(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】セントルフォーム側板におけるカラーの固定方法及びセントルフォーム側板の反転装置
(51)【国際特許分類】
E21D 11/10 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
E21D11/10 B
(21)【出願番号】P 2021205231
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】315014567
【氏名又は名称】島工業HD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土田 実
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-070604(JP,A)
【文献】特開2021-017800(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115076200(CN,A)
【文献】特開平07-077213(JP,A)
【文献】特開2011-167703(JP,A)
【文献】実開昭61-063005(JP,U)
【文献】特開昭63-303212(JP,A)
【文献】特開平10-068105(JP,A)
【文献】特開2018-200066(JP,A)
【文献】特開平07-018854(JP,A)
【文献】特開2020-200707(JP,A)
【文献】特開2003-314513(JP,A)
【文献】実公昭48-025008(JP,Y1)
【文献】特開2004-225802(JP,A)
【文献】特開2010-125484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00-9/14
E21D 11/00-19/06
E21D 23/00-23/26
E04G 9/00-19/00
E04G 25/00-25/08
F16B 5/00-5/12
F16B 17/00-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セントルフォームの2枚の側板どうしを位置決めするための連結ピンが挿入される孔を有する2つのカラーを、前記セントルフォームを構成する面板と一体化される前の2枚の前記側板のそれぞれに固定するセントルフォーム側板におけるカラーの固定方法であって、
軸回転可能に支持されるとともに第1方向に延伸する作動軸と、
前記作動軸の軸回転によって前記第1方向と平行な回転軸線の回りを回転可能に設けられた支持体と、を備えた反転装置を用い、
前記支持体は、2枚の前記側板を重ねて位置合わせした状態の側板対を前記作動軸の軸回転により反転させうる姿勢で支持可能な支持部を有し、
前記支持体
の前記支持部に
前記側板対を支持させる工程と、
前記支持体が第1の位置にある状態で所定の姿勢をとる前記側板対のうち一方の前記側板に前記カラーを固定する工程と、
前記作動軸の軸回転によって前記支持体を前記第1の位置か
ら第2の位置へ回転させることで前記支持体に支持された前記側板対を反転させる工程と、
前記支持体が前記第2の位置にある状態で反転した姿勢をとる前記側板対のうち他方の前記側板に対して前記一方の前記側板に固定された前記カラーと同軸の位置にカラーを固定する工程と、を含むセントルフォーム側板におけるカラーの固定方法。
【請求項2】
前記第1の位置および前記第2の位置は、前記支持体が前記回転軸線の回りを互いに180度回転した位置関係にあり、
前記支持体が前記第1の位置および前記第2の位置にあるとき、
前記支持部に支持された前記側板対
は、一方の側面
を上向き且つ水平状態
とする姿勢と、前記一方の前記側面と反対側の他方の側面を上向き且つ水平状態とする姿勢とに配置される請求項1に記載のセントルフォーム側板におけるカラーの固定方法。
【請求項3】
前記側板は長尺状の板材であり、
前記支持部は、前記側板対の
長手方向の中央部を支持
し、
前記側板対
が前記水平状態に
あるとき、前記側板対の
前記長手方向
の両側の部分を下方から
支保部材により支える請求項2に記載のセントルフォーム側板におけるカラーの固定方法。
【請求項4】
セントルフォームの2枚の側板どうしを位置決めするための連結ピンが挿入される孔を有する2つのカラーを、前記セントルフォームを構成する面板と一体化される前の2枚の前記側板のそれぞれに固定する作業が行われる2つの姿勢の間で側板対を反転させる反転装置であって、
軸回転可能に支持されるとともに第1方向に延伸する作動軸と、
前記作動軸の軸回転によって前記第1方向と平行な回転軸線の回りを回転可能に設けられた支持体と、
前記作動軸を
軸回転させることにより前記支持体を第1の位置と第2の位置との間で旋回させる駆動手段とを備え、
前記支持体は、2枚の前記側板を重ねて位置合わせした状態の側板対を前記作動軸の軸回転により反転させうる姿勢で支持可能な支持部を有するとともに、前記回転軸線の回りを回転することで前記第1の位置と前記第2の位置とに配置可能に構成され、
前記駆動手段は、
前記側板対を支持する前記支持体を前記第1の位置に配置することで、前記側板対
のうち一方の前記側板に前記カラーを固定する作業が行われる所定の姿勢に前記側板対を配置し、
前記一方の前記側板に前記カラーが固定された後、前記支持体を前記第1の位置から前記第2の位置へ旋回させることで、前記側板対のうち他方の前記側板に対して前記一方の前記側板に固定された前記カラーと同軸の位置にカラーを固定する作業が行われる姿勢に前記側板対を反転させるセントルフォーム側板の反転装置。
【請求項5】
前記支持体は、前記第1の位置および前記第2の位置において、
前記支持部に支持された前記側板対
を、一方の側面
が上向き且つ水平
状態となる姿勢と、前記一方の前記側面と反対側の他方の側面が上向き且つ水平状態となる姿勢とに支持可能に構成される請求項4に記載のセントルフォーム側板の反転装置。
【請求項6】
前記支持体は
、前記支持部が先端に設けられたアームを備え、
前記支持部は、
前記側板対を支持可能
な支持面と、
前記支持面に形成された突起とを有し、
前記突起の先端にはねじ部が設けられ
、
前記側板は前記孔とは異なる第2の孔を有し、
前記側板対は、前記第2の孔に前記突起を挿入する状態で締結部材が前記ねじ部に螺合されることで、前記支持面に支持された状態で前記支持部に固定される請求項4または5に記載のセントルフォーム側板の反転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの内周面における覆工コンクリートの成形に用いられるセントルにおいて、その覆工コンクリートの成形面を有するセントルフォーム(以下、主として単にフォームという)に関するものである。特に、本発明は、隣接使用されるセントルフォーム側板におけるカラーの固定方法及びセントルフォーム側板の反転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、
図1及び
図2に示す技術が開示されている。すなわち、トンネル11の内周面に打設される覆工コンクリート12は、コンクリート形枠装置としてのセントル13によって成形される。セントル13は、複数のフォーム14を連結して構成される。各フォーム14は覆工コンクリート12の内周面を成形するための面板16と、その面板16の両側端に位置するセントルフォーム側板(以下、側板という)17とを有する。そして、
図2及び
図3に示すように、トンネル延長方向である横方向に隣接するフォーム14は、側板17において図示しないボルトによって連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、隣接するフォーム14の面板16間に高低差が生じると、覆工コンクリート12の内周面に段差が生じて、覆工コンクリート12の外観品質が劣化する。このため、
図3及び
図4(a)に示すように、隣接する両側板17の位置決め孔19には、位置決めのためのカラー18を固定して、そのカラー18の中心孔18cを通る連結ピン20によって、両側板17が位置決めされる。カラー18は、大径部18aと小径部18bとを有しており、小径部18bが前記位置決め孔19に嵌合されるとともに、大径部18aが側板17の側面に溶接される。前記小径部18bの高さは、2枚重ねられた側板17の対171(以下、側板対という)の位置決め孔19の深さより低く形成されている。側板17には、位置決め孔19以外に複数の孔21が形成されており、これらの孔21は、前記ボルトなど、他の用途のためのものである。
【0005】
なお、側板17には、補強などのための機能部品24が溶接されている。
隣接される2枚の側板17のカラー18は、両側板17の位置合わせ状態で相互に位置決めされる。すなわち、2枚の側板17は重ねられて、それらの外周端面が位置合わせされた状態で固定されて、側板対171となる。両側板17の位置合わせ固定は、位置決め孔19以外の孔21を通るボルト(図示しない)及びナット(図示しない)などの仮止め部材23によって行われる。そして、両側板17の位置合わせ状態が維持された状態で、
図4(b)に示すように、側板対171が水平面内に保持される。この状態で、一方の側板17の位置決め孔19にカラー18が嵌合されるとともに、溶接される。
【0006】
次いで、側板対171が上下反転されて、
図4(c)に示すように、他方の側板17の他のカラー18が嵌合されるとともに、両カラー18の中心孔18cに連結ピン20と同様な芯合わせピン22が挿入されて、両カラー18の芯合わせが実行される。この状態で、他のカラー18がすでに溶接されたカラー18と同様に側板17に溶接される。ただし、この溶接は、
図4(c)に示す姿勢で行われても、
図4(a)に示す立てた姿勢で行われてもよい。
【0007】
従って、両側板17及び両側板17のカラー18がそれぞれ相互に位置決めされる。その後、これらの側板17を重ね合わせ状態から分離して、面板16と一体化してフォーム14が製造される。そして、
図3及び
図4(a)に示すように、そのフォーム14をセントル13として組み付ける場合、位置合わせされた対の2枚の側板17を隣接させて、カラー18を対向させる。そして、連結ピン20によって両カラー18を位置決め状態で連結させれば、隣接する側板17が外形一致状態で接合される。従って、隣接するフォーム14の面板16が同一平面を形成するように連続される。
【0008】
ところで、前述のように、両側板17にカラー18を取り付ける場合、側板17を反転動作させることが必要である。
この場合、2枚の側板17よりなる側板対171は、大重量であるために、従来は、クレーン(図示しない)が用いられる。つまり、側板対171にクレーンのチャックを取り付けて、その側板対171が吊り上げられて、作業位置に搬送される。そして、その作業位置において、クレーンのチャックが外されて、一方の側板17にカラー18が取り付けられる。次いで、側板対171に再度チャックが取り付けられて、吊り上げられた後に、表裏反転をともないながら、側板対171が吊り下げられて、再度作業位置に設置されるとともに、チャックが外される。そして、カラー18の取り付け作業終了後、側板対171にチャックが取り付けられて、側板対171が吊り上げられて、搬出される。
【0009】
以上のように、従来は、側板対171の作業位置における反転において、クレーンのチャックの取り付け・取り外しや、クレーンによる吊り上げ・吊り下げを実行する必要があった。従って、手間がかかって、作業効率が悪いものであった。
【0010】
また、工場内においては、クレーンの装備台数に制限がある。従って、前記のように、クレーンを頻繁に使用することは、他の作業の進行を遅らせるため、工場内の生産効率を低下させることに直結する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のセントルフォーム側板における位置決め部の固定方法においては、セントルフォームの2枚の側板を重ねて位置合わせし、この状態で、それらの側面が上向きになるように反転動作させ、各反転位置において、側板対に対して、側板どうしを位置決めするためのカラーを固定する方法であって、前記側板対を垂直面内において回転される支持体に支持して、支持体の回転によって前記反転動作を実行することを特徴とする。
【0012】
以上の方法においては、側板対を支持体に支持すれば、クレーンを用いる必要がない。このため、クレーンによる吊り上げ・吊り下げやチャックの脱着が不要になる。従って、側板に対するカラーの取り付けを容易に行うことができる。
【0013】
また、本発明のセントルフォーム側板の反転装置においては、重ね合わされた状態のセントルフォームの側板対を支持可能にした支持体と、その支持体を180度離れた2位置間で旋回させる駆動手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
従って、駆動手段によって支持体を回転させれば、側板対を容易に反転させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、クレーンなどを用いることなく、側板を容易に反転させることができるため、カラーの取り付けを容易に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】セントルの使用状態におけるトンネルの断面図。
【
図3】
図2とは異なる方向から見たフォームの組立状態を示す斜視図。
【
図4】(a)は、隣接するフォームのカラー部分の断面図、(b)は、一方の側板にカラーを取り付けた状態を示す断面図、(c)は、両側板にカラーを取り付けた状態を示す断面図。
【
図6】(a)は反転装置の本体を示す側断面図、(b)は一部拡大断面図。
【
図7】反転装置に側板対を支持した状態を示す正面図。
【
図8】1枚目の側板にカラーを取り付ける状態を示す斜視図。
【
図10】2枚目の側板にカラーを取り付ける状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を具体化したセントルフォーム側板におけるカラーの固定方法及びセントルフォーム側板の反転装置の実施形態を図面に従って説明する。
(反転装置)
はじめに、反転装置の構成を説明する。
【0018】
図5及び
図6(a),(b)に示すように、反転装置30の本体31の基台32には一対のスタンド33が立設されており、両スタンド33の上端の軸受33a間には、作動軸34が回転可能に支持されている。基台32上には駆動手段としてのブレーキ付きギヤドモータ(以下、単にモータという)35が支持されており、そのモータ軸36が減速歯車37,38を介して作動軸34に連結されている。
【0019】
両スタンド33間において、作動軸34にはアームユニット41が固定されている。このアームユニット41には後述の側板対171を支持可能にした支持体としての一対のアーム42が相互間隔をおいて設けられている。
図6(b)に示すように、両アーム42の先端には突起としての小径部43が形成されるとともに、小径部43の先端にはねじ部としてのねじ孔44が形成されている。両アーム42の先端面は支持面としての受け面45になっている。小径部43の高さは、2枚の側板17よりなる側板対171の厚さより低くなっている。
【0020】
そして、
図6(a)に実線及び2点鎖線で示すように、モータ35の駆動によって、アーム42が垂直面内を旋回できるようになっている。本実施形態においては、作業者の操作に従う制御装置の作動によって、アーム42が第1~第3位置P1~P3において停止できるようになっている。第1位置P1においては、受け面45が上向きの水平面内に位置し、第2位置P2においては、受け面45が垂直面内に位置し、第3位置P3においては、受け面45が第1位置P1と同じ高さで下向きの水平面内に位置する。
図7~
図9に示す39は、モータ35を覆うためのカバーを示す。
【0021】
反転装置30の本体31の両側において、床面には反転装置30を構成する支保部材51が設置される。この支保部材51は下端にキャスタ52を有しているため、床面などの支保部材51の設置面上を全方位において自在に移動できる。支保部材51の上端には複数の支えピン53が上向きに設けられている。この支えピン53の上端は、前記第1位置P1及び第3位置P3の受け面45の高さと同じ高さになっている。
【0022】
(側板の位置合わせ方法)
次に、前記反転装置30を使用する側板17の位置合わせ方法について説明する。ここでは、セントル13の例えばサイドフォームの側板17が位置合わせ方法の対象となる。
【0023】
図4(c)及び
図7~
図10に示すように、2枚の側板17は、前工程において、適当な複数位置の孔21にボルトなどの仮止め部材23が挿入されることにより、仮決めされる。この段階で、2枚の側板17は、それらの外周端が一致するように相互に位置合わせされた側板対171となる。
【0024】
この状態で、
図9に示すように、アーム42を第2位置P2に配置する。そして、
図6(a)に示すように、側板対171がその中央部の一対の孔21において両アーム42の先端の小径部43に支持される。ただし、
図6(a)は、側板対171を水平状態で描いている。そして、小径部43のねじ孔44にボルト46が螺合される。このようにすれば、側板17は、ボルト46の頭部によってワッシャ47を介して締め付けられて、アーム42の先端の受け面45とワッシャ47との間に挟持される。
【0025】
次いで、アーム42を
図6(a),
図6(b),
図7及び
図8に示す第1位置P1に配置する。このようにすれば、側板対171が側面上向きに位置される。このとき、
図7に示すように、側板対171の両端側が自重によって垂れ下がらないように、側板対171の両端部の下側に支保部材51を配置して、側板対171を支えピン53によって下側から受けるようにする。
【0026】
この状態において、
図4(b)に示すように、上側の側板17の位置決め孔19にカラー18がその小径部18bにおいて嵌合されるとともに、そのカラー18がその大径部18aにおいて側板17に溶接される。
【0027】
次いで、アーム42を
図10に示す第3位置P3に配置する。このようにすれば、側板対171を上下反転して、側板対171は、反対側の側面が上向きにされる。この場合も、支保部材51の支えピン53によって側板対171は両端部が垂れ下がることなく保持される。
【0028】
この状態で、
図4(c)に示すように、上側の側板17の位置決め孔19にカラー18を嵌合するとともに、このカラー18とすでに溶接固定されたカラー18の中心孔18cとに芯合わせピン22を挿入する。この場合、カラー18とすでに溶接されたカラー18との間に芯ずれが生じていても、溶接されていないカラー18は、その小径部18bと位置決め孔19の内周面との間のクリアランスによって移動される。このため、両カラー18が芯合わせされる。このようにすれば、2枚の側板17が位置決めされた状態で、カラー18どうしも位置決めされる。そして、この位置決め状態で、後から嵌合されたカラー18も側板17に溶接される。
【0029】
このように、カラー18を介して相互に位置決めされた側板17は、アーム42を第2位置P2に配置して、ボルト46を外すことにより、アーム42から外されて、後工程に送られる。
【0030】
なお、
図8~
図9においては、アーム42の第2位置P2において、側板17の両端側が中央部より上方に位置するように、側板17をアーム42に支持した。これとは逆に、側板17の両端側が中央部より下方に位置するように、側板17をアーム42に支持してもよい。
【0031】
側板17に固定される機能部品24は、側板17が第1位置P1~第3位置P3のいずれかの位置において、側板17に溶接されればよい。
その後、後工程において、芯合わせピン22や仮止め部材23などが外されて、両側板17が分離される。そして、側板17と面板16とが溶接されて、フォーム14が製造される。
【0032】
そして、そのフォーム14をセントル13として組み付ける際に、隣接する側板17を位置合わせ時と同じ対の関係にして、両カラー18の中心孔18cに連結ピン20を挿入すれば、両カラー18が規定の位置関係になる。従って、両カラー18を介して隣接するフォーム14も適正な位置関係となって、隣接する面板16も同一面上において連続する。このため、トンネルの覆工コンクリート12の内周面の外観品質を向上できる。
【0033】
(実施形態の効果)
本実施形態は、以下の効果がある。
(1)側板対171がアーム42に支持された状態で、側板対171の180度離れた表裏の反転動作がアーム42の回転によって実行される。そして、側板対171が各反転位置においてアーム42に支持された状態で、側板対171に対するカラー18の取り付けが行われる。従って、クレーンによる側板対171の吊り上げ・吊り下げや、チャックの取り付け・取り外しを行う必要がない。このため、カラー18の取り付けを短時間で容易に行うことができる。
【0034】
(2)側板対171の反転において、クレーンを用いる必要がないため、工場内における実施形態とは別のクレーン作業の支障になることを回避できる。
(3)側板対171をアーム42の先端面とボルト46の頭部との間に挟持できるため、側板対171の余分な動きを阻止できる。従って、カラー18の取り付け作業などを能率よく行うことができる。
【0035】
(4)側板対171が水平面内における第1位置P1及び第3位置P3に配置された状態において、側板対171の両端部を支保部材51によって下方から受けることができる。従って、その両端部の垂れ下がりや不要な動きを防止できて、カラー18の取り付け作業を正確かつ効率よく行うことができる。
【0036】
(変更例)
本発明は前記両実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化してもよい。そして、前記両実施形態と以下の変更例とは矛盾しない範囲内で相互に組み合わせることができる。
【0037】
・前記実施形態では、本発明をサイドフォームの側板におけるカラーの取り付けにおいて具体化したが、天フォーム、インバートフォームなどの他の種類のフォームにおいて具体化すること。
【0038】
・前記実施形態では、側板対171をボルト46によってアーム42に支持した。これに変えて、側板対171を磁気吸着によってアーム42に吸着して保持すること。
・前記実施形態では、前記アーム42の小径部43の先端にねじ孔44を形成した。この構成に対し、小径部43の先端に雄ねじを設け、その雄ねじに螺合されるナットによってアーム42の先端の側板対171を締め付けるようにすること。
【符号の説明】
【0039】
17…側板
19…位置決め孔
18…カラー
20…連結ピン
30…反転装置
31…本体
41…アームユニット
42…アーム
51…支保部材
171…側板対
P1…第1位置
P2…第2位置
P3…第3位置