(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】ウエブ巻取装置
(51)【国際特許分類】
B65H 18/10 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
B65H18/10
(21)【出願番号】P 2020182607
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000151667
【氏名又は名称】株式会社東伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】岩田 哲
(72)【発明者】
【氏名】栗塚 隆臣
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 崇
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 祐治
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-316280(JP,A)
【文献】特開2006-117421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯を支持可能な巻取軸と、
前記巻取軸に設けられ、前記巻芯を保持可能な保持手段と、
前記巻取軸に近接配置した使用位置と前記巻取軸から離れた退避位置との間で移動可能に設けられ、前記巻芯における前記巻取軸の軸方向の位置を調節するときの指標部を有する位置決め部材と、
前記位置決め部材の位置を検知可能な検知手段と、
前記使用位置にある前記位置決め部材が該使用位置から移動したことの前記検知手段の検知に基づいて、前記保持手段を前記巻芯の保持解除状態から保持状態に変更するように制御する制御手段と、を備えている
ことを特徴とするウエブ巻取装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記保持手段が前記巻芯の保持状態にある場合、前記退避位置にある前記位置決め部材が該退避位置から移動したことの前記検知手段の検知に基づいて、該保持手段を保持状態から保持解除状態に変更するように制御する請求項1記載のウエブ巻取装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記位置決め部材が前記退避位置にあるか否かを検知し、
前記制御手段は、前記使用位置にある前記位置決め部材が前記退避位置に戻ったことの前記検知手段の検知に基づいて、前記保持手段を前記巻芯の保持解除状態から保持状態に変更するように制御する請求項1または2記載のウエブ巻取装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記位置決め部材が前記退避位置にあることを前記検知手段が検知している場合、ウエブ巻取装置の稼働を許容する請求項1~3の何れか一項に記載のウエブ巻取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、ウエブ巻取装置が稼働している場合、前記位置決め部材の前記退避位置からの移動に基づいて、該ウエブ巻取装置を停止するように制御する請求項1~4の何れか一項に記載のウエブ巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スリッターなどのウエブ巻取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙、フィルム、金属箔等の連続したシート状の長尺巻物を巻き戻しながら、任意の縦方向幅に連続して切断して得られる製品シートを巻き取るスリッターと呼ばれる装置がある(例えば、特許文献1参照)。スリッターは、その軸周りに回転される巻取軸を巻き取り部に備えており、紙やプラスチックなどから円筒形に形成された巻芯を、巻取軸の外側に回転可能に嵌め込まれたカラーに装着して、巻芯で製品シートを巻き取った製品を得るようになっている。そして、巻き取りが完了した際には、巻取軸の軸方向へ巻芯を移動して、巻き取った製品シートごと巻芯を巻取軸から抜き取り、新たな巻芯を巻取軸に装着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新規の巻芯を巻取軸に取り付けた場合、巻取軸における軸方向の位置を調節することで、所定幅に切断して得られるシートを巻芯にズレなく巻き取っている。このような巻芯の位置決め調節作業に手間がかかっている。
【0005】
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、巻芯の位置決め調節作業が簡単であるウエブ巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のウエブ巻取装置は、
巻芯を支持可能な巻取軸と、
前記巻取軸に設けられ、前記巻芯を保持可能な保持手段と、
前記巻取軸に近接配置した使用位置と前記巻取軸から離れた退避位置との間で移動可能に設けられ、前記巻芯における前記巻取軸の軸方向の位置を調節するときの指標部を有する位置決め部材と、
前記位置決め部材の位置を検知可能な検知手段と、
前記使用位置にある前記位置決め部材が該使用位置から移動したことの前記検知手段の検知に基づいて、前記保持手段を前記巻芯の保持解除状態から保持状態に変更するように制御する制御手段と、を備えていることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、巻芯の位置決め調節に用いていた位置決め部材を移動させることで、保持手段を操作することなく巻芯が保持手段で保持されるので、巻芯の位置決め調節作業を簡単にすることができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、 前記制御手段は、前記保持手段が前記巻芯の保持状態にある場合、前記退避位置にある前記位置決め部材が該退避位置から移動したことの前記検知手段の検知に基づいて、該保持手段を保持状態から保持解除状態に変更するように制御することを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、位置決め部材を用いて巻芯の位置決め調節を行う前に、保持手段が保持解除状態になっているので、改めて保持解除状態に変更する操作を行う手間がかからない。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記検知手段は、前記位置決め部材が前記退避位置にあるか否かを検知し、
前記制御手段は、前記使用位置にある前記位置決め部材が前記退避位置に戻ったことの前記検知手段の検知に基づいて、前記保持手段を前記巻芯の保持解除状態から保持状態に変更するように制御することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、位置決め部材が退避位置に戻ったことを保持手段の状態変更の条件としているので、位置決め部材が使用位置と退避位置との間の途中位置で配置されるなど、位置決め部材の操作不良を防止することができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記制御手段は、前記位置決め部材が前記退避位置にあることを前記検知手段が検知している場合、ウエブ巻取装置の稼働を許容することを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、位置決め部材を用いて巻芯の位置決め調節を行う前に、保持手段が保持解除状態になっているので、改めて保持解除状態に変更する操作を行う手間がかからない。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記制御手段は、ウエブ巻取装置が稼働している場合、前記位置決め部材の前記退避位置からの移動に基づいて、該ウエブ巻取装置を停止するように制御することを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、位置決め部材を安全装置としても用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るウエブ巻取装置によれば、巻芯の位置決め調節作業が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例に係るスリッターを概略的に示す側面図である。
【
図2】実施例のスリッターを、巻き取り部側から示す正面図である。
【
図5】実施例の位置決め手段を示す側面図であり、(a)は位置決め部材が退避位置にあり、(b)は位置決め部材が使用位置にある。
【
図6】実施例の巻き取り部の要部を示す正面図である。
【
図7】実施例の第1支持部を概略的に示す側面図である。
【
図8】実施例の製品ロール取り出し作業の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施例の巻芯位置決め調節作業の流れを示すフローチャートである。
【
図10】実施例のスリッターの要部を構成する機器の関係を示す関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係るウエブ巻取装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【0014】
ウエブに所定の処理を施したり検査したりした後に巻き取るウエブ巻取装置としては、ウエブを必要な幅にカットしてロール状に巻き取る加工を行うスリッターや、加工ラインにおいて一旦巻き取ったウエブを仕上げ加工や2次加工などの処理をした後に再び巻き取るリワインダーなどが挙げられる。以下の実施形態では、スリッターを例示して説明する。また、ウエブとしては、合成樹脂からなるフィルム、ペーパー、アルミニウムなどの金属箔等を挙げることができ、ウエブを巻芯に巻き掛けたロール状物をロールという。そして、特に区別する場合は、ウエブが巻き出される処理前のロールを「原反ロール」といい、所定処理後のウエブを巻き取って形成されるロールを「製品ロール(製品)」という。
【実施例】
【0015】
(スリッターの概要)
図1に示すように、実施形態に係るスリッター10は、原反ロール14を支持する巻き出し部18と、ウエブ12を所定幅で切断する切断部20と、所定幅に切断されたウエブ12を巻き取って製品ロール16とする巻き取り部22とを備えている。スリッター10には、巻き出し部18と巻き取り部22との間に設置された複数の本体ローラRによって、ウエブ12が巻き出し部18から巻き取り部22に向かって走行するパスラインが構成されている。そして、スリッター10は、巻き出し部18に支持された原反ロール14から巻き出されたウエブ12を、パスラインの途中で切断部20において該ウエブ12の流れ方向に切断し、所定幅にしたウエブ12を巻き取り部22で複数箇所に分けて巻芯26にそれぞれ巻き取って、所定幅のウエブ12が巻かれた製品ロール16を得るように構成されている。スリッター10は、後述する検知手段Sを含む各種センサ類等の信号が制御手段Cに入力され、制御手段Cから出力される信号に基づいて各部が動作するようになっている(
図10参照)。
【0016】
以下の説明では、スリッター10において、巻き出し部18が設けられる側を後側とし、巻き取り部22が設けられる側を前側として、前後方向を指称する。従って、実施形態では、巻き出し部18に作業員がアクセスする正面側が、スリッター10の後面であり、巻き取り部22に作業員がアクセスする正面側が、スリッター10の前面である。また、スリッター10では、前後方向と交差する水平方向を左右方向といい、左右方向が巻芯26の軸方向になるように原反ロール14および製品ロール16が支持されて、ウエブ12の幅方向が左右方向になっている。そして、巻き出し部18からパスラインを経て巻き取り部22に向かうウエブ12の走行方向を、ウエブ12の流れ方向といい、
図1に示すように、ウエブ12の流れ方向は本体ローラRに案内されて向きが変化する。
【0017】
(巻き取り部)
図2および
図6に示すように、巻き取り部22には、並行する2本の巻取軸24が上下2段に間隔をあけて設けられている。巻き取り部22では、切断部20で切断したウエブ12を、上下の巻取軸24,24のそれぞれに装着された巻芯26に振り分けて巻き取ることで、切断したウエブ12の端部同士の重なりを防止している。また、巻き取り部22では、巻芯26の左右方向に離して複数箇所でウエブ12が巻き取られ、1本の巻芯26(巻取軸24)において左右方向に離して複数の製品ロール16が形成されるようになっている。巻き取り部22には、巻取軸24に取り付けた巻芯26の位置決めを補助する位置決め手段が、上下の巻取軸24,24のそれぞれに対応して設けられている(
図1および
図2参照)。
【0018】
(巻取軸)
図6に示すように、巻取軸24は、巻取軸24に左右方向(巻取軸24の軸方向)に並べて装着された複数の巻取ユニット28を備えている。各巻取ユニット28は、半径方向へ進退移動可能な係止部材30によるチャック(保持手段)を有している。チャックは、係止部材30が半径方向外側へ突出して巻芯26を保持する保持状態と、係止部材30が半径方向内側へ退いて巻芯26を着脱可能とする保持解除状態とに、制御手段Cに制御されたもとで変更可能である。具体的には、巻取軸24には、係止部材30が巻取ユニット28の外周面からの突出量が小さくなるように内方へ退避した保持解除状態で、巻芯26が巻取ユニット28の外側に装着される。そして、巻取軸24は、空気または巻取ユニット28に内蔵されたバネ等の付勢手段によって、複数の係止部材30のそれぞれを径方向外側へ移動して突出位置とすることで、係止部材30の先端を巻芯26の内側に押し付けて、巻取ユニット28に対して巻芯26を固定する。これにより、巻取軸24の回転駆動に伴って装着された巻芯26が回転する。
【0019】
図6に示すように、各巻取軸24は、左端部(一端部)が第1支持部32で支持されて、右端部(他端部)が第2支持部34で支持されている。第1支持部32は、巻取軸24の左端部を支持する支持状態(
図7の実線)と、巻取軸24の左端部から離れた着脱状態(
図7の二点鎖線)とに、制御手段Cに制御されたシリンダ33によって動作可能に構成されている。巻取軸24は、第1支持部32が着脱状態にあるとき、第2支持部34によって片持ち支持されて、左端部から巻芯26を取り付け可能であり、同じく左端部から巻芯26を抜き出して取り外し可能となっている。なお、第1支持部32が支持状態にあるなど、どの状態にあるかは、図示しないセンサなどによって制御手段Cが把握可能になっている。
【0020】
(位置決め手段)
図3~
図5に示すように、位置決め手段は、位置変更可能に構成された位置決め部材36と、この位置決め部材36の位置を検知する検知手段Sとを備えている。なお、上側の巻取軸24に対応する上側の位置決め手段と、下側の巻取軸24に対応する下側の位置決め手段とは、構成が同一である。
【0021】
図3および
図4に示すように、実施例の位置決め部材36は、棒状本体36aの両端のそれぞれが、スリッター本体に対して回動可能に構成されたアーム36bで支持されている。位置決め部材36には、棒状本体36aに指標部38が取り付けられている。実施例の指標部38は、手動により締めたり緩めたりすることができるねじを有するカラーが用いられ、棒状本体36aにおける左右方向(軸方向)の位置を任意に変更することができる。なお、実施例の棒状本体36aには、目盛りが設けられている。
【0022】
図5に示すように、位置決め部材36は、巻取軸24に近接配置した使用位置(
図5(b))と、巻取軸24から離れた退避位置(
図5(a))との間で移動可能に設けられている。実施例の位置決め部材36は、作業者の手動操作によって退避位置から使用位置へ移動され、同じく作業者の手動操作によって使用位置から退避位置へ移動される。実施例の位置決め部材36は、退避位置にあるとき、巻取軸24の上側かつ装置奥側に配置され、ウエブ12や製品ロール16に干渉しないようになっている。また、位置決め部材36は、使用位置にあるとき、巻取軸24の上奥側に配置されて、指標部38が巻取軸24に取り付けられた巻芯26と左右方向に重なるように位置している。
【0023】
検知手段Sとしては、例えば近接センサなどの非接触式や接触式のものを用いることができ、実施例では近接センサが用いられている。
図5に示すように、実施例の検知手段Sは、アーム36bの基部を退避位置で受け止める台部に設けられて、位置決め部材36が退避位置にあるか否かを検知するようになっている。
【0024】
(製品ロールの取り出し作業の流れ)
図8を参照して巻芯24の位置決め調節作業の流れを説明する。第1支持部32を支持状態から着脱状態に移動し、巻取軸24の左端部を解放する(ステップR1:YES)。このとき、制御手段Cは、チャックが保持解除状態であるのであれば(ステップR2:YES)、チャックの保持解除状態を保つように制御し、これにより巻芯26の左右方向の位置を変更可能な状態のままとされる。仮に、チャックが保持状態であれば(ステップR2:NO)、チャックを保持状態から保持解除状態に変更するように制御する(ステップR3)。このようにすることで、製品ロール16を移動させる前に、チャックが保持解除状態になっているので、改めて保持解除状態に変更する操作を行う手間がかからない。製品ロール16がある場合は製品ロール16を取り出し、必要数の巻芯26を、巻取軸24の左端部から嵌め合わせて、巻芯26を巻取軸24に取り付ける(ステップR4)。
【0025】
(巻芯の位置決め調節作業の流れ)
図9を参照して巻芯24の位置決め調節作業の流れを説明する。位置決め部材36を退避位置から使用位置へ移動する(ステップS1)。このとき、実施例では、退避位置にある位置決め部材36を検知していた検知手段SがOFFになることで、位置決め部材36が退避位置にないことが制御手段Cで判別可能となる。なお、位置決め部材36は、棒状本体36aの目盛りを用いて、指標部38が製品等に合わせた位置に予め配置されている。そして、巻芯26を指標部38に突き当てて、巻芯26の位置を調節する(ステップS4)。仮に位置決め部材36を退避位置から使用位置へ移動したときに(検知手段:OFF)、チャックが保持状態にある場合(ステップS2:NO)、制御手段Cはチャックを保持解除状態に変更するように制御する(ステップS3)。このようにすることで、位置決め部材36を用いて巻芯26の位置決め調節を行う前に、チャックが保持解除状態になっているので、改めて保持解除状態に変更する操作を行う手間がかからない。
【0026】
指標部38を指標とした巻芯26の位置調節が完了したら、位置決め部材36を使用位置から退避位置へ移動する(ステップS5)。これにより、OFFになっていた検知手段SがONになることで、位置決め部材36が使用位置から戻されたことが制御手段Cで判別される(ステップS6:YES)。このとき制御手段Cは、チャックを保持解除状態から保持状態に変更するように制御する(ステップS7)。これにより、位置調節された巻芯26が、チャックで保持されて固定されて、巻芯26の位置決め調節が完了する。このように、巻芯26の位置調節に用いていた位置決め部材36が使用位置から移動することに基づいて、保持手段を保持解除状態から保持状態に自動変更することで、作業者がチャックの状態を変更する操作を行う手間を省くことができる。従って、巻芯26の位置決め調節作業を簡単にすることができる。
【0027】
実施例では、検知手段Sが、位置決め部材36が退避位置にあるか否かを検知している。制御手段Cは、位置決め部材36が使用位置から退避位置に戻ったことの検知手段Sの検知により、チャックを保持状態に変更するように制御している。このように、位置決め部材36が退避位置に戻ったことを条件としているので、位置決め部材36が使用位置と退避位置との間の途中位置で配置されるなど、位置決め部材36の操作不良を防止することができる。
【0028】
制御手段Cは、位置決め部材36が退避位置にあることを検知手段Sが検知している場合、スリッター10の稼働を許容する。すなわち、スリッター10は、巻芯26の位置決め調節中に稼働することができない。また、位置決め部材36が退避位置に戻ったことをスリッター10の稼働条件としているので、位置決め部材36が使用位置と退避位置との間の途中位置で配置されるなど、位置決め部材36の操作不良を防止することができる。なお、実施例では、上下2つの位置決め手段があるので、上下の位置決め部材36,36が何れも退避位置にあることが、スリッター10を稼働させるための前提となる。
【0029】
制御手段Cは、スリッター10が稼働している場合、位置決め部材36の退避位置からの移動により、スリッター10を停止するように制御する。このように、位置決め部材36を安全装置としても用いることができる。
【0030】
本発明は、前述した実施例の具体的な記載に限らず、種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
10 スリッター(ウエブ巻取装置),24 巻取軸,26 巻芯,
30 係止部材(保持手段),36 位置決め部材,38 指標部,
C 制御手段、S 検知手段