特許 7555585 換気ガラリ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-13

(45)【発行日】2024-09-25

(54)【発明の名称】換気ガラリ

(51)【国際特許分類】

   F24F 7/00 20210101AFI20240917BHJP

   F24F 13/08 20060101ALI20240917BHJP

【ＦＩ】

F24F7/00 Z

F24F13/08 B

【請求項の数】 8

(21)【出願番号】P 2021012782

(22)【出願日】2021-01-29

(65)【公開番号】P2022116560

(43)【公開日】2022-08-10

【審査請求日】2023-11-01

(73)【特許権者】

【識別番号】521044316

【氏名又は名称】株式会社ライトワイド

(74)【代理人】

【識別番号】100157912

【弁理士】

【氏名又は名称】中島 健

(74)【代理人】

【識別番号】100074918

【弁理士】

【氏名又は名称】瀬川 幹夫

(72)【発明者】

【氏名】小針 正博

【審査官】奈須 リサ

(56)【参考文献】

【文献】特開平０４－０８４０５１（ＪＰ，Ａ）

【文献】登録実用新案第３０４１４５６（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開昭５５－１３２２９０（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開平１０－２３８２４１（ＪＰ，Ａ）

【文献】国際公開第０２／０２３０９８（ＷＯ，Ａ１）

【文献】登録実用新案第３０４７８３４（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開平１１－１７３０２３（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ２４Ｆ ７／００－７／００７

Ｆ２４Ｆ １３／０８－１３／３２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

建物の換気口に設けられる換気ガラリであって、
対向配置された一対の枠材の間に互いに間隔を設けて交互に並設される複数の屋内側ルーバー材および屋外側ルーバー材を備え、
前記屋外側ルーバー材は、前記屋内側ルーバー材よりも見込方向に見て屋外側において前記枠材に固定されており、かつ、外部からの光を透過する透光部を備え、
隣接する前記屋外側ルーバー材と前記屋内側ルーバー材とは、見込方向に見たときに互いの側部が重なり合うように配置されるとともに、前記透光部は、見込方向に見たときに前記屋内側ルーバー材に重ならないように配置されている、
換気ガラリ。

【請求項2】

前記屋外側ルーバー材は、一対の金属製の支持部材と、前記一対の支持部材によって両側部を保持される透光性を有する板材と、を備える、
請求項１に記載の換気ガラリ。

【請求項3】

前記板材は、前記枠材の長手方向と平行に配置されている、
請求項２に記載の換気ガラリ。

【請求項4】

前記支持部材には、前記枠材への固定に使用するビスホールが設けられている、
請求項２または３のいずれか１項に記載の換気ガラリ。

【請求項5】

前記屋内側ルーバー材は、隣り合う前記屋外側ルーバー材の間に突出する突出部を有する、
請求項１～４のいずれか１項に記載の換気ガラリ。

【請求項6】

前記屋内側ルーバー材は、外部からの光を透過する透光部を有する、
請求項１～４のいずれか１項に記載の換気ガラリ。

【請求項7】

前記屋内側ルーバー材は、前記屋外側ルーバー材と同一形状である、
請求項１～４のいずれか１項に記載の換気ガラリ。

【請求項8】

前記屋内側ルーバー材および前記屋外側ルーバー材は、縦向きに固定されている、
請求項１～７のいずれか１項に記載の換気ガラリ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、建物の換気口に設けられる換気ガラリに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、建物の換気口に設けられる換気ガラリとしては、水平方向に伸びる羽根板を上下に所定間隔を隔てて並設したものが一般的であった。しかしながら、このような従来の換気ガラリでは、ルーバー材の上に落下した雨滴が飛散したり、風により吹き上げられた雨滴が屋内に侵入したりする場合があり、通気性と防水性の両立が難しいという問題があった。

【0003】

こうした状況に鑑み、本発明者は、特許文献１に係る発明を行った。この特許文献１に係る発明は、中心羽根部分と、左右一対の円弧状羽根部分とから形成された複数の羽根板を、上下枠体間に縦向きに配置している。そして、隣接する各羽根板どうしを、一方の円弧状羽根部分どうしを対向させて適当な間隔をあけて食い違いに配置するとともに、円弧状羽根部分の外縁を隣接する羽根板の中心羽根部分から適当な間隔をあけて配置している。

【0004】

このような構成によれば、通気性能を充分に維持しつつ、いかなる角度からの強風雨に対しても内部側への雨水の浸入を阻止でき、また、内部側もしくは外部側の音響が反対側へ直進するのを阻止することもできる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【文献】特許第２５６７２９４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

ところで、こうした換気ガラリは、一般的に金属製の羽根板で形成されているため、採光性に乏しい。特に、上記した特許文献１に係る発明のように、防水性を確保するために羽根板を食い違いに配置した場合、羽根板の間に屋内外を見通せる隙間がないため、採光性は低くなる。このように、従来の構造では、防水性と採光性を両立させることが難しいという問題があった。
そこで、本発明は、採光性と防水性を両立することができる換気ガラリを提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記した課題を解決するため、本発明は、建物の換気口に設けられる換気ガラリであって、対向配置された一対の枠材の間に互いに間隔を設けて交互に並設される複数の屋内側ルーバー材および屋外側ルーバー材を備え、前記屋外側ルーバー材は、前記屋内側ルーバー材よりも見込方向に見て屋外側において前記枠材に固定されており、かつ、外部からの光を透過する透光部を備えている。

【発明の効果】

【0008】

本発明は上記の通りであり、対向配置された一対の枠材の間に互いに間隔を設けて交互に並設される複数の屋内側ルーバー材および屋外側ルーバー材を備え、屋外側ルーバー材は、屋内側ルーバー材よりも見込方向に見て屋外側において枠材に固定されている。このため、互い違いに配置された屋内側ルーバー材および屋外側ルーバー材によって、防水性を確保することができる。

【0009】

また、屋外側ルーバー材は、外部からの光を透過する透光部を備えている。このため、防水性を確保しつつも、採光性を高めることができる。採光性を高めることで、昼間の照明の必要性が低下するので、省エネの効果を得ることができる。

【0010】

また、屋外側ルーバー材は、一対の金属製の支持部材によって透光性を有する板材の両側部を保持する構成としてもよい。このように金属製の支持部材と透光性を有する板材とを組み合わせて屋外側ルーバー材を構成することで、屋外側ルーバー材の強度を高めるとともに、防水性を高めることができる。なお、仮に屋外側ルーバー材をポリカーボネートなどの樹脂材料のみで形成した場合、工場等の比較的大きな換気口に取り付けるには強度が不足するおそれがある（または強度を得るために厚みが必要となる）。しかも、屋外側ルーバー材を防水に適した複雑な断面形状に形成すると、応力集中が起きやすく更に強度が不足してしまう。この点、本発明のように一対の金属製の支持部材によって透明な板材の両側部を保持する構成とすれば、板材の厚みをそれほど厚くしなくても強度を高めることができる。また、支持部材は押出形材などで構成できるので、複雑な断面形状も容易に実現でき、防水性能を発揮しやすい形状とすることができる。

【0011】

また、透光性を有する板材は、枠材の長手方向と平行に（換言すれば、換気口の開口面と平行に）配置されていることが望ましい。このように構成することで、採光面積をできるだけ大きく確保することができる。

【0012】

また、支持部材には、枠材への固定に使用するビスホールが設けられていてもよい。このように構成すれば、剛性を有する支持部材を介して屋外側ルーバー材を枠材に固定できるので、透明な板材への負荷がかかりにくい構造とすることができる。

【0013】

また、屋内側ルーバー材は、隣り合う屋外側ルーバーの間に突出する突出部を有するようにしてもよい。このように構成すれば、突出部によって雨水の浸入を効果的に阻止することができ、また、防音効果を高めることができる。

【0014】

また、屋内側ルーバー材は、外部からの光を透過する透光部を有するようにしてもよい。すなわち、屋外側ルーバー材のみならず、屋内側ルーバー材にも透光部を設けてもよい。このように構成すれば、換気ガラリの採光性が更に向上する。

【0015】

また、屋内側ルーバー材は、屋外側ルーバー材と同一形状であってもよい。このように構成すれば、換気ガラリを構成する部品点数を減らすことができるので、製造コストや在庫管理コストを削減することができる。

【0016】

また、屋内側ルーバー材および屋外側ルーバー材は、縦向きに固定されていることが望ましい。ルーバー材を縦向きに固定することで防水性を高めることができる。すなわち、ルーバー材を横向きに固定した場合、ルーバー材の上に落下した雨滴の飛散滴や、風により吹き上げられた雨滴などが屋内に侵入しやすくなるが、ルーバー材を縦向きに固定することでこのような雨滴の侵入が低減する。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】（ａ）換気ガラリを屋内側から見た正面図、（ｂ）換気ガラリを屋外側から見た背面図である。

【図2】換気ガラリの横断面図（Ａ－Ａ線断面図。ただしビスは省略）である。

【図3】換気ガラリの縦断面図（Ｂ－Ｂ線断面図）である。

【図4】（ａ）屋外側ルーバー材の断面図、（ｂ）屋内側ルーバー材の断面図である。

【図5】変形例に係る換気ガラリの横断面図（ただしビスは省略）である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る換気ガラリ１０は、建物の壁面に設けられた換気口（通気口）に取り付けられるものである。換気口への取り付け方法は特に限定されないが、本実施形態においては、図１に示すように、換気口を形成するために四方枠組みされたサッシ枠１３の内部に換気ガラリ１０を組み込んでいる。この換気ガラリ１０は、図３に示すように、対向配置された一対の枠材（上枠材１１および下枠材１２）を備えており、この一対の枠材がサッシ枠１３に固定されている。また、この換気ガラリ１０は、一対の枠材の間に複数の屋内側ルーバー材２０および屋外側ルーバー材２５を備えている。この屋内側ルーバー材２０および屋外側ルーバー材２５は、図２に示すように、互いに間隔を設けて、枠材の長手方向（見付方向）に沿って交互に並設されている。

【0019】

この換気ガラリ１０の寸法は建物の換気口の大きさに合わせて任意に設定することができる。本実施形態に係る換気ガラリ１０は、換気口の開口幅が２００ｍｍ程度のものから３０００ｍｍ程度のものまで対応可能である。

【0020】

屋内側ルーバー材２０および屋外側ルーバー材２５は、上記した上枠材１１および下枠材１２に対して、縦向きかつ移動不能に固定されている。屋外側ルーバー材２５は、図２に示すように、屋内側ルーバー材２０よりも見込方向（図２の上下方向）に見て屋外側において枠材に固定されている。このように屋外側ルーバー材２５と屋内側ルーバー材２０とが互い違いに交互に配置されており、この屋外側ルーバー材２５と屋内側ルーバー材２０との隙間が空気の通り道となっている。なお、隣接する屋外側ルーバー材２５と屋内側ルーバー材２０とは、図２に示すように、見込方向に見たときに互いの側部（後述する湾曲部２２および支持部材２６）が重なり合うように配置されている。このため、室内外方向に流れる空気は、平面視でＳ字状に曲がりながら屋外側ルーバー材２５と屋内側ルーバー材２０との間を通り抜けるようになっている。このように空気がストレートに通り抜けられない構造とすることで、防水および防音の効果が高められている。

【0021】

また、屋外側ルーバー材２５は、図１に示すように、外部からの光を透過する透光部２９を備えている。この透光部２９は、透光性を有する板材２７（後述）によって形成されている。この透光部２９は、図２に示すように、見込方向に見たときに屋内側ルーバー材２０に重ならないように配置されている。言い換えると、屋内側ルーバー材２０は、見込方向に見たときに、板材２７の採光面に重ならないように配置されている。このため、見込方向に見たときに、透光部２９を通過する光が屋内側ルーバー材２０によって遮られないようになっており、屋内に多くの光を取り込むことができる。

【0022】

次に、本実施形態に係る屋外側ルーバー材２５の具体的な構成について説明する。屋外側ルーバー材２５は、図３に示すような長尺材であり、上下の端部がそれぞれビス３５によって上枠材１１および下枠材１２に固定されている。この屋外側ルーバー材２５は、図４（ａ）に示すように、全長に渡って同一の断面形状を有しており、一対の金属製の支持部材２６と、この一対の支持部材２６によって両側部を保持される板材２７と、を備える。

【0023】

支持部材２６は、例えばアルミニウム、ステンレス、スチール等の金属材料で形成されることが望ましい。本実施形態に係る支持部材２６は、アルミニウム製の押出形材である。支持部材２６は、板材２７の両側を支持するために、屋外側ルーバー材２５ごとに左右一対で設けられている。この一対の支持部材２６は、同一形状の部材を天地逆転させることで左右対称にして使用される。

【0024】

この支持部材２６は、平面視円弧状の羽根板部２６ｃと、羽根板部２６ｃの一方の端部に設けられた保持部２６ａと、羽根板部２６ｃの他方の端部（先端部）に設けられた折り返し部２６ｄと、を備える。

【0025】

羽根板部２６ｃは、図２に示すように、板材２７の両側端から屋内側へと湾曲しつつ延びている。この羽根板部２６ｃは、円弧の外周が屋外側に臨むようになっており、言い換えると、平面視において屋外側に膨らむように湾曲している。この羽根板部２６ｃの外周面には凹凸がないため、空気が羽根板部２６ｃの表面に沿ってスムーズに流れるようになっている。

【0026】

保持部２６ａは、図４（ａ）に示すように、平面視コ字形に形成されており、コ字形の内側に板材２７を保持する保持溝２６ｂが形成されている。この保持溝２６ｂには板材２７が挿入される。

【0027】

折り返し部２６ｄは、羽根板部２６ｃの先端を鉤状に内側に折り返した形状の部位である。この折り返し部２６ｄの内側面には、枠材への固定に使用するＣ字形のビスホール２６ｅが形成されている。屋外側ルーバー材２５は、上枠材１１または下枠材１２を貫通させたビス３５をこのビスホール２６ｅに螺着させることで、上枠材１１および下枠材１２に取り付けられる。

【0028】

板材２７は、透光性を有する均一な厚さの板であり、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料で形成されている。本実施形態に係る板材２７は、図２に示すように、上枠材１１および下枠材１２の長手方向と平行に配置されている。言い換えると、板材２７は、換気口（サッシ枠１３）の開口面と平行に配置されている。このように構成することで、採光面積をできるだけ大きく確保することができる。

【0029】

次に、本実施形態に係る屋内側ルーバー材２０の具体的な構成について説明する。屋内側ルーバー材２０は、図３に示すような長尺材であり、上下の端部がそれぞれビス３５によって上枠材１１および下枠材１２に固定されている。この屋内側ルーバー材２０は、図４（ｂ）に示すように、全長に渡って同一の断面形状を有しており、例えばアルミニウム、ステンレス、スチール等の金属材料で形成されることが望ましい。本実施形態に係る屋内側ルーバー材２０は、アルミニウム製の押出形材である。
この屋内側ルーバー材２０は、中央に平面視三角状に形成された突出部２１と、この突出部２１の両側から延びる湾曲部２２と、を備える。

【0030】

突出部２１は、図２に示すように、先端が屋外側に向くように配置されることで、隣り合う屋外側ルーバー材２５の間に突出するようになっている。なお、この突出部２１の先端部２１ａは、後述する稜線部２１ｂの先端よりも拡大した形状となっている。具体的には、図４（ｂ）に示すように、本実施形態に係る先端部２１ａの外形は、１８０度を超える円弧を形成する水切り形状となっている。この先端部２１ａから左右両側に延びる稜線部２１ｂは、なだらかに広がりながら先端部２１ａを頂点とする山型の断面を形成している。この両側の稜線部２１ｂの間には、両側の稜線部２１ｂを連結する補強リブ２１ｃが設けられ、屋内側ルーバー材２０の剛性を担保している。また、この両側の稜線部２１ｂが重なり合う部分の内側には、ビスホール２１ｄが形成されている。

【0031】

湾曲部２２は、図４（ｂ）に示すように、両側の稜線部２１ｂから連続するように設けられた断面円弧状の部位である。この湾曲部２２は、図２に示すように、稜線部２１ｂの端部から屋外側へと湾曲しつつ延びている。この湾曲部２２は、円弧の外周が屋内側に臨むようになっており、言い換えると、平面視において屋内側に膨らむように湾曲している。この湾曲部２２の外周面には凹凸がないため、空気が湾曲部２２の表面に沿ってスムーズに流れるようになっている。

【0032】

また、この湾曲部２２の先端には折り返し部２２ａが設けられている。折り返し部２２ａは、湾曲部２２の先端を鉤状に内側に折り返した形状の部位である。この折り返し部２２ａの内側面には、ビス３５を螺着させるビスホール２２ｂが形成されている。

【0033】

このように上記した屋内側ルーバー材２０は、一対の稜線部２１ｂの間に１つ、両側の湾曲部２２の先端に２つ、計３つのビスホールを備えている。屋内側ルーバー材２０は、この３つのビスホールそれぞれに、上枠材１１または下枠材１２を貫通させたビス３５を螺着させることで、上枠材１１および下枠材１２に取り付けられる。

【0034】

なお、本実施形態に係る換気ガラリ１０は、図２に示すように、左右の両側に端部ルーバー材３０を備えている。この端部ルーバー材３０は、屋内側ルーバー材２０を半分に分割したような形状である。この端部ルーバー材３０は、サッシ枠１３の側部内面に臨む側端部３１と、側端部３１から延設された延設部３２と、を備える。

【0035】

延設部３２は、図２に示すように、側端部３１から屋外側へと湾曲しつつ延びている。この延設部３２は、円弧の外周が屋内側に臨むようになっており、言い換えると、平面視において屋内側に膨らむように湾曲している。この延設部３２の外周面には凹凸がないため、空気が延設部３２の表面に沿ってスムーズに流れるようになっている。

【0036】

また、この延設部３２の先端には折り返し部３２ａが設けられている。折り返し部３２ａは、延設部３２の先端を鉤状に内側に折り返した形状の部位である。この折り返し部３２ａの内側面には、ビス３５を螺着させるビスホール３２ｂが形成されている。端部ルーバー材３０は、このビスホール３２ｂに、上枠材１１または下枠材１２を貫通させたビス３５を螺着させることで、上枠材１１および下枠材１２に取り付けられる。

【0037】

このように本実施形態に係る換気ガラリ１０は、対向配置された一対の枠材（上枠材１１および下枠材１２）の間に互いに間隔を設けて交互に並設される複数の屋内側ルーバー材２０および屋外側ルーバー材２５を備え、屋外側ルーバー材２５は、屋内側ルーバー材２０よりも見込方向に見て屋外側において枠材に固定されている。このため、互い違いに配置された屋内側ルーバー材２０および屋外側ルーバー材２５によって、防水性を確保することができる。

【0038】

また、屋外側ルーバー材２５は、外部からの光を透過する透光部２９を備えている。このため、防水性を確保しつつも、採光性を高めることができる。採光性を高めることで、昼間の照明の必要性が低下するので、省エネの効果を得ることができる。なお、屋内側ルーバー材２０は、屋外側ルーバー材２５と互い違いに配置されており、透光部２９から入ってくる光をできるだけ遮らないようになっている。

【0039】

また、屋外側ルーバー材２５は、一対の金属製の支持部材２６によって透光性を有する板材２７の両側部を保持する構成となっている。このように金属製の支持部材２６と透光性を有する板材２７とを組み合わせて屋外側ルーバー材２５を構成することで、屋外側ルーバー材２５の強度を高めるとともに、防水性を高めることができる。すなわち、金属製の支持部材２６を使用することで、樹脂材料のみで屋外側ルーバー材２５を形成した場合よりも強度を高めることができる。また、支持部材２６は、押出形材などで構成できるため複雑な断面形状も容易に実現でき、防水性能を発揮しやすい形状とすることができる。

【0040】

また、透光性を有する板材２７は、枠材の長手方向と平行に（換言すれば、換気口の開口面と平行に）配置されている。このように構成することで、採光面積をできるだけ大きく確保することができる。

【0041】

また、支持部材２６には、枠材への固定に使用するビスホール２６ｅが設けられている。このため、剛性を有する支持部材２６を介して屋外側ルーバー材２５を枠材に固定できるので、透明な板材２７への負荷がかかりにくい構造とすることができる。

【0042】

また、屋内側ルーバー材２０は、隣り合う屋外側ルーバー材２５の間に突出する突出部２１を有しており、この突出部２１によって雨水の浸入を効果的に阻止することができる。また、この突出部２１によって、防音効果を高めることができる。

【0043】

また、屋内側ルーバー材２０および屋外側ルーバー材２５は、縦向きに固定されているため、防水性を高めることができる。すなわち、ルーバー材を横向きに固定した場合、ルーバー材の上に落下した雨滴の飛散滴や、風により吹き上げられた雨滴などが屋内に侵入しやすくなるが、ルーバー材を縦向きに固定することでこのような雨滴の侵入を低減することができる。なお、本実施形態に係るルーバー材を横向きに配置することも可能であるが、縦向きに配置した場合と比較すれば防水性は低下する。

【0044】

なお、上記した実施形態においては、屋内側ルーバー材２０には透光部２９が設けられていない。しかしながら、図５に示すように、屋内側ルーバー材２０に、外部からの光を透過する透光部２９を設けてもよい。このように、屋外側ルーバー材２５のみならず、屋内側ルーバー材２０にも透光部２９を設けることで、換気ガラリ１０の採光性が更に向上する。

【0045】

このとき、図５に示すように、屋内側ルーバー材２０は、屋外側ルーバー材２５と同一形状であってもよい。具体的には、同じ部品を反転して取り付けることで、同一部材を屋内側ルーバー材２０または屋外側ルーバー材２５として使用するようにしてもよい。このように部材を共用することで、換気ガラリ１０を構成する部品点数を減らすことができ、製造コストや在庫管理コストを削減することができる。

【符号の説明】

【0046】

１０ 換気ガラリ
１１ 上枠材
１２ 下枠材
１３ サッシ枠
２０ 屋内側ルーバー材
２１ 突出部
２１ａ 先端部
２１ｂ 稜線部
２１ｃ 補強リブ
２１ｄ ビスホール
２２ 湾曲部
２２ａ 折り返し部
２２ｂ ビスホール
２５ 屋外側ルーバー材
２６ 支持部材
２６ａ 保持部
２６ｂ 保持溝
２６ｃ 羽根板部
２６ｄ 折り返し部
２６ｅ ビスホール
２７ 板材
２９ 透光部
３０ 端部ルーバー材
３１ 側端部
３２ 延設部
３２ａ 折り返し部
３２ｂ ビスホール
３５ ビス

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】