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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240917BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240917BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240917BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240917BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/01 301D
G07G1/12 301E
G07G1/12 321Z
G06Q20/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020174985
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2021125220
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2020020089
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光寿
(72)【発明者】
【氏名】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 裕人
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-087160(JP,A)
【文献】特開2018-177366(JP,A)
【文献】中国実用新案第208622209(CN,U)
【文献】特開2005-258943(JP,A)
【文献】特開2006-085274(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02558704(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売データ処理装置と包装体供給装置によって構成された商品販売データ処理システムであって、
前記商品販売データ処理装置は、
前記包装体供給装置に対して、包装体の排出を指示する排出指示部、を有し、
前記包装体供給装置は、
前記包装体の排出指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が受け付けた前記排出指示に応じて、前記包装体を抜き取り可能な状態で部分的に排出する排出部と
前記排出部により、部分的に排出された前記包装体の抜き取り状態を検知する検知部と、を有し、
前記商品販売データ処理装置は、
前記包装体供給装置が前記検知部により、部分的に排出された前記包装体が抜き取られたことを検知したのに応じて、商品の登録操作を有効にする、
ことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項2】
商品販売データ処理装置と包装体供給装置によって構成された商品販売データ処理システムであって、
前記商品販売データ処理装置は、
前記包装体供給装置に対して、包装体の排出を指示する排出指示部と、
前記包装体の購入要否を選択する選択肢として、少なくとも不要の選択肢が設けられた選択画面を表示する第一の表示部と、
前記選択画面において、不要を示す選択肢が選択された場合に、所定の商品数を超えて商品登録が行われると、前記選択画面から、不要を示す選択肢が除かれた選択画面を再度表示する第二の表示部と、を有し、
前記包装体供給装置は、
前記包装体の排出指示を受け付ける指示受付部と、
前記排出指示に応じて、前記包装体を排出する排出部と、を有する、
ことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項3】
前記包装体供給装置は、
前記包装体を係止させる係止部と、
前記係止部に前記包装体が係止されている場合に、前記排出部による前記包装体の排出を規制する制御部と、をさらに有する、
請求項1又は請求項2に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項4】
前記排出部により排出可能な前記包装体の残り枚数を管理する管理部と、
前記包装体の残り枚数が所定の枚数に達したことを報知する報知部と、
をさらに有する、
請求項1乃至いずれかの項に記載の商品販売データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットなどの小売店で利用され、買上商品の商品登録を行う商品販売データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、環境問題の高まりから、レジ袋の有料化を小売店に義務付ける省令の改正が行われ、施行を控えている状況にある。
この点、店舗で用意したレジ袋を有料化し、買上合計金額にレジ袋の価格を加算するレジスタが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-206929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レジ袋の購入について、特許文献1の技術では、顧客がレジ袋の登録操作を忘れた場合、レジ袋の登録処理を実行せずに商品登録処理及び精算処理を完了する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、顧客にレジ袋を適切に供給すると共に、レジ袋の購入に伴う代金を確実に精算できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品販売データ処理システムは、商品販売データ処理装置と包装体供給装置によって構成された商品販売データ処理システムであって、前記商品販売データ処理装置は、前記包装体供給装置に対して、包装体の排出を指示する排出指示部、を有し、前記包装体供給装置は、前記包装体の排出指示を受け付ける指示受付部と、前記排出指示に応じて、前記包装体を排出する排出部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムの全体を示した外観正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムが備える機能を示した機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムによって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図4】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図5】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図6】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図7】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図8】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図9】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図10】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図11】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図12】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図13】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図14】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムを構成する商品販売データ処理装置において表示される画面の一例を示した図である。
図15】本発明の他の実施形態に係る商品販売データ処理システムにおいて、商品販売データ処理装置を構成する登録装置の画面の一例を示した図である。
図16】本発明の他の実施形態に係る商品販売データ処理システムにおいて、商品販売データ処理装置と包装体供給装置を監視するモニタに表示される画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムについて、図を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、商品販売データ処理システム1は、協働する商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12によって構成されたシステムであり、商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12はLAN(Local Area Network)などの所定の通信回線NWを介してデータの送受信が可能に構成されている。
なお、本実施形態では、商品販売データ処理システム1を、相互に通信可能な商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12によって構成されるものとしているが、これ限らず、商品販売データ処理システム1を、商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12が備える機能部を一体的に備えた装置として構成することもできる。
【0009】
この商品販売データ処理システム1は、顧客が購入する商品の登録処理と会計処理を実行するほか、顧客の要求に応じて、商品を詰めるための包装体を提供する。即ち、商品販売データ処理装置11は包装体供給装置12に対して包装体の排出を指示し、これに対し包装体供給装置12は当該指示を受け付け、包装体を排出することにより、顧客に包装体を供給する。
【0010】
ここで、包装体は例えば、一般に普及しているポリエチレン製のレジ袋であるが、顧客が購入した商品を詰めるために用いられるものであれば、紙製の袋やマイバッグとして再使用可能な袋などであってもよい。なお、以下の本実施形態の説明では、商品が詰められる包装体について、包装体供給装置12によって顧客に提供されるものはレジ袋と称し、顧客が個人的に所有して使用するものは、包装体供給装置12が提供するものと同種のものであってもマイバッグと称して区別する。
【0011】
●商品販売データ処理装置11
商品販売データ処理装置11は、商品の登録処理と会計処理を実行する装置であり、本実施形態では、顧客のみで商品の登録から会計までの操作を行うセルフレジスタである。
この商品販売データ処理装置11は、CPU(Central Processing Unit)101などの演算装置、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103などの記憶装置を有しており、これにより、表示部111、読取部112、釣銭釣札部113、決済部114、印刷部115、報知部116、及び撮像部17からなる機能部を備える。
【0012】
表示部111は、顧客が購入する商品の名称や金額、あるいは登録された商品の合計額といった商品の各種データ、レジ袋を購入するための情報受付画面、包装体供給装置12から出力された情報に応じた情報などを表示するための機能部であり、液晶ディスプレイ等によって実現される。本実施形態において、この表示部111はデータ入力可能なタッチパネルであり、この表示部111を介して顧客からの操作や情報入力を受け付けることができる。
【0013】
読取部112は、各種のデータを読み取るための機能部であり、商品に関する情報がコード化され、商品に付されたバーコードあるいは二次元コードなどを読み取るスキャナ等によって実現される。
なお、読取部112は図1において、商品を読取面にかざす定置型のスキャナによって構成されているが、これに代えて、あるいはこれと共にハンディタイプのスキャナが設けられてもよい。
【0014】
釣銭釣札部113は、現金支払いによる商品の会計処理を可能にするための機能部である。この釣銭釣札部113は、物理的な機構として硬貨投入口、硬貨払出口、紙幣投入口、紙幣払出口等を備え、顧客が投入した金銭の入金を受け付けると共に、入金された金銭を計数したり、会計額に応じて釣銭を払い出したりする。
【0015】
決済部114は、所定の決済媒体を利用した決済を可能とする機能部である。
ここで、決済媒体とは例えば、クレジットカードや電子マネーカード、デビットカード等であり、外部のサーバと与信等の照会処理を適宜に実行し、所定の決済媒体を利用した決済を実行する。なお、これらの例に限らず、決済部114は現金支払い以外の決済処理に対応するための機能部であり、コード決済などのサービスにも対応する。
【0016】
印刷部115は、顧客による商品の会計処理後、レシートを発行する機能部である。この印刷部115は、レシートプリンタ等によって実現され、この場合には、会計の処理内容を感熱紙等の所定の紙媒体に印刷し、レシート発行口より排出する。
【0017】
報知部116は、所定のデータ処理の実行やエラーの発生など、所定の状況に応じて、当該所定の状況を店員等に報知するための機能部である。なお、所定のデータ処理の実行やエラーは、包装体供給装置12から出力された、包装体供給装置12の状態に係る情報に基づくもの、商品販売データ処理装置11自体の状態についてのものを含む。
この報知部116は図1において、状況に応じた色で発光するサインポールによって構成されているが、その他の例によって構成することもでき、例えば、所定の状況に応じた音声を発するブザーによって構成することもできる。
【0018】
撮像部17は、顧客による商品の読取操作を監視するための機能部であって、CCDカメラ等によって実現され、商品の読取操作が行われ位置などの所定の位置を撮像する。これにより、包装体供給装置12から出力される情報等を適宜に用い、商品の読取操作のミスや商品登録の不正によって、商品が登録されることなく会計が終了するのを防ぐことができる。具体的には、撮像部17によって顧客による商品の読取操作を検出できたにもかかわらず、商品の登録処理が行われず、計量部122によって重量の増加が検出されたときには、商品登録のミス又は不正があったものと判断することができる。
また、この撮像部17により、又はこの撮像部17とは別に設けた撮像部により、包装体供給装置12によるレジ袋の排出動作や排出のタイミングを監視してもよい。
【0019】
なお、顧客の操作の監視については、撮像部17によって商品の読取操作を撮像する以外に、撮像部17に代えて、あるいは撮像部17と共に人感センサなどを用いてもよい。この場合、フルセルフモードで商品の登録と会計が行われるときは、商品の読取ミスがあった場合や、商品の読み取りを行うことなく商品をレジ袋やマイバッグに投入した場合、登録操作画面に操作者の画像を表示してもよい。このような画像の表示は、登録操作中に常時、行われるものとしてもよい。また、登録操作を行うときに顧客が相対する商品販売データ処理装置11の正面や、商品をレジ袋等に投入するときに顧客が相対する包装体供給装置12の正面の画像をいずれか、あるいは両方、表示してもよいし、画面中の所定の領域で表示を切り替えて表示しもよい。これにより、顧客への不正の抑止にもつながる。
【0020】
このほか、商品販売データ処理装置11は、商品の登録処理や会計処理、あるいはこれらの処理の管理のための機能部として、は商品の価格等のデータを記憶した商品情報記憶部、会員顧客等の情報を記憶した顧客情報記憶部、店員の識別情報等の店員情報を記憶した店員情報記憶部、処理の履歴を記憶した履歴記憶部、顧客が購入する商品を会計処理の対象商品として登録する登録処理部、登録された商品の会計処理を実行する会計処理部などを適宜に備える。
なお、これらの機能部を外部あるいは上位のサーバ等に備えさせ、これらの機能部に記憶されているデータや処理結果を商品販売データ処理装置11が参照、表示するように構成してもよい。
【0021】
また、商品販売データ処理装置11は本実施形態において、タッチ式ディスプレイによって構成される表示部111を介して、顧客や店員から情報の入力を受け付けるが、これに代えて、あるいはこれと共に、顧客や店員が情報を直接入力するための物理キー等が設けられていてもよい。
【0022】
●包装体供給装置12
包装体供給装置12は、顧客が購入した商品を詰めるレジ袋を顧客に供給する装置である。
この包装体供給装置12は、物理的な機構として、収容部31、排出口31a、係止部32、及び載置部33を備えている。
【0023】
収容部31は、折り重ねた状態のレジ袋を複数、収容する。収容部31内には、レジ袋を一枚ずつ排出口31aから排出するためのフィード機構等が設けられており、包装体供給装置12は、商品販売データ処理装置11から受け付けたレジ袋の供給指示に応じて、収容部31内のレジ袋を排出口31aより排出させる。
ここで、排出口31aは、ハードウェアの面においてレジ袋を排出させる排出部を構成する。
【0024】
本実施形態においては、フィード機構によって排出口31aから排出されたレジ袋は、排出口31aより一部のみを部分的に排出させた状態に保持される。この状態において、顧客は、排出口31aから露出している包装体の一部を掴んで抜き取る。
【0025】
なお、本実施形態では、収容部31は一種類のサイズのレジ袋を収容し、これを排出するものとしているが、他の例として後述するとおり、大、中、小など、各種のサイズのレジ袋を収容部31に収容可能として、所定のサイズのレジ袋の供給指示に応じて、当該所定のサイズのレジ袋が排出されるようになっていてもよい。また、商品販売データ処理装置11が、サイズ別に複数の包装体供給装置12を制御する様にしても良い。
【0026】
また、収容部31は、収容部31内にレジ袋をセットできるよう、開閉構造を備えている。開閉構造は特に限定されないが、手前、即ち顧客がレジ袋やマイバッグに商品を詰める際に立つ位置に向かって内部を露出させるようにオープンする構造を採用するのが好適である。このような構造によれば、収容部31内にレジ袋をセットするために余計なスペースを確保する必要がないし、レジ袋の交換作業も行いやすい。
【0027】
係止部32は、レジ袋やマイバッグを係止させられる部材であり、本実施形態では、向かい合う一対又は複数対のアーム状の部材によって構成される。顧客は、レジ袋やマイバッグに設けられている一対の把持部をこの係止部32に係止させ、商品のサッキングが容易となるように口を広げた状態にレジ袋やマイバッグをセットする。
なお、係止部32は必ずしも使用されなくてもよく、例えば、商品を詰めるものとしてカゴなどが使用される場合にはそもそも使用されることがない。
【0028】
載置部33は、係止部32の下方に設けられ、その上面に、商品が詰められたレジ袋やマイバッグ、あるいは商品等を載置できる台である。
【0029】
また、包装体供給装置12は、CPU(Central Processing Unit)104などの演算装置、RAM(Random Access Memory)105やROM(Read Only Memory)106などの記憶装置を有しており、これにより、各種の情報を処理するための機能部として、検知部121、計量部122、出力部123、制御部124、及び報知部125からなる機能部を備える。
【0030】
検知部121は、赤外線等のセンサ等によって構成され、収容部31あるいは排出口31a近傍に設けられている。
この検知部121は、排出口31aの所定の位置にレジ袋があるか否を検知できる。これにより、フィード機構によって排出口31aから部分的に排出された状態に保持されたレジ袋について、抜き取り状態、即ち顧客によって抜き取られたか否かを検知することができる。
【0031】
計量部122は、載置部33に設けられ、載置部33上に載置されたレジ袋、マイバッグ、あるいは商品の重量を測る。レジ袋やマイバッグには、商品が登録されるごとに当該商品が詰められるところ、商品の登録情報と載置部33上の重量によって、商品が登録された上で、載置部33上のレジ袋やマイバッグに詰められたか否かを判別することができる。
【0032】
出力部123は、検知部121や計量部122等によって得られた包装体供給装置12の情報を商品販売データ処理装置11に出力する。出力する情報は特に限られないが、包装体供給装置12が備える機能に応じて、検知部121によって検知される情報であって、排出口31aからレジ袋が抜き取られたか否かを示す情報、計量部122によって取得された載置部33上のレジ袋やマイバッグ等の重量に係る情報、制御部124によるレジ袋の排出制御に係る情報、収容部31内に収容されているレジ袋の残量に係る情報、レジ袋の排出エラー等のエラー情報、レジ袋を収容部31にセットすべく収容部31をオープンにしている場合に、この状態を示す情報など、各種のものが含まれる。
商品販売データ処理装置11は、出力部123が出力するこれらの情報に基づいて、所定の処理を実行する。
【0033】
制御部124は、商品販売データ処理装置11からの各種の指示情報に基づき、フィード機構等を制御して収容部31内のレジ袋を排出口31aから排出させ、これにより顧客にレジ袋を供給する動作を制御する機能部であり、ソフトウェアの面においてレジ袋を排出させる排出部を構成する。
この制御部124は本実施形態において、レジ袋を排出させる際、レジ袋を排出口31aから部分的に排出させ、顧客が抜き取り可能な状態に保持する。この状態において、顧客は、排出口31aから露出している包装体の一部を掴んで抜き取ることができる。
【0034】
報知部125は、所定のデータ処理の実行やエラーの発生など、所定の状況に応じて、当該所定の状況を店員等に報知するための機能部である。この報知部125は例えば、状況に応じた色で発光するサインポールや音声を発するブザーによって構成することができる。
【0035】
なお、包装体供給装置12はこのほか、係止部32にレジ袋やマイバッグが係止されているか否かを検知可能なセンサ等で構成される検知部など、その他の機能部を備えていてもよい。
また、検知部121と計量部122に代えて、あるいは検知部121と計量部122に加えて、レジ袋の排出口31a等、排出動作を視認可能な部分や、載置部33上に載置されているレジ袋やマイバッグの状態を撮像する撮像部を備えるものとしてもよい。撮像によっても、排出口31aから排出されたレジ袋の状態や、載置部33上のレジ袋等がどの程度、いっぱいになっているかといった様子を判別することができるし、検知部121、計量部122、及び撮像部を適宜に組み合わせて用いることで、取得できるデータの精度を高めることもできる。
【0036】
●処理フロー
以下、図を参照して、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システム1によって実行される処理の流れを説明する。
商品販売データ処理装置11は、新規の商品登録の開始を受付可能に待機している。顧客が商品登録の開始を要求すると、顧客に対し、図4の例に示されるような、レジ袋の購入要否を選択する選択画面を表示させて、レジ袋を購入するか、マイバッグを使用するかの選択入力を求める(S101)。
ここで、顧客が、レジ袋を購入せず、マイバッグによる商品購入へ進む場合には、後述する商品登録のステップS108へ進む。
【0037】
なお、図4の例に示す選択画面では、レジ袋等の有料袋の購入を要求する選択肢、マイバッグ等の顧客が持参した袋の利用を要求する選択肢が顧客に提示されている。顧客は「レジ袋スタート」ボタンによりレジ袋の購入を求めることができ、また、「マイバッグスタート」ボタンにより、レジ袋を購入せず、マイバッグを使用した商品登録に進むことができる。ただし、実際的には、「マイバッグスタート」ボタンは、レジ袋を購入せずに商品登録を行うことを選択するためのものであり、レジ袋を購入しない限りは、マイバッグを用いることなく商品登録を行う場合も、このボタンを選択することになる。
また、図4の例では、レジ袋の購入又はマイバッグの選択後に商品登録へ移行する「レジ袋スタート」ボタンと「マイバッグスタート」ボタンが設けられているほか、レジ袋の購入のみを行うための「レジ袋購入」ボタンが設けられている。
【0038】
なお、図4の例に関わらず、顧客がレジ袋又はマイバッグのいずれもセットしない、「不要」ボタンを設けてもよく、この「不要」ボタンが選択された場合、顧客は商品に直接、購入済みを示すシール等を店員に貼付してもらうなどする。
ここで、包装体供給装置12は通常、計量部122によって載置部33上の重量を計量することにより、載置部33上にセットされたマイバッグやレジ袋に登録された商品が詰められたか否かを判別している。一方、「不要」ボタンが選択された場合には、このような計量部122による判別機能を無効にする。ただし、このように判別機能を無効にした場合でも、所定の商品数を超えて商品登録が行われる場合には、エラーや店員への報知等を行ったり、レジ袋の購入又はマイバッグの使用を選択する画面に戻り、レジ袋の購入又はマイバッグの使用を促したりしてもよい。なお、レジ袋の購入又はマイバッグの使用を選択する画面に戻り、顧客に対して、画面上からレジ袋の購入又はマイバッグの使用を選択させる場合には、当該画面には「不要」ボタンを表示させないようにしてもよい。
【0039】
顧客がレジ袋の購入を求めた場合には、商品販売データ処理装置11は図5の例に示される画面を表示させて、レジ袋の購入の意思確認を行う(S102)。
顧客がレジ袋の購入を取りやめることにした場合には、レジ袋を顧客に供給するステップに進まず、商品登録のステップS108へ進む。
なお、顧客によるレジ袋の購入においては、レジ袋の購入枚数を入力できるようにし、顧客から求められた購入枚数のレジ袋を連続的に供給するようにしてもよい。
【0040】
顧客がレジ袋の購入を要求した場合には、商品販売データ処理装置11は包装体供給装置12に対してレジ袋の排出を指示し、包装体供給装置12は当該排出指示を受け付けると、制御部124によりレジ袋を排出口31aより排出させる(S103)。
なお、レジ袋の排出動作中には、図6の例に示される画面により、レジ袋の排出動作を行っていることを顧客が理解できるようにしてもよい。
また、レジ袋の排出は、制御部124によって実行されるところ、上述のとおり、レジ袋は排出口31aから部分的に排出させられ、顧客が抜き取り可能な状態に保持される。
【0041】
商品販売データ処理装置11は包装体供給装置12にレジ袋の排出を指示する一方で、レジ袋の登録処理を行う(S104)。即ち、顧客が購入する商品の一つとして、顧客に供給するレジ袋を登録し、レジ袋の値段を会計費用としてカウントする。
このレジ袋の登録処理についても、レジ袋を購入商品として登録することを示すべく、図7の例に示される画面を表示し、顧客が理解できるようにするとよい。
【0042】
商品販売データ処理装置11からの指示に応じてレジ袋を排出させた包装体供給装置12は、排出口31aより部分的に排出され、抜き取り可能に保持されたレジ袋が、抜き取られたか否かを検知部121によって検知する(S105)。
レジ袋が一定の合理的な時間のうちに抜き取られたことを検知した場合には、出力部123によってかかる検知情報が商品販売データ処理装置11に出力され、商品販売データ処理装置11は商品登録の処理に移行する。
一方、レジ袋が一定の合理的な時間のうちに抜き取られず、排出口31aに保持されたままの状態であることを検知した場合には、かかる検知情報が商品販売データ処理装置11に出力され、商品販売データ処理装置11は、図8の例に示される画面を表示して、顧客にレジ袋の抜き取りを要求する(S106)。
【0043】
顧客に対してレジ袋の抜き取りを要求した後、レジ袋が抜き取られた場合には(S107)、商品販売データ処理装置11は商品登録のステップS108に移行する。
一方、顧客に対してレジ袋の抜き取りを要求したにもかかわらず、抜き取りを検知できないまま時間が経過した場合には(S107)、例えば、報知部116、125によって店員にかかる状況を報知するなどして、状況の解決が図られるようにするとよい。
【0044】
顧客がレジ袋の提供を受けるか、マイバッグを前提とした商品登録を選択した場合には、図9又は図10の例に示される商品登録の画面が商品販売データ処理装置11上に表示され、当該画面から、顧客は商品の登録を行う(S108)。
なお、図9の例は、顧客がマイバッグによる商品登録を選択した場合の商品登録画面の開始時の状態を示しており、この状態では購入商品が何も登録されていない。
また、図10の例は、顧客がレジ袋を購入した場合の商品登録画面の開始時の状態を示しており、顧客が購入したレジ袋が既に商品登録されている。
【0045】
商品登録においては、顧客が、商品に付されているバーコード又は二次コードを読取部112に読み取らせたり、所定の商品選択画面から商品を選択したりして、購入する商品を登録する。商品が登録されると、図11の例に示されるように、登録された商品が表示されるほか、登録された商品の合計額などが表示される。
【0046】
なお、商品登録においては、計量部122によって載置部33上に載置されたレジ袋やマイバッグの重量変化を監視し、読取部112による商品の読み取り処理に応じて重量が増加したか否かを判定するなどして、適宜に会計の不正監視などを行うってもよい。また、このような会計の不正監視は、計量部122でなくても、商品販売データ処理装置11の撮像部117や包装体供給装置12に設けた撮像部によって得られる撮像画像を分析して行うなど、その他の方法によってもよい。
【0047】
顧客が、購入する商品を順次、登録し、登録した商品でレジ袋やマイバッグがいっぱいになったときには、レジ袋を追加購入することができる(S109)。なお、マイバッグを使用していてレジ袋を購入することになった場合には、厳密にはレジ袋の追加購入ではなく、新規購入であるが、ここでは追加購入にあたるものとして説明している。
図9図11の例に示される、商品登録の画面には、レジ袋を追加購入するための「追加」ボタンが設けられており、この「追加」ボタンにより、レジ袋を追加的に購入することができる。顧客がレジ袋を追加購入する操作とこの操作に対応する処理は、S103~S107の処理によって示したレジ袋の購入操作と当該購入操作に対応する処理と同様である。
【0048】
顧客が購入を希望する全ての商品の登録が完了すると、釣銭釣札部113や決済部114によって合計額の会計処理が実行されると共に、印刷部115によってレシートの発行処理が実行され(S111)、商品の購入に伴う一連の操作と処理が完了する。なお、レシートに換えて電子レシートの情報を出力しても良い。
【0049】
なお、以上のように、正常に一連の処理が実行された場合とは別に、エラー等が発生した場合の処理について説明する。
図12は、商品の登録処理中において、商品販売データ処理装置11や包装体供給装置12にエラーが生じるなどした場合の画面の一例を示している。この際には、顧客による情報の入力が規制されて、エラーメッセージが表示されると共に、エラーが店員に報知される。エラーの報知は例えば、サインポールやブザーによって構成される報知部116、125によって周囲の店員に対して行われるほか、所定のネットワークで接続された上位の管理装置等を介して他の店員や店舗の管理者等に対して行われる。
【0050】
また、図13は、包装体供給装置12において顧客に提供するレジ袋がなくなった場合に、商品販売データ処理装置11上に表示される画面の一例を示している。包装体供給装置12の収容部31内に収容されているレジ袋がなくなった場合には、レジ袋がなくなったことを示すメッセージが商品販売データ処理装置11上に表示されると共に、かかる状況が店員に報知される。
状況の報知は例えば、上述したエラー発生時と同様、サインポールやブザーによって構成される報知部116、125によって周囲の店員に対して行われるほか、所定のネットワークで接続された上位の管理装置等を介して他の店員や店舗の管理者等に対して行われる。なお、上述したエラーと、レジ袋がなくなったことを示す報知は、区別可能であるのが好ましく、報知部116、125がサインポールで構成されるのであれば、内容に応じて異なる色で発光させるとよい。
【0051】
なお、収容部31にレジ袋がなくなったか否かは、各種の構成や機能の実行によって判別又は検知できる。その一例では、収容部31内にセットされているレジ袋を検知可能なセンサを設け、当該センサによってセットされているレジ袋を検知することで、レジ袋がなくなったことを検知できる。
【0052】
また、他の一例では、収容部31内のレジ袋の残り枚数を管理する管理部を商品販売データ処理装置11に設け、これによりレジ袋がなくなったこと、さらにはレジ袋がなくなる直前の状態、所謂ニアエンドを検知することもできる。
レジ袋の残り枚数は例えば、収容部31に最初にレジ袋をセットした際に、セットした枚数を登録しておき、レジ袋が顧客に供給されるたびに供給枚数をセット枚数から減算することによって把握できる。レジ袋の供給枚数は、排出口31aからレジ袋が排出されたことを検知部121が検知した回数をカウントすることによって把握できる。
【0053】
このほか、収容部31内において重ねて保管されているレジ袋の厚みを検知する検知機構を設け、厚みから残り枚数を推計可能としたり、収容部31にレジ袋の残量を視認可能な窓を設けたりしてもよい。
このようにレジ袋の残り枚数を管理すれば、レジ袋が一定数よりも少なくなった状態を事前に検知し、完全になくなる前にレジ袋を補充することができる。
なお、レジ袋がなくなった場合のみならず、レジ袋の残り枚数が所定の枚数に達したときには、表示部111による注意メッセージの表示や、報知部116、125による報知などを適宜に行うとよい。また、所定のネットワークで接続された上位の管理装置等を介して他の店員や店舗の管理者等に対して行われるようにしてもよい。さらに、レジ袋の残り枚数を管理する管理部は、商品販売データ処理装置11に限らず、包装体供給装置12や、商品販売データ処理装置11の上位のサーバ等の装置に備えさせることもできるし、当該管理機能を備える独立した管理装置として構成し、商品販売データ処理装置11や包装体供給装置12と共に商品販売データ処理システム1を構成させることもできる。
【0054】
●その他の機能
上述した本実施形態に係る商品販売データ処理システム1については、適宜に機能を追加又は変形し、上述した処理以外の処理を実行させることができる。以下では、本実施形態に関して実現可能な機能や構成の例を挙げて説明する。
【0055】
<複数のサイズのレジ袋を供給する例>
商品販売データ処理システム1は、複数のサイズのレジ袋を用意すると共に、サイズごとに顧客が所望する枚数のレジ袋を顧客に供給するようにしてもよい。この場合には例えば、図4における「レジ袋スタート」ボタンや「レジ袋購入」ボタンの押下に応じて、図14に示される画面を展開する。
なお、図14に示される画面上に別途、図14に示される画面に移行するボタンを設け、顧客が当該ボタンを押下した場合にのみ、サイズや数量を個別に選択してレジ袋を購入できるようにしてもよい。この場合、「レジ袋スタート」ボタンや「レジ袋購入」ボタンでは、デフォルトで所定のサイズのレジ袋を1枚だけ排出するようにしてもよい。
【0056】
図14に示される画面では、大・中・小の3種類のサイズからなるレジ袋を選択して必要な枚数を入力することができる。
顧客が希望するサイズのレジ袋とその数量を入力して購入を確定すると、商品販売データ処理装置11はかかる情報に基づいて、顧客が希望したサイズのレジ袋の数量に応じた登録処理と、包装体供給装置12に対するレジ袋の供給指示を実行する。包装体供給装置12はこれに応じて、供給を指示されたレジ袋を順次、排出する。
なお、このような処理は、商品登録開始時に限らず、レジ袋の追加購入の際にも実行可能となっていてもよい。
【0057】
<所定の条件下でレジ袋の排出規制又は強制排出する制御の例>
包装体供給装置12は、所定の条件下で、レジ袋の排出を規制したり、レジ袋を強制的に排出したりしてもよい。
そのような処理の一例について、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1では、包装体供給装置12の排出口31aの下方に、レジ袋を係止させられる係止部32が設けられているところ、当該係止部32に商品が詰め込まれたレジ袋やマイバッグが係止されているときに、レジ袋の排出を規制する。
【0058】
係止部32に商品が詰め込まれたレジ袋やマイバッグが係止されていると、排出口31aからレジ袋を排出した際に、レジ袋がうまく排出できずに詰まったり、顧客がレジ袋を抜き取りにくかったりすることが考えられるためである。この場合には例えば、商品販売データ処理装置11により、係止部32に係止されているレジ袋やマイバッグを避けるなどの注意を喚起する画面を表示し、排出に支障のない状態になったと判断した場合に、レジ袋の排出規制を解除して、レジ袋を排出するとよい。
【0059】
なお、係止部32にレジ袋やマイバッグが係止され、これがレジ袋を排出口31aより排出するのに支障があるか否かを判断する処理は例えば、排出口31a付近や係止部32近傍等に、係止部32に係止させられるレジ袋やマイバッグを検出するセンサを設け、レジ袋の排出に支障のあるレジ袋やマイバッグかないかどうかを検出することによって可能となる。また、このようなセンサによる検出情報に加えて、計量部122によって測定した載置部33上のレジ袋やマイバッグ等の重量を判断要素として用いてもよいし、撮像部17や包装体供給装置12に別途設けた撮像部による画像処理の結果を判断要素としてもよい。
【0060】
また、他の一例では、レジ袋を正常に排出できなかったり、レジ袋の購入に伴う処理とは別にレジ袋の排出が必要になったりしたときに、レジ袋を強制的に排出する。
この処理でも、係止部32に商品が詰め込まれたレジ袋やマイバッグが係止されていると、排出口31aからレジ袋を強制的に排出した際に、レジ袋がうまく排出できずに詰まったり、レジ袋を抜き取りにくかったりすることが考えられる。そのため、上述したように係止部32にセンサを設けるなどして、レジ袋の強制排出に支障のあるレジ袋やマイバッグがある場合には、係止部32に係止されているレジ袋やマイバッグを避けるなどの注意を喚起する画面を表示するとよい。
【0061】
<顧客の種別等に応じたレジ袋の単価設定を可能とした例>
レジ袋は、店舗の会員又は非会員の別や、レジ袋のみの購入か否か、さらにはマイバッグ利用時におけるレジ袋の追加か否かなど、顧客の種別や購入態様によって異なる値段で顧客に供給してもよい。
【0062】
この場合には、顧客の種別や購入態様に応じた価格設定を予め設定しておき、種別を判別することによって、異なる単価でレジ袋を供給することができる。例えば、店舗の会員又は非会員の別は、会員であることを示す識別情報等を認証することによって判別可能である。また、レジ袋のみの購入か否か、また、マイバッグ利用時におけるレジ袋の追加か否かは、一連の商品登録処理の操作や処理の履歴を参照することによって判別可能である。
【0063】
<レジ袋の追加購入を推奨する例>
顧客は、載置部33上にレジ袋やマイバッグを広げ、購入する商品を当該レジ袋やマイバッグに詰め込んでいくところ、その重量は計量部122によって測ることができる。この重量が所定の閾値を超えた場合には、レジ袋やマイバッグが商品でいっぱいになり、さらに詰め込むことが難しかったり、レジ袋やマイバッグが破損等するおそれがあったりするものと推測されることから、そのような不具合が起きないよう、顧客にレジ袋の追加購入を推奨してもよい。
なお、レジ袋の追加購入の推奨は、計量部122によって測られた重量に基づいて判断する以外にも、商品販売データ処理装置11の撮像部117や包装体供給装置12に設けた撮像部によってレジ袋やマイバッグを撮像し、撮像画像からレジ袋やマイバッグの状態を判定して行うようにしてもよい。
【0064】
レジ袋の追加購入の推奨は例えば、商品販売データ処理装置11において、レジ袋の追加購入を推奨するメッセージを表示したり、レジ袋を追加的に購入するためのボタンを通常時と異なる態様で表示したりすることによって行うことができる。また、商品登録時に、商品を詰めているレジ袋やマイバッグが重くなってきたことを示すメッセージや表示することによって、顧客にレジ袋の追加購入を思い至らせるようにしてもよい。
【0065】
<包装体供給装置12を複数の商品販売データ処理装置11で共用する例>
包装体供給装置12と商品販売データ処理装置11を一対一の関係ではなく、複数対一の関係となるように、複数の商品販売データ処理装置11で一台の包装体供給装置12を共用するように構成してもよい。
この場合には、各商品販売データ処理装置11からの同時アクセスによる競合を回避するための排他制御が必要となる。即ち、包装体供給装置12は、いずれかの商品販売データ処理装置11からレジ袋の供給指示を受け付けた際、レジ袋の排出動作を行っておらず、レジ袋の排出が可能な場合には、当該レジ袋の供給指示に応じてレジ袋を排出する。
一方、一の商品販売データ処理装置11からレジ袋の供給指示を受け付けた際、他の商品販売データ処理装置11からのレジ袋の供給指示に応じてレジ袋の排出動作を実行している最中であった場合には、実行中の動作が完了するまで当該一の商品販売データ処理装置11からのレジ袋の供給指示を保留にする。このとき、当該一の商品販売データ処理装置11に対しては、処理中のレジ袋の排出動作が完了次第、要求された処理を開始することを通知してもよく、商品販売データ処理装置11上においても、顧客に処理を待つようお願いするメッセージを表示してもよい。
【0066】
また、いずれかの商品販売データ処理装置11からの指示に応じてレジ袋を排出しているのか否か、顧客が認識できるようにするための構成を設けるとよい。例えば、商品販売データ処理装置11で受け付けたレジ袋の購入希望に対して整理番号を発行すると共に、包装体供給装置12に別途、設けたディスプレイ等において、排出動作に対応した整理番号を表示する。
また、レジ袋を排出している動作が、どの商品販売データ処理装置11からの供給指示に基づくかが分かるよう、商品販売データ処理装置11ごとに割り当てた識別番号等を、包装体供給装置12に別途、設けたディスプレイ等に表示してもよい。
【0067】
<包装体供給装置12単独でレジ袋を供給する例>
包装体供給装置12は、商品販売データ処理装置11からのレジ袋の供給指示によらず、直接、レジ袋の供給指示を受け付け、レジ袋を排出するように構成することもできる。
この場合には、情報入力が可能なタッチ式ディスプレイや物理キーを包装体供給装置12に設けるなどして、顧客から直接、レジ袋の供給要求を受け付けられるようにする。これに応じて、包装体供給装置12はレジ袋を排出する。
【0068】
なお、レジ袋の購入費用は例えば、レジ袋に印字したバーコードを商品販売データ処理装置11に読み取らせ、レジ袋を商品として商品登録させることで、商品販売データ処理装置11で精算可能とすることができる。このほか、包装体供給装置12に別途、精算用の機構を設けてレジ袋の精算を可能とすることもできるし、精算用のバーコードを包装体供給装置12に発行させると共に、当該バーコードを商品販売データ処理装置11に読み取らせ、商品販売データ処理装置11で精算可能とすることもできる。
【0069】
<レジ袋の返品又は購入取消を受け付ける例>
顧客の求めに応じて排出したレジ袋について、事後的に返品を受け付けられるようにしてもよい。この場合には例えば、レジ袋の購入履歴に基づいてレジ袋を購入したことを証する返品用レシートを発行し、サービスカウンター等において、当該返品用レシートと共にレジ袋の返品を受け付ける。
なお、レジ袋を購入したことを証するレシートの発行は例えば、商品販売データ処理装置11の画面上にレジ袋の返品用のボタンを設け、商品の登録開始から会計処理の完了までの間でのみ、受け付けるようにしてもよい。また、顧客がレジ袋を購入したことのエビデンスを店員が確認できるよう、商品販売データ処理システム1と、サービスカウンター等に設置されたPOS端末とを連動させてもよい。
【0070】
また、商品販売データ処理装置11上において、顧客がレジ袋の購入操作を実行してから、実際に包装体供給装置12においてレジ袋を排出させるまでに一定の時間がある場合には、かかる一定の時間においてのみ、所定の操作の実行によってレジ袋の購入を取り消せるようにしてもよい。
【0071】
以上の本実施形態に係る商品販売データ処理システム1によれば、顧客にレジ袋を適切に供給することができると共に、レジ袋の購入に伴う代金の請求漏れが発生することもなく、確実に精算できる。特に、セルフレジスタの場合には、顧客の操作ミスや不正などの問題もあるところ、セルフレジスタであっても顧客にレジ袋を適切に供給すると共に、レジ袋の購入に伴う代金の精算を確実に行うことができる。
また、顧客は、マイバッグによる商品登録を選択した場合でも、必要に応じてレジ袋を購入することができる。
【0072】
なお、以上の本実施形態に係る商品販売データ処理システム1では、顧客側にて登録処理と精算処理を実行するフルセルフタイプの商品販売データ処理装置を前提として説明したが、これに限らず、本発明は通常タイプやセミセルフタイプの商品販売データ処理装置にも適用可能である。
なお、通常タイプのレジは、店員側にて登録処理を実行し、顧客側にて精算処理を実行するものであり、セミセルフタイプは、他の商品登録用端末から商品の登録情報を受け取って精算のみを実行するものである。
また、本発明は、このようなフルセルフタイプ、通常タイプ、あるいはセミセルフタイプのモードに切替可能な商品販売データ処理装置についても適用可能である。
【0073】
また、商品販売データ処理装置11について、登録処理を実行する登録装置と精算処理を行う精算装置によって構成する場合には、通常、登録装置の画面上から精算を実行させる精算装置を指定して、商品の登録データを精算装置に送信する。この場合に、図15に示されるように、登録装置の画面上で精算装置を指定するボタンに、指定する精算装置と連携する包装体供給装置12の状態(袋ニアエンドや店員呼出、カバーオープンなど)を対応付けて表示するとよい。また、登録操作中や小計画面などにおいても、包装体供給装置12の状態を常時確認できるように表示すればさらに好適である。
【0074】
また、店舗内に設置されている商品販売データ処理装置11や包装体供給装置12を一元的に監視する監視装置のモニタにおいても、各商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12を常時モニタリングできるようにして、どの商品販売データ処理装置11又は包装体供給装置12に異常が発生しているかを区別可能に表示しても良い。
具体的には、図16に示されるように、商品販売データ処理装置11(図中、「POS 1号機」、「POS 2号機」と記載)や包装体供給装置12(図中、「レジ袋フィーダ」と記載)を号機別に表示して、釣銭のニアエンド、袋ニアエンドやカバーオープン、疎通確認が出来る場合はオフラインなど、各種のステータスを表示する。
【0075】
特に、商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12が接続している場合には、図16の例に示すように、一の商品販売データ処理システム1を構成して連動する商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12の状態監視の結果を横並びに表示し、状況を把握しやすくするとよい。
なお、一の商品販売データ処理システム1を構成する商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12であることがわかれば、横並びに限らず、上下などその他の配置例としてもよい。また、ステータスの内容ごとの危険度に応じてステータス表示に色や線による識別効果等を用いたりしてもよい。
【0076】
また、複数台の商品販売データ処理装置11と一の包装体供給装置12が連動している場合も同様、連動する商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12が把握可能となるようにツリー状に表示するなどしてもよい。また、連動する商品販売データ処理装置11と包装体供給装置12が近接しない場合には、接続号機番号を互いの表示領域内に示すとよい。なお、フルセルフタイプ以外の通常タイプやセミセルフタイプの場合でも、商品販売データ処理装置11に包装体供給装置12を接続するときには、このように表示してもよい。
【0077】
なお、包装体供給装置12の未使用時に、当該包装体供給装置12を保管エリアや待機エリアに移動させている場合でも、包装体供給装置12の電源がONになっている場合には、商品販売データ処理装置11との連動・非連動の別を表示してもよい。
また、電源がOFFにされている包装体供給装置12であっても、電源OFF時に所定のコマンドを出力させて、商品販売データ処理装置11、上位端末、監視端末等で当該包装体供給装置12のステータスを管理しておくこともできる。この場合、当該包装体供給装置12の電源がONになったとき、あるいは電源がONになった当該包装体供給装置12が無線LAN、有線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はUSB等で接続されたときに、当該包装体供給装置12から電源ONのコマンドを出力させることで包装体供給装置12の状態監視を再開できる。
【0078】
また、セミセルフ方式の運用の場合、登録装置では、商品の登録操作画面又は小計画面のいずれでも、レジ袋の購入枚数や種類を常に選択可能に表示してもよい。そして、精算装置に対して商品の登録データが精算可能に送信されると、精算装置における精算操作と連動して、登録装置で選択された枚数及び種類のレジ袋が包装体供給装置12から排出される。なお、この場合、精算装置ではサッキングが行われないので、レジ袋を連続して排出するようにしても良い。
【0079】
●実施形態総括
本発明は、スーパーマーケットなどの小売店で利用され、買上商品の商品登録を行う商品販売データ処理システムに関する。
【0080】
現在、環境問題の高まりから、レジ袋の有料化を小売店に義務付ける省令の改正が行われ、施行を控えている状況にある。
この点、店舗で用意したレジ袋を有料歳、買上合計金額にレジ袋の価格を加算するレジスタが提案されている(特開2007-206929号公報参照)。
【0081】
しかしながら、レジ袋の購入について、特許文献1の技術では、顧客がレジ袋の登録操作を忘れた場合、レジ袋の登録処理を実行せずに商品登録処理及び精算処理を完了する可能性がある
【0082】
そこで本発明は、顧客にレジ袋を適切に供給すると共に、レジ袋の購入に伴う代金を確実に精算できるようにすることを目的の一つとする。
【0083】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品販売データ処理システムは、商品販売データ処理装置と包装体供給装置によって構成された商品販売データ処理システムであって、前記商品販売データ処理装置は、前記包装体供給装置に対して、包装体の排出を指示する排出指示部、を有し、前記包装体供給装置は、前記包装体の排出指示を受け付ける指示受付部と、前記排出指示に応じて、前記包装体を排出する排出部と、を有することを特徴とする。
【0084】
また、前記包装体供給装置は、前記排出部により、部分的に排出された前記包装体の抜き取り状態を検知する検知部、をさらに有し、前記排出部は、前記排出指示に応じて、前記包装体を抜き取り可能な状態で部分的に排出するものとしてもよい。
【0085】
また、前記商品販売データ処理装置は、前記包装体供給装置によって排出された前記包装体の状態に係る情報に応じた処理を実行し、前記包装体供給装置は、前記商品販売データ処理装置に対して、排出させた前記包装体の状態に係る情報を出力する出力部、をさらに有するものとしてもよい。
【0086】
また、前記商品販売データ処理装置は、前記包装体供給装置が、部分的に排出された前記包装体が抜き取られたことを検知したのに応じて、商品の登録操作を有効にするものとしてもよい。
【0087】
また、前記商品販売データ処理装置は、前記包装体の購入要否を選択する選択肢として、顧客持参袋、有料袋、不要の選択肢が設けられた選択画面を表示する第一の表示部と、前記選択画面において、不要を示す選択肢が選択された場合に、所定の商品数を超えて商品登録が行われると、前記選択画面から、不要を示す選択肢が除かれた選択画面を再度表示する第二の表示部と、をさらに有するものとしてもよい。
【0088】
また、前記包装体供給装置は、前記包装体を係止させる係止部と、前記係止部に前記包装体が係止されている場合に、前記排出部による前記包装体の排出を規制する制御部と、をさらに有するものとしてもよい。
【0089】
また、前記排出部により排出可能な前記包装体の残り枚数を管理する管理部と、前記包装体の残り枚数が所定の枚数に達したことを報知する報知部と、をさらに有するものとしてもよい。
【0090】
本発明によれば、顧客にレジ袋を適切に供給すると共に、レジ袋の購入に伴う代金を確実に精算することができる。
また、顧客がレジ袋を抜き取ったのに応じてレジ袋が商品として登録されると共に、商品の登録が開始されるので、顧客はスムーズに商品登録を行うことができる。また、最初にレジ袋の購入を確定することで、顧客はレジ袋を買い忘れることもないし、商品を誤って先に登録してしまい、慌ててレジ袋を用意するなど操作の手間や難しさを感じることがないので、フルセルフPOSの利用率をあげることもできる。さらに、思わぬタイミングでレジ袋が落下しないので、操作性も向上する。なお、軟弱もの商品などは先にスキャンをしてもレジ袋を抜き取るまで仮登録としておき、レジ袋の抜き取りによって本登録をするようにしても良い。その際は「先ほどスキャンした商品は登録されましたな」どのメッセージを報知すると有用である。このようにレジ袋の抜き取りにより商品登録を有効(開始)するようにしても良い。
さらに、撮像部を設ければ、セキュリティを確保しつつ、袋替えのスムーズな誘導にも有効活用できる。撮像部は、顧客が操作を行う範囲の撮像が可能となるように配置し、操作に応じて顧客の手元を追うように駆動させれば台数も節約できる。
【符号の説明】
【0091】
1 商品販売データ処理システム
101、104 CPU
102、105 RAM
103、106 ROM
11 商品販売データ処理装置
111 表示部
112 読取部
113 釣銭釣札部
114 決済部
115 印刷部
116 報知部
117 撮像部
12 包装体供給装置
121 検知部
122 計量部
123 出力部
124 制御部
125 報知部
31 収容部
31a 排出口
32 係止部
33 載置部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16