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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】センターシール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 59/04 20060101AFI20240917BHJP
   B65B 9/207 20120101ALI20240917BHJP
【FI】
B65B59/04
B65B9/207
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021126858
(22)【出願日】2021-08-02
(65)【公開番号】P2023021781
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2023-08-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 MOBAC SHOW 2021にて、高速横ピロー包装機(NSW-7000BX)を公開(公開日 令和3年3月9日~令和3年3月12日) FOOMA JAPAN 2021にて、高速横ピロー包装機(NSW-7000BX)を公開(公開日 令和3年6月1日~令和3年6月4日)
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】宮原 豊
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-024600(JP,A)
【文献】特開2020-093831(JP,A)
【文献】特開2011-159716(JP,A)
【文献】実開昭50-118123(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104309839(CN,A)
【文献】特開2020-121879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/00
B65B 2/00
B65B 9/00
B65B 35/00
B65B 51/00
A47B 88/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピロー包装機に用いられ、筒状に形成されて搬送面の下方に突出する包装フィルムの両側縁部を重合した部位をシールするセンターシール装置であって、
前記搬送面を構成する一対の上板と、
前記一対の上板の下方に配置され、その一対の上板間の隙間から下方に突出する前記両側縁部を挟み込んで加熱するセンターシーラと、
前記一対の上板が取り付けられた上板ユニットを、前記包装フィルムの搬送方向に対して直交する方向に水平移動させ、前記ピロー包装機の手前側に引き出し可能に支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記上板ユニットを手前側に所定量を引き出した状態で前記上板ユニットを下側に倒し、吊り下げ状態で支持する機能を備え、
前記上板ユニットは、前記水平移動する方向の左右両側面に水平移動可能に構成するレール状部を備え、
前記支持部側には、前記レール状部と接触可能で前記水平移動を案内するガイド部材を備え、
前記上板ユニットの前記左右両側面には、前記レール状部の奥側に、前記支持部の前記手前側に設けた前記ガイド部材に接触可能なストッパー部材を設け、
前記上板ユニットを前記手前側に引き出した際に、前記ガイド部材と前記ストッパー部材が接触しそれ以上手前側に水平移動するのを抑止するとともに、前記上板ユニットを下側に倒した姿勢の前記上板ユニットにおける前記ストッパー部材が前記ガイド部材に支持されて吊り下げ状態にすることを特徴とするセンターシール装置。
【請求項2】
ピロー包装機に用いられ、筒状に形成されて搬送面の下方に突出する包装フィルムの両側縁部を重合した部位をシールするセンターシール装置であって、
前記搬送面を構成する一対の上板と、
前記一対の上板の下方に配置され、その一対の上板間の隙間から下方に突出する前記両側縁部を挟み込んで加熱するセンターシーラと、
前記一対の上板が取り付けられた上板ユニットを、前記包装フィルムの搬送方向に対して直交する方向に水平移動させ、前記ピロー包装機の手前側に引き出し可能に支持する支持部を備え、
前記上板ユニットは、前記一対の上板同士の相対位置関係を維持したまま前記水平移動し、
前記支持部は、前記手前側に所定量を引き出した状態前記上板ユニットを下側に倒せるように構成し、
前記支持部は、前記上板ユニットの引き出し方向の奥側に設けたストッパー部材に接触可能なガイド部材を備え、前記上板ユニットを下側に倒した姿勢の前記上板ユニットの前記ストッパー部材が前記ガイド部材に支持することを特徴とするセンターシール装置
【請求項3】
前記支持部に対して前記上板ユニットを着脱可能に構成し、
前記上板ユニットが前記所定量引き出されていない前記水平移動する区間では、前記上板ユニットの離脱を抑止することを特徴とする請求項1または2に記載のセンターシール装置。
【請求項4】
前記上板ユニットの着脱は、前記上板ユニットを吊り下げた姿勢で行えるようにし、
前記吊り下げた状態の前記上板ユニットを持ち上げることで前記支持部から離脱可能な状態に遷移することを特徴とする請求項3に記載のセンターシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センターシール装置に関するもので、例えば、正型ピロー包装機に実装されるセンターシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロー包装機は、例えば原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過する際に筒状に製袋する。そして、製袋器の下流側に配置したセンターシール装置にて、製袋器を通して筒状に製袋されてフィルムの両側縁部同士が重ね合わされた部位をシールすることにより筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には製品搬送供給装置を配置し、その製品搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される製品が、製袋器内に供給される。これにより、製品が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その製品は筒状フィルムとともに搬送される。そして、ピロー包装機の搬出側に配置されたエンドシール装置にて、筒状フィルムを所定間隔毎に横方向に横断するようにシール・カットすることにより、製品を内包するピロー包装体が製造される。
【0003】
製袋器に対して、上方から包装フィルムを供給する正型ピロー包装機の場合、製袋器を通過して筒状に形成されて重ね合わせる包装フィルムの両側縁部は、製袋器の下側に位置し、製品の搬送面の下側に突出した状態で進む。
【0004】
センターシール装置は、重ね合わされた包装フィルムの両側縁部を一対のセンターシーラで挟み込んで加熱し、そのセンターシーラ或いは別の加圧手段が加圧して両側縁部同士を熱シールする。正型ピロー包装機の場合、上述のように包装フィルムの両側縁部は搬送路の下側に突出した状態で進むため、センターシーラ等の熱シールする装置も搬送路の下側に配置する。更にセンターシール装置は、センターシーラ等の熱シールする装置類の上方に配置される左右一対の上板を有する。この上板が筒状に形成された包装フィルムの筒状の部分及びその包装フィルム内に供給された製品の搬送路を構成し、また、左右一対の上板の対向側縁間に形成される隙間から、包装フィルムの両側縁部が下方に垂下して突出するように構成される。
【0005】
このように、通常状態ではセンターシーラ等の熱シールする装置類は、その上方側が上板で覆われている。よって、例えば特許文献1に開示される装置のように、左右一対の上板が、奥側の側縁を回転中心として手前側が上昇するように跳ね上げられるように構成し、跳ね上げて上方開放した状態でセンターシーラ等の熱シールする装置類の清掃や修理その他のメンテナンス等を行えるようにしたものがある。
【0006】
また、例えば、例えば左右一対の上板のうち、ピロー包装機の手前側にある上板についてはマグネットなどで着脱自在に装置の所定の機枠等に固定するようにし、必要に応じて手前側の上板を取り外して、開放するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許第104249831号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された装置のように、上板を跳ね上げ式にした場合、以下のような問題がある。例えば、搬送路の上方に所定の距離をおいて、筒状の包装フィルムの上方部位に接触して製品を押さえ、搬送をガイドする上方送りベルト装置が配置されたり、搬送路の直上方の左右両側に、製品の横ずれを規制等するためのサイドガイド部や、サイドベルト装置などが配置されたりする正型ピロー包装機がある。このように上板の上方にベルト装置などが配置されるタイプの包装機では、上板を跳ね上げるとベルト装置等に干渉してしまうため、適用できない。
【0009】
また、仮に上方に上板と干渉するものが存在しない場合でも、上板は手前側が上になる傾斜姿勢となり、センターシーラ等の熱シールする装置類の上方が完全に開放するわけではない。よって、作業員は、それら装置類を、真上から見ることはできず、また作業員も真上から手を入れることもできないので、センターシーラの清掃等が煩雑となる。
【0010】
一方、マグネットを用いて上板を固定する構造の場合、例えば上板を上方に持ち上げてマグネットによる固定を解除した後、上板を搬送路から取り外すようになる。そのため、例えば正型ピロー包装機のセンターシール装置において、上板の上方にセンサー等があると、上板を上方に持ち上げた際にセンサー等と干渉し、上板を取り外すことができないか、取り外し作業が繁雑となる。
【0011】
また、係るセンサー等の干渉する物の有無にかかわらず、マグネットにより着脱を可能にされているのは手前側の上板のため、センターシーラ等の熱シールする装置類の奥側半分の上方は閉じたままとなるので、当該奥側の部分に対する作業は行いにくい。
【0012】
また、例えば上板に冷却ホース等の部材が取り付けられているものがある。係る構成の場合、冷却ホースを上板から外し、外した冷却ホース等の部材を適宜の位置に置いた状態で上板を取り外す必要がある。よって、係る冷却ホース等の部材を取り外す作業などが必要となり、煩雑となる。また、メンテナンス等の作業の終了後に上板を元の適宜位置に戻す際にも、例えば上板をマグネットで所定位置に固定した後、冷却ホース等の部材を上板の適宜位置に取り付ける作業が必要となり、作業の繁雑さが増す。
【0013】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明のセンターシール装置は、(1)ピロー包装機に用いられ、筒状に形成されて搬送面の下方に突出する包装フィルムの両側縁部を重合した部位をシールするセンターシール装置であって、前記搬送面を構成する一対の上板と、前記一対の上板の下方に配置され、その一対の上板間の隙間から下方に突出する前記両側縁部を挟み込んで加熱するセンターシーラと、前記一対の上板が取り付けられた上板ユニットを、前記包装フィルムの搬送方向に対して直交する方向に水平移動させ、前記ピロー包装機の手前側に引き出し可能に支持する支持部を備え、前記支持部は、前記上板ユニットを手前側に所定量を引き出した状態で前記上板ユニットを下側に倒し、吊り下げ状態で支持する機能を備え、前記上板ユニットは、前記水平移動する方向の左右両側面に水平移動可能に構成するレール状部を備え、前記支持部側には、前記レール状部と接触可能で前記水平移動を案内するガイド部材を備え、前記上板ユニットの前記左右両側面には、前記レール状部の奥側に、前記支持部の前記手前側に設けた前記ガイド部材に接触可能なストッパー部材を設け、前記上板ユニットを前記手前側に引き出した際に、前記ガイド部材と前記ストッパー部材が接触しそれ以上手前側に水平移動するのを抑止するとともに、前記上板ユニットを下側に倒した姿勢の前記上板ユニットにおける前記ストッパー部材が前記ガイド部材に支持されて吊り下げ状態にするようにした。
【0015】
このようにすると、上板ユニットを水平移動して手前側に引き出すことで、センターシーラの上方が開放する。係る状態への遷移は、上板ユニットの水平移動のため、例えば上板の上方に製品を押さえるためのベルト装置等の装置類や、センサ類などの装置・機器が存在していても、それと干渉することなくスムーズに引き出すことができる。また、一対の上板は、上板ユニットにより一体化されているため、上板ユニットを引き出すことで、センターシーラの上方全体が開放する。さらに、上板ユニットは、吊り下げ状態にすることができるため、移動させた上板ユニットが手前側に突出したままで作業の邪魔になることがない。
(2)ピロー包装機に用いられ、筒状に形成されて搬送面の下方に突出する包装フィルムの両側縁部を重合した部位をシールするセンターシール装置であって、前記搬送面を構成する一対の上板と、前記一対の上板の下方に配置され、その一対の上板間の隙間から下方に突出する前記両側縁部を挟み込んで加熱するセンターシーラと、前記一対の上板が取り付けられた上板ユニットを、前記包装フィルムの搬送方向に対して直交する方向に水平移動させ、前記ピロー包装機の手前側に引き出し可能に支持する支持部を備え、前記上板ユニットは、前記一対の上板同士の相対位置関係を維持したまま前記水平移動し、前記支持部は、前記手前側に所定量を引き出した状態の前記上板ユニットを下側に倒せるように構成し、前記支持部は、前記上板ユニットの引き出し方向の奥側に設けたストッパー部材に接触可能なガイド部材を備え、前記上板ユニットを下側に倒した姿勢の前記上板ユニットの前記ストッパー部材が前記ガイド部材に支持するようにするとよい。
【0016】
(3)前記支持部に対して前記上板ユニットを着脱可能に構成し、前記上板ユニットが前記所定量引き出されていない前記水平移動する区間では、前記上板ユニットの離脱を抑止するように構成するとよい。上板ユニットを取り外すことができるので、例えばセンターシーラその他の装置・機器類の周囲がより開放される。上板ユニットに対する清掃・メンテナンスもやりやすくなる。水平移動する区間では上板ユニットの離脱が抑止されているので、引き出し途中や、セットするために押し込んでいる途中で意図せずに上板ユニットが支持部から離脱して、例えば持ち上がって周囲の装置・機器類に接触する事態の発生を防止できる。
【0017】
(4)前記上板ユニットの着脱は、前記上板ユニットを吊り下げた姿勢で行えるようにし、前記吊り下げた状態の前記上板ユニットを持ち上げることで前記支持部から離脱可能な状態に遷移するように構成するとよい。このようにすると、簡単な操作で着脱ができるとともに、水平状態では取り外せないようにすることで、取り外す際には上板ユニットが起立した姿勢となっているので、支持部から離脱した際の上板ユニットの荷重は、起立した姿勢の上板ユニットの直下となるので、作業員もバランスよく把持した状態を維持できる。
【0018】
(1)の発明では、前記上板ユニットは、前記水平移動する方向の左右両側面に水平移動可能に構成するレール状部を備え、前記支持部側には、前記レール状部と接触可能で前記水平移動を案内するガイド部材を備えたため、簡単な構成で上板ユニットを水平移動可能に支持し、移動を案内することができる。
【0019】
(1)の発明では、前記上板ユニットの前記左右両側面には、前記レール状部の奥側に、前記支持部の前記手前側に設けた前記ガイド部材に接触可能なストッパー部材を設け、前記上板ユニットを前記手前側に引き出した際に、前記ガイド部材と前記ストッパー部材が接触しそれ以上手前側に水平移動するのを抑止するとともに、前記上板ユニットを下側に倒した姿勢の前記上板ユニットにおける前記ストッパー部材が前記ガイド部材に支持されて吊り下げ状態にするように構成したため、上板ユニットを手前に引き出した際にそのまま抜けてしまうことがなく、また、係る抜け止めの機構を利用して上板ユニットを吊り下げ支持できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば以下に示すいずれか一つの効果或いは複数の効果を奏する。例えば清掃、修理、メンテナンス等にセンターシール装置を露出でき、状態の確認や作業が容易に行える。例えば上板ユニットは、吊り下げ状態にすることができるため、作業の邪魔にならない。上板ユニットは水平移動するので、上板ユニットの上方に装置・機器類が存在してもそれらに干渉することなく開放できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係るセンターシール装置が実装される正型ピロー包装機の一例を示す正面図である。
図2】その製袋器並びにセンターシール装置を示す平面図である。
図3】その正面図である。
図4】(a)はセンターシール装置の一実施形態を示す平面図であり、(b)はその正面図である。
図5】(a)はその右側面図であり、(b)はその斜視図である。
図6】(a)は、上板ユニット40を水平移動途中の状態を示す平面図であり、(b)はその右側面図である。
図7】(a)は、上板ユニット40を手前側に引き出した状態を示す平面図であり、(b)はその右側面図である。
図8】(a)は、上板ユニット40を倒した状態を示す平面図であり、(b)はその正面図である。
図9】その右側面図である。
図10】(a)は、上板ユニット40を取り外した状態を示す平面図であり、(b)はその正面図である。
図11】その右側面図である。
図12】上板ユニット40を水平移動途中の状態を示す斜視図である。
図13】上板ユニット40を手前側に引き出した状態を示す斜視図である。
図14】上板ユニット40を倒した状態を示す斜視図である。
図15】上板ユニット40を取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0023】
図1は、本発明に係るセンターシール装置が実装される正型ピロー包装機の好適な一実施形態を示している。正型ピロー包装機10は、上流側から製品搬送供給装置11,包装機本体12の順に配置し、それらの上方にフィルム供給装置14を備えて構成される。
【0024】
製品搬送供給装置11は、製品13を一定間隔毎に搬送するとともに、次段の包装機本体12に順次供給するフィンガーコンベア装置から形成される。すなわち、前後に配置されたスプロケット7(図1では、下流側のみ示す)間に掛け渡されたエンドレスチェーン8に対し、一定間隔で押送フィンガー9を取り付けて構成される。そして、前後の押送フィンガー9間に製品13を供給することにより、その製品13を押送フィンガー9のフィンガーピッチで搬送する。
【0025】
フィルム供給装置14は、製品13を包み込むための帯状の包装フィルム16を連続して包装機本体12に供給するためのものである。このフィルム供給装置14は、帯状の包装フィルム16をロール状に巻き取った原反ロール15の支持手段を備える。フィルム供給装置14は、原反ロール15から連続して引き出された帯状の包装フィルム16を所定の搬送経路で搬送し、包装機本体12の搬入部位に導くためのローラ17(図では1つのみ描画している)を備える。このローラ17は、帯状の包装フィルム16に対して駆動を掛ける駆動ローラや、テンションを掛けるテンションローラや、帯状の包装フィルム16の搬送方向を変更したり搬送をガイドしたりするフリーローラなどがある。さらにフィルム供給装置14は、製袋器22より上方に配置され、包装フィルム16を上方側から供給する。
【0026】
包装機本体12は、搬入側に製袋器22を備える。製袋器22は、フィルム供給装置14から連続して供給される帯状の包装フィルム16を筒状に形成する。ここでは、製袋器22を包装フィルム16が通過することで、その包装フィルム16の両側縁部16aが重ね合わされるとともに、その両側縁部16aが製袋器22,搬送面の下方に突出した状態となる。
【0027】
すなわち、製袋器22は、縦断面が矩形状の枠体からなる本体22aを備え、本体22aの底面は、その幅方向中央部が分離して、搬送方向に延びる隙間が形成される。これにより、製袋器22に供給された帯状の包装フィルム16は、本体22aの内周面に沿って筒状に製袋され、その両側縁部16aがともに本体22aの底面に形成された隙間を介して下方に突出し、重ね合わされた状態となる。
【0028】
さらに製袋器22は、図2図3に示すように、その下流側・搬出側に突出するガイド板部22bを備える。ガイド板部22bは、本体22aの底面と同一面上に位置し、底面に形成される隙間の延長線上には、同様の隙間が形成され、本体22aを通過して筒状に製袋された包装フィルム16の両側縁部16aが、ガイド板部22bの形成領域においてもその隙間から下方に突出した状態で搬送される。また、本体22aの底面上並びにガイド板部22bの上面は搬送面となり、製品13が内装された筒状の包装フィルム16がその搬送面上を移動する。さらに、ガイド板部22bの下流側部位は、先端が先細り状で、左右両側の側縁が徐々に中央に寄っていく傾斜辺となる。
【0029】
一方、製品搬送供給装置11から順次搬出される製品13は、製袋器22内に供給される。これにより、筒状に製袋される包装フィルム16内に製品13が所定間隔ごとに供給されることになり、以後、その製品13は筒状に製袋された包装フィルム16内に内包された状態のまま、当該フィルムと共に搬送される。
【0030】
さらに包装機本体12は、製袋器22の下流側に、センターシール装置23を備える。センターシール装置23は、製袋器22を通過して製袋された筒状の包装フィルム16の両側縁部16aを重ね合わせた部位をシールするものである。このセンターシール装置23は、搬送面を構成する左右一対の上板23aの下方所定位置に、上流側から順に入口側ピンチローラ23b,バー状のセンターシーラ23c,出口側ピンチローラ23dを配置した構成を採る。
【0031】
図2図3に示すように、左右一対の上板23aは、その対向面同士を所定距離おき、その上面を同一水平平面内に配置する。対向面同士の間に形成される隙間内に、製袋器22で重ね合わされた包装フィルム16の両側縁部16aが、その重ね合わされた状態で進入し、当該両側縁部16aは上板23aの下方に垂下・突出した状態となる。
【0032】
また、左右一対の上板23aの対向面の上流端側部位は、上流側に行くにつれて徐々に離反距離が長くなる傾斜辺となる。これにより、左右一対の上板23aの上流側の搬入口には、略三角形状の空間が形成され、図2に示すように平面視でその空間内に製袋器22のガイド板部22bが配置される。そして、ガイド板部22bに設けた前後方向に延びる隙間の延長線上に、左右一対の上板23aの対向面間に形成される隙間が位置するように配置する。このようにするとで、製袋器22で筒状に製袋された包装フィルム16の両側縁部16aは、重ね合わされた状態でガイド板部22bの幅方向中央の隙間を通って移動し、そのまま左右一対の上板23aの対向面間の隙間に進入し、その隙間に沿って上板23aの下方に突出した状態のまま前進移動する。
【0033】
左右一対の入口側ピンチローラ23bは、上板23aの下方に突出する包装フィルム16の両側縁部16aを重ね合わせた部位を左右から挟み込んで搬送力を与える。さらに本実施形態では、入口側ピンチローラ23bは、製袋器22のガイド板部22bの下流側先端部位と、上板23aの上流端側部位が入り込んだ領域に配置する。これにより、本形態では、入口側ピンチローラ23bは、ガイド板部22bの隙間から下方に突出している包装フィルム16の両側縁部16aを挟み込み、搬送力を与えるようになる。
【0034】
左右一対のセンターシーラ23cは、例えばヒータを内蔵し、両側縁部16aを両側から挟み込んで加熱する。左右一対の出口側ピンチローラ23dは、センターシーラ23cで加熱された両側縁部16aを両側から挟み込んで搬送力を与える。さらに、この搬送力を与えるべく、所定の圧力で両側から挟むため、センターシーラ23cにて加熱して溶融されたフィルム部位を加圧すると共に冷却して熱シールを完了する。この出口側ピンチローラ23dは、プレスローラとも称される。またセンターシール装置23は、本実施形態ではバー状のセンターシーラ23cを用いたが、例えば一対の回転ローラで構成するものもあり、各種の構造をとれる。
【0035】
製袋器22で筒状に製袋された包装フィルム16の両側縁部16aは、センターシール装置23でシールされ、その包装フィルム16はフィルム搬送方向に対して直交するフィルムの周回方向が閉じた形態となる。
【0036】
包装機本体12は、センターシール装置23の下流側に、下部ベルトコンベア装置26と上部抑えベルト装置28を備える。下部ベルトコンベア装置26は、製品13を内包する包装フィルム16の搬送路を構成する。上部抑えベルト装置28は、下部ベルトコンベア装置26の上方所定位置に配置される。上部抑えベルト装置28は、前後に所定の間隔をおいて配置した駆動プーリ32,従動プーリ33と、それらプーリ間に掛け渡されるエンドレスベルト34を備える。エンドレスベルト34は、プーリとともに昇降移動可能となっており、製品13を内包する包装フィルム16に接触或いは近接する位置に来るように調整する。駆動プーリ32は、図示省略の駆動モータに連係され、当該駆動モータの回転力を受けて回転する。これに伴い、エンドレスベルト34も回転する。また、エンドレスベルト34の水平移動する区間の移動速度は、包装フィルム16の移動速度と等しくなるように制御する。これにより上部抑えベルト装置28は、製品13が上方に浮き上がるのを抑制する。
【0037】
さらに包装機本体12は、下部ベルトコンベア装置26,上部抑えベルト装置28の下流側にトップシール装置30を備える。トップシール装置30は、包装フィルム16に対し、搬送方向に対して直交する方向、つまり、横断する方向にシールするとともにカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の製品13の間の所定位置である。このトップシール装置30は、包装フィルム16を挟んでその上下に上側トップシーラ30aと下側トップシーラ30bを備える。上側トップシーラ30aと下側トップシーラ30bは、ヒータが内蔵され、互いの先端のシール面が所定の温度に加熱される。そして上側トップシーラ30aと下側トップシーラ30bは、シール面を対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で接近離反し、接近時に上側トップシーラ30aと下側トップシーラ30bのシール面が包装フィルム16を上下から挟み込んで加熱し、上側トップシーラ30aに内蔵するカッター刃が、下側トップシーラ30bに設けたカッター溝に進入してシールした部位をカットする。これにより、包装フィルム16の先端部分(先頭の製品13を内包する部分)は、後続の包装フィルム16から分離され、包装体29が製造される。そして、この包装体29が搬出コンベア装置27上を搬送される。
【0038】
本実施形態では、左右一対の上板23aは、上板ユニット40として一体化され、その上板23a同士の相対位置関係を維持したまま、上板ユニット40が搬送面すなわち上板23aと平行な水平面内であって、包装機本体12の手前側(例えば搬送方向右側)に向けて往復移動可能に構成し(図6図7図12図13等参照)、図7図13等に示すように手前側に移動して引き出された状態では、上方が開放しセンターシーラ23cやその前後に配置する入口側ピンチローラ23b,出口側ピンチローラ23d等の装置類が外部に露出する。さらに、上板ユニット40は、手前側に引き出された所定位置で奥側を回転中心として手前側が下方に下がり、例えば水平状態から略90度回転して吊り下がった状態で支持されるように構成する(図8図9図14等参照)。さらに本実施形態では、図10図11図15等に示すように上板ユニット40を取り外す構成も備える。これらの各構成を実現するための具体的構成の一例としては、例えば以下に示すようにするとよい。
【0039】
上板ユニット40は、例えば左右一対の上板23aと、その上板23aの下面に取り付けられ一対の上板23aの相対位置を設定する一対の側壁部41を備える。側壁部41は、その上端部位41aが所定方向(例えば、一対の側壁部41の非対向面側)に略90°折り曲げられて上板23aの下面に面接触し、その上端部位41aと上板23aをねじ等の締結具60等で固定する。そして側壁部41は、上板23aの搬送方向の前後両端付近で固定される。また一対の側壁部41は、互いに平行で搬送方向に対して直交する方向に延び、それぞれが一対の上板23aを跨ぐように配置される。
【0040】
各側壁部41の非対向面には、それぞれその上下に所定の間隔を置いて上レール状部42と下レール状部43を水平方向に延びるように配置する。上レール状部42は例えばL字プレート状の部材を用い、その一面を側壁部41に接触した状態でねじ止めや溶接等で固定するとよい。これにより、上レール状部42は、側壁部41に強固に連結され、水平面内で前方或いは後方に向けて突出する。また、下レール状部43は、上レール状部42と同様に別部材を取り付けてもよいが、例えば側壁部41の下方部位を所定方向に90度折曲げ、一体に形成するとよい。
【0041】
また、下レール状部43の奥側の端部付近の所定位置には凹状切欠き部43aを設け、下方開口する。さらに、側壁部41の奥側の端縁であって、上レール状部42と下レール状部43とで挟まれる空間内には、矩形状のストッパー部材44を取り付ける。凹状切欠き部43aは、ストッパー部材44よりも所定距離だけ手前側に形成する。
【0042】
一方、上述した構成の上板ユニット40を支持しながら水平移動させるための支持部50を、搬送路を横断するように配置する。この支持部50は、センターシール装置23・包装機本体12の奥側に搬送方向に沿って前後に所定の間隔を置いて起立配置する帯板状の支柱部51と、各支柱部51の手前側の面の上方に、手前に向けて突出するように連結される支持板部52を備える。支持板部52は、帯板状で搬送路を横断するようにし、上下に起立配置される。支持板部52の対向面には、3個のガイドローラ(手前側の1つの第1ガイドローラ53と、その奥側の所定位置に配置される2つの第2ガイドローラ54)が、奥側から手前側に向けて適宜位置に回転自在に取り付けられる。第1ガイドローラ53と、第2ガイドローラ54は、同一の直径を有し、その回転軸は、水平面内に一直線上に配置される。さらに、第1ガイドローラ53と、第2ガイドローラ54は、軸方向で段違いに配置され、第1ガイドローラ53は、支持板部52に近接し、第2ガイドローラ54は、支持板部52から少し離れた位置に配置している。そして、上板ユニット40を水平方向に移動させた際に、上板ユニット40の側壁部41に取り付けるストッパー部材44が、第2ガイドローラ54とは接触せず、第1ガイドローラ53に接触するような位置関係に構成する。
【0043】
さらにまた、支持板部52の対向面の上方側には、細長な角柱状のガイド部材55が取り付けられる。このガイド部材55は、奥の2つの第2ガイドローラ54の上には設けられ、手前側の第1ガイドローラ53の上には設けないように設定している。さらに支持板部52の手前側の下端側には、止めねじ部56を備える。
【0044】
上板ユニット40を支持部50に取り付けるに際し、上レール状部42は、第1ガイドローラ53及び第2ガイドローラ54と、ガイド部材55との間に進入し、上レール状部42と下レール状部43の間の空間内に第1ガイドローラ53及び第2ガイドローラ54が位置する。また、上レール状部42と下レール状部43の間隔は、第1ガイドローラ53及び第2ガイドローラ54の直径よりも若干長くし、上レール状部42或いは下レール状部43の一方が第1ガイドローラ53及び第2ガイドローラ54に接触し、上板ユニット40の往復移動をガイドする。
【0045】
そして、上板ユニット40を最奥部に押し込んだ状態で、止めねじ部56を締めることで、上板ユニット40を固定し、搬送面に対して直交方向の移動を抑止する。止めねじ部56による固定は、例えば止めねじ部56の先端側を支持板部52に取り付け、止めねじ部56の軸部56cに円周方向に延びるように設けた溝部56aを、側壁部41の先端側の下方に設けた切込み部41b内に挿入可能とし、止めねじ部56の頭部56bを所定方向に回してねじを締めると、切込み部41b内に入り込んでいる溝部56aが側壁部41を支持板部52側に付勢することで、容易に止めねじ部56による締め付けから上板ユニット40が離脱して手前側に移動しないように構成するとよい。この状態で、正型ピロー包装機10は、運転動作する。
【0046】
更に本実施形態では、左右一対の上板23aの上流側の搬入口には、略三角形状の空間が形成されており、その空間内に製袋器22のガイド板部22bが配置される。そして、そのガイド板部22bの上面と、上板23aの上面は、ともに搬送面を構成し、面一の状態に置かれている。よって、手前に引き出す際の奥側の上板23aの進行方向には、ガイド板部22bの三角形状の部位が存在し、干渉してしまい引き出しができない。
【0047】
そこで、本実施形態では、ガイド板部22bを昇降する機構(図示省略)を設け、例えば支持部50の上流側近傍位置等に図示省略する操作レバーを設ける。昇降する機構は、例えば、リンク機構などのメカニカルな機構とし、例えば操作レバーを上下移動する等の動作にリンク機構が連動し、ガイド板部22bを例えば上板23aと面一の基準位置と、その基準位置から所定距離だけ上昇させた退避位置との間を往復移動可能にするとよい。例えば、駆動モータやシリンダなどの駆動源の動力を、直接または所定の伝達機構を介してガイド板部22bに伝え、昇降させるようにしてもよいが、本実施形態では、ガイド板部22bと上板23a干渉は、例えばガイド板部22bを数mm程度上方或いは下方に移動するだけでよいため、操作レバーの手動操作に基づくリンク機構によりガイド板部22bを昇降させる構成にした。これにより、簡易な構成で両者の干渉を回避し、上板ユニット40を引き出しできるようになる。また、上記の昇降移動は、少なくとも干渉が回避できるようにガイド板部22bの下流側の三角形状に突出する部分が昇降できる構成にすればよいが、ガイド板部22b全体さらには製袋器22全体が昇降するようにしてもよい。
【0048】
そして、センターシーラ23c等の装置類の清掃・修理その他のメンテナンス等の処理を行う場合、上述したように操作レバーを操作してガイド板部22bを基準位置から退避位置まで上昇移動させる。また、この処理と前後して、止めねじ部56を緩め、溝部56aによる側壁部41に対する付勢力を低減させ、溝部56aから切込み部41bが離脱可能な状態にする。その状態で、上板ユニット40を手前側に引っ張ると、上板ユニット40全体が手前側に引き出される。このとき、上レール状部42或いは下レール状部43が接触する第1ガイドローラ53、第2ガイドローラ54が自転し、手前側への引き出しをガイドし、スムーズに上板ユニット40が引き出される。
【0049】
そして、上板ユニット40を、手前側に完全に引き出すと、側壁部41の奥側に取り付けたストッパー部材44が、手前側に取り付けた第1ガイドローラ53に接触し、それ以上の手前側の移動が抑止される。この手前側に引き出した状態では、上レール状部42と下レール状部43間の空間には、先端側の第1ガイドローラ53が存在し、上レール状部42の上方にはガイド部材55が存在しない状態となる。よって、例えば手前側の第1ガイドローラ53を中心に、上板ユニット40は回転可能な状態となり、例えば上板ユニット40の手前側を下げるように上板ユニット40を約90度回転させると、上板ユニット40は、手前側の第1ガイドローラ53にストッパー部材44が引っかかり吊り下げられた姿勢で保持される。
【0050】
この状態では、例えば入口側ピンチローラ23b、センターシーラ23c、出口側ピンチローラ23d等の装置類は、上方を含む周囲が開放され、作業員はその装置類の状態・状況を容易かつ精度よく確認でき、装置類の周囲に各種作業を行うための十分な空間が確保できるため、短時間でメンテナンス等の処理を完了することができる。さらに、上板ユニット40は、下方に吊り下がった状態で支持されるので作業員は、例えばセンターシール装置23の手前側に接近し、作業することができる。
【0051】
手前側と奥側の左右一対の上板23aが、上板ユニット40として一体となって引き出されるので、奥側の上板23aもセンターシーラ23c等の装置類の上方から離反させ、大きく開放させることができる。
【0052】
また、係る状態にするため操作は、上板ユニット40を水平方向に引き出すだけでよいので、例えば、本実施形態のように上部抑えベルト装置28等が上板ユニット40の上方に位置していたり、例えば上板ユニット40の上方近傍等にセンサーが配置されていたりした場合でも、それらと干渉することなくスムーズに引き出してセンターシーラ23c等の装置類の周囲を開放することができ、平面視でそれら装置類の全体が露出・開放される。よって、装置類の奥側まで、簡単に清掃・修理その他のメンテナンス等を容易、かつ正確に行える。さらに上板ユニット40は、吊り下げ状態にすることができるため、引き出した上板ユニットが手前側に突出して作業の邪魔になることがない。
【0053】
そして、メンテナンス等の処理が終了したならば、上述した工程を逆にたどって行い、上板ユニット40を奥側に押し込み、所定位置に位置させた状態で止めねじ部56で上板ユニット40を固定するとともに、操作レバーを操作してガイド板部22bを基準位置に復帰させる。
【0054】
更に本実施形態では、下レール状部43の奥側に設けた凹状切欠き部43aは、その開口された長さ(上板ユニット40の引き出し方向と平行な方向の長さ)は、第1ガイドローラ53及び第2ガイドローラ54の直径よりも長くしている。そして、上板ユニット40を最手前側に引き出し、ストッパー部材44が手前側の第1ガイドローラ53に接触した状態では、凹状切欠き部43aは第1ガイドローラ53よりもさらに前に位置し、その手前側の第1ガイドローラ53は、下レール状部43と接触する。また、係る最手前側に位置した状態から上板ユニット40を所定距離だけ奥に移動すると、手前側の第1ガイドローラ53は、下レール状部43の凹状切欠き部43aに対向する。この状態では、上板ユニット40の上レール状部42が、ガイド部材55の配置領域内に位置し、上板ユニット40の上方への移動が抑止される。よって、例えば、上板ユニット40を手前側に引き出している途中で、下レール状部43の凹状切欠き部43aが第1ガイドローラ53内に位置した際に不用意に上板ユニット40が上方に移動して支持部50から離脱することなく、最手前側まで引き出すことができる。
【0055】
そして、そのように上板ユニット40を最手前側に引き出すと、上述したように上板ユニット40を、手前側のガイド部材55を基準に下方に向けて回転させ、吊り下げ支持される状態に遷移される。このように吊り下げ状態の上板ユニット40を、若干持ち上げて、第1ガイドローラ53を下レール状部43の凹状切欠き部43aに対向させた位置にし、その状態で手前に引くと、上板ユニット40を取り外すことができる。
【0056】
一方、取り外した上板ユニット40は、垂直に起立させた状態で凹状切欠き部43aを第1ガイドローラ53に対向させ、奥側に移動することで、第1ガイドローラ53を上レール状部42と下レール状部43の間の空間内に位置させる。次いで、上板ユニット40を下方に移動すると、ストッパー部材44は第1ガイドローラ53に接触し、上板ユニット40は吊り下げ支持される。
【0057】
このように、工具を用いることなく、上板ユニット40を所定の軌跡で動かすだけで支持部50に対して着脱できる。よって、例えば上板ユニット40を取り外して、センターシール装置23の手前側を開放し、内部の状態をより容易に視認でき、また各種作業を行いやすくすることができる。
【0058】
上述した実施形態では、製袋器22のガイド板部22bの下流側先端部位が、左右一対の上板23aの間に入り込む構成としたが、例えばガイド板部22b等の製袋器22の下流側端部位等が、左右一対の上板23aの間に入り込まず、上板ユニット40の手前に引き出す際に干渉を生じない構成としてもよい。係る構成の場合には、製袋器22やガイド板部22bを昇降させる構成を設けなくてもよい。
【0059】
また、製袋器22のガイド板部22bと、上板23aとがオーバーラップするように構成してもよい。
【0060】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0061】
10 :正型ピロー包装機
23 :センターシール装置
23a :上板
23b :入口側ピンチローラ
23c :センターシーラ
23d :出口側ピンチローラ
26 :下部ベルトコンベア装置
40 :上板ユニット
41 :側壁部
42 :上レール状部
43 :下レール状部
44 :ストッパー部材
50 :支持枠部
51 :支柱部
52 :支持板部
53 :第1ガイドローラ
54 :第2ガイドローラ
55 :ガイド部材
図1
図2
図3
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