウ粘土を冷却する冷却工程とを含んでも良い。
【0017】
これによれば、コアベントの向きを考えずに浸漬すればよいので、キャビティ形成面側あるいはその裏側から充填する方法と比較して、多数のコアベントの各通気孔に対し同時かつ簡易にミツロウ粘土を充填することができる。また、蒸気通路とコアベント側面の微小な隙間に残ったミツロウ粘土により、エッチング液やエッチングガスの侵入を防ぐことができる。
【0018】
上記金型製造方法において、前記充填工程にて、前記熱可塑性レジストが、前記コアベントにおけるキャビティ形成面の裏面から充填されても良い。
【0019】
これによれば、キャビティ形成面側から充填する方法と比較して、コアベントにおけるキャビティ形成面に熱可塑性レジストが残りにくくなるので、当該キャビティ形成面上に残った余分な熱可塑性レジストを除去する工程の作業を低減することができる。
【0020】
上記金型製造方法において、前記充填工程は、前記通気孔を前記コアベントにおける前記キャビティ形成面側にて閉鎖する閉鎖工程と、前記熱可塑性レジストを前記キャビティ形成面の裏面側から前記通気孔に注入する注入工程と、前記通気口に注入された前記熱可塑性レジストを冷却する冷却工程と、前記閉鎖工程により閉鎖された前記通気孔を開放する開放工程を含んでも良い。
【0021】
これによれば、注入された熱可塑性レジストの出口を塞いだうえで、その出口側から当該熱可塑性レジストを冷却することになる。そのため、熱可塑性レジストがキャビティ形成面側に漏れ出ることを抑制することができ、より一層、キャビティ形成面に熱可塑性レジストが残りにくくなるので、当該キャビティ形成面上に残った余分な熱可塑性レジストを除去する工程の作業をさらに低減することができる。
【0022】
上記金型製造方法において、前記充填工程は、前記通気孔を前記コアベントにおける前記キャビティ形成面側にて閉鎖する閉鎖工程と、前記熱可塑性レジストを前記キャビティ形成面の裏面側から前記通気孔に圧入する圧入工程と、前記閉鎖工程により閉鎖された前記通気孔を開放する開放工程とを含んでも良い。
【0023】
これによれば、融解した熱可塑性レジストが自重で通気孔に垂れ落ちるのを待つのではなく、通気孔に対して熱可塑性レジストを積極的に入れ込むことになるため、熱可塑性レジストの充填時間を短縮することができる。
【0024】
上記金型製造方法において、前記充填工程にて、前記熱可塑性レジストが、前記コアベントにおけるキャビティ形成面から充填されても良い。
【0025】
これによれば、キャビティ形成面の裏面側から充填する方法(通気孔の全てに熱可塑性レジストを充填する必要がある)と比較して、充填する熱可塑性レジストの量を必要十分な量に抑えることができる。
【0026】
上記金型製造方法において、前記充填工程は、前記熱可塑性レジストを前記キャビティ形成面側から前記通気孔に圧入する圧入工程と、前記コアベントにおけるキャビティ形成面上に残った熱可塑性レジストを除去する除去工程を含んでも良い。
【0027】
これによれば、融解した熱可塑性レジストが自重で通気孔に垂れ落ちるのを待つのではなく、通気孔に対して熱可塑性レジストを積極的に入れ込むことになるため、熱可塑性レジストの充填時間を短縮することができる。
【0028】
また、上記課題を達成するために本開示による発泡樹脂材製造方法は、上記の金型製造方法によって生産された金型を用いて発泡樹脂材を成型するものである。
【0029】
これによれば、発泡樹脂材の成型に、例えば、コアベントにおけるキャビティ形成面に亘って連続的に模様が施された金型を用いることで、当該発泡樹脂材表面にコアベント跡が点々と残ることを抑制することができるため、コアベント跡を目立たなくさせて意匠性を高めることができる発泡樹脂材製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0030】
本開示によれば、腐食凹版処理対象にコアベントにおけるキャビティ形成面を含めつつ、腐食により当該コアベントの通気孔が広がるのを抑制することができる金型製造方法、および、コアベント跡を目立たなくさせて意匠性を高めることができる発泡樹脂材製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】発泡樹脂材の成型のしかたの概略図である。
図2】コア型の一部の拡大図である。
図3】コアベントにおけるキャビティ形成面にも腐食が及んだ金型の拡大図である。
図4】第1の実施形態に係る金型製造方法を説明する図である。
図5】本開示の金型製造方法により製造された金型を示す図である。
図6】本開示の金型製造方法により製造された金型を用いて成型された発泡樹脂材を示す図である。
図7】第2の実施形態に係る金型製造方法を説明する図である。
図8】第3の実施形態に係る金型製造方法を説明する図である。
図9】第4の実施形態に係る金型製造方法を説明する図である。
図10】第5の実施形態に係る金型製造方法を説明する図である。
図11】従来の金型により成型された発泡樹脂材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〈金型製造方法の第1の実施形態〉
以下、本開示の一実施形態に係る金型製造方法について説明する。
【0033】
本実施形態に係る金型製造方法について説明する前に、まず、図1及び図2を用いてその金型を用いてどのように発泡樹脂材が成型されるかの一態様を簡単に説明する。
【0034】
図1に示すように、発泡樹脂成型装置10は、金型11のキャビティ12内の発泡樹脂成型材料30(原料投入ガン17によって投入された発泡ビーズからなる)を、金型11に埋め込まれた複数のコアベント20を介して導入される高温の蒸気を用いて加熱膨張させて、発泡樹脂材を成型する装置である。なお、金型11は、コア型11aおよびキャビ型11bからなり、これらの内壁14に囲まれる空間がキャビティ12と呼ばれ、例えば、自動車用の樹脂部品など、その発泡樹脂材の外形に対応した形状に形成されている。
【0035】
図2は、コア型11aの一部を拡大した拡大図であるが、図2に示すように、金型11は、各所に蒸気通路13が設けられており、コアベント20は蒸気通路13のそれぞれに一つずつ埋め込まれる。具体的には、各コアベント20は、その表面が金型11の内壁14と面一になるまで埋め込まれ、内壁14とともにキャビティ12を形成する。
【0036】
このような発泡樹脂成型装置10において、キャビティ12に投入された発泡樹脂成型材料30に対し、蒸気通路13より蒸気が送り込まれる。具体的には、蒸気は、コア側スチームアウト15bが閉じられた状態でコア側スチームイン15aより送り込まれ、図2矢印に示すように、コア型11aにおけるコアベント20の通気孔21を抜けてキャビティ12に入る。そして、キャビティ12に送り込まれた蒸気は、キャビ型11bのコアベント20の通気孔21を抜けて、キャビ側スチームアウト16bから排出される。
【0037】
発泡ビーズどうしの表面を熱により溶かし融着結合を促進させるため、次に、蒸気は、コア側スチームアウト15bが閉じられた状態でキャビ側スチームイン16aより送り込まれる。蒸気は、キャビ型11bにおけるコアベント20の通気孔21を抜けてキャビティ12に入り、コア型11aのコアベント20の通気孔21を抜けて、コア側スチームアウト15bから排出される。このような、キャビからコア・コアからキャビへの蒸気の流れを何度か繰り返し、発泡樹脂材を成型していく。
【0038】
ここで、本実施形態に係る金型製造方法によれば、キャビティ12を形成する金型11の内壁14はもちろん、コアベント20におけるキャビティ形成面にも腐食凹版処理により凹凸、シボ、幾何学模様などの各種模様が施された金型11を製造することができる。
【0039】
例えば、図3は、コアベントにおけるキャビティ形成面にも腐食が及んだ金型の拡大図である。図3に示すように、金型11は、その内壁14の凹凸模様がコアベント20におけるキャビティ形成面22に亘って連続して施されているため、従来、腐食凹版処理対象である内壁14と非対象であるコアベント20との間に境界はない。また、通気孔21の壁面24には腐食が及ぶことはないため、腐食凹版処理後においてもコアベント20自体の強度を維持することができる。なお、本開示では、腐食凹版処理にウェットエッチング(以下、単にエッチングと呼称)を実施するものとして説明する。
【0040】
以下、図4を用いて第1の実施形態に係る金型製造方法について説明する。まず、図4(A)に示すように、融解したミツロウ粘土50が入った容器80にコアベント20を入れる。これにより、コアベント20におけるキャビティ形成面22も、キャビティ形成面22の裏面23も、融解したミツロウ粘土50に触れることとなり、通気孔21にミツロウ粘土が入り満たされる。いわゆるディッピングやどぶ付けと同様の手法であり、コアベント20全体にミツロウ粘土が被覆されることになる。
【0041】
ここで、本開示におけるミツロウ粘土50とは、ミツロウとワックスを混ぜ合わせて作られた粘土であり、季節により硬さに違いはあるが常温では硬く、体温で柔らかくなる。融点は約60度であり、冷えて凝固すれば何度でも使用できる。
【0042】
なお、図4ではコアベント20が一つしか図示されていないが、コアベント20を複数入れても良く、その際コアベント20の向きを考えずに浸漬すればよいので、後述する実施形態2~5と比較して、多数のコアベント20の各通気孔21に対し同時かつ簡易にミツロウ粘土50を充填することができる。
【0043】
また、図4では容器80のミツロウ粘土50は、コアベント20全体が浸る嵩となっているが、少なくとも通気孔21にミツロウ粘土50が入り満たされる嵩であればよく、例えば、コアベント20が半分浸るまでの嵩であってもよい。その場合、コアベント20におけるキャビティ形成面22を底面にして容器80の底にそのまま置くか、もしくは、コアベント20をコップに見立てていったんミツロウ粘土をすくい上げ、その後同様に容器80の底に置いてもよい。なお、本実施形態では、融解したミツロウ粘土が入った容器80にコアベント20を入れることが本開示の浸漬工程に相当する。
【0044】
次に、図4(B)に示すように、容器80からコアベント20を取り出す。具体的には、あらかじめ冷却しておいた金属板40上に、コアベント20におけるキャビティ形成面22を底面にして置く。これにより、ミツロウ粘土50は、通気孔21から垂れ流れるより早く硬化される。金属板40については、蓄冷剤41により効果的に冷やすために、アルミ等の熱伝導率の良いものでできたトレイ等を用いることが望ましい。
【0045】
次に、図4(C)に示すように、ミツロウ粘土50を冷却して硬化させる。上述したように金属板40は、すでに蓄冷剤41などで冷やされているので、その上に置かれたコアベント20及びコアベント20に被覆したミツロウ粘土50は冷却される。つまり、ミツロウ粘土50は、コアベント20表面全体を覆うとともに、通気孔21の内部にも充填された状態で凝固されることになる。ミツロウ粘土50は、エッチング液に対して安定な物質であるので、金型11に対するエッチング処理の際に熱可塑性レジストとして機能し、通気孔21における壁面24の腐食を抑制する。なお、本実施形態では、冷えた金属板40上にコアベント20を置くことが本開示の冷却工程に相当する。
【0046】
次に、図4(D)に示すように、金属板40からコアベント20を金型11の蒸気通路13に移したうえで、当該蒸気通路13にコアベント20を埋め込む。この埋め込みの具体的方法は、従来と同様な方法で良く、このようにしてコアベント20の通気孔21にミツロウ粘土50が充填された状態の金型11を得ることができる。ここで、上記浸漬工程では、コアベント20表面全体にミツロウ粘土50が被覆されていた。そのうちコアベント側面26に被覆されたものについては、埋め込む過程で当該コアベント側面26と蒸気通路13における壁面13aがすれるため、剥げ落ちていく。一方で、剥げ落ちずにコアベント側面26と蒸気通路13における壁面13aの微小な隙間27に残ったミツロウ粘土50は、後述のエッチング処理工程において、その微小な隙間27にエッチング液が侵入することを防ぐ役割も果たす。
【0047】
以上の工程で得られた金型11に対しエッチング処理を行う。エッチング処理前には、金型11表面の油分や異物を取り除くため、例えばサンドブラストを従来から行われている手法により行う。ここで、コアベント20表面全体にはミツロウ粘土50が被覆されていた。そのうちコアベント20におけるキャビティ形成面22に被覆されたものについては、このサンドブラストにより簡単に取り除くことができる(サンドブラストをかけても通気孔21にはミツロウ粘土50が充填されたままにできる)。なお、ここまでの工程が本開示の充填工程に相当する。
【0048】
本実施形態に係る金型製造方法によれば、コアベント20のキャビティ形成面22もその対象とすることができる。コアベント20の通気孔21にはミツロウ粘土50が充填されており、金型11の内壁14とコアベント20におけるキャビティ形成面22それぞれが腐食される一方で、エッチング液が通気孔21に侵入することはなく、通気孔21が腐食するおそれはない。
【0049】
例えば、コアベント20のキャビティ形成面22を含めた金型11の内壁14全体に対しシボ加工もできるし、あるいは、任意の幾何学模様が描かれたカッティングシートを貼り付けレジストを形成したうえで、エッチング液に接触させてその処理を行うこともできる。
【0050】
エッチング処理後は、コアベント20の通気孔21のミツロウ粘土50を加熱により消失させる。例えば、お湯を溜めた水槽に金型11をくぐらせることでミツロウ粘土50をお湯に溶かすことができる。また、金型11をスチーム洗浄することでも、ミツロウ粘土50を溶かして洗い流すこともできる。スチーム洗浄は、従来の金型の製造工程においてもエッチング処理後に行われており、そのスチーム洗浄工程と併せてミツロウ粘土50の溶解洗浄ができるため、新たな工程を追加する必要がなくより好適であるといえる。本実施形態では、これらの行為が本開示の加熱消失工程に相当する。このような方法は、化学溶剤で溶解洗浄する方法と比較して廃液処理などの後処理が不要な分、コストを抑えることができる。
【0051】
例えば図5は、本開示の金型製造方法により製造された金型を示す図であるが、図5(A)に示すように、金型11の内壁14はもちろんコアベント20のキャビティ形成面22にまで連続してシボ加工を施すことができた。コアベント20の通気孔21に注目すると、腐食が抑制されていることが見受けられる。また、図5(B)に示すように、金型の内壁14からコアベント20のキャビティ形成面22に亘って、連続した幾何学模様を施すこともできる。この場合、コアベント20の通気孔21が幾何学模様のなかにうまく溶け込むこととなる。もちろん、コアベント20の通気孔21は腐食が抑制されていることが見受けられる。
【0052】
このように、金型11における内壁14とコアベント20におけるキャビティ形成面22には、連続した模様が付いているため、金型11を用いて発泡樹脂材を成型すれば、その模様に応じた発泡樹脂材表面を得られる。当該発泡樹脂材表面には、コアベント跡が点々と残ることが抑制されるため、発泡樹脂材においてコアベント跡を目立たなくさせ、意匠性が高い発泡樹脂材を作ることができる。なお、発泡樹脂材の成型に金型11を用いたことが、本開示の発泡樹脂材製造方法に相当する。
【0053】
例えば図6は、本開示の金型製造方法により製造された金型を用いて成型された発泡樹脂材を示す図である。発泡樹脂材表面に図5(B)の金型に応じた幾何学模様が付いており、この幾何学模様は、コアベント20の通気孔21によってできた凸以外の全ての領域に亘っている。むしろ、その凸すら、その幾何学模様にうまく溶け込み、注意深く見なければ他の模様と区別できないほどになっている。腐食凹版処理対象にコアベント20におけるキャビティ形成面22を含めたからこそ、このような模様をつけることも可能となり、意匠性の高い発泡樹脂材を得ることができる。
【0054】
〈金型製造方法の第2の実施形態〉
以下、図7を用いて実施形態2に係る金型製造方法について説明する。本実施形態に係る金型製造方法は、実施形態1と異なり、コアベントにおけるキャビティ形成面側からのみミツロウ粘土を充填する点が特徴である。なお、実施形態2にてすでに説明した事項については適宜説明を省略する。
【0055】
まず、図7(A)に示すように、金属板40上にコアベント20をコップ状に、つまりキャビティ形成面22を底面にして置く。これにより、通気孔21のキャビティ形成面22側が閉鎖される。金属板40については、後述する冷却工程を見込みアルミ等の熱伝導率の良いものでできたトレイ等を用いることが望ましい。また、図7ではコアベント20が一つしか図示されていないが、複数並べて置いても良く、そのほうが一度に沢山のコアベント20に対して後述する工程を経ることができるため、作業性が向上する。なお、本実施形態では、キャビティ形成面22を底面にして金属板40上にコアベント20を置くことが本開示の閉鎖工程に相当する。
【0056】
次に、図7(B)に示すように、コップ状に置かれたコアベント20におけるキャビティ形成面22の裏面23に、ミツロウ粘土50を入れて満たしておく。例えば、指やピンセットでミツロウ粘土50を適量分取ってコアベント20におけるキャビティ形成面22の裏面23に置き、全体に広がるように伸ばしておくことが望ましい。なお、コアベント20の上面開口部からはみ出すほどミツロウ粘土50を入れてもよい。その場合、後述する注入工程において、融解したミツロウ粘土50がコアベント側面に被覆されることになり、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、図7(B)には、一つのコアベント20しか表していないが、複数あるならば、例えば当該複数のコアベント20をN行M列に整然と並べる。そのうえで、N行(またはM列)のコアベント20に対し同時にミツロウ粘土50を入れることができるような注入器具を用いて、注入作業をM列(またはN行)分だけ繰り返すようにしても良い。
【0058】
次に、図7(C)に示すように、ミツロウ粘土50を熱して融解し通気孔21に注入する。例えば、ミツロウ粘土50にホットガンの温風を当て続けることで、融解したミツロウ粘土50が自重で通気孔21に垂れていくので、これにより注入することができる。また、ミツロウ粘土50が融解すれば良く、例えばコアベント20が置かれた金属板40ごと高温の部屋に入れておき、融解して垂れるまで放置しても良い。なお、本実施形態では、ミツロウ粘土50を熱することにより自重で通気孔21に垂らすことが本開示の注入工程に相当する。
【0059】
次に、図7(D)に示すように、ミツロウ粘土50を冷却して硬化させる。例えば、金属板40を蓄冷剤41などで冷やせば板上に置かれたコアベント20の熱が奪われるので、その結果、コアベント20内のミツロウ粘土50も冷却される。常温のまま放置し、硬化するまで待っていても良い。なお、本実施形態では、金属板40を蓄冷剤41で冷やすことが本開示の冷却工程に相当する。また、ここまでの工程が本開示の充填工程に相当する。
【0060】
次に、図7(E)に示すように、金属板40からコアベント20を金型11の蒸気通路13に移したうえで埋め込む。従来と同様な方法で良く、このようにしてコアベント20の通気孔21にミツロウ粘土50が充填された状態の金型11を得ることができる。なお、本実施形態では、金属板40上に置かれたコアベント20を取ったことが本開示の開放工程に相当する。
【0061】
なお、上記のように説明したが、ミツロウ粘土50が自重で通気孔21に垂れて注入されればよく、例えば、予め熱して融解したミツロウ粘土50をコップ状に置かれたコアベント20に流し込んでもよい(通気孔の充填に必要な量だけ流し込んでも、コアベント20の上面開口部からあふれてはみ出でるまで流し込んでも良い)。この際、金属板40も予め冷却しておき、通気孔21に垂れて金属板40表面に達したミツロウ粘土が、その冷却された金属板40によりすぐに冷却されて硬化することになる。つまり、注入工程と冷却工程を同時になし得るため、作業性の向上が期待できる。
【0062】
〈金型製造方法の第3の実施形態〉
続いて、本開示の第3の実施形態に係る金型製造方法について説明する。本実施形態に係る金型製造方法は、実施形態2と異なり、金型本体にコアベントを埋め込んでからミツロウ粘土を充填する点が特徴である。なお、実施形態1にてすでに説明した事項については適宜説明を省略する。
【0063】
まず、図8(A)に示すように、コアベント20を金型11の蒸気通路13に埋め込む。実施形態1と同様、従来と同様な方法で良い。
【0064】
次に、図8(B)に示すように、コアベント20の通気孔21のキャビティ形成面22側を閉鎖する。具体的には、シール材42を、コアベント20のキャビティ形成面22全体を覆うように張り付ける。なお、後工程で圧入されるミツロウ粘土50が飛び出さなければどのような手段でも良く、例えば、わざわざシール材42を張り付けずに、金型11ごと平らの金属板に置くことで閉鎖しても構わない。なお、本実施形態では、キャビティ形成面22にシール材42を張り付けることが本開示の閉鎖工程に相当する。
【0065】
次に、図8(C)に示すように、コアベント20におけるキャビティ形成面22の裏面23に、ミツロウ粘土50を入れて満たしておく。例えば、指やピンセットでミツロウ粘土50を適量分取ってコアベント20の底に置き、底面全体に広がるように伸ばしておくことが望ましい。
【0066】
次に、図8(D)に示すように、コアベント20の通気孔21にミツロウ粘土50を圧入する。具体的には、コアベント20の内径に応じた円柱60でミツロウ粘土50を上から押しつぶす(金型11の蒸気通路13に埋め込まれたコアベント20は、すべて同じ方向を向くとは限らないため、押しつぶす方向は必ずしも上からとは限らない)。これにより、通気孔21にミツロウ粘土50が圧入されていくが、シール材42によりコアベント20表面から飛び出すことはない。なお、本実施形態では、円柱60でミツロウ粘土50を押しつぶすことが本開示の圧入工程に相当する。また、ここまでの工程が本開示の充填工程に相当する。
【0067】
次に、図8(E)に示すように、シール材42をはがすことにより閉鎖されていた通気孔21のキャビティ形成面側を開放する。このようにしてコアベント20の通気孔21にミツロウ粘土50が充填された状態の金型11を得ることができる。なお、本実施形態では、シール材42をはがすことが本開示の開放工程に相当する。
【0068】
なお、上記のように説明したが、コアベント20を一つずつ埋め込んでは裏面23にミツロウ粘土50を入れ、シール材42を張り付ける代わりにキャビティ形成面22を指で押さえつつ円柱60でつぶすことで圧入してもよい。作業が終わるたびに充填具合(きちんとミツロウ粘土50がキャビティ形成面22まで達しているか)を目視確認できるため、抜け漏れなくミツロウ粘土50を充填することができる。
【0069】
〈金型製造方法の第4の実施形態〉
続いて、本開示の第4の実施形態に係る金型製造方法について説明する。本実施形態に係る金型製造方法は、コアベント20の通気孔にミツロウ粘土を圧入していく向きが、実施形態2、3とは逆方向である点が特徴である。
【0070】
図9(A)に示すように、まず、キャビティ形成面22が上面になるようにコアベント20を置く。つまり、実施形態1ではコップ状に置いたが、本実施形態ではそれとは逆向きに置く。また、図9ではコアベント20が一つしか図示されていないが、複数並べて置いても良く、そのほうが一度に沢山のコアベントに対して後述する工程を経ることができるため、作業性が向上する。
【0071】
次に、図9(B)に示すように、コアベント20のキャビティ形成面22上に、ミツロウ粘土50を載せて伸ばしておく。例えば、一つのコアベント20ならば、指やピンセットでミツロウ粘土50を適量分取ってコアベント20表面の上に置き、全体に広がるように伸ばしておくことが望ましい。複数あるならば、例えば当該複数のコアベント20をN行M列に整然と並べたうえで、N行(またはM列)のコアベント20のキャビティ形成面22上に、同時にミツロウ粘土50を載せることができるような器具を用いて、その作業をM列(またはN行)分だけ繰り返すようにしても良い。
【0072】
次に、図9(C)に示すように、ミツロウ粘土50をコアベント20の通気孔21に圧入する。具体的には、ミツロウ粘土50を上から指で押しつぶす。これにより、通気孔21にミツロウ粘土50が圧入されていくが、エッチング液の侵入を防ぐことができれば良いので、通気孔21全体が満たされるまで押し込んでも良いし、例えば半分が満たされるまででも良い。本実施形態では、ミツロウ粘土50を上から指で押しつぶすことが本開示の圧入工程に相当する。なお、コアベント20の表面に載せられたミツロウ粘土50のうち、圧入されなかった分は残留分51としてコアベント20の表面に残る。
【0073】
次に、図9(D)に示すように、コアベント20表面の残留分51を除去する。具体的には、コアベント20の表面をヘラ70でこすって残留分51をこそぎ取る。残留分51は、次のコアベント20に対する充填に回しても良い。本実施形態では、残留分51をこそぎ取ることが本開示の除去工程に相当する。また、ここまでの工程が本開示の充填工程に相当する。
【0074】
次に、図9(E)に示すように、ミツロウ粘土が充填されたコアベント20を金型11の蒸気通路13に埋め込む。実施形態1と同様、従来と同様な方法で良い。このようにしてコアベント20の通気孔21にミツロウ粘土50が充填された状態の金型11を得ることができる。
【0075】
〈金型製造方法の第5の実施形態〉
続いて、本開示の第5の実施形態に係る金型製造方法について説明する。本実施形態に係る金型製造方法は、実施形態4と異なり、金型本体にコアベントを埋め込んでからミツロウ粘土を充填する点が特徴である。
【0076】
まず、図10(A)に示すように、コアベント20を金型11の蒸気通路13に埋め込む。実施形態1と同様、従来と同様な方法で良い。
【0077】
後工程の図10(B)~(D)は、実施形態4の図9(B)~(D)と同様なので説明を省略する。なお、コアベント20を一つ埋め込むたびにミツロウ粘土50を圧入し、ヘラ70でこそぎ取ってもよい。これにより、作業が終わるたびに充填具合(きちんとミツロウ粘土50が通気孔21に詰まっているか)を目視確認できるため、抜け漏れなくミツロウ粘土50を充填することができる。このようにしてコアベント20の通気孔21にミツロウ粘土50が充填された状態の金型11を得ることができる。
【0078】
以上、本開示を実施するための形態について、上述した各実施形態について説明した。しかしながら、当業者であれば、本開示の目的を逸脱することなく種々の代用、手直し、あるいは変更が可能であることは明らかである。すなわち、本開示を実施するための形態は、本明細書に添付した特許請求の範囲の精神および目的を逸脱しない全ての代用、手直し、あるいは変更を含みうるものである。例えば、本発明を実施するための形態として、以下のような各種の形態を採用することができる。
【0079】
(1)上述した各実施形態では、腐食凹版処理としてウェットエッチングを採用した。しかしながら、腐食凹版処理において、コアベントの通気孔に充填されたミツロウ粘土が熱可塑性レジストとして機能すればよく、例えばドライエッチングを採用しても良い。
【0080】
(2)また、熱可塑性レジストとしてミツロウ粘土を採用したが、エッチング液やエッチングガスに対して安定であれば他の熱可塑性レジストを用いてもよい。
【0081】
(3)また、コアベントの通気孔の形状としてキリ孔を例に説明したが、スリット形状の通気孔であっても同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 発泡樹脂成型装置
11 金型
11a コア型
11b キャビ型
12 キャビティ
13 蒸気通路
14 内壁
15a コア側スチームイン
15b コア側スチームアウト
16a キャビ側スチームイン
16b キャビ側スチームアウト
17 原料投入ガン
20 コアベント
21 通気孔
22 キャビティ形成面
23 裏面
24 壁面
26 コアベント側面
27 隙間
30 発泡樹脂成型材料
40 金属板
41 蓄冷剤
42 シール材
50 ミツロウ粘土
51 残留分
60 円柱
70 ヘラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11